わたしはかもめ2000年鴎の便り(4月)

便

4月29日

西武1−4千葉ロッテ(西武ドーム)

初先発のロバーツが踏ん張り、7回まで0点に抑える好投。8回以降は小林雅、藤田、ウォーレンと小刻みにつないで逃げ切った。打線は、3回、福浦の本塁打で先制し、7回には石井の適時打で2−0。1点差の9回には福浦の二塁打で2点を挙げた。

123456789R
千葉ロッテ0010001024
西武0000000101

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危機を救ったのは意外な男

鹿児島キャンプでテスト入団したロバーツが、西武相手に7回無失点。来日初先発で初勝利を挙げ、チームの連敗を4で止めた。ロバーツは、親友バリーの推薦でテストを受けるために来日したものの、テスト本番の紅白戦では、2回3失点と散々だった。それでも、「数少ない左だから、取れるものなら取っておこう」という首脳陣の意見で合格。右投なら不合格だったところだ。

ロバーツ
「勝利に貢献できて嬉しい。リリーフで結果を出していれば、いずれ先発のチャンスは来ると思っていた。使ってくれた山本監督にも感謝したい。」
山本監督
「ロバーツはよく投げた。エース級に勝ったし、明日につながる。」

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石井もタイムリー

不振の石井が、7回無死一、二塁で、西口から中前適時打を放った。

石井
「当たりは良くなかったけど、いいところに落ちてくれた。どうしても追加点が欲しかった。いい結果になり嬉しい。」

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フェルナンデスが殺人スライディング

8回裏、高木大成のライト前ヒットで、二塁走者のフェルナンデスが、ホームへ猛スライディング。捕手・吉鶴との交錯プレーに、筒井コーチが血相を変えてベンチを飛び出し、両軍がもみ合う騒ぎに。

フェルナンデス
「男だったら当然ああいうようにいくだろう。女だったら泣くだけなんだろうけど。」
筒井コーチ
「メジャーの選手があんなプレーをしていいのか。選手生命に関わりかねない。」

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ロバーツが救った!ロッテ4勝目

左翼スタンドで歓喜に沸く応援団に向かって“救世主”ロバーツが左腕を高々と上げる。山本監督もベンチから飛び出して帽子をとる。連敗をようやく4でストップし、6日ぶりの白星。ナインは次々とファンに向かって手を振った。「今日はオレ1人というより、チーム全員の勝利。ムードを変えるためにも、どうしても抑えないといけなかったんだ」。来日初先発で7回を4安打無失点。左腕から繰り出す多彩な変化球で西武打線を翻ろう。初勝利のロバーツがまくし立てた。

先発を告げられたのは25日だった。すぐに千葉・浦安市内の同じマンションに住む同僚ボーリックの元を訪れ、西武のビデオを入手。綿密なチェックを重ね「緩急を使って低めの変化球で勝負すればOK」の結論を導き出した。4回無死一、二塁では鈴木、平塚、高木大を低めの変化球で仕留めて無失点。ウイニングボールを手に「日本初勝利と書いて家宝にするよ」と会心の笑みを見せた。

そして何よりチームが久々に熱く燃えた。2点リードの8回2死満塁から高木大に右前打されたが、立川の好返球で二塁走者・フェルナンデスを刺した。このときブロックした捕手・吉鶴が左足をスパイクされ、両軍ベンチから選手が飛び出し、本塁ベース付近で小競り合い。あわや乱闘…その直後だった。9回1死一、二塁で福浦が左中間2点二塁打。3回の先制右越え3号ソロに続く快打に福浦は「バットでやり返してやりました」と胸を張った。どこか燃焼しきれなかったナインが一丸となった瞬間だった。

試合後、ナインを緊急招集し、約3分間ゲキを飛ばした山本監督は「ロバーツがよう投げた。乱闘の直後に追加点?やらないかんときにみんながようやった」と言った。まだ今季4勝目で借金は13もある。それでも指揮官は今季1番の笑顔を見せた。

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