わたしはかもめ2000年鴎の便り(5月)

便

5月18日

千葉ロッテ8−1福岡ダイエー(千葉マリン)

ロッテがダイエー戦初勝利を挙げた。黒木は、14三振を奪う1失点完投で2勝目。打線も、2回に小坂の適時打とサブローのプロ初本塁打で4点を先制した。

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福岡ダイエー0000001001
千葉ロッテ04100300x8

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黒木復活の14K

勝利の瞬間、黒木は右手を強く握り締めた。自己最多の14奪三振、1失点の今季初完投勝利。159球の熱投でつかんだ2勝目は、ダイエー戦今季7試合目にしてチーム初白星。昨年9月からのダイエー戦の連敗も10で止まった。

黒木は今季2度目の完投だが、4月13日のオリックス戦(GS神戸)は、杉本友と投げ合って1−2で負け投手に。完投勝利は、昨年8月13日のダイエー戦(千葉マリン)以来。小久保に1発を浴びなければ、平成10年9月29日の大阪近鉄戦(千葉マリン)以来、2年ぶりの完封勝利になっていた。

黒木
「今は(派手なポーズを)できる余裕はありません。しょせん2勝目ですから。自分も2つ負けているし、ダイエーにはやり返さないとね。練習の成果は出ている。速球で空振りやファールを取れるようになった。」
山本監督
「元のジョニーに戻った。2試合続けていい感じだ。どこのチームもウチより上にいる。たまった借金をエースを中心に1つずつ返していくしかない。」

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サブローがプロ入り初ホームラン

6年目のサブローが、2回、プロ入り初本塁打となる3ランを放つなど、3安打で、これもプロ入り初の猛打賞。ドラフト同期の黒木をもり立てた。

お立ち台では、「多分、ウチのチームはミラクルを起こすと思います」と話し、大歓声を浴びていた。

サブロー
「入団したころから『ジョニーが投げてボクが打って勝つ』と約束していたから嬉しい。」

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藤田復帰へ着々

右足親指の亀裂骨折で5月2日に登録を抹消された藤田が、習志野市内の病院で再検査を受け、全力投球OKの許可を得た。早速試合前、打撃投手を志願し、初芝と立川相手に66球を投げた。

藤田
「打者相手の感覚を取り戻したくて。もう痛みはないです。」

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河野&清水将が1軍復帰

故障で戦線離脱していた河野と清水将が1軍に復帰した。河野は、3月20日に左ひざ内側側副じん帯の軽い損傷に見舞われ、4月下旬に投球を開始。約2ヶ月ぶりの1軍。清水将は、右大腿内側打撲で登録抹消した4月15日以来、約1ヶ月ぶりの1軍。

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完全復活だ!黒木14K完投

魂を込めて投じた159球目。柴原の打球はショートの小坂から一塁の福浦へと送られる。6安打1失点の今季初完投で本拠地初白星。自己最多の14三振を奪ったエースはマウンドで両拳を突き上げた。そして今季初めて上がる千葉マリンのお立ち台で叫んだ。「ダイエーには今年2度もやられ、やり返さないといけなかった。14三振?感じが戻ってきました。借りを返していきます」。

序盤から全開だった。MAXは144キロ。初勝利を挙げた12日のオリックス戦の147キロには及ばなかったが、キレが違った。2回1死一塁では4・1開幕戦で本塁打を許した小久保、秋山を連続三振。5回1死三塁でも坊西、本間を三振斬り。奪三振ショーの主役は「スピードは出ていなかったけど、球離れが遅くなり、見にくい球になった。練習の成果です」。中継ぎ調整に入った4月下旬から連日続けている1時間の走り込みを要因に挙げた。

開幕から4連敗。不振の原因にキャンプ中の右太腿肉離れが指摘された。だが、実はキャンプイン直前の1月下旬にぎっくり腰も患っていた。相次ぐ故障で筋力が落ち、ユニホームの下半身に弛みが目立った。用具係がサイズ変更も考えたが、休日返上の走り込みで弛みを解消。パンパンに張った太腿を取り戻し昨年8月13日のダイエー戦以来の完投勝利だ。

昨年から完投後に行ってきた“大地に感謝”のポーズ。開幕前に風水研究家のドクター・コパ氏からミレニアム・バージョンを伝授されていたが、この日は「まだ、そういう状態じゃないし余裕もない。まだ2勝ですしね」。不甲斐なかった自分への戒めとして新ポーズは封印した。

エースの力投で昨年から続いていたダイエー戦の連敗も10でストップ。山本監督は「黒木は昨年の状態に戻った。エースを中心に1つずつ上を目指す」と力を込めた。その指揮官とがっちり握手した黒木は「一生懸命に汗をかいて、秋には笑いたい」。完全復活なったエースはしっかりと頂点を見据え、巻き返しを誓った。

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プロ1号!サブロー同期援護

サブローがプロ初アーチでドラフト同期生の黒木を援護した。2回2死一、三塁から初球のスライダーを直球を叩き、左翼スタンド中段へ1号3ラン。「ファームでは打っていたんですが、それに近い感触だったんで入ると思いました。入団当初からジョニー(黒木)が投げて僕が打って勝とうと約束していたんで最高です」。試合後は黒木と共に応援団が陣取る右翼外野席へ走りファンと一緒に万歳三唱した。

1994年11月18日のドラフト会議。PL学園のサブローは1位、新王子製紙春日井の黒木は2位指名だった。サブローが“格上”だったが、入団後は黒木に引き離された。しかし、今季は14日のオリックス戦で延長10回に勝ち越しスクイズを成功させ1番・中堅手に定着。若き核弾頭は「これからロッテがミラクルを起こす」とまくし立て球場を後にした。

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