わたしはかもめ2000年鴎の便り(6月)

便

6月4日

福岡ダイエー0−3千葉ロッテ(福岡ドーム)

橋本の先制適時打と諸積の犠飛で2点を先制。諸積の適時打で3点目を入れ、そのまま逃げ切った。サンデー晋吾・小野が8回途中まで3安打、4奪三振、無失点に抑える好投で日曜日6連勝。ハーラートップをキープ。小野の後、藤田→小林雅→ウォーレンとつないでダイエー打線を完封。

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千葉ロッテ0201000003
福岡ダイエー0000000000

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小野が投手3冠王に

小野が6勝でリーグトップタイ、防御率も2.21で首位。.875の勝率と合わせ、3冠王に。

小野
「調子自体は良くなかったけど、0点で嬉しい。信条通り打たせて取れた。これからも投げる試合で頑張るだけです。」
山本監督
「いい度胸している。すごいとしかいいようがない。」

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橋本が強力アシスト

女房役の橋本がバットで小野を強力アシスト。2回1死一、三塁からセンター前に先制タイムリーを放った。3試合連続打点で、小野が登板した5試合は16打数7安打で打率は.438。

橋本
「(打つ方については)いや、たまたまですよ。(小野については)デキは今まで組んだ中で1番悪かった。ストライクが先行せず、いつ崩れてもおかしくなかった。シュートがなかったら、と思うとゾッとします。」

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本家にM1!サンデー小野6連笑

また日曜日だ。ロッテのサンデーといえばもうこの男しかいない。小野がまた勝った。7回1/3を3安打無失点と、これで4月23日のオリックス戦(仙台)から日曜日に6連勝。ハーラートップタイの6勝目で防御率2.21、勝率.857と合わせてリーグ投手3冠に躍り出た小野はアイシングした右腕を懸命に伸ばし、ナインとの握手を繰り返した。

「調子自体は良くなかったけど、無失点はやっぱり嬉しい。低めをつく自分の投球ができました」ロッテでは85年に村田兆治氏(評論家)が右ひじの手術から奇跡の復活。日曜日に7連勝し“サンデー兆治”と呼ばれた。その往年の大エースの記録まであと1勝に迫った。

93年度に静岡・御殿場西高からドラフト6位で入団し、一昨年まで長い下積み生活。やっと6年目の昨季、縦に鋭く落ちるスライダーを会得して3勝した。そこで昨オフ、投手の中では最も大きい背番号63の変更を申し出たが、球団側に「3勝したぐらいじゃまだ早い」とあっさり却下された。「現状で満足していられない」自分の立場を再認識した小野はさらなる飛躍へシュートの習得に着手した。

春季キャンプでは投球練習のほとんどをシュート練習に割き、試行錯誤で最適の握りを発見して今季ついに生まれ変わった。この日は3回まで毎回得点圏に走者を背負う苦しい投球。だが、4回無死一塁で井口をそのシュートで遊ゴロ併殺に仕留めて立ち直り、2軍時代からの“古女房”橋本は「今日はシュートがなかったらと思うとゾッとします」と振り返った。

かつての村田氏がフォークなら小野はシュート。絶対的なウイニングショットを手にいれた今「2代目・兆治」襲名の声も上がる中で山本監督は言った。「シンゴ(小野) がよう投げてくれた。1番勝っているし、防御率もいいし(日曜日に限らず)多く投げさせたい」と“サンデー登板卒業”を示唆。そんな小野に石井球団代表補佐は「ここまで活躍されたら変えてやらないと」と昨オフ却下した背番号の昇格を約束した。

今やロッテの救世主。チームを借金1ケタまで引き上げて小野は言った。「投げる試合は(日曜日以外も)全部勝っていきたい」と。

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“古女房”橋本先制打

橋本が小野のサンデー6連勝をアシストした。2回1死一、三塁から真ん中低めのスライダーを中前へ運ぶ適時打。5月7日のオリックス戦でも先制打するなど、これで小野の投げる試合は16打数7安打で打率.438。2軍時代もずっと小野とバッテリーを組んでいた橋本は「コンパクトに振ったのがよかった。先制点で楽にさせてあげたかったから」と笑顔を見せていた。

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