わたしはかもめ2000年鴎の便り(6月)

便

6月29日

千葉ロッテ5−4西武(千葉マリン)

ロッテが逆転勝ち。1点を追う8回、1死二塁から代打・秦が右中間に同点二塁打。さらに2死一、二塁から大塚の二塁打で勝ち越した。6回途中から8回まで投げた小林雅が5勝目。9回はウォーレンが2三振を奪って12セーブ目。

123456789R
西武1020010004
千葉ロッテ10200002x5

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厳戒体制下でウォーレンが12セーブ目

ボールに傷を付けたという不正投球の疑いをかけられたウォーレンが、「厳戒体勢」の中で、9回に登板し、見事に3人斬り。大きく万歳をしたあと、中指を突き立てて雄叫びを上げた。山崎球審は、12球中に3球のボールチェンジと、4度の「傷チェック」という念の入れよう。2度目の交換時には、山本監督が抗議に飛び出し、さらに打球を処理する際に小関と交錯し、両軍入り乱れる乱闘騒ぎになったが、いつもなら真っ先に輪に加わるウォーレンは冷静を保っていた。

ウォーレン
「俺はこういうプレッシャーが大好きなんだ。3三振に仕留めたかったけど残念だ。今日も良く変化してたろう。どうぞチェックしてくれ。」

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悪乗りウォーレン

不正投球疑惑で監視されることになったウォーレンは、昨年と同様に、パフォーマンス。ハサミ、ひげそり、やすりなどをグラブにはめ込んでグラウンド入り。

ウォーレン
「笑い話にしたいくらいさ。」

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疑惑のボールの公開をめぐり

東尾監督と前川審判部指導員との会談が行われた。東尾監督は、疑惑のボールの公開を要求したが、前川審判部指導員はその要求を拒んだ。この会談で、審判員が厳しくチェックすることが改めて約束されたが、東尾監督の不信は、ウォーレンばかりではなく、ボールを公開しない連盟に対しても向けられている。

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石井3打点

石井が絶好調。1回2死二塁からタイムリー、3回1死二、三塁から2点タイムリー。西武の先発・許から1人で3打点を挙げた。これで8試合連続安打中。

石井
「3回?打ったのはシュート。差し込まれましたね。でも力負けしないバッティングができたと思う。」

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サンデー晋吾が元祖サンデー男と初対面

元祖サンデー男・村田兆治氏の記録を破る日曜登板8連勝を達成した晋吾が、村田氏と初対面。村田氏から激励され感激。

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ウォーレン炎12S!

貝塚のバットが大きく空を切る。ウイニングショットの、そして“疑惑”のムービングファストボールでゲームセットだ。ウォーレンはマウンド上で右こぶしを突き上げ、バックスクリーンを振り返って万歳のポーズ。仕上げには「ウオーッ!!」と雄叫びを上げ、西武ベンチに向かって何度も中指を突き立てた。欧米では最大の侮蔑のポーズだ。

ウォーレン
「今日はどうしても投げたかったんだ。こういったプレッシャーは大好きなんだ。みんなに疑われて、どうせやれないと思われている時にやってやったぜ。3者三振にするつもりだったからそれが残念だ。」

◇試合後投げ込み100球

山本監督と力強くハイタッチ。興奮さめやらないウォーレンは顔を真っ赤にして一気にまくし立てた。熱い思いは指揮官も同じだった。8回に逆転し、27日の試合で東尾監督から不正投球疑惑を投げかけられた守護神を迷うことなく9回のマウンドに送り込んだ。

先頭の大友が空振りした2球目の後にボール交換。この大友を三振に仕留めると、続く小関も2球目のあとにボール交換を求めた。山本監督は要求に応じた山崎球審に詰め寄り「何もないんだったらむやみに換えるな」と抗議。さらに、その直後の3球目が一塁線に転がるファウルを捕りにいったウォーレンが打者走者の小関と交錯すると再びベンチを飛び出した。あわや乱闘の揉み合い。「あいつは何も言わず引き下がったのに、ランナーがば声を浴びせたから出ていった」。東尾監督と激しくやりあう指揮官の“援護”をウォーレンは「最高に嬉しかったし、燃えたよ」と振り返った。

小関を左飛、貝塚を三振に仕留める炎の12球。結局3度のボール交換があったが、動じることなく12セーブ目を挙げた。この日の試合前、グラウンドに姿を現したウォーレンはグラブの網の部分に約20センチのハサミを仕込んでいた。高々と掲げ「チェックされたけど何もなかったろう。見ての通りだよ。もう笑い話だよ」と話していたが、試合では完全セーブで“無実”を証明。「気持ちいいね」と何度も繰り返した。

それでもまだアドレナリンが残っていたらしい。1度ロッカールームに戻った後、ウォーレンは再び誰もいないグラウンドへ。一塁側ベンチ前で松井ブルペン捕手相手に100球を吼えながら投げ込んだ。「最高に落ちてるだろう。このボールも調べてみるかい。それにしてもベリーハッピーだぜ」。高笑いがほてりの残るグラウンドに響いた。

◇首位陥落、大ブーイング…

あのウォーレンに最後を抑えられて西武が首位の座から陥落。「審判のチェック?ちゃんとやってたじゃないか。結果?結果は仕方がない」。不正投球疑惑を“告発”した東尾監督は努めて冷静に話したが、球場を出るとロッテファンから大ブーイング。もはや遺恨は避けられない展開になった。8回に森が逆転を許し、ウォーレンに出番を与える羽目に。小関が交錯して転倒、一塁ベース付近で揉み合いになる騒ぎにもなった。「監督が出てきて大げさにする必要なんてないんだ」。真っ先にベンチを飛び出した敵将に対し、このときばかりは東尾監督も怒りを隠さなかった。

さらに試合終了直後、ウォーレンが西武側を侮辱するようなポーズをとったことに楠城ヘッドコーチは「あの態度は許せん。とんでもないことだ」と怒りを爆発させた。今季4度目の3連敗で6月の負け越しも決定。しかし、それ以上の屈辱にまみれた夜だった。

山崎球審
「今日は念入りに見ました。山本監督は『何でも(ボールを)換えるのか』と言ってきましたが、空振りでワンバウンドだからと説明しました。いつも通りに審判としての仕事をしただけ。ウォーレンのポーズ?それは見ていません。確認したプレーじゃない。試合が終わったときで、私の仕事は終わりですから。」
西武・小関
「引っかけられた?僕が言うとまたあれだから…。怒ってた?そりゃ怒りますよ。ケガしますもん。」(9回にウォーレンと交錯して転倒)」

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疑惑球の公開拒否

ウォーレンの不正投球疑惑に関して29日、パ・リーグ審判部の前川芳男審判指導員が千葉マリンスタジアムを訪れてロッテ・山本、西武・東尾の両監督と会談。今後のチェック態勢などの説明を行った。「両監督にはチェックを強化するという話をしました。打者からアピールがなくても審判が判断してやります」と前川指導員。さらに投球に異常が感じられた場合には即座にプレーを止め「今までやっていなかったボディーチェックもする」とより厳しい態度で臨むことになった。その際に“クロ”と判断されれば、即退場処分を科す意向だ。両球団とも今後については連盟、審判団に一任。その方針に従う構えだが、今回の告発の当事者である東尾監督は約30分の会談であらためて「疑惑のボール」の一般公開を要求。前日ブルペンで人工芝を使ってボールに傷をつけてみたという同監督は「あのイニングには1個のボールしか使われなかった。人工芝ではあんな傷はつかない。事実を見せて欲しい」と強調した。それに対して前川指導員は「審判部としての形がある。チェックできなかったのも事実ですし…」と拒否。報道陣には公開されなかった。

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