わたしはかもめ2000年鴎の便り(10月)

便

10月10日

ボーリックが帰国

来季の契約が未定のボーリックが帰国。チームが全日程を終える16日でフリー(自由契約)の身分になる契約。9日の西武戦後に行った契約交渉の結果、今季の年俸8000万円から1億6000万円程度の増額を希望するボーリックと折り合わず決裂。今後は国際電話での交渉となる。

ボーリック
「ロッテに残留したいが、今季の成績に見合う金額が欲しい。ダメなら西武やダイエーでもオレは出番を勝ち取れるはず。」

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ボーリック強気の帰国

フランク・ボーリック内野手が10日、成田発のユナイテッド航空機で帰国した。前日、球団との交渉は金銭面で折り合わず決裂。この日も「基本的に来年もロッテでプレーしたい」としながらも「西武やダイエーに行ってもオレは(レギュラーを)勝ち取る自信はある」と強気を崩さなかった。要求は倍増の1億6000万円で球団提示は1億3000万円と3000万円の開きがあるが、ボーリックは「そんなに差は大きくない」としている。ロッテとの契約は全日程が終了する16日で切れ、その後は自由契約となる。今後は米国・ペンシルベニア州の自宅で球団からの連絡を待つが他球団からのオファーは「現時点ではない」という。

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王ダイエー衝撃!!中内会長退任

王ダイエーに衝撃が走り抜けた。系列企業の株式売買問題で揺れるダイエーは10日、臨時取締役会を開き、中内功会長の最高顧問就任と鳥羽董社長、川一男副社長の取締役降格を実施した。また中内会長は来年5月の株主総会で取締役を退任し、経営の一線から退く意向も明らかにした。ダイエーの創業者であり、王監督の最大の理解者である中内オーナーの取締役退任がON日本シリーズ開幕を10日後に控えたホークスに与える心理的ショックは計り知れない。

念願のONシリーズ開幕を目前にして中内オーナーが本社会長職を外れる、との一報を王監督が知らされたのはGS神戸で行われたオリックス戦終了後だった。「色々と人事が動いたそうだが、野球をやっているこっちには関係のないことだから…。何とも言いようがない。暗い話が多いからこっちで盛り上げたい」と努めて冷静に話した王監督だったが、その胸中は察するにあまりある。王監督と中内会長の間には深い絆があるからだ。

1994年暮れにダイエー監督就任を決断した王監督。関門海峡を渡る決断を下したのは中内オーナーに直接、要請されたことが決め手だった。また、球団創設11年目にして初めてリーグ優勝を果たし、5年契約を満了した昨年オフには、勇退も選択肢に入れていたが中内会長の強い要望によって続投を決めた経緯がある。

本社が2兆6000億円にも及ぶ有利子負債を抱えたことから、ダイエーは昨年、日本シリーズを制しながら補強費が大幅に制限された。その結果、工藤のFA移籍を許したばかりでなく、大がかりな補強も一切できなかった。それでも今季、王監督の手腕、シリーズ覇者としての実績と自信で2年連続リーグ優勝は果たしたが、現場首脳陣からは補強費の増額を希望する声が依然強い。球団関係者の1人は今回の内紛劇の背景に、ダイエー本社再建をめぐって中内会長と鳥羽社長の意見が対立していたことがあったと指摘した上で「球団への影響は皆無」と楽観的な見方を示したが、本社と球団が無関係であるとは考えづらい。球団の身売り説が根強いもの事実だ。

97年には一部主力選手の集団脱税事件、そして翌98年にはサイン盗み疑惑。今年も日本シリーズ開催期間中に福岡ドームを確保していなかった不祥事も起こしている。ONシリーズの実現でこうした一連の騒動も忘れ去られるかに見えた矢先、中内オーナーの本社会長退任。未曾有の危機の中でのON日本シリーズ。文字通りの“世紀末決戦”となってしまうのは何とも皮肉だ。

◇サントリー、アサヒビール身売り説も

ダイエー本社の経営混乱が表面化するたびに取り沙汰されるのが福岡ダイエーホークスの存在。経営評論家の梶原一明氏は身売りの可能性について「中内氏の考え次第。元々球団はグループの子会社の中でも売り上げは下から数えた方が早い。ところが、宣伝効果はかなり大きい。そこを中内氏がどう考えるか」と指摘。その上で「不況のこの時期に売却先がすぐ見つかるとは思えない。もし可能性があるとすれば、以前から浮上しているようにサントリーが有力候補」と述べた。また、ホークスの地元・福岡の一部からは「アサヒビール」の名前も聞かれる。

◇オーナー留任も不可能

中内オーナーは、来年5月の取締役退任と共に、球団オーナーも退くことになるのか。梶原一明氏(経済評論家)は「オーナーとして残ることは不可能」としながら、早期復帰の可能性を指摘している。梶原氏によると、広島東洋カープオーナーで、マツダの社長だった松田耕平氏が社長を退いた際は、同時に広島の球団オーナーも退いた。しかし、同氏がすぐに球団オーナーに復帰したことを前例として「松田氏が会社(マツダ)に戻ってくることを嫌った銀行などが、同氏を球団に押し戻した形だ。中内氏も松田氏と同様に、球団オーナーを退いたとしてもすぐに戻る可能性もある」とみている。

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