ロッテは、4回裏にメイの3ランで逆転、5回裏、諸積の適時打、福浦の犠飛で2点を追加。8回に追いつかれて5−5で迎えた9回裏、2死三塁から代打石井がサヨナラとなる1号2ランを放った。マリンスタジアムでのダイエー戦は7連勝。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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福岡ダイエー | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 5 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 0 | 0 | 2x | 7x |
9回裏2死三塁、3番・山本に代わって「代打・石井」がコールされた。ファウルで粘った9球目をレフトスタンドへ運び、劇的な代打サヨナラ1号2ランを放った。右太もも痛などからのリハビリ調整を終えて11日に1軍昇格。復帰から5試合、13打席目でようやく出た1号。本人の要請で販売が中止されていた「石井浩郎弁当」の販売再開も決まった。
加藤が7回無死一、二塁のピンチに4番手として登板。7回はピシャリと抑えたが、8回に4連打を浴び同点に追いつかれた。初のリリーフで5勝目を挙げたが、先発・小野の勝ち星をフイにしてしまった。
5月のパ・リーグ投手部門月間最優秀選手賞に輝いた黒木の表彰式が、試合前に行われた。
必死だった。石井はいつもより1センチほどバットを短く持ってストライクは全部振った。5−5で迎えた9回2死3塁、大歓声を背に代打で登場したベテランは直球で押す岡本にファウルで粘った。そして9球目、141キロの内角直球をはじき返した打球はきれいなアーチを描いて左翼席へ飛び込んだ。劇的なサヨナラ弾に球場は地鳴りのような大歓声に包まれた。
サヨナラ弾は巨人時代の99年広島戦以来、自身2度目。普段は寡黙な男がナインの手荒い祝福に嬉しそうに笑った。冷静な読みが生んだ1発だった。自分に投じられた9球は全て直球。「後ろのボーリックに回したくないはずだから絶対に勝負するはず」と四球を嫌がった相手の心理を読みきっての一撃だった。
オープン戦で右大腿部を痛めて開幕は2軍スタート。4月21日に1軍へ昇格したものの、5月4日に再び2軍へ降格した。一塁を争う福浦が好調で再昇格には時間がかかると肉体改造を決意した。5月を打ち込み月間とし、キャンプ並みのウエートトレーニングを自らに課した。あまりの練習量に腰を痛めてしまったほどだが、イースタンで6本塁打を放ち、満を持して11日に再昇格したばかりだった。
5−3で迎えた7回からローテーション投手の加藤まで継ぎ込む執念の采配を見せた山本監督。「いいバッティングをしてくれた。素晴らしいよ。いい意味でもやもやも吹っ切れるだろう」と帰ってきた主砲の一撃を絶賛した。同点に追いつかれた加藤は幸運な5勝目にも無言を通したが、チームのムードは最高潮。首位ダイエーに6連勝を飾って2ゲーム差。2位に浮上して4月22日以来の首位も見えてきた。男・石井の復活弾で山本ロッテに再び勢いがついた。
石井(ロ)が9回に代打サヨナラ2ラン。ロッテでは91年の堀以来10年ぶり6本目の代打サヨナラ弾で、自身は巨人時代の99年4月15日の広島戦以来2本目。過去セ、パ両リーグで代打サヨナラ本塁打を放った打者は2人しかいなく、石井は史上3人目の快挙。
打者 | 属 | 年月日 | 相手 |
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加藤 | ヤ | 70-06-03 | 広島 |
日 | 75-06-07 | 太平洋 | |
広永 | ヤ | 95-04-20 | 巨人 |
オ | 98-07-07 | ロッテ |
ここ3試合10打数無安打6三振と不調だったメイが4回に中堅に18号3ランを放ち、珍しくガッツポーズを見せた。「自分のバッティングができていなかったからこのホームランは嬉しいね」とニッコリ。スタンドで観戦したアリシア夫人も「もう最高。今日は父の日だからネクタイと素晴らしいディナーを用意しているの」と興奮気味に話していた。