球春到来。春はルーキー達が羽ばたく季節でもある。今年のルーキーは12球団合わせて総勢87人。そのうち29人が現在1軍キャンプに参加したり、オープン戦に帯同して、各チームわずか28人だけの開幕1軍枠を狙っている。その中でロッテのドラフト5巡目、辻俊哉捕手(国士大)は1軍入りどころか、開幕マスクの可能性もあるほど期待されている。
広島ベンチのナインが首をかしげた。2月24日、都城で行われたオープン戦。ロッテのオープン戦開幕マスクをかぶったのはルーキー辻だった。先発の小林宏もプロ6年目でオープン戦初登板。緊張する条件が揃った場面でも、辻は「大勢の観衆がいて、フィールドを見わたしたときに楽しくなって来たんですよ」と笑った。
ベストオーダーに近い広島打線を相手に、ルーキー捕手は堂々のリードをしてみせた。いきなり迎えた初回1死二塁のピンチを3番ディアス、4番金本を連続三振で切り抜けた。試合前に小林宏から「カーブを試してみたい」と頼まれていたが、カーブの曲がりがよくないと判断すると、即座に決め球をスライダーに切り替えた。
鹿児島キャンプでは紅白戦やブルペンで受けた投手の調子や、球種、クセ、構える位置など事細かにノートに記して、復習を続けている。そんなひたむきな姿に評価は高く「開幕スタメンもあり得る」と話す首脳陣もいるほどだ。
キャンプ2日目。故障で別調整を続けている黒木知が「オレが全力で投げられれば、真っ先にお前に受けさせたかった」と声をかけた。エースも見初めたルーキーが開幕マスクをかぶれば、97年の清水将以来、ロッテでは史上2人目となる。
左足くるぶし骨折以降、2軍で調整中のD1巡目・喜多(慶大)が復調気配。オープン戦デビューは3月7日、本拠地・千葉マリンで行われる日本ハム戦に決まった。山本監督は「とにかく良いバッティングをするので、皆さん待っていてください」とファンに訴えていた。
昨季ともに31本塁打を放ったメイとボーリックの両主砲が25日、同じ打撃投手を相手に交互にフリー打撃を行った。場外弾3発を含むさく越え9本と快音を響かせたメイは「練習はホームラン競争ではない」と落ち着いたもの。サク越えゼロで調整遅れが目立ったボーリックは「ボール球に手を出しすぎるよくない内容」と厳しい顔だった。
2軍調整中の喜多が、3月5日に1軍合流することが濃厚となった。3月7日に千葉マリンスタジアムでオープン戦が予定されているが、「万全なら使う」と山本監督。2番スタメン出場も含め、1軍デビューの可能性も出てきた。
立川、早川が2軍降格となった。