わたしはかもめ2002年鴎の便り(4月)

便

4月14日

オリックス1−4千葉ロッテ(GS神戸)

ロッテが開幕からの連敗を11でストップし、開幕12戦目にして今季初勝利。1回表にメイ、酒井の連続適時打で2点を先制すると、4回にも初芝が1号2ランを放ち、2点を追加。投げては、2000年10月5日以来の先発・清水直が6回1/3を1失点の好投。9回には初登板の小林雅が3人で抑え初セーブ。

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千葉ロッテ2020000004
オリックス0000100001

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初芝が貴重な1発

前日まで打率1割3分3厘と不調が続いていた初芝が、4回、川越の速球を今季初打点となる貴重な2ラン。

初芝
「バットに当たった瞬間にいい音がしたから入ると思った。この感触をずっと待っていたんだよね。」

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清水直が好投

2000年9月24日のオリックス戦以来の先発マウンドで6回1/3を投げて8安打1失点。抑えから急遽先発に回り、粘りの投球でチームに初白星をもたらした。

清水直
「いけるところまで目いっぱいガンガンいくつもりだった。正直ホッとしました。勝ったから100点。これからも与えられた仕事をやるだけ。」

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チーム一丸で連敗ストップ

プロ野球ワースト記録に並ぶ12連敗だけは阻止しようと、チームがようやく一丸となった。初回の先制打は、極度の不振で前日の試合でスタメン落ちした助っ人メイ。4回にはベテランの初芝に2ラン。本来は中継ぎの右腕・清水直が先発で力投すれば、最後は「開店休業」の小林雅が初登板でセーブをマークした。

山本監督
「(清水)ナオがよくやってくれたし、メイもいいところで打った。初芝のホームランもすごいというか…。正直、もう勝てないかと思ったこともあった。でも、選手は明るくやっているんだから、自分さえ暗くならなければ…。それだけを考えていたんだ。まったく、諦めた訳じゃないんだ。これからはとことん勝ちにこだわる。まだ始まったばかり。(借金を)返すだけの試合はあるんだ。」
小林雅
「楽しかった。ようやく開幕だよ。」

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ロッテようやく“開幕”…ベンチもスタンドも大騒ぎ[サンスポ]

塩崎の放ったゴロを捕球した二塁・酒井の送球が、遊撃・塀内−一塁・福浦と渡ってロッテの今季初勝利が決まった。その瞬間、三塁ベンチは蜂の巣をつついたような大騒ぎ。今季、初めてナインを出迎える山本監督の表情は、長く暗いトンネルからようやく抜け出せた喜びに満ち溢れていた。

「直(清水)がよく投げた。メイと酒井がいいところで打ってくれた(1回の2点)。初芝も物の見事に(4回に2ランを)打ってくれた…」と、選手の名前を次々に挙げて初勝利を振り返ったが、中でも緊急先発させたセットアッパーの清水直に頭を下げた。

清水が先発を言われたのは9日のこと。2年ぶりの先発は、負ければプロ野球史上ワーストタイの開幕12連敗となる重要な試合。そんな重圧を背負ってのマウンドだったが、「走者を出しても粘り強く投げるのがボクの持ち味。ホームに返さなければいいんです」と、努めて前向きにマウンドに上がった。

プロ3年目の右腕は、宣言通りその持ち味を十二分に発揮した。藤田と交代する7回まで計8安打を浴びながらも、ホームに返したのは1度だけ。そして「ボクが投げると打線は点を取ってくれるんです」というように、4回までに今季最多の4点の援護射撃を味方打線から受けていた。

山本監督は「投手陣がいいので、まさかここまで(連敗)するとは考えてもいなかった。“魔の坂”があって、もう勝てないんじゃないかと思いもした。これがシーズン途中だときついけど、まだ始まったばかり。残り試合は十分にある」と、再スタートを誓った。

小林雅
「(登板の)間隔は開いていたが、楽しく投げられた。ようやく(自分自身の)開幕ができた。」(今季初登板)
初芝
「東芝府中(社会人野球)の後輩(清水直)がいいピッチングをしていたし、1本打てて良かったよ。」(4回に今季1号2ラン)

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ロッテ勝った!開幕連敗11で終止符[スポニチ]

止まない雨はない。この日を信じて戦ってきた。でも長かった。そして辛かった。開幕から16日目。ゲームセットの瞬間、山本監督はポンと両手を合わせてベンチ前に飛び出し、思わず白い歯がこぼれた。

「正直、ここまで来るとは思わなかった。勝てないんじゃないかとも思ったけど選手が明るくやっていたし、自分も暗くならないようにと思っていた」。苦しかった胸の内を明かした指揮官の周りに笑顔が並び、左翼席から歓声が響く。今季初めて見る光景だ。

負ければプロ野球タイ記録の開幕12連敗。そんな重苦しい空気を振り払ったのは前日の試合でスタメンから外れたメイだ。初回2死一、二塁で先発起用に応える先制の中前打。「貢献できて嬉しい」と控えめに笑うメイは、ずっと燃えていた。開幕8連敗目を喫した8日の日本ハム戦(千葉マリン)後のミーティング。メイは突然立ち上がり「みんな野球をやってて楽しいか?辛いのはみんな一緒なんだ。プラス思考でいけば必ず勝てる」と叫んだ。あれから6日。先頭に立ったメイに続いたのはベテラン初芝だ。

この日は6番から7番に降格。4回に今季初アーチとなる貴重な中越え2ランを放った。98年のプロ野球記録の18連敗を経験している35歳。「当時を知っているから力が入っていた」と拳を握りしめると、左翼席から聞えてくる「千葉ロッテ」「千葉ロッテ」の大合唱に耳を澄ませた。

そう、あの時も18連敗目が神戸だった。その因縁の地で開幕連敗記録12を寸前で免れた。連敗のストレスからのどを痛め、ホテルの自室に加湿器を備えてもらった山本監督はかれた声で言った。「返すだけの試合数は十分ある。これから気分よく、とことん勝負にこだわっていきたい」。

トンネルは抜けた。あとは熱いファンのために白星を重ねるだけだ。

◇清水直が好投

投のヒーローは清水直だ。00年9月24日のオリックス戦以来の先発マウンドで6回1/3を投げて8安打1失点。チームの緊急事態に抑えから急遽先発に回り、粘りの投球でチームに初白星をもたらした。「いけるところまで目いっぱいガンガンいくつもりだった。正直ホッとしました」。6回以外は全て走者を背負いながら「僕の持ち味」という粘りで切り抜けた。7日に他界した祖母キヨさん(享年81)に贈る白星に、清水直は「勝ったから100点。これからも与えられた仕事をやるだけ」と気合を入れ直していた。

◇スタンドは優勝騒ぎ

声を枯らし、全身を使ってエールを送り続けた。ついに連敗脱出。左翼席のロッテファンはまるで優勝したかのような大騒ぎだ。

ここ神戸では98年に18連敗。この日は関西地方在住のファンを中心に約300人が集結し、当時の悲劇の目撃者も大勢いた。どんなに負けても変わらぬ応援。逆にその数は日に日に増えていった。そんなファンの熱意がついに実を結んだ。

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