ロッテは1回、堀に1号ソロが飛び出すと、4回には酒井の適時打と初芝の犠飛で2点を加えた。投げては清水直が7回を104球で5安打1失点の好投。ロッテは引き分けをはさんで5連勝。1999年からの対関根の連敗が11でストップした。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 |
東京ドームが揺れた。ビジター用のユニホームで左翼席を真っ黒に埋め尽くしたロッテ・ファンが歓喜で足を踏み鳴らす。引き分けをはさんで5連勝。大歓声に山本監督は高々と手を上げて応えた。「3点取れれば今のうちのピッチングスタッフなら大丈夫。5連勝?借金がどれだけ残ってると思っているんだよ」。11連敗中だった天敵・関根から3年ぶりの勝利。言葉とは裏腹に指揮官の表情は自然と緩んだ。
勝利を呼び込んだのは3人のベテランだった。まずは初回。15年目、33歳の堀の左越え1号先制ソロで連勝中のベンチのムードは一気に盛り上がる。4回には14年目、31歳の酒井が右翼線適時打、同じく14年目、チーム最年長の35歳、初芝が中犠飛と貴重な追加点を叩き出した。
「今何をしたらいいのかベテランは分かっている。とにかく頑張れるだけ頑張って、疲れが出てきたら今度は若手が頑張ればいい」と酒井。今年は鹿児島キャンプから初芝、堀らベテラン勢が常に先頭に立ってメニューをこなしてきた。開幕11連敗中も早出特打、宿舎での素振りを率先して実行した。言葉ではない。態度でチームを牽引してきた。痛めている左手首をテーピングでぐるぐる巻きにした初芝が1番最後にロッカーから出てきて言う。
湿布薬の匂いをぷんぷん漂わせたベテランの背中が“借金完済”がそう遠い日でないことを予感させた。
清水直が7回1失点の力投で2勝目を挙げた。最速143キロの直球と変化球のコンビネーションで失点はオバンドーのソロだけ。前回登板、14日のオリックス戦で開幕11連敗を止めてからチームの連勝がスタート。この日もチームの対関根の連敗を11でストップさせた“連敗ストッパー”は「守らずに常に攻めたのがよかった。連勝中の流れにも乗ることができた」と満面に笑みを浮かべた。
連敗地獄から抜け出してちょうど1週間。この間、負け知らずだけに、ナインの脳裏に「そろそろ負けるかも…」の嫌な予感がよぎるころ。しかし、それを相手の先発・関根が払拭してくれた。
何しろ関根を攻略したのは3年前の平成11年6月1日が最後。以来、この日まで11連敗だった。「関根と相性が悪い?そんなこと知っている!」と山本監督も関根の“関”の字を聞いただけで語気を荒げるほどだった。関根の術中にはまってしまうのはスライダーが打てないから。そこで各打者はそのスライダーに的を絞った。
突破口を開いたのは堀。1回1死から「少しタイミングがずれたけどよく飛んでくれた」という今季1号を左翼席に打ち込む。さらに4回1死一、二塁で酒井が「右方向に意識があったから、巧く打てた」と、一塁・小笠原の右を抜くタイムリー。その後、初芝の中犠飛で2点を入れた。
「関根に勝って5連勝?何言ってるんですか。まだ借金は6もあるので、浮かれてなんかいられませんヨ」。山本監督は勝ってカブトの緒をしめた。
3年目の清水直が中継ぎから先発に転向して2連勝。「とにかく1人、そして1回を抑えるんだと、最後まで気持ちは守りに入らなかった」とニッコリ。14日のオリックス戦でチームの連敗を11で止めた強心臓男。山本監督は何度も「たいしたもんだ」と繰り返していた。
ロッテは1999年7月から11連敗を喫していた関根に、久々の黒星をつけた。
開幕当初はリリーフだった3年目の清水直が、先発に回ってから2連勝。