6月25日6月25日1点を追って迎えた8回、ロッテは立川の1号ソロで同点に追いつくと、9回に小坂の適時打で勝ち越した。ミンチーは、8回を投げ、被安打3、奪三振4、1失点の内容。7回無死満塁のピンチもトリプルプレーでしのぎきり、5月24日以来となる4勝目。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 |
| 大阪近鉄 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
7回無死二塁、ローズのファウルチップが辻の股間を直撃。その後、満塁となった場面でベンチへ治療に。戻ってきた直後に、川口の一塁ゴロが三重殺となった。川口の打球は低いライナーで一塁手・福浦の正面へ。ショートバウンドで処理した福浦はバックホーム。捕→一塁→遊撃（タッチプレー）と転送。三重殺で近鉄のチャンスが一瞬にして消滅した。一塁走者の中村が一直と判断、離塁を躊躇したことが三重殺を完成させた。
ロッテが三重殺を記録したのは、1994年5月22日西武戦以来、8年ぶり。一ゴロでの三重殺は珍しく、1982年4月29日に大洋が広島戦の8回、満塁でガードナーの一ゴロを一塁→捕→二塁と転送して完成させて以来、20年ぶりになる。
勝負はゲタを履くまで分からない。7回無死満塁のピンチに山本監督は「1点で収まればいい」と大量失点も覚悟したが、川口の福浦への一ゴロが捕（辻）−（福浦）−遊（小坂）と渡って三重殺。これで流れが変わり、8回に立川が同点本塁打。9回に小坂が決勝打を放った。「こんな試合ができるんだ」と同監督は声を震わせていた。
野球だけに“タマ”が流れを変えた。1点ビハインドの7回無死2塁。ローズのファウルチップが捕手・辻の股間を直撃する。何とかこらえてプレーを続けたが、無死満塁となったところでいったんベンチへ。約5分間の中断が近鉄に傾きかけた流れを変えた。「最初は平気だったんですけど、気持ち悪くて吐きそうになりました。でも、絶対に代わりたくなかった」。
水を4杯飲んで痛みをごまかし、プレー再開。ドラマはその直後に待っていた。川口の打球は一塁・福浦の正面への強いゴロ。ライナーで直接捕球と勘違いした一塁走者の中村は走っていない。福浦から捕→一→遊と転送され、なんと三重殺の完成だ。沸きに沸く三塁側ベンチ。確実に何かが変わった。
直後の8回に「三重殺でベンチに勢いがあったので、乗っていけてよかった」と立川がバックスクリーンに今季初のソロで同点。9回には1死一、二塁から小坂が右前にはじき返して決勝点だ。「ケガをしていて迷惑を掛けていたので少しでも貢献したかった」とクールに話した小坂だが、山本監督は大喜びだ。
近鉄戦での勝ち越しは昨年5月11日からの3連戦で2勝1敗して以来。「見応えのある試合だった。辻の“間”がよかったのかな」とウハウハ。股間直撃が招いた三重殺。“チン事”が勝利を呼んできた。
ミンチーが5月24日以来の4勝目を挙げた。8回を投げ、的山に喫したソロ本塁打による1失点だけの好内容に「ストレートが今季最高の出来だった。内外角にうまく投げ分けられたしね」。三重殺には「投手にとって最高の友達はダブルプレーだと思っていたが、まさかトリプルプレーとはね」と喜んでいた。
7回無死満塁のピンチをトリプルプレーでしのいだ直後の8回、立川が大塚の初球をバックスクリーンに運ぶ同点ソロを放った。4番に座るのは前日に続きプロ9年間で2度目。
9回1死一、二塁から、代わったばかりの山本の初球を右前にしぶとく運んだ。