わたしはかもめ2002年鴎の便り(7月)

便

7月2日

西武2−10千葉ロッテ(西武ドーム)

ロッテは、初回に立川の適時打で先制し、3回、メイの適時打、エバンスの2点適時エラーで計3点を追加。2点を返された直後の5回、立川の適時打、サブローの犠飛、さらに辻のプロ入り初の1号満塁HRで計6点を追加した。

123456789R
千葉ロッテ10036000010
西武0002000002

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辻プロ1号が満塁弾

4点リードで迎えた5回2死満塁、西武・大沼から無心に振り抜いた打球は、大きな弧を描いてレフトスタンドへと吸い込まれた。辻のプロ1号は野球人生初のグランドスラム。ルーキーのプロ1号が満塁弾となったのは、ダイエー・井口が1997年5月2日の近鉄戦で放って以来。ロッテの新人では、1989年初芝以来。

ヒーローインタビューでは「ボールを拾った方、持って来てください」と呼びかけたが、レフトスタンドで拾ったファンが届けてくれ、無事ボールも辻の手元に届いた。

「ほとんど覚えていないんですよ。満塁だったことも忘れていて…。ミンチーさんと自分が楽になるためには点が欲しかった。初ヒットもここ西武ドームでしたが、伊東さんは真っ直ぐしか来ないと思っていました。」
山本監督
「あそこは期待していなかったよ(笑)。良く打ってくれた。でも、まさか満塁ホームランとはね。でも、練習からいい振りをしていたよ。」

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5位に浮上…ルーキー辻がプロ第1号となる満塁弾[サンスポ]

打球は、ファンが待つ左翼席へと弧を描いて伸びた。「入れ! 入れ!!」。思わず何度も叫びながら、辻が一塁を回る。次の瞬間、打球がスタンドイン。プロ第1号がグランドスラム、しかも、プロ野球史上1700号のメモリアル弾となったヒーローは、前を走る打者3人を確認すると「満塁だ。生涯初めての満塁ホームランだ!」と、心の中でもう1度叫んだ。

まさに値千金の1発だった。場面は6−2とリードした5回2死満塁。カウント2−1からの大沼の内角速球を強振し、西武に引導を渡した。

ドラフト5巡目で国士大からロッテに入団したルーキー捕手。何かをやってくれそうな雰囲気を漂わせる、ラッキーボーイだ。5月29日の1軍昇格後、ベンチで戦況を見守ってきたが、清水将の故障で、6月24日の近鉄戦で初めて先発マスクをかぶると、以降のチームは5勝1敗。この日は打撃でも非凡なところをみせつけた。

「気持ちの中には(清水将に)負けたくない、という部分はあります。でも、結果を出せば使ってもらえると思っているので、打つ方、守る方でこれからも、もっと結果を出していきたい。」

開幕でつまずいたロッテだが、これで5位に再浮上。5日からのダイエー、オリックス6連戦を後半戦への起爆剤に、と目論む山本監督は「辻のおかげで弾みがついた」と、試合後真っ先に握手を求めにいった。

辻俊哉(つじ・としや)
昭和54年7月14日、山梨県生まれ、22歳。甲府工高では1年秋から正選手として活躍し、2年夏に捕手に転向。3年夏には甲子園3回戦に進出した。国士大に進学後、1年春から出場。リーグ戦通算14本塁打を記録した。平成14年ドラフト5巡目でロッテ入団。座右の銘は『風林火山』。1メートル78、82キロ。右投げ右打ち。今季年俸800万円。
ミンチー
「辻の満塁ホームランで、楽に投げることができたよ。」
データBOX
ロッテのルーキー・辻が5回、大沼からプロ入り第1号の満塁本塁打を放った。これでプロ野球の満塁本塁打は通算1700本になった。1リーグ時代に82本、セ・リーグ816本、パ・リーグ802本。満塁アーチの第1号は昭和11年9月23日、岩田次男(名古屋)が金鯱戦で放った。

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ルーキー辻プロ1号がグランドスラム[スポニチ]

乾いた打球音だけが耳に残った。辻は無我夢中でダイヤモンドを駆け抜けた。4点リードで迎えた5回2死満塁。「満塁だとは思ってなかった」と無心に振り抜いた打球は、大きな弧を描いて左翼席へと吸い込まれた。待望のプロ1号は野球人生初のグランドスラム。手荒い祝福の“儀式”に味わったことのない快感が全身を貫いた。

ルーキーのプロ1号が満塁弾となったのは、ダイエー・井口が97年5月3日の近鉄戦で放って以来。「自分が楽に守るために点数が欲しかった。追い込まれるまでタイミングが合わなくて打てそうな気がしなかったので、センター方向に気持ちを置きました」。前日の試合では西武・張誌家のチェンジアップに翻弄され2三振。この日は打撃フォームをすり足にかえて、原点の打撃を心掛けた。球団関係者がスタンドに行って手に入れてくれたホームランボールを握り締めると「おじいちゃんにあげたい」と言った。野球を始めたきっかけになった祖父・芳友さん(享年70)は小学4年のときに他界。記念のボールを持って長野県諏訪郡にある墓前に報告に行く。

2日続けて蒸し暑かった西武ドーム。試合を左右する重要な捕手のポジションという緊張感から「フワフワしてぼんやりしていた」というが、毎回守りから戻るとミネラルウオーターをガブガブ飲んだ。少ないチャンスを何としてもものにしたい。プロ魂がいっぱいに詰まったルーキーだ。

6月24日に1軍初昇格。スタメンマスクをかぶった6試合、チームは5勝1敗とラッキーボーイになっている。リードもオーソドックスな清水将とは違い内角を大胆に使って強気に攻める。「(スタメンを)6回やってきっちりものにしている。連勝後は連敗ぐせがあったけど1つ返せてよかった」と山本監督もその活躍に大喜びだ。辻が起爆剤になって迎える暑い夏。ロッテの旋風は、ここから始まる予感がする。

◇V呼ぶ4番立川

4番・立川が猛打の火つけ役となった。初回に右前適時打で先制点を叩き出すと、4回には先頭で追加点への口火を切る中越え二塁打。さらに5回にも適時打と5打数3安打2打点の暴れっぷり。これで4番に座って6試合目、ヒットを放った試合は5戦全勝だ。山本監督から「4番になってきたな」と打席での集中力を絶賛されると「あまり調子に乗らないように気をつけないとね」と嬉しそうに話した。

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