ロッテが効率的な攻めで、今季初先発の高木に2年ぶりの勝利をもたらした。3回、福浦の適時打などで2点を先行すると、5回にメイの適時打で3点目。最後は小林雅が21セーブ目で締め逃げ切った。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
大阪近鉄 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 |
ヤクルト時代、右翼スタンドでファンを沸かす岡田さんの熱演が好きだった。今季初先発の高木は、その応援団長の早い死に顔を曇らせたが、感傷に浸る暇はない。今年ロッテに移籍して初めてチャンスが回ってきたのだ。
前日(30日)までは中継ぎで11試合に登板。防御率5.73。昨年、ヤクルトを自由契約になった経験からこのままでは過酷なオフが待っている。高木は最初で最後のチャンスだと思った。
「悔いが残らないように、逃げのピッチングだけはよそう」。ストレート、カーブ、シュート、フォーク、スライダーを駆使し、打者によっては上から横から投げた。2点リードの6回。1死一塁からローズ、中村を打ち取ると、小さなガッツポーズをつくった。7回、磯部にヒットを打たれマウンドを降りたが「後から出てくる投手は良いので、気楽にベンチに座ってました」。
最後の笑顔は川口が三振して試合が決まったとき。小林雅から手渡された2年ぶりのウイニングボールを手に「これで拾ってくれたロッテに恩返しができた」。この晴れ姿をきっと岡田さんも喜んでくれることだろう。
7月を12勝10敗で乗り切り、今季初の月間勝ち越し。試合前「何とか頑張るから」と話していた山本監督は試合後、笑みが絶えなかった。打線が相手のミスを突き、5回に失策から貴重な追加点。これには「5回の1点が全てだな」と声を上ずらせた。
高木が今季初先発で00年8月30日以来の勝利。「3回まで点を与えないように投げた。逃げずに思い切っていったのが良かった」と表情を崩した。巧みに腕の高さを変え、打者のタイミングを外した。6回、初めて先頭打者を出しても慌てなかった。水口を打ち取ると、ローズを変化球で3球三振、中村も低めの直球で遊ゴロに仕留めた。昨オフ、ヤクルトを自由契約になりテスト入団した34歳。「拾ってもらったんで何とか貢献したかった」と喜びを噛み締めた。
高木が、持ち味である変化球を低めに集め、危なげないピッチングで6回を無失点で乗り切り、2000年8月30日(ヤクルト時代)以来700日ぶりの、移籍後初勝利をあげた。走者を出してからのヒット、フォアボールは1度もなかった。
1点差の9回を7球で三者凡退に仕留め、21セーブ目。連続試合セーブのパ・リーグ記録を更新。