わたしはかもめ2002年鴎の便り(9月)

便

9月20日

千葉ロッテ6−1西武(千葉マリン)

ロッテが西武戦連敗を6で止め、胴上げを阻止した。3回に小坂の三塁打を足場に先制し、4回は初芝の適時打、6回も初芝のソロなどで加点。ミンチーは8回無失点。西武は9回のカブレラのソロのみで連勝は4でストップ。

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西武0000000011
千葉ロッテ00110301x6

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西武イビリでVを阻止…ミンチーが8回無失点で13勝目[サンスポ]

「こういう時のウチは強いんだよね」。試合前三塁側の西武ナインを見ながら、ベテラン選手がニヤついていた。そして「何しろ、2年前と7年前も阻止したからね」と付け加えた。

確かにそうだ。7年前の平成7年には、あと1勝のオリックスに待ったをかけ、平成12年はダイエーの自力優勝を阻んでいる。試合内容は、まさにその実績通りの展開となった。

先発のミンチーは「まるでワールドシリーズ第1戦のような盛り上がりだね」と、2メートル03の大きな体からアドレナリンを撒き散らし、西武打線を8回まで5安打に“零封”した。打線も「全員、胴上げは見たくないんだ。練習でも打てたことのないような当たりを打てた」と15号ソロを放った初芝がおどけたように、8安打で6点を入れた。

山本監督は「ミンチーも打線も良い所が随所に出た。明日?うちも4位がかかっているし、選手も個人成績があるので負けられないよ」。この3連戦、最後まで最強のかたき役を演じ続けるつもりだ。

◇ロッテのV阻止

平成7年、対オリックス(9月15日〜17日)
M1としたオリックスの本拠地に乗り込んだロッテ。3連戦の初戦は伊良部の13三振で完封勝ち。2戦目も小宮山が1失点の好投。3戦目はヒルマンが2回に3点を奪われたが、8回集中打で逆転した。結局、オリックスは次の西武戦に勝って優勝を決めた。最終的にロッテは2位。
平成12年、対ダイエー(10月5日〜6日)
M1のダイエーを千葉マリンで迎え撃った。初戦は4点を先制されたが、初芝の2打席連続ホーマーなどで逆転勝ちした。2戦目も4点を先行したが、中盤同点に追いつかれ苦しい展開に。しかし6回、また初芝が決勝ホーマーを放った。結局ダイエーは次のオリックス戦に勝って優勝を決めた。ロッテは5位。

◇球団の営業部はウハウハ

「うちが勝ってダイエーさんも勝つ。そうなったら、最高なんですがねぇ」と試合前言っていたことが現実となり、球団の営業部はウハウハだ。「今日が3万ですから、明日(21日)は満員(3万5000人)になると思います。来年は他人のフンドシではなく、自力でこういう場面をつくるようみんなで頑張らないと…」と気持を引き締めるが、目尻は下がりっ放し。

データBOX
ミンチーが、完投こそ逃したものの、8回を無失点の内容で13勝目(13敗)を挙げた。ハーラー首位の西武・西口、近鉄・パウエル(ともに14勝)に1勝差で、初の最多勝タイトルも夢ではない。なお、シーズン自己最多は広島時代の平成10年に挙げた15勝(11敗)。

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胴上げ阻止で“伝統の力”[スポニチ]

これがロッテの伝統だ。目の前での胴上げ阻止。山本監督ははっきりとした口調で勝因を口にした。

山本監督
「こっちにはこっちの目標がある。ミンチーはあと1つで最多勝があるし、1つでも上にいかないといけない目標があるんだ。」

この日まで打率3割台とカモにされていた西武打線の対策は万全だった。試合前のミーティングで袴田バッテリーコーチは「とにかくストライクからボールになる球で勝負しろ!」とミンチーに指示を与えていた。そして、0−0で迎えた3回1死二、三塁で小関を真ん中低めにボールとなる110キロのカーブで空振り三振。続く貝塚を内角に食い込む131キロのスライダーで詰まらせ二ゴロに仕留めた。中盤の得点機を確実にものにした打線に助けられて13勝目を挙げ「要所を締めることができた。ワールドシリーズの初戦のような雰囲気だった」とミンチーは汗を拭った。

88年、あの“伝説の10・19”の近鉄戦。マジック1で迎えたダブルヘッダーの第2試合でドローに持ち込んで近鉄の夢を断った。95年9月15日からのオリックスがマジック1で迎えたGS神戸での3連戦では全勝した。マジック1でダイエーを千葉マリンに迎えた、00年10月5日からの2連戦も2連勝。土壇場で強いのがマリーンズだ。

これで西武戦の連敗は6でストップ。2安打2打点と奮起したチームリーダー初芝が言い放った。「目の前には西武しかいないので大事に戦います」。勢いに乗るロッテがパ・リーグの灯を消すことはない。

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胴上げキラー

なぜか、こういう試合には強い。ロッテが西武の胴上げを阻止した。西武のお株を奪うスキのない野球で6−1で快勝。一昨年の2000年も同じ千葉マリンでダイエーの胴上げを阻止するなど、相手の優勝がかかった試合では無類の強さを発揮する。今季ここまで西武には5勝17敗1分と大きく負け越し。数字をみれば西武ファンならずとも、ロッテファンですら伊原監督がここ千葉マリンで舞うことを想像したに違いない。だが、この日は違った。どっちがマジック1のチームか分からない試合だった。

1988年10月19日には近鉄と引き分け、近鉄のVを消滅させた。1995年にはオリックスに3連勝、2000年にはダイエーに快勝し目前胴上げを阻止した。

山本監督
「要所でいいプレーが出たな。選手がよく頑張ってくれたよ。こっちにはこっちの目標がある。ミンチーはあと1つで最多勝があるし、1つでも上にいかないといけない目標があるんだ。」
初芝
「敵の胴上げだけは見たくないからね。『こういう時は強いんだ』と言い聞かせて打席に立ったよ。」

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ミンチー、意地見せた13勝

ミンチーが8回を5安打無失点の快投。「ワールドシリーズの初戦のようだった。」という3万人の大観衆。外野両翼で激しい応援合戦が繰り広げられた異様な雰囲気の中、カットボールとカーブを駆使。前半戦は5勝11敗と不本意だった成績を13勝13敗のイーブンに戻し、最多勝も射程圏に入れてきた。代理人との交渉が進展していないため、来季の去就は未定。しかし、中4日で投げるタフガイをチームが放っておく訳がない。この日、ロッテの重光昭夫オーナー代行が都内で取材に答え、ミンチーについて「これほどの投手ですから、残ってもらわないと困る。」と話し、残留へ全力を注ぐことを明かした。

山本監督
「今日はミンチーさまさまだね。」

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営業サイドもホクホク

意地を見せた胴上げ阻止に球団の営業サイドはえびす顔。この夜は3万人の観客を集め、21日からの週末はさらに多くの入場が見込めるからだ。もし西武が優勝していたら入場料で約2000万円、グッズ販売などで約5000万円の減収が予想されていた。手塚営業部長代理は「選手の頑張りはありがたい。本当はうちのチームが主役ならもっと嬉しいけれど」と話したが、当日券、外野席7200枚、内野自由席1万5000枚以上も完売しそうだ。

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井上が鼻骨骨折

井上が試合前の練習中に打球を受け、習志野市内の病院にて検査を受けた結果、鼻骨骨折、右前頭前壁骨折と診断された。本日は入院し明日精密検査を受ける予定。

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