わたしはかもめ2004年鴎の便り(2月)

便

2月3日

バレンタイン杯フリー打撃、優勝賞金30万円[ニッカン]

練習から変わらなきゃ!ボビー・バレンタイン監督が3日、鹿児島キャンプでバーチャル紅白戦「バレンタイン杯」をスタートさせた。1軍野手を1チーム3人、8組に分け、最新鋭バーチャル打撃マシンを相手に、塁打数で勝敗を競う。ナインの競争心をあおり、ここ1番での勝負強さを養う新練習だ。優勝賞金が30万円ということもあり、若手からベテランまで大ハッスル。楽しく効果的なキャンプを目指すバレンタイン改革が始まった。

◇3人1組8チーム総当り

バレンタイン杯ルール
打撃ケージの中で、バーチャル打撃マシンを使って行う。フェア、ファウルの目安としてケージ側面にテープを張り、その打球の強さ、方向などからバレンタイン監督および統計アナリストのプポ氏が、打撃結果の判定を行う。3アウトで交代。9回制(延長無制限)で、塁打数が得点となる(安打1点、二塁打2点、三塁打3点、本塁打4点)。チームは3人1組。8チーム総当りで勝利数を争う。優勝チームにはバレンタイン監督のポケットマネーから30万円が贈られる。
バレンタイン杯組分け
チームヤング初芝、諸積、垣内
チームイケメンフランコ、里崎、今江
正宗小坂、清水将、渡辺正
イカイカ・アロハ原井、浜名、ベニー
SAMURAIチーム波留、サブロー、西岡
カントリーボーイ堀、大塚、立川
キャッツアイ福浦、於保、ユウゴー
ドリームチーム佐藤、井上、李

※シード選手を決め、残りは抽選により決定。ケガ人や2軍落ち選手が出た場合は早坂が代役。

◇本気の歓喜

「同点」で迎えた延長12回。諸積がピッチャー返しのライナーを放つ。「ベースヒット(安打)!」。後方で見守っていたバレンタイン監督が判定し、サヨナラ勝ちが決まると、34歳のベテランは2度、3度とジャンプ。ランペン内野守備走塁コーチとハイタッチを交わして「開幕戦」の勝利を喜んだ。

投手の姿がスクリーンに映し出されるバーチャル打撃マシンを選手が打ち、安打か凡打の判定は首脳陣が決める。3人1組の8チームが今キャンプ中に総当たりで戦う、名付けて「バレンタイン杯」が賑やかに始まった。第1戦はフランコ、里崎、今江の「チームイケメン」と、初芝、諸積、垣内の「チームヤング(?)」が対戦。凡打、想像と違う判定が下ると、ガクッと腰から崩れ落ちながら「あれはヒットだろ〜」「マジかよ〜」と異を唱える選手が続出するなどヒートアップした。「ゲーム形式なら競争心が養われるし、打席でのプレッシャーも感じることができるからね」。狙い通りの滑り出しにバレンタイン監督も笑顔だ。

ロッテはここ8年連続Bクラス。勝ち越したことすらない。昨年のチーム打率はリーグ5位(打率2割7分1厘)。貧打、そして低迷の続くチームを変えるには、練習での雰囲気、姿勢から根本的に変えなくてはならない。初戦を制したチームヤングは、昨季出場機会に恵まれなかったベテラン達。そんな3人が勝利の瞬間は雄叫びを上げてガッツポーズを繰り返した。初芝は「去年からいる選手なら、今年がどれだけ良い雰囲気か分かると思うよ」とチームの変化を力説。サヨナラ打を放った諸積も「楽しくやらないと僕の持ち味が消えちゃうから。最高の環境ですよ」と笑顔を見せた。

123456789101112R
イケメン12021070501019
ヤング102672000011x20x

打数安打塁打通算率
今江1844.222
フランコ1867.333
里崎1778.412
531719.321
垣内1656.313
初芝1646.250
諸積1668.375
481520.313

◇彼女と外泊

楽しく練習しながら、実戦に即している。この日の試合は速球オンリーだったが、クローザーの登場を想定し、ゲーム終盤になるほどマシンの球速を上げていった。他の練習でも、できるだけゲームをイメージさせる。守備練習では、野手に生きた打球を捕らせるために、ノッカーにティー打撃をさせ、その打球を捕球させた。一方でグラウンド外では選手の自主性を尊重する。「奥さんやきれいなガールフレンドと良いことがあるといいですね」と、休日前夜の外泊を許可。徹底的な実戦主義と、柔軟な思考をミックスし、キャンプの改革を行っている。

賞金の30万円(1人10万円)は「新聞報道によると、僕のお財布はすごく大きいらしいですね(笑)。まあチームが良くなるなら、それぐらい出す価値はあります」とポケットマネーで提供する。この日、敗れたチームイケメンの3年目の今江は「僕にとって10万円は大きいですからね。頑張りますよ」と意気込んだ。ベテランから若手まで、奮い立たせる同監督の手腕が、早くも威力を発揮している。

◇まめつぶした

バレンタイン監督はこの日も精力的に動き回った。ロッテはキャンプイン後、初めて鴨池球場と鴨池ドーム(室内練習場)の2組にチームを分けて練習。同監督は室内練習場でノックバットを振るったり、李のトス打撃の練習相手を務めたりした。まめのつぶれた手を見せながら「一緒に投げたり、打ったりと、チームが私と一体感を感じて欲しいからね」と満足そうに話した。

◇バレンタイン流M改革

第1次政権95年
メニュー見直し就任直後の94年11月、米国にはない秋季キャンプに「いいアイデア」と興味を示した。
しかし「ただ10分間、(フリー打撃で)打ったり投げたりするだけでは意味がない」と指摘。
若手中心の緩めのメニューが常識だったが、ベテランを含め全員参加の練習に切り替えた。
実践主義2時間15分かけて「1000本ノック」に挑戦。
「つらかったが、逆に『やらなければいけない』という気持ちになっていった」と、「異常だ」と突っぱねていた日本式の「根性論」に理解も示す。
合理主義広岡GMと話し合い、罰金を徴収する際に合理的な計算式を導入。
投手の場合、不注意によるケガなどで登録抹消された際には、年俸から1軍最低保障と昨季年俸を差し引いた「期待料」を、予定登板試合数で割ったものを罰金とした。
第2次政権04年
出来高契約更改前の各選手に、チーム成績に関する出来高契約の導入を奨励。
個人成績に関する出来高契約は原則廃止をフロントに要請した。
新球義務キャンプでは投手陣全員に「チェンジアップ」修得に取り組むよう通達。

◇犯人は守護神だ

犯人は誰?ロッテの守護神・小林雅が練習中、着替えをしていた川井の裸の背中を平手で一撃した。しかし「呼んだのに気づかないからさぁ」と、おとぼけ。すると川井は赤く手形のついた背中をさすりながら「記者の皆さん!犯人はあの人ですよ。報道してください」と、小林雅を追いかけ回していた。

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李、左ひじに張り

李が左ひじに軽い張りを訴えてノースロー調整を行った。「ずっと自主トレを続けてきたので、ひじがちょっと重い感じ」と、打撃練習とランニングに室内練習場を後にした。他のメンバーがキャッチボールをしている間、バレンタイン監督がトス打撃の相手になったため「期待してくれているのが、伝わってきました。それに応えられるように頑張りたい」と笑顔を見せていた。

「これまでは何ともなかったのに、左ひじが痛む。でもこの程度なら平気。」

◇練習復帰

インフルエンザで鹿児島市内の病院に入院し、前日2日に退院していた山崎健投手が練習復帰した。別メニューでウオーキングなどを行った。

山崎
「オレに近づいたら、もれなく菌がついてくるよ。鳥じゃないけどね。」

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バーチャルマシンによるゲームがスタート

メイン球場と鴨池ドームの2ヶ所にに分かれての練習となった。

バレンタイン監督
「アメリカでは、5球場に別れて効率良く行う方法を思い出しながら行った。寒かったので1ヶ所で全員集まると待ち時間が出る。それに、内、外野分けることによって、個々の練習が多めにできれば。」

スタートから2日間、投げ込む球数を70球以内と決められていたが、今日から制限を100球まで引き上げた。

バーチャルマシンによるゲームが始まった。第1戦は偶然にもベテラン勢が集まった、諸積・初芝・垣内チーム(自称チームヤング)とフランコ・里崎・今江チーム(自称イケメンチーム)の対戦。予想以上の盛り上がりと接戦に鴨池ドームに大きな歓声が響いた。第1戦は、序盤から諸積・初芝・垣内チームが点を重ね、中盤で18−5と大きくリード。ところが、フランコ・里崎・今江チームが徐々に追い上げるという展開。そして、土壇場の9回表にフランコ・里崎・今江チームが同点に追いつき、延長戦へ突入。10回表に里崎がヒットを放ち1点リードするも、その裏諸積にヒットが出て追いつくという大接戦。最後は12回裏に諸積がヒットを放ち、サヨナラゲーム。20−19で諸積・初芝・垣内チームが初勝利を挙げた。

諸積
「最後はマグレですよ。打とうと思っても当たらない。バットを出したらボールが来て当たった。開幕戦で打てて良かった。」

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バレンタイン改革第1弾は「バーチャル打撃ゲーム」[サンスポ]

これがボビー流エンジョイベースボールだ。ロッテの鹿児島キャンプで3日、ボビー・バレンタイン監督発案の“珍練習”が行われた。8組に分かれた野手が、打撃を競う「バレンタイン杯争奪バーチャル打撃ゲーム」。遊び心満載の画期的な練習が、バレンタイン改革の第1弾だ。

無邪気な声が、響き渡る。大男達がゲームに夢中になった。今キャンプから導入したバーチャル打撃マシンで、その名も「バレンタイン杯争奪打撃ゲーム」開幕だ。スクリーンに投手の映像が流れ、その手の部分からボールが飛び出す新兵器。ただ打撃練習に使うだけじゃ芸がない。バレンタイン監督は遊び心を加えて有効活用。より実戦的に近づけた。「あの機械を見たときに、試合に近い形で使えないかと思ったんだ。選手に競うという気持ちを与え、重圧がかかる場面を作り出したんだ」。

野手陣が抽せんで3人ずつの8組に分かれ、リーグ戦で塁打による得点を競う。審判役も務めるバレンタイン監督が自腹でポンと賞金30万円を出すことで、選手の表情も完全に真剣モードだ。第1試合では初芝、諸積、垣内の「チーム・ヤング」が里崎、今江、フランコの「チーム・イケメン」に20−19で劇的勝利。延長12回にサヨナラ打の諸積は思わずガッツポーズ。「途中から熱くなった。去年(のキャンプ)とは雰囲気が違うね」と野手最年長の初芝も笑顔を弾けさせた。

これも“バレンタイン改革”の一環だ。ゲーム大会以外にも、この日から野手と投手が2班ずつに分散。本球場と鴨池ドームを使った二元練習で攻守をミックスしたノックがメニューに組み込まれた。練習以外でも休日の前の日の外泊がOKになった。昨年までならあり得ないことだ。「新しい練習方法は毎朝、自転車をこぎながら考えてるんだ」。バレンタイン監督のアイデアは尽きることがない。まずはチームカラーを一変させて、8年連続Bクラスの暗いムードにオサラバだ。

◇ルール説明

基本はゲージの中のバーチャル打撃マシンを使った練習。3人ずつの2チームが先攻、後攻に分かれ、9イニング制で対戦。1回で3アウトになるまで、3人が繰り返し打ち続ける。バレンタイン監督が審判となり、アウト、単打、二塁打、三塁打、本塁打、ファウルを判定。その塁打数で勝者を決める。

◇ロッテの珍練習

バーチャル打撃マシン
スクリーンに投手の映像が流れ、リリースポイントからボールが飛び出す新マシン「プロヒッター」を使用した打撃練習。161キロまでの速球、8種類の変化球が設定できる。
変形ティー打撃
ロングティー打撃の形式で行い、正面に内野手が一列に並ぶ。生きた打球を捕球する練習。
変形ノック
内野のシートノックだが、ノッカーはサポート役がトスしたボールを打ち返す。これも、生きた打球を捕球する練習。

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バレンタイン杯開幕、Vなら賞金30万円[スポニチ]

バレンタイン杯が開幕!!ロッテが3日、バーチャル打撃マシンを使ったゲーム形式の練習を導入した。3選手1組のチームが対戦して安打性の塁打合計を競うもの。楽しみながら実戦感覚を学ばせようというボビー・バレンタイン監督の発案でキャンプを通じて8チームが総当たり。優勝チームには賞金30万円も用意された前代未聞のユニーク練習で、ロッテが打力強化を図る。

室内練習場に絶叫がこだました。諸積の打球が中堅方向のネットへ突き刺さると、バレンタイン監督が「ヒット!」と判定。延長12回に“サヨナラ打”を放った殊勲者は、右手を突き上げた。異常な盛り上がりを見せた打撃ゲーム。「選手に競う気持ちを持たせ“ここで打たなければ”というプレッシャーがかかった状況をつくれる」。指揮官が自信満々で考案し、自ら審判も務めた遊び心満載のメニューがナインの心をとらえた。

バーチャル投手のリリースポイントから繰り出される球を打ち返すだけだが、基本的に見送りなしの1球勝負。3アウト交代の9回制で行われ、進行と共に緊張感が高まる。「途中から熱くなったよ」と初芝。俳優カート・ラッセルの甥、フランコ率いる「チーム・イケメン」に9回“5塁打差”を追いつかれて延長回へ突入した。笑い声が飛び交いながらも、最後は誰もが1球1球神経を集中させる中「楽しめないと持ち味が消える」と振り返った諸積が一振りで締めた。

「ああいう状況を楽しむ余裕が大事」とバレンタイン監督。就任直後から腐心しているのが、長い低迷期で自信や明るさを失いがちなナインの意識改革だ。今キャンプでは自らノックバットを振るい、打撃投手を務め、守備練習にも参加。ユーモラスな仕草と笑顔を交える指揮官につられ、選手間に明るいムードとアピールしようという意欲が漂う。極めつきは微妙な判定で見せた絶妙の反応だ。数秒間置いて「アウトです!」「二塁打です!」と絶叫する姿に初芝は「ボビーが、みのもんたに見えたよ。ためてためてファイナルアンサーだから…」と苦笑いした。型破り監督が確実にロッテを変えている。

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ボビー流!?遊びながらの真剣勝負[デイリー]

“バレンタイン杯争奪戦”が開幕した。バレンタイン監督が3日、遊び心と真剣勝負を融合させた斬新な練習を取り入れた。野手を3人ずつ8チームに分け、総当たり戦でバーチャル打撃マシンを使って塁打数を競うもの。監督自らが塁打やアウトの判定をし、優勝チームには指揮官のフトコロから賞金30万円が贈られる。

真の目的は「プレッシャーの中で打席に立つこと」と勝負強さを養うことにある。またマシンのスピードは回を追うごとに速度を増すよう調節。「球の速いクローザーが出てくる場面を想定している」と実戦感覚も意識している。

開幕戦で勝利した「チーム・ヤング」の初芝は活気あふれるキャンプのムードに「昨年とどれだけ違うか見比べれば分かると思う」。この日は野手を2球場に分散させて効率的な練習を行うなどバレンタイン流指導が日に日に色濃くなってきた。

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ロッテ30万円争奪野球大会[報知]

鹿児島キャンプで「バレンタイン杯争奪野球大会」が3日、開幕した。監督の考案で始まった一風変わったゲームの優勝賞金は、指揮官のポケットマネーから支払われる30万円。1チーム3人の計8チームが、総当たりで目の前の“ニンジン”獲得を目指す。

この大会は室内練習場に設置した約800万円のバーチャル打撃マシンを使って行われる。室内のため、安打と凡打はバレンタイン監督ら首脳陣が判定。3人が順番に打って3アウトでチェンジとなり、野球と同様9イニング制。得点ではなく、判定された塁打数の合計によって勝敗を決めるといったルールだ。

でも、ただのお遊びと思ったら大間違い。「競い合う気持ちや、重圧の中で打席に立つことは必ず役に立つ」と指揮官は説明する。一見、ゲームセンターで見かけるような打撃マシンは、大リーグでも使われる本格プロ仕様。「これからは1日2試合、夜間練習でもやる」総合練習後に1試合40分以上を割き、計28試合も費やす。まさに実戦的な練習だった。

当然、ナインも真剣。この日は初芝、諸積、垣内の「チーム・ヤング」と里崎、今江、フランコの「チーム・イケメン」が対戦。初戦から延長12回の激戦を経て20−19で「ヤング」が勝った。初芝は「これは真剣になる」と絶賛。“サヨナラ打”を放った諸積も「こういう環境はとても大切」と指揮官の真意を悟った。だれもが今年は違うと感じるバレンタイン流キャンプが、本領を発揮した。

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楽しくッ!ボビー流チョコっと早いバレンタインデー[夕刊フジ]

これがボビー式キャンプの全容だ。ロッテの鹿児島キャンプが、3日目を迎えてメジャー流へ切り替えられた。前日まで昨年来のメニューを消化してきたが、3日からボビー・バレンタイン監督発案の様々な新メニューを導入。自ら、賞金30万円を提供してのマシン打撃リーグ戦など、チームに活気を持ち込んだ。この日は韓国期待のスラッガー・李承Y内野手の故障騒ぎも丸く収め、本場のマネジメント術を目いっぱい見せつけた。

初日、2日目と選手の自主トレからの仕上がりをチェックしてきたバレンタイン監督。3日目にして、ついに自己流を打ち出した。朝のウォームアップから内野手と外野手に分け、この2班は最後まで完全な別行動。「体も冷やさないし、個々の専門的な練習をするにはこの方が効率的」とバレンタイン監督。メッツ監督時代のキャンプは5面のグラウンドを駆使して、選手をフル稼働させていた。それだけに、2面だけでは物足りないくらいの様子だ。打撃練習もメジャー式の1対1で実施。打撃ケージを3台も4台も並べて打ち込む日本式と違い、「バッティングピッチャーは1人にした方が、実戦に近い球筋を見られる。守備や走塁でも、早い段階から打球に対する反応がつくだろう」と、バレンタイン監督は効果をアピールした。

さらに守備練習も、ロングティーの打球を、ノック代わりに利用。選手は攻守に休みなく動き回った。その上で、全体練習の締めには“バレンタイン杯争奪”のマシン打撃リーグ戦がある。これは約800万円で導入したバーチャル・マシン(スクリーン映像の投手とシンクロして160キロの直球やカーブ、スライダーなど変化球が飛び出す)を相手に、9イニングの塁打数を競争。3人1組の8チームによるリーグ戦で、バレンタイン監督が優勝賞金30万円を提供する。

この日の“開幕戦”からいきなり延長11回の死闘となったため、練習終了は16時過ぎ。夜間練習まで一服する間もないほどのハードスケジュールとなった。しかし、チーム全体が“ボビー流”に陶酔している今、文句を言う選手はいない。95年の前政権時を知る初芝は「前もあんな感じだった。チームも明るくなった?まあね、去年から見ている人は分かるでしょ。雰囲気、変わらなきゃね」とチームに活気が戻ったことを実感した。

また、この日は注目の李の右ひじがパンク寸前。アップ時のキャッチボールもできない状態となった。ここでバレンタイン監督が機転を利かせ、ペッパー打撃に誘い自ら、投手役を務めた。国際問題(?)に発展しかねないハプニングが、メディア向けのショーに早変わり。危機管理術でも魅了した。

バレンタイン監督は「選手が楽しそうにやっているのが1番。明日はもっと面白くなる」と満足げ。長時間練習に慣れている日本人選手に、メジャー式の効率性を加えれば、長くて密度の濃い練習が実現する。「選手と常に一緒だということを見せていたいから」とノックに夢中になり過ぎ、潰した右手のマメが痛むがこの日、1日笑顔が絶えることはなかった。

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「まずは開幕1軍」抑えの自覚[読売]

自らの価値を再確認したい場があった。昨年11月、札幌ドームで行われたアテネ五輪アジア予選。三者凡退に抑えた1戦目に続き、3戦目、急遽登板を告げられた韓国戦でも、8回2死から被安打0で3奪三振。「絶対に負けられない」。アジアナンバーワンの座は必須だった。「僕が日本のプロ野球でやっている意味のため」に。

だが今は、「ロッテの小林雅」がいる。横浜に復帰する佐々木が、五輪本番で招集されても不思議はない。それにはきっぱり一言、「関係ないです」。チームスポーツである以上、シーズン最優先、優勝しか考えていないからだ。

1月4日に5時間の自主トレを初めてから、1ヶ月。「(投球の)バランスを重視している段階。まだまだ」と言うものの、キャンプ初日から連日ブルペンに入り、豪快なミット音で存在感を示している。「僕には3つの球種しかない。その精度を上げていきたい」と、さらなる進歩を目指す。中でも、「これが衰えたら僕は終わり」と自負するボール、高速シュートが生命線だ。社会人(東京ガス)時代、スライダーに加えて横の変化の幅を広げようと体得。プロ入り後、全球勝負という抑えとしての緊張感の中で、キレを研ぎ澄ましてきた。球速は140キロ台後半に達する。その威力、袴田バッテリーコーチは「読まれていても、シュートで攻められる」。

昨季は日本人最速100セーブを達成、今季は前人未到の4年連続30セーブを期待される。そんな偉業をさておいて、こう話す。「まずは開幕1軍が目標。僕だって急にストッパーになってこうなった。いつ誰にとって代わられるか分からない。昨年のパフォーマンスが良くても、今年セーブが増える訳でもないし」。1球も気を抜けないマウンドが舞台。抑え投手の自覚がにじむ。

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鹿商工卒、吉鶴コーチ奮闘[南日本新聞]

千葉ロッテキャンプで、今季からブルペン担当補佐コーチを務める鹿児島市出身の吉鶴憲治コーチが奮闘している。捕手出身の32歳。首脳陣最年少とあって、自ら投手のボールを受けたり、キャッチャーにアドバイスしたりと、精力的に動く。3日は鴨池ドームで投げ込む小林雅、田中ら投手陣を見守った。

昨季は2軍バッテリーコーチ。注目される1軍に移った上、今季はバレンタイン監督をはじめ、李、小宮山ら新戦力の加入でファン、マスコミの視線は一段と熱い。賑わうキャンプを、吉鶴コーチは「注目されるのは選手にとっていいこと。やりがいがある」。

鹿児島商工(現樟南)高からトヨタ自動車を経て、93年に中日入団。96年にロッテに移籍し、02年シーズンまで活躍した。指導者2年目の若手コーチは「野球は投手次第。ファームとは違い、結果を求められるプレッシャーはあるが、今まで以上に投手のよさを引き出せるよう頑張りたい。毎日が勉強ですが、楽しい」と笑顔で語った。

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李承Y、金村義明さんと「40本塁打」を約束[朝鮮日報]

2人の英雄が小指と小指をからませて約束を交わした。日本プロ野球・千葉ロッテマリーンズの李承Yが“在日の星”金村義明さん(韓国名、金義明)と40本塁打を約束した。

在日韓国人3世の金村さんは80年代前半、日本列島を沸かせた野球の英雄だ。大阪の報徳学園高校在学中に日本の高校球児の夢の舞台、甲子園球場で全国制覇した。チームのエース兼4番で活躍した金村さんは、今も日本人の記憶に残る名選手だ。また、近鉄、中日でプロ生活を送り、自分が韓国人であることを堂々と公開してきた。

3日午後、鹿児島・鴨池球場で練習に汗を流す李承Yを、スカイパーフェクTVの解説者として訪ねた金村さんの表情は期待に満ちていた。金村さんは李承Yに開口一番、「2000年のシドニー五輪の時から見守ってきた。日本に来たら必ず成功すると信じていた」と笑顔で語った。また「君ならできる。今季40本塁打は問題ない。私と約束しよう」と小指を差し出した。金村さんは韓国語で「チョンマリラニカ(本当だから)」と言い、周囲を爆笑の渦にした。

金村さんはサムスンの宣銅烈ヘッドコーチと旧知の仲だ。中日ドラゴンズ時代から兄弟同然に付き合ってきた。大阪に暮らす金村さんは「これからはキムチのことは任せろ。自宅に戻ったら必ずキムチを送るよ」と配慮を見せた。李承Yにもう1つ発奮材料ができた。李承Yは全ての韓国人の希望なのだ。

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バレンタイン監督、李を直接指導[ニッカン]

ロッテは練習にメリハリをつけるため、今キャンプ初めて選手を2組に分け、鴨池球場と鴨池ドーム(室内練習場)の2ヶ所で練習を行った。バレンタイン監督は鴨池ドームで選手を指導。ノックバットを握ったり、李承Y内野手のトス打撃の相手をするなど、雰囲気を盛り上げるために大忙しだった。

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パ会長、球団名売却は現実的に無理[ニッカン]

パ・リーグの小池唯夫会長がダイエーのキャンプ視察を行った3日、近鉄の球団名売却問題について現実的には困難との考えを示した。近鉄球団が1月31日に記者会見を開いたことに「(球団名売却については)まず、パ・リーグの理事会や実行委員会、オーナー会議で承認を得ないといけない。その手順を踏まずに発表したのでびっくりした」と驚いた様子。「リーグとして議論する前の段階」と前置きした上で「あれだけ(他球団の)反対が多いと難しいと思う」との見解も示した。

小池会長は今月19日に近鉄キャンプ地の宮崎・日向入りする予定。20日には近鉄キャンプ視察を行うが「根来新コミッショナーも(20日)来られるようなので(根来氏と)会う場面はある。今回の問題を話すかどうかは分かりませんが」と話し、“緊急会談”の可能性に含みを持たせた。

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