わたしはかもめ2004年鴎の便り(2月)

便

2月16日

現役評論家小宮山悟[ニッカン]

◇すでにロッテは変わった

ロッテというチームを見るとき、次のことに気付いて欲しいものです。第3クールを終わった時点で、大きな故障に見舞われた選手が出ていないことが重要です。故障さえしなければ、練習を消化できますから、それだけで前進なんです。故障が原因で停滞することがなければ、監督の「こうだろう」というものが出来上がりますから。

故障が少ない理由は、監督の判断も大事なんですけど(バレンタイン監督は「僕が監督を続けていれば黒木のケガはなかったかも」と話し、今回もブルペンでも投球練習で球数制限を設けている)、ロッテはトレーナーも12球団一だと思っています。僕が149球を投げた13日には、ファウルグラウンドで30分以上もストレッチをしてくれたり、選手に対する丁寧ないたわりとか使命感を感じます。プロのトレーナーとして何をしなければいけないかということを考えて、仕事を全うしている。みんな選手だけを見がちだけど、チームというのは、そういうところも含めてなんです。野球ファンの人たちに、本当に理解して貰いたいところですね。

ケガのないチームづくりを含め、ボビーはナインを1つにまとめる術を知っている。乗っかっていけば本当にいい雰囲気になると思います。球団もそれに期待しているんじゃないですか。今年はプレーオフの可能性があるけど、2年後、3年後はもっと期待できる。その中い自分もいられたら1番いい。

第3クールの小宮山
3日目の13日にフリー打撃に初登板した。63球中、ボールはわずか16球。ブルペンでの投球練習も含め、この日は計149球を投げ込んだ。また今クールから秘密兵器が登場。オークリー社製のサングラス「ハーフジャケットRX」は、イラクに駐在する米軍特殊部隊のゴーグルに使われている技術を採用。真横まで視界をカバーする湾曲したレンズ、汗をかいても滑らないゴムを使用するなど、最新の技術で小宮山をサポートしている。

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ロッテ、豪華リレーの紅白戦[ニッカン]

ロッテ紅白戦が17日、いきなり豪華リレーで開幕する。紅組は1浪から完全復活を目指す小宮山悟投手が先発、2番手以降はストッパー小林雅英投手ら6人でつなぐ。白組は中継ぎエース小林宏之投手が先発、2番手以降は2年半ぶりの復活を目指す黒木知宏投手、左の藤田宗一投手ら5人が登板する。

さらに19日、22日も合わせて全19投手が登板予定で、投げ込みよりも実戦のマウンドで肩のスタミナの養成を目指す。これはバレンタイン監督らしく、メジャーの調整方法を参考にしたもの。日本式の「投げ込み」は極端に禁じていないが、一方で紅白戦に早期登板させる日程を組むことで、ブルペンより実戦をメーンにする調整の流れにしている。バレンタイン監督は「実戦のコンディションをつくって欲しいんだよ」と説明。ブルペンより試合で力を出せる選手を育成する合理主義だ。

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バレンタイン監督サバイバル紅白戦[報知]

ボビー・バレンタイン監督が16日、サバイバル紅白戦を予告した。17日の初戦から小宮山、黒木、小林雅ら主力投手を登板させ、19日の2試合目までに1軍全員を紅白戦に出場させる。指揮官は「きちんと調整できているかどうかを確かめたい」と1軍生き残りをかけたゲームにすることを示唆した。

支配下選手67人中44人が1軍にいるロッテだが、いよいよ“ふるい落とし”が始まる。バレンタイン監督はこの日、2軍キャンプ地の川内市総合運動公園を視察。「次の日曜日(22日)からファームの選手が来ることもある」と熱心に練習を見守った。指揮官は「全員が同じスタートライン」であることを強調。17日の先発・小宮山は「準備ができているから投げるだけのこと」と冷静だが、ベテランも若手も実戦マウンドから遠ざかっている黒木であろうとも、ボビーの前に例外はない。

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バレンタイン監督が2軍キャンプを初視察[サンスポ]

ロッテは16日、今キャンプ3度目の休日。バレンタイン監督は2軍キャンプを初視察した。「とても組織的で、練習方法がよかったですね」。今年の新人6選手は1軍に不参加のため、練習中に指揮官と初対面。D1巡目の内(川崎工高)は「いつも、テレビで見てる人だなと思いました」と感激しきりだった。

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李がゴルフで悪戦苦闘[サンスポ]

新外国人の李承Yが、今キャンプ初のゴルフで悪戦苦闘。第1打からミスショットを繰り返し、スコア127でホールアウトした。もっとも、これまで2度の休日は宿舎に閉じこもっており「いい気分転換になりました」と満面の笑み。「ゴルフを回って、腰のハリが楽になりました」と“ラウンド効果”を強調した。

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新鮮組(早坂圭介の紹介)[サンスポ]

◇韋駄天・早坂“バレンタイン野球”で光る

ロッテに50メートルの自己ベスト5秒5の“韋駄天”がいた。2年目の早坂圭介内野手だ。少年時代から数々の“快足逸話”を残し、新人の昨年にはイースタン盗塁王を獲得。今季は1軍キャンプに初参加、走塁重視の“バレンタイン野球”でキラリと光り輝く。

一瞬のうちに、50メートルを駆け抜けていた。昨年5月のロッテ浦和球場、早坂が5秒5の驚異的な記録をマーク。ストップウオッチの数字に、2軍の首脳陣、選手はド肝を抜かれた。「高校時代から50メートルを5秒8で走っていたんですけど、何でタイムが伸びたのか分からないんです」。

確かに小学1年から高校3年まで、運動会でクラス選抜のリレーで代表からもれたことはない。しかも、常にアンカーか1番手の大役。さらには、誰もが経験した?“ピンポンダッシュ”で無敵を誇った「友達が知らない家のインターホンを押してるんです。気が付くと、みんなパーッと逃げて…。ボクも慌てて追い掛けるんですけど、最後には抜かして、真っ先に隠れてましたね」。

少年の“いたずら”も、早坂にとっては逸話。神奈川・不入斗中から本格的に野球をはじめ、横浜商工高では「3年のときに50盗塁以上したけど、1度も刺されませんでした」という。ロッテ・飯塚スカウトが素質に惚れ込み、平成14年ドラフトの“隠し玉”。入団1年目は22盗塁でイースタンの盗塁王に輝いた。「2年目で1軍キャンプに参加させてもらえるのはチャンス。ただ、代走要員では終わりたくないです」。1軍キャンプ参加最年少の19歳は、自慢のピンポンダッシュで?開幕1軍を目指す。

早坂圭介(はやさか・けいすけ)
昭和59年6月19日、神奈川県横須賀市生まれ、19歳。横浜商工高3年の平成14年夏には、神奈川県大会でベスト8に進出。同年D8巡目でロッテ入団。昨年はイースタンで22盗塁をマークし、盗塁王と優秀選手賞を獲得。1軍通算は14試合で打率.000、2盗塁。家族は父・祐一さん(51)、母・寿子さん(48)、兄・陽介さん(25)、姉・ひとみさん(22)。1メートル76、63キロ。右投げ左打ち。背番号68。年俸500万円。

◇快足は“血筋”

早坂の快足は“血筋”だった。両親はともに学生時代から陸上競技を行っていた。3歳上の姉も陸上部、6歳上の兄は野球部に所属する“スポーツ一家”。「昔から兄弟3人で駆けっこをやってて、いつもビリだったんです。負けず嫌いなんで、いつかは見返してやろうと思いました」。幼いときの屈辱が、球界随一の快足の糧となった。

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