わたしはかもめ2004年鴎の便り(2月)

便

2月29日

福岡ダイエー3−4千葉ロッテ(福岡ドーム)

ダイエーは開幕投手に内定している斉藤が制球に苦しみ、3回を6安打1四球の2失点と調整不足を露呈した。三瀬、竹岡の新人は持ち味を発揮し、中継ぎでの開幕1軍へアピール。ロッテは清水直、ミンチー、渡辺俊の先発組が順調な仕上がり。

123456789R
千葉ロッテ2001010004
福岡ダイエー0003000003
清水直
「今日の自分としてはベストでした。紅白戦よりはフォームにばらつきがなく余裕がでてきた感じですね。」
藤田
「いいバランスで投げることができた。いいボールがいきましたね。野球が楽しくできていますよ。」
小坂
「昨日の巨人戦で(良い)結果が出なかったので、どういう形でも打ちたかった。」
フランコ
「引っ張るのは簡単。外のボールをレフトへ運べたことはいいこと。もちろん、内角に来たら引っ張るか強い打球を心掛けるよ。自分のスイングはOK。あとはタイミング。日本のピッチャーも全てモーションが違うからね。」

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ボビー、9年ぶりの日本1勝[ニッカン]

◇王に楽勝さ

相手が日本一チームでも楽勝です。ボビー・バレンタイン監督がダイエー相手に、9年ぶりの日本球界復帰白星を飾った。昨年9勝19敗と大きく負け越した王者に、エース清水直らの好投で4−3と競り勝った。それでもバントやエンドランの失敗があったため、試合後には緊急ミーティング。「キッチリやればもっと楽に勝てたはず」と、手綱を締め直すことを忘れなかった。

◇デカい声

信じられない。これが8年連続Bクラスに低迷しているチームなのか−。確かに変わった。とにかく明るい。4万8000大観衆をのみこんだ福岡ドームに、ベンチ最前列から発せられるバレンタイン監督の声が響き渡る。「Here we go!(さあ行こう)」「Good job!(よくやった)」…。

指揮官のタクトに踊らされて、ナインが躍動した。「マウンドまで声が聞こえますからね。ベンチで1番声を出してるし、ムードいいですよ」。その効果を説明した先発清水直が、打者6人を貫録のパーフェクト。「こんな投球をした投手が開幕に投げなかったら私が驚くよ」と同監督に言わしめた。打っては助っ人フランコが3安打。「56発男」李もオープン戦初安打を放つなど、ナインは乗った。昨年、借金10を背負わされた「天敵」ダイエー相手に、小宮山、伊良部らを擁して2位となった第1次バレンタイン政権の95年を彷彿させた。

◇台風の目

もちろん、ただ明るいだけではない。鹿児島キャンプから、守備だけで十数通りにもなるサインプレーを徹底。攻守にち密なバレンタイン野球を植え付けてきた。だからこそ、この日のミスは許せない。6回表無死一、二塁で清水将が、1死一、二塁からは諸積が犠打を失敗した。ヒットエンドランのサインで、打者が空振りしたことも2度あった。試合後はすぐさまミーティング。報道陣とのインタビューでも「きっちりやれば、もっと楽に勝てた」と浮かれることなく、冷静沈着に話した。

前回、采配をふるった95年にはダイエーを21勝5敗とカモにした。昨年は逆にカモにされた。もちろんバレンタイン監督が狙うのは、2位になった前回以上の成績。その本気度は、95年やメッツ時代の同監督を知るベテラン小宮山が「自分が全責任を持ってやれる立場にあるので、一生懸命やりすぎでしょ」と笑顔で語るほどだ。鹿児島キャンプの夜間練習では、手のひらがボロボロになるまで、ノックバットを振ったバレンタイン監督。そんな姿を見て、ナインもそれに応えようと必死だ。生まれ変わったロッテが、台風の目に、いや主役に躍り出ようとしている。

ロッテ−ダイエーの対戦成績
年度ロッテ対戦成績ダイエー
1995バレンタイン21-0-5
1996江尻15-1-10
1997近藤11-0-16
199811-0-16
1999山本12-1-14
200015-0-12
200117-0-11
200210-0-18
20039-0-19

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渡辺俊2回無安打[ニッカン]

サブマリン渡辺俊が、ダイエーキラーぶりを早くも発揮した。3番手で登板し打者7人で5三振。失策の走者を出しただけの無安打無失点で切り抜けた。昨年の対ダイエー9勝のうち3勝を挙げており「福岡ドームはお客さんもいっぱいで投げやすいんですよ。もちろんマリン球場も声援がすごくてモチベーションが上がりますけど」。2月25日には長男向輝(こうき)ちゃんが誕生し、携帯電話の待ち受け画面には息子の画像が登録されている。「ちゃんと抑えて早く帰りたかったんです」と笑顔だった。

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李が日本初ヒット[ニッカン]

李がオープン戦初安打を放った。3回表1死一塁でカウントは2−0。投手の間合いが長かったためにタイムをかけようと左手を挙げたが、ダイエー斉藤が投げ始めてしまっていた。あわてて低めのカーブに合わせると「かろうじて当てただけ」という打球は「日本初安打」となって中前へ抜けた。

納得いく当たりではないが、試合前練習の効果が出た。李は前日28日の巨人戦で鴨志田らが見せた、上げた足が一瞬止まるフォームに戸惑った。ダイエー斉藤も同様のフォーム。そのため榎打撃投手に頼んで、二段モーションでフリー打撃に登板してもらい、感覚をつかんだ。「韓国でも日本でも野球に変わりはないので、初安打というのは関係ない」という李だが、この1本をきっかけに、精神面での重圧は変わってくるはずだ。

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「日本一の監督」が新生マリーンズ警戒[ニッカン]

◇チェック!!

ダイエー王監督も、新生ロッテに警鐘を鳴らした。「フランコとか、ベニーとか新しい人が出ていたね。印象?エンドランとか、今までよりも仕掛けてくるし、積極的だね」。新戦力はもちろん、95年以来、9年ぶりの対決となったバレンタイン監督のさい配もチェックした。3安打の2番フランコには「大きいの(本塁打)はないけど(変化球にも)対応できそうな打者」と話した。

◇攻略の糸口

また、自らのプロ野球記録55本を塗り替えた「アジア記録56発男」李についても「彼はそれなりに打つだろう。どんな打者にも、鉄則は緩い球を近く(内角)。緩急をつけることが大事」と入念にチェックした様子。この試合のデータをロッテ攻略の糸口にする。

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渡辺俊、鷹キラー健在[スポニチ]

ロッテは29日、福岡ドームでダイエーとオープン戦を行い、渡辺俊が2回無安打で打者7人から実に5奪三振。昨年ダイエーからチーム最多の3勝を挙げた鷹キラーが、今年も健在ぶりを示した。

「城島からは“いつまでも抑えられると思うなよ”って言われたんですけどね」。対戦被打率で.196と圧倒した昨年から、今年はさらにバージョンアップ。球を見極められやすい左打者に対してカーブの割合を増やした。従来は直球とシンカーが中心だったが「緩急で空振りを取れたのが大きい」と幅を広げた。

2月25日に長男・向輝(こうき)くんが誕生。写真を携帯電話の待ち受け画面に登録し「こんなにやる気が出るとは…」と励みにする。9勝止まりの昨年から今年は初の2ケタ勝利が目標。復帰初白星を贈られたバレンタイン監督も「価値ある投手」と手放しで称賛していた。

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渡辺俊が2回無安打5奪三振の快投[サンスポ]

グイッと沈み込む体から白球の糸がホームベースに伸びる。球界随一のサブマリン、渡辺俊がダイエー打線を翻ろう。5回から2イニングを無安打、5奪三振の快投だ。「結果を求めていたので、シーズンと同じ気持ちでいきました。城島から『いつまでも抑えられると思うなよ』って言われたんですけどね。ナメられたくないです」。

敵の主砲の“恫喝”に負けず、快刀乱麻の投球を披露。昨季のロッテは9勝19敗とダイエーに大きく負け越したが、渡辺はチーム最多の3勝(1敗)を挙げた。今年は自己最多の10勝が目標。達成したあかつきには野球漫画「ドカベン」への登場を熱望。人気キャラの里中クンも顔負けのサブマリン投法で“ダイエーキラー”となれば、ブレークするのは間違いない。

2月25日には長男・向輝君が誕生した。キャンプ休日とあって鹿児島から木更津市内の病院に直行。携帯電話禁止の病室でこっそり「写メール」を3枚撮影した。今は1日ごとに最新映像がメールで送られ、待ち受け画面を更新している。「ちゃんと抑えて家に帰りたかったから」。試合終了後、1ヶ月ぶりに都内の自宅に戻った。心優しき“パパ”も、マウンドでは鬼と化す。

◇左打者に対する苦手意識を克服

渡辺俊の課題は左打者に対する苦手意識の克服。この日は稲嶺、川崎、宮地、本間の左打者4人を完璧に抑え「攻め方のパターンを増やしたんです」とニヤリ。井上投手コーチも「去年は真っすぐとシンカーが多く、緩いカーブで攻めることが少なかった。投球の幅を広げようとしているんでしょう」と目を細めていた。

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李が来日初安打…二段モーション対策も[サンスポ]

李承Yが2試合目のオープン戦で来日初安打をマーク。3回1死一塁からダイエー・斉藤のカーブを中前に弾き返した。前日28日の巨人戦では投手陣の二段モーションに苦しんだ。韓国球界にはない投球フォームでこの日のフリー打撃から早速対策に着手。「(打撃投手に)二段モーションで投げるよう頼みました。いい感じで打てました」と笑顔を見せた。

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清水直2回完璧[報知]

あれこれ言う必要はない。先発した清水直がダイエー打線の6人を完璧に封じ、表情一つ変えずにマウンドを降りた。2回無安打無失点、わずか18球では投げ足りないほど。「今の自分の状態が分かった。まあ、こんなもんでしょ」バレンタイン監督からすでに開幕投手に指名されたエースの貫録を漂わせた。

左打者への外、右打者への内へ投げ込むスプリットを確認するテーマがあった。今季から、さらに速度の遅い種類を武器に加えた清水直は早速柴原、本間に試投。右打者のズレータは、これまで通りの速いスプリットで空振り三振。「完ぺきではないけど(開幕まで)あと1ヶ月あるし、現時点ではベスト」と、確かな手応えを感じた。

指揮官もただ、うなずくのみ。「これだけの投手が開幕で投げなかったら、みんな驚くでしょう。期待通りだし、開幕投手はあのぐらいのピッチングはするもの」と、開幕投手の構想は確信に変わった。1995年9月28日の西武戦(西武球場)以来、3076日ぶりに日本で勝利を挙げたバレンタイン監督。同じく西武と対戦する3月27日の“本番”でも、エースが白星をもたらしてくれるに違いない。

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清水直、2回6人でピシャリ[ニッカン]

ロッテ先発の清水直行投手はわずか2回ながら、ともに三者凡退のまったく危なげない投球を見せ、開幕投手へ前進した。「投げたいボールも投げられたし、いまの時点ではベストといっていい」と、エースは納得の表情を見せた。バレンタイン監督も「期待している通りの投球をしてくれた」と絶賛。「開幕投手を決めるのは3月半ば」と、公言しているが「あれだけの投球をする投手が開幕で投げなかったら、びっくりするだろうね」と、ご機嫌な話しぶりだった。

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李、2戦目で日本初安打[ニッカン]

前日の巨人戦では3打数無安打に終わった李承Y内野手が、オープン戦2試合目で日本初安打を放った。「普通に打てた。野球に日本も韓国もないので、特別な感慨はない」と話したが、前日から緊張が目立っていただけに、いいきっかけとなりそうだ。ダイエー斉藤と対戦した3回の第2打席、2球空振りした後の3球目のカーブを、やや崩されながらも中前へ。変化球への対応力を見せた格好となったが「かろうじて当てただけ」と、いつも通りの謙虚さだった。

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