わたしはかもめ2004年鴎の便り(3月)

便

3月17日

千葉ロッテ1−4巨人(千葉マリン)

ロッテ小宮山は、低めに集める持ち前の制球力がさえ、5回を無失点に抑えた。小林雅もシュートが切れて1回で3三振を奪った。巨人はローズが中越え本塁打し、開幕へいよいよ本領を発揮。先発候補のランデルは6回1失点と踏ん張った。

123456789R
巨人0000004004
千葉ロッテ1000000001
小林雅
「今日の課題は風の中での対応。こういう状況もあるからね。変化球は曲がる過ぎるので直球に頼りました。内容よりも結果を求めた。結果を求めて投げて、失敗したらこうしようと考えられるから。今日はこんな状況で結果が出てよかったですよ。次は9回から投げる。自分の投げる状況をキチンと想定して投げたい。何とか、いい感じで開幕が迎えられる。」

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5回無四球無失点、小宮山悟の境地[ニッカン]

◇技巧派のお手本投球で開幕ローテ決める

さすが頭脳派だ。テクニックで抑えるお手本のような投球だった。ロッテのベテラン小宮山が5回を無失点に抑えて、開幕先発ローテ入りを確実にした。「風で思うようにコントロールできなかったから、投げてて面白くなかった。ストレスがたまるピッチングだった」。不満の声とは裏腹に、その投球術は健在だった。

2回1死三塁のピンチでは、清原をカウント2−3から内角高めの直球で一邪飛。清原が「1年のブランクは感じなかったな」と舌を巻く内容だった。最速は137キロながら制球は抜群。時折100キロ台のカーブで緩急をつけて史上最強打線を無四球のわずか3安打に抑えた。

記憶は正確だった。実に4年半ぶりの千葉マリンのマウンドで、この日は特有の強風が吹き荒れた。球場表示で15メートル、最大瞬間風速は29メートル。だが、強風の際には変化球が曲がる球場の特徴、打者心理、ゴロを打たせる投球と全て計算ずく。「風は当然味方になるでしょう。投手が嫌なように、打者だって嫌なんです。いかなる状況でも投げられるメドが立った」と胸を張った。

バレンタイン監督も「(97年に)防御率のタイトルを取った時のようにはいかないだろうが先発のチャンスは十分にある」と合格点。前回11日の教育リーグから中5日の先発で「昨日まで体の筋肉痛で起きるのがやっとだった」と不安を感じていたが、1年のブランクは振り払った。「メジャーで中4日を経験してるから。年なんで対応できるかどうかは別ですが。何だかんだ言って、投げられたのが良かった」。元エースの自信やプライドが見え隠れしていた。

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黒木は火だるま

こちらは暗雲が…。復活を目指す黒木の開幕先発ローテ入りがピンチとなった。黒木はこの日、教育リーグの西武戦に先発し6回で10安打を浴び5失点。「これも試練です。簡単には復活できないということ」とガックリ。ロッテ浦和球場も最大風速21メートルの風でバランスを崩す場面もあったが、過酷な状況を克服した小宮山とは明暗を分けた。

黒木
「強い風の状況も1つの試練。簡単に復活できるということはない。風が強くても条件は一緒なんだから。今日がオープン戦最後と思っていたから悔しい。今日に関しては結果を求めていただけにとても悔しい。チャンスがあればもう1回投げたい。今後はどうなるか分からないが、やけになることはない。じっくりやっていくしないね。力がなく未熟だからこうなる。コントロール、ボールのキレとレベルアップしないと…。」

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李3の0に初失策

李承Yが早くもスランプに陥った。この日は3打数無安打で、これで3試合連続ノーヒット。初失策も演じ、オープン戦打率も2割1分6厘に急降下した。韓国プレスも心配な様子で、李も「今日はいい日ではなかったよ」と言葉少なだった。

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舌戦から一夜ボビー怒り収まらず[ニッカン]

◇「私は彼より800勝くらい多く勝っている」

「遺恨戦」の興奮冷めやまず。前日のオリックス戦で敵将・伊原監督と激しい舌戦を繰り広げたロッテのバレンタイン監督がこの日も怒りをあらわにした。「相手監督から、私が日本語を喋らないことに批判を受けていたが、日本語を勉強している。日本の野球を見下してるように言われたが、そういうことはない」と反論。相手が仕掛けたケンカに我慢ならないのか、同監督はさらに「逆に1軍の野球をマイナーのように見せてる人を批判したいと思う。相手が言ってることで唯一正しいのは、監督の年俸(バレンタイン監督が上)のことだけだ。それは私がキャリアの中で、彼より800勝くらい多めに勝ってるからなんだよ」と痛烈に伊原監督を皮肉った。「これからもウチの選手が攻撃を受けた場合は守るよ」と遺恨はシーズンに入っても続きそうだ。

◇伊原監督ニコニコ

怒りに震えた翌日は笑顔でご帰宅…。一方のオリックス伊原監督は、切り替えの早さを見せた。一夜明けたこの日は、試合前から和やかなムード。実は南夫人の44回目の誕生日だったのだ。マック鈴木の好投もあって、試合後の会見が終わると「今日は(南夫人が)待ってますから早く帰ります」とニコニコ顔で足早に球場を後にした。18日は芝浦工大の卒業式に出席するなど「お祝いムード」に包まれるだけに、遺恨戦など忘れたかのように明るく振舞った。

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ボビーは「打線全体がスランプ」と厳しい表情

試合後、さすがのバレンタイン監督も厳しい表情を見せた。「バッターが良くなってこない。チーム全体がスランプだ」と話すと頭を抱えた。今日は初回にいい形で先制した。2つの四球を足掛かりに立川がセンター前に運び1点を先行。3回には1死から福浦が一、二塁間を破りクリーンアップにつないだ。しかし、4番李が初回こそ四球でつないだものの、このチャンスにセカンドゴロ。立川もファーストファールフライに倒れると、4回以降は完全に沈黙。5回と7回に四球の走者を出しただけだった。

バレンタイン監督
「2安打でも、3安打でも1対0で勝っていたならば、いい試合と言えるし気分も違う。しかし、4点取られたから…。「ヒットが出ないと楽しくないよ。」

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小宮山、4年半ぶりマリン強風が味方[サンスポ]

特別な感慨はなかったという。「風が強くて心配で余計なことを考えずゲームに入れたね」。前回ロッテに在籍していた99年9月11日のオリックス戦以来となる千葉マリン。感傷は不要だった。

千葉市内の最大瞬間風速は29.1メートル。小宮山は「制球できずに四苦八苦した」と振り返ったが、その悪条件が存在感を際立たせた。2回から100キロ台のカーブを投入。向かい風の吹く中で、曲がりやすい変化球を効果的に使い、オープン戦初先発を5回3安打無失点だ。「最強打線?(小久保とペタジーニの)飛車角落ちでしょ」と余裕を示した。

本拠地独特の悪条件に体が反応した。「普通にやれるじゃん!っていう感じ」。笑い飛ばしたが「普通」こそ重要なキーワードだ。常々「1年間普通に投げ切ることが難しい」と話す。150キロの剛球がなくても、条件が悪くても「普通」にアウトを積み上げるのが理想。実行した右腕にバレンタイン監督は「昔を思わせた。先発のチャンスは十分」と開幕ローテーション入りを示唆した。

「順調過ぎる不安」も1つ解消。前回11日の教育リーグ・ヤクルト戦登板後、全身に強い張りを感じていた。前日は「起きるのも思うようにならなかった」という。それが一晩明ければ「普通に投げられた」。特別なことはしていないが、38歳の肉体には依然十分な回復力が宿っている。1年間のブランクを経ても、なお健在のベテランが、開幕から「普通」に戦列復帰を果たすことになる。

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あっぱれ38歳!ロッテ・小宮山5回0封[サンスポ]

ノラリ。クラリ。38歳の“逆輸入”右腕が巨人の誇る史上最強打線を手玉にとった。元メッツの小宮山。その精密機械ぶりは15メートルの強風、日本復帰初先発の緊張感の中でも変わらない。そして、舌の滑らかさも…。

小宮山
「風が強かったんで、コントロールできずに四苦八苦した。今日は投げていて面白くなかった。史上最強打線が相手?最強でも飛車角落ちでしょ?普通だね。特別どうこうはなかった。」

おっしゃる通り、5回3安打無失点はあっぱれ! 最速137キロと99キロのカーブで料理した。ペタジーニ、小久保が抜けた巨人は小宮山にとって“飛車角落ち打線”。巨人、恐れるに足らず−だったようだ。

9年ぶりに小宮山と再会したバレンタイン監督も「色々な球種があり、昔のイメージを思わせる内容だね。先発入りのチャンスは十分ある。防御率1位は無理でも、活躍してくれるよ」と惜しみない賛辞を贈った。「こういう風が強い時だってあるだろうし、(中5日の)間隔を開けてもらえれば、投げられる自信はついた」と小宮山。マリン名物の強風がベテラン右腕には追い風だった。

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小林雅1回3奪三振[サンスポ]

小林雅は1回を3奪三振。ほぼ万全の内容だが、「強風で変化球がうまく投げられなかったので、真っすぐに頼りすぎた」と、本来と違う投球スタイルに苦笑いを浮かべた。仕上がり自体は順調そのものだが、2度の登板はいずれも主力打者と対戦するため中盤での登場。今後は9回の締めくくりでテストする。

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黒木5失点…教育リーグ登板[サンスポ]

黒木が教育リーグの西武戦に先発し、6回で100球を投げて10安打5失点。開幕1軍に不安を残した。強風の中、1回に玉野に2ラン、5回には中村に3点二塁打を許した黒木は「制球もボールの力もレベルアップしないと…」と残念そう。前回11日に続く苦しい内容に「今日は結果を求めていたのでとても悔しい。このままでは駄目ですね」と肩を落とした。

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小宮山G封じ開幕ローテ当確[報知]

◇5回3安打無四球無失点

千葉マリンの強風も、小宮山にとっては懐かしい風でしかない。風を真正面から受けながら、表情を崩さずに投げ込んだ。1年間の“浪人生活”というブランクも見当たらない。巨人打線を相手に5回3安打無失点、そして無四球。精密機械が、開幕ローテ入りを決めた。

千葉マリンでの先発は99年9月11日のオリックス戦以来だが、右腕は冷静。「特にこみ上げて来るものはなかった。強風だったけど、それは慣れるもの。打者だって打ちにくい状況なんだから、風は味方にできるものです」風の影響で曲がりすぎる変化球と格闘しながらも、手応えはしっかりつかんだ。

不安はあった。11日に教育リーグのヤクルト戦(浦和)で5回を投げ、中5日の登板。実際は前日まで疲れが残っていたが、この日の朝までに回復。「年なんでしょうけど、中5日でできることが分かった。メジャー時代の経験で、中4日も対応できるはず」と確信した。

「95年を思わせてくれるような内容だった。開幕ローテは十分あります」とバレンタイン監督。5年ぶりにロッテへ帰ってきたベテランには“空白”の2文字は存在しない。

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黒木6回5失点開幕1軍ピンチ[報知]

右肩痛からの復活をかける黒木知宏投手が17日、開幕1軍ピンチの苦境に立たされた。教育リーグの西武戦(ロッテ)で先発し、初回に玉野から特大2ランを浴びるなど6回を10安打5失点。オープン戦で結果を残せない状況に、「チャンスがあればもう一度投げたい」と、自ら次回登板を志願した。

「簡単には復活できないということ。結果を求めていただけに、悔しい」と唇をかんだ。この日は20メートル以上の風が吹き、6回終了時でコールドになったが、言い訳にはできない。バレンタイン監督は「詳しく聞かないとコメントできないが、今日の結果で彼の予定が変わるとは思わない。彼は全力で頑張っている」と黒木にラストチャンスを与える方針。ジョニーの復活までの試練は、まだ終わらない。

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黒木、開幕1軍ピンチ[ニッカン]

黒木知宏投手が17日、ロッテ浦和球場で行われた教育リーグの西武戦に先発し、6回で100球を投げて10安打5失点と、開幕1軍に向けて不安を残した。強風の中、1回に玉野に2ラン、5回には中村に走者一掃の二塁打を許した黒木は「力がないからこういう内容になる。制球もボールの力もレベルアップしないと…」と振り返った。前回登板した11日に続く苦しい内容に「今日は結果を求めていたのでとても悔しい。このままでは駄目ですね」と肩を落としていた。

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小宮山、強風に負けず5回無失点[ニッカン]

小宮山悟投手が、風速10数メートルの突風が吹き荒れる中、5回3安打無失点の好投で、開幕に向け万全の仕上がりをアピールした。向かい風にあおられ、ボールは異様なほどの変化を見せた。「思うようにコントロールできなくて、四苦八苦した」と振り返るが、その過酷な状況に、見事に適応した。

「求めるのはそのレベルじゃない」。そう言いつつも、致命的な制球ミスはほとんどなかった。2回1死三塁のピンチでも、タイミングを外す絶妙の投球で清原、元木を打ち取った。「打つ方もしんどい。あんまり参考にならない」。自分に厳しい姿勢は変わらない。それでも「手応えまでいかないけど、何かはつかめた」と好感触もある。「これだけ順調にくると、土壇場で裏切られるんじゃないか、と思う」と余裕の表情だった。

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