わたしはかもめ2004年鴎の便り(3月)

便

3月23日

千葉ロッテ6−3ヤクルト(千葉マリン)

ロッテは李承Yと福浦が3号本塁打し、新外国人フランコも来日1号を放つなど1発攻勢でヤクルトに快勝した。3回無安打の渡辺俊は安定感があり、開幕へ順調な仕上がり。ヤクルトの岩村は2試合ぶりの5号ソロで好調を持続している。

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ヤクルト0001011003
千葉ロッテ01040100x6
バレンタイン監督
「ベニーもフランコも李もオープン戦で苦しんでいたようだったが、最後に来ていい形で自信になったんじゃないか。いいバッターだから自信さえあれば問題ない。」

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李3号締め[ニッカン]

56発男、李承Y内野手が、愛妻と恩師のエールに応えてオープン戦を締めくくった。パ・リーグ最終オープン戦となったヤクルト戦。千葉マリンへ初めて駆けつけた松静夫人とサムスン時代の監督、白仁天氏の前で、右中間へ3号本塁打を放った。オープン戦は打率2割2分2厘と低迷したが、2人の強力な後押しで、27日に西武戦(西武ドーム)で開幕するシーズンへ光を見いだした。

これが夫婦の絆だ。李が「来ていることは、全く知りませんでした」という松静夫人の声援が届いたのだろうか。2回裏。李は先頭打者で打席に立つと、迷うことなく初球を振り抜いた。やや内角寄りの135キロ直球を、熱狂的ロッテファンで埋まる右中間席の中段へ運んだ。

昨季韓国でアジア新記録の56本塁打を放った大砲も、このアーチは12日の横浜戦以来、6試合ぶりだった。21日のダイエー戦で4試合ぶりの安打を放ったとはいえ、打率も2割そこそこに喘いでいた。もがき苦しんでいた男の1発に、スタンド貴賓席で見ていた夫人も大喜びだった。「今日は本当に来て良かった。韓国語での応援歌にも感動しました。家では野球の話はしないんですけど、最近は調子が悪いようだったんで、気になっていたんですよ」と、安堵の表情を浮かべた。夫人は今月15日に来日していたが「前から来たかったんですけど、家の整理とかで忙しくて…」と、この日が初観戦だった。

精神面での後押しが夫人なら、技術面でヒントを与えたのは、かつての恩師だった。この日、96〜97年にサムスンの指揮を執り「僕の1番尊敬している師匠です」と李がいう白氏が来場。試合前の打撃練習から目を光らせた。「ちょっと(タイミングが)速いなと感じたんで、それを伝えました」と白氏。やや遅い135キロを手元まで引きつけて放ったアーチは、まさにアドバイス通りだった。

もっとも、手放しで喜べる状態でないことは、本人が1番分かっているはずだ。李は「本塁打の感想は特にないです。結果より内容を重視しているんで」と話した。この日の第4打席。ヤクルト五十嵐亮の高め154キロのボール球に手を出し、三振した。白氏が「日本の投手は、平均して韓国より5キロは速い。それに慣れることが大事」と指摘したことが表れたシーンだった。

それでも、シーズンへ一筋の光は見えてきた。李に触発されるように、同じ新外国人のフランコも第1号を放った。バレンタイン監督も「下位で立川、フランコが、上位で福浦、李が点を取れた。バランスがいいね」とご機嫌で、「李やベニー、フランコはもともといい選手。本塁打で自信もつくだろうし、自信を持てば、もっと良くなる」と断言した。「自信」と「慣れ」。そのことをシーズンで予感させるのに十分な、オープン戦最終戦となった。

ロブソン打撃コーチ
「(李、フランコの1発、ベニーの二塁打など新加入の中軸が長打力を発揮し)開幕が近づいたこの時期の結果は大事。いい形で打てている。」

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渡辺俊3回無安打

開幕3戦目(29日=近鉄戦)に先発予定の渡辺俊が、3回無安打と好投した。初回に今オープン戦で初めて四球を出したが、走者はそれだけ。最速は128キロ止まりも、右下手から浮き上がる直球と、フォームで打者のタイミングをずらす投球で結果を出した。「(球速が遅かったのは)寒いし、風も逆だったんで。まあスピードを意識すると良くないんですよ」と余裕の笑みを浮かべていた。

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李が師弟愛&夫婦愛で復活弾![サンスポ]

千葉マリンの右翼席が歓喜に揺れる。2回無死。李承Yが石堂の135キロ直球をセンターバックスクリーン右横に運んだ。「本塁打?特に意識はないですよ。結果より内容ですからね」。そういいながらも、笑顔は消えない。韓国・三星時代の昨季、アジア新記録の56本塁打をマークしたライオンキング。だが、新天地・日本では投手陣の多彩な変化球攻めにタイミングが狂い、この日の試合前までの13試合では打率.214、2本塁打、6打点、15三振。苦境を救ったのが三星時代の監督・白仁天氏だった。

恩師はこの日千葉マリンを訪問。試合前のフリー打撃で「コンパクトに振れ」とアドバイスを送った。「尊敬する師匠。だから集中して打席に入りました」。いきなり、12日(横浜戦)以来の3号アーチだ。

一方、口にはしないが、美人妻効果も絶大。愛妻・松靜さんは15日に来日したが、新居の片付けもあって、この日が千葉マリン初観戦となった。そこで見事な1発だ。「妻が見ていた?それは知らなかった」とテレたが、日本にきたばかりで勝手に外出するはずもない。女神を球場に呼んで、眠れるライオンキングが復活した。

バレンタイン監督も「いい形でオープン戦を終えて、自信を手にしたはず」とニンマリ。最終戦で蘇ったアジアの大砲が、マリーンズ旋風を巻き起こす。

李松靜(イ・ソンジョン)
ロッテの新外国人、李承Y夫人。21歳。高校時代からモデルとして活躍し、雑誌のグラビアなどに登場。昨年、韓国のマンションのCMに出演するなど注目を浴びている。今春、ソウル市の中央大学映画学科を卒業予定。

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松靜さんが右翼席の大声援に感激[サンスポ]

夫人の松靜さんは、千葉マリンのスタンドで来日初観戦。李の復活弾に大きな拍手を送った。「(日本に来て)初めて見た打席で本塁打が出たのはすごく嬉しいです。家では野球の話はしないけど、最近は調子が悪かったので気になっていたんです」。夫人が最も感動したのが右翼席の大声援。「韓国語で応援してくれて感激しました」と頭を下げていた。

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渡辺俊が3回無安打[サンスポ]

渡辺俊は3回無安打でオープン戦最終登板を終え「今日は開幕最初の登板のつもりで投げた」。開幕3戦目の近鉄戦先発が既に決定。2年目にも3戦目に先発したが「入れ込みすぎて、そのときは散々」。昨季の9勝で大きく成長したサブマリンは「反省を生かしたい」と誓った。

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李、恩師・夫人の前で復調3号[スポニチ]

アジアの本塁打王が開幕4番を引き寄せた。李承Y内野手が23日のヤクルト戦(千葉マリン)で2回に中越え3号ソロを放った。フォームを崩して打撃不振にあえいでいたが、オープン戦最終戦で修整。韓国サムスン時代の監督・白仁天氏や松静夫人が見守る中、シーズンでの爆発に弾みをつけた。

バックスクリーンの右脇へ伸びる白い弾道。確信があった。12日の横浜戦(横浜)以来22打席ぶりとなる3号ソロ。上昇の足掛かりはつかんだ。「結果より内容ですから。特に感想はありません」。淡々と振り返ったが、結果が伴うに越したことはない。先頭で打席に入った2回に石堂の初球を叩いた。真ん中低めへ投じられた135キロの直球。十分引きつけると鋭い一振りで仕留めた。

不振にあえいだオープン戦。結果を求める意識が振りを大きくし、焦りから早まる始動が上体を突っ込ませた。すでに昨年のビデオを見直すことで修正点は把握していたが後押しもあった。来場した白氏から同じ指摘を受けた。投手として入団しながら左ひじを痛めた96年に打者転向を勧められた恩師。その助言に復調への確信を強めて放った一撃だ。「1番尊敬する師匠に素晴らしい姿を見せたかった」と振り返った弟子に師は「タイミングは体ではなく心で取るもの。本人は分かっていますよ」とうなずいた。

ネット裏では現役女子大生モデルの松静夫人も観戦。「初めての打席でホームランが出てすごく嬉しい」。15日の来日後は自宅マンションの整理などに追われ、この日がお忍びでの初観戦。調子が上がってこない李の姿に不安を抱えていたというが、復調を予感させる一撃に「いい形でシーズンに入って欲しいと思います」と笑顔を見せた。

オープン戦14試合の成績は45打数10安打で打率.222、3本塁打、7打点にとどまった。三振も16を数えたが、バレンタイン監督は「自信を持てばいい打者なんだ」と信頼は揺るがない。「ステップアップはしています。このまま少しずつ高めていきたい」と李。本領を発揮するのは開幕してからでも遅くはない。

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李3号[報知]

本拠地の声援に李承Yが初めて応えた。内角外寄り135キロの直球をギリギリまで呼び込み、最短距離を描くバットの軌道。すべてが完ぺきだった。2回無死、千葉マリン初アーチとなる6試合ぶりの先制右越え3号ソロで、自ら開幕へゴーサインを出した。

愛妻の前で、そして師匠の前で打った。この日、女子大生モデルの松静夫人が来日初観戦。また、前ロッテ・ジャイアンツ監督で、李が入団直後の古巣・サムスンでも指揮を執った白仁天氏も激励に訪れた。「初めて見た打席が本塁打で嬉しい」と夫人が笑顔を見せれば、日本で首位打者の経験がある恩師も「日本での活躍を期待していい」と納得の表情だった。

上半身が突っ込むクセも、修正した。「徐々にステップアップしている。奥さん?野球選手である以上、野球で自分の姿を見せることが重要だから…」とはにかんだ。アーチでオープン戦を締めくくった主砲に、バレンタイン監督も「開幕への準備はできた」とうなずいた。今は27日、西武・松坂との対決が待ち遠しい。

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