わたしはかもめ2004年鴎の便り(3月)

便

3月29日

大阪近鉄0−7千葉ロッテ(大阪ドーム)

ロッテは1回、李承Yの適時打で先制。3回には福浦の右越え本塁打などで3点を加えた。先発の渡辺俊は6回途中まで7奪三振で無失点。近鉄は2回から5回まで三塁に走者を置くが1本が出ず、6回以降も継投にかわされた。

123456789R
千葉ロッテ1030000037
大阪近鉄0000000000
渡辺俊
「もうあそこでいっぱいいっぱいでした。力んで思うようにいかないし、カウントも悪くなって球数も増えた。でも、やれることはやったと思います。抜いたボールが有効でしたね。浮き上がるスライダーです。ジャイロだと思っているようだけど…。このボールは、もっと早いカウントから投げていれば違ったかも。とにかく、内容はともかく、今日勝てたことが次につながれば。次は自分のピッチングをします。」
福浦
「(ホームランは)インコースのストレートを上手く振り抜くことができた。ちょっと擦った感じだったので、打った瞬間入ると思わなかった。走りながら『抜けてくれ』と思いましたよ。(猛打賞は)それはたまたま。いい状態になってきているので、このままいい調子を続けて、チームの流れを壊さないように、このまま勝ちたいと思います。」
フランコ
「状態は悪くなかったので心配はしていなかったよ。でも、1本出て良かったよ。でも、後がダメだった。」

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Major流0封[ニッカン]

ボビー式継投で、零封1番乗りだ。ロッテが5人でつなぐ完封リレーで、近鉄に初黒星をつけた。ボビー・バレンタイン監督は6回、そこまで7奪三振、無失点と好投していた先発渡辺俊が先頭打者を四球で出すと、スパッと交代。その後も小刻みに継投し、いてまえ打線を抑え込んだ。球数を考慮し、打者との相性を巧みに見極める起用がピタリはまり、7−0で快勝。2勝1敗と白星を先行させた。

◇信頼の表れ

バレンタイン監督の思い切った継投が、次々と決まった。始まりは、前日の日本ハム戦でサヨナラ打を放っていた4番中村から2三振を奪っていた先発のサブマリン渡辺俊を、5回0/3ですっぱりと交代させたところだった。「(先発の)渡辺俊はよく投げていたけど、球数が110球(正確には109球)だったし、制球も定まらなくなりかけてたから」。以後、川井、戸部、藤田、田中充とつなぎ、いてまえ打線の目先を変えて零封した。

長いシーズンをにらみ、先発投手は100球をめどにしている。好投していても、早いイニングでも方針を貫く姿勢を実践した格好だが、リリーフ陣への信頼の表れでもあった。「今日はシュートが良かった。右打者の内角をうまくえぐることができました」という戸部は8回、川井が出した死球の走者を一塁に置いて登板。中村、北川から連続三振を奪って好機の芽を摘んだ。結局、5投手で近鉄打線から11奪三振。安打はわずか5本に封じた。小刻みな継投は打者との相性を考慮し、四球を出した直後など傷口が広がる前に起用した結果でもあった。開幕前、左ひじの痛みを訴えていた藤田もワンポイントで起用し、打者1人をきちっと抑えた。「ブルペンは完璧な仕事をしてくれたよ」とバレンタイン監督は手放しで喜んだ。

◇相性も考慮

投手陣の好調さは、野手にも伝染する。4回の守りでは無死一、二塁から小坂が三遊間のゴロを好捕。一塁走者を二塁で封殺した。監督が「毎日ファインプレーをする小坂を、1日1錠という名のビタミン剤に例えて『ワン・ア・デイ』と呼ぼう」という好プレーも、投手陣の必死さが伝わった結果だった。エース清水直をはじめとする先発5本柱と、抑えの小林雅が注目されたが、中継ぎ陣も高いレベルにあることを証明。早くもロッテに死角がなくなってきた。

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李また決勝打

開幕戦に続き、韓国の「56本男」李が決勝打を放った。28飛の西武戦で守備の際に腰を痛めたが「4番指名打者」でスタメン出場。初回、左前に先制適時打を放った。「得点圏に走者がいたので、タイムリーだけを狙っていました。シュートをうまく打てました」。バレンタイン監督も「彼が大丈夫だというから出場させた。日に日に打席で落ち着いてきているね」と評価した。

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代打初芝2点打

昨年は代打として史上初の7打席連続安打を記録した初芝が、9回表に代打で登場。1死満塁から中前2点適時打を放った。「何を打ったか分からない。子供の誕生日だったんで、打ちたかった」と、勝負強さを見せつけたベテランは、笑顔を見せた。

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李V打、腰痛大丈夫[報知]

◇開幕戦松坂撃ちに続きまた初回また先制

李承Yが、笑顔でナインとハイタッチを交わす。わずか3試合目で見せた4番打者としての貫録。来日して2ヶ月で、早くもチームに溶け込んでいた。西武・松坂を打ち崩した開幕戦に続き、この日も初回に先制V打。アジアの大砲を軸とした“強いロッテ”が、2連勝していた近鉄の勢いを止めた。

1回2死二塁、山村の甘く入ったシュートに逆らわなかった。鋭い打球が打球が左前に弾んだ。「得点圏に走者がいたので、タイムリーだけを考えていたよ」。28日の西武戦の守備で腰の右側を痛めていたが、バレンタイン監督に直訴しての出場。周囲の不安を、バットで一掃した。

チームに「スンヨプ効果」が波及している。初回タイムリーの後は、近鉄投手陣が警戒。李と勝負を避けて3四球と歩かせると、3回に福浦の2ランとフランコの適時打で3点追加。9回にも、四球の李を挟んで代打・初芝がダメ押しの2点適時打。後続の選手たちが、のびのびと打てるようになった。

帽子のひさしの裏には、韓国語で「殺せ」の文字が書かれている。本塁打は出なくとも「チームのために自分を殺す」という意味だ。バレンタイン監督も「最初の打席で大きなヒットを打ってくれた」と、アジアの大砲のチームバッティングを絶賛した。「大きなことは口にせず、チームのためにベストを尽くす」と言い切る4番が、強いロッテに変えた。

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