ロッテがサヨナラ勝ちで、今季の本拠地での開幕戦を初勝利で飾った。ロッテは2点を追う2回、フランコ、里崎の連続適時打などで計4点を上げ逆転。9回表、守護神の小林雅が城島に本塁打を打たれ同点とされるが、その裏、2死満塁から波留が押し出し四球を選びサヨナラ勝ち。貯金を2とした。ダイエーの連勝は3でストップした。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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福岡ダイエー | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 |
千葉ロッテ | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1x | 5x |
地元ファンの声援を、力にした。ロッテが本拠地開幕戦となったダイエー戦で、サヨナラ勝ちした。1点リードで迎えた9回表に、守護神小林雅が城島にまさかの1発を浴び、追いつかれた。しかしその裏、2死満塁と攻め、波留が歓喜の押し出し四球を選んだ。札幌ドームでは、北海道移転初戦の日本ハムが西武松坂を打ち崩し5−1と快勝した。
試合後のお立ち台へ、小走りで向かったのは、何と「背番号2」だった。バレンタイン監督自身も「初めてです」という異例の監督ヒーローインタビュー。「今年から未来が始まりますが、今年の終わりにとても明るいものを見せられれば最高です!」と言うと、右翼席へダッシュ。99年以来の本拠地開幕戦勝利を歓喜の万歳で祝った。
右翼席ばかりか、左翼席まで広がったファンの声援が劇的な幕切れを引き寄せた。1点リードの9回表、小林雅が城島にまさかの1発を浴び、追いつかれた。しかし、その裏、先頭の渡辺正が中前打ですかさず出塁。これをきっかけにダイエー投手陣にプレッシャーをかけ、2死満塁から波留が落ち着いてサヨナラの押し出し四球を選んだ。「(応援は)大きいですよ。勇気を与えられますし」と波留。相手投手に重圧をかけ続けたファンがもたらした1勝といってよかった。
この日、バレンタイン監督は試合前にもかかわらず、球場近くのビルでトークショーに臨んだ。開始直前のセレモニーでは、選手全員で「今日から、みんなと一緒に、未来を作ろう!」という横断幕を掲げた。観衆と一緒に戦う意思表示だった。
バレンタイン監督は前回95年の最終戦(9月28日、西武戦)後、続投を願うファンの慰留にあった。広岡GMとの確執で失意のどん底にいた同監督にとって、何にも替え難いものだった。「あれには感動しました。だから戻ってきたんです」。今年は一塁ベンチが見える三塁側席に「ボビー・シート」を設置。続投署名を行ったファンを招待するなど、観客を大切にする姿勢を明確に打ち出している。
ファンも、右翼席に「Bobby 2」の人文字を浮かび上がらせた。韓国から観戦に来た人々は、李の顔が描かれた巨大な旗で必死に応援した。今、千葉マリンはスタンドとグラウンドが一体となっている。バレンタイン監督は試合後、興奮しながら「スタンドの笑顔を見るのは素晴らしかった。ただ今日の1勝より、シーズン最後に勝っていたい」と話した。この勝利でダイエー、近鉄と並び首位。ファンとともに頂点を目指す戦いは、好スタートを切った。
父春光さんと松静夫人が見守った李は、逆転の口火を切る安打を放った。2点を追う2回、李の右前打から4点を奪って逆転した。試合前には尊敬するダイエー王監督から「プレッシャーを感じずに頑張れ」という助言をもらったが、試合後は「もっと打ちたかったです」と、悔しそうだった。
清水直が8回3失点と好投した。「先発が試合をつくれば機能しますから」と納得の表情。監督のインタビューを1人ベンチから見守り「いい試合をできているなと。それをファンの人が残って見てくれているというのが分かりました」と、笑顔だった。
前代未聞のヒーローインタビュー。お立ち台には中継局の意向で選ばれたバレンタイン監督がいた。サヨナラ押し出しという予想外の結末を「選手の勝ちたいという気持ちが出た」と分析。最後は右翼席までウイニングランして「この年では距離が長いよ」と茶目っ気たっぷりに笑った。「バレンタイン劇場」の幕開けは9回だ。守護神・小林雅が城島にまさかの同点ソロ。場内はため息に包まれたが、結果的には劇的勝利のお膳立てだった。渡辺正の中前打を足場に2死満塁とし、最後は波留がフルカウントからボールを選んだ。打率.105の殊勲者は「必死にやっただけ」と苦笑いしたが、「目に燃えるものを見た」という指揮官の判断が最後で生きていた。
本拠地開幕のセレモニーでは自らの発案で選手とともに「今日から、みんなと一緒に、未来を作ろう!」と横断幕を掲げた。守備位置へつく際はマイク片手に選手名をコール。「ファンのためプレーしている。そのことを形に表したくて」。その思いがダイエー、近鉄と同率首位という成績に反映されている。「1つずつ勝って最後に優勝できれば最高!」。際限のないファンサービス。今年のロッテは熱く、そして楽しい。
ヒーローインタビューにスタンドがわいた。9回2死満塁から、押し出し四球でサヨナラ勝ち。本拠地開幕戦勝利を祝う歓声の中、お立ち台に上がったのは、何とバレンタイン監督だった。
「行けといわれたからチームを代表して上がっただけさ」。照れた指揮官だが、監督のお立ち台は極めて異例。しかし、それに相応しいこの日の“活躍”だった。昼に球場近くでトークショーに参加すると、試合前には『今日から、みんなと一緒に未来を作ろう!』というフラッグを掲げ、選手全員とスタンドに挨拶。さらに選手紹介では自らマイクを握った。その全てが、「ファンのため」という指揮官の発案だ。
監督にとって千葉での勝利は、平成7年9月26日以来。「次は9年も間をあけないよ。明日も試合があるんだから」。ボビーが、8年連続Bクラスが続くチームを明るく確実に変えつつある。
李承Yは4打数1安打。観戦に訪れた父・春光さんや夫人の松靜さんに、本塁打を見せることはできなかった。「非常に残念です。明日からもっといいバッティングを見せたい」と巻き返しを誓っていた。
沸き返る満員の右翼席に、バレンタイン監督がお立ち台から手を振って応えると、球場のボルテージは最高潮に達した。「チーム全員の力が結集した。もちろん、“26人目のベンチ入りメンバー”であるファンとつかんだ勝利だ」。1999年以来5年ぶりの本拠地開幕戦の勝利は、文字通り一丸となったサヨナラ劇だ。
大歓声が押し出しを呼んだ。9回2死満塁、フルカウント。ダイエー・倉野のスライダーが外角に外れた。4試合無安打だった波留がサヨナラ四球を選んだ。同点の2回2死一塁では、5試合で1安打だった小坂が勝ち越し二塁打。「ヒーローが日替わり。これが私の理想だ」絶対的な守護神・小林雅が9回に同点弾を浴びても、それを覆す力が今のロッテにある。
試合前のセレモニーで、整列したナインが「今日からみんなと一緒に未来を作ろう!」という横断幕を掲げた。この日の昼には、監督が千葉・幕張で異例のトークショーを実施。「ファンのために試合をする。シーズン後には、明るい未来を見せられるはずだ」。
ナインも昨季9勝19敗と大きく負け越したダイエーをたたいて同率首位とし、指揮官の熱意に呼応した。バレンタインによって、ロッテは確かに生まれ変わっている。
李承Yが父に、妻に雄姿を見せた。この日、父・春光さんと美人妻の松静夫人が初観戦。2回の第1打席に詰まりながらも右前に運び、一時逆転となる起点をつくった。だが、試合前には笑顔を見せた李も「1安打じゃ納得できない。非常に残念だ。もう1本打っていれば…。明日は自分のスイングを見せたい」と不満顔。3日に先発するダイエーのエース・斉藤打ちを誓っていた。
千葉マリンスタジアムがサヨナラの熱狂に包まれた。本拠地最初のお立ち台に立ったのは何と、バレンタイン監督だった。選手たちの総意で送り出された同監督は興奮気味に「まさにチーム・エフォート(全員の勝利)だ」。理想の形が早くも見え始めた。
9回、小林雅が城島にまさかの同点弾を許す。昨年までなら…、の展開。だが、今年は違う。その裏、守備固めで出場した渡辺正が中前打できっかけをつくった。そして2死満塁から、波留が打席に向かう。同監督は「目で合図して、信頼を伝えた」。昨年は不振に苦しんだベテランが、信頼に応え、冷静に押し出し四球を選んだ。
ボビーの9年ぶりの本拠地勝利は、今季の手応えをさらに強く確信させた。「“ニューイヤー、ニューチーム”を確信したよ」。そして、決めの一言だった。「次の勝利まではそんなに時間をかけたくない。明日勝ちたいね」。