オリックスが12安打6得点を挙げ勝利し、93年以来のロッテ戦8連勝を飾った。オリックスは1回、ブラウンの適時打に相手エラーを絡めて、日高の適時二塁打などで5点を挙げ先制。その後2点差まで迫られるが、8回に代打前田の適時打で1点を追加し、8回途中から登板した5人目の山口が締めて逃げ切った。ロッテは先発のミンチーが立ち上がりに5点を失ったのが誤算で、今季2度目の4連敗。借金は今季最多タイの5となり、単独最下位に転落した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 3 |
オリックス | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | x | 6 |
こう不可解なことばかりが度重なっては「伊原の呪い」を本気で疑いたくなる。ロッテがオリックスに今季8連敗だ。「エラーがあったとはいえ、初回に5点は痛かったよ」とバレンタイン監督。1回に、4安打と名手小坂の失策で先発ミンチーが5失点。打線も3点を返すのがやっとで、今季最多タイの借金5に逆戻り。親心なのか、努めて温和な口調で敗因を振り返るバレンタイン監督だが、「こどもの日」8連敗のオチまでついてしまった。オリックス戦ではこれまでもアクシデントが続出している。
大リーグでも「呪い」はファンの話題となる。レッドソックスが、ベーブ・ルースをヤンキースに放出したため、18年以来世界一になっていないのは「バンビーノの呪い」。カブスが08年以来優勝していないのも、ヤギを連れた観客の入場を拒んだせいといわれている。
3月16日のオープン戦でバレンタイン監督が、伊原監督と舌戦を繰り広げて以来、オリックスには勝てない。「チームは何も変える必要がない」とバレンタイン監督は強気だが、しつこい「伊原の呪い」を解くのは、いつの日になるのだろうか。
ロッテは終盤の反撃も及ばず開幕からオリックスに8連敗。初回に4安打5失点と乱れたミンチーは「申し訳ない」とうなだれた。遊撃・小坂の適時失策で傷口を広げたが、バレンタイン監督は「失策があっても止められるはずの投手。初回の5失点は大きかった」。ダイエーに5連勝しながら昨年の最下位チームに勝てない。勝率5割目前から4連敗で今季最多タイの借金5。それでも指揮官は「いずれ5割へ届くように戦う。何かを変える必要があるとは思わない」と強気だった。
名手・小坂に失策が飛び出すなど、1回にいきなり5失点。オリックス戦8連敗となったバレンタイン監督は「(ミンチーは)エラーが出ても踏ん張ってくれる投手なんだけどね。初回に5点は大きいよ」と嘆き節。借金も今季最多タイの5。「なかなか(勝率)5割が遠いね。でも、いずれはそこに届くように頑張っていきます」と足早にバスに乗り込んだ。
敵将が青鬼に映った。ロッテが伊原オリックスに開幕8連敗。同一カードの開幕8戦未勝利は、1982年の対近鉄(0勝5敗3分け)以来、22年ぶりの屈辱だった。“伊原アレルギー”を象徴するかのような初回の攻防だった。1死一塁から福浦の中飛に、一塁走者・フランコが飛び出して併殺。バレンタイン監督が「悪いプレー」と嘆いた走塁ミスが、その裏の悲劇を招いた。1死一、二塁からの遊ゴロが二塁走者と重なり、名手・小坂が失策。悪い流れを断ち切れず、この回5点を献上してしまった。
3月16日のオープン戦(千葉マリン)では、「失せろ!」(バレンタイン監督)、「どアホ!」(伊原監督)の“場外戦”を繰り広げた両指揮官。「相性」という概念を否定するバレンタイン監督は「今、何かを変える必要はないと思う」と声を絞り出すのが精いっぱいだった。
昨季のオリックス戦は21勝6敗1分けとお得意様だったが、一方で、伊原監督率いる西武には8連敗を喫した。怒涛のごとく押し寄せる青波に、打つ手はないのか。試合後の通路に、ボビーの深いため息が響いた。
ロッテが開幕からオリックスに屈辱の8連敗を喫した。ミンチーが立ち上がりの乱調で5失点し、反撃も届かなかった。バレンタイン監督は、敵将が開幕前にののしり合った因縁の伊原監督だけに「1回の5失点が痛かった」と嘆くしかなかった。4番ベニーも特大の1発を放ったが、左太ももの張りで交代するなど、投打にリズムが悪い。バレンタイン監督は「今何かを変える必要はない」と静かに話し、重い足取りで引き揚げた。