近鉄は4回、3回まで完璧に抑えられていたロッテ先発清水から1死一、三塁とすると、中村が3ランを放ち先制した。近鉄は5人の継投で1失点に抑え逃げ切った。ロッテは11安打を放つなど2度の満塁のチャンスを作るがあと1本が出ず、今季2度目の5連敗で借金は今季最多の6となった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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大阪近鉄 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
打てない。ロッテの「56本男」李が、ことごとくブレーキだ。3点を追う6回裏。2死満塁で中飛に倒れると、千葉マリンに溜息が漏れる。8回裏無死一塁でも、二ゴロでバットを折られる屈辱。主砲の不調に引きずられ、チームは両リーグ通じて20敗1番乗り。連敗も5に伸び、ベンチ裏にはバレンタイン監督の言葉にならない怒声だけが響いた。
李は4月23日のオリックス戦で右ひじ上部に死球を受け調子が急下降。ここ5試合では、18打数2安打、打率1割1分1厘とまったく振れていない。痛みを我慢して出場するうちに左ひじに違和感をかかえ、さらには腰にも疲労がたまっている状態だ。春季キャンプから「李は主軸で使い続ける」と明言してきた監督も冴えない表情。「彼が打つ所が打線の核だから」と、打順変更については微妙な言い回しに終始した。
コンディションとは別に、李は明らかに日本人投手の攻めに戸惑っている。4月27日からの福岡遠征では「タイミングの取り方を迷ってるんです」と、佐野1、2軍巡回コーチに悩みを打ち明けた。「基本的に直球待ち。そこから変化球に対応するんだ」と、打席での心構えを説明するフランコはリーグ5位の打率3割4分5厘。真っすぐを狙うと同時に、課題のフォークも打とうと意識し過ぎてしまう李とは対照的だ。
ロッテの借金は今季最多の6となった。試合後、無言で引き揚げた李が復活しないようでは、今後の戦いも苦しいものとなる。
ロッテ5連敗 | 李の成績 | ||||
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1日 | マリン | ●5−9西 | .259(27位) | 打4安1点3 | 右本 四球 三邪 三邪 三振 |
2日 | マリン | ●3−5西 | .252(29位) | 打3安0点1 | 中飛 右飛 四球 三邪 |
3日 | ヤフー | ●4−5オ | .243(32位) | 打4安0点0 | 三振 三振 四球 三振 右飛 |
5日 | ヤフー | ●3−6オ | .246(33位) | 打3安1点0 | 左安 一ゴ 三振 四球 |
7日 | マリン | ●1−3近 | .238(35位) | 打4安0点0 | 左飛 三ゴ 中飛 二ゴ |
李は5月5試合18打数2安打4打点.111
エース清水直が1球に泣いた。4回1死一、三塁から、近鉄中村に3ランを被弾。捕手清水将の構えは外角低めだったが、打たれたのは真ん中高めの144キロだった。試合後は「あの1球が全てです。最初のピンチで踏ん張ることができずに、先に点を与えてしまった」と失投を悔やんでいた。
監督にちなんだ「バレンタイン弁当」が14日から千葉マリンで発売される。ココア風味のハート形ピラフ周りには、李の故郷韓国のナムルや、清水直の故郷京都の湯葉巻きすり身蒸しなどが並んだ。これまで選手弁当で取り上げられた黒木、小坂らが、ことごとくケガをしたジンクスがあるが、この日の試合前に試食したバレンタイン監督は「そんな話はばかばかしい。この弁当は私達が勝つために作ってもらったんだから」と一笑に付していた。
最下位ロッテにとんだ“内紛”が勃発だ。ロッテは7日、先週夕刊フジが報じた「バレンタイン弁当」を正式発表。数々の呪いで話題のキャラクター弁当を再開した。ところが、地元千葉市も「千葉マリンスタジアム弁当」という競合商品を発売。本拠地球場を舞台に、店子と大家が“弁当戦争”を展開するという前代未聞の事態となった。
この日発表された「バレンタイン弁当」はバレンタインチョコをイメージしたハート型の容器に主力選手(ミンチー、黒木、清水直、小林雅、小坂、福浦、李)の出身地に合わせた食材を盛り込んだ豪華版。14日から発売され、初日はバレンタイン監督が握手会のキャンペーンも開く。
ロッテ伝統のキャラクター弁当には「弁当が出た選手は、必ず故障か退団に追い込まれる」というジンクスがある。その意味では、今回盛り込まれた選手は質も量もハンパではない。揃って離脱されたら、試合にならなくなってしまう。
そのせいか、笑顔で試食会見に臨んだバレンタイン監督も、「弁当の呪いは知っていますか」との質問に表情一変。「私が今まで受けてきた質問の中で、1番バカげた質問だ!」と露骨に不快感を示した。しかし、それ以上にピリピリムードなのが、球団と千葉市の関係。弁当の売り場となる球場で、1足先に千葉市の第三セクターである球場側が「千葉マリンスタジム弁当」を発売したのだ。
マリンスタジアムを模した容器に、千葉の特産品を盛り込んだ一品。球団のアイデアを盗用したもの、とも言えなくもない。ちなみに、「バレンタイン弁当」と同じ業者が製造元だ。「球場もキャラクター弁当を出すとは全く知りませんでした」と戸惑う球団側に対し、千葉市の認識は「ロッテさんは球場の借り手の1つですから」と、気にもしていない。営業戦争の意識もなさそうだ。球団から売り上げ30%が納入されるだけでは満足せず、独自で弁当を販売しようとしただけのようだ。
しかしながら、肝心の本業の方はお寒い限りだ。7日の5位・近鉄との直接対決に1−3で敗れ5連敗。借金は10連敗中にもなかった「6」まで膨らんだ。弁当内戦をヨソに、パ・リーグの戦争からは徐々に置き去られつつある。
ロッテは11安打を放ちながら11残塁の拙攻で5連敗。今季最多の借金6となった。「チャンスでふらふらと野手の間に落ちる安打でも出れば勢いも出るけどね」とバレンタイン監督。6回2死満塁で李承Yが中飛に倒れ、7回2死満塁では福浦が見逃し三振と主軸で逸機した。試合後、指揮官を激励した重光オーナー代行は「観戦すれば6戦全勝ぐらいだったんですが…。今は我慢の時」と強調した。
ボビーの行く手はトンネルだらけだ。ついに5連敗で借金は今季最多の6に膨らんだ。悪夢の10連敗から半月も経たないうちに、再び暗い道に迷い込んでしまった。「あの1発が全てです」。清水直が悔やむのは4回1死一、三塁から、中村に3ランを浴びた144キロ直球。バックスクリーン左に運ばれ先制点を与えてしまった。しかし、それ以外はほぼ完璧な内容。7回1/3で許した安打はわずか5本だっただけに、まさに1球に泣いた格好だ。
一方、打線は近鉄の倍以上の11安打を放ちながら全て単打。2度の満塁の好機も得点には結びつかず、フランコの内野安打で1点をあげるのがやっと。連敗の焦りからか、チグハグな拙攻を繰り返した。「これから必ずいいことも起きる。気を落とすな」。試合後、選手に声を掛けたバレンタイン監督。トンネルを抜けるのは、いつになるのか。まだ先は見えない。
エースが1球に泣いた。清水直が4回、中村に浴びた3ランは、高めに浮いた明らかな失投。7回1/3を3失点も、さすがに「あの1発が全て。最初のピンチを踏ん張れなかったのが痛かった」とうなだれた。これで5連敗となり、借金は今季最多の6。バレンタイン監督は「清水直は好投した。いいこともあるはずだから気を落とすな」と声をかけたが、表情は硬かった。
ロッテは6、7回と2度の満塁の好機をつくりながら、反撃はわずか1点に終わった。イライラする展開で5連敗を喫したバレンタイン監督は、毒づきながらダッグアウトを後にした。「フラフラと落ちるヒットでも出れば、勢いに乗るのだけど…」。とにかくきっかけが欲しくてたまらない。それでも、連敗中18打数1安打の李に話が及ぶと「彼は打線の軸となることは変わらない」と、方針に変化がないことを強調した。