1軍復帰を目指す李承Y内野手が「ナイスガイ」を返上する。16日、ロッテ浦和球場でもイースタン西武戦は雨のため中止。李はフリー打撃、ノック、ランニングと汗を流した。目標である最短21日の再登録を目指し、黙々とメニューをこなした。
そんな韓国の「国民的打者」は、好青年ぶりで有名だ。笑顔でインタビューに答え、挨拶も丁寧。だが先月23日、オリックスのムーアから受けた死球について記者から質問を受けると表情が一変した。「あれは本当に痛かった。数センチ間違えていたら骨が折れていたかもしれない」。調子を落とす原因となった1球を思い出し、表情を曇らせた。
李はこれまで日本人投手から研究され、徹底した内角攻めを受けてきた。だが危険な死球は野球生命を縮めかねない。「初年度ということもあって耐えてきた部分もある。でも危険な内角攻めが続くようなら、これからはマウンドに向っていく。退場も覚悟している」と、乱闘も辞さない決意で脱優等生を宣言した。
18日には千葉マリンでイースタン湘南戦が行われる。ナイターの日本ハム戦を控えたバレンタイン監督も観戦する。李は15日のイースタン西武戦で本塁打を放つなど上り調子だ。1軍昇格については、19日に先発するミンチーの結果なども関係してくる。だが闘志溢れる姿を指揮官にアピールすれば、最短21日再登録のチャンスはある。
ダイエー戦が雨天中止となったこの日、即席サイン会が行われた。監督失の窓を開放。バレンタイン監督と清水直、黒木、小坂ら9選手が、約80分間、1000人以上のファンにサインした。「ファンもお目当ての選手のサインをもらって嬉しそうで良かったよ」と同監督。グラウンドでは諸積がヘッドスライディングを敢行するなど、ファンサービスに徹していた。
ロッテが今度はお詫びの臨時サイン会だ。0−21で惨敗した15日のダイエー戦(千葉マリン)後にナインとともにファンへ謝罪したバレンタイン監督が、この日は色紙にペンを走らせた。
午前11時20分にダイエー戦の雨天中止が決まると、千葉マリン球場外側に面した監督室の窓を開放。黒木や小坂ら9選手と80分間にわたり1000人を超えるファンに異例の大サービス。「こうするのはアメリカでも一般的ではないけど、喜んでもらえるから」と指揮官は話し、6連敗で借金11の泥沼にあえぐ中、雨の日曜日に足を運んでくれたファンへ感謝の気持ちを示した。
中止決定後のグラウンドでは、諸積がビニールシートへヘッドスライディングのパフォーマンス。「お客さんも待っていたので血が騒ぎました」。思いはナインにも伝わっている。「昨日を振り返るのではなく、明日に集中したい」とバレンタイン監督。次は白星で応えるつもりだ。
コレガ、セメテモノ“キモチ”デス。ボビー・バレンタイン監督が、千葉マリンでのダイエー戦が中止となった16日、雨の中球場に足を運んでくれたファン1000人に対し、選手を伴って即席サイン会を行った。5月は1勝11敗と成績不振が続く中、前日のスタンドへの謝罪に続き、期待に応えられない現状のふがいなさにざんげのサイン会だ。
何やっているの?雨天中止に、トボトボと帰りかけたファンが目を丸くした。バレンタイン監督をはじめ、黒木や清水直らナインが、球場の外でサインに応じていた。「サインがもらえて喜んでいると思うよ」とは発案者のバレンタイン監督。監督室の窓を開けてサインに応じるのは初めてのことではないが、選手が参加するのは異例。あっという間に行列ができ、1000人をこすファンが殺到。即席サイン会は1時間半も続いた。
5月に入ってわずか1勝。ただいま6連敗中と低迷。前日の謝罪に続き、ファンへせめてもの罪滅ぼしだ。もちろん、頭を下げて、ファンサービスをすれば済むとは思っていない。先月、悪夢の10連敗を止めた“連敗ストッパー”渡辺俊を、17日にスライド。2戦目に防御率リーグ3位の小林宏を立て必勝を期す。また、2軍では左ひざ痛の里崎が実戦復帰。調整中の李承Yにも1発が生まれるなど明るい材料もある。「ファンにもっと喜んでもらわないといけない」と指揮官。ペンではない。今度はバットとボールで喜びを与える。
15日のダイエー8回戦(千葉マリン)で0−21の屈辱的大敗を喫した試合後、監督、コーチ、選手がグラウンドに飛び出し、帽子を取ってスタンドに詫びた。バレンタイン監督は「ここまでの不甲斐ない成績について謝りたかった」と唇をかみ締めて説明した。
雨天中止となり、先発予定だった渡辺俊は17日の日本ハム戦(千葉マリン)にスライド登板。「すぐ投げられるんで、よかったです」と準備万端だ。「(社会人時代の)都市対抗のトーナメントのような気持ちで投げます。どんな形でも勝ちたい」。球界随一のサブマリンがチームを浮上させられるか。
黒木らナインと監督室でのサイン会を実施したバレンタイン監督 恵みの雨が“ファン謝罪デー”になった。バレンタイン監督が、ダイエー戦が雨天中止になった16日、ナインとともに、千葉マリンで約1000人のファンに即席サイン会を行った。
中止発表を受け、指揮官は黒木、ミンチー、渡辺俊の各投手、小坂、堀の両内野手ら9選手を次々と監督室に呼んだ。説教ではなく、球場外に面している窓を開け、ファンを呼び寄せてサインした。試合前のボビー流のサービスだが、選手と並んでは初めてだ。
15日のダイエー戦で球団ワーストの21失点の完封負け。試合後、グラウンドで異例の謝罪をしたが、罪ほろぼしは2日間続いた。「まず、本拠地のファンに喜んでいただかなければ。フィールド外でやらなければいけないことだ。ファンの皆さんは、我々がどれだけのことをしなければいけないか、理解してくれている」。1時間20分に及ぶサインを終えた後、宮田隆編成部長代行と会談したが、補強問題よりもファンサービスがメーンだった。その際、監督室の場所を外部に示すのは警備上、問題があると指摘されたが「ナンセンスだ。(暴動が起きても)オレは逃げられるから大丈夫」と話した。17日から本拠地・千葉マリンで日本ハム3連戦。警備を心配されないように連敗を止めたい。
ロッテは5月に入り1勝12敗、目下6連敗中と低迷しているが、瀬戸山球団代表は「もちろん日ごろから情報は集めているが、今の戦力で最後まで戦うのが理想」と現時点での緊急補強を否定した。バレンタイン監督も「(トレード、助っ人獲得など)全ての可能性を見ているが、今のチームをより良くしてくれる外国人がいるとは聞いていない」と、現有戦力で立て直しを図る。