わたしはかもめ2004年鴎の便り(6月)

便

6月13日

西武8−4千葉ロッテ(西武ドーム)

西武が今季20回目の逆転勝利を飾り、貯金を今季最多タイの14とした。西武は1点を追う4回、G・G佐藤のプロ入り初本塁打となる1号ソロで同点に追いつくと、6回にも再びG・G佐藤が犠飛を放ち勝ち越しに成功した。さらに、7回と8回にも得点を重ね、ロッテとの点差を広げた。先発の張はホームで今季負け無しの4連勝を収めた。西武は今季30回目の2ケタ安打を記録した。ロッテはベニーの2試合連続となる15号2ランと福浦の8号2ランの2本の本塁打で4点を取ったが、中継ぎが打ち込まれ今季15回目の逆転負けを喫した。

123456789R
千葉ロッテ2000000204
西武10010132x8
高木
「今日はブルペンから調子は良くなかったですね。でも、何とかゲームの中で修正していけました。真っ直ぐがまあ良かったのですが、インコースがちょっと甘くなってしまいましたね。ゲームは作れたけれど、チームが勝っていればねえ。自分が納得できても、チームが負けては…。」

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ロッテ、今江らを1軍昇格へ[ニッカン]

中盤までは互角も、終盤に痛いミスが出た。2−3の7回に捕手橋本の三塁悪送球や、中継ぎ薮田の暴投などで3失点。ベニー、福浦の2ラン2発だけでは及ばなかった。6月に入りまだ3敗目だが、西村ヘッドコーチは「今江は2軍で成績も挙げてるし、監督も現場で見てみたいんじゃないかな」と徐々に若手を起用していく方向性を示唆。今春の1軍キャンプ参加のホープ今江、西岡が14日にも1軍合流する可能性が出てきた。

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高木、流れつくれず負け投手[サンスポ]

3度目の先発となったベテラン左腕の高木は、5回0/3を5安打3失点で黒星。1回に2点の援護を受けながら、すぐに犠飛で1点を許した。「せっかく取ってもらったのに、流れをつくれなかった」。4回には新人のG・G・佐藤に同点弾を浴び「失投です。調子はよくないながらも、修正できていたのだけれど…」と反省していた。

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ベニー2ラン空砲[スポニチ]

ロッテは、初回にベニーの右越え15号2ランで先制しながら投手陣が踏ん張れずに逆転負け。7回には失策、暴投とミスも連発する内容にバレンタイン監督は「それほど大きなミスをした訳じゃない」と口で言いながらも表情は不機嫌そのもの。先発して5回0/3を3失点の高木は「ブルペンから調子はよくなかった。本塁打は失投です」とうなだれた。

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チーム改革断行[報知]

バレンタイン監督がチーム改革を断行する。中盤に攻めきれない不完全燃焼の内容に「ゲームプラン通りにはいかなかった」と不満顔の指揮官は、15日の日本ハム戦に1巡目ルーキー・内を先発登板させることに決めた。内はイースタン・リーグで新人ながら目下9セーブを挙げ“セーブ王”。また、20歳の今江、19歳の西岡の両内野手も14日から1軍に合流。ベテランと若手を競わせる方針だ。

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近鉄身売り合併[報知]

◇オリックスに吸収

球界再編、1リーグ制へ。近鉄の親会社、近畿日本鉄道・山口昌紀社長と、小林哲也球団社長が13日、大阪・天王寺区のホテルで緊急会見を開き、オリックスとの合併交渉を進めていることを発表した。パ・リーグが1球団削減されることにより、1リーグ制を含めた球界再編の動きが加速。今後は、身売りの噂が絶えないダイエーの合併問題がクローズアップされることになりそうだ。

年間40億円の赤字を背負い込み、身動きの取れなくなった近鉄の最終手段は、球団合併だった。この日午後、大阪市内での緊急会見に、本社の山口社長と、小林球団社長が出席。山口社長が、球界再編を告げる衝撃発表をした。

「最初は(オリックス・オーナーの)宮内さんから話をいただいた。『一緒にやろう』と話を進めることに合意しました。球場など、その他は全てこれからです」。同社長は5月上旬にオリックス・宮内義彦オーナーと会談し、合併に基本的に合意。来季からの新球団誕生へ、今後細部を詰める方針だ。

1月に球団の命名権売却案を表明した際は、事前に知らされていなかった他球団の猛反発を受け、わずか5日で白紙撤回した。だが、今回は違った。今月8日、パ・リーグの小池唯夫会長が大阪ドームを訪れた際、近鉄側から交渉の事実を伝えられていた。小池会長は「(根来)コミッショナーも、今回の件は承知している」と話しており、既に“根回し”は済んでいる。

近鉄本社は1兆5000億円を超す有利子負債を抱え、数々の事業でリストラを断行した。それとは対照的に、球団は選手の年俸高騰、大阪ドームの年間10億円の使用料などの支出で、赤字は年間40億円まで膨らんでしまった。赤字続きの球団保有に消極的な山口社長は「公益事業に携わる身として、回収の見込みがない経営資源を野球に投入するのは会社の性格上、無理だと思う」と発言。たとえオリックスとの合併が実現しても、電鉄本社の経営改善を最優先するため、野球経営から手を引くことになりそうで、事実上の譲渡と言える。

この日の発表により、パ・リーグは17日に臨時の理事会を開くことを決定。21日の実行委員会、7月7日に行われる最終決定機関のオーナー会議で、諮られる。合併が成立すると、パは5球団となり、1リーグ制への動きに弾みがつく。

球界関係者の間では「次の合併はダイエーとロッテ」と半ば公然と囁かれている。ダイエーの中内正オーナーは「球界再編もからむ重要な話なので、軽はずみな発言はできない」とコメントし、報道陣を避けるように球場を後にしたが、球団関係者からは「(ダイエー本社の主力行の)UFJ銀行のからみもあり、近い将来手放さざるを得ない」と認める発言をしている。70周年を迎えた球界が大きく変わろうとしている。

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合併で近鉄が事実上の“消滅”、球界は1リーグ制へ加速[サンスポ]

球界、激震。近鉄の山口昌紀本社社長は13日、大阪市内で記者会見し、近鉄とオリックスを合併させることで基本合意したと発表した。同社長は「回収の見込みのない経営資源投入は無理」と経営難が理由であると説明。オリックス側が合併の主導権を握る見通しで、今後はオーナー会議などで他球団の了承を得ることになるが、5球団での変則的なリーグ存続、さらには球界再編などに向けて、事態は依然として予断を許さない情勢だ。

ナニワの老舗球団・近鉄が“消滅”という最大の危機を立たされた。この日午後、大阪市内のホテルで近鉄の山口昌紀本社社長は、小林哲也球団社長とともに緊急会見に臨んだ。約200人に及ぶ報道陣に明かされたのはオリックス側とのトップ会談で、両球団が合併する方向ですでに話し合いが進んでいるという衝撃事実だった。

山口電鉄本社社長
「ご承知の通りの赤字が続いており、鉄道事業という公益事業に携わる以上、回収の見込みのない経費資金を野球に続けて投入していくのは無理だと考えてきた。」

会見によるとオリックスの宮内オーナーから話を持ちかけられたのは4月後半。5月の連休明けにトップ会談が実現、両球団の合併案は具体化に拍車がかかった。近鉄球団が本拠地を藤井寺球場から大阪ドームに移した2年目(平成10年)以降、深刻な赤字に悩まされてきた。一方で近鉄本社もバブル期に盛んだった不動産部門の業績悪化で損失が拡大。近鉄劇場など不採算部門の撤退で今年3月期には5年ぶりの黒字に転じたものの、年間約40億の赤字が明るみになった球団はグループ内では最大のお荷物となっていた。今年1月には年間約35億円で球団名を売却する命名権(ネーミングライツ)ビジネス案も表面化するなど、財政負担を少しでも減らすため、あらゆる手法を検討している最中だった。

また、2年連続の最下位に低迷したオリックスも昨年の観客動員は127万5000人、前年比15.9%増ながら「有料入場者は3分の1もいない」(球団関係者)との生々しい証言も。経営そのものにも好転の兆しはなく、現状打開を探っていた両者の思惑が一致した格好となった。

状況的には今後オリックスの宮内オーナーの主導で、合併に向けた調整に入るが、7月7日のオーナー会議での承認を含めて、今後も問題は山積している。選手や球団スタッフの処遇。本拠地の問題。今季から導入されたプレーオフの意義も損なわれかねない。

もしオーナー会議で承認が得られず、差し戻しとなった場合も、もはや近鉄に球団経営をゼロからやり直す余力は残っていない。もはや“ギブアップ”状態。球界としても、今回の異常事態を認めたくはないが、認めざるを得ない状況に追い込まれている。球団経営は球界というよりもむしろ、深刻な関西の経済界が抱える大問題となっている。再び1リーグ制、球界再編成に向けた可能性を指摘する声もある。転機を迎えようとしている日本プロ野球。風雲急を告げる。

◇近鉄・田代オーナーも「やむを得ない」

近鉄・田代和オーナーはこの日、奈良県生駒市の自宅で心境を語った。かつて本社内で後援会長も務めた球団の最大の理解者だが「やはり事業というのは経営。確かに感傷はありますが、感傷を断ってでも、処理をしなければならないこともあります」とやむを得ない状況を説明した。今回の合併を聞いたのは5月の連休明けの山口・宮内会談直後。「オーナーとして大筋は了承しました」。ただ、半世紀を超える球団の歴史の中で応援してくれたファンに「心が痛みます。(ファンが)これからも一緒になって新球団を盛り立てていって欲しい」と願いを込めた。

オリックス・宮内義彦オーナー
「コメントする立場にない。我々は毎日、会社同士の取引として色々なことをやっているが、全ての話は相手があることだから、信義の問題として、途中で何かを言える立場にはありえない。」
オリックス・小泉隆司球団社長
「どちらから申し出たと言うことではなく、お互いの話し合いの中でこういう結論(合併案)に至った。(球界再編については)チームが判断することではなく、リーグとかプロ野球全体が考えることだから、何とも言えない。」

◇近鉄バファローズ

近畿日本鉄道を親会社として昭和24年、2リーグ分立を機に球団を創設、パ・リーグに加盟した。当初のチーム名は近鉄沿線の名産品、真珠にちなんでパールス。同34年に猛牛と渾名された千葉茂氏が監督に就任、チーム名をバファローに改め、同37年からバファローズ。長らく低迷したが、同54年に西本幸雄監督の下でリーグ初優勝。平成9年に本拠地を藤井寺から大阪ドームに移し、同11年から『大阪近鉄バファローズ』と正式呼称を変更。リーグ優勝が4度あるが、12球団で唯一、日本一を達成していない。オーナーは田代和氏。

◇オリックス・ブルーウェーブ

昭和63年10月、オリエント・リース(その後オリックスと改名)が阪急ブレーブスを買収、オリックス・ブレーブスとして新球団をスタート。平成2年11月にブルーウェーブと改称した。94年から仰木彬監督が指揮を執り、地元神戸が阪神大震災に見舞われた同7年にパ・リーグ優勝、翌8年には日本シリーズで巨人を4勝1敗で破り、日本一に輝いた。その後はイチロー、長谷川ら主力選手が次々と米大リーグに流出して戦力低下、最近2年間は最下位と低迷している。本拠地はヤフーBBスタジアム。オーナーはオリックス本社の宮内義彦会長。

◇近鉄問題の流れ

1月31日
『近鉄』の命名権を年間約36億で売却すると発表。巨人・渡辺オーナーが「協約違反だ」と激怒。
2月1日
足高球団取締役が選手会長の礒部に事情説明。球団そのものの売却については否定。
2月4日
小林球団代表(当時)から事情説明を受けた根来コミッショナーが撤回を要求。
2月5日
永井球団社長(当時)が「今のままでは理解を得られない」と命名権売却を撤回。
2月10日
田代オーナーが宮崎・日向キャンプを訪れ、選手や首脳陣に一連の命名権売却騒動について陳謝。
3月2日
永井球団社長が3月末の退任を正式表明。後任には小林球団代表が昇格。
5月25日
近鉄本社が球団赤字額が40億円に近いことを発表。岩田専務が「タブーを設けずに施策を検討したい」と、球団売却も選択肢の1つであることを示唆。
5月26日
森球団取締役が会見し「(球団売却も)可能性としては排除していないが、その方向では検討していない」とコメント。

◇野球協約

第三十三条(合併)
この組織に参加する球団が他の球団と合併するときは、あらかじめ実行委員会およびオーナー会議の承認を得なければならない。この場合、合併される球団に属する選手にかんしては、必要により第五十七条(連盟の応急措置)および第五十七条の二(選手の救済措置)の条項が準用される。
第五十七条の二(選手の救済措置)
球団の合併、破産等もっぱら球団の事情によりその球団の支配下選手が一斉に契約を解除された場合、または前条による連盟会長の斡旋が失敗し同様の事態となった場合、もしくは斡旋が不調に終るおそれが大きい場合は、実行委員会およびオーナー会議の議決により、他の球団の支配下選手の数は前記議決で定められた期間八十名以内に拡大され、契約解除された選手を可能な限り救済するものとする。(いずれも原文)

◇過去の球団合併

翼&金鯱(昭和16年)
戦時下、主力選手の軍隊への召集が続き、1月13日に合併。表面的には対等合併だったが、実質的には翼の主導。チーム名は大洋となる(横浜の前身、大洋ホエールズとは無関係)。
西鉄&西日本(同26年)
2リーグ分立後、セ・リーグの西日本パイレーツが球団存続を断念し、1月29日、同じ福岡を本拠地とするパ・リーグの西鉄クリッパース(現西武ライオンズ)に吸収合併。西鉄ライオンズとなる。西日本の選手の保有権をめぐって、西鉄とセ・リーグが対立。数選手はセの球団へ入団した。
大洋&松竹(同28年)
セ・リーグ最初の覇者となった松竹ロビンスだったが、27年、経営難から主力選手を大量放出。結局、この年は最下位に終わり、28年1月27日、大洋ホエールズ(現横浜ベイスターズ)と合併。洋松ロビンスとなった。30年から再び大洋ホエールズに。
大映&高橋(同32年)
29年にパ・リーグに加盟した高橋ユニオンズだが、初年度から6位(8球団中)、8位、8位と振るわず、3年で消滅。2月26日、大映スターズに吸収合併。大映ユニオンズとなった。
毎日&大映(同32年)
同年2月に高橋を吸収合併した大映だったが、戦力的にはあまり変わらず、リーグ最下位。11月24日に毎日オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)との合併が承認される。12月18日に大毎オリオンズとなり、35年にはリーグ優勝を果たす。

◇過去の合併に伴う保有選手の移動

西鉄と西日本の場合
西鉄(パ・リーグ)が西日本(セ・リーグ)を吸収し「西鉄ライオンズ」が誕生。新球団は「合併なのだから選手は全員、新球団の所属」と主張。一方、セ・リーグは「旧西日本選手の保有権は連盟」と譲らなかった。最終的に西日本選手のほとんどは西鉄に移ったが、南村不可止(侑広)外野手、平井正明(三郎)内野手は巨人移籍。混乱に乗じての引き抜きと問題視された。これらのトラブルを機にコミッショナー制が確立された。
大洋と松竹の場合
セ・リーグ球団同士だったため、西鉄・西日本のような混乱はなかった。しかし、松竹の看板選手だった小鶴誠外野手、片山博投手は広島カープへ、安居玉一外野手は、国鉄スワローズに連盟主導で移籍している。連盟の狙いは、弱小球団の戦力強化にあった。
大映と高橋の場合
経営難に陥っていた高橋を大映が吸収合併。このとき、高橋の所属選手は連盟の指導で3球団に振り分けられた。笠原和夫監督ら33人は新球団に所属し、近鉄パールスに4人(伊藤四郎、小沢文夫、田中照雄、青木淳)、東映フライヤーズに3人(飯尾為男、中野隆夫、筒井敬三)の割り振りだった。

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オリックス、近鉄を“吸収合併”[スポニチ]

近畿日本鉄道の山口昌紀社長、近鉄球団の小林哲也社長は13日、大阪市内のホテルで記者会見し、近鉄とオリックスを合併させることで合意していると発表した。事実上、オリックスが“吸収合併”する形で交渉が進められている。合併が成立するとパ・リーグは5球団に減ることからリーグ存続は難しく、セ・リーグを巻き込んだ球界再編、1リーグ制に移行する可能性が極めて高くなった。

会見に臨んだ山口社長は、淡々と合併合意に至った経緯を説明した。「鉄道という公益事業に携わる以上、回収の見込みのない経営資金を野球に続けて投入していくのは会社の性格上、無理だと長年考えてきた」。4月後半、宮内義彦オーナーと球団経営について話し合いの場を持つことで一致。「ゴールデンウイーク明けにお会いし、両チームを一本化していく方向で合意した」という。近鉄は入場者数の減少、年俸の高騰、大阪ドームの使用料の年間10億円などが経営を圧迫し、赤字が年間40億円に達していた。今年1月にはチーム名の命名権売却案を発表したが、球界内の反発を受けて断念した経緯もある。水面下で、新たな企業による経営権の譲渡を模索していたが「売却というのは買い手がなくては成立しないものですから」と“身売り”を断念。「選択肢として1番実現性の可能な方策を考えた」とオリックスとの“合併”を決断するに至った。新球団に従来のファンをつなぎ留めるため近鉄のニックネームを残し球団名を「オリックス・バファローズ」とする案も浮上。また、経営が悪化している大阪ドームへの支援も含め本拠地を大阪とする可能性もある。

合併が成立するとパ・リーグは5球団。2球団が3連戦を行うと、残りの1球団は3日間試合が組めなくなる。リーグとして安定した興行を維持していくことは困難で、セ・リーグを巻き込んだ形で球界再編が加速することは確実だ。パ・リーグではダイエーが本社の経営悪化から球団存続の危機にさらされている。今季観客動員がアップしているとはいえ、ロッテ、日本ハムなども数十億円単位の赤字経営に苦しんでいるのが現状。セ・リーグでも広島、横浜、ヤクルトが観客動員の伸び悩みと、選手年俸の高騰で慢性的な赤字経営を続けている。

近鉄、オリックスの合併をきっかけに、他球団でも球団経営の見直しが行われることは自然の流れ。今オフまでに新たな合併に発展すれば、来季から10球団1リーグ制に移行する可能性も十分にある。1リーグ制は以前から球界にくすぶり続けてきた改革案で、発足から70周年という節目の年に、プロ野球が激動のときを迎えた。

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パ・リーグ、17日に緊急理事会表明[ニッカン]

パ・リーグ小池唯夫会長は13日午後、近鉄の発表を受けて東京・銀座の連盟事務所で急遽会見し、17日に合併問題対応のため緊急理事会を開催することを明らかにした。小池会長は「近鉄の小林社長から、先日表彰で大阪に行った際に、内々に合併の話が出ていることは聞いていたが、何も決まっている訳でもないので、実行委員会やオーナー会議で了承を取らなければならないということだった。それだけに、中身についてはコメントする立場にない」と話した。

17日の緊急理事会で近鉄、オリックス両球団から報告を受けて対処する意向。近鉄に対しては命名権問題や大阪ドームの長期契約要請などで窮状にあると前置きし「名門球団なのだからきちんとやって欲しい」と繰り返した。予定した旅行先から急ぎ帰京しての会見だった。

合併が実現すれば来季から5チームでペナントを争うことになるが「厳しいだろうが、5球団で営業努力し、監督も選手も動揺なく頑張っていきたい」と話した。ただ、プレーオフ採用元年に起こった合併の動きは、あまりに皮肉だった。

また1リーグ制移行も囁かれ始めたことには、「仮定のこと」としながらも「パ・リーグとしては2リーグで切磋琢磨していくことが望ましいと考えているが、各球団がどう考えるのか色々議論が出てくるのかもしれません」と否定はしなかった。合併については、根来コミッショナーにも報告済みという。当事者のパ・リーグはもちろん、日本プロ野球界が今後どうするか、重大な局面に立たされた。

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BuとBW合併!1リーグ制再燃か[ニッカン]

プロ野球パ・リーグの大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブの合併合意が13日、発表された。合併が成立するとパ球団は6から5に減り、セ・リーグを含めて1リーグ制などへの球界再編が一気に加速する可能性が出てきた。球界に強い影響力を持つ巨人渡辺恒雄オーナーが議長を務めるプロ野球の最高決定機関であるオーナー会議が7月7日に予定されており、両球団は今季終了後の合併を目指し議題に上げるとみられる。日本のスポーツ界をリードしてきたプロ野球は、歴史的な岐路を迎える。

近鉄とオリックスの合併合意がこの日午後、電撃的に発表された。合併が具体化すれば、球界再編が加速すると見られる。あるパ・リーグ関係者は「両球団の合併問題は、リーグ再編を睨んだものです。水面下の構想では10球団での1リーグ制がある。順位は地区別の東地区5球団、西地区5球団の東西で決めて、その優勝チームによる日本シリーズ開催が考えられる」と具体的に話した。

合併問題は今後、パ・リーグ、セ・パ両リーグの実行委員会などを経て、7月7日のオーナー会議で議論されるが、関係者は「近鉄、オリックスが合併する案は既に出ていた。セ・パ問わず、もう2球団が1つに合併すれば、球界の1リーグ制が現実味を帯びてくる」と指摘した。

パ各球団はセ・リーグとの交流戦開催を熱望したが、セの球団の反対で、頓挫した経緯がある。その時点でリーグ再編への動きが具体化してきたという。昨年オフから東京ドームを本拠地とする日本ハムが札幌ドームへ本拠地を移転したが、それも全国へ満遍なく球団を散りばめる1リーグ制を睨んだものとみる向きもある。ファンからすれば、対戦カードなど新鮮さもあって、観客動員も期待できる。

黒字経営の巨人でさえも今季はテレビの視聴率が低迷。読売グループ内からは打開策として、セ・パの交流戦を熱望する声が出ていたほどだ。選手の年俸高騰などで各球団の経営は圧迫され、「1リーグ制」を希望する球団関係者は少なくない。パ・リーグが5球団になった場合でも、球界関係者の中には「リーグ戦実施は可能」との見解もある。しかし、例えば3連戦を2カード組んだ場合、1チーム3、4日試合から遠ざかることになるなど、興行的に圧倒的にデメリットが生じる。

仮に1リーグ制が浮上しても問題点はある。セ各球団からすればドル箱の巨人戦の試合数が減ることも考えられる。オーナー会議では、球界に強い影響力を持つ渡辺オーナーが議長を務める。同オーナーはこの日、球団を通じて「今後、近鉄、オリックス両球団の考えも聞き、根来コミッショナーのご意見を伺いながら、7月7日のオーナー会議で議長としてオーナーの皆さんの見解を伺いたい。その後のことは根来コミッショナーのもとで野球協約の解釈、必要があればその改正を含めてまとめていただきたいと思います」とコメントした。

球界再編への鼓動は間違いなく強くなった。オーナー会議は、日本シリーズ終了後の11月にも開催されるが、この時期まで延びれば、来季の開催日程編成などに甚大な支障をきたす。今オフを目指す近鉄、オリックスの合併を契機とした球界再編は、7月7日のオーナー会議で、何らかの方向性が示される可能性は高い。50年、2リーグに分立し、セ8球団、パ7球団でスタートした日本プロ野球は、歴史を半世紀以上さかのぼり、再び激動の時代を迎えようとしている。

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オリックスが近鉄吸収の方向で合併交渉[ニッカン]

近鉄に大激震が走った。近畿日本鉄道の山口昌紀社長と近鉄バファローズの小林哲也球団社長は13日、大阪市内のホテルで会見し、オリックスと合併することで基本合意したことを明らかにした。年間40億円の赤字を計上し経営悪化に追い込まれたことで合併を決断。合併の形態は今後煮詰めるが、オリックスに吸収される形となる方向だ。実行委員会、オーナー会議で承認を得た上で、早ければ05年度シーズンから新チームを活動させたい意向を示した。プロ野球界の合併は57年の毎日と大映以来、47年ぶりになる。

山口本社社長は、小林球団社長同席で会見し、オリックスと合併の方向で交渉を進めていることを明らかにした。「赤字続きで、鉄道が公益事業であることを考慮した場合、回収見込みのない資金を球団に投入していくのは、会社の性格上、無理なことだ」と、決断に至った理由を明かした。

近鉄は5月初旬に、オリックス宮内オーナーから球団経営に関する会談の申し込みを受けた。山口社長は「お互い球団経営が苦しいから話し合おうということになった。その席で両チーム一本化することで合意した」と説明。ただ、現実的にはオリックス側が主導権を握る見通しで、合併交渉は近鉄が吸収される方向で行われそうだ。

近鉄はパ・リーグでもっとも古い歴史をもつが、ここにきて本社の経営不振とともに球団も赤字続きだった。入場者数の減少、年俸高騰、年間10億円の大阪ドーム使用料などで経営が圧迫され、年間40億円もの赤字を計上。5月24日の連結決算報告の席では、本社経理担当の岩田専務が「聖域を設けずに収支改善を図る」と発言。グループにとっては、球界の老舗バファローズも“聖域”ではなくなっていた。

近鉄では赤字解消の方策として、今年1月31日に球団の命名権(ネーミングライツ)を年間36億円で売却するプロジェクトを発表。しかし野球協約に抵触するとされ、球界首脳から猛反発を受けて撤回に追い込まれた経緯がある。山口社長は「赤字の垂れ流しは何とかしたい」とし、グループ内部で改善策の検討を継続していた。同社長は「今の経済状況では売却は難しい」とし、「選択肢として一番実現性の高い方策だと思った」と、合併が最適な判断だとの結論に達した。長引く不況と、買収に必要な参加料30億円が足かせともなり、買い手がつきにくい状況があった。また今月末に本社の株主総会が控えており、この時期に来年以降の見通しを明確にしておきたい思惑もあったようだ。

今後は、実行委員会、オーナー会議の承認を得て、今オフにも新チームを発足させたい意向。本拠地をどうするかを含め合併の形態など、さまざまな話を詰めていくことになる。

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オリックス側は慎重、合併問題取材拒否[ニッカン]

オリックス宮内義彦オーナーは13日、近鉄との合併問題について慎重な姿勢を貫いた。この日午後、都内の自宅前で報道陣に対応。「今は申し上げるべきことは何もない。相手があることなので途中経過は申し上げることではない。1球ごとの説明は勘弁してもらいたい」と話した。ただ、合併交渉については「プロ野球の繁栄を願っての動き。ファンのサポートを失う訳にはいかない」と前向きな姿勢を示した。

球団側は、苦しい対応に終始した。小泉隆司球団社長はこの日午前「事実はありますが、今のところコメントできる立場にはありません」と交渉の事実を認めたが、その後の取材を拒否。午後2時に近鉄側が会見を開いた後も対応しなかった。弥左康志総務部長兼広報部長がヤフーBBスタジアムで「(取材対応の)調整がつかなかった。社長は明日話をします」と説明した。

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近鉄とオリックス合併合意発表[ニッカン]

近畿日本鉄道の山口昌紀社長と、プロ野球近鉄バファローズの小林哲也球団社長が13日、大阪市内のホテルで記者会見し、バファローズとオリックス・ブルーウェーブを合併させることで合意していると発表した。

山口社長はオリックスの宮内義彦オーナーと5月に会談し「一本化しようということで合意した」と言う。合併後の経営参画には「これからの話」と明言を避けたが、一方で「回収の見込みのない経営資源を野球に投入するのは会社の性格上、無理」と話しており、実質的にはオリックス側が主導権を握りそうだ。合併が成立するとパ・リーグ球団は6から5に減り、1日に1チームが試合を組めなくなる。セ・リーグを含めて1リーグ制などへの球界再編が加速する可能性もある。球界再編について、山口社長は「それは野球界の問題。我々がコミットする問題ではない。垂れ流しの赤字は何とかしたい」と赤字削減が最優先の姿勢を鮮明にした。

小林球団社長は「理事会、実行委員会、オーナー会議など直近の会議から説明することになる」と話した。プロ野球の最高議決機関であるオーナー会議は7月7日に予定されている。またパ・リーグはこの日、緊急理事会を17日に開催することを決めた。

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古田選手会長「まず選手の身分保障を」[ニッカン]

労組プロ野球選手会の古田敦也会長は、真っ先に当該球団の選手達を気づかった。「選手会としては、選手の身分をしっかり保障して欲しい。不安に感じているだろうから、1日も早く説明をしてあげて欲しい」と話した。選手会として動きを起こすのは今回の経緯について詳しい説明を受けてから。7月の総会でも意見交換はするが、その前に、近鉄とオリックスに対し、シーズン中の選手への配慮を要望した。

選手会としては今回の合併話を、単なる1球団減、とはとらえていない。「親会社は苦しくて、売りたいって言ってたのに、門戸が閉ざされていて、それはできない状況だった。そういうシステム的なことも考えていかなくてはいけないと思う」と古田会長。新たに球団が誕生する場合、制度にしばられて親会社が見つかりにくいことが今回のことで浮き彫りになったが、今後の球界発展のために改革していくべき点があることも指摘した。

大阪で育った一選手の古田としては、近鉄が消滅する可能性があることにも寂しさを感じている。「ただ減らせばいいというものでもないはず。ずっとやってきて地域に根ざしていたわけだからね…」。歴史あるプロ野球を守るために、底辺拡大を訴えてきた。そのためには、魅力あるプロ野球でなければならないことを強く感じているだけに、地元球団の消滅危機には複雑な表情だった。

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