ロッテが今季4度目の4連勝で、5月2日以来の4位に浮上した。ロッテは2回西岡の2点適時二塁打、堀の適時打で3点を先制。8回には、井上と堀の適時打で2点を追加し、その裏の日本ハムの反撃を3点に抑え辛うじて逃げ切った。投げては先発渡辺俊が6回1/3を1失点に抑え、対日本ハム6連勝で7勝目を飾った。6人目小林雅はリーグトップタイの16セーブ目。なお、田中幸が史上35人目の2000試合出場を達成した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 5 |
北海道日本ハム | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 4 |
渡辺俊が“お得意さま”の日本ハム相手に、7回途中まで1失点の好投。このカードの連勝を6に伸ばした。それでも渡辺俊は「たまたま、調子のいい時に対戦しているだけ。打線も援護してくれているし」。球宴初出場が決まり、今季7勝目も挙げて「オールスター出場で防御率4点台は恥ずかしいんで、せめて勝ち星を伸ばしたい」と話した。
渡辺俊が球宴初選出“御礼”の7勝目をマークした。30日の日本ハム戦、丁寧な投球で要所を締め、7回途中まで1失点。これで日本ハム相手に2年越しの6連勝だ。「調子がいい時に当たっている。得意という意識はないですよ」と謙遜した。今季4度目の4連勝で5月2日以来の4位浮上。バレンタイン監督は「4位が居たい場所ではない。この勢いを福岡でも続けていきたい」と力強かった。
渡辺俊が“お得意さま”の日本ハム相手に、7回途中まで1失点の好投。このカードの連勝を6に伸ばした。「たまたま、調子のいい時に対戦しているだけ」。球宴初出場も決まり波に乗るサブマリンは今季7勝目を挙げて「オールスター出場で防御率4点台は恥ずかしいんで、せめて勝ち星を伸ばしたい」と話した。
“ハム・キラー”が、お立ち台で笑顔を浮かべた。「特別な意識はないんですけど、いつも調子がいいときにぶつかってますよね」渡辺俊が6回1/3を1失点。日本ハムを相手に、昨年から6連勝。監督推薦で初の球宴出場を決めたサブマリン右腕が、チームを4位に引き上げた。
「アマチュアのアンダースロー投手に希望を与えるような投球をしたい」と球宴出場の決意を語っていた。緩急を駆使し、130キロ程度の直球を速く見せる技で打線を翻弄し、チームトップの7勝目。「素晴らしい投球。ストライクをどんどん取っていったね」とバレンタイン監督もそれ以上言うことがない。サブマリンの勢いに乗じてチームも4連勝。左腕の須永を相手に右打者を8人並べた打線も機能した。プレーオフ圏内まで1.5ゲーム差。それでも指揮官は「4位に我々がずっといる訳ではない」とキッパリ。目標へ向け、ナインを鼓舞し続ける。
インターネット関連サービスのライブドア(東京・新宿区)の堀江貴文社長が6月30日、東京証券取引所で会見し、オリックスと合併合意している近鉄バファローズの買収に乗り出すことを正式に表明した。同社長は、球団数減で1リーグ制に向かう風潮にある球界に一石を投じる考えがあるとし「セ・パ2リーグ制の維持」を主張。巨人渡辺オーナーと会談したい意向や、球団名も「大阪バファローズ」を基本線とすることなど、球界参画へ強い姿勢を示した。選手サイドからは歓迎の声が上がった。一方、近鉄側は同社への売却を否定、球界首脳からも否定的な見解が多く上がった。
黒のTシャツと綿パンのラフな姿で現れた堀江社長は、ときに熱っぽく近鉄球団買収への姿勢を示した。宮内亮治最高財務責任者を伴った会見で「(球界に)一石を投げようとしている。球団を買いたい人はたくさんいる。経営も十分にできてお金もある、会社の立て直しもできるというのに、断られる理由が分からない。新規参入の阻害ではないか」と訴えた。
売名行為では、との指摘には「断じてそのようなことはない」と否定。むしろオリックスと近鉄の合併合意を機に1リーグ制に向かう球界の流れに“待った”をかけるかのように意欲的に語った。買収が成功した場合について「2リーグを維持したいと思っている」とし「このまま1リーグ制になれば、縮小均衡でますます球界は衰退していく。Jリーグがチームを増やしているのに、どうしてプロ野球は減らそうとするのか」と警鐘を鳴らした。
宮内氏によると、同社がある証券会社から近鉄球団買収の打診を受けたのは2月下旬。堀江社長は「今年に入って利益を上げ、興味をもてるようになった。買いたいと思った時期と、売りたい球団があるというのが合致した」と説明。その後、プロ野球選手会に関係する人物と接触、買収額を「10億円から30億円」(宮内氏)に設定し、近鉄側に買収の意向を伝えた。02年の横浜株譲渡の際は発生しなかった参加料30億円については、コミッショナーに求められれば払う用意があるとした。ただ、直接近鉄側と接触したことはなく「相手にしてもらえなかった」と、回答を得ていないことも明かした。
合併合意から球界再編へと、大きな流れの中でのアプローチ。球界首脳の反発は大きいことが予想され、買収には実行委員会とオーナー会議の承認(3/4以上)も必要だが「強い力が存在しているのは分かっている」とし「渡辺オーナー(巨人)を含めて、そのほかのキーマンの方に会えるのなら会って説得したい」と直接会談に意欲をみせた。渡辺オーナーは東大文学部の先輩にあたるが「それは知らなかった」と苦笑。今後は近鉄へのアプローチとともに、球界関係者にも理解を求める。
堀江社長はまた、チーム名について「大阪という名と、バファローズを変えるつもりはない」と“大阪バファローズ”を基本線にしていることを明言した。「バファローズ」については、近鉄側が合併条件としてオリックス側に求めながら、明確な答えを得ていない“問題点”でもある。本社業務を大阪市に移転させる計画も明かした。「我々がお手伝いできることがあれば(バファローズを)日本を代表する球団にしたい」。IT業界をリードしてきた31歳カリスマ社長は、球界参画で革命を起こす覚悟だ。
堀江社長は、球団の赤字脱却策も披露した。赤字と言われながら観客を動員するダイエーや、自立経営するJ2のチームを例に「そういうところの経営ノウハウ1つとっても非常に参考になる。見よう見まねで実践したい。地元テレビ局と交渉し、できるだけ多くの試合を中継してもらうとか(赤字脱却策は)枚挙にいとまがない」と話した。内部の管理コストの削減も重要という。「当社は管理部門7人で、連結従業員数1000人、売上高100億円を超える企業を経営している」とした。また、球団株式をファンが持ち、チームOBらに出資してもらうなど、パブリックな経営を目指すという。ストックオプション(株価上昇の際に既定の安い価額で買い取ることのできる権利を付与する制度)による報酬制度の導入の意向も示した。球団を持つことで、日本中の自社のネットユーザーが実際に球場に足を運び、利益を生み出せる効果も挙げた。
近鉄梨田監督は、複雑な表情を見せた。「ありがたいとは思いますけど、本社の意向もあるだろうしすんなりいく問題じゃないでしょう」。ただ選手やスタッフを気にかけており「身売りなら(球団数は)減らない。色々考えればその方がいいとは思う」と気遣った。
「ライブドア」が近鉄買収に乗り出す意向を表明したことを受けて、プロ野球労組・選手会のヤクルト古田敦也会長は30日、歓迎する意向を示した。遠征先の岩手・盛岡で「できれば12球団残って欲しいと思って、地道に署名運動しているファンの方もいる。合併して、もう1つ合併の話(10球団1リーグ制)になってますから、そういう意味では他の選択肢があるのはありがたい話です。合併、削減よりは身売りの方がいいと思ってます」と話した。
近鉄、オリックスの合併合意が表面化した際から、古田は「あまり急ぎすぎて、取り返しがつかない悪い方向へ進んでいくのはよくないこと。突き詰めた議論をした上での結果なら、仕方がないですけど」との姿勢を貫いてきた。両球団の合併を機に10球団で1リーグ制移行に向かおうとしている流れに「他の選択肢も検討するべきではないか」と訴えてきた。
ライブドアは買収に成功した場合に12球団でセとパの2リーグ制堅持の意向だが、その思惑も古田と一致している。ライブドアと選手会関係者の接点に関しては「他のクライアントから(近鉄買収に関して)興味を持ってる企業があるという話が(選手会関係者に)あって、相談に乗ったらしいということは聞いている」とし、「興味があるというのがどこまでかは分からないが、1社だけでなく、そういう話があると聞いている」と、買収に興味を示す企業が複数あることも示唆した。
複数の企業名など具体的なことに関しては「それは僕の口からは言えないです。色々守秘義務もあるから」と言葉を濁したが、ライブドアから選手会サイドへ正式なアプローチがあった場合には「機会があれば話を聞きます」と強調した。
ダイエー王監督も、新たな展開が気になる様子だった。ライブドア社長の会見内容を報道陣から伝え聞くと「加盟料も(新聞紙上で)安くなるとか何だか言われているけれど」と野球協約に定められている加盟金を気にかけるほど。「みんなで話さないといけないだろうが、あまり時間もない。とにかく、我々はオーナー会議を見守るしかないね。推移を見守るだけです」。
日本ハムのヒルマン監督が、今回の買収話について賛成の意向を示した。私見として「一般論としてチームの数が多い方がいい。リーグ存続、1リーグ制、セ・パ交流試合の実施など、球界発展のために様々な角度から検討しなければいけない」と、球団数の減少に警鐘を鳴らした。また各球団首脳の主導で紛糾している一連の騒動に「ファンを無視してチームが存在することはあり得ない」と苦言を呈した。
阪神野崎球団社長は「ライブドア」の近鉄買収表明を受け「個人的な見解」とした上で歓迎の意向を示した。「吸収合併よりはいい形ではないか。もう少し早く手を挙げていられればと思う。野球界にとって悪い話ではない感じがする」と話した。球団数を減らして1リーグ制に移行する議論は「やむなくそうなりつつある話で、十分な準備ができていない」と早急との見方を示した。
テレビ東京の菅谷定彦社長は2リーグ制を支持した。定例会見で「オーススターや日本シリーズを考えると2リーグあった方がいい。切磋琢磨し、競争論理が働かないといけない」と語った。
横浜の親会社、TBS井上社長がこの日、定例会見を行い、1リーグ制移行問題について言及。「1リーグ、2リーグのどっちがいいのか話し合うのであれば微力ながら尽力したい」と話した。また、同局が球団を保持する意義にも「テレビ局のソフトとしては最強」と語り、今後も維持する考えを強調した。
ライブドアが近鉄買収に名乗りをあげた30日、オリックス宮内義彦オーナーは強く反発した。都内の自宅で取材に応じ、ライブドアの買収計画に選手会の顧問弁護士が一役買っていると指摘。「古田選手会長は何を考えているのかな」と、真っ向から労組・選手会の古田会長を名指しで批判した。横ヤリを入れられた形の近鉄との合併計画は、予定通りに実現させる構えをみせた。
オリックス宮内オーナーが、他球団の選手を名指しで批判する異例の反論を展開した。ライブドアの近鉄買収計画の橋渡し役が選手会の顧問弁護士であると指摘した上で、選手会をまとめる立場の古田を真っ向から批判したのだ。
宮内オーナーが怒りをあらわにしたのは、今回の買収計画が、オリックス−近鉄の合併を否定するものだからというだけではないようだ。球界再編の流れを逆流させようという動きに対し「筋が悪い」と拒否反応を示している。
オリックスは、あくまで近鉄との合併を進める。「(近鉄との合併は)何ら変わりません。会社同士で決まったことなので。ビジネスの常識で考えて欲しい」と力を込め、7月7日のオーナー会議での合併承認を見据えた。
近鉄側は、ライブドアの買収計画に対し拒否する意思を明確に示した。この日午前、「明確にお断りしております」との近畿日本鉄道のコメントを配布。山口昌紀社長はライブドアと今後接触する可能性に「ない。男に二言は、ない!」と言い放った。
「(その話は)お断りしたんや。信義の問題もあるが、オリックスさんとの合併が1番いい方法やと判断して進めているんや」と、ライブドアとの話は過去の話と強調。ライブドア側は買収交渉を進める方針の表明書を送るつもりでいるが「それを送ってきたら、受け取る義務があるんですか」とけんもほろろだった。
また、ライブドア側からの電話を6月28日に直接受けた小林哲也球団社長は「選手会の顧問弁護士から電話がかかってきたが、うちは明日(29日)が株主総会でとてもそんな状態じゃないんで、と伝えた。すると相手は『発表する』と言ったが、こちらは『してもいいけど、うちはその話には乗らないよ』と伝えて、翌日の総会後にぼくから電話してお断りしました」と明かした。降ってわいた買収計画に「迷惑?そう取ってもらって結構です」と言い切った。
巨人渡辺恒雄オーナーは30日、ライブドアの球団経営参加を否定した。都内で会食後「決着済み。近鉄がちゃんと声明を出しているだろう。だからないよ」と可能性もないとの見解を示した。野球協約を挙げ、実行委員会とオーナー会議での審議がなくては球団経営に参加することはできないと強調。近鉄が拒絶している限り、俎上にも上らないとした。「オーナー会議で承認しなきゃ入れないんだから。知らない人が入る訳にはいかないだろう。僕も知らないような人が」と力説した。
また、ライブドア堀江社長が、渡辺オーナーへの直談判を求めたことに「お会いする必要はないよ。過去形だから。全て」と一蹴した。加盟料30億円を支払うというライブドア側の姿勢も検討するに当たらないと言わんばかりだった。ただ「12球団が10球団になるのか知らんけど、伝統がそれぞれあるんであって、そう簡単に、金さえあればいいってもんじゃないよ。今度の人は消費者金融ではないけど」と、口調にはいつもの歯切れよさはなかった。
西武の1リーグ制支持は変わらない。ライブドアが近鉄買収を表明した30日、星野球団代表は「うちとしては1リーグが1番いい方法だと考えている」と、スタンスが変わらないことを強調。その球団数については「球団数は言える段階ではない。11じゃ無理かもしれないが。12?やり方でしょう」と付け加えた。ライブドアの買収表明には「それは近鉄さんの問題で、何も聞いていないし、分からない」と前置きした上で、球界改革の必要性を訴えた。「球界が今のままではダメということで真剣に考えているとき。波を止めることはない。(球団が)売れました、ハイ、ではなんの意味もない。同じことをしていては進歩はない。大きな変化がないといけない」。
1日のパ・リーグ臨時理事会でも合併を話し合う考えだ。星野代表は「実行委員会でも各球団がその方向で理解を示した訳でしょう。途中で(問題が)色々出てきて(合併を)やめた、というのでは困る。両球団もそんなことはありませんということだったですから」。西武としては今後も2球団の合併で話が進むとし、その先にくるだろう1リーグ制を見据えている。
根来泰周コミッショナーは、ライブドアが近鉄買収に名乗りを上げたことに、否定的な見解を示した。「買収の情報は直接聞いていないので、あくまで一般論」と断りながら、「(近鉄、オリックスの)合併・統合の話が煮詰まりつつある時に、第3者が横から割り込むような形で『球団を買います』と言っても、一般的には疑問が残る。30億円(参加料)の問題や、オーナー会議の承認もいる。(買収は)なかなか難しいのでは」と話した。
それでも「私から『買収を進めなさい』とか『やめなさい』などと言える立場にない。当事者(近鉄)が(買収申し入れに)ウンと言うのか、言わないのか。当事者の問題です」と近鉄の対処に注目した。
「ライブドア」の堀江貴文社長は6月30日、東京都中央区の東京証券取引所での会見に黒いTシャツ姿で臨み、近鉄球団買収の意向を表明した。近鉄から「終わった話」と門前払いされ、売名行為との批判もあがる中、臆することなく、近鉄と球界の再生プランを1時間以上にわたって語り続け、512億円もの現金を用意しているとも語った。
ITベンチャーの寵児は、独自の近鉄再生プランを次々と口にした。これまでネクタイ姿で公の場に登場したことがほどんどない堀江社長は、この日も黒いTシャツ姿。語り口は自信満々だった。
急成長中のライブドアは、直近の売上高が108億円を超えた。ことし9月期決算での売上高は250億円、営業利益も50億円を見込んでいる。10億円から30億円で球団を買収し、野球協約に定められた譲り受け球団の参加料30億円についても「払う覚悟はある」と言い切り、「オリックスよりいいオファーをさせていただく自信はある」とも胸を張った。そして球団再建への私案も、その口から次々と飛び出した。球団株式の公開や、選手に対するストックオプション(自社株購入権)提供。フランチャイズは大阪から動かさず、球団名も「大阪」と「バファローズ」を残す。ライブドアの本社機能を大阪に移転する可能性すら言及した。そして果てには、新球団の監督候補として巨人前監督の原辰徳氏の名まで…。
企業の知名度を上げるための売名行為との声には「断じて、そのようなことはない。買収は本気で考えている」と強調した堀江社長。その醸し出す“異次元”が、球界の混迷ぶりを際立たせた。
ライブドアの近鉄買収表明を受けて、労組日本プロ野球選手会の古田会長は「合併で球団が1つ減れば、もう1つ合併して1リーグという流れだった。選択肢が増えたという意味でもありがたい話」と選手雇用維持の点で歓迎の意向を示した。
また、同社が選手会関係者を通じて、買収を申し入れたとする部分については「選手会の仕事もやっている弁護士を通じて、彼のクライアントから(球団買収に)興味がある企業があるという話は聞いていた」と間接的に認めた。さらに「興味がある企業は(ライブドア)1社だけじゃないとも聞いている」と、買収に興味を示している企業がライブドア以外にもあることを示唆した。
近鉄とオリックスの合併が本格的に動きだそうとしていた矢先のライブドア買収表明。プロ野球界は30日、一方的に買収交渉を持ちかけられたとする近鉄、合併相手のオリックスとも買収を完全否定するなど、怒りをあらわにした。また根来泰周コミッショナーも「一般的に(実現は)難しい」との見方を示すなど、突然の記者会見に戸惑いとともに疑問を投げかける声が相次いだ。
唐突ともいえるライブドアによる近鉄球団買収の意向表明。当事者の近畿日本鉄道の山口昌紀社長の言葉は、もはや怒りで震えてすらいた。「もう断ったんや。お断りしたんやッ!!」。
買収に合意した上での記者会見なら納得もできる。しかし、ライブドアが開いたのは近鉄側の意向を無視した一方的な希望を並べたもの。山口社長は「そんなものは全て向こうに聞けばええがな」と報道陣の質問さえ受け付けず、さらに文書で買収を申し入れることについても「受け取る必要があるのか?」と怒りを滲ませた。ようやく合併に向けて球界の理解を得られると思った矢先の出来事。報道陣が「ファンはどちらを望んでいるのか」という趣旨の質問をすると、ケンカ腰になる一幕もあり、最後は「男に二言はない」と言い残し、車に乗り込んだ。
また近鉄の小林球団社長も「28日に申し入れはあったが、お断りした。球界全体で合併の話が進んでいるときで、急にそんなことを言われても遅い」。1日にはパ・リーグ臨時理事会、さらに2日には12球団代表者会議など、7日のオーナー会議を含め、合併について日程も決まっている状況で、無理やり話を振りだしに戻すような申し出に、戸惑いともに嫌悪感は明らかだ。
また、オリックスの宮内義彦オーナーは「我々は近鉄球団との合併交渉を鋭意続けていきます」と、間接的ながら拒否反応。根来泰周コミッショナーも「あくまで当事者間の問題だが、両球団が統合の話を進めている中で第三者が横から入ってきて、買いたいと言っても一般的には難しい話だと思う」と実現性が薄いことを示唆。威勢のいい堀江社長の発言も、球界では冷ややかに受け止める意見が多数派。現実的にはライブドアの近鉄買収は、困難を極めることになりそうだ。
球界再編を進めたい立場を明かしている西武・星野好男球団代表は近鉄が球団買収された場合でも1リーグ制が理想と話した。「球団(数)が増えた戻ったとか、球団が売れたから(2リーグ制に)戻すとかいう問題ではない。また同じことが起きてしまう。いまは野球界の大きな転機。西武としては1リーグが最もいい方法だと思う」。仮に12球団が存続した場合でも1リーグによる再編論を展開した。
買収案について報道で知った近鉄・梨田監督は「名乗り出てもらったのはありがたい」。オリックスとの合併に伴う選手やスタッフの解雇を懸念していたという同監督だけに「本社の意向もあるのですんなりいく問題じゃない。パ・リーグのお荷物と言われたチームを支えてきてくれたのだから」と本社への配慮を見せつつも「身売りなら球団数は減らない。その方が(いい)とも思う」と話した。
パ・リーグの臨時理事会は7月1日、東京・銀座の同連盟で行われ、合併を基本的に了承されている近鉄とオリックス両球団から、合併後の新球団運営に関する具体案が提示される。
焦点となるのはまず新球団が優先保有できるプロテクト選手数で、両球団は1軍に出場登録できる28人以上を要求するとみられる。本拠地については大阪と神戸の2ヶ所に本拠地を置く「ダブルフランチャイズ制」を主張する可能性が高い。
理事会で話し合われた内容は、翌2日にセ・リーグ6球団を加えた12球団代表者会議で再び審議され、7日のオーナー会議では合併について大筋合意。9月の緊急オーナー会議で正式承認されることになる。
巨人の渡辺恒雄オーナーは6月30日、インターネット関連サービスのライブドア(本社・東京都港区)が近鉄の買収に乗り出す考えを表明したことについて「もう終わっている。カネがあればいいというものではない」と買収はあり得ないとする見解を明かした。渡辺オーナーは同社の堀江貴文社長も「会う必要はない」と一刀両断。球界に殴り込みをかけたITの寵児を完全に子供扱いしてみせた。
馴染みのホテルから悠然と姿を現した渡辺オーナーは薄ら笑いさえ浮かべていた。新時代の波に揺れ動いた球界。しかし、御大は激怒するどころか泰然自若。ITの寵児を格下扱いしてみせた。
数時間前、黒いTシャツ姿で記者会見に臨んだライブドア・堀江社長は512億円の現金があるなどと豪語、近鉄買収の意気込みを報道陣に語っていた。「渡辺オーナーら球界のキーマンと会って、買収を認めてもらえるよう説得したい」と得意げに話していた。
しかし、渡辺オーナーの回答は『NO』。まさに一刀両断だった。「会いたい?お会いする必要はない。全て過去形だからな。もう終わってるんだよ」。「プロ野球には伝統がそれぞれある。カネさえあればいいってもんじゃない。サラ金だって同じだよ。今度の人はサラ金じゃないから比較はできないけどな」。
渡辺オーナーの口からはライブドアという社名も、堀江社長という名前も最後の最後まで出てくることはなかった。『知らない人』、そして『今度の人』。まるで語るに足らない存在ということを言外に表しているかのようでもあった。
もちろん渡辺オーナーの手法には賛否両論がある。消費者金融、外資系企業の球界参入に断固反対し、近鉄の命名権(ネーミングライツ)売却案も拒否。今回のような新規参入、ビジネスを否定し続けたことが結果的に行き詰まった近鉄に立ち直るキッカケを与えないまま、合併に追い込む状況を作ったことには批判もあがっている。
ただ、現実には近鉄側も既にライブドアに対して買収の申し出を断っている。今後もし買収に応じることがあったとしても「(野球協約の第)三十二条を読めば分かる通り」(渡辺オーナー)、球団譲渡はオーナー会議の承認が必要。球界に強い影響を持つ渡辺オーナーだけに、買収はどう転んでも実現し得ないという自信がある。
今後は従来通りの日程で合併処理を進めて、将来的な球界再編に着手するというのが青写真だ。「内規にてらして『NO』だよ」と殺気立つ報道陣に笑顔で語った渡辺オーナー。「新規参入の阻害だ」などと最先端企業の若きプリンスが訴えても、このケンカに勝ち目はない。渡辺オーナー自身、誰よりそれを分かっている。
新たにこの組織の参加資格を取得しようとする球団は、その球団が参加しようとする年度連盟選手権試合の行なわれる年の前年の十一月三十日までに実行委員会およびオーナー会議の承認を得なければならない。既にこの組織に参加している球団が左記の各号のいずれかに該当するときも同様とする。ただし特別の事情がある場合は、実行委員会はこの期限を延期することができる。
この組織に所属する球団は、その参加資格に変更が生じ、第三十一条(新たな参加資格の取得、または譲渡、球団保有者の変更)にしたがい、実行委員会およびオーナー会議にその申請がなされたときは、実行委員会およびオーナー会議は厳正に審議し、承認または承認拒絶の決定をするものとする。この場合、実行委員会およびオーナー会議は申請を行なったものに対し、審議に必要な情報の提供、および聴聞への出頭を求めることができる。
インターネット大手のライブドア=本社東京都新宿区=の代表取締役社長兼最高経営責任者・堀江貴文氏が30日、東京都内の東京証券取引所で記者会見し、オリックスとの合併で合意している近鉄の買収に乗り出すことを正式表明した。堀江社長は買収額を10億円から30億円まで用意、買収後の具体的な経営戦略も披露。12球団の2リーグ制堅持にも意欲を見せたが、巨人・渡辺恒雄オーナーは同社の買収は不可能との見解を示した。
東京証券取引所。プロ野球とはおよそ無縁の会見場に、200人を超える報道陣が集まった。黒のTシャツ姿で颯爽と現れた堀江社長の目つきは鋭かった。
同席した取締役最高財務責任者の宮内亮治氏が経緯を説明。ある証券会社から今年2月初め、近鉄球団買収の話を持ちかけられ、応じたが近鉄側はシーズン後に交渉する、と回答したという。ところが今月13日に近鉄とオリックスが球団合併を発表。そこでライブドア社は各方面に相談を持ちかけた上で、プロ野球選手会の関係者と接触。28日に選手会の顧問弁護士を通じて近鉄側に買収の意向を伝えたが、その後は交渉の進展がないまま、近鉄側は代理人を通じて断りの連絡をしてきたという。
ここまで直接、近鉄側と接触したこともなかったライブドア社だが、そのうえで、この日の買収表明。球団買収額について、堀江社長は512億円の資金があることを明らかにした上で、買収額を「10億から30億円。参加料30億円もコミッショナー裁定なら払う覚悟がある」とした。日本球界には例のない球団株式公開や選手のストックオプション(自社株購入権)導入、球団管理部門のスリム化などベンチャー企業らしい球団改革案も披露。堀江社長は「1リーグの縮小均衡は衰退につながる。力になりたい」と買収交渉への意欲を示した上で、近鉄側の代理人に意向表明書を送付したことも強調したが、強引な買収表明には不透明感も漂う。
「強い力が存在するのは分かっていますが、一石を投じようと思う」と球界再編への動きに対峙する決意を示し、巨人・渡辺オーナーや根来コミッショナーらとも会談の希望を明かした堀江社長。球界再編の流れの前に立ちはだかったベンチャー旗手の大いなる野望。その行方が注目される。
巨人・渡辺オーナーは都内のホテルで、ライブドア社の近鉄買収は不可能との見解を示した。
午後9時過ぎ、ロビーに出てきた渡辺オーナーは開口一番「見なきゃいかんのだよ、丹下左膳。だから、喋ることないよ」。そう前置きしてから「決着済み。近鉄がちゃんと(買収拒否の)声明を出したじゃないか。だからない」と明言。同社がかつて渡辺オーナーが否定した外資系や消費者金融ではなく、参加資格を満たしていることにも「今度はサラ金の人じゃないけど、知らない人が入るって訳にはいかん。プロ野球ってのは伝統がある。金さえあればいいってもんじゃないよ」と“一蹴”した。
新たに参加する球団はオーナー会議の承認が必要であることを規定した野球協約の第32条を理由に「内規に照らし合わせてもノーだ」とした。
同社の堀江社長が、渡辺オーナーとの直接会談を要望したことにも「お会いする必要はないよ。過去形だから全て。もう終わったんだ」と受け付けなかった。1リーグ制移行に向け、球界内の調整を進める渡辺オーナーにとって、降ってわいたようなライブドア社の買収表明は視界にも入っていない様子だった。
ライブドアが買収に名乗り出たことに、近鉄ナインからは驚きと歓迎の声が上がった。合併なら球団消滅は避けられない状況下で、突然の球団存続の希望。ナインの胸の内を代弁するように礒部選手会長は言った。
「手を挙げてくれたところがあったんだということに感激した。たとえ買収されても一緒にやる方がいいという気持ちがある。このチームが残るというかすかな望みが出てきた」。前日の試合前練習の時、西武ドームの外野席の西武ファンが「合併反対」のカードを掲げていたことに感激したばかり。新たな展開に素直に胸の内を語った。
左肩負傷で、この日の西武戦のスタメンを外れた主砲・中村も「何とか近鉄を買収してくれる方向で進んでほしい」と強調。さらに「僕らは野球を続けたいし、その情熱を失わせるような1リーグ制にはなってほしくない」と1リーグ制移行に反発を示した。ただ、梨田監督は慎重で「名乗り出てもらったのはありがたい」としながら「パのお荷物といわれた時代から支えてくれた本社が合併という選択をしたんだから、その方向に進むのでは。ただ、合併より買収されて残るのもファンのためにはいいのかなという気もしている」と複雑な心境を語った。球団存続か消滅か。ナインの心も事態を見守りながら揺れている。
労組プロ野球選手会の古田敦也会長は30日、ライブドア社が近鉄の買収を表明したことに歓迎の意向を示すとともに、ほかにも買収へ意欲を持つ企業があることを明かした。岩手・盛岡での横浜戦の試合前に話したもので、古田会長は選手雇用維持という点から「12球団から減って欲しくないし、他の選択肢が出てきたのはありがたい」と説明した上で、続けて「(買収に)興味を示しているのは1社だけじゃないと聞いてる」と話した。
合併に伴う選手契約の影響等を憂慮した選手会は、18日に実行委員会議長を務めるセ・リーグ豊蔵会長に「特別委員会」の招集を求める文書を提出。合併の再考に伴う12球団制の維持を強く訴えていた。現時点で同委員会が招集される予定はなく、選手会は5日の労使交渉、9日の12球団選手会長代表者会議などで機構側と話し合いを進めていくしかない。
こうした状況下で、ライブドア社側は選手会の顧問弁護士を通じて買収交渉していたことを明かした。古田会長は「クライアントが興味があるというので相談に乗ったらしい」と説明したが、同社の買収の動きに選手会の顧問弁護士が介在している以上、選手会との“共闘”があったとしても何ら不思議はない。選手会側は合併による1リーグ制移行に否定的で、合併を進める前に、買収に乗り出す企業を探すことを提案してもいた。
今回の買収表明を巨人・渡辺オーナーは“一蹴”したが、古田会長は「機会があれば(ライブドア社の)話を聞いてみたい」と言った。さらなる企業が買収に名乗りを上げるのか。その可能性も否定できない。
降ってわいたような近鉄買収話にオリックスナインは一様に驚いた様子だった。だが、近鉄の存続が可能となる買収話だけに、村松は「合併よりいいんじゃないですか」と話し、ベテラン大島は「個人としては、野球を愛する人が野球発展のために協力してくれるのなら嬉しい。選手として言えば、球団の削減はない方がいい」。山崎も「12球団がベスト。合併よりそっち(買収)の方がいい」と話すなど歓迎の声が多かった。
近鉄球団の親会社である近畿日本鉄道の山口昌紀社長は30日、ライブドア社が買収の意向を表明したことに不快感を示し、今後も同社との交渉に応じないことを断言した。近鉄はあくまでオリックスとの合併を推進する方針を再確認。1日に都内で開かれるパ・リーグ臨時理事会でフランチャイズ、両球団が優先的に契約する選手数など具体案を提示する。
ライブドア社の買収表明に対する近鉄の拒否反応は強かった。午前11時から大阪市内の本社前で文書を配布。「当社社長とオリックスオーナー宮内義彦様との間で球団を合併する方向で検討を開始することで合意いたしました。これは現時点で最良の経営判断と考えたもので、報道にあった件については明確にお断りしています」と球団売却を完全否定した。
山口社長の怒りも凄まじかった。「もう断ったんや。お断りしたんや」と不快感をあらわにし、ライブドア社が会見で近鉄本社のM&A(企業の合併・買収)の代理人宛に買収の「意向表明書」を送付することを明らかにしたことにも「持ってこられても受け取る義務があるのか?今後の接触?ない。もう終わった話」と今後、一切交渉に応じないことを断言した。最後は「男に二言はない」と言い残し、車に乗り込んだ。
近鉄がオリックスとの合併を推進していく方針は不変だ。1日のパ・リーグ臨時理事会に小林球団社長が出席。合併の具体案を提示する。これに先立ち、この日午後、オリックスの小泉球団社長が上京。パ・リーグの小池会長に具体案を示した。内容はフランチャイズ、優先的に契約する選手数、統合の方式などで、大阪、神戸のダブルフランチャイズ制を再度主張するとみられている。また、両球団が優先契約する選手は巨人・渡辺オーナーが許容範囲として示している「5人から28人」の“上限”である28人を希望することが濃厚だ。小池会長は「条件については常識的な範囲内だった」と述べた。
合併具体案は臨時理事会での議論を経て、2日の12球団代表者会議で再び披露される。根来コミッショナーは「希望が修正されることは当然、起こりうる。12球団は運命共同体。みんなの意見を聞いて、落ち着くところに落ち着くのではないか」と話した。ダブルフランチャイズ、優先契約選手数などで意見が対立した場合には「アンタが決めろ、ということになればドロをかぶって私が決める」とコミッショナー裁定を下す考えも示した。12球団の意見が一致すれば代表者会議を実行委員会に切り替え合併を承認。7日のオーナー会議で一気に正式承認となる可能性もある。
近鉄球団の買収にライブドア社が名乗りを挙げたことについて、オリックス・宮内オーナーは「(合併は)既に会社同士で決まった話。ビジネスの常識で考えていただければ分かる」。午後7時すぎに都内の自宅に戻った同オーナーは「我々は近鉄さんと話を進めるだけ。以前からそういう話(買収への名乗り)があることは聞いていた」と淡々と語った。「ライブドア?色々な会社を知っていて名前くらいは聞いたことがあるが、会社の内容と言われれば存じ上げない」と、眉をひそめていた。
西武・星野球団代表は近鉄買収の急展開について「売る、売らないは近鉄さんの問題。出てきた話にいちいち反応してもしようがない」と、1日のパ・リーグ臨時理事会での報告を待つ方針。その上で「西武球団としては1リーグ制がいいと思ってやっている。今は球界が大きく動いているところで波を止めることはない。一気に行くべきだ」と話し、あらためて合併→1リーグ制移行を支持した。
ライブドアによる近鉄球団買収の意向表明に、一方の当事者である近畿日本鉄道の山口昌紀社長は30日、「お断りした。オリックスとやるのが1番いいと思ってやっている。もう終わった話。男に二言はない」と怒りをあらわにしながら明確に拒否した。近鉄球団の小林哲也社長も「28日に申し入れはあったが、お断りした。球界全体で合併の話が進んでいる時で、急にそんなことを言われても遅い」と語った。
オリックスの宮内義彦オーナーは「われわれは近鉄球団との合併交渉を鋭意続けていきます」とやんわり拒否し、根来泰周コミッショナーも「両球団が統合の話を進めている中で第3者が横から入ってきて、買いたいと言っても一般的には難しい話だと思う」と実現性が薄いことを示唆した。
インターネット関連サービスのライブドア(本社・東京)の堀江貴文社長は30日、都内の東京証券取引所で記者会見し、オリックス・ブルーウェーブとの合併で合意している近鉄バファローズの買収に乗り出すことを正式に表明した。これに先立ち、球団の親会社である近畿日本鉄道は「あくまでもオリックスとの合併で話を進めていく。(ライブドアへの売却は)明確にお断りしている」とコメントした。
ライブドア側は会見で、買収額は10億円から30億円まで用意していることや、プロ野球選手会関係者を通じて買収交渉を行っていることを明らかにした。また買収が成功した場合、12球団での2リーグ制を堅持したいとの意向も表明した。