わたしはかもめ2004年鴎の便り(7月)

便

7月7日

千葉ロッテ3−15オリックス(千葉マリン)

オリックスが19安打15得点を挙げ、連敗を3で止めた。オリックスは1点をリードされた3回、大島の犠飛で逆転すると4回には7安打を集中、打者一巡の猛攻で一挙に5点を挙げた。その後もオリックスはオーディスの18号ソロ、塩谷の3号3ランなどで、19安打15点で大勝。金田は7回0/3を3失点に抑え去年7月19日以来の約1年ぶりとなる今季初勝利を挙げた。一方ロッテは、打線が振るわず借金を7で1日で4位に転落した。

123456789R
オリックス00351004215
千葉ロッテ1001000103
渡辺俊
「調子は良かったです。調子がいい時こそ丁寧に行かないといけないのに、単調になってしまいました。申し訳ありません…。」
井上コーチ
「調子は良かったんだけどね。ブルペンから今日は良かった。マウンドでもそのままの状態で上がったのに…。3回に点をとられた後、4回には立ち直ってもらわないといけない。ローテーションのピッチャーだから。」

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渡辺俊が8失点[スポニチ]

ロッテは、勝ち頭の渡辺俊が崩れて大敗。今季最短の3回1/3降板に、今季ワーストの8失点を喫したサブマリンは「調子がいい時こそ丁寧にいかないといけないのに、単調になってしまった」とうなだれた。バレンタイン監督は「いい球も全て打たれてしまったということ」と言葉少な。打線も5回以降はわずか1安打と湿り、1日で4位に逆戻りした。

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バレンタイン監督はWショック[スポニチ]

球界再編ショックが津波となって千葉マリンを襲った。オーナー会議の第1報がニュースで流れたのは試合直前。ロッテの選手は既にベンチ入りしており、心理的動揺を与えたはずはないのだが…。投手陣が打ち込まれて19安打で15失点。1日でプレーオフ圏の3位から陥落した。

大敗のダブルショックでバレンタイン監督も貝になった。オーナー会議の内容の感想を問われると「私は会議にいなかったので…。監督として心配していることは、シーズンの試合をしっかりこなしていくことだけ」と表情を曇らせた。選手への動揺は?と畳み掛けられると「与えたとは思わないが、与えるようであれば、この話はしたくない」と不機嫌モード。合併に関する話題をシャットアウトした。

対岸の火事ではなくなった。噂の域を出なかった合併話が、西武堤オーナーの一言により、ロッテも候補の渦中に巻き込まれた。緊急会見した重光オーナー代行も「こちらから積極的に働きかけることはないが、どこからか話があれば考えます」と話すように、騒動は沈静化どころか拡大に向かっている。

報道陣からオーナー会議の報告を受けた小林雅も困惑顔。「確かな状況が分からないことにはアクションも起こせない。球団からは(報道は)気にしないで試合に集中しようと言われたが…」と戸惑いの色を浮べた。熾烈な3位争いに加えて、雑音とも戦うことになったペナント。忘れたくても忘れられない七夕の夜になった。

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ボビーも貝になる

球界再編ショックが津波となって千葉マリンを襲った。オーナー会議の第一報がニュースで流れたのは試合直前。ロッテの選手は既にベンチ入りしており、心理的動揺を与えたはずはないのが…。投手陣が打ち込まれて19安打で15失点。1日でプレーオフ圏の3位から転落した。

大敗のダブルショックでバレンタイン監督も貝になった。オーナー会議の内容の感想を問われると「監督として心配していることは、シーズンの試合をしっかりこなしていくことだけ」と表情を曇らせた。選手への同様は?と畳み掛けられると「与えたとは思わないが、与えるようであれば、この話はしたくない」と不機嫌モード。合併に関する話題をシャットアウトした。

対岸の火事ではなくなった。噂の域を出なかった合併話が、西武堤オーナーのひと言により、ロッテも候補の渦中に巻き込まれた。緊急会見した重光オーナー代行も「こちらから働きかけることはないが、どこからか話があれば考えます」と話すように、騒動は鎮静化どころか拡大に向っている。報道陣からオーナー会議の報告を受けた小林雅も困惑顔。「確かな状況が分からないことにはアクションも起こせない。球団からは(報道は)気にしないで試合に集中しようと言われたが…」。熾烈な3位争いに加えて、雑音とも戦うことになったペナント。忘れたくても忘れられない七夕の夜になった。

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初芝途中交代

初芝清内野手がオリックス15回戦の1回、打席に立った際に右ふくらはぎに違和感を覚え途中交代。

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堤オーナー明言パもう1組、西武合併も[ニッカン]

西武堤義明オーナーは7日、都内ホテルで行われたオーナー会議に26年ぶりに出席。パ・リーグのオリックス、近鉄の合併が事実上承認された席上で、西武、ロッテ、ダイエー、日本ハムの残るパ4球団の中から、もう1組、合併協議が進んでいることを明言した。西武の合併の可能性について、堤オーナーは「あります」と話した。現状で合併の可能性を明言しているのは西武とロッテの2球団だが、ダイエーとロッテなどの合併の方向性も残しており、今後、来季からの1リーグ制を目指し水面下でのせめぎあいが続きそうだ。

◇「可能性ある」

悲願の1リーグ制のために、堤オーナーが動いた。オーナー会議の席上でオリックス、近鉄以外のパ・リーグ球団でもう1組、合併に動いていることを伝えた。オリックス、近鉄の具体案を了承したばかりの席上。堤オーナーの衝撃の報告に会場は驚いた。場所を移して行った単独会見では、落ち着いた口調ながら危機感を漂わせた。

堤オーナー
「好きで減らすのではありません。5チームでやってどこかが脱落したら壊滅的になる。先手を打って4になって、セの6球団に1リーグでやってくれと、お願いした方が賢明だということで(パの)4チームの考えがまとまって研究しているところ。今日は古株の私がパを集約してセにお願いした。来季からと思っています。」

新たな2球団については「具体的に発表する段階ではない。西武、日本ハム、ロッテ、ダイエー、この4チームの中で、模索している段階です」とした。パの盟主である意識は強い。かねて1リーグ制を口にしてきた。93年には巨人渡辺オーナーと水面下で会談し、10球団による1リーグ制移行という具体的プランを話し合っている。1リーグ制へのうねりが起きた今、堤オーナーはもう1つの合併は不可欠と考えている。球団創設時以来26年ぶりの会議出席も、球界再編に、自らが動いていかなければならないという決意表明だった。パの盟主として再編のかじ取りをしながらも、名乗りを上げる球団がなければ、西武自身が最終的に合併の道を選ぶ可能性がある。

堤オーナー
「(合併の)可能性はあります。10球団1リーグということで(セに)お願いしないとやれない。チームは強くなる?いや、強くならないでしょう。」

◇堤オーナー一問一答

≫今回の話はいつごろから具体的に。
堤オーナー
「ちょっとデリケートな話ですね。スタートは近鉄、オリックスの話が新聞上に出たことです。危機感を持って、こりゃ何かしなくちゃいけないとみんな一斉に思い出して、それぞれじゃあ、自分のところはどこと一緒になれるのか、どういうメリット、デメリットがあるか、そういうところからスタートしたんじゃないか。」
≫また球団が減ると問題は起きてこないか。
堤オーナー
「プロを目指して入ってきた選手はたくさんいるし、審判もいる。事務局もいます。そういう人達に今まで通りに働いてもらって、3軍と社会人を合わせて新しいリーグを作っていく。社会人は曲がり角が来ている。そういう新しい機構をつくって、プロの余ったエネルギーが行くことで、底辺の拡大をして野球をもっと盛んにする。ちょうど富士山のプラミッドのような形で頂上はプロ野球、日本のメジャーリーグとして。」
≫選手会は議論の1年先延ばしを提案している。
堤オーナー
「選手会の方々は中身が分からない段階でびっくりされたことと思う。今日の中身をよく聞いていただければ、選手を失職させる問題は起きない。今度の件でライブドアが問題を提起して、プロ野球に関心を持ってもらうということにすごい効果があった。野球への関心が薄れていたものを引き戻した。ファン達全体が野球界はどうなっていくか関心を持っている。」
≫渡辺オーナーとは話をしたか。
堤オーナー
「渡辺オーナーには私の言う考え方を話してありますし、渡辺オーナーの考え方もうかがって、両方の間で意見調整はいつもしています。」

◇ダイエーとロッテもある!?

この日の堤オーナーの会見を受け、ダイエーは単独保有の姿勢をあらためて示した。日本ハムも北海道移転直後で合併は否定。北海道移転が全国へ球団を万遍なくちりばめる1リーグ制を睨んでいたものとみる向きもあるだけに、合併は考えにくい。

一方、ロッテは合併を良しとしてきた。数年前にも西武と業務上の話し合いを持っている。前日6日も重光オーナーが合併に前向きな姿勢を見せた。現状として関東に所属する2チームが合併の可能性を示しているが、韓国球界を見据えるロッテは、その地域性からダイエーと業務提携をするなど、友好な関係があるのも事実。今後も、動き出した来季の1リーグ制に向け、4球団が合併の道を模索することになる。堤オーナーは単なる縮小でないことを主張する。

堤オーナー
「野球を衰退せせることに自分が加わっていくことは考えられない。現在プロ野球の試合にあまりにもプロとは言えない試合があるのではないかと。むしろ10球団で密度の濃い試合になった方がファンの人も興味を持てる。」

次回9月8日に同会議が行われる。あと2ヶ月でもう1組の合併は決まりそうだった。

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ロッテ重光オーナー代行は否定せず[ニッカン]

◇提案があれば

オーナー会議に出席したロッテ重光昭夫オーナー代行も、ロッテと他球団との合併については否定しなかった。会議後の会見で「今のままでは未来が開けない。新しい取り組みをしていかなければと思います。うちとしては特定の球団と話し合いを持ったことはない。ただ提案があれば、考えていくことはあり得るんではないですか」と明言。前日、「対等合併でもいいしね」と合併方式にまで踏み込んだ父の重光武雄オーナーに同調する考えを示した。

球団数削減での再編はファン無視との声も多い。重光オーナー代行は、都内ホテルでの会議後、すぐに新宿のロッテ本社に移動すると、再び報道陣を前に球界発展のための再編であると強調した。「コミッショナーも、渡辺オーナーもおっしゃってましたけど、とにかく個々の球団のエゴは捨てようと。会議の中では、3軍をつくって社会人チームと対戦させるような話も出ました。視聴率の問題とか、若い層の客離れとか、何か抜本的な手を打たなきゃいけない。そういう意味では今日の会議は良かったですよ」と話した。

◇極秘会談示唆

重光オーナー代行によると、すでに10球団1リーグでプロ野球を開催した場合のシミュレーションも行っており「40%近い減収が見込まれる5チームでのパ・リーグ運営より、はるかに良い数字が見込めます」という。同オーナー代行は「うちの方から(合併へ)積極的に動くことはないし、まだ話もないので何とも言えない」というが、一方で「情報交換のレベルではオーナー同士で話し合いはしている」と、他球団首脳との水面下での会談も示唆した。

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堤プランなら縮小なし

◇社会人と3軍30チーム

堤オーナーはこの日、3軍制度を社会人野球を協力しながら進めていくことも示唆した。10球団になれば2球団分の選手だけでなく、審判や球団職員の雇用の問題が出てくる。会議の中で3軍制度を持ち出し「経費が掛からないように考えていく。社会人野球と新機構をつくっていきたい。社会人連盟の方にも、議題に挙げてもらえるよう話はしています。反対もなかったと受け止めています」と説明。1リーグ10球団になっても、2軍、3軍で30球団になり、決して縮小ではないことを強調。3軍と社会人で日本野球新機構を設立し、底辺の拡大と雇用を確保するプランを披露した。

選手会が合併に反対の意向を示したことに「中身が分からない中でビックリしたのでは。選手を失職させる訳ではない。問題は起こらない」と話した。2軍の独立採算については「2軍というのはあくまで1軍の補強機関。チーム名は1軍と同じ方がメリットがある」と否定的だった。

◇パ小池会長「プロ野球見直し」

パ・リーグ小池会長は、西武堤オーナーの1リーグ提案を中心に丁寧に説明した上で「オーナー会議で将来のプロ野球についてどうするか議論したのは初めて。合併を機にプロ野球を見直すというのが今日の結論だった」と話した。そして「選手と球団は一体で運命共同体ですから、来季以降きちんと運営しなければいけないと痛感している」と、会長としてリーグ消滅の危機に直面した心境も口にした。また「1つ減り2つ減りで縮小再生産みたいになって、将来、プロ野球を目指す人を失望させることがあってはいけない」と問題提起もしていた。

◇セ豊蔵会長「まだ時間かかる」

セ・リーグ豊蔵会長は西武堤オーナーの発言について「素直にパ・リーグが相談していると受け取っている」と話した。この日のオーナー会議では実行委員会の議長として、オリックスと近鉄の合併問題の進展状況について説明した。今後の展開については「今の合併も着地までは時間がかかる。新たな合併はさらに大変だと思う。ただオーナーの経営のご判断でお考えになったことで、私の方からあれこれ言うことはない」とだけ話し、突っ込んだ発言は避けた。

◇日本ハム大社球団会長「合併の考えなし」

日本ハムの大社啓二球団会長が合併について完全否定した。この日のオーナー会議でのパでの新たな球団合併話が進行しているという話を伝え聞き、札幌ドームで会見した。「これまでにもうちは合併という話を持ちかけられたこともないし、その考えもない」と真っ向から否定した。

大きな理由の1つに今季本拠地移転をしたことを挙げ、また球団経営的にも問題がない点を強調した。西武堤オーナーに合併の可能性があるとして、ほか3球団とともに球団名を列挙されたことについても言及。「合併?ない。これ以上、北に行くと落っこっちゃうしね。合併というのはエネルギーがいる。我々はここ(北海道)に来て、目的を果たすだけです」と強い口調で話した。

新たな合併話が進んでいることに対しては「オリックスと近鉄のことがあったので驚きはしない。より良い形を選択するとそう(合併)なってくる」と話した。今後は1リーグ制への移行が急速に進むことが見込まれるが、「(1リーグ制は)それは1つの方法なんじゃないか。どういうふうに運営するかが問題」と受け入れていた。

◇ダイエー、本社側が継続保有を強調

経営再建中のダイエー本社は7日、今後も球団を単独で継続保有する姿勢を打ち出した。オーナー会議を受け、ダイエー本社の土谷忠彦常務取締役が「オーナー会議や今後の議論を踏まえながら、あらゆることに対応できるように検討を進めてまいります。私どもは従来より『福岡の地において野球事業を継続して行っていく』とお話ししており、このスタンスは変わっておりません」とコメントを発表。球団側もこの日の西武戦(福岡ドーム)後、高橋社長が土谷氏のコメントを補足する形で「『対応』とは1リーグでも2リーグでも対応できるという意味。(他球団との)合併は全く想定していない」と合併の可能性を否定した。

オーナー会議に出席した中内正オーナーは球界再編問題について「パでもう1球団合併なり、4球団になれば1リーグの可能性も出てくる。合併の可能性?西武、ダイエー、日本ハム、ロッテの4球団になる。ダイエーの方針?私としては言える立場にない。本社の方で話してもらうしかない。本社の株主との関係も出てくる」と話すにとどまった。中内オーナーは親会社であるダイエー本社の意向を踏まえながら球団方針を決めていく。

◇横浜「うちは合併なし」

横浜は、峰岸球団社長、山中専務が試合後に全スタッフをベンチ裏に集めオーナー会議の報告をした。山下監督によると「テレビで聞いたのと同じことだったが『うちは合併はありません』と説明された」との内容で、選手も安心した様子だった。

◇大きな宿題残る

会議では「1リーグになると日本シリーズやオールスターゲームなどがなくなりエンターテインメントとしての盛り上がりがなくなり」という意見が当然ながら多数を占めた。この打開策としては東西対抗戦やプレオフ、さらにはサッカーの天皇杯のようなものなどといったいくつかのアイデアも出されたが、最終的には9月8日のオーナー会議までの大きな宿題となった。

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近鉄・オリックス、やっと合併事実上承認[ニッカン]

オリックスと近鉄の合併が、オーナー会議で事実上承認された。議長の巨人渡辺オーナーは「オーナー会議としても大筋の理解をして、その方向で認めることになった」と説明。これまでの12球団臨時代表者会議で了承された(1)ダブル本拠地(大阪府と兵庫県)の3年間の認可 (2)25人の優先保有選手数(プロテクト)(3)出資比率はオリックス80%、近鉄20%などについて反論は出なかった。今後、球団名などを決め、9月8日の臨時オーナー会議で正式承認される見通しだ。

会議後、近鉄田代和オーナーは「今後、専用球場やチーム名の問題など決めて行かなければならないことはありますが、合併に向けて1つの大きな進歩」と語った。ライブドアの球団買収への名乗りを球界も近鉄も黙殺する状況が続いていることには「(合併は)赤字の解消ということもありますが、合併によってより効率的な球団運営を図り、より強いチームということがある」と合併の意義を強調した。8日には小林哲也球団社長が遠征先の札幌で、選手に説明する。

オリックス宮内義彦オーナーは「決められていない点は次回オーナー会議までに近鉄さんと話し合い、方向性をはっきりさせていきたい」とした。また「2つのチームのファンには突然で、唐突で申し訳ないという気持ちでいっぱい。阪神さんと関西で2つのチームになる。関西を代表するチームに育て上げたい」と話した。

◇合併交渉の経緯

6月13日
近畿日本鉄道の山口社長と近鉄球団の小林社長が、近鉄とオリックスが合併することで合意したと発表。
6月17日
パ・リーグ緊急理事会。オリックスの小泉球団社長と近鉄の小林球団社長が合併について説明。
6月21日
プロ野球実行委員会。合併が大筋で了承される。しかし、具体案が示されていないと反発の声も相次いだ。
6月24日
大阪ドーム株主総会。債務超過額はさらに増え137億9700万円に。
7月1日
パ・リーグ臨時理事会で新球団への出資比率、新球団の優先保有(プロテクト)選手28人などを合意。
7月2日
12球団代表者会議で本拠地、優先保有枠などでセの理解が得られず。支配下選手枠の80人への拡大だけは合意。
7月5日
協議・交渉委員会で、選手会側が機構側に合併の1年延期を要望。12球団代表者会議で、優先保有枠を25人、大阪と兵庫の本拠地を3年の期限付きで承認。
7月7日
プロ野球オーナー会議で合併を事実上承認。堤オーナーがもう1つの合併進行を明らかに。

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渡辺オーナーシナリオ通り[ニッカン]

オリックスと近鉄の合併問題を審議決定するプロ野球のオーナー会議が7日、都内のホテルで開催された。議長を務めた巨人渡辺恒雄オーナーは会見で、もう1組の合併協議が進めば、早ければ9月8日のオーナー会議で来季から10球団による1リーグ制が決まるという見通しを明らかにした。1リーグ制になった場合は、10球団を東西に分けて、日本シリーズやオールスターゲームを行う方針も示した。

大勢の報道陣が見守る中、渡辺オーナーは淡々と約3時間の会議の内容を話した。その最後に1リーグを切り出した。「主な議題の処理が終わった後で、西武の堤オーナーから、もう1組の合併の話が進行中であるという重大な発言がありまして、各オーナー、ビックリした方もおられました」と振り返った。「セが6球団、パが5球団で1リーグは無理だと、これは誰もが認めるところ。パが5球団で2リーグというのも混乱を伴う。従って10球団になれば、1リーグというのもあり得る」。会場内は静まり返った。

第2の合併の中身は「具体的な話は一切できません。我々も分かりません」と触れなかった。来季の運営方法について「もう1ペアの合併ができない限り、2リーグ。1リーグになる可能性があるかないか、次期オーナー会議で取り決めをしたい」と9月8日の臨時オーナー会議での決定を示唆した。

1リーグ制移行に異論はほとんどなかった。「10チームになったら1リーグにした方がいい、という意見の方が多かった」と明かした。「パの球団はみんなそうでしょうし、セでも私は1リーグにした方がいいと思うし、賛同されるオーナーは多数ですから。どの方も最終的なオーナー会議の決定に反対はしない、ただ、こういう問題はある、という意見は活発に出た」と振り返った。1リーグ移行の理由は巨人−ダイエー戦など「新しいカードを組める」と説明した。

さらに1リーグ制の運営方法に言及。「私見を言えば東西5球団に分けて、オールスター、ペナントレース、東西決勝戦。東西決勝戦は10試合ぐらいになると思いますけど、全部合わせると140試合で収まる」と計算した。組織改革にも触れ、新日本プロ野球機構の立ち上げを目指す。「プロ野球の将来のために、アマチュア野球との協力関係を強化することが必要。そのために堤さんのご発言では、新日本プロ野球のようなものを作る。プロ、アマ合体でやる。例えば、プロ野球の2軍、3軍をつくって、アマチュアと一緒になって、プロ野球の球団のない県が30県以上ありますから、そういうところで新しいタイプのゲームを展開していく」と野球の図式を変える。

その図式を「富士山型。富士山のてっぺんには1リーグがある」と語った。「魅力あるプロ野球を作ろうという点で各球団のエゴを超え、積極的な議論が展開された。2ヶ月近くありますから、9月8日には内容のある結論を発表したい」とシナリオを書き進める。

◇会議で承認された骨子

一、
合併新球団の優先保有(プロテクト)枠は25人
一、
選手配分に対応するため支配下選手枠の70人から80人に拡大
一、
3年間の期限付きで合併球団に大阪府と兵庫県の地域権を認める
一、
球団譲渡に伴う参加料30億円の免除

◇試合形式案明かす

巨人渡辺オーナーはこの日夜、都内のホテルで会食後、1リーグ移行後の試合形式について言及した。会議後の会見では東西対決構想を主張していたものの「前期後期か、東西かと。そう言っているんだ。前後期も1つの方法としてあるかもしれない」と語り、かつてパ・リーグで採用していた「前後期制」も選択肢の1つであることを明かした。

◇私はニュートラル

根来泰周コミッショナーは1リーグ制移行について異論は唱えなかった。「(再編が)9月に向けてというが、私の意向はニュートラル」とした。オリックスと近鉄の合併に関しても「合併は当事者間の話。球団はファン、選手のことを念頭に置いてやってもらうということだから、それ以上注文をつける問題はない」と語った。

合併に関して、野球協約上の不備を指摘してきたが、改正に着手することも決まった。臨時オーナー会議でまとまるよう、コミッショナーが草案をつくる。ただ「コミッショナーに就任した時に野球協約に問題があると思った。長期的には1年、2年、3年いる」とした上で、改正がリーグ再編とは無関係であることを強調。「1リーグ、2リーグということは念頭にない。(オリックスと近鉄の)統合を前提にした協約改正が必要。(再編は)協約改正とは違うレベルの話だ」と語った。

◇広島松田オーナー警鐘

広島松田元オーナーは、1リーグ制への移行そのものに関しては「そういう流れになるかもしれない」と反対の意向は示さなかったが「経営者サイドでものを見すぎていると危険じゃないですか、ということは(会議で)お話しした」と打ち明けた。西武堤オーナーのさらなる合併案には「球団名は具体的に聞いていないが、ビックリした」。近鉄とオリックスの合併には「反対することはない」と了承したが、10球団1リーグへという一気の流れには「あまりにも早すぎるんじゃないかという気持ちはある」と語った。

市民球団としてファンに支えられてきた広島だからこそ、ファンの気持ちを思いやった。「私達も戸惑っているのだから、選手やファンも戸惑う状況だと思う。野球界の一員として、ペナントレースもこれから盛り上がるというところで、非常に申し訳ない思い」と話した。

1リーグになれば巨人戦が減少し、広島を含めセ各球団は放送権料等の収入減を免れない。「今まででも色んな工夫をしてやってきたし、今後もできる限りのことをしていく。広島で健全な形で球団を存続させることが私の使命」と冷静に将来を見据えていた。

中日西川球団社長
「私見だけど選手、ファンが不在のまま進んでいっている気がする。パ・リーグが4球団になれば1リーグ制というが、堤さんも、渡辺さんも1リーグ制にしてどれだけメリットがあるかを説明していない。」
横浜砂原オーナー
「1リーグ制?何べんも言っているが、パ・リーグの方で提案を出してもらわないと分からない。(堤オーナーの社会人チーム提携案は)一生懸命考えないといけない。フランチャイズを離れてもやっていけるので、いいことだ。」
ヤクルト堀オーナー
「プロ野球全般が活性化するため、譲り合うところ、主張するところをつくっていこうと話した。(選手会の主張については)選手会も球団も歩み寄るべき。今日も選手、職員の将来を何とかしようと時間をかけて話し合った。」

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ライブドア「諦めない」[ニッカン]

近鉄の買収に名乗りを上げているインターネット関連事業「ライブドア」は、オーナー会議の結果を受け、ホームページ上で堀江貴文社長のコメントを発表した。「会議の結果を伺いまして『ファン及び選手不在で話が進行しているのではないか』との印象をまずは強く受けました。また、弊社が近鉄球団の買収を検討し始めた今年2月以降、粘り強く交渉の機会を設けていただけるよう、近鉄、オリックスの両球団にかかわる方々に訴えかけてまいりましたが、その機会をいただけぬまま本日のような結果に至ってしまったことを、大変残念に思っております」と、合併、1リーグ制移行に加速する現状に懸念を表明した。

◇多くの激励ある

オーナー会議では、巨人渡辺オーナーに「何ら話題になりません」と完全に無視された形に終わったが、4日には大阪ドームに乗り込む買収デモも展開しており、簡単に撤退するつもりはない。「私どもは、このような状況にありましても諦めてはおりません。数多くのプロ野球ファンの皆様からは、弊社宛に多くの激励をいただいております」と決意表明。「最大限の努力をさせていただくと共に、まずは具体的な提案も含めた弊社の考えを聞いていただけるよう、引き続き努力していく所存です」と、今後も正式交渉への道を模索していく方針を示した。

◇ライブドアの動き

6月30日
東京証券取引所で堀江社長が記者会見を開き、近鉄の買収に乗り出すことを正式に表明。
7月1日
堀江社長がホームページ上の「社長日記」で、4日に大阪ドームで行われる近鉄−オリックス戦の観戦を掲載。
7月3日
都内で開催された「職業記念の日」シンポジウムのパネルディスカッションに堀江社長がゲスト出演し「じっくり頑張ります」と買収に長期戦の構えを示す。
7月4日
堀江社長が大阪ドームで近鉄−オリックス戦を観戦。ファンに歓迎され、拡声器を手にするマイクパフォーマンスも披露。
7月5日
近鉄、オリックスの合併に反対する選手会の発言にホームページ上で「選手会の皆様の要望は当然のことと思います。私どもといたしましては、私どもとの交渉のテーブルについて頂けるよう、引き続き粘り強くお願いしていく所存です」と堀江社長のコメントを発表。

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選手会をライブドアを、渡辺オーナー無視

オーナー会議議長の巨人渡辺オーナーは、今回の合併に「待った」をかけている選手会の動きをはねつけた。選手会は、性急な再編の動きに結論の1年先送りを求めているが、渡辺オーナーは「それは失業者が出るということでしょう。野球協約で、救済すると書いてある。意に反して解雇されることはない」と説明。さらに「1年かける必要はない。2ヶ月あればできる。オーナー会議が最高決定機関」と、選手会がどう動こうと9月のオーナー会議での正式承認を重ねて強調した。特別委員会の開催を求められていることにも、同委員会は実行委員会議長が招集するものとしながらも「必要ない」と語った。

また、インターネット関連事業「ライブドア」が近鉄買収に名乗りを上げていることにも、冷ややかに対応。この日のオーナー会議で話が出たのか、との問いに「何ら話題になりません」と言い切った。

◇「球団経営をお分かりか」

阪神久万オーナーが、選手会と近鉄買収を表明したライブドアを痛烈批判した。会議全体については「1リーグ制に向っている。その流れが強く出てきた」とし、ライブドアについて「本当にプロ野球経営をお分かりか。これから野球だけをおやりになるのですか。そうでないでしょう。サイドワークでやるのならおやめなさい。野球に力を取られてしまいますよ」。また選手会についても「気持ちは分かるが、なら給料が高過ぎるんちゃいますか。それには何も言わんとねえ」などと牽制した。

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古田選手会会長、初めてスト行使示唆[ニッカン]

最悪の道を選択する可能性が出てきた。労組プロ野球選手会の古田敦也会長が7日、中日戦(ナゴヤドーム)の試合後に、初めてストライキ権行使の可能性を明言した。9日の各球団の選手会長との会議では議題に乗せる意向。急激に進む球界再編の動きに対し、ファンの声を参考にしながら、選手会としての対抗手段を模索する。

◇悲しみ怒り

古田会長は悲しみ、そして怒っていた。選手会の主張はまたしても踏みにじられた。「対抗手段がストぐらいしかない?そういう権利もありますからね。もちろん」。これまで、かたくなに否定していた最後の手段に関しても、可能性がゼロではないことを明かした。さらに「9日の会議の議題に乗せる?上がるでしょ。上がると思いますよ」と各球団の選手会長に、ストライキについての意見を求める考えを示した。

この日のオーナー会議の内容は試合直前にテレビのニュースで知った。「七夕やというのに…、悲しい出来事やね…」と溜息をもらした。西武を中心としたもう1つの合併話が進んでいることには「噂では聞いていたけど…」。それがファンの望みならば選手会としては痛みを伴っても従うつもりだが、どうしても納得はできない。「なんで球界発展のためになるのか、僕らも聞きたいよ」と首を横に振った。

巨人の渡辺オーナーからは「オーナー会議が球界の最高決定機関だから」と、選手会がどんなに合併に反対しても、オーナー会議での決定を覆すことはできないという解釈が示された。特別委員会の招集も必要ないとされたが、古田会長は「あくまでも求めていきたい。協約にも書いてありますからね」と、真っ向から対立する姿勢を見せた。

◇10日に総会

今後の対応については9日の選手会長同士の会議と10日の選手会総会でまとめることになる。「この2日間でファンの声を聞いていきたい。選手は選手でまだやれることがあると思っている」と、諦めてはいない。帰り際「野球に集中してね」とファンから声をかけられたが「そうもいられないんでね」と応えた。「70年の歴史で何度かの転機だから…」と、口元を引き締めた。

◇立浪も抵抗する

労組選手会副会長の中日立浪も、1リーグ制移行の流れに徹底抗戦する構えを見せた。ヤクルト戦後、オーナー会議の内容について「1リーグ制という方法を決めるのはいいけど選手、ファンを無視してやられては困る。裏方さんもリストラにあうし、ファンも納得しない。選手会は抵抗しないといけない。12球団の選手会長で話し合って決めて欲しい」。

◇1リーグ制でも同じこと起きる

オーナー会議を受けて往路野球労組・選手会の松原事務局長は7日、都内の選手会事務局で「経営者側の完全なシナリオ通りに進んでいる印象を受ける。将来的には8球団の1リーグ制にしたいんでしょう。1リーグ制と言っても、潤う球団とそうでない球団の格差が出て、同じことが起きるのではないか」と指摘した。

巨人渡辺オーナーが選手会の要望に対して「選手会がNOと言えば、オーナー会議がストップするようなことはない」と発言したことには、松原事務局長は「ファンはオーナーを見に来るのではなく、選手のプレーを見に来る。いわばオーナーと選手はパートナーな訳ですから、納得できないものは、できないと言います。ファンの方も(各オーナーの意向に)対決できる選手しかいないと思ってますから」と語った。

中日井端選手会長
「ビックリしました。球団数が減ればファンも減ってしまうと思う。今まで通り2リーグの方がいい。3軍の試合をやってもファンが見に行くのか疑問です。川相さんや、立浪さんと話はしています。チームの主力が発言してくれる方がうまく進むと思う。ファンの手を借りるのも1つの方法でしょう。」

◇和田「転換期かも」

堤オーナーの発言は、伊東監督や西武ナインにとっても寝耳に水だった。試合終了後、5分間の緊急ミーティングで黒岩運営部長から説明を受けた伊東監督は「今の状況でコメントすることはできない」と、困惑顔で球場を後にした。

首位攻防第2ラウンド開始直前に飛び込んできたニュースだった。「(堤オーナーの)テレビの会見で知った。選手も、携帯電話とかでニュースも見て(試合前には)知っていたようだ」と黒岩運営部長。しかし、混乱を避けるためコメントを控えるように告げられた選手は、一様に口元を引き締め厳しい表情。選手会長の和田も「(野球界は)転換期かもしれない」と口にした。

宿舎に戻った伊東監督、コーチ陣と和田ら選手会役員3人には早速、東京から駆けつけた星野球団代表が説明を行った。「大事な時期を戦っているので、選手に説明して頑張って戦ってもらうしかない。(監督側から)何も質問はなかった。理解していただいたと思ってます」。残る選手にも8日の試合前に説明を行う。また、西武球団の合併について星野代表は「パ・リーグの4チームのうち、どこかでペアリングができるということ。うちが関係ないなんて言っちゃったら、それじゃできない」と否定も肯定もしなかった。

◇礒部選手会長「言うこと聞いてくれない」

オーナー会議でオリックスとの合併が事実上承認されたことを伝え聞いた近鉄ナインは、一様に硬い表情を見せた。札幌ドームでの日本ハム戦後、選手会長の礒部は「全然、選手会の言うことを聞いてくれないという個人的な気持ちはある」と唇をかんだ。4日に合併反対の署名活動に参加することを表明したが、山口近鉄本社社長は参加選手をプロテクト対象から外す制裁措置までちらつかせた。今後の抗議行動には慎重にならざるを得ない状況で「12球団のものなんで、バファローズだけでは動けない。(合併は)残念だなと思います」と語るにとどめた。

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西武、ダイエーと“里帰り”合併?[スポニチ]

西武・堤義明オーナーが7日、都内ホテルで行われたオーナー会議で、パ・リーグでもう1組の合併が進んでいることを明かし、10球団での1リーグ制移行を強く求めた。会議後、東京・港区の東京プリンスホテルで会見した同オーナーは西武が合併する可能性を示唆。相手はダイエーが有力で、次回9月8日の臨時オーナー会議までに新たな合併を成立させる決意を見せた。

堤オーナーはオーナー会議の会場に入る間際、議長を務める渡辺オーナーに「重要な発言をしたいので」と耳打ちした。合併問題など予定された議題が終わり、渡辺議長から発言をうながされた堤オーナーの口から飛び出したのは衝撃的な“合併予告”だった。「西武、日本ハム、ダイエー、ロッテ、この4球団の中でどことどこが一緒になるか模索している段階です。1ヶ月前後でめどがつきます」。さらに同オーナーは「このままではパ・リーグは解散するしかない」と訴え、来季からの1リーグ制移行をセ・リーグ球団に強く要望した。

混乱を避けるためにホテルを替えて開かれた記者会見。堤オーナーは西武の合併について「可能性はありますね。あるなら相手はパの3つのどこか」と言い切った。西武が合併の“当事者”となる場合、相手として有力なのがダイエーだ。オーナー会議の議事進行中、隣席のダイエー・中内オーナーと密談。他のオーナー達は両オーナーの“蜜月”ぶりに異様な印象を受けたという。

合併問題勃発からこれまで、球界ではロッテ・ヤクルトなどの新たな合併が模索されてきた。堤オーナーも球界の動きを注視していたが、それぞれの思惑が重なり早期実現が難しい状況で、来季からの1リーグ制移行を求める同オーナーは「(臨時オーナー会議の)9月8日までに形にしないと間に合わない」と自ら合併に乗り出すことを決断した。

西武、ダイエーはライバルとしてパ・リーグ人気を2分しているが、西武のルーツはかつて福岡の“顔”として黄金時代を築いた西鉄ライオンズ。両球団が合併して「福岡西武ライオンズ」として九州に“里帰り”しても不自然ではない。ダイエー本社の土谷忠彦常務も合併を視野に入れ「オーナー会議や今後の論議を踏まえ、あらゆることに対応できるよう検討を進める」と話した。両球団の話し合いが不調に終わった場合、合併に前向きなロッテとダイエーという組み合わせとなる可能性もあり、なお流動的な要素は残っている。

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1リーグ制へ急展開に“待った!”[スポニチ]

まさに寝耳に水だった。西武・堤オーナーからの緊急動議。事前に報告が一切なかったこともあり、渡辺オーナーが「重大な発言があって、びっくりしていたオーナーが多かった」と話したようにセ・リーグのオーナー達は一様に困惑の表情を浮かべた。

「もう1つ合併球団が出るということは衝撃的だった。皆さんもショックを受けていた。(堤オーナーが)特別に会見を開くというから何か爆弾発言は予想していたが…」と中日の白井オーナーは率直な感想を口にした。その中で、急速に進む1リーグ制移行の動きに異論を唱えたのはヤクルトの堀オーナーだった。球団の意見を求められると「2リーグでやるのが1番いいのではないか」と発言。関係者によると、放映権についてもメジャー方式と同じコミッショナー管轄にすべきとの意見を出したが、これは渡辺オーナーに「それはのめない」と“一蹴”されたという。

セ側にとっては近鉄とオリックスの合併了承だけでも、本拠地や選手救済も含めて大きな問題だが、パでもう1組が合併するとなれば、さらに“負担”は増えることになる。さらに巨人戦の放映権料が減少するという切実な問題も絡んでくる。広島の松田オーナーは「(近鉄とオリックスの)合併の話が出て、あまりにも話が早く進みすぎる。もっと慎重にすべきだ。あまりに経営者サイドでものを見すぎると危険ではないかと会議で申し上げた」と1リーグ制への早期移行に疑問を投げかけた。各オーナーは5球団でのパ・リーグ運営は難しいとの認識はあるものの、急激な勢いで1リーグ制に向かっている現状に戸惑いを隠せなかった。

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近鉄・オリックスの合併を了承[スポニチ]

オーナー会議では近鉄、オリックスの合併が大筋で了解された。5日の12球団代表者会議で合意していた(1)3年間の期限付きで合併球団に大阪府と兵庫県の地域権を認め、阪神も大阪、神戸のダブルフランチャイズを認める(2)優先保有(プロテクト)枠は25人(3)選手配分に対応するため支配下選手枠の70人から80人に拡大(4)球団譲渡に伴う参加料30億円の免除などの合併具体案も了承。今後、球団名など細部を詰め、9月8日の臨時オーナー会議で正式に承認されることになる。

近鉄・田代和オーナーは「プロテクトの問題、ダブルフランチャイズの問題についておおよその方向で認められた。まだ決まっていない、専用球場やチーム名については焦らずじっくり詰めていきたい」とホッとした表情を浮かべた。一方、新球団でもオーナーに就任することが決定的なオリックス・宮内義彦オーナーは「1歩前進です。2つのチームのファンには唐突で申し訳ない。関西を代表するチームに育て上げ、これまで以上にファンを惹きつけるチームをつくることが責任だと思っている」と話した。

◇古田「ストの可能性も」

労組・日本プロ野球選手会の古田敦也会長は中日13回戦の試合後、オーナー会議を受けて怒りを抑えながらストライキの可能性に言及した。強張った表情で「そういう権利もありますからね」と話し、9日の12球団選手会長・代表者会議で「議題に上がると思います」と説明。強硬手段に出る可能性も示唆した。

試合直前のニュースで近鉄、オリックス以外にもう1組の合併が進行中であることを知った古田会長は「悲しい出来事」「残念な出来事」と何度も繰り返した。「球界発展のためなら選手も痛みを負う覚悟はある。ただ、本当にこれがそうなのか、選手にもファンにも見えてこない」。選手会事務局には「ストしてでも1リーグ制を阻止してほしい」というメールが何通も届いている。それは古田会長も確認済み。これまでファンの賛同を得られないことからストライキには否定的だったが、最悪の事態も考えて「広くみんなの意見を聞きたい」とした。

再三要求している特別委員会の開催も「協約にも明記されている」と今後も要求していく方針で、古田会長は「僕らの知らないところで話ができ上がっているというのはあります」と悲しそうにつぶやき「選手は選手でやれることが、まだあるんじゃないかと思っている」と続けた。到底納得できない球界再編の流れに徹底抗戦する構えは変わらない。過去に例のないストライキという最悪の事態に発展する可能性も出てきた。

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渡辺オーナー“新日本プロ野球”提案[スポニチ]

オーナー会議の議長を務めた巨人の渡辺恒雄オーナーが球界大改革を断行する考えを明かした。西武・堤オーナーの提案を受けての構想で、10球団による1リーグ制移行後、10球団を頂点とした“新日本プロ野球機構”を発足させ、プロ球団の3軍と社会人が対戦する新リーグで球界全体の活性化を図る。球界の両巨頭が、ついに具体的に動き出した。

オーナー会議終了後、議長として会見に臨んだ渡辺オーナーは1リーグ制移行への強い「決意」を表明した。

「野球界は色々な変化をしながら発展してきた。10球団になったら1リーグにした方がいいという意見が多かった。皆さんはこれまで交流試合をやれといってきたが、1リーグってことは完全な交流試合。新しいカードができることで面白みが増える。現状維持が善であるというのは間違いだ」。

会議では26年ぶりに出席した堤オーナーが新たな合併話を切り出し、渡辺オーナーがそれを補う形で1リーグ制に移行した場合の具体案に言及。2人は91年に「新リーグ構想」が表面化して以来の盟友でもあり、時期尚早論もある中で強力コンビが一気に1リーグ制への流れをつくり出した。

渡辺オーナーの私見では球宴を東西対抗形式として実施。リーグ戦とは別に東西5チームずつに分かれて総当たり戦を行い、東西の勝者が戦うカップ戦の開催、最終的にリーグ覇者とカップ戦の勝者が戦う“日本シリーズ”構想を披露。また「前後期も当然あるかもしれない」と前後期制導入の可能性も示した。

さらに「新日本プロ野球」構想まで話は及んだ。会議の中で堤オーナーが「社会人野球は曲がり角にきている。プロの余ったエネルギーを形にして、底辺を拡大して、野球をもっと盛んにする」と提唱したことを受けて「自分の球団のことだけ考えてやっていたらプロ野球の発展はない。富士山型のプロ野球組織をつくらないといけない」と1リーグを支える新たな下部組織の設立を提案した。

「新日本プロ野球機構のようなものをつくり、2軍、3軍のレベルでアマチュアと一緒になって新しいタイプのゲームを展開する」。新たに3軍を組織し、社会人を取り込んだ形の地域リーグを設けるもので、これは既に堤オーナーが日本野球連盟の山本英一郎会長にも打診済み。近く日本野球連盟でもプロの3軍チームと対戦する新リーグ発足に向けた話し合いが行われるという。実現すれば、今後はマイナー契約の導入など、新たな選手契約の様式が検討される可能性もある。「議論は2ヶ月かければ十分。9月8日(のオーナー会議)にはかなり内容のある結論を発表したい」と渡辺オーナー。2ヶ月後、球界の大変動が現実のものとなる。

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「もう1つの合併」はダイエー&ロッテ?1リーグへ大加速[サンスポ]

プロ野球のオーナー会議は7日、都内のホテルで開かれ、西武・堤義明オーナーからパ・リーグでオリックス、近鉄に続く新たな合併協議が進行しているという衝撃発言が飛び出した。ロッテとダイエーの組み合わせが最有力とみられ、議長の巨人・渡辺恒雄オーナーは、合併がまとまれば9月8日の臨時オーナー会議で来季から1リーグ制移行が決まるとの見通しを示した。誕生から70周年、2リーグ分立から55年目の日本プロ野球は、最大の転機を迎えた。

出席者の想像をはるかに超えた衝撃発言。張り詰めた会議室の空気は驚きと、言いようもない緊張感に包まれた。「議題が処理された後に、堤オーナーから『もう1組の合併が進行中である』という、重大発言がありました」。会見でそのシーンを再現したのは議長の巨人・渡辺オーナー。そして衝撃発言の主はもう1人の主役、26年ぶりにオーナー会議に出席した西武・堤オーナー。タッグを組んだ2人が劇的な球界再編の幕開けを告げた。

「衝撃的だった。皆さんショックを受けているようだった」とは中日の白井オーナー。本来、オリックスと近鉄の合併問題について話し合われる予定だった会議は、堤発言をキッカケに様相が一変した。渡辺オーナーを除き、各オーナーさえ言葉を失う急展開だ。それは記者会見後も同じだった。感情的になった記者に言葉を荒らげる根来コミッショナー。呆然と会場を後にするオーナー陣とそれを追う報道陣。会場の混乱はそのまま衝撃の大きさを物語った。

西武・堤オーナーは会場を変えて行われた記者会見で「パ・リーグはもう1つ脱落したら壊滅的になる」とし、西武、ダイエー、ロッテ、日本ハムの4球団で新たな合併協議を進めていることを明かした。合併する球団については明言を避けたが、最右翼は1リーグ推進派で、この日も『(ロッテは)合併を目指すのか?』という報道陣の質問に重光昭夫オーナー代行が「そうですね」と語ったロッテとみられる。

相手は、やはりこの日、ダイエー本社の土谷忠彦常務が「あらゆることに対応できるよう検討する」と合併に前向きな姿勢を見せたダイエーが有力。ほかにも数通りの組み合わせがあり、9月8日の臨時オーナー会議までに調整される。渡辺オーナーは従来通り、10球団なら1リーグ制が望ましいとの立場で、9月のオーナー会議までに合併がまとまれば来季から1リーグ制を実現させる。さらに私案、また堤オーナー案などを紹介する形で東西別制、前後期制でのペナントレース、またアマと協力して2軍、3軍を各都道府県に置く“新日本プロ野球機構”など今後のビジョンを明かしている。

しかし、あまりに急激な再編の動きに、戸惑いがあるのも事実だ。オーナー会議の出席者でもある広島・松田元オーナーは「あまりにも早すぎる。もっと慎重にすべきだ。あまりにも経営者サイドでものを見すぎだと思う」と指摘。選手会からは激しい抵抗が予想される。やり方を誤れば、さらにファン離れに拍車がかかる危険性さえはらんでいる。

「現状維持が善であるというのは間違い。エゴを捨てて、富士山型のプロ野球組織をつくっていかなければならない」。この日の会議前、堤オーナーと固く握手を交わして会議場に向かった渡辺オーナーは、確固たる口調で言い放った。まさに歴史的な1日。プロ野球界は、もう後戻りのできない、新たなステージに足を踏み入れた。

◇ロッテ・重光オーナーも「来季は10球団」

ロッテの重光武雄オーナーは7日、都内で取材に応じ、この日のオーナー会議で西武の堤オーナーが新たな合併を模索すると発言したことに「(西武を含めた3球団から)話があれば対応します」と、改めて合併に前向きな姿勢を示した。重光氏はオーナー会議を欠席していた。また、来季について「9月までに結論が出るでしょう」との見通しを明かし、根拠は不明ながら「(来季は)10球団になるでしょう」と言い切った。

◇日本ハム・大社球団会長は合併否定

オーナー会議と西武・堤オーナーの会見を受け、日本ハムの大社啓二球団会長は、札幌ドームで緊急会見。「(合併を)持ちかけられたこともないし、そういう話は全くない」と合併の可能性を完全否定した。さらに「合併には相当なエネルギーが必要。ウチの場合、北海道に来て頑張っているところだし(合併へエネルギーを)割いている場合じゃない」と、改めて来季以降も単独チームで臨むことを強調した。

ダイエー・中内正オーナー
「(5球団になる)現状ではパ・リーグは(運営が)難しいし、何らかの形でパ・リーグの中でもう1つ統合できないかという話が出た。それを次回のオーナー会議までに検討していこうということになった。」

◇さらに1球団減となると…

渡辺オーナーは「もう1球団合併となっても、否認する理由はない」と説明。雇用確保を図るのは当然で、オリックスと近鉄の合併のために12球団代表者会議で合意した選手救済のためのプロテクト案は、もうワンペアについても適用されそうだ。だが、2球団分の選手の雇用を確保するには、残り球団がウェーバーで救済する選手は倍増することになる。野球協約57条2項で支配下選手枠を80人まで拡大できるが、他球団の人件費を圧迫する懸念も生まれる。一方で渡辺オーナーらが提案した3軍制を実現するには、協約に定める支配下選手数や最低年俸(440万円)の撤廃が不可欠で、抜本的な協約改正が必要になる。

◇協約改正などを議決

オーナー会議では合併問題のほか、暴力団等排除に対応するため、野球協約180条の改定を議決し、合併に関連する条項を含む野球協約の不備をカバーするための改正作業を根来コミッショナーに一任することで合意した。さらに来年3月の開催を目指して米大リーグ機構と大リーグ選手会が示してきた、スーパーW杯の開催要項は承認できないとの意見でまとまった。

◇小池パ会長「連盟職員の雇用確保を」

パ・リーグの小池会長は1リーグ制に移行した場合の問題として「(連盟)職員の雇用を無視して進められては困る」などと発言した。ただし、連盟の立場としてはパの球団が新たな合併を模索する動きに対して、どうすることもできないのが現状。同会長は「50年にわたって2リーグが続いてきた。個人的な見解を言えば、できるならば2リーグ制で切磋琢磨した方がいい」と話した。

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全ては「渡辺・堤タッグ」のシナリオ通り[サンスポ]

会議に出席した各球団のオーナーさえ知らされていなかった『もう1つの球団合併』。巨人・渡辺恒雄、西武・堤義明両オーナーの描いた通りに進行したオーナー会議。そしてシナリオ通りに実現しようとしている1リーグ制。球界再編は、パワーゲームでまさる2人の思惑が、そのまま反映される形となった。

2人のオーナーの行動はあまりにも象徴的だった。直前にガッチリと固い握手を交わして会議場に向かったシーン。そして会議後、舞台を変えてほぼ同時刻に開いた会見で、球界の将来像を語る姿。渡辺・堤の両オーナーのシナリオ通りに、全ては進行した。

「各球団がエゴを越えて、魅力あるプロ野球を作っていかなければならない」と、渡辺オーナーは会見で強調した。しかし、巨人と公式戦を行うことができる1リーグ制移行は西武にとって、球団創設時からの悲願。経営的にも頭打ちの状態から脱却する、最後の一手だったともいえる。

オリックスと近鉄が合併し、5球団となったパ・リーグの運営はもはや不可能。この機を逃しては1リーグ制はあり得ないと判断した西武は一気に球団削減に着手。しかも、ロッテなど他球団に合併を促し、自らは手を汚さずに球界再編を進めるという手段。進行中の合併話をわざわざ明かし、しかも「古株の私がパの話を集約しました」(堤オーナー)などとうそぶいてみせた。

一方の渡辺オーナーも驚くセ各球団オーナーをヨソに「もうワンペアができれば9月のオーナー会議で(来季の)1リーグ制について取り決めしたい」。その動きはあまりにも急。雇用の確保などを理由に、選手会の唱える異議、抵抗にも取り合う素振りさえない。

確かに現行の野球協約で言えば、プロ野球の運営はオーナー会議の議決が最大の決定権とされている。その意味では巨人と西武のタッグ、両オーナーのシナリオは、見事なまでの手順で実現に近づきつつある。

しかし、経営者側だけの理論にこれまでのプロ野球を支持してきたファンが、理解を示すかどうかは疑問。球界再編がまだ波乱含みであることは間違いない。

◇渡辺オーナー、再編を強くアピール

すでに渡辺オーナーの視点は、定まっていた。議長を務めたオーナー会議では、自身が唱え続けた1リーグ制移行に向けて意見をまとめた。

渡辺オーナー
「10球団なら1リーグにした方がいいという意見が多かった。十分、協約を改定するに足る数字になる。色んな意見が出たが、最終的な決定には反対はしないということになった。」

夜にはNHKのニュース番組に出演。「堤さんは(もうワンペアが)“もしできないなら、パは解散だ”とまで言った」と舞台裏を明かした。選手会の合併1年先送り案にも「政党の合併や連立内閣も、1、2年かけてやるものではない。1ヶ月前後で決断するものだ」と一蹴。球界への危機感と、再編への意欲を再び強くアピールした。

◇堤オーナー「1リーグで全球団が黒字に」

オーナー会議が開かれた帝国ホテルから、自らの庭、東京プリンスホテルに場所を移して行われた堤オーナーの会見は、文字通り“独壇場”だった。西武球団を保有した昭和53年以来、2度目の同会議出席。これまでは星野好男球団代表を“窓口”にして見解を述べていたが、この日は自らの言葉で来季の10チーム1リーグ制の必要性を淡々と説いた。

堤オーナー
「近鉄とオリックスが合併して、来季5チームでパ・リーグをやる中、またどこかが脱落したらパ・リーグは壊滅する。それなら先手を打って、4チームにして、セ・リーグと同じにする方が賢明ということ。」

人気の低下が続く中、赤字運営を強いられているパ・リーグ各球団。さらなる消滅球団が出てしまう前に、もう1組合併せざるを得ないと強調。合併球団については「模索している段階」として具体名を挙げるのを避けたが、9月8日のオーナー会議までに煮詰めていくと説明した。

また、巨人・渡辺オーナーが提唱した3軍構想についても言及。1、2、3軍に各10チームを置く私案を展開した。従来通り、1軍と2軍の選手入れ替えに規制はないが、3軍に登録された選手は1年間は昇格できず、じっくりと育てられる。さらに3軍と社会人チームが戦う、都市対抗とは別の新社会人リーグのプランも明かした。

「私は(1リーグ)10チームで上手くいくと思う。全球団が黒字になるのではないか。3軍を作ることでも活性化されるでしょう」。“球界発展のため”と力説した堤オーナー。まだ道筋は見えないが、政財界に睨みをきかす西武の総帥が立ち上がったことで、球界再編の波が高まることは間違いない。

◇堤オーナーに聞く

≫オーナー会議で西武として提案したのは。
堤オーナー
「現在見ていて、プロといえない試合がいくつかある。だから10球団になって密度の濃い球団になった方がファンの興味を惹くということ。それに今の2軍は1軍に選手を供給している状態。そうじゃなく、審判や(連盟の)事務局の人に今まで通り働いてもらって野球を盛んにするには、(巨人の)渡辺さんが言っていたいように、3軍を作ってみてはどうか。」
≫具体的には。
堤オーナー
「(1リーグで)10球団で3軍を作ると30チームになる。チーム数も増える。社会人もチーム数が減っているし都市対抗(出場)以外のチームも加えてリーグというか新野球機構を作ってはどうか。」
≫オーナー会議で堤オーナーが新たな合併案を提案されたそうだが。
堤オーナー
「パの球団が減ったら壊滅するし、セにとってもいいことじゃない。今日はセのオーナーにご理解を求めた。今は西武、日本ハム、ロッテ、ダイエーと、どことどこが一緒になるか模索中。話を積み上げていって、9月8日のオーナー会議にかけたい。」
≫西武が合併する可能性は。
堤オーナー
「可能性はある。パは全部が赤字。球団が減ったままでは企業イメージも悪くなる。こういう時代だし、新しい事業展開をするとか、採算のとれるプロ野球に変わっていかないと。パ5球団でやって1つ脱落したら壊滅する。先手を打って合併して4球団になって、セにお願いして1リーグでやってくれという方が懸命だ。」
≫4球団で合併を検討し始めた時期は。
堤オーナー
「近鉄とオリックスの話が報道で出た時期。来季5チームでできるのかと思った。」
≫西武が合併した場合、どこになるのか。
堤オーナー
「相手は3つしかない。それ以外は考えていない。」
≫4球団での合併の話は西武が推進しているのか。
堤オーナー
「みんなで相談して考えている。私からいったことじゃない。みんなの意見を集約してセにお願いした。」
≫選手会は近鉄とオリックスの合併を1年延ばしたらといっているが。
堤オーナー
「選手会は(合併の)中身が分からない段階でびっくりされたのでは。私の話を聞いていただければ、選手を失職させる問題はおきない。」
日本ハム・小嶋武士オーナー代行
「将来を見据えて改革していかなければならない。その中でさらなる統合が出た場合、新しい方向に向かう可能性もある。いずれにしてもパ・リーグ5、セ・リーグ6球団という形では無理だろう。」
中日・白井文吾オーナー
「オリックスと近鉄(の合併)については大した議論が出なかった。もう1つ合併球団が出るということが私にとっては衝撃的だった。皆さんもショックを受けているようだった。(堤オーナーが)特別に会見を開くというから、何か爆弾発言は予想していたが…。」
広島・松田元オーナー
「堤オーナーがもう1つ合併の可能性があると発言してびっくりしたが、広島で健全な形で球団の運営をするのが私の使命。6月に(近鉄とオリックスの)合併の話が出てあまりにも話が早く進みすぎる。もっと慎重にすべきだ。あまりにも経営者サイドでものを見すぎだと思う。」
ヤクルト・堀澄也オーナー
「1リーグがいいのか、2リーグがいいのか決まっていない。9月のオーナー会議には具体的な案が出てくると思う。大事なのは選手、職員の救済を考えること。」
横浜・砂原幸雄オーナー
「(オリックスと近鉄の合併を含めた)先の実行委員会で了承されたことを合意した。9月上旬の会議では協約の改正も検討したい。横浜の合併?何回も言っているが考えていない。新しい時代、パの成り行きを見ていきたい。」

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「カップ戦」「東西対抗」1リーグ渡辺案次々披露[サンスポ]

すでに視点は定まっていた。自ら議長を務めたオーナー会議で、巨人・渡辺恒雄オーナーは唱え続けてきた1リーグ制移行に向けて意見をまとめた。

渡辺オーナー
「10球団なら1リーグにした方がいいという意見が多かった。十分、協約を改定するに足る数字になる。色んな意見が出たが、最終的な決定には反対はしないということになった。」

もはや議決は確実で、確約すらとった形。そして会議後の会見、さらに夜の都内での会食後には、次々と1リーグ公式戦の「私案」を披露したほどだった。根幹をなすのは10球団総当たりの『ペナントレース』。14回戦制なら126試合だが「前期後期制も1つの方法かもしれない」。その場合、前後期覇者による『日本シリーズ』は残る。さらに、東西5球団に分かれて2回戦制のリーグ戦を行い、東西の覇者が優勝決定戦を争う『カップ戦』の実施。ペナントレースとカップ戦で、現行2リーグ制での公式戦140試合を確保できる。

渡辺オーナー
「ペナントをとるチームもあり、東西対抗の旗をとる球団もある。両球団が争えばもっと面白い。」

Jリーグではチャンピオンシップ王者と天皇杯覇者による「スーパーカップ」が行われているが、同様の『王座決定戦』の可能性も示した。さらに、盟友の西武・堤オーナーが、底辺拡大へ『新日本プロ野球機構』の創設を提案。現在プロ球団のない37府県の中に、10球団の2、3軍のフランチャイズを置く。残る県には社会人野球を統括する日本野球連盟の加盟チーム(現在約90チーム)が参加し、プロの「マイナーリーグ」を統合する。地方の大型スタジアムも活用できる。

渡辺オーナー
「富士山型のプロ野球組織をつくらなければならない。てっぺんには1リーグ、1軍戦がある。2軍、3軍が底辺を広げる。さらに中国、韓国、台湾と進出していく。」

将来のアジア進出まで持論を展開した渡辺オーナーは、夜にはNHK総合テレビのニュース番組に出演。「堤さんは(球団合併が)“できないなら、パは解散だ”とまで言った」と舞台裏を明かした。選手会の合併先延ばし案を「政党の合併や連立内閣も、1、2年かけてやらない。1ヶ月前後で決断するもの」と一蹴。一気に球界再編を成し遂げる決意だ。

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「悲しい出来事」選手会・古田会長、ストも辞さず[サンスポ]

労組・日本プロ野球選手会会長の古田敦也捕手は7日、日本球界初となるストライキも辞さない姿勢を固めた。選手不在のまま、パ・リーグで新たな合併が進む現実に「悲しい出来事。ストライキの権利もあるし、議題に上がるでしょう」と明言。9日に大阪で開かれる選手会臨時大会で、スト断行について話し合う意向を示した。

選手、ファン不在のまま急展開する球界再編の流れに、に選手側が“最後のカード”に手をかけた。ナゴヤドームで行われた中日戦後、古田はユニホーム姿のままで特別会見。「ストライキの権利はもちろん、ありますからね。9日(選手会臨時大会)に議題にあがるんじゃないかと思います。過去70年のプロ野球の歴史の中でも大きな転機ですから、みんなの意見を参考にしてやっていきたい」。口調は強く、切実だった。

選手会側は5日、近鉄とオリックスの合併の1年延期を経営者側に訴えたばかり。しかし、この日のオーナー会議では近鉄、オリックスの合併具体案がなし崩し的に承認され、新たにパ・リーグ2球団で合併協議が進行している事実まで発覚した。この2日間で、事態は予想を超える急展開。球界の労組として、最終手段の検討にまで入らざるをえなくなった。

衝撃の一報は、中日戦前のロッカールームに飛び込んできたという。「試合の直前、5時台の後半のニュースで知りました。悲しい出来事。僕らの知らないところで話し合いが出来上がっていたんだなぁと思った」。公式戦を戦う選手を無視してグラウンド外で展開する状況に、古田は強い憤りを覚えたという。選手やファンがカヤの外に置かれる状況。選手会の松原徹事務局長も「もう1ペアが合併されることになれば、純粋に4チームのファンがいなくなる計算。選手会が頑張るしかない」と徹底抗戦の姿勢を見せた。ストライキが行われれば、公式戦が一時中断してファン離れを招く懸念もあるが、「この2日間でファンの声も聞こえてくると思うから」と古田。世論を味方につけて、最後の手段を辞さない構えを強めている。

◇古田に聞く

≫新たな合併協議が発覚しましたが。
古田
「悲しい出来事。2日後(9日)に12球団の選手会長が集まるので、話し合うことになる。」
≫近鉄、オリックスの合併案も承認されました。
古田
「今の今までゲームに出てたし…。対応を考えないといけないと思う。まだちょっと分からないので、色んな人に連絡をとりたい。」
≫選手会の求める特別委員会の招集も認められていません。
古田
「(特別委については)協約にも明言されている。選手やファンの意見を無視して進めて欲しくない。これからも要望していく。」
≫選手側の打つ手は。
古田
「まだ始まったばかりですから。(10球団を)ファンも望むなら僕らも考えますけど…。」

◇近鉄・礒部会長も「話し合いの場作って」

近鉄の礒部選手会長は日本ハム戦(札幌ドーム)後、オーナー会議でオリックスとの合併が承認されたことについて「選手として残念」と無念そうな表情。もう1組の合併が浮上したことについても「選手達は12球団でやりたい気持ちがある。絶対納得しないので、話し合いの場を作って欲しい」と機構側へ向け強く要望した。

労組選手会・立浪和義副会長(中日)
「選手やファンを無視して決めるのは問題。ファンも黙っていないし、選手会も何らかの形で抵抗しないといけない。」
近鉄・中村
「上の人から説明を聞いていないので分からない。何も言うことはできない。」
日本ハム・小笠原
「1リーグ制の動きは)今初めて聞いたので、急にはコメントできない。」
ロッテ・小林雅
「直接説明を受けた訳ではないので、何を話していいのか分からない。」

◇合併問題に対する選手会の対応

6月14日
近鉄、オリックスの合併合意の発表に、古田選手会長は「必要ならば選手会として何らかのアクションを起こすことになるかもしれない」。
6月18日
古田選手会長が、合併問題を話し合う特別委員会の開催を要望する文書を豊蔵一セ・リーグ会長あてに送付。松原徹事務局長は「合併しかないという結論は早計で、特別委員会が開催されれば(買収を望む社を)調査する方法も考えています」。
6月30日
ライブドアの近鉄買収表明を受けて、古田会長は「選択肢が増えたという意味でもありがたい話」と歓迎。また、「興味がある企業は1社だけじゃないとも聞いている」と買収に興味を示している企業が他にもあることを示唆。
7月4日
合併に納得できない近鉄ナインが署名運動などの行動を起こすことに、古田会長は「もちろん選手会としてもバックアップします」と約束。
7月5日
労組・日本プロ野球選手会と機構側による協議交渉委員会が開催。両球団の説明に納得できない古田会長は「色んな手段を考えなければいけないかも」と法的措置、ストライキの可能性を示唆。

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近鉄&オリックスの合併はひと段落[サンスポ]

オーナー会議の合併具体案の承認を受け、合併新球団のトップとなるオリックス・宮内義彦オーナーは、近鉄の田代和オーナーと共同会見。6月13日に明らかになった“第1”の合併問題はひと段落した。

球界再編の引き金を引いたオリックス・宮内オーナーと近鉄・田代オーナーは、会議の議長を務めた巨人・渡辺オーナー、根来コミッショナーと会見に臨んだ。「各オーナーから大筋で了承され、ご異論はなかったので、1歩前進したと思います。2つのチームのファンには突然で申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、関西を代表するチームに育て上げたいと思っています」。

宮内オーナーはホッとした表情を浮かべ、将来像にまで言及した。田代オーナーも「大きな進歩があって、私としてはありがたく思っています。合併が実のあるものになると自信をもっています」と、肩の荷が下りた様子だった。

今後は合併作業が本格化する。8日にはオリックス・小泉球団社長が千葉マリンで、近鉄・小林球団社長が札幌市内のホテルで、それぞれ選手、スタッフに経緯を説明。合併反対を表明した労組・プロ野球選手会との話し合いは残されているが、オーナー会議で具体案が承認されたことで、25日間続いたオリックス、近鉄の合併問題は大きな節目を迎えた。

◇宮内オーナー、もう1つの合併には「虚を突かれました」

近鉄との合併の方向性が大筋で了承されたオリックス・宮内オーナーも、西武・堤オーナーのもう1つの合併提案には「虚を突かれました」と驚きを隠さなかった。「大きな流れとしては何かあるかな…という予感、可能性はありましたけど…。前触れがなかった?私にとっては」と苦笑い。とはいえ、より1リーグ制への流れが強まったのは事実で「日本の野球の頂点を強くして、裾野を広げる。富士山のような形にしていく」という球界再編を語る口調には、力がこもっていた。

◇ライブドア堀江社長はそれでも買収諦めない

近鉄買収を表明しているインターネット関連サービス「ライブドア」の堀江貴文社長は7日、この日のオーナー会議の討議について自社ホームページに談話を掲載した。

この中で堀江社長は「ファン及び選手不在で話が進行しているのではないか、との印象をまずは強く受けました」と密室での決定を批判。「私どもは、このような状況にありましても諦めてはおりません」と、今後も買収に向けた働きかけを続けると表明した。東京・六本木ヒルズ内の本社には近鉄ファンから託された寄せ書きが飾られるなど、「数多くのプロ野球ファンの皆様からは、弊社宛てに多くの激励を頂いております」と野球ファンの支持を背に努力するとしている。

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堤オーナー「パで合併もう1組」[報知]

◇本命はダイエーとロッテ

プロ野球オーナー会議が7日、都内のホテルで開かれ、西武の堤義明オーナーが近鉄・オリックスに続く、新たな合併協議が西武、ダイエー、ロッテ、日本ハムのパ・リーグ4球団間で進行していることを認めた。持論の1リーグ制実現へ、西武の合併の可能性も匂わせながら、ダイエー・ロッテの合併を推し進めようとしたと見られる。近鉄・オリックスの合併に関しては、事実上、承認され、来季から10球団による1リーグ制へ移行することが、ほぼ決定的となった。

衝撃発言に記者会見場の空気が一変した。オーナー会議の議長を務めた巨人・渡辺恒雄オーナーが、会議後の会見で西武・堤オーナーの発言を紹介した時だった。「もう1組の合併話が進行中であるということです」。一瞬、会場は水を打ったように静まり返った。

約1時間後、別のホテルで「渡辺会見」を受けた、西武グループ総帥は「発言の真意」を説明する会見を開いた。「西武、ダイエー、日本ハム、ロッテの4球団で、どことどこが一緒になれるか模索している段階です」と、新たな合併球団があることを発表した。

動きは迅速だった。近鉄、オリックスの合併が新聞紙面で明るみに出た直後に、1リーグ制での球界再編を模索。5球団でのリーグ運営は、デメリットが大きすぎると、「10球団での1リーグ制」への流れを推進する方向性を決めた。もちろん、球界の繁栄、発展を見据えての発言。「現在、プロとは言えない試合がいくつかある。10球団になって中身の濃い試合にしなければならない。ファンの方も興味をもってくれるのでは」と主張した。

これによって、生じる問題点についても、持論を展開して見せた。巨人・渡辺オーナーが提案した3軍制に賛同。「10球団で3軍だと30チーム。12球団で2軍制の24チームよりも増える」と支持する理由を説明した。

近鉄、オリックスの両球団合併発表以来、1リーグ移行の話は様々な形で取り沙汰されてきた。今回のオーナー会議でも、前進はしないと予想されていたが「堤発言」で状況は一変。進行中の話の公表で、リーグ統一の流れは一気に加速度を増してきた。

西武の吸収、合併の可能性についても「ありますよね。それは」と、10球団1リーグにこだわると強調した堤オーナー。球団創設以来、26年ぶりのオーナー会議出席で「衝撃発言」と「動き」を見せることによって、さらなる球界再編を促した。

◇話があれば受け入れる

ロッテ・重光昭夫オーナー代行と濱本英輔球団社長が7日、東京・西新宿のロッテ本社で会見を開き、改めてパ・リーグ球団との合併を受け入れる姿勢を示した。重光代行は「球界発展のためには、何かをやらなければいけない。合併の話があれば、そういう方向で話を進めていきたい」と話した。

オーナー会議後に開かれた緊急会見で、ロッテの姿勢を明確にした。重光代行は「自分達の方から(合併を)持ちかけることはない」とし、積極的に合併を提案することは否定したが、他球団から合併の相談を受けた場合は前向きに検討していくことを明かした。ロッテは、近鉄・オリックスの合併が表面化した6月に5球団での運営をシミュレーションした結果、経営が壊滅的打撃を受けることを確認した。その時点で、ロッテとしては10球団1リーグの構想を固めたという。

「西武の堤オーナーから1リーグへ向けていこうという提案があって、セ・リーグも含めて反対する球団はなかった。5球団では難しいというのは共通認識。中長期的な視野で臨みたい」と重光代行。プロ野球発展のために、自ら改革の波に飛び込む決意だ。

◇あらゆることに対応へ

ダイエー本社のホークス管掌役員、土谷忠彦常務取締役は7日のオーナー会議終了後、本社の見解として「オーナー会議や今後の論議を踏まえながら、あらゆることに対応できるよう検討を進めてまいります」と、ロッテとの合併へ前向きに転じたとも受け取れる声明を発表した。

本社サイドはこれまでダイエー球団の合併には否定的で、中内オーナーが3日、「僕にもそういう(合併)考えはある」と合併を視野に入れる発言を行った際にも、同常務は「合併とかは全く考えていない」と答えていた。だが、この日のオーナー会議ではもう1組の合併と、その先の1リーグ制への明確な道筋が示された。経営再建に全力を注ぐあまり、球界再編には強い関心を示していなかった本社側も「あらゆることに対応」と、対応を改めざるを得なくなったようだ。

しかし、ダイエー球団の高橋広幸球団社長は西武戦(福岡ドーム)終了後、本社が出した声明について「言葉足らずだった」と釈明。「(あらゆるとは)1リーグ、2リーグに関しての対応のこと。合併は全く想定していない」と補足説明した。

◇『3軍制』堤オーナーが提唱

西武の堤オーナーが球界改革として、プロと社会人合同で各軍10チームずつの3軍制を敷くことを提唱。これに全日本アマチュア野球連盟の山本英一郎会長も賛同していることが7日、分かった。会見で堤オーナーは、球界構造改革にも踏み込んだ。「(巨人の)渡辺オーナーから『3軍を作ってはどうか』という話があり、私も賛成した。1軍、2軍、3軍が10チームずつで計30チーム。今までの24チームより増える。3軍を社会人野球と同じレベルに置いて3軍と社会人で同じリーグを作る」とプロアマ合同の新しい野球組織を作るプランをぶち上げた。

山本会長もこの日、堤オーナーに賛同を表明した。都内で取材に応じた同会長は、前日(6日)に堤オーナーと電話で連絡を取り合ったことを明かし「仲良くやろうというのは基本的に賛成。私もプロアマ1つの団体にしたいと思っていた。どうやったら双方にメリットがあるか。これから話し合う」と説明した。また同会長は、巨人の渡辺オーナーとも意見交換を続けてきたことを明かした。「去年の暮れごろから球界について話し合いをしてきたのは事実。堤さんとは五輪を通じて考え方が合う。そこに渡辺さんも近づいてくれた。渡辺オーナーは立派だと思う」と明かした。渡辺、堤、山本の球界3首脳が団結。今回の球界再編劇で「プロアマの雪解け」は「プロアマ統一」にまで突き進む可能性が出てきた。

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渡辺オーナー東西総当たり戦構想[報知]

◇1リーグ実現後のシナリオ着々

オーナー会議の議長を務める巨人の渡辺恒雄オーナーが7日、1リーグ制実現後のチャンピオンシップについて、東西の総当たり戦を開催する構想を披露した。

渡辺オーナーは1リーグ実現のメリットについて、これまでプロ野球の活性化のためにセ・パの交流試合の必要性が叫ばれてきたことを例に出し、「1リーグは完璧な交流試合。色々なカードができることで面白みが増す。大阪の新球団と巨人が戦ったり、価値あるカードができる」と説明。西武の松坂対巨人打線、巨人対ダイエー戦など夢のカードが日常的に開催され、ファンの関心も高まると期待した。一方、想定される課題も多い。それがチャンピオンシップとオールスター戦の問題だ。1リーグ制となれば現在のような形の日本シリーズは消滅。ペナントレースの緊張感が低下する。これでは1リーグの実現は目新しさを生むだけで、長期的なプロ野球人気の復興にはつながらない。

そこで渡辺オーナーはペナントレース終了後、「10日間から2週間で覇者が決まるだろう」と東地区と西地区に分けた総当たり戦の開催を提案。その優勝チームとペナントレースの優勝チームでチャンピオンシップを争い、日本一を決める私案を披露した。

オールスター戦については「東西対抗オールスターだ」と全イースタンと全ウエスタン対抗の形で開催。渡辺オーナーの計算では、ペナントレース、東西総当たり戦、チャンピオンシップ、球宴を合わせて140試合程度になるという。

プロアマの協力も強調。「球団がない県が30県以上ある。立派な球場を持っている県もある」と、プロ球団に3軍制を導入し、社会人などのアマチームと試合を行い、プロを頂点とした「富士山型の組織を作っていく」とぶち上げた。さらに、「国際的にも進出していく」と韓国や台湾、中国との「アジア選手権」構想も披露。近鉄とオリックスの合併をきっかけに、自らリーダーシップを取って本格的な球界再編に乗り出す考えだ。

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近鉄、オリックス合併GOサイン[報知]

◇9月8日のオーナー会議で正式承認

近鉄とオリックスの合併に関して、この日のオーナー会議では、合併に向けての手続きを進めることを了承した。5日の12球団代表者会議では大阪、神戸のダブルフランチャイズ制を敷くこと、優先保有(プロテクト)選手を25人とすることなどを確認している。議長を務めた巨人・渡辺オーナーは「各球団の代表レベルで保護地域、選手の配分の問題など大筋の理解がまとまったので、オーナー会議として、その方向を認める」と話した。

しかし、新球団名や専用球場をどちらにするか、合併形態の詳細など未決定の部分があるため、渡辺オーナーは「9月8日、もう1度オーナー会議を開いて、そこではっきりした決着をつけられるように努力していきたい」と説明。オーナー会議としての正式な合併承認は当初の予定通り、9月になることを明言した。

また、合併のために必要な協約の改正に早急に着手することを表明した。「これも9月にまとめられるように根来コミッショナーに草案をまとめていただきたい」と渡辺オーナー。今後は臨時の実行委員会、12球団代表者会議を随時、開催し、正式承認までに必要な細部を詰めていく。

◇オーナー会議で承認された合併具体案

一、
合併球団の優先保有(プロテクト)枠は25人。
一、
選手配分に対応するため、支配下選手枠を現行の70人から80人に拡大。
一、
3年間に期限付きで新球団に大阪、兵庫の地域権を認める。
一、
参加料30億円を免除する。

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古田選手会会長、スト行使も[報知]

◇9日の合同会議で議題に

日本プロ野球選手会・古田敦也会長が初めてストライキに踏み切る可能性を示した。7日のオーナー会議で近鉄・オリックス以外のパ・リーグ球団で合併話が進行中であることが判明。来季からの1リーグ制移行が一気に加速したことを受け、「そういう(ストライキの)権利はありますから」と強硬手段も辞さない姿勢を見せた。

試合後、ナゴヤドーム内の会見場に現れた古田の目は怒りと悲しみで真っ赤に充血していた。「何て言ったらいいのか、悲しい出来事なんですが…」何度も言葉を詰まらせながらも、「スト?9日の(球団代表・選手会長合同)会議で議題に上がるでしょうね。12球団の選手会長と話し合いたい」と明言した。これまではファンのため、一貫してストライキを否定してきた古田。しかし、選手会を無視して進む球界再編の動きに、我慢の限界がきた。「70年の歴史の中で数回に入る転機。なぜ、(再編の)理由も話してくれないのか」と熱弁。この日のオーナー会議では選手会が要求していた特別委員会の開催も却下された。「(特別委員会は)協約に明記されているし、選手、ファンを無視して進めて欲しくない」と強く反発した。「僕らの知らないところで話はできているんだなという感じ」と落胆の色を見せた古田。ストライキ行使の判断基準については「今日の今日なので、これから」と言葉を濁したが、最後のカードを切る覚悟が固まったことは間違いない。

◇「4球団の選手に影響」

選手会の松原徹事務局長は1リーグ制加速について「シナリオ通りなんじゃないですか。予想はしてましたけど」と怒りをあらわにした。「2球団だけではなく、4球団の選手に影響が出てくる問題で、見過ごす訳にはいかない」とし「1リーグで何を望んでいるのか。ファンに何を訴えたいのか見えてこない」とオーナー会議を批判した。

9日の球団代表・選手会長合同会議で説明を求め、10日の選手会総会で意見をまとめ、プロ野球実行委員会(議長・セ豊蔵会長)に特別委員会の招集を求める方向だが、オーナー会議議長を務める巨人・渡辺オーナーはこの日の会見で「特別委員会を招集する必要はない」と話し、選手会の主張は退けられた形だ。ヤクルト・堀オーナーは「選手会とはお互い歩み寄らなければいけない。対立意識を持っていては成り立たない」と話し合いに理解を示しており、そこからどう糸口を見いだせるか。

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パでもう1組合併?来季1リーグ制移行か[ニッカン]

プロ野球のオーナー会議が7日、東京都内のホテルで開かれ、オリックスと近鉄の合併に続き、パ・リーグでもう1組の合併協議が進んでいることが明らかになった。合併協議の進行によっては球界再編は一気に加速し、来季から10球団による1リーグ制に移行する可能性が高まった。

近鉄・オリックスの合併を事実上、承認したオーナー会議では、西武の堤義明オーナーが、パ・リーグで新たな合併協議が進行していることを報告した。会議後に記者会見した堤氏は「まだ具体的に発表できない。西武、日本ハム、ダイエー、ロッテの中で、どことどこが一緒になるか模索している」と述べるとともに「来季からの10球団1リーグ制を希望している」と語った。

オーナー会議の議長を務める巨人の渡辺恒雄オーナーは会議後の会見で、もう1組の合併協議が進めば、早ければ9月8日のオーナー会議で来季からの10球団による1リーグ制が決まるとの見通しを明らかにした。渡辺氏は「10球団になれば1リーグ制の方がいい。パはみんなそうだし、セでも賛同するオーナーが多い」と述べた。

さらに渡辺氏は、1リーグ制になった場合は、10球団を東西に分けて、日本シリーズやオールスターゲームを行う方針も示した。近鉄・オリックスの合併では、合併新球団の優先保有(プロテクト)枠25選手や3年間の期限付きで合併球団に大阪府と兵庫県の地域権を認める、などの具体案を承認。今後、さらに必要事項を協議し、9月のオーナー会議で正式に承認する。近鉄の買収を名乗り出たインターネット関連サービスの「ライブドア」について、渡辺氏は「会議の議題にも話題にもならなかった」と述べた。

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堤オーナー、2つ目合併案はパの共通認識[ニッカン]

西武の堤義明オーナーが7日、記者会見しパ・リーグで新たな合併協議が進行していることを報告した。会見は「会場が混乱するから」との理由でホテルを変えて行われ、10台のテレビカメラと大勢の記者を前に、終始落ち着いた表情で持論を語った。

1リーグ制移行のための2つ目の合併案はオリックス、近鉄の合併が公になってすぐに持ち上がったという。「『来季5チームでできるの?』と各チームが思った。私が推進している訳じゃない。集約してセに伝えただけ」と赤字に苦しむパ・リーグの共通認識であることを強調した。肝心の合併球団については明言を避けたが「時間がない。9月8日(のオーナー会議)までに新しい方向を」と、具体的な話が進行していることをうかがわせた。また、10チームでの1リーグ制に伴い3軍制の導入を提案。減少する社会人野球チームの受け皿も兼ね、アマ球界と話を進めていることを明らかにした。「10球団がピラミッドの頂点となって、上手くいくと思っている」と強く訴えた。

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ロッテ重光オーナー「来季10球団になる」[ニッカン]

ロッテの重光武雄オーナーは7日、東京都内で取材に応じ、この日のオーナー会議で西武の堤義明オーナーが新たな合併を模索すると発言したことを受け「(西武を含めた3球団から)話があれば対応します」と、これまでと同様に合併に前向きな姿勢を示した。重光氏はオーナー会議を欠席していた。また、重光オーナーは来季について「9月までに結論が出るでしょう」との見通しを明かし、根拠は不明ながら「(来季は)10球団になるでしょう」と言い切った。

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ダイエー「あらゆることに対応を」[ニッカン]

プロ野球オーナー会議を受けて、ダイエー本社の土谷忠彦常務(球団担当)は7日、本社としての見解を発表し「オーナー会議や今後の論議を踏まえ、あらゆることに対応できるよう検討を進める」との方針を表明した。他球団との合併や売却の可能性については、高橋広幸球団社長が4日に否定していた。土谷常務は見解の中で、合併の可能性について言及していないものの、柔軟な対応を打ち出しており、注目される。

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