わたしはかもめ2004年鴎の便り(7月)

便

7月9日

全イ10−0全ウ(大阪ドーム)

イースタンが15安打、10得点を挙げ大勝した。イースタンは1回、岩館(巨人)の2点適時打で先制。2回には、矢野(巨人)のソロと吉村(湘南)の2ランなどで4点を追加。8回には、青木(ヤクルト)の適時打などで3点を加えダメを押した。ウエスタンは打線がつながらず、7人の投手に抑え込まれた。MVPは5打数4安打2打点2盗塁の活躍でヤクルトの青木宣親外野手が受賞。優秀選手賞には、巨人の岩館学内野手、広島の大島崇行投手、日本ハムの小谷野栄一内野手と同じく日本ハムの須永英輝投手が輝いた。

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ロッテが今秋ドラフト軌道修正[報知]

ロッテが今秋のドラフトの軌道修正を決めた。宮田隆編成部長代行は9日、千葉市内の球団事務所で「自由獲得枠と上位の候補以外は白紙にせざるを得ない」と話した。既に獲得に名乗りをあげている松下電器・久保投手や新日本石油・手嶌投手ら数名を除き、一時的に“凍結”する。

「近鉄・オリックスのウエーバーがあることを考えると難しい」と宮田代行。当初は「自由獲得枠2人とドラフトで10人前後を指名する」(瀬戸山球団代表)と今オフの大型補強を決めていたが、近鉄とオリックスの合併がオーナー会議で事実上承認され、方針転換することになった。

また、ロッテは第2の合併の“当事者”として注目されているが、編成部は現時点では単体存続を想定して近鉄・オリックスの選手をランクづけし、ウエーバーに臨む準備を始めた。

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球団側は「統合はやむなし」[ニッカン]

球団側を代表し中日伊藤球団参与(選手会担当顧問)阪神野崎球団社長(セ・リーグ理事長)が記者会見した。伊藤球団参与は「選手会側から合併には反対が多いとの意見が出た。縮小傾向はファンの減少につながるとの意見も出たが、当該球団を含め、各球団が置かれている苦しい実情を説明した」と話した。

合併が大筋で合意とする球団側は、反対する選手会側の要求に明確な返答はしなかった。選手の雇用問題に関しては、野崎球団社長が「不当な行為は絶対にしない」と強調。「近鉄とオリックスが毎年どの程度を自由契約(解雇)にしているか、その数が目安と考えられる」と説明した。救済措置で一時的に70人から80人へ各球団の支配下選手枠が拡大されることには「1年ではなく当分の間」と、期間に関しては明言を避けた。

合併問題を含め最終決定権はオーナー会議にある。球団代表レベルの当事者能力を問われると、伊藤球団参与が「私は機構側の選手担当顧問で球団の立場にはないが、幾多の難局を乗り越えてきた。これから対処できる力はあると信じている」と語った。

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球団側「やむなし」一辺倒

◇ダイエー合併否定

ダイエー佐藤球団代表があらためて球団合併について否定した。会議後、報道陣から他球団との合併の可能性を問われて「ウチ(ダイエー本社)は売らないと言っているし、合併もないと言っている」。7日のオーナー会議で西武堤オーナーがさらなる合併球団が出てくることを示唆した件については「本当かどうか分からない」と話していた。

◇ロッテは口濁す

ロッテ瀬戸山代表は選手会との話し合い後、先行する合併話に待ったをかけるようにこう話した。前日の重光オーナー代行の前向き発言を「堤さんの発言もあるし、球界改革のときに協力できるなら前向きに考えるということです」と解説。地域の近い相手なら合併も?という質問には「それ以上のことは何とも言えない」とし、この日も選手会から質問がなかったを付け加えた。

近鉄小林球団社長
「選手会からは、合併以外の方法はなかったのか?という質問が大半。今回出た企業(ライブドア)は、むこう20年、30年にわたって球団経営を任せられる企業とは思えないと説明しました。選手会側は「合併まで1年延期を」と言っているが、うちは大阪ドームの特定調停があるから1年は待てない。」
オリックス小泉球団社長
「合併への動きが性急というが、何ら短期の問題ではない。何十年という歪がたまたま今出てきただけ。年俸についての話もした。協約改定の一文に入ると思っている。こちらの代表の1人からは、給料を半分くらいにするということも含まれるかもしれませんね、という話も出た。」
ダイエー佐藤球団代表
「第3者をいれての意見交換会の必要性?必要ないと思う。特別委員会?豊蔵議長(実行委員会議長=セ会長)の判断に任せます。」
西武星野球団代表
「オーナー会議の後に堤オーナーが考えを述べたことを説明しました。5球団ではパ・リーグはできないという共通理解ですから、4球団で何とかしなければならない。もう1組の合併内容の話?それはしてませんよ。」
日本ハム小嶋オーナー代行
「今日は今日なりに、12球団の代表が意見を出して理解を深めた。大きく理解してもらえたと感じている。必要なら何度でも説明はします。」
ロッテ瀬戸山球団代表
「我々が力点をおいたのは雇用を確保するということだった。球団が減ることによって選手に迷惑はかけないようにしていると説明した。」
中日伊藤球団代表
「選手会は何とかして元に戻れないのかという強い思いがあったようだが、平行線という感じだ。中日としては1リーグ賛成という訳ではないが、こうなった以上、了承せざるを得ない。」
巨人三山球団代表
「この問題はここ1、2年の話ではない。近鉄さんは万策尽きて、ここに至ったということ。それならば改革にチャレンジしてみようじゃないかと。先に合併ありきじゃない。急なことでもない。」
阪神野崎球団社長
「(会議では)なぜ合併が避けられないのか、ということに1番時間を割いた。ストライキの話は出なかったが、ストがあったら大変なことです。」
広島鈴木球団副本部長
「球団側の経営的な内情を説明した。(選手会側も)合併に納得はしていないかもしれないけど、苦しい経営状態は理解してくれたのではないか。ただ、ウチとしても、構造的な問題をもっと論議する必要があると思っている。」
ヤクルト倉島常務
「これは発展的な縮小だ。一時的に球団数が減っても、魅力的な市場ならば、また増える。12、14となることもある訳だから。」
横浜山中球団専務
「それぞれの球団が、経営という面で苦しい状況にある。その中で合併をみんなで考えましょう、という話をした。印象として性急であるという捉え方を彼ら(選手会)はしていると思う。そこが十分な理解ではないと思う。」
根来泰周コミッショナー
「選手会と接触したり、何かをする権限は私にはない。球団なり、オーナーの仕事です。ファンの反対の声?それも球団がやらなきゃいけない。」

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古田激怒!意見交換も門前払い[スポニチ]

12球団選手会長と12球団代表者による意見交換会が9日、大阪市内のホテルで開かれた。近鉄、オリックスの合併、1リーグ制移行に反発している選手会側はネーミングライツ(命名権)導入による合併の1年凍結や、プロ野球の将来像を話し合う第3者機関設置などを提案したが代表者側は完全無視。労働組合日本プロ野球選手会の古田敦也会長の怒りは頂点に達した。

3時間20分に及んだ話し合い。古田会長はこみ上げる怒りを抑えながら会見に臨んだ。

古田会長
「何をいっても門前払い。聞く耳も持っていない。そういうことが続けば誰だって納得できませんよ。」

選手会は5日都内で開かれた労使交渉で合併凍結、特別委員会の招集を要求した。しかし、同日中に行われた12球団代表者会議では議題にもされず、7日のオーナー会議では渡辺恒雄議長(巨人オーナー)から「1年も時間はいらない。特別委員会も必要ない」と一蹴された。それでも「ファンも選手も早急な議論に反発している」との立場からあらためて、ネーミングライツによる1年間凍結を強く求めた。

ところが、12球団の代表者の反応は「…」。誰も口を開かない。沈黙に耐えかねた日本ハム・小嶋オーナー代行が「それ(ネーミングライツを認めない理由)はコミッショナーに聞いてくれ」と発言しただけだった。広く球界の将来を議論する機関として新たにファン代表や、有識者をメンバーとした第3者機関の設置も要望したが、ここでも「…」。完全黙秘だ。

近鉄が球団創設以来赤字経営に苦しんでいたことが合併理由として挙げられ他球団からも大まかな赤字額が示された。そこで選手会側が「赤字の詳しい内容について情報開示を」と詰め寄ると答えは「NO」。特別委員会招集についても「豊蔵議長(セ・リーグ会長)の判断」との従来の回答を繰り返すだけだった。

堤オーナーの「もう1つの合併が進行中」との発言についても説明を求めたが「(オーナー会議で)正式な議題として話し合われた訳ではない」(阪神・野崎球団社長)とかわされた。古田会長は「経営者サイド(代表者)も分かってないんじゃないですか」と皮肉たっぷりに話した。

10日には労組選手会の総会が開かれる。前日パ6球団選手会長がスト権行使で一致していることが明らかになったが、執行部は「今はこちらに追い風が吹いている」とファンの支持を失いかねないスト権行使には慎重な姿勢だ。それでも、古田会長が「全てのものがその方向に向かえば(ストが)ないとは言いきれない」というようにスト権確立のための投票まで突き進む可能性は否定できない。泥沼の労使対決に出口は見えない。

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松中は「新・合併回避策」提出[スポニチ]

ダイエー・松中信彦選手会長が、10日の選手会総会に「新・合併回避策」を提案する。煮え切らない球団代表者の態度に呆れ顔の松中だったが、ストライキ以外の提案をすることを決めた。「中身は明日話しますよ。ダイエーの選手会からの提案があるので」と話したもの。「選手だけじゃなく裏方さんも不安になっている」と球団職員らのためにも妥協を許さない覚悟だ。

松中は昨オフ、小久保の巨人への無償トレード問題に抗議する意味で「優勝旅行ボイコット」を掲げ、2週間以上にわたり球団側と争った。社会人野球を経てプロ入りした自身の経験からも「合併によって、アマチュア選手の目標が薄れていくのでは」と球界のすそ野が狭まることを懸念した。

また、合併相手として浮上している西武の和田選手会長は「3軍制をつくって底辺を広げようというのは理解できる」としながら「頂点を10球団に減らすことに、まだ納得ができない不透明な部分がある。スト?僕1人の意見ではどうにもならないし、チームに戻って1、2軍全員で話をしたい」とした。

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“直談判”も手応えなし…不調に終わった意見交換会[サンスポ]

12球団の代表と選手会による意見交換会が9日、大阪市内で行われ、球団合併に端を発した球界再編問題について話し合われた。選手会側は特別委の設置や情報開示などを求めたが、協議は不調に終わった。10日には名古屋市内で選手会臨時大会が予定されているが、ストライキについては内部の選手からも慎重論が出るなど手詰まり状態で、完全に苦境に立たされている。

疑問を投げかけ、提案もした。球団代表クラスへの“直談判”は約3時間に及んだが、選手会側は手応えを感じることさえできなかった。

古田会長
「ゴリ押しの形での合併でいいのか?十分議論されているのか?色々提案もさせてもらいましたが、無視されたというか、聞いてもらえませんでした。」

古田会長の表情には、もどかしさが見え隠れする。各球団の選手会長が意見を言うはずの場。古田は「無視された」と話したが「協議は代表者側に押されっ放しだった」という関係者もいた。その中で選手会の総意として改めて求めたのは

(1)
特別委員会の設置
(2)
1年間の合併延期

だった。「これは発展的縮小であり、球界が魅力あるマーケットになればいずれ拡張もある」という代表者側の理屈に「それならば放映権の分配、ドラフト改正、新規加盟料60億円の削減など抜本改革が先ではないか」とし

(3)
有識者を含めた第3者による検討委員会の設置

も求めたが、相手側は無反応だったという。「(代表は)オーナーの意向をくんでいる人なので具体的な回答はなかった」(広島・西山)と選手側は苛立ちを隠せない。10日の選手会臨時大会ではスト権の確立の議決、1〜3を含めたストへの妥結ラインなどが話し合われるが、スト行使には内部的にも慎重な意見も多い。

「ファン離れが1番怖い。デメリットが多すぎる」と西武・和田。ダイエー・松中も「チームでの話し合いでスト以外の意見も出た」と最後の一線を越えるには至っていないのが現実だ。

渡辺オーナーからは会談を拒絶され、代表クラスとは話し合いの意義さえ感じられない。ファンや若手選手を考えると、スト強行には踏み出せない…。蚊帳の外に置かれた球界再編計画。選手会が入り込むスキはまだ見いだせていない。

日本プロ野球選手会
労働組合と社団法人の中央2組織と12球団の各選手会から構成される。労組選手会は選手の待遇改善、地位向上を目指し、社団法人選手会は野球界全体の発展を目的とする。労組選手会は昭和60年に正式に労働組合として認定され、平成5年オフにはフリーエージェント(FA)制の導入を実現させた。初代選手会長は中畑清、続いて原辰徳、岡田彰布、正田耕三の各氏が歴任、同10年12月から現在の古田敦也選手が第5代会長を務めている。

◇礒部、三輪両選手会長が改めて合併反対

合併当該球団の近鉄・礒部、オリックス・三輪の両選手会長は、改めて合併反対の姿勢を強く打ち出した。三輪は「オリックスとしては単独でやっていきたい。1リーグやプロテクトなど(展開が)早過ぎる」と主張。礒部は「(チームは)合併反対で意見がまとまっている。球団の命名権の売却は、可能性がありながら取り下げた。だが、合併だと(話が)進んでいく。(命名権も)可能性があれば模索して欲しい」と訴えた。

◇ヤクルト・真中選手会長が各球団代表に意見求む

ヤクルト選手会長の真中は、近鉄、オリックスの合併問題について各球団代表に意見を求めた。「本当に賛成か聞いてみたけど、『自分達のことでないから』とみな言葉を濁していた」。前日に、同僚の古田とともに深夜、大阪入り。意見交換会後は名古屋に急行し、10日の選手会臨時理事会に備えた。

ロッテ・小坂誠
「ファンあっての我々、ファンあってのプロ野球。マリンスタジアムでファンの方々も(合併に)反対の意見を出していました。断じて反対です。」
日本ハム・小笠原道大
「自分としては12チームが存続して、違う形で運営できるよう、案を出して検討していって欲しい。」
巨人・高橋由伸
「問題点はたくさんあって、自分の思っていることを伝えました。あとは向こうがどれだけ聞いてくれるか。」
阪神・今岡誠
「ファンの反対を押し切っての合併をやると、必ずしっぺ返しがくるのではないか。」
中日・井端弘和
「合併によってファンは減っていくと思う。オリックス、近鉄サイドにどんな経営努力をやってきたのか聞いた。」
広島・西山秀二
「合併を決めるのはあまりにも早いのでは。発表から1ヶ月以内に人数の話などもでて、いかにも既に合併が決まったようになっている。もっと全体で話し合っていくべき。」
横浜・鈴木尚典
「合併の話が早く進みすぎている。もっとファンの声を聞いて欲しいと伝えました。」

◇連合会長が選手会を全面支援

日本労働組合総連合会(連合)の笹森清会長が、長崎市内で記者会見し、プロ野球選手会を全面支援する方針を示した。「(一部オーナーの)話し合いには応じないなどといった発言は看過できない。いかなる企業の経営者であっても、話し合いを拒否するのは許されず、怒りを禁じ得ない」と球団側を痛烈に批判。「選手会の古田会長と接触して、選手会に対して全面的な支援を展開したい」と述べた。

◇近鉄・小林、オリ・小泉両球団社長「遅らせることはできない」

近鉄・小林、オリックス・小泉両球団社長は、選手会側の合併反対の訴えにも冷静に対応した。小林社長は「合併を急ぐ理由の1つに、大阪ドームの再建の問題があるので、あまり遅らせることはできないと説明した。(雇用問題も)理解してもらったということかな」。小泉社長は「とにかくお互いに議論し合った。(議論が性急との意見もあるが)何年かけても簡単にはいかない問題だと思う」と話した。

◇西武・星野球団代表が堤オーナー案を説明

西武・星野好男球団代表が、7日のオーナー会議で堤オーナーが提案した1リーグ10チーム制について、各球団の選手会長に説明した。「現実問題として、来年もプロ野球を開催するには、その方法しか進んでいく道はない」。また選手会によるストライキについては「そういった話は出ていません」と厳しい表情で語った。

◇広島・鈴木取締役「早急」問題提起

ほとんどの球団代表が合併推進の説明に終始する中、広島の鈴木清明取締役は「選手会が根本的な話がされてないというのは当然。私もそう思う」と問題提起した。早急な合併推進に「事実、合併ありきで、対策の具体的な話がない。FAやドラフト制度を含め、仕組みをどうするかも話し合わないと」。広島は独立採算で資金力も限られている。選手の雇用問題についても「球団の体力差もあるしね」と話した。

巨人・三山秀昭球団代表
「2球団(オリックスと近鉄)が万策尽きて改革することになったことをフリーに話し合った。ストライキの話は一切出ていない。」
ロッテ・瀬戸山隆三球団代表
「(お互いに)立場の違いがあって、なかなか議論にならない部分もあり、ずっと平行線だった。」
根来泰周コミッショナー
「選手会と接触したり、何かをする権限は私にはないから。それは球団なり、オーナーの仕事です。ファンの反対の声?それもまず球団がしっかりやらなきゃいけない。」
セ・リーグ、豊蔵一会長
「会議に出ていないし、話を聞いてないので分からない。現段階では、特別委員会を開くことは考えていない。(煮詰まったら開くかとの問いに)その段階で必要があれば。」

◇合併問題に対する選手会の対応

6月14日
近鉄、オリックスの合併合意の発表に、古田選手会長は「必要ならば選手会として何らかのアクションを起こすことになるかもしれない」
6月18日
古田選手会長が、合併問題を話し合う特別委員会の開催を要望する文書を豊蔵一セ・リーグ会長あてに送付。松原徹事務局長は「合併しかないという結論は早計で、特別委員会が開催されれば(買収を望む社を)調査する方法も考えています」
6月30日
ライブドアの近鉄買収表明を受けて、古田会長は「選択肢が増えたという意味でもありがたい話」と歓迎。また、「興味がある企業は1社だけじゃないとも聞いている」と買収に興味を示している企業が他にもあることを示唆
7月7日
合併に納得できない近鉄ナインが署名運動などの行動を起こすことに、古田会長は「もちろん選手会としてもバックアップします」と約束
7月5日
労組・日本プロ野球選手会と機構側による協議交渉委員会が開催。両球団の説明に納得できない古田会長は「いろんな手段を考えなければいけないかも」と法的措置、ストライキの可能性を示唆
7月7日
オーナー会議で近鉄、オリックスの合併案が承認されたことについて古田会長が「悲しい出来事。ストライキの権利もあるし、選手会の議題に上がるでしょう」
7月8日
渡辺オーナーが、各球団オーナーとの直接会談を望んでいる選手会に対し「無礼なことをいうな。分をわきまえなきゃいかん。たかが選手が」と過激発言。ストライキについても「どうぞ、やったらいい」と一蹴

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球団代表と選手会、話し合い平行線[報知]

プロ野球12球団の各選手会長と各球団の代表者による意見交換会が9日、大阪市天王寺区のホテルで開催され、約3時間にわたってオリックスと近鉄の合併問題を中心に質疑応答が行われた。労組・日本プロ野球選手会は10日に名古屋市内で開かれる選手会の臨時大会で報告し、ストライキ権行使も含めた今後の対応などを検討する。

プロ野球実行委員会メンバーと各球団選手会長による話し合いは、約3時間に及んだ。選手会は5日にも機構側との協議、交渉を行っており、近鉄とオリックスの合併1年延期、命名権(ネーミングライツ)の認可、特別委員会の招集などを訴えていた。

今回は古田会長だけでなく、12球団の選手会長が顔をそろえての話し合いだったが、選手会顧問弁護士の山崎卓也弁護士は「前回よりも、むしろ後退した印象」と吐き捨てるように話した。選手会側の質問に各代表が説明や意見を述べて会議は進んだ。「性急な合併」との声に対し、近鉄・小林球団社長が「長年の累積赤字があり、万策尽きての方策」と説明。「ファン無視ではないか」「選手の雇用対策は」など選手会側から次々に質問が投げかけられた。「合併がいいと思うのか?1リーグがいいと思うのか?」との問いにも、各代表は丁寧に応じた。だが「なぜ命名権を認めないのか?と聞くと、みんな黙ってしまった。結局は(代表には)決定権がないんですよ」と山崎弁護士は話した。

「(話し合いで)選手会には大きく理解してもらえたのではないか」と日本ハム・小嶋オーナー代行は振り返ったが、選手会側は総じて「誠意を感じない」との反応。結局は平行線のまま散会となった。

◇合併ありき否定

巨人・三山秀昭代表「話は主に4点。1つ目は急すぎること。これは1年も2年も前から(近鉄は)ネーミングライツやスポンサーを考えてきた。(合併は明るみになった)6月13日から始まった話ではない。2つ目は合併しか方法はないのかという点。(近鉄は)万策尽きて、次善の策としてオリックスと共同経営しようということになった。初めに合併ありきじゃない。3つ目はファン対策。特例としてダブルフランチャイズを認め、大阪のファンも神戸のファンも捨てていない。だからファン不在でもないし、無視してもいない。4つ目は選手対策。(新球団の)入団1、2年生28人全員を全ての球団で受け入れる。今まで通り12球団1、2軍なら合計24チーム。例えば10球団で3軍制にすれば30チームになる。社会人チームとも交流すれば、すそ野の拡大になる。選手救済は考えている。そういう説明を(選手会側に)しました」。

中日・伊藤修参与(実行委員会選手問題担当顧問)
「(ライブドアの買収について)具体的な名前は会議では出なかった。他球団の合併は今、現実味がなく、話し合う資料もない。今月中にも選手会事務局との折衝は行いたいと思っている。」
ロッテ・瀬戸山隆三球団代表
「平行線ですね。我々のサイドは統合は経営の問題。選手会長の方は何とかならんのですかということの繰り返しだった。もう1つ合併するのかと聞かれたが、堤さんはそうおっしゃったけど具体的には分からないんだから。」
オリックス・小泉隆司球団社長
「今は(球界が)縮小するように見えるが、中長期的には経営内容をよくして発展させると説明した。高騰した年俸?今回の問題の引き金になっている。ある代表から給料を半分にするという話も出た。」
巨人・高橋由伸会長
「とにかく問題はたくさんあると思います。思うことは伝えたし、代表者側がどれだけ話を聞いてくれるかだと思います。」
ヤクルト・真中満会長
「各代表に合併は本当に賛成なのかを質問した。該当球団以外は自分達のことではナイトにごしたような発言があった。」
西武・和田一浩会長
「(合併、1リーグ構想について)ファンが納得した上で進んでいったならば、ここまで問題になっていないと思う。もっと情報公開をして、時間をかけて話し合った方がいい。」
近鉄・礒部公一会長
「(署名活動をすればプロテクトしないという山口電鉄社長発言は)小林社長から『そういうことはない』と話してもらった。合併は近鉄の選手としては賛成していない。」

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古田会長不満爆発「無視されました」[ニッカン]

プロ野球12球団の各選手会長と各球団代表者による意見交換会に出席した労働組合・日本プロ野球選手会の古田敦也会長は9日、疑問や懸念を強い調子で口にした。

「十分な議論がなされたとは思っていない。ファンがたくさん反対していて、ごり押ししていいのか。新しく再編されてファンに支持されるのか」。報道陣とのやりとりでも自ら多くの時間を費やし、合併に反対する理由を語った。

前回5日の交渉と同様に合併の1年延期、特別委員会開催を求めたほか、ファンや有識者らを含めた検討委員会の設置を要求した。その返答はなく、古田は「無視されました」。乱暴な表現に不満の大きさが表れた。

10日の選手会の臨時大会では活発な議論が予想される。「今後の方向性、対応を検討しなければいけない」と古田。悲壮な決意が感じられた。

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プロ野球労使が質疑応答も決定事項なし[ニッカン]

プロ野球12球団の各選手会長と各球団代表者による意見交換会が9日、大阪市天王寺区のホテルで開かれ、約3時間にわたりオリックスと近鉄の合併問題を中心に質疑応答が行われた。決定事項はなかった。

選手会側は合併反対をあらためて主張。ストライキ権行使には触れず

(1)
選手契約などを検討する特別委員会開催
(2)
近鉄にチーム名の命名権売却を認めた上で1年間の合併延期
(3)
有識者ら第3者を含む合併検討委員会の設置

などを提案した。

経営者側は赤字が続く厳しい球団経営の現状などを説明し、合併承認への理解を求めたが、選手会の提案には明確な返答をしなかった。7日のオーナー会議で議題にあがった新たなパ・リーグの合併話についての質問にも、事実を把握していないとして答えなかった。

労働組合・日本プロ野球選手会の古田敦也選手会長は「球団を削減する理由がいまだに見えてこない」と話しており、10日に名古屋市内で開催する臨時大会で報告し、ストライキ権行使の可能性も含めた今後の対応などを検討する。経営者側は同日、ナゴヤドームでの12球団代表者会議で、選手会からの提案などについて協議する。

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選手会側は釈然とせず…

近鉄の礒部選手会長は、今後も合併反対の署名活動を行う意思を示した。「署名活動と試合後のグランドでの挨拶はやって行こうと思います」と、4日の前半戦の本拠地最終戦で見せた試合後の右翼スタンド前挨拶を後半戦も続ける。8日に小林社長から合併についての事情説明を受けたが「納得はしていない」ときっぱり。「近鉄の問題ですが12球団の問題でもあるので、明日しっかり話し合います」と話した。

三輪オリックス選手会長
「今日の意見交換貝で1リーグが本当にいいのかと聞いたら、やってみなきゃわからないという。これではファンも納得できない。」
松中ダイエー選手会長
「球団合併はよくない。各球団の反応?反応と言っても、返答がなかったところがあったし、そういうのは物足りないし、寂しい。」
和田西武選手会長
「(ストとなれば)基本的にはファンが離れてしまう。あまりしたくない。(球界再編で3軍制などで)底辺を拡大していくのはいいことだと思う。ただ10球団にして1番上を減らさなくてはいけないのは何でかと…。」
小坂ロッテ選手会長
「代表からは、試合に集中するように言われました。(合併の可能性が報じられたことは?)会議ではうちのチームの名前は出ませんでした。」
井端中日選手会長
「近鉄、オリックスにどんな経営努力をしたのか聞いた。努力をしてきたといわれたが、内容は説明されなかった。このままでは球団数がどんどん減っていく。スト?明日話し合わないといけないことです。」
高橋由巨人選手会長
「今後の方向性も何も、こちらが言っていることに回答がない。どうしようもない。」
今岡阪神選手会長
「(会議では)ファンの反対を押し切って合併を進めれば、必ず後からファンのしっぺ返しが来る、と言わせてもらった。スト?今はどうこういう問題じゃない。それも含めて、古田さんを中心に話し合っていくということ。」
西山広島選手会長
「経営側から出てくるのは『3軍をつくるからクビは切らない』という話ばかり。全体で話し合って、12球団で続けられないのか。」
真中ヤクルト選手会長
「本当に合併に(12球団代表が)賛成なのか聞いてみました。該当の球団以外は、自分達のことではない、2つの球団で決めたことなので、という濁したような発言がありましたので、本当の意見は聞けなかった。」
鈴木尚横浜選手会長
「話が早く進みすぎているので、ファンの声を聞いて、時間をかけて考えて欲しいと伝えた。」

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選手会スト権確立へ[ニッカン]

性急な近鉄とオリックスの合併に反対を唱える労組・日本プロ野球選手会が、ストライキ権を確立する可能性が高くなった。9日、大阪市内のホテルで各チーム選手会長と各球団代表による意見交換会が行われたが、話は平行線のまま。選手会の古田敦也会長は会議後、10日に名古屋市内で開催する臨時大会でストを議題にあげることを明言した。ダイエーなど一部の球団では意見も調整済みで、ストを決行できる状況が初めて整う可能性がある。

◇足並み揃わず

会見で古田会長は、コップの水を口に含み、言葉を選ぶようにしてストライキに言及した。「やるかやらないかは先の話だが、当会は数名で扇動してやるということはない。足並みがそろわないのにやることはない」。今の段階でどれだけの選手がストに賛同するのか分からない。しかし、この段階で確認する意思を固めた。「明日(10日)の総会で議題に上げます。どういう方向性に向かうにしても、そこで考えないといけない」と厳しい表情で言った。

すでに選手の意思を確認しているチームもある。ダイエーの松中選手会長は、ダイエーの選手はスト権行使に賛同する意向であることを明かした。「ダイエーとしての意見は固まってます。あとは12球団で決めることになる。少数じゃなくて、全員でやらないと意味がない」。10日の選手会総会で、各選手の意見をとりまとめたものを報告する。他球団でも「場合によっては(ストも)仕方ない。意見は1人ずつ確認した訳ではないが聞いている」との動きがある。いつでもスト権を行使できるスト権確立が可決される可能性はある。決行には、さらに代議員(各球団2人)による議決が必要。実際にストライキをするかは別にしても、選手会が一体となっている姿勢を強く示すことにはなる。

この日の意見交換会でも、選手会が納得できる返答はなかった。オーナー会議で出たもう1つの合併話については「皆さん(代表達)も分からないみたいでした」と振り返った。前回5日の交渉と同様、再度、選手契約などを検討する特別委員会開催を要求したが、合併承認後に開くとの認識を示された。命名権を認めるなどして1年間合併を先送りする案は「無視されました」。ファンや有識者を交えた第3者による検討委員会を設置する新提案にも、答えはなかったという。

◇願い届かず!?

球団代表達からの説明は、合併承認を前提とした雇用確保の話が主だった。だが、選手達からしてみれば、それ以前の問題。「十分な議論がなされたとは思っていない。ファンがたくさん反対していて、ごり押ししていいのか。新しく再編されてファンに支持されるのか。今後の球界のことを考えてください。つまり、お前ら働く場所をあげるからいいだろう、じゃないんです」。球団数を減らすだけでは、いずれまたこうした問題が起こる。「組織としての改革を、皆さんの手でやってくれませんか」。古田会長の願いにも似た訴えは、どこまでも届かないのか?それではストが現実味を帯びてしまう。

◇球団側明言避ける

球団側を代表し中日伊藤球団参与(選手会担当顧問)阪神野崎球団社長(セ・リーグ理事長)が記者会見した。伊藤球団参与は「選手会側から合併には反対が多いとの意見が出た。縮小傾向はファンの減少につながるとの意見も出たが、当該球団を含め、各球団が置かれている苦しい事情を説明した」と話した。

合併が大筋で合意とする球団側は、反対する選手会側の要求に明確な返答はしなかった。選手の雇用問題に関しては、野崎球団社長が「不当な行為は絶対にしない」と強調。「近鉄とオリックスが毎年どの程度を自由契約(解雇)にしているか、その数が目安と考えられる」と説明した。救済措置で一時的に70人から80人へ各球団の支配下選手枠が拡大されることには「1年ではなく当分の間」と、期間については明言を避けた。

合併問題を含め最終決定権はオーナー会議にある。球団代表レベルの当事者能力を問われると、伊藤球団参与が「私は機構側の選手担当顧問で球団の立場にはないが、幾多の難局を乗り越えてきた。対処できる力はあると信じている」と語った。

◇広島は一部選手会側に同調

広島球団は選手会側の意見に一部、同調した。選手会が合併、球界再編の動きを拙速と批判した点に、広島鈴木清明副本部長は「合併の話が表面化してからの流れが速い。もっと構造的な問題を論議しないといけないのではないか」と語った。合併そのものには承認の意向だが「ウチは(親会社をもたず)野球だけを経営している」とし、球界再編を招いた原因の追求と改善を訴えた。「事実、合併ありきで対策の具体的話がない。フリーエージェント制度を含め、仕組みをどうするかも話し合わない」と問題提起した。

また、あくまで仮定の話と断りながら、合併球団の余剰選手を雇用する分、従来の選手を解雇するサイクルが早まっていく可能性も懸念。今季プロ10年目で花を開いた嶋を例に挙げ「第2の嶋が生まれるチャンスが減るかもしれない」などと話した。

◇スト決行なら

統一契約書第7条(自己減額)により、いわゆる賃金カットがある。「自己の責で野球活動を休止する場合、球団は1日につき参稼報酬の300分の1を減額することができる」(略)とされており、例えば年俸3000万円の選手なら、1日10万円の減額となってしまう。

ストライキ
労働者が労働条件の維持、向上、改善を目的とし、集団で業務を停止すること。会社側など使用者に対して団結し、争議行為を行える争議権に基づくもので、基本的権利として日本国憲法で保障されている。これを阻害するどう喝的言動などは、不当労働行為にあたる。

◇連合は選手会支援

連合の笹森清会長は、長崎市内で会見し、オーナーと選手会が対立していることについて、連合として選手会を全面支援する方針を示した。同会長は「(一部オーナーの)話し合いには応じないなどといった発言は看過できない」とした上で、「これから選手会の古田会長と接触して、選手会に対して全面的な支援を展開したい」と述べた。

◇合併をめぐる選手会の動き

合併反対
6月13日に近鉄とオリックスの合併合意が発表。17日に、選手会の古田会長は「1つ球団を減らす原因となった時に、こんなにあっさり賛成していいものか」と事態の急展開に疑問を投げかけた。翌18日には経営者と選手の代表で構成する特別委員会の開催を申し入れた。
古田批判
オリックス宮内オーナーは30日、ライブドアの近鉄買収計画に、選手会の顧問弁護士が一役買っていると指摘。「古田選手会長は何を考えているのかな」と名指して批判した。
買収NOに不快感
ライブドアが近鉄買収の意思を表明したが経営者サイドは反対。選手会の松原事務局長は「買収する企業があるのに、なぜ反対かの疑問がある」と不快感を示した。
コミッショナーに提訴も
7月5日に選手会と球団代表らによる会合が行われ、選手会は急激に進む合併の流れに1年間の結論先送りを訴えた。特別委員会も招集されず、同委員会が開催されないままオーナー会議で合併が承認された場合は、コミッショナーに提訴の可能性も示した。
スト辞さず
7日のオーナー会議でもう1組の合併プランが明らかに。古田会長は「悲しい出来事。スト?そういう権利もありますから」と最終手段の行使を示唆。また、結論の1年先送りを求めたことに、巨人渡辺オーナーは「1年かける必要はない。2ヶ月あればできる。オーナー会議が最高決定機関」と一蹴。
たかが…
古田会長は8日、遠征先の名古屋で「オーナーと直接話がしたい?そうですね。開かれた感じでいいことだと思います」と語った。しかしこれを伝え聞いた巨人渡辺オーナーは「無礼なことを言うな」「分をわきまえなきゃいかんよ。たかが選手が。たかがといったも立派な選手もいるけどね」などと暴言を吐き、突っぱねた。

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選手会総会でスト権協議[報知]

古田会長は合同会議後、ストライキ権行使について「やるかやらないかは実際に先の話」と語り、10日の選手会総会でスト権について話し合うことを明らかにした。

スト権行使の可能性をほのめかしていた古田だったが、この日の会議では話題に出さずじまい。ストについて「明日総会があるので、そこで議題になることは間違いない。ストをするかどうかではなく、今日の説明を受けて今後の方向性を検討したい」とまずは総会で12球団選手会の意見を聞いた上で、スト権確立などのしっかりとした手順を踏んでいく方針だ。選手会は今回の合併問題について、ファンの意見も含めて十分な議論がされていないと強調。選手会の松原事務局長は「ストをやらないであっさりおりてしまうと、ファンに総スカンを食らう。慎重に議論していかないと」と説明。古田も「選手会執行部の足並みが揃わないのにやることはない」と慎重に話を進めていきたい考えだ。

また、選手会側は5日の団交時と同様、特別委員会の設置、近鉄に対して1年間限定の命名権(ネーミングライツ)を与えるよう要望した。そして、新たにファンの声を聞き入れるためにファン、有識者らの第3者を交えた検討委員会の設置を提案。「開かれたところで検討していきませんかと話したが返事はなかった。今後もやっていきたい」と訴えた。8日に要求したオーナーとの直接対話については「機会はないでしょう」とトーンダウン。ひとまずは選手の意見をまとめることに全力を尽くしていく。

阪神・今岡誠会長
「この日で決まったことはない。これから阪神で意思統一していかないと。ストライキ?そういうことも含めて話し合う。」
中日・井端弘和会長
「(近鉄は)球団経営を簡単に諦めている。このままでは(球団が)減っていく一方だと思う。スト?明日話し合わなければ。」
広島・西山秀二会長
「1リーグにしたいがための合併に見える。上の人(球団の代表者)はオーナーの意向をくんでいるから具体的な回答は返ってこない。」
ダイエー・松中信彦会長
「命名権のことになるとだれも返事をしてくれなかった。合併もウチは名前が挙がっているし他人事じゃない。スト?ダイエーの中では決まっている。」
オリックス・三輪隆会長
「チームとしては従来通り単独でやっていきたい。雇用の問題もあるし、合併しないのが大前提。もっと色々な人の話を聞く耳を持って欲しい。」

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渡辺オーナー「天皇杯」提案[ニッカン]

巨人渡辺恒雄オーナーが9日、「天皇杯」の設立を提案した。都内のホテルで行われた読売新聞販売店の会合でスピーチし「1リーグになった場合」を前提に私案を明かした。関係者によると、ペナントレース終了後にリーグを東西に分けてペナントレースとは別のリーグ戦を開催。東の1位と西の1位が争う東西決戦の勝者と、ペナントレース優勝チームとが戦う「スーパーチャンピオンシップを制度化するのも1案だ」とぶち上げた。さらに「競馬、サッカー、大相撲にもあるように、これを天皇杯とできればありがたい」と話した。

東西戦については「ペナントレースの試合数を若干減らし、東西5または4球団が総当たり戦をして、東西の覇者同士がペナントレースとは別のチャンピオンシップを争う」と、具体的な構想を披露。東西戦は10試合くらいとも話している。現行の日本シリーズに替わるイベントとして、ペナントレースと東西戦の勝者が頂点を争う「天皇杯」を位置付ける意向だ。また、3軍制にも触れ「廃部された企業野球の選手や、ドラフトで採用されなかった選手志望者を救済し、吸収する。プロの1、2軍の人材補強源になるだろうが、その間(選手移動)のルールは別に考える」と話した。

◇「扇動しやがってもう喋らん」

巨人渡辺オーナーが報道陣に「八つ当たり」した。都内での会合後、待ち受ける報道陣に対し「今後一切喋らんからな。君達は、選手会とオレをケンカさせる扇動ばかり一生懸命やっているが、そういうのに引っ掛からんから。一切喋らん。それだけだ」と一方的にまくし立て、車に乗り込んだ。前日、オーナー陣との直接会談を古田会長が求めたことに「無礼だ。たかが選手が」と発言したことが報道されていた。

◇抗議の声次々と

大阪ドームで行われたフレッシュオールスター戦でハプニングがあった。試合後、優秀選手に選ばれた巨人岩舘が表彰台に上がると、右翼席の近鉄ファンを中心にブーイングの嵐。「地獄へ落ちろ、ナベツネ!」とコール。スタンドはヒートアップし「金持ちのせいで、俺達の夢をつぶされてたまるか!」「我らが愛するプロ野球」など、試合後1時間が過ぎても合併問題、1リーグ推進への抗議の声は止まらなかった。

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渡辺オーナー「天皇杯」構想[スポニチ]

巨人・渡辺恒雄オーナーが9日、10球団による1リーグ制移行後「天皇杯」として“スーパーチャンピオンシップ”を開催したい意向を示した。渡辺オーナーは東京・港区の新高輪プリンスホテルで行われた読売新聞東京本社「読売七日会・都内連合読売会合同総会」で講演。私案と前置きして披露したもので、1リーグ制移行の理由なども説明した。

渡辺オーナー
「ペナントレースと東西戦のチャンピオンが頂点を争うスーパーチャンピオンシップを制度化するのも一案だ。競馬、サッカー、大相撲にあるように、これを天皇杯にできればありがたい。」

議長を務めた7日のオーナー会議で、渡辺オーナーは10球団を頂点とした「新日本プロ野球機構」を発足させる考えを明らかにした。そこで示した具体案の1つが、選手権とは別に東西5球団ずつに分かれて総当たり戦を行い、東西の勝者同士が戦うカップ戦の開催。このカップ戦の覇者と選手権の覇者が争う試合を現在の日本シリーズの代わりとしたい考えのようで、東西戦についてシーズン終了後にホームアンドアウエー方式で行う構想もあるという。

プロ球界では59年6月25日の巨人―阪神戦が唯一の天覧試合で「天皇杯」の冠がつく試合、大会はない。渡辺オーナーは、さらに西武の堤オーナーが提案した3軍制を支持した。3軍と社会人の交流戦を現在プロ野球の本拠地がない府県の球場で実施。その際に地元企業や新聞社、放送局に協力要請して試合運営したい意向も明らかにし、1リーグ制を推す理由に現在のパ・リーグ球団の経営難を挙げていた。

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巨人・渡辺オーナーが『天皇杯』構想[サンスポ]

巨人・渡辺恒雄オーナーが9日、都内で開かれた『平成16年度読売七日会・都内連合読売会合同総会』に出席。球界再編に揺れるプロ野球についても言及した。同オーナーは私案としながら、1リーグ制に移行した場合、ぺナントレースとは別に、東西各5または4球団による総当たり戦を行い、その覇者同士の勝者がペナントの覇者と日本一を争う「スーパーチャンピオンシップ構想」を披露。名称についても「『天皇杯』とできればありがたい」と、検討していることを明らかにした。また、「パ・リーグ6球団は全部赤字。このままではパ・リーグは潰れてしまうし、セ・リーグだけならプロ野球人気は低下する」と、人気回復には球界再編が不可欠であることを強調した。

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渡辺オーナー「天皇杯」構想[報知]

◇日本シリーズの名称を変更

巨人・渡辺恒雄オーナーが9日、都内ホテルで行われた読売新聞の有力販売店などが集まった会合「平成16年度読売七日会・都内連合読売合同総会」に出席し、プロ野球の1リーグ制を推進する理由と球界再編の私案を、出席者989人を前に説明した。

同オーナーは「メジャーはエクスパンション(拡張)で30球団に膨れあがり、黒字は10球団だけ。約20球団は赤字で、日本のプロ野球も半数以上の球団が恒常的に赤字に苦しんでいる。現在、パ・リーグの6球団は全部赤字で、このままではパ・リーグは潰れてしまう」と説明。球界再編の理由を説明し、1リーグ制に移行した場合のリーグ運営方法の私案に言及した。

そのなかで新たなプランとして披露したのが「天皇杯」と銘打ったスーパーチャンピオンシップの制度化。ペナントレースと、その後の東西戦の覇者が頂点を争うもので、渡辺オーナーは「競馬やサッカー、大相撲に『天皇杯』があるように(プロ野球のスーパーチャンピオンシップを)天皇杯にできればありがたい」と話した。

この日の会合では、7日のオーナー会議後の記者会見で話した内容を改めて説明。「3軍制」についても「37府県にフランチャイズがないのに立派な球場がある。そういうところでプロとアマの交流を増やし、地方の球場を生かす。それを前提に私案を考えている」と渡辺オーナー。その中身について「社会人野球と組んだり地元企業の応援を得たり、県市や地元テレビ局と協力して地域野球を発展させ、青少年の健全なスポーツマンシップを育成する」などと話し、出席者の理解を求めた。

◇もう喋らん

渡辺オーナーは会合後に行われた懇親会に出席後、囲まれた報道陣に「もう今後一切喋らんから、当分。ナンセンスだ。君達は選手会とオレをけんかさせる先導ばかり一生懸命やっているが、そういうものにひっかかんないから。もうだめだよ。一切喋らん。それだけだ」と声を荒らげて一気に話し、帰りの車に乗り込んだ。

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ノムさん噛みついた「オーナーは野球知らない」[ニッカン]

シダックス野村克也GM兼監督が、来季導入が濃厚になっている1リーグ制について苦言を呈した。9日、来日中のキューバ代表との親善試合が行われた神宮球場で、自ら1リーグ制について切り出した。「1リーグ制なのに日本シリーズをやる訳?東西対抗にするらしいけど、リーグ4位でもチャンピオンになれるの?」と素朴な疑問をぶつけた。

試合方式はまだ未決定だが、仮に東1位対西1位で日本シリーズをする場合、1リーグで行われるペナントレース上位2チームが対戦するとは限らない。また、ペナントレース1位と、別のカップ戦の勝者で対戦した場合は、ペナントレース下位チームが数試合に勝っただけで「日本一」の称号を得ることになる。東か西の5チームがAクラスを占める極端なケースも考えられる。「東西はどこで線を引くの?名古屋は西?意味ない。説得力がないね」と吐き捨てた。

西武堤オーナーが披露したプロ3軍10チームと社会人による新リーグ構想についても「よく分からないね。プロとアマの垣根があること自体がおかしいんだ」と一蹴。両者の交流が制限されている現状の改革こそ先に手をつけるべきと訴えた。また、ヤクルトと阪神の元監督という「先輩」として、現役監督批判も展開。「みんな自分のクビが危ないと思っているかもしれないけど、もっと現場の声を堂々と、胸を張って言え。オーナーは野球を知らないんだから」と、現場の声を代弁する「ご意見番」の不在を嘆いた。

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ノムさん「現役監督もっと発言しろ」[報知]

シダックス・野村克也GM兼監督が9日、神宮でのキューバ戦を前に、1リーグ制に進む球界について言及。プロの現役監督の姿勢に異議を唱えた。「1リーグ問題について監督の談話がない。自分の首が危ないから心配ばかりしている。現場には現場の考えがあるだろう。堂々と胸を張って言えばいいんだよ。オーナーは野球を知らないんだからね」現場を預かる指揮官らの声が聞こえてこないことに、プロ1039勝監督は不満の声をあげた。また、1リーグ移行後のオールスターや日本シリーズについては「どうしてもやらなくてはいけないものではない」とバッサリ。それに伴う収益減についても「みんなで共同募金でもやればいいんだよ。“黒い羽根共同募金”ってな」とブラックジョークで締めくくった。

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槙原氏「真意として出たならショック」

◇渡辺オーナー暴言に

巨人OBの槙原寛己氏が9日、前日に巨人渡辺オーナーが発した「オーナーと対話?無礼なことを言うな。たかが選手が」という発言に表情を曇らせた。9日、都内ホテルで行われた小林興起衆院議員を代表として「2リーグ制を守り、プロ野球の発展を図る会」発起人会に出席。「対話が全く受け入れられていないという、選手の弱い立場が露呈してしまっている」と、1リーグ制への移行が濃厚となっている現状を嘆いた。

槙原氏は「発言の経緯や、質問の仕方なんかを確認とってませんので、何とも言えません。でも真意として出たのなら選手はショックでしょう」と断言。さらに「今までオーナーと話したことはなかった。でもそういうこといっている時代じゃない」と、経営者側と選手との対話を強く勧めていた。

◇怒りで発起人会

この日の発起人会には、槙原氏や代表の小林興起衆院議員のほか、日本人メジャー第1号の村上雅則氏、初代タイガーマスクの佐山聡氏、タレントで元女流棋士の林葉直子氏らが参加。だた、小林議員と槙原氏、村上氏以外は口を開くことはなかった。「選手会とは会ってみたい」という同議員だが、今後の予定は考えておらず「(1リーグ移行への)怒りで場所を取っちゃった」と“突発的行動”だったことを明かした。

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2リーグ制守る会、元巨人槙原氏ら発起[報知]

プロ野球の1リーグ制に反対する「2リーグ制を守り、プロ野球の発展を図る会」が9日、都内のホテルで発足の記者会見を開いた。この会は急展開する球界再編を憂慮する小林興起衆院議員が急遽、元巨人・槙原寛己さんや日本初の大リーガーの村上雅則さんらに参加を呼び掛け実現した。「この会も急でしたが趣旨に賛同した。1リーグでやっていけるのか不安」と槙原さん。小林議員は「両リーグを維持する国会議員連盟を作りたい。古田さんとも会ってみたいね」と選手会との“共闘”に意欲を燃やした。

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槙原氏「オーナーも歩み寄って!」[スポニチ]

「2リーグ制を守り、プロ野球の発展を守る会」の発起人会が9日、都内のホテルで開かれ、プロ野球界の行く末を懸念する各界の著名人が1リーグ制への移行に警鐘を鳴らした。世話人に名を連ねた元巨人の槙原寛己氏は「10球団になった時、9位と10位の試合ではファンの興味がそがれると思う。交流戦などもう少しゆっくり考えて欲しい」と提案。巨人・渡辺オーナーが選手会の要求をはねつけたことに関しては「オーナーも選手も歩み寄っていかないといい結果は出ない」と話していた。

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近鉄礒部「合併反対でまとまっている」[ニッカン]

合併の当該球団から、プロ野球12球団の各選手会長と各球団代表者による意見交換会に参加した近鉄・礒部、オリックス・三輪の両選手会長は9日、あらためて球団合併に反対の姿勢を強く打ち出した。

三輪は「オリックスとしては単独でやっていきたい」と主張。さらに「韓国は1リーグになったり、2リーグになったりしている。本当に1リーグでいいのかと聞いたら、それはやってみないと、と言われた。でも、それじゃ済まされない問題」と話し、加速する動きに疑問を投げかけた。礒部は「(チームは)合併反対で意見がまとまっている」ときっぱり。「球団の命名権の売却は、可能性がありながら取り下げた。だが、合併だと(話が)進んでいく。(命名権も)可能性があれば模索して欲しい」と訴えた。

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