わたしはかもめ2004年鴎の便り(7月)

便

7月12日

先発は清水直[スポニチ]

注目の第1戦先発に指名されたのがロッテ・清水直。今季ここまで5勝8敗ながら、前半戦最後の登板の6日のオリックス戦(千葉マリン)で完封勝利と調子は上向きだ。国際大会未経験も9日のキューバ―シダックス戦(神宮)をネット裏から観戦。中畑ヘッドは「後半戦のこともあるから」として故障中の広島・黒田、ヤクルト・石井を除く9投手を小刻みにつなぐ起用法を示唆した

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天皇杯でプロ対大学も、堤オーナープラン[ニッカン]

◇3軍制協力打診

再編問題で球界が激震する中、西武堤義明オーナーと日本野球連盟の山本英一郎会長によるプロ・アマトップ会談が12日、東京・原宿のコクド本社で極秘に行われた。堤オーナーは席上、来季からの1リーグ制が実現しアマを含めた3軍制を導入した場合、アマ側の協力を打診。山本会長は基本的に賛同する意向を示した。また会談では、大学を含めたプロアマ混在の新たな天皇杯構想の可能性も話題に上った。

球界激変の流れはさらに加速した。この日午前に行われた会談は約30分間。新リーグ構想を伝えられた山本会長は「社会人チームは減少しているし新たな構造改革は必要。うまく運べば基本的には賛成。プロとアマは仲良くやっていかなければ」と語った。新たな野球組織の立ち上げは、山本会長の意向とも一致するところ。それでも同会長は慎重な姿勢で「ヤミ取引はしたくない」とし3軍と社会人を含めた新リーグ構想について「自分の一存では進められないし理事会などで正式な議題にしたい」と明言した。今後、社会人各チームへ同構想に対するアンケートの実施も検討。13日、アマ幹部にトップ会談の内容を報告する。

◇アマに報告

また堤オーナーからは新たな天皇杯構想も提案された。サッカーを参考にしたもので、新リーグに参加するチームにアマ側は大学も参入。レベル的にも均衡がとれたプロ・アマ混在のトーナメント大会だ。会談ではこのプロチームとシダックス、早大などのカード実現の可能性も示された。全ては球界再編が進められた場合の仮定の話とあり山本会長は「短い時間だったので、今後、プロ側に質問状のようなものを出すこともある。やり方が悪かったら反対する」と慎重な姿勢も見せた。

◇大学側は慎重

堤オーナーとの会談後、山本会長は会談内容を日本学生野球協会の長船騏郎常務理事に報告した。大学チームがプロと対戦する場合、学生野球憲章の根本的な改定が必要になる。長船常務理事は「大学がプロと試合をすることは将来的にも難しいと思う。社会人と同じようにはいかない。(球界再編の)具体的な中身も分からないし…」と慎重な態度を見せた。

◇3軍制利点強調

西武星野球団代表はこの日、3軍制度の利点を挙げた。球宴第2戦が行われた長野から帰京し、社会人チームとプロ3軍が試合を行うオーナー案に「(オーナー会議後の12球団代表の)話し合いでこちらの考えは伝えた。(次の実行委員会で)意見が出るでしょう」と話した。利点については

(1)
社会人チームなどのない県もあり底辺の拡大
(2)
社会人選手のモチベーションの向上
(3)
全国での試合開催でファンの拡大につながる

の3点を挙げた。また堤オーナーが西武も合併する可能性があるとしたことについて、2軍選手にも事情説明を行った。

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「ストしないみたい」12球団代表選手見下す[ニッカン]

選手達が見下されているということか−。12球団首脳は、選手会は本気でストライキを行う可能性はないと考えていることが12日、分かった。プロ関係者が明かした。10日の12球団代表者会議で、選手会臨時大会の決議が話題に上った。12球団首脳の見通しは「ストはしないみたいだ。いいことだよ」で一致したという。最終手段としてストの可能性を掲げる選手会の意向を一方的に解釈する代表と、選手達の考えの落差が浮き彫りとなった形だ。代表者会議では

(1)
近鉄・オリックス合併の1年間凍結→1年は待てない
(2)
特別委員会開催→豊蔵・実行委員会議長(セ会長)に一任
(3)
有識者を入れた委員会設立→プロ野球界内で解決する

などと選手会の要求はことごとく退けた。またドラフトの完全ウエーバー化やFA補償金の撤廃など、選手会提案の改革案については話題にも上らなかったという。

選手会の決議は、15日の選手会と機構の事務折衝で伝えられる。だが12球団首脳の見解が既に一致しているのなら、選手会の意向が一蹴され、ストライキ突入−の事態も招きかねない。

◇渡辺オーナー、もう喋らん

巨人渡辺恒雄オーナーは12日、球界再編問題についてはノーコメントを貫いた。この日、都内のホテルで会食後、報道陣に対して「君らにイヤなことを掛かれて、野球界を破壊しようという陰謀に利用されるのはもうまっぴらだ」と一方的にまくしたてた。同オーナーは8日、話し合いを望む選手会に対して「たかが選手が」などと発言。翌9日から「もう喋らんからな」と口を閉ざしている。最後に「政局の方が大事だ」と言い残して車に乗り込んだ。

◇阪神合併ない

阪神野崎球団社長は、甲子園で選手、チーム関係者を集め合併問題を説明した。「タイガースは決して合併しないし、売却はしない」と切り出し、近鉄とオリックスの合併に至る経緯や選手の雇用確保、ダブルフランチャイズ制、もう1組の合併案など現状を話した。選手から質問は出なかった。「今後も情報が入れば話したい。ストライキは球団、選手、ファンにとって不幸な話。避けなければならない」と選手との連係を密にとる考えを示した。

◇赤星「駒じゃない」

阪神選手会の赤星副会長が「渡辺オーナー発言」に嫌悪感を示した。選手会の古田会長がオーナーとの会談に前向きな構えをみせた際に、巨人渡辺オーナーが「たかが選手が…」などと一蹴した件に「みんな納得しませんよね。駒のように扱っているとしか思えない。(チームの)みんなも気にしていますよ」と顔をしかめた。この日は野崎球団社長から合併問題の説明があったが「もう決まったかのように話された。全部知っている話だったし…」と困惑気味。井川も「野球界の魅力がなくなっちゃうんじゃないですか」と話すなど、虎ナインも危機感を募らせていた。

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古田が連合と会談へ[ニッカン]

連合の笹森清会長は12日、近く労組・選手会の古田敦也会長ら幹部と会談することを明かした。日時は未定だが月内とみられる。笹森会長は9日に「(一部オーナーの)話し合いに応じないという発言は看過できない」などと球団経営者側の態度を批判。その後、選手会側から「極めてありがたい発言」と謝意が寄せられ、11日に、近く会談を持ちたいとの意向が伝えられたという。笹森会長は「選手会を全面的に支援したい」としている。プロ野球では審判団の組合が連合に加盟しているが、選手会は加盟していない。

◇来月シンポジウム、選手会開催へ

労組プロ野球選手会の古田敦也会長は12日、「プロ野球の明日を考える会」のシンポジウムを遅くとも来月までに開く意向を示した。通常はシーズンオフの12月に開いていたが、9月8日のオーナー会議を前に、第3者の有識者やファンから意見を聞く場を設ける。「できるだけ多くの人の意見を聞きたい」(古田)という意向から、機構側に対して、有識者を含めた諮問機関として「合併問題検討委員会(仮称)」の設置を要望しているが、まずは選手会側が第1歩を踏み出す。この日、オールスター第2戦のあった長野から帰京した古田は自宅でつかの間の休息。14日からチーム練習に合流するが、合併に対抗するべく、休みの間も頭だけはフル回転させる。

◇由伸説明ストも視野

巨人高橋由伸外野手が12日、川崎市のジャイアンツ球場で、10日の選手会臨時大会の報告をナインに行った。選手会が希望する特別委員会の設置がない場合は、最終的な手段としてストライキも視野に入れていることなどを説明。今後の動向は不透明ながら「(巨人を代表して)由伸に一任してくれるかという話に、みんなOKだった」と、主力選手も高橋由に協力を約束。「12球団一致団結」とする選手会の意向に、ナインも賛同していた。近鉄やオリックスでは選手も署名活動を行う機運が高まっているが、巨人としての行動を問われると「難しいですね。静観ではないけど」と、現段階では具体的な動きはないと前置きしつつ「巨人の一員であると同時に12球団の一員ですから。選手会と相談してできる限りのことをしないと」と、前向きに話した。

◇井端ナインに報告

中日の井端選手会長が、選手会臨時大会の決議などについて、ナゴヤ球場でチームメートに報告した。この日から再開した練習の前に、1、2軍に分けて状況を説明。スト決行の可能性もあるなど今後の動向は波乱含みだが「一通りの報告をしただけです。反応?特にないですよ。僕に一任してくれるということでした」と話した。

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ライブドアが経営提案書[ニッカン]

◇2年後近鉄黒字にできる

近鉄買収の意向を表明しているライブドア社の堀江貴文社長が12日、都内の同本社で、買収実現に向けた「大阪発・新しい球団経営に関する提案書」を発表した。10日に近鉄本社の山口昌紀社長に郵送し、この日までに近鉄本社に届いており返事待ちの状況だ。26枚の提案書では、株式取得後の再生計画など独自の経営ビジョンを提示している。また堀江社長は、現状の球界体質を批判するとともに「権利は主張すべき」とストライキ権行使をチラつかせる選手会を後押しした。

◇なぜ赤字

買収実現に向けた具体的な提案書について、まず担当者が内容を説明した後、堀江社長が記者会見に臨んだ。「どうやって経営していくのか、オファー、リクエストがあったので、我々のやろうとしていることを理解していただきたいですから」。

A4判サイズで計26枚の提案書は、赤字経営の近鉄球団を再生する計画がメーン。地域密着型の市民球団運営や「インターネットメディア中継」など情報技術(IT)の導入を計画。財務戦略では自己資金で近鉄球団の過半数の株式取得を提案し、ファンや地元大阪経済界、IT関連企業からの出資を募る方向で検討している。堀江社長は「球団を独立独歩させたいと思っている。球団経営で30億、40億の赤字が出ることが理解できない。何年でも支援できる」と2年後の黒字を目標としている。

◇裏金って

近鉄からの返答を待つ一方で、堀江社長は、買収への意欲を語った。そこには旧態依然の球界体質の改善も強調されていた。

堀江社長
「本当かウソかは知らないが(ドラフトで)裏金が動いたりとかの話を聞いたりする。赤字の原因はそういうところだったり、サラリーキャップ制がないとか、一部の球団に選手が集中するシステムがある。これからは地上波に頼るだけではなくケーブルテレビ、インターネット、あるいは海外へ売れるコンテンツ、DVD化するとか、新しい収益源を模索していかないといけないです。」

◇痛烈批判

また堀江社長はストライキ権行使の可能性を決議した選手会を後押しした。

堀江社長
「おかしな一部の人達が、決めたりしてしまうような球界のあり方は変えていきたい。平然とクビを切るような発言をされる方もいらっしゃいますから(選手には)死活問題でしょうが、ここでNOと言えないと一生言えるチャンスはそうそうない。」

暗に巨人渡辺オーナーらを痛烈批判。「変えるためには我々のような外圧もそうですが、内部からもおかしいと言って欲しい。権利は主張すべきです」と選手会に同調した。

◇ライブドア提案書要旨

球団株式の発行
(1)球場来場者への株式割当や株主優待制度などによるファン層の拡大。
(2)選手への成果変動報酬の一部に球団株式による支払いを導入(ストックオプションの付与)。
IT活用
(1)顧客データベースマーケティングの活用。
(2)インターネットによる試合中継。情報配信。
(3)選手とファン、ファン同士の双方向コミュニケーションの支援。
成功事例導入
(1)スタジアム内のみ利用できるプリペイドカードの導入によるショップの消費活動促進(欧州サッカーなど)。
(2)地域経済との連係。試合への興味、関心を高め地域ファン獲得を増進(ダイエーの「勝ったら企画」など参考)。
(3)応援グッズ提供などによる来場促進(浦和レッズの「サポーターズ・クラブ」参考)。

◇買収へ大阪財政界と連係

球団経営の具体案を提示した堀江社長は、近鉄買収に向けた今後の見通しについても言及した。「こういう行動を起こしたことで各界の方々、応援していただける方々が増えている」と追い風を受けている現状を説明。その上で「NOと言われている方を説得できるような方々を含め、人脈、会社と会社のお付き合いができてきています。そういった方々と強調して活動できるように努力していく」と語った。さらに「ここ1〜2週間で動きがあると思います」と新たなアクションを示唆した。

現在水面下では、2リーグ制存続を支持する大阪の政財界関係者と話し合いが進行中。周囲には企業としての信頼性を問題視する声もあるが、提案書では各球団のオーナー企業時価総額との比較を示し「他の球団の親会社と比べ我々は遜色ない」とアピール。買収が失敗した場合、新球団設立の発想には「今のところは考えていない。今ある球団を買って、譲り受けての参入ならリスクが軽減できますから。(新球団の発想になるなら)もしそういうことになれば、新リーグをつくる話になる。そっちの方が面白いだろうし、ただ現時点で深く発表できることはない」と話した。

◇近鉄球団社長「見ました」

近鉄小林球団社長はこの日、大阪市内の近鉄本社前であらためて、ライブドアの買収には応じない考えを示した。提案書が近鉄本社に郵送されたことを認め「見ました。数字は何もなかったけど、色々なアイデアがいっぱい書いてあった。決しておかしなことは書いてなかったけど」と一応の理解を示した。だがその実現性には「どこまで経営改善するかが難しいところ。(球団株式発行による)市民球団化なんてのは1年ほど前にウチがやろうとしたやつだし」と疑問符をつけた。さらに「ウチは既にオリックスとの統合(合併)を粛々と進めて、責任を果たそうとしている訳なんで。せっかくのお話ですけど、お受けする訳にはいかない」と努めて丁寧に話した。近日中にも「正式な文書でお断りする」(同社長)という。

◇本社社長「そんな問題ちゃう」

山口近鉄本社社長もライブドアの提案書を一蹴した。大阪市内の近鉄本社前で「今、言われてもオリックスさんと話してるから無理だわな。そういうお答えをさせてもらわなしゃあない」と話した。提案書にはライブドアの経営内容を開示する部分もあったが「今はそんな問題とちゃうやろ。野球機構の中で話をしている訳やから」と語気を強めた。

パ・リーグ小池唯夫会長
「球団と会社の話し合いがつかないと何ともやりようもないだろう。解決済みのことだし、連盟としては何も言いようがない。」

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合併議決慎重に[ニッカン]

パ・リーグ小池唯夫会長は12日、26日の実行委員会で近鉄、オリックス合併議案について「正規の手続きをするかどうかは、今、タイミングとして色々考えなければいけない事情もある」と語った。

合併は既に5日の臨時代表者会議及び7日のオーナー会議で「大筋の合意」に達し、26日に4分の3の賛成を得て議決される可能性もあった。しかし、オーナー会議でもう1つの合併案が出たり、選手会の反応など周辺に新たな問題も派生していることから、慎重な対応が求められているものと思われる。また、9月8日の臨時オーナー会議までに「12球団代表者会議を開いて何回か話し合う」ことも明らかにした。

◇中村GMは不変

オリックス小泉隆司球団社長が12日、近鉄との合併新球団でも中村勝広GM体制で臨むことを明言した。「中村GM体制は不変?もちろん、そのつもりです」と語った。また、近鉄からは足高圭亮球団社長のフロント入りが濃厚であることも判明した。

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プロ野球選手会、連合と共闘[スポニチ]

参院選に大勝した民主党の支持母体である連合の笹森清会長が12日、労働組合日本プロ野球選手会の古田敦也会長と今月中に会談する意向を明らかにした。笹森会長は近鉄・オリックスの合併に反対する選手会を支援しており、スト決行を促す可能性もある。一方、近鉄の買収を目指すライブドアの堀江貴文社長が会見し、近鉄本社に送付した「大阪発・新しい球団経営に関するご提案書」を公表、選手会のストを支持する意向を示唆した。

民主党・岡田代表、藤井幹事長らからの挨拶を受けた連合の笹森会長は記者会見後、近鉄・オリックスの合併に反対する労組・選手会の援護を表明。「合併については看過できない。選手会を全面的に支援したい」と語気を強め、古田会長ら選手会幹部と今月中にも会談する予定であることを明らかにした。

笹森会長はオーナー側との話し合いを求めた古田会長に対し、巨人・渡辺オーナーが「無礼なことをいうな。たかが選手が…」と“問答無用”といわんばかりの発言をしたことを問題視。9日の記者会見で「話し合いに応じない、という発言は看過できない。企業経営者が話し合いを拒否するのは許されず、怒りを禁じ得ない」として「これから選手会の古田会長と接触して、選手会に対して全面的な支援をしたい」と語っていた。

これを受け、オールスター第2戦(長野)が行われた11日に、選手会側から「極めてありがたい発言」と謝意が寄せられ、その際に近く会談を持ちたいとの意向が伝えられた、という。この日、長野から帰京した古田会長は笹森会長の発言を伝え聞き「僕はまだ話を聞いていませんので、何も言えません。(会談の)機会があれば…。支援してくださることはありがたいことです」と慎重ながらも前向きな姿勢を示した。会談の日時については「これから(連合側と)連絡をとってスケジュールを調整したい」と選手会・松原事務局長。早ければプロ野球実行委員会が開かれる26日の前、遅くとも今月中に実現することになりそうだ。

連合は約680万人が加盟している大組織。プロ野球選手会は非加盟だが、大きなバックボーンと追い風になるのは間違いない。選手会は合併への対抗手段として球界初のストライキを断行することもあり得ることを確認しているが「ファンのことを考え、できればやりたくない」(松原事務局長)というのが本音。とはいえ合併阻止の選択肢がストに限られた場合は、ファンに理解を求め実力行使に出るしかない。その時、連合は大きな後ろ盾になる。ファンから労働界まで巻き込んだ球界の再編問題。前例のない事態だけに、予断は許されない状況となった。

◇シンポを今月中にも開催

古田会長が、選手会主催のシンポジウム「プロ野球の明日を考える会」を今月中にも開催する意向を明かした。球宴を終え、長野から新幹線で帰京した古田会長は「今月下旬か来月にはやれると思います。ファンにも開放するように進めている段階です」と明言。「…考える会」は99年から毎年12月に開催されてきたが、球界再編に徹底抗戦の構えを見せる選手会は初のシーズン中の開催でファンの声を集約することを決めた。古田会長はスト権行使の是非も含め「広く意見を聞きたい」と話しており、活発な議論が交わされそうだ。

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ライブドア、ファンに株式公開[スポニチ]

ライブドアが近鉄本社に送付した「大阪発・新しい球団経営に関するご提案書」は、地域密着型の市民球団運営とIT(情報技術)導入を2本柱とした7項目にわたる再建案を提示。ファン拡大と新たな収入源の構築によって2年後の黒字化を打ち出している。球団買収後の具体案が示されたことで、球界に再び一石が投じられそうだ。

堀江社長が示した提案書では、年間40億円と言われる赤字経営の近鉄球団を再生するための詳細な財務戦略が示されていた。自己資金で近鉄球団の過半数の球団株式取得を提案し、ファンや大阪経済界、IT関連企業などから出資を募る方向で検討。買収後は2年以内の黒字化を目標とし、3年後の球団株式公開を目指すことが記された。

堀江社長は「ベンチャー企業と同じ考え方で経営を進めれば、早期の黒字化は難しくない」と断言。(1)顧客情報をデータベース化した上で、(2)インターネットを駆使した試合中継・情報配信、(3)選手日記などのネット上のファン交流などを実施。さらに具体的なファン拡大策として(5)ファン株主に優勝ビールかけへの参加、ファン感謝祭での1日監督権など優待制度を設けるプランを披露。(4)勝利の際には地域商店街のクーポン券メール配信など、地域密着型の球団運営が示された。

他のオーナー企業との時価総額規模比較も公表し「親会社と比較しても事業の継続性や経営能力を認めてもらえると思う」と堀江社長。(7)ガラスばりの年俸査定も提案されたライブドア案は10日朝に近鉄本社に郵送。現時点での近鉄側の返答はないが「新しい収益源を模索していかないと。これで少しでも売る気になってくれるのではないか」と堀江社長は自信満々に話した。

◇スト決起を促す発言も

ライブドアの堀江社長は会見で、選手会にストライキ決起を促す発言をした。合併を食い止めることになる近鉄球団の買収。選手会側からも買収を望む声が上がり、合併に反対するファンの支持もバックにしてこう語気を強めた。

堀江社長
「内部からも“おかしい”と勇気を持って言ってもらいたい。ここでノーと言わないと、一生言えるチャンスは出てこないと思う。ぜひ行動を起こしていただきたい。」

この行動とは、もちろんストライキのこと。選手会への全面支援を約束した上で「(現経営者は)本当に平然とクビにするようなことをにおわす発言をされる方もいらっしゃるみたいですから。旧体制が悪いことは分かっていると思います」と球界首脳陣を痛烈批判。「おかしな一部の人達が決めてしまうような球界のあり方を変えたい。目標としているところは一緒。そこに向けてお互い頑張りましょう」と“共闘”を誓った。

堀江社長はその具体策として「(今の球界に)ノーと言われている方々、(合併を)説得できる力を持った方々と協調して活動したい」と政財界の関係者らとも連携を深める方針。球界内外から力を結集して球界再編の流れを食い止める覚悟を示していた。

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巨人も最悪ストなら一致団結[スポニチ]

労組・日本プロ野球選手会の副会長を務める巨人の高橋由伸選手会長が12日、川崎市のジャイアンツ球場で練習に参加していた1、2軍選手に10日の選手会臨時大会でストライキを行う可能性を決議したことを報告し、スト決起に至った場合の同意を求めて選手側に了承された。

高橋由会長は「最悪の場合はストをするかもしれない。その場合は一任してほしい」と説明。ナインも「12球団が一致団結していこう」と同意し巨人選手会としての意思統一がなされ、「巨人の一員であるとともにプロ野球界の一員。(選手会内で)足並みを揃えないといけない部分がある」と続けた。ただ、巨人・渡辺オーナーは1リーグ制移行を推進する中心的存在。微妙な立場にあることも確かなだけに「巨人としてできること?難しい。できればストはやりたくない。だから話し合いの場を設けて欲しい」と訴え、経営者側との協調路線を何とか模索しようと必死だった。

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連合・笹森会長が7月中にも選手会と直接会談へ[サンスポ]

連合の笹森清会長は12日、労組日本プロ野球選手会の古田敦也会長ら幹部と会談することを明らかにした。同会長は一部オーナーが選手会側との話し合いは必要ないとしていることについて「怒りを禁じ得ない」と批判。早ければ7月中にも直接会談し、支援する立場を伝えたいとしている。

参院選で大躍進した民主党の最大支援組織でもある『連合』。笹森会長は1夜明けたこの日、選挙結果の勢いに乗るように、いきなりプロ野球の再編、1リーグ問題について切り出した。「近々、選手会との会合の機会を持ちたいと考えています」。

プロ野球では審判団の組合が連合に加盟しているものの、選手会は未加盟。それでも今回、笹森会長が敢然と立ち上がったのは“例の発言”が許せなかったからだ。「話し合いに応じないという発言は看過できない。経営者は話し合いを拒否するのは許されず、怒りを禁じ得ない」。同会長が話したのは9日のこと。前夜に巨人・渡辺オーナーが「オーナーと話をしたい」という古田に「分をわきまえろ。たかが選手が」と発言したことに、猛然と反論したのだった。

その後、選手会の側から「極めてありがたい発言」と謝意が寄せられ、11日夕、近く会談を持ちたいとの意向が伝えられたという。同会長は「選手会を全面的に支援したい」と、連合加盟の審判団を通じて野球協約、さらにコミッショナーの役割について事前準備を進めたいとしている。

会談では、ストライキの行使などについても選手会と議論する用意があるという。ただ、全国に約700万人の組合員を持つ連合だが、最近では求心力が低下したとも言われ、笹森会長といえども球界再編の流れを止めるのは無理という指摘もある。連合という組織を味方につけた選手会の『次の一手』が注目される。

笹森清(ささもり・きよし)
昭和15年10月21日、東京都生まれ、63歳。埼玉県立川越高卒。昭和35年に東京電力に入社。のち東電労組調査局長、57年に全民労協(現・連合)事務局次長。平成5年、電力関連の労働組合が電力総連に一本化され、初代会長に就任。9年連合の事務局長、13年会長に就任。郵政行政審議会の委員なども務める。
連合とは
正式名称は日本労働組合総連合会。平成元年11月、民間連合と官公労組が統一して誕生した。「ゆとり、豊かさを実感できる公正な社会」をスローガンに掲げて自治労、自動車総連、日教組など産業別の労働組織61団体で構成。全国で700万人が加入している。本部は東京都千代田区神田駿河台3丁目。

◇G・渡辺オーナー八つ当たり「もう喋らない」

連合の笹森会長からも批判された巨人・渡辺オーナーだが、この日は都内のホテルで会食後「もう喋らないよ。キミら(報道陣)におちょくられてだな。キミらの野球界を破壊しようという陰謀に利用されるのはもうまっぴらだから。それより政局のほうが大事だ」と八つ当たり。しばらくは爆弾発言も自粛!?

◇古田会長が7月末にも臨時シンポ開催

労組・日本プロ野球選手会会長の古田は12日、合併問題を討議するための臨時シンポジウムを7月末にも開催することを明らかにした。毎年オフに選手会が開く『プロ野球の明日を考える会』をシーズン中に開催するもので、「今月か来月のなるべく早いうちがいい」と話した。ファンを無視したまま進行する合併に、選手会には毎日、ファンから多数の激励や意見メールが殺到。選手会ではファン参加型の公開討論も検討している。

◇高橋由がG選手に「最悪スト」説明

労組選手会副会長で巨人の選手会長を務める高橋由が10日の選手会臨時大会でストライキを行う可能性を決議したことなど1、2軍選手に説明した。出席した選手によると高橋由は「経営者側との話し合いが持てなかったら、最悪の場合ストをするかもしれない。そのときは私に一任してほしい」との説明だったという。高橋由は「誰もストをやりたいとは思っていない。(それでも労組選手会として)ある程度、足並みを揃えていかないといけない部分もある」と話した。

◇カープを支える…広島商工会議所

広島商工会議所の池内浩一会頭はプロ野球の1リーグ制移行の動きに「2リーグ制が望ましい。観客が試合をよく見に来てくれる形態でないとうまくいかない」と話した。1リーグになった場合、広島を含む数球団は、放映権料などの収入が大幅に減少する可能性があるが「広島カープのためにできることはやっていきたい」と経済界として広島を支える考えを明かした。一方、広島市の秋葉忠利市長は定例会見で1リーグ制の賛否について「専門家ではない。特に意見はない」と明言を避けた。

◇近鉄選手らが『合併反対』で一致団結

渦中の近鉄の1軍選手、コーチらが藤井寺球場で練習後、緊急ミーティングを開き『合併反対』で一致団結することが確認された。16日のダイエー戦(大阪ドーム)から選手らも球団存続の署名運動に参加することがほぼ決まった。なお、選手会長の礒部は球宴に参加したため、この日は不在だった。

中日・井端
「(ストに関しては)ボクに一任してくれるということになった。要望、質問は特になかった。」(ナゴヤ球場で選手会臨時大会の内容報告)

◇ロッテの来季韓国遠征は予定通り

ロッテの瀬戸山隆三球団代表は12日、千葉市の球団事務所で、来季韓国で行う予定の公式戦について、仮に1リーグになった場合でも開催する意向に変わりはないと語った。「向こう(韓国野球委員会)には、来季のリーグ体制が流動的だとは伝えてあります。(日程が決定される)来年の1月までに決めればいいことですからね」と説明。また、対戦相手は当初の予定通りダイエーで「報道で色々(合併相手の)名前が挙がっていますが…」と、噂されるダイエーとの合併話を間接的に否定した。

◇西武・星野球団代表が3軍制の利点を語る

西武の星野好男球団代表がこの日、2軍選手に7日のオーナー会議の内容を改めて説明した上で「野球に集中して欲しい」と呼び掛けた。また同代表は、オーナー会議で提案された1リーグ制に伴う3軍制導入について「今までプロ野球を見られなかった場所で見られる可能性もある。(本拠地を)今ないところにすることも考えられる。野球の裾野が広がればいいと思う」と、実現した場合の利点を語った。

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ライブドア「ご提案書」近鉄に郵送[報知]

◇早期黒字へ具体案指示

近鉄買収に名乗りを上げているIT関連企業ライブドアの堀江貴文社長が12日、東京・港区のオフィスで会見し、10日に近鉄本社・山口昌紀社長宛に「大阪発・新しい球団経営に関するご提案書」を郵送したと発表した。堀江社長は「買収交渉では普通は売り手に具体的なことを言わないが、『どうやって経営していくのか聞いていない』『信用に足りない企業』と言われたので、資料を用意させていただいた。球団買収に向けての涙ぐましい努力です」と話した。

報道陣に配布された提案書(複写)は26ページにおよび「球団株式を発行し球場来場者への割り当て」「選手の生み出すキャッシュフローの一部を投資家に還元するプレイヤーズ証券」「インターネットメディア中継」などを説明。「1番お金を使う20〜30代女性にマーケティングしていかないとダメ。もっと地べたを這いずり回って営業すれば早期黒字は問題ない」と2年以内の黒字化、3年後の株式公開を公約に掲げた。「買収がもしもだめだったら新球団か」と問われ「新球団じゃなく新リーグ。今のリーグに加入しても認められるかどうか分からないし、面倒くさいだけ。新リーグを作った方が建設的で面白い」と語り、夢はどこまでも大きいようだ。

◇近鉄本社・山口社長“受け取っただけ”

ライブドアから封書で「大阪発・新しい球団経営に関するご提案書」を受け取った近畿日本鉄道山口昌紀社長は、「今日(12日)受け取ったが、細かいところは見ていない。オリックスとの話がありますから」と、相変わらず売却は拒否の姿勢を見せた。また小林哲也球団社長も「中身が書いてあったといっても(具体的な)数字がない。いずれにせよ、粛々と合併の方向で協議を進めていますので」と説明した。

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連合が選手会と会談へ[報知]

連合の笹森清会長が12日、労働組合・日本プロ野球選手会の古田敦也会長ら幹部と、近く会談することを明らかにした。笹森会長によると、9日の記者会見で「(一部オーナーの)話し合いに応じないという発言は看過できない。企業経営者は話し合いを拒否するのは許されず、怒りを禁じ得ない」と球団経営者側の態度を批判したところ、選手会側から「極めてありがたい発言」と謝意が寄せられ、11日、近く会談を持ちたいとの意向が伝えられたという。笹森会長は「選手会を全面的に支援したい」としている。プロ野球では審判の組合は連合に加盟しているが、選手会は加盟していない。会談は7月中にも行われる見込み。

日本プロ野球選手会・松原徹事務局長
「大変、ありがたい話です。連合側と連絡を取って、スケジュールを調整しているところです。」

◇明日を考える会今月末にも開催

労組・日本プロ野球選手会の古田敦也会長が12日、近鉄・オリックスの合併問題を話し合うために、「プロ野球の明日を考える会」を、今月末にも開催することを明らかにした。この会は、99年12月に第1回を開催。選手、有識者らがプロ野球の問題点を話し合ってきたが、過去4回は全て12月中に開かれており、シーズン中の開催が実現すれば初めてのことになる。「今月の末か来月の頭にはできそうです」と古田。シーズン中の貴重な時間を割いてでも、合併阻止へ向けての議論をしていく考えだ。

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西武代表が2軍選手にオーナー会議を報告[ニッカン]

西武の星野好男球団代表は12日、所沢市内で2軍選手に対し、7日のオーナー会議の内容を説明した。既に石井浩郎2軍監督を通して要旨を伝えていたが、星野代表はあらためて説明した上で「野球に集中して欲しい」と呼び掛けた。また同代表は、オーナー会議で提案された1リーグ制に伴う3軍制導入について「プロの考えを(社会人側に)押し付けるつもりはない」としたが「今までプロ野球を見られなかった場所で見られる可能性もある。(本拠地を)今ないところにすることも考えられる。野球の裾野が広がればいいと思う」と、実現した場合の利点を語った。

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