わたしはかもめ2004年鴎の便り(7月)

便

7月14日

アテネ五輪野球日本代表壮行試合第2戦

日本は投手陣が踏ん張れなかった。1回に1点先行した直後、三浦が2本塁打を喫した。2番手の久保もつかまって5回に追いつかれると、7回には岩隈が4番サンチェスに左中間二塁打を浴びて勝ち越された。打線は3回に中村の左越え2ランなど4点を挙げて逆転したが、4回以降は1安打に封じられた。

123456789R
日本1040000005
キューバ20012010x6
清水直
「初めての代表チームだったけれど、雰囲気が良かったですね。最後はちょっとバタバタしたけれど、ストライクを先行させようと投げました。(キューバ打線は)インコースのボールに手を出してくるけど、投げ間違えなければ大丈夫だと思います。」
小林雅
「1点ビハインドの場面とは気持ちが違うので、同点の場面で出られて良かったです。(キューバ打線は)ワンバウンドするような低めのスライダーに手を出さないですね。でも、そのへんを振らせれば、いいピッチングができると思います。」

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久保、手嶌獲り、最大限の誠意[ニッカン]

ロッテが、自由枠で獲得を目指す久保康友(23=松下電器)手嶌智(22=新日本石油)両党首に、最大限の誠意を見せる。宮田編成部長代行は14日、既に意思表示済みの久保に続き「彼と同じく、本格派の素晴らしい投手。ぜひウチに来てもらいたい」と、手嶌の自由枠での獲得希望を明言。2人が日本代表として参加するハーレム国際野球大会(オランダ・23日〜8月1日)へも松本スカウトを派遣すると発表した。

元々今秋ドラフトで7、8人を獲得する予定だったが、近鉄・オリックス合併による選手救済の影響で縮小。5人ほどの指名が濃厚となった。だが日本代表壮行試合のキューバ戦にも参加した久保と手嶌は、是が非でも欲しい逸材で「うちの誠意を見せるということ」(同編成部長代行)と、オランダにスカウトを派遣することを決めた。

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ロッテが久保と手嶌を海外密着マーク[報知]

ロッテが自由獲得枠で狙う松下電器・久保康友投手(23)と、新日本石油・手嶌智投手(22)を海外まで密着マークする。宮田隆編成部長代行は14日、両投手が出場し、7月23日からオランダで開催される第22回ハーレム国際野球大会への、担当の松本スカウトの派遣を明かした。球団初の自由獲得枠での獲得へロッテでは異例のスカウトの海外派遣に踏み切った。

近鉄・オリックスの合併によるウエーバーの影響を考慮し、今秋のドラフトで10人以上を獲得する当初の方針を白紙に戻したロッテだが、上位候補についての方針は変わらず。この日、東京ドームで行われた日本代表壮行試合に登板した両投手を視察した宮田代行は「調査は終わっているが、とにかく誠意を見せる」と説明。既に同大会への同行を決めている横浜、ヤクルトなどに追随する姿勢を見せた。

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セ5球団、来季は2リーグ[ニッカン]

球界再編が、振り出しに戻る可能性が急浮上した。中日の白井文吾オーナーは14日、来季1リーグ制移行への同調路線から撤退、2リーグ存続を希望する発言を行った。前日13日の阪神に続く反対姿勢で、球団内では阪神との連携の動きも出ている。さらにこの日、ヤクルト、広島、横浜も2リーグ制を維持したい意向を表明。これでセ・リーグは巨人を除く全球団が、急速な球界再編に反対姿勢を示した。近鉄、オリックスの合併へ向け手続きが進むパ・リーグに、大きな影響を及ぼしそうだ。

◇中日、方針Uターン

中日の方針も原点に戻った。13日、阪神久万オーナーが星野SDの説得に応じる形で来季からの1リーグ制移行に反対する姿勢を表明。これを受けて白井オーナーは、日刊スポーツの取材に対し「どの球団も同じ気持ち」と理解を示した上で、来季の2リーグ制存続予言まで行った。

白井オーナー
「セ6球団、パ4球団なら1リーグだが、(もう1つの)合併なんて起こらないよ。具体的な動きはないだろう。(巨人オーナーの)渡辺さんも最近は6球団、5球団なら2リーグと言っている。1リーグ制の線は希薄。来季は2リーグだよ。」

中日はオリックス、近鉄の合併が表面化した時点で浮上した1リーグ案に真っ先に反対の姿勢を示した。しかし、7日のオーナー会議を前に飛び出した渡辺オーナーの新リーグ構想、オーナー会議で西武堤オーナーが明かしたもう1つの合併案などで来季1リーグ制に一気に加速。これに同調する動きも見せていた。しかし、ここにきて安易な合併、縮小。さらに密室での再編劇への世論の反発などを受け、より慎重な議論をすべき、という当初の方針に回帰。白井オーナーは「私の考えは前から変わっていない」と言い切った。

本社、球団間でのコンセンサスもできている。伊藤一正球団代表は「ウチのスタンスは前から変わっていない。2リーグが望ましい。オーナーの意見は分かっている」。26日の実行委員会までに本社、球団間でトップ会談を行うが、阪神と並んで早期1リーグ制には反対する方針は不変であることを強調。同代表は「阪神さんなどとは情報交換していかなくてはならない」と話した。

◇放送料減嫌だ

中日だけでなく、ヤクルト、広島、横浜も2リーグ制維持の意向を表明した。1リーグ制となった場合、1試合1億円といわれる巨人戦の放送権料が半減するといわれる。「球団にとっては死活問題」と語る関係者もいる。反対には2リーグ制で経営の利点を守りたい意向も見え隠れするが、ファンの反発を敏感に感じ、球団合併、削減に反対する選手会の必死な姿勢に、企業経営者として動かされた部分もありそうだ。

セ・リーグ5球団の反対姿勢で、仮に1リーグ制が審議された場合、オーナー会議での議決4分の3以上の確保は難しくなる。近鉄、オリックスの合併は詰めの段階を迎えている。パ・リーグでは1リーグを見据え、もう1つの合併の動きが進行している。セ5球団の動きは、パの今後に多大な影響を及ぼすのは間違いない。セ6球団、パ5球団あるいは4球団で、どう2リーグ制を維持していくのかに向けた方策を、機構、球団、選手の枠を超え誠実に議論する必要性がある。球界再編問題は、新たなる段階に入った。

◇横浜「変わらない方がいい」

横浜峰岸進球団社長は14日、あらためて経営者の立場としては2リーグ制を望む考えを示した。巨人以外のセ・リーグ空段が1リーグ反対の意向を示したことに「他の球団は関係ない。最初から言っているように、経営者としては今まで通り変わらない方がいい。1リーグの方がいいと言ったことがない」と発言。6月下旬には「合併っていうのは撤退っていうことにはならない」と生き残りのためには合併もやむなしとの考えを口にしたこともあったが、考え方自体は変わっていないことを強調した。

オリックスと近鉄の合併についても「前から言っているが、できるなら合併しないのがいい。どうしても6(チーム)ではできないとなったら、痛みを分かち合わないといけないが、基本はパ・リーグの問題だ」と2リーグ、12チームを最優先で希望。あくまでパ・リーグからの提案を受ける形で、どう対処するか熟慮していく構えを見せた。

◇広島「あまりにも速すぎる」

広島松田元オーナーも、阪神久万オーナーの「来季の1リーグ移行反対」の考えに理解を示した。この日、広島市内の球団事務所で「日本シリーズや先日のオールスターの盛り上がりを見れば、2リーグ制が理想であると思っている」と話した。

松田オーナーが危惧するのは、1リーグ制へ向う流れの速さ。6月13日の近鉄・オリックス合併問題の表面化以来、約1ヶ月という短期間での進行には、以前から「私達も戸惑っているのだから、選手やファンも戸惑う。あまりにも速すぎるんじゃないかという気持ちはある」と慎重な姿勢を見せていた。

7日のオーナー会議でも「経営者サイドでものを見すぎると危険じゃないか、ということはお話しした」とコメント。12球団で唯一、独立採算制をとるチームとしてファンの立場にも目を向けていた。

◇ヤクルト「縮小感イメージ強い」

ヤクルト多菊善和球団社長も、都内で現行の2リーグ制支持を明らかにした。「球団としての姿勢は、今のまま(2リーグ)でいいという判断。1リーグでは、観客動員に影響がある」と話した。

経営者としての立場を優先した。多菊社長が心配するのは、1リーグ制により現段階で予想されるデメリットだった。「日本シリーズを開催できないのは大きい。縮小感があるとイメージ的に悪い」と話した。

多菊社長は球界発展につながるのなら、球界全体の決定に従う姿勢を崩していない。だが、労組プロ野球選手会が示した近鉄とオリックスの合併を1年延期する案に理解を示すなど、あまりにも急速な動きには眉をひそめる。「来年は現状のまま、その間に検討していけばいいのではないか」と、加速する球界再編の動きに懸念を示した。

◇渡辺オーナー「喋らん」

巨人渡辺オーナーはこの日、1リーグに関する質問には一切答えようとはしなかった。都内のホテルで会食後、阪神をはじめヤクルト、横浜などセ・リーグ各球団から1リーグ移行反対の声が上がっていることを質問されても「とにかく俺はな、喋らんといったら、もう喋らん。当分無駄足だよ、君達は」と吐き捨てた。阪神が来季の交流試合などを検討していることに関しても、無言のまま車に乗り込んだ。

◇パ5なら2リーグ

内山斉・読売新聞グループ本社社長は14日、東京・内幸町の日本プレスセンターで行われた新聞協会理事会に出席し、もう1組合併が成立しない場合は来季も2リーグを継続させることに賛同した。同社長は1リーグに関する一連の渡辺オーナー発言に関して「真意が伝わってない」とした上で、読売側、あるいは巨人側から『1リーグにしてくれ』とか『して欲しい』などと言ったことは1度もない。積極的に動いたこともない」と語った。また、合併判定という世論の逆風による販売部数への影響については「影響するような状況ではない。むしろ巨人が抜け出せないことのほうが問題だね、僕にとっては」と2位に甘んじているチームに苦言を呈していた。

1リーグ制言移行の各球団見解の変化
阪神




















×
中日××
巨人
ヤクルト×
広島×
横浜×
ダイエー
西武
近鉄
ロッテ
日本ハム
オリックス

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議論を尽くせ、コミッショナー強調[ニッカン]

◇「疾風怒涛の時代、争鳴いいこと」

根来泰周コミッショナーは14日、東京・内幸町の事務局で、再編をめぐり揺れるプロ球界の現状に、議論を尽くすべき時であると強調した。自らの立場を「司法機関」と前置きした上で、協約の問題点や放送権に触れながら「こういう疾風怒涛の時代、迷走するのは困るが争鳴するのはいいことだ」と語った。

前夜、都内の同じホテルに居合わせた巨人渡辺オーナーとの接触をあらためて否定した後、約20分に及ぶ異例の長広舌だった。「1リーグにしろ2リーグにしろ、合併しろなどという権限は僕にはない」「指導力といわれるが、それは権限あってのものだ」と経営権はあくまでオーナーや球団のものとしながらも、持論である不備な協約改正の必要性には語気を強めた。「こんなサプライズ(合併など)が起こったら悠長なことはいってられない」。例として、今後チームの脱退や解散があった場合「協約にはない。それをみんなできちんと議論しなければいけない」と指摘した。

また、球団の収入に大きく影響するテレビの放送権についても「一体、チームが事業者なのか組織全体が事業者なのか。もし全体が事業者ならば費用もみんなで出していく。そこを判断しないと無理がある」と現状の困難さも説いた。

揺れ動くプロ野球の中で、コミッショナーとしてどう役割を果たすか自問自答しているようでもあった。

◇8月後半から本格化

パ・リーグ小池会長はこの日、今後の球界再編の動きについて「堤さん(西武オーナー)が合併には1ヶ月くらいかかると言ったから、本格化するのは8月後半からだろう」との見通しを語った。また、阪神久万オーナーの2リーグ維持発言については「色々議論も出てくるでしょう」としながらも、日程問題などで動けない現状も慮っていた。

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古田2リーグ制見直し「ありがたい」[報知]

セ・リーグ球団が相次いで2リーグ制維持へ傾倒したことについて、日本プロ野球選手会・古田敦也会長は「今まで12団それぞれに思惑はあっただろうけど、立ち止まろうとしてくれてるのはありがたいこと」と素直に喜びを口にした。

選手会会長として「合併、1リーグ制と話が性急すぎる」と警鐘を鳴らしてきた古田。「ファンの方が声を上げてくれているのが大きく影響している。引き続きその声を届けていきたい」と決意を新たした。

ただし、近鉄・オリックスの合併に関しては「1リーグと合併は別問題」と、安易な合併に反対というスタンスに変化はないことを強調。「ライブドアの社長がアイデアを出したように、新しい考えを持っている人はたくさんいる。まだまだ近鉄を救う策はあると思う」と引き続き広く意見を求めることを要求した。また、連合の笹森会長が会談を打診していることについては「もし時間が合えばそういうことになるのでは。その時は、こっちにある情報は全て出します」と話した。

◇豊蔵セ会長宛に選手会決議文書

労組・日本プロ野球選手会が14日にコミッショナー事務局に提出した臨時大会決議文書が、プロ野球実行委員会議長のセ・リーグ豊蔵一会長宛に届いた。この文書は近鉄・オリックス合併の1年先送りや特別委員会開催など6項目を要求するもので、セ・リーグ大越英雄事務局長は豊蔵会長に招集権がある特別委員会については「引き続き検討中です」と話した。

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古田選手会長追い風[ニッカン]

◇ファンの声届いている

球界再編の1年先送りを訴える労組プロ野球選手会に追い風が吹いた。労組の古田敦也会長は14日、後半戦に向け動き出した神宮で取材に応じ、阪神久万オーナーをはじめ2リーグ制支持の声が出てきたことを歓迎した。

古田会長は「近鉄ファンだけじゃなく、他のファンの声も届いているのは間違いない。引き続き声が届くよう、粘り強く頑張りたい」と力を込めた。前日13日、安易な球団削減を危ぐする星野SDの直言を受けた久万オーナーが「勇ましい、いい意見。私も応援する」と1リーグ制移行に反対を表明した。この日、中日、ヤクルト、広島、横浜も反対する姿勢を示した。2リーグ存続は選手会の総意で、訴え続けたことが経営者サイドに風穴を空けつつある。

今後も優先事項である、近鉄とオリックスの合併1年延期を訴える方針は変わらない。近鉄の礒部選手会長は16日のダイエー戦(大阪ドーム)の試合前から、選手もファンとともに合併反対の署名活動に参加することを明らかにしている。既に10日に開かれた労組プロ野球選手会臨時大会で、署名活動への協力を要請している。古田会長も積極的に支援する意向を示している。選手会側はさらなる結束を図るため、球宴で巻いたミサンガを全選手広めるプランも検討中だ。古田会長は「今あるのは数に限界があるので、ニューバージョンにして、少し遅れて配布するかもしれない」と話した。

◇ストも辞さず

近鉄選手会が、ストライキも辞さず−の姿勢を固めた。大阪ドームでの練習後、選手会長の礒部が1軍メンバーを集め、10日の選手会臨時大会の決議内容を報告。意見の一致を見た。礒部は「(級弾との話し合いは)毎回、同じような話で平行線。僕らもスト権を持っているんで」とキッパリ。また前日、礒部ら選手がライブドアの堀江社長と接触したことについて山口近鉄本社社長は「行ったらいかん、という訳にはいかない」と話していた。

◇梨田監督、署名活動容認

近鉄梨田監督が選手の署名活動参加を“容認”した。この日、練習が行われた大阪ドームで「署名活動?おれに(話を)ふられても…」と戸惑いながらコメントした。さらに「何でもみんなで1つになれば怖くないというところはある。みんなが一致した気持ちになるのは大事なこと」と選手の気持ちに理解を示した。

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古田“手応え”「ファンの声が届いている」[サンスポ]

もはや社会問題化している球界再編。新たにこの日、反応を見せたのは先の参院選で大躍進を遂げた民主党だった。川端達夫国対委員長が14日の記者会見で「プロ野球は地域社会における社会的存在で文化だ」と発言、さらに1リーグ制について「経営の論理だけで語られているのではないか」と党政調会長が球団、選手会から事情を聴く考えを示した。

これに対して、労組選手会の古田会長も「広く議論してもらうのはいいこと。選挙も終わったし(発言は)選挙対策でもないでしょうから」ともちろん歓迎する態度を見せている。

最近はもっぱらスーツ姿が多かった古田。この日、神宮球場で行われたチームの練習にはジーパンで現れたが、手には書類を抱え、車のエンジンを止めた後も携帯電話で喋りっ放しだ。球界再編の波に巻き込まれる毎日だが、それでも一時に比べれば表情には明るさが戻ってきた。連合の笹森会長が「力になりたい」と、選手会に共闘を申し入れたことに続いて、この日は民主党。さらにヤクルト・多菊社長も1リーグ制に慎重論を明かした。「ファンの声が届き始めている結果だと思います」と古田は嬉しそうだ。

選手会のホームページには連日、ファンから20通にも及ぶメールが届いている。もちろん内容は、球団数を削減して1リーグ制を進めようとする経営者への非難、選手会への応援が大半。そういう空気は少しずつではあるが、経営者側にも伝わっている。だからこそ、7日のオーナー会議で西武・堤オーナーが明かした「もう1つの合併」が遅々として進まず、逆にこれまでなかった批判、慎重論が顔をのぞかせるのだ。

「球界だけで話し合うのには限界がある。第3者、いろんなアイデアを持っている人達を入れれば…」。議論もないまま、1リーグ制移行などあり得ない。まだ結果こそ出ていないが、古田は自信にも似た“手応え”を感じ始めている。

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2リーグ制維持へ、阪神が交流戦案を提唱[スポニチ]

1リーグ制反対、2リーグ制維持の姿勢を打ち出した阪神がセ・パ交流試合の実施、ドラフト・FA制改革などの具体案を26日の実行委員会で提案することになった。野崎勝義球団社長が14日、甲子園球場内の球団事務所で明らかにした。阪神は13日に久万俊二郎オーナーと星野仙一オーナー付シニアディレクターが会談を行い、2リーグ制支持の球団方針を確認。セ・リーグ他球団も同調姿勢を示しており、1リーグ制移行への流れを変える動きとして注目される。

野崎球団社長の言葉には、阪神が2リーグ制維持の先導役を務めるという強い意志がこもっていた。

野崎球団社長
「実行委員会でもオーナー会議でも決議しておらず、正式議題でもない1リーグ制に向けて流れているのが納得できません。あまりに唐突で無理がある。論議を尽くし、知恵を出し合うべき。声をあげる必要がある。」

13日に久万オーナーと星野SDが会談。「1リーグ制反対、2リーグ制維持」という球団姿勢を打ち出したが、早速、具体案を作成して26日の実行委員会で提示することになった。

最大の目玉はパ球団を救済するためのセ・パ交流試合の採用だ。「この際、交流試合を採り入れるべきです」。かつてパ・リーグ側が要望した交流試合をことごとく反対してきたセ・リーグ側が認めるのは初めてだ。交流試合を含めたセ、パ両リーグの日程草案の作成を急ぐ。近鉄とオリックスの合併は「反対はできない」と、現状セ6、パ5球団をはじめ「球団数に応じてシミュレートしてみたい」と日程案作りを職員に指示した。

さらに日本シリーズ、オールスター戦の継続や「戦力均衡化が働くシステムにすべき。完全ウエーバーは選手層の薄い日本では問題があるが、それに近いものを考えたい」とドラフト改革も盛り込む考えだ。

この日はヤクルトや横浜などセの各球団も2リーグ制継続を望む阪神に同調する意向を示した。巨人戦の放送権などの収入が激減するセ各球団は元々1リーグ制には反対。7日のオーナー会議終了後も性急な1リーグ制への流れに困惑するオーナーもいたが、影響力の大きい阪神が態度を鮮明にしたことで“本音”を示しやすい環境が出来上がったといえる。

今後は巨人・渡辺オーナーとの対立も予想されるが、野崎社長は「オーナーからも“君達の思う通り、存分にやってみなさい”と言われている。どこと意見が違うではなく、当球団の意思です」と話し、西武・堤オーナーの新合併案にも「1リーグ制を狙って合併しようとしているので根本的に考え方が異なります」と牽制した。

渡辺オーナーは10球団になれば来季からの1リーグ制移行が9月のオーナー会議で賛成を得られるとしていた。だが、野球協約上、リーグ再編は全球団の4分の3以上の賛成が必要で、阪神を含め4球団が反対ならば1リーグ制は実現しない。球界再編問題が新たな局面に突入した。

◇ヤ横中広も“同調”

2リーグ制維持を主張した阪神の動きにセの各球団は敏感に反応した。ヤクルトの多菊球団社長は「縮小感があるのはイメージ的に悪い。日本シリーズができなくなる。拡大するにしても縮小するにしても話し合って検討していく方がいいんじゃないか」と話し、横浜の峰岸社長も「経営者の立場では現状維持が1番いい」と2リーグ制を支持する姿勢を見せた。

また、中日の西川球団社長も久万オーナーの発言に「全くの同感です。白井オーナーがおっしゃっているように、球団が減れば1リーグもやむを得ないが、来年は無理でしょう」。以前から性急な1リーグ制への動きに警戒心を強めていた広島の松田オーナーも「やはり2リーグ制が理想だと思う」と持論を主張。巨人を除く5球団が1リーグ制移行に反対の立場を示したことは今後の球界再編に大きな影響を与えそうだ。

◇オレは喋らん

巨人を除くセ・リーグ5球団がこぞって2リーグ制支持を打ち出したことで、がぜん、注目されるのは巨人・渡辺オーナーの反応だ。だが、渡辺オーナーはこの日、都内のホテルで夕食をとった後、詰め掛けた報道陣の問いかけに対し「とにかくオレはな、喋らんといったらもう喋らん。当分、無駄足だよ、君達」と発言を拒否。不機嫌そうにホテルを後にした。

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1リーグ制に待った!阪神・野崎球団社長が具体案提示[サンスポ]

阪神の野崎勝義球団社長は14日、来季も2リーグ制を維持するために、セ・パの交流試合の導入案などを26日のプロ野球実行委員会に提案する考えを明かした。阪神以外にもヤクルト、横浜、広島の球団首脳がここへきて性急な1リーグ制を疑問視するとともに、2リーグ制支持を表明。球界再編問題はセ各球団がスクラムを組み、来季10球団による1リーグ制に“待った”をかける予想外の展開となってきた。

風向きはいつの間にか微妙に変わっていた。加速するはずだった球界再編、1リーグ制にかかった“待った”の声。具体案まで披露して、立ち上がったのは阪神だ。

「私見だが、やはり交流試合を来季から取り入れるべき。交流試合込みの(セ・パ)2リーグを考えたい」。甲子園球場内の球団事務所で記者会見を開いた阪神・野崎球団社長の口調には並々ならぬ決意が漂っていた。私見とはいえ、これまで巨人戦の放映権が減る交流試合に、他のどの球団より反対してきたのが阪神。それを自ら2日の実行委員会で提案するという。

もちろん、理由があってのことだ。前日、久万オーナーに星野SDらを交えて開かれた電鉄本社全役員との報告会。関係者によると、星野SDから「1リーグになれば各球団とも10億円は減収する」との“試算”が発表され、電鉄本社役員の顔色が変わったという。さらに星野SDは1リーグ制での“予想順位”まで披露し「10球団なら7位だと思う」。収入減と低迷−。2のマイナス要素を突きつけられた。「徹底的な議論のないまま1リーグは納得できない」と野崎社長。来季からの早急な1リーグ制移行の前に、まずは2リーグ存続の議論を尽くすのが先決との意見だ。

阪神の姿勢に呼応するようにこの日、セ各球団も同調。ヤクルト・多菊善和球団社長が1リーグ制に「縮小感があってイメージ的に悪い」と発言。球団として球界全体の決定には従う姿勢ながら「拡大、縮小するにしても話し合う必要がある」と性急な動きを牽制した。横浜の峰岸進球団社長も「2リーグ制が理想」と語り、広島の松田元オーナーも「日本シリーズ、先日のオールスターの盛り上がりを考えれば、2リーグ制が理想だと思う」と改めて強調。スクラムを組んで1リーグ制に“待った”をかけた格好だ。

7月7日のオーナー会議では西武・堤オーナーの「もう1つの合併が進行中」という爆弾発言におされ、来季10球団1リーグ制の可能性が高まったが、元々巨人戦での収入が財政の軸となっているセ各球団に、1リーグ制は頭の痛い問題でしかない。しかし、ここにきて選手会の訴え、パ側で新たな合併の動きが具体化しないこともあり、セ側の本音が吹き出した。世論にも後押しされて、再び揃って2リーグ制支持を主張するという急展開になった。もちろん、パ・リーグ5、もしくは4球団による2リーグ維持は困難だが、交流試合が実現されれば、夢物語とも言い切れない。沈黙を守る巨人の渡辺、西武の堤両オーナー。再編問題は、まだまだ予断を許さない。

◇渡辺オーナー“自主規制”

巨人・渡辺オーナーは都内ホテルで会食後、ヤクルトの2リーグ制継続支持などを伝え聞いたが「とにかく俺はな、喋らんといったらもう喋らん。当分無駄足だよ、君達」と“無視”を決め込んだ。8日の「たかが選手が」という発言によって各方面からの反感を買って以降、自粛ムードだ。

◇ロッテ・重光オーナー「7月は何もない」

1リーグ制移行に前向きな姿勢を示しているロッテの重光武雄オーナーは14日、東京・西新宿のロッテ本社で球界再編に絡むパ・リーグのもう1組の合併について「7月いっぱいは(合併の動きは)何もないと思う。私は誰にも会っていない」と発言。合併などの申し出は検討するものの、ロッテ側から積極的に働きかける考えはないことを改めて示した。

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阪神が提案「交流戦はどうやろ?」[ニッカン]

◇ただし「BuBW」合併を承認「セ6パ5」で運営

来季の1リーグ制移行に反対の意向を固めた阪神の野崎勝義球団社長は14日、2リーグ制維持の具体策を26日の実行委員会までに練る方針を示した。西宮市内の球団事務所で会見し「26日に何かを提案できないと議論にならない」と主張。球団を挙げて検討する姿勢を示した。注目の具体策として同社長は「私見」と断った上で「交流戦は取り入れないといけない」と明言。これまでセ・リーグ各球団がタブー視していた“秘策”も視野に入れた。

阪神の決意は、本物だった。1リーグ制に向かう球界の流れに、反旗を掲げた西の名門チームが、2リーグ制維持の具体的な方策づくりに着手する。東京への日帰り出張から球団事務所に戻ってきた野崎球団社長が勢い勇んで口を開いた。

野崎社長
「議論をせずに1リーグになるのは、納得ができない。オーナーにも認めていただき、当球団の意思として、手を尽くしたい。」

立場を明確にしたのは、前日13日。大阪市内の阪神電鉄本社で、星野仙一SDと球団役員が一堂に顔を合わせた会談で、球団としての総意を得た。「もう1つの合併進行」→「1リーグへ」の激流に流されず、反対=2リーグ制維持の意思統一を図った。ただし選手会の主張とは異なる。現時点で「近鉄・オリックスの合併は承認している」としセ6球団、パ5球団の11球団での運営が前提となる。それでも、理想論だけでは終われない。「しっかり応援します」と久万オーナーから激励された野崎球団社長は、次なる一手に目を向けて話した。

野崎社長
「来季2リーグでやるための何か具体的なアイデアを示せなければ、賛同も得られない。私だけでなく球団内で意見を募って26日までにまとめたい。」

セ・パの両リーグ理事会後に実行委員会が開かれる26日がリミットだ。1球団の削減を1リーグ制に結びつけない、何らかの術−。野崎球団社長は、これまで封印してきた秘策を明かした。「あくまで私見ですが、交流戦は取り入れる。(2リーグを)維持するのには仕方がない」。

観客動員や放送権料の見込める巨人戦が減少することから、セ・リーグ各球団は交流戦実施を断固拒んできた。だが2リーグ維持には、交流戦実施で多少の血は流しても、私利私欲を捨てる覚悟も必要だ。阪神が球界再編問題に大きな柱を打ち立てる。

◇星野SD「他球団の市長、オーナーももっと勇気持って」

阪神星のSDがkの日夜、テレビ朝日の「報道ステーション」に生出演。野崎球団社長が私見で提唱した交流戦案を「勇気があること」と評価。さらに「他の球団社長、オーナーももっと勇気を持って欲しい」と球界全体に呼びかけた。出演後も「(交流戦は)どの球団にも意見があったろうが言う勇気がなかったのだろう。セ・リーグから出たのは進歩」と持論を念押し。今後について「色々検討して、できることからやればいい。ただ長く時間をかけてはだめ。渡辺オーナー云々ではなく、建設的な物の考え方をしなくては」とまくし立てた。

◇近鉄「ホンマかあ〜」

山口近鉄本社社長は、前日13日に阪神久万オーナーが来季の1リーグ制に反対したことに「ホンマに言うてんのかなあ」と首をかしてが。赤字が膨らむ可能性が高いため、パ・リーグ5球団での開催は難しい状況。そんな中で1リーグ反対の動きが高まれば、合併への障害になりかねないが「もう合併することになっとんねんから。何を言おうが久万さんの自由ちゃうの。ウチは既定方針通り」と意に介さない様子だった。

オリックス小泉隆司球団社長
「(1リーグに反対する球団があることに)よそさまのことは言えません。合併には関係ない話だし、変わらず合併を進めます。」

◇西武「直接考え聞く」

西武星野球団代表は、前日に阪神が来季からの10球団1リーグ制移行に反対の姿勢を示したことを受け、26日の実行委員会で直接、考えを聞く構えを見せた。この日、所沢市の球団事務所で「実際に(阪神側から)聞いた訳ではないので、何ともお答えのしようがない。実行委員会で話は出るでしょう」と語っていた。

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重光オーナー意味深コメント

ロッテ重光武雄オーナーは14日、阪神久万オーナーらの「1リーグ移行は時期尚早」発言に対し、明確な意思表示を避けた。1リーグ制を支持している同オーナーは東京・新宿のロッテ本社で会見。「何も聞いてないので、言いようがないです」と困惑した表情を見せた。ただ近鉄・オリックスに続く第2の球団合併に関しては「まあ7月いっぱいは何もないでしょう。動きません。交渉も始まらないでしょう」と、ロッテ自ら交渉に乗り出す可能性があるかのような意味深な発言。また濱本球団社長も「(来季のリーグ運営方法は)分かりません。まだ先は…」と、将来的な球団の動きに含みを持たせた。

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中日は阪神に同調[報知]

◇「来年の1リーグ制無理」

1リーグ制移行へ賛成に転じていた中日が、久万オーナーの発言に刺激されたのか、突然、翻意した。この日、キューバ出身のリナレスとともに、アテネ五輪日本代表の壮行試合(東京ドーム)を観戦した西川社長は「久万オーナーの意見に同感です。1リーグ制の具体的なメリットが全く見えてこない。(プロ野球選手会が開催を要望する)特別委員会も設置されていないし、来年の1リーグ制は無理だと思う」と2リーグ制継続を訴えた。

当初、中日は1リーグ制阻止を強く訴えていた。だが、6月2日に白井文吾オーナーが「私は巨人の(渡辺)オーナーと同じ意見だ」と方向転換。1リーグ10球団の方向性が出た7日のオーナー会議後は「パ・リーグが4チームになった場合は、1リーグにせざるを得ない。来年から1リーグ?そういう流れだと思う」と1リーグ制を事実上、容認していた。しかし、この日、西川社長は「うちは前提条件として、2リーグ制を維持したいという姿勢だった。それは最初から全く変わっていない」と説明。ファンやプロ野球選手会の反発を、敏感に感じ取り、これまで一貫して、2リーグ制を支持していたと強調した。

◇阪神野崎社長交流試合提案へ

阪神・野崎勝義球団社長は14日、甲子園球場内の球団事務所で、2リーグ制を維持するため、セ、パ両リーグの交流試合導入案を、2日のセ・リーグ理事会と、実行委員会に提案することを明らかにした。1リーグ制への早急な移行に反対を表明した久万俊二郎オーナーに続き「交流試合を導入してでも、2リーグ制を残すべき。自分達との思いとは違う手順で話が進んでいる」。パの各球団を救済するプランを披露するとともに、10球団になった場合でも「我々には合併を止める権利はありません」と、2リーグ制にこだわる姿勢も見せた。年俸高騰が、球団経営を圧迫している問題にも「ドラフトを完全ウエーバーとは言わないが、戦力が均衡になるように是正すべき。FAの取得期間(短縮)の問題も出てくる」と、球界改革の必要性も訴えた。

◇横浜も1リーグ制反対

横浜・峰岸球団社長は14日、横浜スタジアムでの練習に姿を見せ、阪神・久万オーナーの発言を受け「経営者としては2リーグのほうが赤字の幅が小さい」と発言。「(横浜)球団としては2リーグが理想」と話した。横浜は当初、1リーグ制には反対の立場を取っていたが、同じ姿勢だった中日が1リーグを支持したことで、条件付きながら1リーグ制を容認する方向へ転換していた。

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ヤクルトも「来年は今のまま」[報知]

東京・新橋の球団事務所で取材に応えたヤクルト・多菊社長のトーンは、これまでとは明らかに違っていた。「日本シリーズができないのは大きい。(球界)全体的に見ても観客動員が減る。縮小感があるのもイメージ的に悪い」とデメリットを列挙。「うちは(オーナー会議で)来年は今の(12団の)ままでと言ってある。選手会とほぼ同じ(考え)」と明言した。

ヤクルトは合併について「企業間の問題で仕方ない」、1リーグには「球界全体がそういう流れに動くなら従う」と表向きには球団数削減に賛成とも取れる姿勢を見せていた。だが、ヤクルトも昨年は約7億円の赤字を出している。1リーグ制に移行すれば巨人戦の放映権収入が減少する一方、合併による余剰選手の引き受けで負担は増大する。多菊社長の発言は、阪神の決意表明を後ろ盾に本音を出したとも受け取れる。

7日のオーナー会議では、堀澄也オーナーが企業が球団を持つ理念、早急な1リーグ制移行の前に話し合う必要があることを主張していた。「球団を増やすにも減らすにも、まず、話し合わないと」と多菊社長は口にした。

◇根来C改めて協約改正必要

プロ野球の根来泰周コミッショナーは14日、前日(13日)夜、巨人・渡辺オーナーと同じホテルに居合わせたことについて「会ってない。家から近いから…。挨拶もしていない」と話した。その後、以前から持論としている野球協約の改正について触れ「平時では聞いてもらえないことでも、今、戦時だからこそ議論するいい機会」とし、「コミッショナーに権限があるのか、と言われればない訳で、それを整備しなければいけないのに、サプライズ(合併、1リーグ構想)が起こった訳だから」と改めて協約整備の必要性を説いた。

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「巨人から言ったことはない」[報知]

◇1リーグにしてくれなんて

内山斉・読売新聞グループ本社社長は14日、東京・内幸町のプレスセンタービル内で行われた新聞協会の理事会に出席後、球界再編問題にふれ「読売側あるいは巨人側から1リーグにして欲しい、してくれなんて言ったことなど1度もない」と話した。

内山社長は巨人・渡辺恒雄オーナーから「野球のことは相談に預かっていないから分からない」とした上で「11球団で1リーグなんて無理、運営すること自体。パ・リーグの方が5球団になっても、やろうと思えばできない訳じゃない」とこれまで通りの持論を展開。さらに「パ・リーグが5つになっちゃうから、うちを含めてセ・リーグ側が1リーグにしようとは誰も言っていないはずだ」と続けた。渡辺オーナー発言の真意が正しく伝わっていない現状に、内山社長は「あたかも渡辺オーナーが勝手に1人でかき回しているような印象になっちゃう」と危ぐしていた。

◇渡辺オーナー「喋らん」

巨人・渡辺恒雄オーナーは14日、都内ホテルで会食後、囲まれた報道陣に「とにかくな、オレは喋らんといったらもう喋らん。当分無駄足だよ、君達は」とだけコメント。「阪神以外からも1リーグ制反対の声が出ているが」「阪神が交流戦の提案を実行委員会ですることを検討しているが」などの質問にも一切答えず、帰りの車に乗り込んだ。

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ヤクルト球団社長も2リーグ制継続希望[ニッカン]

ヤクルトの多菊善和球団社長は14日、現行の2リーグ制継続が望ましいとの意向を示した。同社長は「縮小感があるとイメージ的に悪い。日本シリーズができなくなるだろう。来年は今のままでと(堀オーナーも)言っている」と東京・新橋の球団事務所で報道陣に語った。ヤクルトは球界全体の決定に従う姿勢を崩していないが、多菊社長は「拡大するにしても縮小するにしても、話し合って検討していかないといけない」と、1リーグ制移行へ加速する動きに懸念を示した。

オリックスと近鉄の合併に端を発した球界再編の流れは、7日のオーナー会議で西武の堤義明オーナーがパ・リーグ内で新たな合併案が進行していることを明らかにし、10球団での1リーグ制への実現性が高まった。しかし、13日に阪神の久万俊二郎オーナーが来季からの1リーグ制移行を時期尚早とし、現時点で2リーグ制継続を支持する考えを明らかにした。また巨人の渡辺恒雄オーナーも同日「1リーグ制にしてくれなんて、俺の方からは1度も言ってない」と語った。

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野茂、長谷川の保有権は新球団[報知]

◇オリックス小泉社長見解

オリックス・小泉隆司球団社長は14日、ヤフーBBで、94、96年にそれぞれ任意引退選手となり、米大リーグに移籍したドジャース・野茂英雄投手、マリナーズ・長谷川滋利投手の保有権について、近鉄と合併する新球団にあるとの見解を示した。

解雇も浮上している野茂らが、日本球界に復帰する場合、窓口となるのが古巣の両球団だが、合併により消滅。同社長は「(両投手が日本に)帰ってくるか、分からないが」としながらも「商法上、企業が合併した場合、全ての契約関係を引き継ぐのが、継承会社ですから。(保有権は)うちにあると思う」と説明。獲得に動く可能性については、全く触れなかった。

また、同社長は球団職員を集め、これまでの合併問題の経緯を説明。「メールは3度ほど送りましたが、今日は面談の形で質問も聞いた。情報管理をしっかりやれとも言いました」と、重要事項の情報漏れ防止を、徹底するように厳命。阪神・久万オーナーらが、2リーグ制維持を主張したことについては「直接、聞いていないので、何とも言えない」と、言葉を濁した。

◇近鉄が選手の署名活動参加を容認

近鉄・小林哲也球団社長は14日、大阪・天王寺区の電鉄本社前で、選手の署名活動参加を容認する姿勢を見せた。ファンの合併反対のムードが高まる中、選手会長の礒部公一外野手が、署名協力の意向を表明。当初、小林社長は「(選手は署名活動を)やらないと思っている」と話していたが、後半戦が開幕する16日のダイエー戦(大阪ドーム)での活動開始が目前となり「止めるつもりはない。常識ある範囲でやってくれるでしょう」と、トーンダウンした。

この日、大阪ドームでの練習後、礒部選手会長は1軍選手を集め、10日に行われた日本プロ野球選手会臨時大会の内容を報告。「初日(16日)はもちろん、僕が署名に行きます。参加するのは3人くらい」との方針を説明した。15日には2選手に呼び掛け、藤井寺球場での署名活動を要請する。

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近鉄ナイン、16日から合併反対の署名活動[スポニチ]

近鉄の選手会が16日から合併反対の署名活動に参加する。選手会長の礒部は14日、練習後に1軍ナインに10日に開催された選手会総会の議事内容を報告。さらに、オリックスとの合併反対を訴えるため署名活動を始めることを伝えた。「選手会では署名活動することにみんな賛成している。大阪ドームで試合がある時にはこれから毎日3人ぐらい出て(署名活動を)やろうと思っている。最初の16日は僕が出ます」。現在、礒部のもとに届けられているファンの署名は約4万人。試合前の打撃練習終了後の午後4時過ぎに選手が大阪ドームの玄関に立ち、署名活動を行う。

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近鉄選手も16日に合併反対の署名活動[ニッカン]

近鉄の礒部公一選手会長は14日、後半戦の初戦となる16日のダイエー戦(大阪ドーム)の試合前から、選手もファンとともに合併反対の署名活動に参加することを明らかにした。礒部会長は大阪ドームでの練習後、1軍選手に10日に開かれた労働組合・日本プロ野球選手会臨時大会の内容を報告。その席上で署名活動への協力を要請した。2選手には15日に藤井寺球場で説明する。同会長は「16日の練習が終わった後に(署名を)やります。最初は自分が出ます。参加するのは3人ぐらい。2は藤井寺でやってもらう」と話した。

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第2合併8月にも動き[報知]

◇ロッテ・重光オーナー注目発言

ロッテ・重光武雄オーナーが14日、第2合併について注目発言をした。「7月いっぱいは何もない」と9月の臨時オーナー会議へ向け、8月に動きがあることを示唆した。13日に一転して2リーグ制維持を支持した阪神・久万俊二郎オーナーに続き、この日、中日・西川順之助球団社長、ヤクルト・多菊善和球団社長が1リーグ制反対の姿勢を明らかにした。

重光オーナーの発言は意味深だった。「とりあえず7月いっぱいは何もないと思います」近鉄・オリックスを除くパ・リーグ4球団のうち2団の合併が、現時点では進展していないことを明らかにしながらも、8月以降にも第2合併に関する何らかの動きがあることをほのめかした。

「(他球団から合併を)持ちかけられれば誠意を持って対応したい」と前向きに受け入れる姿勢を表明し、本体が経営不振のダイエーとのカップリングが取りざたされるなど、1リーグ制への“軸”として注目されるロッテ。重光オーナーは「誰とも会っていないし、何も聞いてない」と話したが、オーナーの発言は、受け取り方によっては9月8日のオーナー会議前に、準備期間を置いた8月という1ヶ月を意識したものとも考えられる。

また、阪神・久万オーナーが13日、1リーグ制移行の流れから一転して2リーグ制の支持を表明したことについては明言を避けた。「パ・リーグの5球団の運営では経営は壊滅的」(重光昭夫オーナー代行)と、早くから1リーグ制を訴えたロッテだが、重光オーナーは「何も聞いていないし、何とも言いようがない」と話すにとどまった。

◇パすでに5球団用来季日程完成

パ・リーグが、5球団でリーグを存続させた場合の日程シミュレーションを済ませていることが14日、分かった。近鉄とオリックスの合併交渉が明らかになった時点から、連盟では5球団での来年の日程調整に着手。村田繁事務局長は「既に5チームでの日程はできており、いつでも出せる用意はしている」と明らかにした。ダブルヘッダーや交流試合は想定せず、2ーム同士が対戦し、1チームが試合なしになる予定。小池唯夫会長は「経営的に厳しいというのがパの5球団の意見ですが、どういう結論になろうとも、いろんな準備をしていかないといけない」と話した。

◇アマ山本会長、3軍路線推進

社会人野球を運営する日本野球連盟の山本英一郎会長は14日、改めてプロ・社会人合同の3軍制導入を推進することを明かした。アテネ五輪日本代表壮行試合の行われた東京ドームで話した。阪神・久万オーナーが1リーグ制反対を表明しさらに混沌としてきた来季のプロ野球だが、山本会長は「1リーグも2リーグも何も決まっていないし、私も何も聞いていない」とした上で、西武・堤オーナーらが提唱する3軍制を「日本球界の発展のためになる」と協調路線を貫くことを明かした。

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民主党が1リーグ制で球団、選手会聴取へ[ニッカン]

民主党の川端達夫国対委員長は14日の記者会見で、プロ野球の1リーグ制が検討されていることに関して「地域活性化で大きな役割を担うことが期待されるプロ野球が経営の論理だけで語られているのではないか」と述べ、党政調幹部が球団や選手会から事情を聴く考えを示した。川端氏は「ビジネスで(近鉄バファローズを)買収したいという人が一方的にシャットアウトされることが自由主義経済で許されるのか」と批判、選手の労働者としての権利を守る必要があると強調した。1リーグ制の賛否については「色んな選択肢があることは承知している」と述べるにとどめた。

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