わたしはかもめ2004年鴎の便り(8月)

便

8月12日

千葉ロッテ6x−5大阪近鉄(千葉マリン)

ロッテは延長12回、堀が自身5本目のサヨナラ本塁打を放ち今季6度目の4連勝を飾った。ロッテは3点を追う5回、打者一巡4連続適時打で5点を奪い逆転に成功。しかし6回、近鉄の長坂にプロ初打点となる適時打、7回には北川にソロを打たれ同点となり延長戦に突入。12回裏2死、引き分け寸前で堀が、近鉄5人目吉田からレフトへ9号サヨナラソロを放ち試合を決めた。

123456789101112R
大阪近鉄2100011000005
千葉ロッテ000050000001x6x
「先っぽだったので、自分では打った瞬間は『どうかな』という感じだった。感触としてはその前の打席のレフトフライの方が良かった。あれは風。風がなければ、あそこで決まっていたと思うけど(笑)。(サヨナラの儀式に)もう何やられてもいいよ。嬉しいから許す。最高だよね。打ったボールはストレート。別に気負いこともなくバットを振れましたよ。シーズン前半チームに迷惑をかけっ放しだった。これからいくら打っても数字は取り返せないと思う。だったら、ここ1番というところでしっかり打って、チームに返していかないといけないからね。」
バレンタイン監督
「12回のラストイニング。しかも2アウト、2ストライク後からのホームラン。最後まで絶対に諦めてはいけないんだという最善の例だ。」

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延長12回2死、堀がサヨナラ弾[スポニチ]

堀の一振りが試合を決めた。延長12回2死から吉田の直球を強振。左翼席へ飛び込むサヨナラ9号ソロとなった。「冗談で“決めてくるから”とは言っていたけどね」と苦笑した17年目のベテラン。通算5本目のサヨナラ弾で連勝を4に伸ばし、眼下の敵である5位・近鉄に3年連続勝ち越しを決めた。前半戦は不調から打率が2割台前半で低迷した時期もあったが、夏到来で復調。バレンタイン監督も「2死2ストライクから絶対諦めない姿勢の最善の例」と絶賛した。

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「決めてくるよ」と打席に向かった堀、左翼へサヨナラ9号[サンスポ]

12回2死無走者。「決めてくるよ」と打席に向かった堀が、左翼へサヨナラ9号。「先っぽだった。手を上げちゃってから、どうかな、と心配になった。(予告は)冗談だった」と大テレ。4連勝に導く1発に、バレンタイン監督は「数字こそ上がっていないが、重要なときは必ずビッグヒットを打ってくれる」と信頼を深めた。

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ロッテ4連勝!堀が予告サヨナラ弾[ニッカン]

引き分け寸前の延長12回裏2死から堀が決めた。139キロ直球を左翼席へ運んだ。ベンチを出る時に「決めてくるから」と話した35歳のベテランは「イケイケでしたから」と、カウント2−2からボール気味の直球をすくい上げた。これで球団最多となる自身5本目のサヨナラアーチ。バレンタイン監督も「彼はいつだって重要な場面で打ってくれるクラッチヒッターだよ」と、4連勝の立役者を褒めちぎった。

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堀が12回予告サヨナラ弾!ロッテ4連勝[ニッカン]

同点の延長12回2死。堀が、9号サヨナラ本塁打で、見事予告を実現した。ダッグアウトを出る際「決めてくるよ」と、言い残した。堀は「手を上げちゃってから、どうかな、と心配になった」と振り返るがパワーは健在。打球は文句なしの弾道で、左翼席へ飛び込んだ。

チームを4連勝に導く、頼れるベテランの1発。サヨナラ予告は「冗談だった」と照れまくった堀だが、バレンタイン監督は「今季は数字こそ上がっていないが、重要なときでは必ずビッグヒットを打ってくれる」。あらためて信頼を深めた様子だった。

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スト支持選手648/661[ニッカン]

球団合併問題などで、労組プロ野球選手会は12日、賛成98%の高率でストライキ権を確立したことを明らかにした。この日、選手会の松原徹事務局長が都内のコミッショナー事務局を訪れ、日本プロフェッショナル野球組織(NPB)の伊藤修実行委員会選手会担当顧問にスト権確立を通告。同日、NPBを通じ12球団に伝えられた。また、古田会長は連合の都内の本部を訪れ、笹森清会長と会談。今後のアドバイスなどを求めた。

◇反対7その他6

性急な球界再編に異を唱える選手会が、ほぼ一枚岩に固まった。選手会は7月下旬、全組合員752人を対象にスト実施の賛否を問う投票用紙を配布、無記名投票を行った。一部にまだ回収しきれていない選手も存在するが、この日までに回収された661人の回答のうち、648人が賛成票を投じた。実に98%の高率で、残りの内訳はスト反対が7人、その他意見が6人。未回収の91人についても、順次回収作業を進めているという。

NPBにスト権確立の通告を行った松原事務局長は「最終的な決定はオリンピック選手が帰国してから決める。その間、16日、23日の12球団代表者会議などが行われるので、これに向けてスト権を確立したとの考えを示した。真摯な対応を期待する」と話した。その上で、NPB側と協議交渉委員会など話し合いの機会を持ちたい意向を示した。

今回のスト権確立の背景は、NPB側の対応のあいまいさにある。選手会が1年間の凍結を求める近鉄オリックスの合併合意の調印が、ついに11日に実行された。このままなら30日の実行委員会で議決され、9月8日の臨時オーナー会議の承認で正式決定となる。選手参加の特別委員会の招集にも明確な返答がない。同事務局長は「共存共栄のパートナーである我々に何の説明もないまま既成事実を作っていくのを阻止したい」と意図を語った。ストの行使の前に「ギリギリまで話し合いを続けていく」としながらも、「オーナー会議に向けた時期にも」と、実行委員会の合併議決を前提にしていることも示唆した。

この日、古田会長と会談した団体交渉のプロである笹森会長も高率に目を見張った。古田は「ほとんどの選手が賛成しているということ」と意思統一が図れたとの認識を示し、笹森会長に今後のアドバイスを求めた。笹森会長は「ストは最終手段」と前置きした上で「実行委員会は選手会との話し合いに応じていない。団体交渉の要求を拒否することは不当労働行為。スト権の対象です。やるなら今シーズンでしょう」と話した。古田はスト権確立について「意義あることだと思いますが、プランは明かせません」と話した。

中日井端選手会長
「ストはどうなるか、わからないけど、中日も100%の一致で意見調整を終えています。」
阪神赤星選手副会長
「ファンも複雑かもしれないけど、長い目で見て考えれば(球界再編は)もっと時間をかけて考えることが大切です。」
オリックス三輪隆選手会長
「ストを前提としている訳ではないが、最終手段としては考えています。1、2軍ナインそれぞれと話し合い、やむなしの総意をまとめている。」
日本ハム建山選手会長
「悲しいかな、選手会としてできる方法はほかにない。ストがいいとかは考えないが致し方ない感じ。」

◇「組合」認めず

NPB側は選手が労働者でなく個人事業主であるため、労働組合としての選手会を正式に認めていない。ただ、共通の統一契約書で雇用に近い関係であるところから肖像権問題などで東京都労働委員会の調停に応じてきた。労使関係というには不明確な部分がある。初のスト権確立にどう対処していくのか。伊藤顧問は「話し合いの場を持つなど努力したい」としたが、ファンも巻き込む大問題である。

パ・リーグ小池唯夫会長
「メジャーの例もあるように、ストをやってもプラスになることはない。選手会の考え方も分かるが、実行しないでいただきたい。選手関係委員会などで選手とはよく話し合っている。実行委員会でも大半は選手会のことを話し合っている。合併ということには色々な理由がある。それを考えて慎重に対処して欲しい。企業同士の合併は商法上のことでやむを得ずそうなった訳で、第3者は容喙できない面があると思う。ファンにとっても見たいプロ野球が見られなくなる。選手も球団も収入がなくなるし、いいことはない。(合併問題などは)申告な問題でストで解決できたら問題ないんだよ。」
セ・リーグ豊蔵一会長(実行委員会議長)
「私は連盟会長として本件につきコメントする立場にありません。また、コメントする状況でもありません。」
中日伊藤球団代表
「1リーグ制に関しては時間をかけて議論すべきだと思うが(オリックス、近鉄の)合併に関しては、かなり前から話が進んでいることだからね。選手会も(ストライキは)最終手段だと思う。」
ロッテ瀬戸山隆三球団代表
「当然、回避して欲しい。まずは球界が成り立たないといけない。もうすでに成り立っていないんですから。パは4球団になって1リーグに移行することに向って作業している。選手にとっても球界にとっても必要に応じて変革していくことは大事。それを理解して欲しい。」
近鉄足高球団代表
「ファンのことをよく考えて行動を起こすべきだと思いますけど。それ(スト)はよほどの手段だと思います。」
日本ハム・ヒルマン監督
「選手にも権利はある。将来的に影響を及ぼすのは間違いない。起こらないことを祈っているが。」

◇渡辺オーナーは語らず

巨人渡辺オーナーは12日、久々に公の場に姿を見せたが球界の問題については語らなかった。都内のホテルで会食後、報道陣からスト権確立について問われると「そういうことは会長に聞いてくれ」と口にしただけで、立ち止まることなく車に乗り込んだ。

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プロ野球選手会がスト権を確立[スポニチ]

労働組合・プロ野球選手会は12日、賛成98%の高率でストライキ権を確立したことを発表。同日、松原徹事務局長が東京・内幸町の日本野球機構を訪れ、日本プロ野球組織(NPB)にスト権確立を正式に伝えるとともに、オリックス、近鉄の合併凍結などの要求が受け入れられない場合には9月8日の臨時オーナー会議前後にストライキ権行使、公式戦ボイコットの可能性があることを通告した。

労組選手会の古田会長はストライキ権が98%という高率で確立され、スト権行使の可能性が高まっていることに「ほとんどの人が賛成しているということ。高まりつつあるというか、状況が変わらなければあると思う」と強い決意を示した。

選手会は7月10日に開かれた臨時大会で「ストライキを行う場合があり得る」との方針を決議した。その後、経営者側との事務折衝で

(1)
球団名の命名権の売買を1年間認め、来シーズンの合併を凍結する
(2)
特別委員会を招集する

などを要求したが受けいられないまま。その一方で合併への動きは急速に強まっていった。このためスト権確立が必要と判断。7月27日から8月8日まで松原事務局長や同会の顧問弁護士が12球団を回って投票用紙を配り、無記名投票を行った。各球団では「スト権を行使した場合に給料がどれぐらいカットされるかとか、きちんと説明した」(松原事務局長)という。この日までに752人の会員のうち661人が投票し、98%の648票が賛成。反対は7票、無効が6票だった。

古田会長は、この日午前東京都千代田区の連合本部を訪れ、笹森清会長と会談。スト権の行使の仕方などについて相談した。「我々にも初めての経験なんで、その辺でもいいアドバイスをいただけました」とバックアップを願い出た。

選手会がスト権を確立したことで、日本球界初のストライキが決行される環境は整った。松原事務局長は「あくまで共存共栄を考えている」と16日、23日の12球団代表者会議の対応を見守る意向だが、合併が凍結されなければ1歩も引かない構えだ。スト権行使については「五輪組が帰ってきてから話し合う」としたが、合併が承認されるとみられる30日の実行委員会後か、9月8日の臨時オーナー会議後に、古田会長と12球団選手会長で“スト決行”の最終判断を下すことになる。7月10日の臨時大会ではパ・プレーオフや日本シリーズのボイコットが話し合われたが、合併阻止が急務なことから、公式戦ボイコットとなる可能性は高い。既に各球団選手には選手会幹部から

(1)
1週間程度の“時限スト”
(2)
注目度の高い巨人戦のボイコット

など複数案が示されている。選手会の強硬姿勢を経営者側が受け止められるのか。タイムリミットは迫っている。

◇決行なら損害賠償要求も

選手会からスト権確立の報告を受けた機構側では伊藤修・実行委員会選手会担当顧問が話し合いによる“協調路線”を理想とする一方で、法的手段も踏まえた全面対決の姿勢も打ち出した。

85年11月5日に東京都地方労働委員会(都労委)が選手会を労働組合として認定している中、同顧問は「実行委員会は選手会を労働組合とは認知していない。都労委との和解文書の中でも“組合”という言葉は1度も使っていない」と言明。そのため労働組合法第8条の適用は当てはまらないとの見解から「ストが決行されれば、年間シート席など興行の実害が生じる。それに対する損害賠償の要求をすべきとの声が12球団の幹部からも届けられている」と訴訟を視野に入れていることを明らかにした。

さらに、スト中に練習などを行う選手に対し、球場を含めた球団施設から完全にロックアウトすることも検討している。また、小池パ・リーグ会長は「メジャーを例に取ってもストライキをやってプラスになることはない。ファンは見たいプロ野球が見られなくなるし、球団、選手とも収入がなくなる」とスト回避を強く提唱。その上で「合併は色々な原因がある。やむにやまれずそうなった深刻な問題で、ストで解決できる問題ではない。そのことを頭に入れて考えてほしい」と再考を求めていた。

◇大リーグでは過去5度決行

「世界最強の労働組合」と呼ばれる大リーグ選手会は、66年の発足以降5度のストライキを決行。前回94年はサラリーキャップ制導入に反発し、8月12日から翌年3月31日までプロスポーツ史上最長の232日間にも及ぶストを行った。02年にはストをちらつかせながら、オーナー側に課徴金制度などを認めさせている。選手会が強硬手段に踏み切ることができる理由は、野球カードのライセンス料などで積み立てている“スト資金”が豊富なため。有能な弁護士を雇う費用もここから捻出される。スト決行による痛みはさほど大きくないが、94年以降はファン離れが一時加速した。

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プロ野球選手会が98%の賛成票でストライキ権を確立[サンスポ]

労働組合・日本プロ野球選手会は12日、オリックス、近鉄の合併凍結などを求めるためのストライキ権を確立。選手会側の要求が通らない場合には最終手段として9月8日のオーナー会議前後に、ストライキを決行する可能性があることを日本プロ野球組織(NPB)に通告した。

選手会は7月27日から8月8日にかけて、選手会メンバー852人のうち661人に無記名投票を行った。この結果648人、98%の賛成票(反対7、無効6)を得てストライキ権を確立。この日は選手会の松原徹事務局長が東京・内幸町のコミッショナー事務局を訪ね、伊藤修選手会担当顧問に対して、この旨を通達。ストの環境が整ったことを明かした。

選手会は「(スト決行は)五輪出場選手の帰国を待ってから、再協議する」(同事務局長)と当面、スト権を行使しない方針だが、16、23日の12球団代表者会議、さらに30日の実行委員会でも球団合併凍結、1年間議論を尽くすなどの選手会側の要求が通らない場合には、9月8日のオーナー会議直前に最終的な手段としてスト決行をちらつかせて、1リーグ制移行を阻止する構えだ。

「状況が変わらなければ(スト行使は)あると思う」と古田会長も最悪の場合にはストは避けられないとの立場で、この日午前には東京・神田駿河台の連合本部を訪ね笹森清会長と会談。連合側から署名活動の協力申し出があったほか、同会長から一般論なストの方法など実務的なアドバイスも受けたという。選手会は現実的には各球団とも3日間の1カード、全体で最大18試合の時限ストを想定してるとみられ、1、2軍とも同時にスト突入。年俸カット分の保障などについても、具体的な方法が数通り考えられているともいわれる。「スト権確立と行使とは別。協調を基本に切り開きたい」と松原事務局長は慎重な姿勢だが、性急な球界再編の動きに待ったをかけるため、選手会が本格的にスト準備に着手していることだけは間違いない。

労組日本プロ野球選手会・古田会長
「米国と違って選手会に資金がないので、(スト中の)選手の年俸は補てんできない。身を削ることになるが、皆に説明してある。球団削減は心からいけないと思っている。」
小池唯夫パ・リーグ会長
「合併は色々な原因があり、やむにやまれずという事情がある。ストにプラスはない。野球ファンにとっても、選手にとっても球団にとってもいいことは何もない。」
NPB・伊藤修選手会担当顧問(中日球団参与)
「投票の正当性を確認しました。問題は実行委は選手会を労働組合と認知していない。しかし、都労委は労組と認可している。その問題をどう判断するかが課題となる。」

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スト権確立、選手会「賛成」98%[報知]

◇9・8オーナー会議前に行使も

近鉄、オリックスの合併凍結などを求める労組・プロ野球選手会が、ストライキへの態勢を整えた。松原徹事務局長が12日、東京・内幸町のコミッショナー事務局を訪れ、構成員(選手)によるスト権投票の結果、98%の賛成を得てスト権が確立したことを通告した。また、古田会長は連合の笹森清会長と会談し、スト行使時の支持などを依頼。日本プロ野球史上初のストが現実味を帯びてきた。

◇NPB側に通告、対決姿勢強まる

近鉄、オリックスの合併合意が表面化して以降、合併凍結、2リーグ制維持を訴えてきた選手会が、ついに“最終兵器”に手を掛けた。7月10日の選手会臨時大会で「命名権売買の1年間認可や来季の合併凍結、合併の是非を1年間かけて議論する」などを要望。経営者側が来季合併を強行する場合、ファンへの配慮をした上でのスト行使を決議していた。

しかし、日本プロ野球組織(NPB)側は「特別委開催は検討中」とする以外、要求を拒否。これを受けて7月27日から8月8日にかけて、選手会事務局員と顧問弁護士がファームを含めた12球団全選手を訪問、説明とスト権投票を実施した。752人の組合構成員中、12日時点で661人(87.9%)の投票を回収。賛成648(98%)、反対7(1.1%)、無効6(0.9%)の結果を得て、この日「スト権の法的前提が確立した」とNPB側に通告した。

ストへの最終的な対応は五輪参加中の選手が帰国後、執行部が協議し決定する。「この間、16、23日と12球団の会議があり、30日は実行委がある。当方との交渉もあるだろうから、その結果を踏まえて対応したい。会議では回答を出して欲しい。急速な1リーグ制移行はやめるべき。合併についても既成事実ありき、は絶対に阻止する」と松原事務局長は話した。

NPB側の伊藤修・実行委員会選手会担当顧問(中日参与)は「実行委は選手会を労組として認めてはいないが、東京都から労組として認可されているのは事実。投票の数字を見て、選手の総意は間違いないところ」と投票の正当性を認めながらも「(スト権の)確立と行使は別問題。我々の会議で1リーグ制移行反対について取り上げるだろうし、状況をよく見て賢明な判断をして欲しい」と訴えた。

スト行使の時期について、9月8日のオーナー会議前になるのか、後になるのか、選手会側は明言を避けた。だが、プロ野球史上初めて実際に、スト行使に踏み切る態勢を整えたことで、経営者側との対決姿勢はますます強まった。

◇日本プロ野球選手会

労組と社団法人の2組織と、12球団の各選手会から構成。労組は選手の待遇改善、地位向上を目指し、社団は球界全体の発展が目的。労組は1985年に正式に認定され、93年オフにはフリーエージェント(FA)制導入を実現させた。初代会長は中畑清氏。現在の古田会長は5代目。

◇古田会長は笹森連合会長と会談

古田会長は12日午前、東京・千代田区の連合本部で笹森清会長と約1時間、会談した。古田会長は合併反対など今後の署名運動などへの協力を要請。スト権行使の方法、実行のタイミングなど労使交渉の指導、ストを行った場合の支援を要請した。笹森会長は「経営者側から納得のいく説明があってしかるべきで、(合併が)問答無用なのはいかがなものか」と話し、ストには「最終手段であり、初めにありき、ということはしないほうが良い」とアドバイス。古田会長は「慎重に考え行動したい」と話した。

◇渡辺オーナー「会長に聞いて」

夏季休暇中だった巨人・渡辺恒雄オーナーが12日、久しぶりに公の場に姿を見せた。都内ホテルで内山斉・読売新聞グループ本社社長と会食後、報道陣から「選手会がスト権確立を機構側に伝えたようだが」と質問され「そういうことは会長に聞いてくれ」とだけ話しハイヤーに乗り込んだ。「会長」とは根来コミッショナーのことか選手会会長のヤクルト・古田を指すのか定かではないが、三山秀昭球団代表がオーナーのいる読売新聞東京本社に足を運ぶなど、発言力のある渡辺オーナーの“現場復帰”で慌ただしい動きが見られた。

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阪神・久万オーナー「ストやってもらって結構」[報知]

阪神グループの総帥が、選手会とライブドアに強烈なカミナリを落とした。阪神・久万俊二郎オーナーが12日、神戸市内で取材に応じた。プロ野球選手会が賛成98%の高率で、スト権を確立したことに関して「やるんやったら、やってもらって結構です。どうなるのか(選手会は)分かっていない。日割り計算で給料が減るんですよ」と、挑発した。

経営者の論理から、ストライキという最終手段を使ってまでも2リーグ制を維持しようとする行動が許せなかった。「潰れかかっている球団があるから、そのための手段として合併がある。(選手会には)説明せんと分からんのと違いますか」と、ばっさり切り捨てた。

さらに久万オーナーの口調はヒートアップ。近鉄買収に名乗りを上げているライブドアにも“口撃”を休めない。「1000億のお金を持っていても、最初に何百億もかかるし、毎年数十億消えていく。それでもやりますか?」と痛烈に批判。続けて「お金を持ってるだけでもダメ、やる気があるだけでもダメ。野球で儲けようと思ったらダメです。(買収には)よう賛成しません。私のところにきたら10年間の計画を持ってこい、と言います」と、これまたバッサリ。

とどまることを知らない久万節は、巨人の渡辺オーナーにも向かった。「渡辺さんは(1リーグ制でも2リーグ制でも)どっちでもいいんです。堤(オーナー)さんに騙されてるんです。西武が大事か、阪神が大事なんか言ってもらいたいですな」と、最後まで過激な持論を展開した。

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9・8前後に行使も、選手会がスト権確立[ニッカン]

プロ野球の球団合併問題などで、労働組合・プロ野球選手会は12日、球団合併を凍結し、1年間議論を尽くすことなどの要求が通らない場合、最終手段として9月8日のオーナー会議の前後にストライキ権を行使する可能性があることを日本プロ野球組織(NPB)に通告した。同日、NPBを通じ12球団に伝えられた。

この日午前に古田選手会長と連合の笹森清会長が会談。その後、選手会の松原徹事務局長が東京都千代田区のコミッショナー事務局で伊藤修選手会担当顧問に752人の選手会メンバーのうち賛成648(投票総数661、反対7、無効6)の98%(12日現在)の高率でスト権を確立したことを通告した。今回のスト権は7月27日から8月8日に選手会の職員が各球団の選手会を回り、無記名投票を行って確立した。松原事務局長は「ストをやるとかではなく、スト権を確立したことを報告した。スト(権行使)の対応は五輪参加中の選手が帰国後になる」と語った。

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西武、来季からの1リーグ訴えを継続[ニッカン]

西武星野好男球団代表は来週からの3度の会議で、あくまで来季からの1リーグ10球団を訴えていく姿勢を見せた。12日、遠征先の福岡から帰京する際、16日の12球団代表者会議の議題について「1リーグになった場合の細かい点になるだろう。球宴や日本シリーズの替わりになることなどだと思う」と話した。西武は7月7日に堤オーナーがセ・リーグ側に願い出た1リーグ10球団を、主張し続ける構えだ。

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