わたしはかもめ2004年鴎の便り(8月)

便

8月13日

千葉ロッテ16−2オリックス(千葉マリン)

ロッテが今季2度目の先発全員得点をマーク、今季初の5連勝を飾った。1−1で迎えた3回、ロッテは平下の適時打で勝ち越すと、4回には井上の走者一掃3点適時二塁打、橋本の2点適時三塁打など5本の適時打と相手エラーを絡めて一挙9点を挙げた。ロッテ先発渡辺俊は自身最多タイの9勝目。オリックスは今季最多の借金28となった。敗れた3位日本ハムと4位ロッテのゲーム差は、0.5と縮まった。

123456789R
オリックス0010100002
千葉ロッテ01191040x16
井上
「(4回の場面は)あそこで点を取れないと嫌なムードになってしまうと思ったからね。集中もできた。とにかく、来たボールは何でもという気持ちでした。打ったのはスライダーだと思います。今日は渡辺俊投手のリズムも良かったからね。オリックスには前半大分やられているからね。ここでしっかりやり返しておかないと。明日が大切でしょう。」
渡辺俊
「調子はメチャクチャ良かったです。2回を6人で片付けて、ノーヒットノーランもいけるかなと思ったんだけど(笑)。3回の平野選手の二塁打は完全に失投。あれがなければもっといいペースでいけたと思うのに。今日は風も良かったですね。試合前、風の向きを見てボールの曲がりを想像して、今日の風だとこの程度曲がれば効果的だと考えてブルペンでピッチングを行ったのですが、それがバッチリマウンドで活きましたね。」

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ロッテ5連勝!プレーオフ圏とらえた[ニッカン]

ロッテがプレーオフ圏、3位日本ハムの背中を捕らえた。今季7勝12敗と負け越す天敵とはいえ、争いの輪から脱落したオリックスはもはや敵ではない。4回、勢いの差が表れた。満塁で井上の走者一掃二塁打など、7安打集中し、この回一挙9点を奪い取った。

今季2度目の5連勝で、借金3まで盛り返したのは5月2日以来。日本ハムとは0.5ゲーム差に急接近した。バレンタイン監督が好調さを分析する。「それぞれの選手がチームに貢献している。シーズン初めに、それぞれが大事な存在であると選手全員に伝えてきたが、それが今はいい形で表れている」。掲げる全員野球で終わってみれば安打、得点とも先発全員がマークした。

10日からの地元・千葉マリン6連戦。ここまで4試合全てに3万人以上の入場者を集めた。好調ロッテ見たさにファンの足も球場に向かう。瀬戸山代表は「1番はバレンタイン効果。今年は150万人、いきます」と移転初年度の球団記録を約20万人も上回る大目標を掲げた。そのためにも、プレーオフ進出は絶対条件。9勝でシーズン自己最多勝に並んだ渡辺俊は「残り試合は全て大事。全部勝つつもりでやる」と満員の右翼スタンドに約束した。

井上
「あそこで打てないと嫌なムード。個人的には家族が来ていたので、打てて良かった。」(4回2死満塁で3点二塁打)

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渡辺俊自己最多タイ9勝目、マーくん連絡下さい[報知]

気が抜けてしまうほどの大量点をもらっても、サブマリン右腕はペースを乱さなかった。9回は川井にマウンドを譲ったが、自己最多タイの9勝目を挙げ、自身初の2ケタ勝利も目前に迫った。実は“ある男の子”のための白星だった。「1月のイベントで里崎とチャリティー・オークションをしたとき『落札者の誕生日に何かプレゼントする』という権利を買ってくれた9歳になる男の子がいたんですが、こちらの手違いで住所をなくしてしまったんです。その子の誕生日が8月4日だったんですけど…」と困惑していた。

自らも2月に父親となった渡辺俊だが、この日ばかりは違う。「今日は、その子のために投げました。もしこの記事を読んでいるなら、申し訳ないですが連絡をください」と呼びかけた。球界全体が再編に揺れる中でも、プロ野球選手に憧れる少年のために、この日のウイニングボールと、お立ち台でもらった「マーくん人形」を渡して約束を果たすつもりだ。

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ロッテ、2度目の5連勝[スポニチ]

ロッテが15安打16得点で今季2度目の5連勝。4回に2点を加え、なお2死満塁から井上が右越え3点二塁打でこの回の大量9得点と圧勝劇を呼び込んだ。「満塁で打てないと嫌なムードになる。来た球を何でも打とうと集中しました」。アテネ五輪による清水直と小林雅の離脱後に6勝2敗と浮上。バレンタイン監督は「全員が大事な一員と感じて欲しいと伝えてきた。それがいい形で表れている」と満足げだった。

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ロッテ5連勝!渡辺俊が自己最多タイの9勝目[サンスポ]

渡辺俊は昨年挙げた自己最多に並ぶ9勝目に「大量援護してもらったから、リズムよく投げられた」。だが、この日3打点の井上は逆に「いつも通りリズムよく投げてくれたから…」。好調のチームを支えるサブマリン。「残り試合、全部大事。全部勝ちたい」。目前の2けた勝利よりプレーオフ進出が目標だ。

バレンタイン監督
「それぞれの選手がチームに貢献している。その積み重ねが好調につながっている。」
平下
「西岡が盗塁で二塁に行ってくれたのを無駄にせず、かえすことができた。」

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巨人裏金認めた、渡辺オーナー引責辞任[ニッカン]

巨人渡辺恒雄オーナーが13日、電撃辞任した。この日、都内のホテルで読売新聞東京本社・滝鼻卓雄社長が緊急会見。今秋ドラフトで自由獲得枠での入団が確実視されていた一場靖弘投手(明大4年=桐生一)に対し、昨年12月から7月上旬までに約200万円を渡していたことを公表。日本学生野球憲章に抵触する違反行為を重くみた同グループはこの日、読売巨人軍の臨時株主総会、取締役会を開き土井誠球団社長、三山秀昭球団代表らフロント首脳4人の解任を決定した。後任オーナーには滝鼻氏が就任した。1リーグ制移行のキーマンの辞任により、球界再編は新たな局面を迎える。

球団ぐるみの“裏金疑惑”が、ついに明らかになった。この日午後4時、都内のホテルで読売新聞滝鼻社長が、単独で会見に臨んだ。一場との間で金銭の授受を明らかにし、それによる球団幹部4人を解任するという、大粛清人事を発表した。

同社長によると昨年12月、プロ数球団が獲得を狙う一場に関して、吉田編成部長が獲得に有利になるよう三山球団代表に相談を持ちかけた。同代表は土井社長と相談し交通代、食事代などの名目で現金を渡すことを決めた。その額は合計約200万円にものぼった。この事実が最近になって同グループ内に外部から伝わり、球団幹部から事実関係を調査し、不正を認めたという。

一場からはこの日、全額返済されたが、滝鼻社長は会見で「一場選手本人、ご両親に対して、このような事態に巻き込んで大変申し訳ありませんでした、と謝罪をいたしました。また明治大学野球部に対してもお詫びしました」と謝罪。根来コミッショナー、セ・リーグに経過を報告した上で、プロ入りを目指す一場の今後への配慮を求めたという。辞任した渡辺オーナーは球団を通じて謝罪のコメントを発表した。

ドラフトは93年秋から巨人主導のもと逆指名制度、01年秋からは自由獲得枠が導入された。だが社会人、大学生の一部有力選手の獲得をめぐり、資金豊富な球団優位となるマネーゲームが勃発。以来、巨人は有力選手を数多く獲得するに至った。その獲得競争の中で、契約金の上限(現在は1億円)をはるかに上回る「裏金」の存在がまことしやかに囁かれていた。

新人選手獲得の自由競争をうたった巨人が、自ら失態を演じたことは「自業自得」というほかない。「裏金」の存在に関し、これが慣例化していたのではないか、とされることについて滝鼻社長は「ない。他の件については聞いていない」と否定した。

◇院政支配か

球界再編の渦中で主導権を握る渡辺オーナーだが、今後オーナー会議など表舞台からは身を引く。来月8日のオーナー会議には滝鼻新オーナーが出席する。同新オーナーは「1リーグ、2リーグについて私は今、どっちがいいとか考えていない」と具体的な明言を避けた。表舞台から形式上は去った渡辺オーナーが、今後、水面下で動き、その影響力を発揮する可能性は否定できない。だが、球界全体の自浄能力の欠如を浮かび上がらせる今回の問題発覚は、大スキャンダルとして球界に汚点を残したことは間違いない。

渡辺オーナー
「このような不祥事を起こしたことは極めて遺憾であり、野球ファン、関係者の皆さまに深くおわびします。多くの関係者がプロ野球をどう発展させるか真剣に議論している重大な時期に球界の将来をどうするかとは別の問題であるとはいえ、ルール違反を犯した責任は重く、球団幹部を厳しく処分するよう指示しました。自らの道義的な責任も痛感しており、読売巨人軍の取締役及びオーナーを辞任しました。プロ野球の神髄がフェアなスポーツマンシップに依拠していることを巨人軍は十分承知しており、自ら公表して襟を正すこととしました。今回は事態を深く反省し、野球ファンの皆さまのご理解を得た上で新たな決意をもって真摯に野球の発展に力を注いでいく所存です。」

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再編に巨風!!1リーグ構想直撃[ニッカン]

◇それでも消えぬ裏からリードの噂

来季1リーグ制移行に、ストップがかかるのか−。巨人渡辺オーナーの電撃辞任に、再編が進められている球界にも大きな衝撃が走った。渡辺オーナーが1リーグ制を推し進めてきただけに、セ・パ両リーグ首脳も戸惑いの色を隠せない。折りしもこの日、産業再生機構がダイエー本社を支援する場合、ダイエー球団は売却せず継続保有させる案を検討していることが判明。球界再編問題は混迷の度を深めてきた。

◇戸惑う各首脳

「球界のドン」の突然の辞任に、球界が激震に見舞われた。実行委員会の議長も務めるセ・リーグの豊蔵会長は「球界再編のさなかに、これだけの問題を仕掛けた人なのに、その責任を果たさず辞任された」とショックの大きさを語った。一方、今月上旬、軽井沢の静養先で同オーナーと会ったというパ・リーグの小池会長は「その時に退任の意思を聞いた」とし、その表情についても「相当、ストレスがたまっているようだった」と話した。

衝撃と同時に、球界の方向性については先行き不透明感を隠せない。水面下で推し進められているパ・リーグのもう1つの合併問題があるため豊蔵会長は「それがハッキリした段階にならないと先走って申し上げる訳にはいかない。全てがING(進行形)の状態ですので、ちょっと判断がつきません」と戸惑いを隠せない。小池会長も「プロ野球のリーダーとして指導的役割を果たしてきた人だけに、この辞任はプロ野球全般にとって大きな転換になるだろう」と大きな流れは感じつつも、方向性については言及を避けた。

◇急ブレーキ?!

表面的には渡辺オーナーの辞任で、来季の1リーグ制移行の流れに、急ブレーキがかかった形になった。ただし、これで渡辺オーナーの影響力がまったくなくなるのか…といえば、疑問符は残る。ある球団首脳は「わずか200万円でなぜ辞任するのか」と首をかしげた。中日の西川球団代表も「率直に言ってオーナーが責任を取ることなのかという印象はあるが…」と不可解さを指摘した上で「オーナーを辞めても読売グループの総帥であることに変わりはないことだし(1リーグ制を支持する巨人のスタンスに)影響が出るかは分からない」と話した。

「今まで通り合併を勧める」(オリックス小泉球団社長)「何も変わらない」(西武星野代表)など「渡辺オーナー辞任」の意向を事前にキャッチしていたと思われるパ・リーグ側には影響を否定する声が多い。「球界の表舞台から身を引いた上で今後は黒子に徹して球界再編をリードするのでは」という球界関係者の、まことしやかな声も流れている。

◇堤オーナー「残念」

西武堤オーナーは球団を通して「突然のことでビックリしております。球界のために永年情熱を持って尽くしてこられたことに、心から敬意を表します。詳しいことは分かりませんが、残念でなりません」とのコメントを出した。渡辺オーナーとは以前から1リーグ制移行に同調してきた間柄だった。

西武星野球団代表
「ビックリしてますけど、基本的に球界再編問題は実行委員会、オーナー会議で議論してることなので、我々の主張が変わることはないです。確かに渡辺オーナーはオーナー会議の議長で中心となってきた人ですから特に影響はないとは言えませんが、会議を通してやってきてるからね。」

◇阪神野崎社長「主張は変わらず」

球界再編について巨人渡辺前オーナーと主張を別にしていた阪神野崎球団社長も驚いた。「この時期にこんなニュースがあるとは思ってもいなかった。ただただびっくりしている」と話した。それでも、再編問題の軸はぶれない。「(巨人の)後任の方のお考えも存じないし(再編に)影響があるかは分からない。ただ、我々は今までと変わらない意見を主張して、いい結論を得られればと思う」。従来通り、来季からの1リーグ制移行は早急と訴える姿勢を再確認した。また今回の1件がスカウト活動の不正に端を発したことに、「ドラフト制度は改正すべき。自浄作用は制度改革」と力説した。

阪神久万オーナー
「何事が起きたのか、見当もつかない。詳しく聞かないとお話しできない。(渡辺オーナーは)実力者で影響があるかもしれないが(1リーグ制に)変わろうという流れは厳然となるので。うちの立場は変わるものでもない。」
横浜峰岸社長
「ビックリしてます。それ以外、言いようがない。彼(渡辺オーナー)が1人で(再編問題を)やっていた訳じゃないから、基本的に変わる問題ではない。ただ影響力の強い方。どうまとめていくか大変だなあと思う。(辞任理由について)何それ?という感じです。そういうことだとしたら残念。本人もこんな理由でやめるのは悔しいと思う。うちは(その種の金銭問題は)ないと思う。」
広島松田オーナー
「突然の辞任に大変驚いております。たいへん求心力のあった方だったので、オーナー職から身を引かれることはとても残念に思います。また、父親の代から親しくしていただいていましたので、これかれも機会がありましたら色々ご意見をお伺いしたいと思っております。」
ヤクルト多菊球団社長
「先ほど聞きました。急激ですね。よっぽど新聞の部数が落ちたのか…。聞いてみたいですね。ヤクルトは大丈夫です。うちの選手の年俸も安いし、本社には平成10年から弁護士に頼んでコンプライアンス委員会(法律順守を監視する機関)を設けてやっていますからね。」
中日白井オーナー
「スカウトの不祥事に、幹部の解任と自らの辞任ということは、よほど責任を痛感されたということでしょう。」
中日西川球団社長
「これまでは渡辺さんが(1リーグ制反対の)風を一身に受けてきたから何らかの影響が出てくるかもしれない。」
日本学生野球協会・長船騏郎常務理事
「テレビ等の報道で明大・一場選手にかかわる読売巨人軍の発表を聞いた。現段階で事実関係の確認はできていないが東京6大学野球連盟に提出される明治大学野球部の報告を待って対処することになる。」
ダイエー佐藤球団代表
「(巨人渡辺オーナー辞任について)詳しいことが分からないのでコメントできない。(16日の12球団代表者会議に向け)我々の考え方は従来通り。西武堤さんの言われた通りに(1リーグ制移行に向けて)やらせていただきたい。他球団との連絡?西武の星野代表と今まで通りということを確認した。影響はないと思う。我々のスタンスは変わらない。ダイエーのスカウト活動について?ウチはそういうことはないので、スカウト陣に特に伝えることはない。」
日本ハム小嶋オーナー代行
「詳しいことが分からないので、何ともコメントのしようがありません。」
近鉄田代オーナー
「(合併には)影響はないでしょう。我々は当事者として粛々と合併を進めるだけです。」
オリックス小泉球団代表
「今回のことは(合併には)影響はないです。今まで通り、合併交渉を進めます。」
ロッテ瀬戸山代表
「突然のことで驚いております。球界のことに1番精通されている方なので、事実なら残念に思います。」

◇渡辺オーナー根底には読売

渡辺オーナーが読売新聞の社長に就任した91年以降、プロ野球界は同オーナー中心に動いてきた。92年から93年にかけて、西武堤オーナーと共闘し「新リーグ結成」をちらつかせながら、ドラフトでの逆指名、FA制度を半ば強引に導入してきた。

社長就任以前は野球のルールすらよく知らず、「右バッターはなぜ、打ってから一塁に走るのか。三塁の方が近いじゃないか」と真顔で言ったという。が、社長という立場で巨人に深くかかわるようになってからは、野球も野球協約も猛勉強した。特に、協約には他の追随を許さないほどに通じ、96年のオーナー就任で名実ともに、プロ野球界の「最高権力者」となった。

野球人口の減少や選手の大リーグ流出を憂い、プロ野球界の将来を真剣に案じていたのは間違いない。長年反目し合っていたプロとアマの雪解けに尽力し、アテネ五輪に「ドリームチーム」を派遣することにも成功した。ただし、根底には「読売新聞」があった。野球人気の低下→巨人人気の低下→読売新聞の停滞を恐れ、数々の方策を採ってきた。

今回の1リーグ制移行も、00年日本一を最後に巨人戦の視聴率長期低落傾向に危機感を覚え、数年前から準備していたと思われる。巨人人気の維持がプロ野球の維持、発展につながるという信念が、皮肉にも自らを追い込むことになった。

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「もう1つの合併」候補ダイエーに存続の道浮上

産業再生機構が、経営再建中の大手スーパーダイエーの支援方法として、ダイエー球団とクレジットカード会社のオーエムシー(OMC)カードは手放さず、引き続きダイエーに保有させる案を検討していることが13日明らかになった。

UFJ銀行など主力3銀行は再生機構の活用方針をダイエーに通告したが、ダイエーは拒否。球団などの保有にもこだわっているため、再生機構としてダイエーが受け入れやすい再建計画を準備し、機構の活用を促す狙いもありそうだ。

球団は現状では赤字だが、ダイエー本体への営業面での貢献も大きく、なくてはならない存在になっている。昨年のリーグ優勝、日本一に輝いた際、2回にわたる記念セールで約800億円の売り上げがあり、04年2月期決算で売上高、経常利益の目標を達成した原動力となった。さらに球団を保有していることが「グループ会社を含めた従業員の一体感を生み、士気も高めている」(幹部)効果があるという。

ただ、ダイエー本社の高木邦夫社長は再生機構を活用した再建に徹底抗戦の構えを崩していない。今後のダイエーと主力行との交渉はまず、本業の立て直しに再生機構が必要かどうかの決着が最優先。このため球団問題は、再生機構の活用が決まった段階で本格的に議論される見通しだ。

ダイエー本社・土谷忠彦常務取締役FDH管掌
「ダイエーとしては産業再生機構を活用しない再建策を考えている。球団については売却はもちろん、合併も考えていない。」

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古田選手会長「球界で自浄能力を」

労組・プロ野球選手会の古田敦也会長は「コミッショナーとかが主導して、野球界が自浄能力を発揮しないといけない」と話し、ドラフトの完全ウエーバー制導入をあらためて訴えた。「1球団だけの話ではないかも分からない。オーナーが辞めるくらい大きい問題ですから…」と、今後、こういうことが起こらないよう、改革の必要性を主張した。

辞任した巨人渡辺オーナーとは球界再編問題でも主義主張を戦わせてきた。「影響力のあった方でしたが、その人だけを相手にしていた訳ではない。そちら(1リーグ制)の方向に進んでいる方が数人いる訳ですから。今後がどうなるかは分からない」と話すが、これによって選手会の主張が変わることはないとした。

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巨人・渡辺オーナー辞任[スポニチ]

巨人・渡辺恒雄オーナーが13日、辞任した。巨人は明大・一場靖弘投手へのスカウト活動で計200万円を手渡す不正行為があったことを明らかにし、渡辺オーナーの辞任、土井誠球団社長、三山秀昭代表、高山鋼市副代表の解任など幹部の処分を発表した。来季10球団1リーグ制移行のタイムリミットとされる9月8日のオーナー会議が迫る中、混迷する球界の“キーパーソン”だった渡辺オーナーが表舞台から突如消え、後任には滝鼻卓雄・読売新聞東京本社社長が就任した。

渡辺オーナーは、巨人が今オフ自由獲得枠の目玉である明大・一場へのスカウト活動で200万円を手渡す不正行為があったことに対する責任を取る形で辞任した。2月に近鉄が球団名売却を発表した際にも「協約違反」と強く指摘した同オーナーだけに、アマ選手に現金を渡した今回の「ルール違反」に断固たる姿勢を示す必要があった。選手の意思が尊重されるべきとして自由獲得枠制度の導入に最も積極的だった渡辺オーナーが、同制度の活用をめぐって引責辞任したのも因縁だろう。

しかし、再編問題が大詰めを迎えた今、10球団1リーグ制を強く働きかけてきた渡辺オーナーの辞任はあまりに唐突な印象だ。「驚いている。オーナーが責任をとるほどのことなのか」(中日・西川球団社長)というのが球界の一般的な受け止め方で、関係者は一様に首をかしげている。本当にスカウトの不正行為だけが渡辺オーナーを辞任に追い込んだ理由なのか。

(1)
思うに任せない1リーグ制移行にサジを投げた
(2)
批判の矛先をかわした

など、さまざまな憶測が流れている。なぜ巨人が不正事実を自ら明かしたのか。全容が明らかになるにはある程度の時間を要するだろう。だが、この日、球団から配布された渡辺オーナーのコメントの中に謎解きのヒントと思われるくだりがある。

「野球ファンのご理解を得た上で、新たな決意を持って真摯に野球の発展に力を注いでいく所存です」。渡辺オーナーが院政を敷くことを示唆したものと解釈できる。オーナー会議議長という“公職”からも離れ、球界の表舞台から身を引くことで、身動きを軽くする狙いがあるものとみられる。

だが、その一方には1リーグ制推進の中心人物として、ファンの批判を浴びている現実がある。7月27日に東京ドームで行われた巨人―広島戦の際にはドーム爆破の脅迫電話が入り、警視庁が捜査に乗り出す事態となった。「プロ野球ファンなら読売新聞を買うのはやめよう」など、親会社の新聞不買運動を呼びかけるインターネットの掲示板も登場。また、巨人の球団本部には白い粉の入った封筒を送りつけられたことなどから「オレは狙われているんだ」と何度も漏らしていた。こうした“身の危険”も辞任の要因になった、と推察される。

会見の席上、滝鼻新オーナーは渡辺オーナーの今後について「(読売新聞社の)主筆だから、再編問題などについて色んなところで発言する機会はある」と明言した。10球団1リーグ制の実現に向け、水面下で球界から政財界にまで影響力を行使していく意向とみられるが、先行きは不透明だ。

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阪神・久万オーナー「1リーグ制への流れは変わらない」[サンスポ]

西の雄も即座に反応した。互いに「盟友」と呼び合う渡辺前オーナーの辞任を受け、阪神・久万俊二郎オーナーは13日夜、大阪ドーム内で会見。旗振り役が表舞台から去っても、1リーグ制への流れは変わらないとの持論を明かした。

久万オーナー
「何かの影響が出るかも分からんですが、変わろうとしている流れは客観的に見て、そう大きく変わらんでしょう。阪神の立場もそうです。ウチは変わっても変わらんでも、どっちでもいい。流れが変われば、その中で変わらざるをえない。」

独自の交流戦案を提案するなど、2リーグ堅持も模索した阪神は『セ6球団、パ5球団なら2リーグ存続』『セ6球団、パ4球団となれば1リーグ移行』で渡辺前オーナーと合意済み。その方針は転換しない構えだ。

ロッテとの合併がとりざたされるダイエー・佐藤賢二球団代表も「巨人の考え方は変わらないでしょう。特に影響はない。我々のスタンスも変わらない」。西武側とも電話で方針の再確認を行っていた。もちろん、“ドン”が表舞台から退けば、急速な1リーグへの流れにブレーキがかかることは避けられない。そこで注目されるのが、辞任後の動向。巨人・滝鼻新オーナーが「渡辺は読売新聞の主筆ですから、色々な場で発言することはある」と“院政”を示唆したように、親会社の読売新聞グループ本社会長・主筆の座は変わらず、巨人への影響力は依然強い。

1リーグ派は自信をみせるが、混乱が議論の長期化を招きかねない。空席となったオーナー会議の議長の座も不透明だ。セ・豊蔵一会長は「慣れない新オーナーがいいか、他球団の方がいいか。分からない」。6月に1度は議長に立候補した根来コミッショナーが務める可能性もあり、事態収拾のメドは立たない。

一方の2リーグ派は、今回の辞任劇を機として反攻に出るしかない。セ他球団の本音は2リーグ。ドル箱の巨人戦をパ球団に分け与えたくない。対決姿勢を強める労組選手会の士気も高まりそうだ。来季からの大改革には「9月8日のオーナー会議がリミット」と渡辺前オーナーほか球界首脳が口を揃え急いできた。流れを一時的にでも食い止めれば、来季1リーグ移行は不可能になる。絶対的なリーダーを失い、思わぬつまずきとなった経営陣。迫るリミットを前にせめぎ合いを強める両派。球界再編問題も最大の転機を迎えた。

豊蔵一セ・リーグ会長
「アマチュアとの信頼関係が失われるようなことがあったということは大変遺憾。野球機構として適正な処置をとりたい。プロアマの関係を再構築するよう我々も努力したい。(渡辺氏は)リーダーシップのある方だから辞任の影響は大きいと思う。」
小池唯夫パ・リーグ会長
「6、7日に静養先の軽井沢でお会いして退任の話を聞いた。相当ストレスがたまっているようだった。プロ野球の実力者として指導的役割を果たしてきた人であり、退任はプロ野球全体の大きな転機となるだろう。」
阪神・野崎勝義球団社長
「本当にびっくりした。(球界再編への影響は)突然のことでどうなるか予測できない。阪神としては今までと変わらない意見を主張していく。」
中日・西川順之助球団社長
「詳しくは分からないがオーナーが責任を取るほどのことなのか。(球界再編に)何らかの影響は出てくるかもしれない。巨人を含めた読売グループの総大将であることに変わりはないのでしょう。」
横浜・峰岸進球団社長
「あれだけ力のある方が辞めることに衝撃を受けた。本人も悔しいだろう。今回の件で球界に対する不信感が増すことが憂慮される。一場選手獲得を争った横浜の金銭授与?私の知る限りないと思う。」
広島・松田元オーナー
「突然の辞任に大変驚いている。求心力があった方なので、オーナー職から身を引かれることはとても残念。これからも機会があったら色々ご意見を伺いたいと思う。」
近鉄・小林哲也球団社長
「(合併へ)今進めていることを、今まで通り進めていく。今回の件でオリックスと連絡は取っていない。巨人さんのことは巨人さんのこと。こちらから言うことではない。」
オリックス・小泉隆司球団社長
「今日のことで影響はない。今まで通り、合併交渉を進めていく。」
オリックス・宮内義彦オーナー
「突然のことで、コメントのしようがありません。」
ロッテ・瀬戸山隆三球団代表
「突然のことで驚いている。球界のことに1番精通されている方なので、残念に思う。」
ダイエー・佐藤賢二球団代表
「(渡辺オーナーら幹部が辞めても)巨人の考え方は変わらないでしょう。我々の考えも従来通り。パ・リーグとしてはこれまで通り(1リーグ制へ向けての)スタンスは変わらない。」
日本ハム・小嶋武士オーナー代行
「何も詳しいことが分かっていないので、何ともコメントのしようがありません。」
西武・星野好男球団代表
「オーナー会議の議長として色んな部分でまとめていただいてきた。影響ないとは言わないが、渡辺さん1人でやってきたことではなく、オーナー会議や実行委員会で話し合ってきたこと。我々としては何も変わらない。」
西武・堤オーナー
「残念でなりません。」

やはり巨人・渡辺前オーナーと共同歩調をとってきた西武・堤義明オーナーは、滞在先の長野・軽井沢プリンスホテルから、球団広報を通して、コメントを発表した。

堤オーナー
「突然のことでびっくりしております。球界のために、永年情熱をもって尽くしてこられたことに心から敬意を表します。詳しい事情については分かりませんが、本当に残念でなりません。」

7月7日のオーナー会議で、オリックスと近鉄に続く「パのもう1つの合併」の動きを明言。「10球団1リーグ制」を推進してきただけに、“盟友”の辞任は寝耳に水。しかも、もう1つの合併案も具体像を提示できず、9月8日というタイムリミットは近づくばかり。心中穏やかではないはずだ。埼玉・所沢市内の球団事務所では、星野好男球団代表が会見。球界再編への影響について「(渡辺オーナーは)オーナー会議の議長だし、影響はないとはいえない」とし、1リーグ支持を改めて強調。「内容的には渡辺さんが1人でやってきたことではなく、オーナー会議、実行委を通してやっている。我々としては変わらない」と、自らに言い聞かせるようだった。

◇選手会・古田会長は静観「コメントする立場にはない」

労組・日本プロ野球選手会のヤクルト・古田敦也会長は渡辺オーナーの辞任にも表情を変えなかった。同オーナーの“たかが選手”発言が社会的にも問題視されたこともあったが「ボクがコメントする立場にはない」。球界再編の影響についても「そちらの方向(1リーグ制移行)に進んでいこうとする人がまだ数名いるから」と慎重な姿勢で、ドラフトの完全ウエーバー化などにも「着手しないと」とあらためて訴えた。

◇ダイエー、球団は継続して保有も

産業再生機構が、経営再建中のスーパー、ダイエーの支援方法として、プロ野球・福岡ダイエーホークス、クレジットカード会社のオーエムシー(OMC)カードは手放さず、引き続きダイエーに保有させる案を検討していることが13日、明らかになった。UFJ銀行など主力3銀行は再生機構の活用方針をダイエーに通告したが、ダイエーは拒否。球団などの保有にもこだわっているため、再生機構としてダイエーが受け入れやすい再建計画を準備し、機構の活用を促す狙いもありそうだ。

作家の藤本義一さん
「辞任の理由が本当であれば何もコメントすることはない。もし裏に別の理由があるのであれば、非常に巧妙で誰からも異論が出ない方法を取ったと思う。しかし、渡辺オーナーが辞めることで今までの流れが変わるとは思わない。1リーグ制へと移行する態勢は既に固まっているのではないか。誰もが渡辺オーナーは最後まで表舞台に立っていると思っていた。渡辺オーナー個人に焦点を当て続けたマスコミの報道にも問題があったのではないか。」

◇1リーグ制への流れ

平成5年3月29日
巨人・渡辺オーナー(当時読売新聞社社長)がドラフト制廃止を主張。却下されれば「新リーグ」発足を示唆。
平成5年7月13日
これに対抗してロッテ・重光オーナー代行がオーナー会議で「12球団による1リーグ制」を提案。
平成16年6月13日
近鉄とオリックスが合併合意を発表。
平成16年6月22日
ロッテ・重光オーナー代行が来季パ5球団の場合、経営が壊滅的となるシミュレーションを明かし、1リーグ制支持を表明。
平成16年7月5日
選手会側が機構側に合併の1年延期を要望。
平成16年7月7日
オーナー会議後、西武・堤オーナーがパ・リーグで他にも合併協議が進行していることを明かす。
平成16年7月14日
阪神・野崎球団社長が来季2リーグ制維持のため、交流試合導入などを提案。
平成16年7月15日
ヤクルト、横浜、中日、広島の球団首脳も2リーグ制支持を表明。これに対し巨人・渡辺オーナーは「こっちにも考えがある」。
平成16年7月23日
阪神・野崎球団社長が巨人・土井球団社長と会談、巨人は野崎私案を一蹴。
平成16年8月2日
労組選手会が、近鉄とオリックス両球団に合併基本合意書締結の中止を求める警告書を送付。
平成16年8月10日
オリックスと近鉄が合併に関する基本合意書に調印。
平成16年8月12日
労組選手会がスト権確立。スト決行の可能性を日本プロ野球組織(NPB)に通告。

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パあくまで1リーグ[報知]

 再編問題で揺れるプロ野球界に、激震が走った。強力なイニシアチブで牽引車役を務めてきた渡辺オーナーが、表舞台から去る。今後、合併、再編問題はどう動くのか。また、現行のドラフト制度の見直しも球界の内外から声高に叫ばれそうで、球界は複合する難問を抱えることになった。

◇再編問題

9月8日のオーナー会議では、近鉄・オリックスの合併正式承認、もう1つの合併の行方、それに伴う球界再編問題などが最終局面を迎える。それだけに、議長を務める渡辺オーナーの“降板”は、会議の行方に何らかの影響を与えることは間違いない。

しかし、パ・リーグの足並みは一応、乱れてはいない。近鉄・小林球団社長は「今進めていることを、今まで通り進める」と合併の正式調印を粛々と目指すことを強調。また、西武・星野代表は「影響がないとは言わないが、渡辺さん1人でやってきたことではなく、オーナー会議、実行委員会で話し合ってきたこと」と話し、もう1組の合併が成立した場合、10球団1リーグ制に移行する考えを改めて強調した。7月7日のオーナー会議で「もう1組の合併が進行中」と発言した西武・堤オーナーに対し、渡辺オーナーは「10球団なら1リーグがいい」と援護の発言していた。しかし、流れは読めなくなった。

オーナー会議議長は野球協約第22条の3に「議長に事故のある時は議長の指名したオーナーが職務を代行する」としている。巨人からは滝鼻新オーナーが出席するが、セの豊蔵一会長は「(巨人の)後任の方が慣れていない面があるので、他のオーナーがやるべきか相談したい」と話し、根来泰周コミッショナー、パの小池唯夫会長と協議する方針。会議当日の話し合いで根来コミッショナーが特例で議長に指名される可能性もある。

◇ドラフト

ドラフト制が導入された大きな要因は、戦力の均等化を図ること、また、自由競争時代に高騰した契約金の抑制だった。しかし、逆指名制度が導入された1993年以降、水面化での、いわゆる“裏金”の存在は、まことしやかにささやかれてきた。一昨年、逆指名制度に替わり自由獲得枠が導入されてからも、同様の状態が続いている。

ある球団のスカウトは「今回の様なケースは、どこの球団でも多かれ少なかれあること。200万円という金額での首脳陣辞任に逆に驚いている」と話した。逆指名を得るために億の金が動いた、という話は何度となくプロ、アマ球界に流れているのが実態だ。資金力のある特定球団に有力選手が集中するとの批判も当然、ある。

既に阪神・野崎球団社長が「球界は大変な問題を抱えている。この機会に議論が必要」と持論の完全ウエーバー制導入への意欲を高めている。労組・プロ野球選手会も球界改革案の中でウエーバー制導入に言及している。一方、巨人は本来、ドラフト撤廃、自由競争を目指しており、今回の事件を契機に制度の見直し議論が高まるのは間違いない。

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スカウト活動違反で巨人渡辺オーナー辞任[ニッカン]

巨人は13日、ドラフト注目選手に対するスカウト活動で金銭を提供する行為があったとし、渡辺恒雄オーナーの引責辞任と滝鼻卓雄読売新聞東京本社社長の新オーナー就任を発表した。

渡辺氏はプロ野球界に強い影響力を持ち、オーナー会議の議長を務めてきた。オリックスと近鉄の合併に端を発した球界再編問題でもキーマンとされ、同氏の辞任は1リーグ制か2リーグ制かで揺れる球界の今後に大きな影響を与えそうだ。

巨人によると、明大の一場靖弘投手に対し、吉田孝司編成部長が昨年12月から今年7月までに、小遣いなどとして約200万円の現金を渡していた。同部長は「他球団の攻勢が強く、情勢は厳しい。交渉を有利にするため、対策を講じたい」と球団幹部に相談、土井誠球団社長らも裏金の授受を了解していたという。学生野球憲章では金銭の受け取りは禁じられている。

一場投手は自由獲得枠での巨人入団が確実になっていたが、巨人は同投手の獲得を断念する。渡辺オーナーは「このような不祥事を起こしたことは極めて遺憾であり、野球ファン、関係者の皆さまに深くお詫びします」とのコメントを発表した。また、巨人は土井球団社長、三山秀昭球団代表・編成本部長、高山鋼市球団副代表らの解任と桃井恒和球団社長(読売新聞東京本社総務局長)、清武英利球団代表・編成本部長(同運動部長)の就任も併せて発表した。

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