わたしはかもめ2004年鴎の便り(8月)

便

8月16日

西武11x−10千葉ロッテ(西武ドーム)

西武が今季8度目のサヨナラ勝ちで、首位ダイエーとのゲーム差を1に縮め、貯金も今季最多タイの21とした。3点を追う西武は9回、2死無走者からフェルナンデスの本日2本目となる27号ソロで2点差に迫ると、さらに一、二塁から代打小関の2点適時三塁打で土壇場で同点に追いつき延長戦に持ち込む。10回にはフェルナンデスが自身初となるサヨナラ打でを放ち4時間57分の打撃戦を制した。

12345678910R
千葉ロッテ020051020010
西武0112300031x11x
薮田
「チームに迷惑を掛けて申し訳ない…。」
黒木
「これから、また頑張るだけです…。」
西岡
「(エラーで)僕があそこでしっかり守っていれば、黒木投手はホームランを打たれなかったと思います。僕が流れを止めてしまった。申し訳ないし、悔しいです。負けたら一緒ですが、バットは振れています。守備でも、バッティングでも、しっかりチームに貢献したいです。頑張ります。」

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あと1死から負け

9回裏2死まで3点リードしながら、逆転サヨナラ負けを喫した。ベニーの30号3ラン、垣内の2点二塁打などで8回までに10得点。しかし6番手の薮田が9回にまさかの3失点で同点。延長10回は1死も取れず、2四球と単打2本で敗戦が決まった。バレンタイン監督は「両チームとも全力で戦った。いい試合だった。薮田もいい球を投げていた」と、選手の健闘を称えていた。

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黒木、初の1試合4被弾…[ニッカン]

黒木が自己ワーストの1試合4被弾を喫した。復活白星を挙げた6月2日のダイエー戦以来、2ヶ月半ぶりに先発。離脱の原因になった右腕の痺れは完治し万全な状態で登板したが、甘く入った130キロ台の直球を痛打された。10安打7失点で5回途中で降板。勝利投手の権利も得られなかった。「これからまた頑張るだけです」と、前を向いた。

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バレンタイン監督、まさかのサヨナラ負けに“逆ギレ”[サンスポ]

まさかのサヨナラ負けにバレンタイン監督は、不機嫌そのもの。まずは審判の判定に注文。「(9回2死一塁で四球の)中島はスイングしていたし、小関の同点打はファウルに見えた」。また、期待を裏切った黒木の次回登板に質問が及ぶと「球場に見にくれば分かる」と報道陣には“逆ギレ”した。

黒木
「これからまた、頑張るだけ。とにかくチームの勝利を願っていましたけど…。」(5回途中7失点KO)
ベニー
「スライダーを上手く打てた。30本目を打つことができて嬉しい。」

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復帰黒木炎上[スポニチ]

右ひじ痛から復活を狙った先発・黒木は復帰登板を飾れなかった。2軍で調整を続け、6月2日のダイエー戦(北九州)以来の1軍マウンドとなったが、4回0/3を10安打7失点。先制点をもらいながら、4回と5回に計4本の本塁打を浴び「これからまた頑張るだけ」と悔しさをにじませた。

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観客動員

パ・リーグは15日終了現在の観客動員数を発表。リーグ全体では322試合で848万8000人と1試合平均2万6400人と前年比10.5%増。チーム別ではロッテが34.1%と最も伸びており、以下日本ハム32.4%、オリックス21.4%、西武4.9%、ダイエー2.4%と伸ばし、近鉄だけが9.7%減らした。試合時間はリーグ平均で3時間28分と前年比で0.05分延び、短縮したのはダイエーだけだった。

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阪神「9・8までに示せ」[ニッカン]

◇2リーグ維持へセ5球団最後通告

セ・リーグが、球界再編に最終期限を突きつけた。プロ野球12球団代表者会議が16日、都内のホテルで開かれた。約6時間に及んだ会議では、セがもう1組の合併で1リーグ制を模索しながら具体的な答えのないパ・リーグ側に、オーナー会議が開催される「9月8日」をタイムリミットとすることを申し入れた。パ側の調整がつかない場合、“時間切れ”でセ6、パ5球団での2リーグ制維持の可能性も出てくる。一方、パ側は「9月8日」までに具体的な話をする方向としており、今後の推移が注目される。

1リーグか、2リーグか−。方向性の見えない中、12球団代表者会議は5時間45分にも及んだ。両リーグの各理事が対面する形の会議の席上、セ・リーグがパ・リーグに対して最終通告を突きつけた。

2リーグ制維持を主張する阪神野崎球団社長は「もう1つの合併についてはリミットがある」と、オーナー会議が開催される9月8日を最終期限とすることを伝えた。ヤクルト倉島球団常務も「今月中に返事をして欲しい。それまでに決まらないと(1リーグは)無理だ。30日までは(1リーグか、2リーグか)二股をかけて議論するが、その後はそうはいかない」と話した。当初、7月7日のオーナー会議で西武堤オーナーが、もう1組の合併協議の進行を明らかにした上で、来季1リーグ制を示唆。1ヶ月以上が経過しても合併が表面化しないことに、セ側は期限を提示することで態度を明確にした。

23日に再度の12球団代表者会議が、30日に実行委員会開催が予定されている。重要な審議事項は、実行委員会で審議された後、オーナー会議で承認が得られる。セ側が期限を「9・8」に設定する裏には、来季日程作成などのリスクを考慮した客観的判断がある。野崎社長は「個人的には難しいのでは。(まとまらない)可能性はあるという印象をもった」と語った。広島鈴木球団副本部長も「そろそろ結論が出ないとという認識はある。(2リーグが理想という)スタンスは変わらない」と話した。

7月26日の実行委員会で、野崎社長が2リーグ制維持を主張したが、巨人やパ側から押し戻され“孤立”した経緯がある。この日の12球団代表者会議は、球界に影響力を持つ巨人渡辺オーナーが辞任してから初の会議だったことで注目された。中日伊藤球団代表は「仮にパが4球団になっても来年は2リーグでやって、1年間かけて議論しようというのが、巨人を除くセ5球団の主張だ」と語るなど、セ球団が最終期限を提示した上で、2リーグ制維持に向け結束を固めた形だ。

議長役だった豊蔵セ・リーグ会長は球界再編の進捗状況を「時間がだいぶ切迫しているが、間に合わないともいえない」と微妙な言い回しで表現した。近鉄、オリックスの合併合意に端を発した球界再編は「9・8」へ向け、最終章に入った。

中日伊藤一正球団代表
「パ・リーグは4球団になることを前提に来季からの1リーグ制への移行を主張していた。もう1つの合併については、ロッテから進んでいると説明があったが、具体的なものではなかった。もし、来年から1リーグになった場合、事務局は大変な作業になる。いつまでも先延ばしにできる問題ではない。30日の実行委員会と9月8日のオーナー会議で承認されることが(合併の)タイムリミットになるだろう。それまでには間に合わないんじゃないか。仮にパが4球団になっても来年は2リーグでやって、1年間時間をかけて議論をしようというのが、巨人を除くセ5球団の主張だ。」
ヤクルト倉島球団常務
「ヤクルトとしては2リーグでやりたいと思っている。1リーグにした場合の代替案の話でも、日本シリーズや球宴に勝る案というのは今のところない。出たのは2リーグ制でもできることばかりだった。具体案は専門会社に依頼して、集客や収益の予想数字を出してもらうべき。各球団とも裏付けがないと判断できないだろう。」
広島鈴木球団副本部長
「1リーグか2リーグかのことも含め、特別委員会の開催、選手会のストライキに関して、次回(23日)に各球団が意見を出し合おうとなった。広島としては(2リーグが理想の)スタンスは変わっていないし、ストは避ける方向でありたい。(全体的に)選手会との対話が必要だという話は出てきている。」
中日白井オーナー
「今年は1リーグなんて何も決まらないんじゃないか。1リーグ、2リーグというよりオリックスと近鉄の合併自体はっきりしていないでしょう。9月8日のオーナー会議?混沌としているな。、全ては時間切れになる可能性もある。」
横浜山中球団専務
「基本的な考え方として合併については経営の問題ということですので、それに関して困るとか、こうして欲しいとかは言えない。パ5チームなら2つのリーグ、4チームということであれば1リーグを考える。」

◇球団削減が前提

2リーグ制維持を訴える阪神久万俊二郎オーナー(83=電鉄本社相談役)は神戸市内で取材に応じた。「まだ(野崎球団社長から)詳しい連絡を受けていないのでお話しできない」とした上で、もう1つの合併が送れているとする野崎球団社長の見解に「だとすれば、打つ手はないですな」と反応。球団数が削減しなければ来季からの1リーグ制移行が成立しない見通しを示した。

◇スト議論に長時間

16日の12球団代表会議では1、2リーグ問題が話し合われるまでに次の3点が議題となった。

(1)
巨人三山秀昭前球団代表が一場投手の問題で陳謝と事情説明。
(2)
オリックス、近鉄合併の基本合意についてのオリックス小林隆司球団社長からの報告。
(3)
労組プロ野球選手会から通告されたストライキ権確立への対応と、選手会が開催を要求している特別委員会の招集について。

合併についてはオリックスの小泉隆司球団社長から「8月30日実行委員会で承認手続きを行いたい」との意思表明があった。また、ストライキ権確立には大きな時間が費やされ、「中長期の展望について有益な議論ができた」(豊蔵議長)という。さらに、特別委員会の招集についても議論が百出し「引き続き検討するということになった」と豊蔵議長は説明した。

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パ「進んでいる」[ニッカン]

◇ロッテ代表「オーナー会議までに」

1リーグ推進派のパ・リーグ各球団は、近鉄、オリックスに続く「もう1つの合併」が水面下で進んでいることを強調した。ダイエーとの合併案が浮上しているロッテ瀬戸山球団代表は「5球団のままだったらということも、パの各球団が、もう1回考えないといけないかもしれない」と話す一方で、「もう1つの合併については、9月8日のオーナー会議までには、具体的な話をしなければと思ってます。徐々に説明をしなければと思います」と自信を見せた。

会議ではもう1つの合併を前提にしたリーグ再編問題も議題となったが、その中でセ・リーグ球団からは「もう1つの合併がどの球団なのか」などパ側へ質問が飛んだ。パの各球団首脳は現時点では「具体的には答えられない」と明言を避けたが、「もう1つの合併については、粛々と進めているとパの当該球団の1つから説明があった。球団名はノーコメント。これまで示してきたことを、これまで通りに主張して進めるだけです」(日本ハム小嶋オーナー代行)と4球団になる可能性を示した。

パが4球団になった場合には、横浜など1リーグ制移行へ同調するセの球団もある。全ては西武堤オーナーが明言した合併が実現するかどうか。西武星野球団代表は報道陣の「合併は進んでいるか」の質問に対して「それはあります」と強調。セ球団側からはもう1つの合併のタイムリミットを9月8日のオーナー会議とする意見が出されているため、水面下で合併の当該球団が早急な調整を進めると見られる。

日本ハム小嶋オーナー代行
「1リーグ、2リーグの問題を真剣に検討している。今日はそれ以上に話せるようなことはない。もう1つの合併については、粛々と進めているとパ・リーグ当該球団の1つから説明があった。球団名はノーコメント。巨人の体制が変わったからといって、方向性は変わっていない。1リーグへ向け動いているというのは、前回と同じく感じている。」
ダイエー佐藤球団代表
「2リーグがいいのか、1リーグがいいのか、メリット、デメリットの話をした。パは1リーグ制でまとまている。セは巨人をのぞき、2リーグ制で足並みがそろっている。結論は出なかった。今のプロ野球界は何球団でやるのが適正なのかという話。前回よりも具体的な話ができたので前に進んでいると思う。9月8日で一気に決まるかもしれないし、決まらないかもしれない。もう1つの合併?今日は出なかった。」
西武星野球団代表
「(1リーグの話は)パは固まってますけど、セは色んな意見が出ました。手応え?そうですね、進んでいます。あります。」
オリックス小泉球団社長
「もう1つの合併が進んでいるという報告はあった。それを待って1リーグ?そうですね。1リーグ、2リーグの話は23日の代表者会議で継続審議です。」
パ小池唯夫会長
「もう1つの合併の新しい動きについて報告はなかった。9月8日のオーナー会議を目指して今、努力しているということです。選手会に対しては、23日に古田君(選手会長)にも参加してもらって協議交渉委員会を開いて話し合うことになった。」
近鉄小林球団社長
「今回は1リーグ制を中心に話し合って進化はしたけど進展はなかった。収入計算を数字で詰めないと議論しにくい。」

◇巨人清武新代表「聞き役でした」

巨人が「聞き役」になった。13日に就任した巨人清武英利新代表はセ・リーグ理事会、12球団代表者会議に初めて出席。「私は就任したばかりなので聞き役でした」と、静観の姿勢をとったことを強調した。

会議前には三山前代表が一連の不祥事を謝罪。会議の内容については「豊蔵議長が会見していますので私が話す訳にはいかない」と語るにとどまった。しかし懸案の1リーグ問題は、渡辺前オーナーを中心に巨人、西武主導で推し進めていた。新体制の態度が注目されたが「大きな変更はない」と明言。桃井新球団社長も「パが4球団になったら、(1リーグに)ならざるをえないだろうな」と前フロントと同じ主張を繰り返した。

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FDH保有存続を強調

ダイエー佐藤賢二球団代表が16日、パ理事会で、球団の継続保有を強調している親会社の大手スーパー、ダイエー本社のスタンスに変わりないことを説明した。佐藤代表は「理事会では(高木)社長が言っていることを伝えた。従来通り、福岡で球団を保有し続けるということ」と語った。ダイエー本社は現在、UFJ銀行など主力取引3銀行と05年3月からスタートする再建計画を策定中。銀行団が視野に入れている産業再生機構の活用には否定的で、球団も継続保有の姿勢を崩していない。ただ、ダイエー球団は1リーグ制移行を求める球団方針も変えておらず、佐藤代表は新たな合併球団について「進んでいるのではと思う。(どの球団かは)分からない。我々のレベルの話ではないので」と明確な返答を避けた。

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古田選手会長とセ・パ理事長で23日交渉委員会[ニッカン]

伊藤修・実行委員会選手会担当顧問(中日参与)は16日の12球団代表者会議後、「23日の次回12球団代表者会議の前に労働組合日本プロ野球選手会と協議交渉委員会を開きたい」との意向を明らかにした。

選手会がスト権確立通告に際して申し入れたことに対応したもので、日本プロフェッショナル野球組織からはセ・リーグ理事長の阪神野崎球団社長、パ・リーグは理事長の近鉄小林社長が不都合のため足高代表、さらに実行委員会の選手等検討委員会のセ、パ3委員が出席。選手会側も、古田敦也会長(ヤクルト)ほか顧問弁護士が同席する。「ストライキとなればその間の試合をどう判断するかなど難しい問題がある」と伊藤顧問。合併問題のもう1つの大きなヤマ場になりそうだ。

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オーナー会議前に合併正式契約

オリックス小泉隆司球団社長が16日、近鉄との合併正式契約書を9月8日のオーナー会議の承認を待たずに作成する計画を明らかにした。この日出席した12球団代表者会議で、近鉄との合併基本合意書に調印したことを報告。さらに今後の予定を話し合い「9月8日以前に(契約書作成は)やる予定。日付はオーナー会議が終わった後に入れることになるかもしれない」と話した。

これまで労組プロ野球選手会からは近鉄との合併そのものの中止を求められているが、予定通りに成立させる構え。23日に行われる予定の協議交渉委員会で選手会側に説明したのち、一気に正式契約にこぎつける方針のようだ。

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セ2リーグ維持に強気[スポニチ]

12球団代表者会議が16日、東京・港区の新高輪プリンスホテルで行われ、巨人・渡辺恒雄前オーナーの辞任余波で2リーグ制維持派が突如、強気に転じた。水面下で進むパ・リーグの“もう1つの合併”が遅れる中、巨人を除くセ・リーグの5球団から1リーグ制移行へ異論が噴出。強い影響力を発揮してきた渡辺前オーナーが辞任したことで議論の行方が混沌としてきた。

渡辺前オーナー辞任の影響は明らかだった。1リーグ制を前提に問題点を話し合うはずだった会議。目立ったのは2リーグ制維持を求めるセ球団の強気の発言だった。

阪神・野崎球団社長は「もう1つの合併の話は具体的ではなく、1リーグ制について踏み込む内容じゃなかった」。中日・伊藤球団代表も「これ以上遅くなると来季に間に合わないと懸念している」とパ側の新たな合併の遅れを追及。9月8日の臨時オーナー会議を待たず、今月30日の実行委をタイムリミットとする意見も出た。ヤクルト・倉島球団常務は「2リーグでできる。日本シリーズやオールスター以上のものは考えられない」と明確に1リーグ制移行を拒否した。

7月26日の実行委員会では阪神だけが交流試合の導入を含めた改革案を提示。2リーグ制維持を主張していたが、他の4球団は姿勢を明確にしなかった。しかし、3週間で状況が変わった。“もう1つの合併”は進展しないばかりか、1リーグ制の旗振り役だった渡辺前オーナーが表舞台から去った。初出席の巨人・清武球団代表は口を閉ざしている。セ5球団の強気の姿勢にパ側は「迷惑をかけているがもう少し待ってほしい」と防戦に回らざるを得なかった。

会議中、根来コミッショナーは「巨人頼みなのか、そうではないのか。それをハッキリさせて議論して欲しい」と注文をつけた。結局「巨人頼みではない」と言い切った球団は1つもなかったという。ヤクルト・倉島常務からは「年間8億円の赤字が1リーグなら20億円になる」という本音も出た。渡辺前オーナーという“重し”が外れて始まった1リーグ派、2リーグ派の“ガチンコ対決”。タイムリミットは刻々と迫っている。

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再編問題、前回同様継続審議に…12球団代表者会議[サンスポ]

プロ野球の12球団代表者会議が16日、都内のホテルで開かれ、1リーグ制移行のケースを中心に再編問題を協議した。しかしパ・リーグ側はこの日も「もう1組の合併」を提示できず、逆にセ・リーグ側は「今月いっぱいがタイムリミット」と30日の実行委員会を第2の合併を明らかにする期限とした。

5時間45分に及ぶロングラン会議も、再び議論は平行線をたどった。7月26日の実行委員会でも6時間45分かかっており、各球団首脳が12時間30分話し合っても、何の実りもなかった。巨人はスカウトの不祥事で渡辺オーナーが辞任。同会議に出席していた三山球団代表も解任。1リーグ制移行へ燃えるパの“後ろ盾”ともいえる巨人の混乱で、再び攻勢に転じたのはセ・リーグ側だった。もう1つの合併について「具体的に話ができるのか?」と質問したセに対し、パ・リーグ側は「できない」。ロッテ・瀬戸山球団代表が「粛々と進めている」と説明するだけ。

そんなパ側に対し、2リーグ維持を訴える巨人を除くセ球団側は「このままじゃ間に合わない」(中日・伊藤球団代表)と主張。阪神、ヤクルトからは『タイムリミット』を指摘する声が出た。9月8日の臨時オーナー会議とされていたが、30日の実行委員会を実質的な期限と区切る声が上がった。

長い会議を終えた各球団代表者だが、1リーグ移行後のシステムが中心だった前回に比べ、今回はセ側の声がより大きく響いた。「新たな合併案が出てれば、こんなに長くはかかっていない」と初出席の巨人・清武新代表は疲れた表情。もう1組を早く明らかにできなければ、2リーグ維持派がさらに勢いを増す。

◇議決に協約上の効力ないものの、協議交渉委員会の23日開催を申し入れ

労組日本プロ野球選手会がスト権を確立したことを受け、この日の代表者会議では選手会に対して『協議・交渉委員会』の開催を申し入れることも決めた。23日を予定している。選手会が求める特別委と違い、議決に協約上の効力はないが「まずは話し合おうということ」と豊蔵セ・リーグ会長。スト回避を訴える一方で「機構側は(選手会を)労組として認めていないということを伝えたい」(伊藤修選手会担当顧問)ともしている。

◇協議交渉委を受け入れる考え…プロ野球選手会の松原徹事務局長

労組・プロ野球選手会の松原徹事務局長はこの日の12球団代表者会議で提案された協議交渉委を受け入れる考えを明かした。「話し合いはこちらからも求めていくものですから」と23日に交渉の席を持つ。また、代表者会議の結果次第としていた提訴については明言を避けた。

◇12球団代表者会議で三山前代表が謝罪して退席し、以後は清武新代表が出席

不祥事発覚でフロントが一新された巨人は、12球団代表者会議の冒頭に三山前代表が出席者に謝罪して退席し、以後は清武新代表が出席した。5時間45分もの会議に「初めてだったし、もっぱら聞き役でした。(もう1組の合併は)出なかったからここまで長い話になった訳で、出ていればもっと早く終わっていた」と、疲れた表情だった。

根来泰周コミッショナー
「ボクはいつも言っているように2リーグ制の下で選任されたので、1リーグ制の話はしない。それは経営者がすること。(巨人の渡辺オーナーの辞任については)存在感が強かったが、これからはお願いすることはできない。みんなで議論して方向性を決めていこうと話した。」
豊蔵一セ・リーグ会長
「パ側からはっきりしたスケジュールは明らかにされなかったが、9月8日を目指して合併について努力しているので、もう少し待ってほしいという発言があった。」
小池唯夫パ・リーグ会長
「(新しい合併の)報告はなかった。セ・リーグ側から質問は出たが(パは)9月8日のオーナー会議を目指して努力しているということだった。」
巨人・清武英利球団代表
「セ、パ両方から色んな意見がある。巨人に大きな方針の転換はない。」
西武・星野好男球団代表
「セ・リーグさんは色んな意見があるようだが、パ・リーグは(1リーグ制移行で)まとまっている。」
ロッテ・瀬戸山隆三球団代表
「パとしては4つ(球団)になって1リーグをセにお願いすると繰り返した。もう1つ(の合併)は具体的に話ができるのかと質問があったが、できないと答えた。ただ、オーナー会議までには具体的に話さないとあかんでしょう。」
日本ハム・小嶋武士オーナー代行
「(1リーグ制など)結論めいたものはない。決まるような状況までいかなかった。(もう1つの)合併は粛々と進めている状況で、(パ・リーグの)主張を進めていくだけ。」
オリックス・小泉隆司球団社長
「(近鉄との合併の)基本合意書の調印の報告をした。正式調印は、9月8日以前になると思う。選手会の理解を得るために、30日の実行委員会より前に選手会と協議交渉委員会を持とうという話をした。1リーグ制、オールスターや日本シリーズに代わる案については継続審議になった。」
阪神・野崎勝義球団社長
「もう1つの合併の話は具体的ではなく、1リーグ制について踏み込む内容じゃなかった。(新合併案は)進んでいないのでは。」
ヤクルト・倉島今朝徳球団常務
「ヤクルトは2リーグでできると主張した。日本シリーズやオールスター以上のものは考えられない。常識的には(リミットは)今月いっぱいでは。」
広島・鈴木清明球団副本部長
「1リーグにすれば問題が解決するものではない。パ・リーグはとにかく1リーグが前提だが新提案はなかった。」
横浜・山中正竹球団専務
「パ・リーグから1リーグ制について具体的な運営方法が聞けると思ったが詳細は出ていない。次回の会議で何らかの姿が見えてこないと。」

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もう1組の合併進展なし、2リーグ維持か[報知]

◇12球団代表者会議

プロ野球の12球団代表者会議が16日、東京都内のホテルで開催された。席上、1リーグ制移行を主張するパ・リーグ側から、前提条件となる近鉄、オリックス以外のもう1組の合併に関して「努力している。もう少し待って欲しい」との発言が出た。しかし、具体像が見えてこないことから、セ側には新たな合併を疑問視する声も出ており、9月8日のオーナー会議までに間に合わない“時間切れ”の可能性も出てきた。

前回、7月26日の実行委員会は約7時間のロングラン会議となったが、今回も午後1時にスタートして終了したのは午後6時45分。球界再編問題について、様々な議論がなされた。しかし、セ・リーグ側の注目は一点に集約されていた。「本当にもう1組の合併ができるのか」だ。パ側が熱望する1リーグ制への移行の条件は、近鉄、オリックス以外にもう1組の合併が成されること。前回の実行委では、西武・星野代表が「進んでいる」と明言。また、他の連盟関係者も「来月(8月)中旬にはメドがつく」と大見得を切っていた。この日はセ側だけでなく、コミッショナー事務局からも「アマ側への対応もあり、合併状況を説明して欲しい」と要望された。

「進んでいます」リーグを代表して答えたのは、ロッテ・瀬戸山代表だ。会議終了後、小池唯夫パ会長も「進行中だ。9月8日に向けて努力しているところ」と発言。パとして新たな合併に自信をうかがわせた。しかし、セ側の出席者は懐疑的な反応に終始した。「タイムリミットは9月8日。その前の実行委員会(今月30日)でしょう。ホンマに間に合うんかいな、という気がする」と阪神・野崎球団社長。また、ヤクルト・倉島常務からは「1リーグになった場合、ウチの現在の8億円の赤字が、20億円に膨らむ。12億円もパに流れる計算になる」と1リーグ制への反対意見が出され、「常識的には今月いっぱいだろう。実際に会議の席上でも、そういう意見は出た。30日の実行委員会の後では、二股をかけた議論はできない」と言い、タイムリミットが設定されたことを明かした。

「6球団、4球団となっても、交流戦を行えば、パ・リーグの運営はできるのではないか」との意見もセからは出た。残りあと2週間で、もう1組の合併が成立しない以上、パ・リーグは来季、5球団でのリーグ運営を余儀なくされることは間違いない。

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協議・交渉委員会23日開幕[報知]

◇日本プロフェッショナル野球組織と日本プロ野球選手会

日本プロフェッショナル野球組織(NPB)と日本プロ野球選手会との協議・交渉委員会が23日に開催される見通しとなった。選手会が12日にNPB側に「スト権の法的前提が確立した」と通告したことを受けて、この日の12球団代表者会議で、選手会との協議・交渉委員会を開くことを決めた。23日の代表者会議で選手会への対応を決める方針で、古田会長のスケジュールを考慮し、23日の午前中で打診する。

NPB側は両リーグ理事長の阪神・野崎社長、近鉄・足高代表(小林社長代理)の出席が決まった。伊藤修・実行委員会選手会担当顧問(中日参与)は「ストになると何試合か欠落したまま優勝が決まり、パ・リーグはプレーオフができなくなる。協議・交渉委員会を選手会が受けなければ、それっきりだが」と話した。選手会・松原徹事務局長は「まだ連絡を受けていないが、向こうから話し合いの場を申し入れてくることは珍しいこと。こちらは話し合いを求めている訳ですから、断る理由はなく、当然受けることになる」と話した。この日の代表者会議では選手会が再三申し入れている特別委員会開催について結論が出ず、協議・交渉委員会での紛糾は避けられそうにない。

◇合併反対CD全球団が参加

近鉄選手会が製作を進めている“合併反対CD”が、全12球団参加に拡大されることが16日、分かった。球団存続の願いを込めて、パ・リーグの連盟歌「白いボールのファンタジー」をCD化するにあたり、当初は近鉄の選手だけがボーカルに加わる予定だった。ところが、今月下旬に予定されているレコーディングを前に、爆風スランプのボーカル、サンプラザ中野らの参加が決定。「せっかく有名な人がやってくれるんだし、12球団に輪を広げたい」と近鉄・礒部選手会長は、日本プロ野球選手会を通じ、各球団に協力を要請した。

アテネ五輪や日程上の都合もあり、選手会長が全員揃うのは難しそうだが、CDジャケットには各球団のマークを使用する予定。球場での署名に続く12球団総意の活動として、9月初旬から署名活動の現場などで無料配布される。

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12球団代表者会議、再編へ具体案示されず[ニッカン]

プロ野球の12球団代表者会議は16日、東京都内のホテルで開かれ「1リーグ制」に移行した場合を中心に再編問題を協議した。しかし、1リーグで意見が一致しているパ・リーグ側からは具体的な運営方法が示されず、前回の実行委員会と同様に継続審議となった。

午後1時すぎから約5時間45分に及んだ会議では、オリックスと近鉄に続く「もう1つの合併」を前提に、「来季は10球団で1リーグ制」を主張して模索中のパ側から具体案が示されるものとみられていた。しかし「踏み込んでの話はなく、逆にセ側からは(1リーグ制移行に向けた討議の)タイムリミットが必要」(阪神・野崎球団社長)との意見が出された。

一方で、2リーグ制維持についても具体的な討論は行われず、23日に行われる次回の12球団代表者会議で1リーグ制移行か2リーグ制維持かの方向性が定まらない場合、来季の日程調整との関係から“時間切れ”でセ6、パ5球団での2リーグ制で運営していく可能性も出てきた。

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コミッショナー、裏金巨人に「制裁」[ニッカン]

根来泰周コミッショナーは16日、東京・内幸町の事務局で、渡辺オーナーの辞任などに発展した巨人が明大一場投手に金銭を渡していた問題について、コミッショナー制裁を科す考えがあることを明かした。巨人からはまだ正式に報告がないことを前提にしながらも「きちんとしないと時代遅れと批判が出る。事実関係を精査して制裁を科さなきゃいけないのなら制裁を加えるなど、厳正に対処していく」と語った。

今回の一件にあてはまるコミッショナー制裁については、93年9月の実行委員会で申し合わせた事項がある。同年から大学生、社会人を対象に逆指名制度が導入された際に「ドラフト対象選手に対する、事前交渉期間中の金品などの提供の禁止」を確認し、違反した場合はコミッショナーから重大制裁が科されるとした。ただ根来コミッショナーは、野球協約で規定されている制裁はコミッショナーが科すのか連盟会長が科すのか明確でないとも指摘し「巨人の報告や連盟会長(豊蔵セ会長)と話し合った上」とした。

一場選手については「巨人軍の言い方は一方的に巨人に非があるのだから、(選手が)傷つかないようにやってくれと非公式にいっているから、それを前提にして考えたい」と十分に配慮することを強調した。

また、今回の件で表出したスカウト活動の問題については「調査能力に限界があるし極めて難しい。過去は過去としてそのままにしておく」とした。ただ、今後については「色々な場合を想定して野球の純粋性を求めて、必要なら野球協約をきちっとしなければいけない」と、罰則規定など整備を図る意向を示した。さらにドラフト制度改革についても「今回のことがあったことで民主的手法で議論して決めるのならいい」と前向きな姿勢を見せた。同コミッショナーは12球団代表者会議でも同様の見解を示し、その後届いた巨人からの報告書を「十分検討する」と話した。

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