わたしはかもめ2004年鴎の便り(8月)

便

8月30日

千葉ロッテ12−1西武(千葉マリン)

ロッテが今季14度目の2ケタ得点で圧勝。1974年8月以来、30年ぶりに月間16勝を達成した。1回に福浦の適時打で先制したロッテは、2回にベニーの32号2ランを含む5点を追加。3回にも2点を追加しリードを広げると、6回にも代打垣内の2号3ランなどで点差を広げ、試合を決めた。先発・清水直は自身最多となる13奪三振の力投、8回を1失点で復帰後初勝利。4位日本ハムとのゲーム差も1.5と広がった。

123456789R
西武0000001001
千葉ロッテ15200400x12
ベニー
「前の打席で打ち損じていたので借りを返せた。」(2回に32号2ラン)
バレンタイン監督
「今日はピッチャーもディフェンスもバッティングも全てが良かった。非常にいいゲームだった。(清水直は)望んでいたことを全てやってくれた。長いイニングも投げて、ブルペンも休ませてくれた。」

ページトップ

ロッテ快勝!30年ぶり月間16勝[ニッカン]

◇清水直13K快投

ロッテが30年ぶりの月間16勝を記録した。西武に圧勝し、これで8月の月間成績を16勝8敗とし、前回優勝した74年8月(16勝9敗3分け)以来の勝ち星を挙げた。立役者はエース清水直だった。アテネ五輪後、チーム合流即先発となったこの試合で、8回7安打1失点、自己最多の13奪三振の快投だった。お立ち台では「ただ今、帰りました。僕が投げる場所はここ。気持ち良かったです」。

清水直は3日にチームを離れたが、不在の間に借金を完済し、プレーオフ圏の3位にまで浮上していた。「帰ってきたらスゴイことになってた」と清水直。その強さをエースに示すかのように、打線は3回までに2ケタ安打、終わってみれば17安打12得点。バレンタイン監督は「チームの状態がいいのは感じている。あと1日残っている」と、71年7月以来となる月間17勝へ自信を見せた。

ページトップ

五輪帰りの清水直が8勝目[スポニチ]

清水直が8回を失策による1失点に抑えて8勝目。アテネ五輪から帰国後初登板を白星で飾り、お立ち台で「ただいま帰りました!」と笑顔を見せた。疲労が残る中、低めを突く丁寧な投球で自己最多の13奪三振。日本代表合流前には借金7で5位だったチームが帰国すれば勝率5割で3位にいた。「この勢いを止める訳にはいかない」とエースの責任を果たした。チームは前回優勝した74年8月以来の月間16勝。バレンタイン監督は「まだ8月は終わっていない。さらに数字を伸ばす」と誓った。

井上
「風が強かったので集中することを心掛けました。守備のリズムがよくて打席でも集中できましたね。」(3本の長打で大勝に貢献)

ページトップ

清水直が凱旋勝利!自己最多13奪三振[サンスポ]

アテネ五輪から帰国後、初先発となった清水直が8回1失点。自己最多の13奪三振で凱旋勝利を飾った。清水直はお立ち台でファンに「ただいま帰りました。ボクの投げる場所はここです。気持ち良かった」とアピール。これでチームは8月の成績が15勝7敗。昭和46年7月以来となる月間16勝に王手がかかった。

バレンタイン監督
「チームに貴重な白星、ブルペン陣に休養。これ以上のものは望めないくらいだ。」
「差し込まれたんで、正直あそこまで伸びると思わなかった。」(2回に右越え2点三塁打)

ページトップ

凱旋祝いだ清水直13K[報知]

プレーオフ進出に向けて、頼れる男が帰ってきた。エース清水直の“凱旋奪三振ショー”に3万人の観衆は酔いしれた。140キロ台後半の直球がズバズバと低めに決まる。捕手のミットは動かない。カウントを整えると決め球はキレ味鋭いスライダーだ。1回から3K発進。8回、3者連続で自己最多の13個目の三振を奪うと悠然とマウンドを降りた。

27日に帰国し、30日にチーム合流後、即先発。疲れも見せずに熱投したエースに打線も奮起した。3回までに8点を奪い、大量援護。「おかげで楽に投げられました」と背番号18は灼熱のアテネで日焼けした顔をほころばせた。

この勝利でチームは再び貯金1。30年ぶりの月間16勝も決めた。バレンタイン監督は「清水直は私が望んだことを全てやってくれた」と手放しの喜びようだ。チームの勢いを増すエースの力投でプレーオフがぐっと近づいてきた。

ページトップ

快進撃ロッテ、エース復帰で会心の勝利[ニッカン]

先発の清水直は失策が絡み1点こそ失ったが、8回を7安打13奪三振。打線も17安打12得点の猛攻。試合後のお立ち台では頼れる右腕が「ただいま、帰ってきました」。3万人観衆が大歓声で応えた。

7月まで7つあった借金を、一気に返済した8月攻勢。五輪出場でチームを離れていた右腕は「帰ってきたらすごいことになってたので、勢いを止めないように、と思っていた」。強風で制球に苦しみ、安打は許す。しかし、抜群の切れを見せるスライダーが、あと1本を許さない。

気迫は打線にも波及した。1点を先制して迎えた2回2死走者なしから井上が左中間三塁打で出塁。この安打を含め3長打した井上は「(清水直の)テンポがいいから、打席に集中できる。まさに投打がかみ合っている」。この回一挙5点を奪い、流れを引き寄せた。8月は1試合を残すが、16勝8敗の快進撃。4位の日本ハムにも1.5ゲーム差をつけた。

ページトップ

近オリ合併承認待った[ニッカン]

オリックスと近鉄の合併承認が先送りされた。東京地裁は30日午前、プロ野球実行委員会で両球団の合併を承認しないよう、日本プロ野球組織(NPB)に要請した。これを受けて午後から開催された同委員会でも、大筋で合意を認める流れにはなったが、正式承認は見送った。だが実情は、セ・リーグ5球団が新球団のドラフト会議への不参加を要求し、また新たな合併が表面化しないことへのイラ立ちが噴出するなど、煮え切らないものに終始。選手会がストライキ権行使の動きをみせるなど、球界再編問題は決着点を見いだせないまま迷走し続ける。

オリックスと近鉄の球団合併に“待った”がかかった。この日午前、東京地裁がNPB側に対し、実行委員会で両球団の合併を承認しないよう要請した。27日に選手会側が、合併の1年間凍結などを求め、仮処分を申し立てたことに、一時的ではあるが司直の手が入る形となった。

ただ実行委員会が合併承認を見送ったのは、事前の「自主判断」によるところが大きい。当初こそ、この日の実行委員会で両球団の合併が承認されることになっていたが、議長役の豊蔵セ・リーグ会長、根来コミッショナー、小池パ・リーグ会長の3首脳が先週末、善後策を協議。「裁判所で検討中ということで、その手続きを進めることを差し控える。打ち合わせた結果、本日の(承認の)手続きを最終的に進めない方がいいと判断した」(豊蔵会長)の結論に至っていた。

午後1時から始まった実行委員会では、承認見送りはすんなり合意を得た。その一方で、オリックス小泉球団社長から株式比率、専用球場などが説明され、近鉄小林球団社長からは合併が近鉄からの営業譲渡の形態になることが初めて明かされた。会議の雰囲気についても阪神野崎球団社長が「仮処分申請の審査を待とうとなったが大筋では(合併を)認めようという流れになった」と話した。

ただし、あくまでも「大筋で」の合意であり、この期に及んでも細部の詰めがなされていない。ヤクルト倉島球団常務が「ドラフトはお控えなさいと言った。両球団から回答はなかった。これだけみても承認できるものではない」と話すように、巨人を除くセ・リーグ5球団は、合併で誕生する新球団にドラフト会議への参加を控えることを要求。パ・リーグで進められている新たな合併が表面化しなかったイラ立ちもある。席上、西武星野代表が、もう1つの合併について「チーム名は申し上げられません」と発言すると中日伊藤球団代表は「いいかげんにしてください。(営業面で予定が立たず)大変迷惑している」と憤慨。東京地裁からの要請がなかった場合も「このままでは承認できなかった」(同代表)のが実情のようだ。

オリックスと近鉄の合併が浮上してから3ヶ月近くがたつ。球界再編のポイントになる、もう1組の合併は不透明で、選手会がストライキ行使の動きをちらつかせる。全ての案件は、9月6日の臨時実行委員会に先送りされるが、この間に司法の判断が下されるかの見通しもたっていない。最終局面を迎えながら、球界は決着点が見いだせず、最後まで迷走を続けそうだ。

ページトップ

パあきらめぬ

◇水面下の進展を強調

近鉄、オリックスに続く「もう1つの合併」で1リーグ制移行を推進するパ・リーグ側は、あらためて席上、水面下で合併話が進んでいることを強調した。だがこの日も球団名は提示できず「具体的に球団名は言えないが話しは進めている」(西武星野代表)の苦しい弁明で、セ・リーグ側が主張する「この日がタイムリミット」の意向を押し切る形となった。

セ側が辛辣な発言を浴びせる一幕もあったが、それでもパ側は9月6日の臨時実行委員会を経ての同8日の臨時オーナー会議をあくまでも最終期限とする要望を出し、セ側も渋々納得した格好だ。もう1つの合併候補はダイエーとロッテが有力視されるが、現在ダイエー本社の経営再建に向けては、主力銀行側が産業再生機構の活用を迫っているという背景がある。仮に、ダイエー本社が産業再生機を活用し「国有化」された場合、球団保有は厳しい状況に追い込まれる。

セ側は、オーナー会議で具体案が示された場合でも「時間的に厳しく簡単に承認できない」としているが「9月13日、21日に12球団代表者会議をやろうということだった」(巨人清武球団代表)の声があるようにパ側には、オーナー会議で表面化できれば間に合うとの思惑がある。

ダイエーの佐藤球団代表は「(産業再生機構の活用で)親会社はもめていますが、球団のスタンス(継続保有する)は変わらないと言い続けているから、そう言わないと仕方ない」と意味深長は発言をした。もう1つの合併が1リーグ推進派にとっての生命線。セ5球団の反発を買う中、パ側は急ピッチで作業を進め、最後まで諦めない姿勢を貫く。

ページトップ

選手会、拭えぬ不安[ニッカン]

合併承認にストップがかかったが、労組プロ野球選手会は30日、静観する構えを貫いた。この日東京地裁から、実行委員会での合併承認をしない要請が出された。ただし一時的に歯止めがかかった形だけのことで古田会長は「(実行委員会では)臨時会議の日程だが決まったと聞き、コメントのしようがありません」。今後も合併承認に向けて動きだしそうな機構側に、不安を拭い切れないようだった。

松原事務局長も「まるで締め切りに追われるように、場合によっては2つの球団を消そうとしていることの意味をどうか、もう1度考えて欲しい」と訴えた上で、もう1つの合併に関しても「発表されようとする2つの球団にどれだけの人がかかわっているのか、どれだけのファンがいるのか考えたことがあるのでしょうか」と疑問を投げ掛けた。

意見を戦わせてきた選手会と機構側だが、古田会長は「勝ち負けを争うつもりで署名したり、発言はしていない」という。実際、選手会には提案はできても球界の未来を決定する権利はない。実行委員会やオーナー会議が球界をいい方向に導いてくれることを見守るしかないのだ。今回の件がプロ野球の抱える問題を提起したと考える古田会長は「新しい歴史をつくっていくチャンス。プロ野球を愛する人達の喝采を浴びる決断をぜひ待ちたいと思います」と、各球団首脳の見識に期待していた。

巨人清武代表
「もう1つの合併について進展がなかったから、ギリギリまで待とうということになりました。一応のリミットは(9月)8日ですが、色々と事務的な作業もあるので13日と21日に代表者会議を入れようということになりました。」
阪神野崎球団社長
「もう1組の合併は、水面下でやっているという話はあったが具体的なものが何もない。オリックス、近鉄の承認も難しい?そうは感じていない。仮処分申請の審査を待とうとなったが、大筋では認めようという流れ。」
中日伊藤代表
「うちは、球場とナゴヤドームが別会社。球場確保などの予定が立たない。このままの状態では営業面で予定が進められない。巨人以外のセ・リーグ球団はみんな同じ気持ちだろうと思います。」
広島鈴木球団副本部長
「裁判所の判断が出るまで決議は控えようとなった。もう1つの合併に関しては、具体的な話がなく(オリックスと近鉄の合併も)内容調整などで2ヶ月かかっているのだから(もう1組は)時間的に苦しいなと感じる。」
横浜山中専務
「(9月)8日オーナー会議の場を(新たな合併の)最終期限にしたということ。今日の場では認めざるを得なかった。いきなりオーナー会議で話が進む?7月7日に(新合併の話が)出ているという実績もあるが、そうではないことを我々はお願いした。」
ヤクルト多菊球団常務
「新たな合併に関してはオーナー会議にかける以上、今回の実行委員会を審議できる場にしないといけない。そのつもりで出席したが何ら話はなかった。(新たな合併は)もうないな、難しいなという感じです。そう認識なさった人が多いように思います。」
ダイエー佐藤球団代表
「もう1つの合併は西武星野さんから『水面下で進んでいる。オーナー会議まで待って欲しい』との話があった。パとしては9月8日までに表面化し、1リーグになればいいと思っている。ロッテホークス?ロッテもダイエーもそういうことは言っていない。」
西武星野代表
「自身から話した?別に私の方から話はありませんよ。(9月6日に、もう1つの合併の話は)決まれば出るでしょうし、決まらなければ出ない。(セ側から)時間的に厳しいという話は出ましたけど。間に合う?そう理解しています。」
ロッテ瀬戸山代表
「もう1つの合併については今日がリミットだという意見もありました。今日は具体的な話が出ていないので『9月8日まで待たないと』ということが実行委員会の総意という感じ。(9月)8日に出なければ、また8日に考えるでしょう。」
日本ハム小嶋オーナー代行
「もう1つの合併に関しては、検討が進んでいるということ。1リーグの方向へ進んでいることは間違いないと思う。タイムリミットが近づいているのは間違いない。(オリックスと近鉄の合併に関しての)審議は終わった。」

◇その他の会議内容

ストライキ対策
NPBの事務局サイドが速やかに対策の基本案をつくり、これに対して各球団が次回(9月6日)までにそれぞれの具体案を持ち寄る。
加盟料・参加料
公正取引委員会による見解などもあり加盟料60億円、参加料30億円の見直し意見が出た。「実際に取ったことがないし、みんなで分けるのもおかしい」。今後の検討事項に。
合併選手配分
オリックス小泉球団社長から「11月4日プロテクト選手発表、11月8日ウエーバー」の当事者案。次回までに検討。
アテネ五輪報告
NPB側の随行スタッフから。
パ・リーグ小池会長
「近鉄、オリックスの合併問題については、仮処分の申請が出ている段階なので、その結論が出るまで承認を延ばすということになりました。もう1つの合併は(西武)星野代表からチーム名が出なかった。オーナー会議で提起された問題だから9月8日の会議で何らかの発言があるでしょうということ。6日実行委で出ればいいが、出なければオーナー会議待ちになる。」
中日白井オーナー
「9月6日にもう1組の合併の話が出てきたとしても(来季まで)間に合わないだろう。オリックスと近鉄の合併も(判明から)2ヶ月以上たつのに、まとまっていないんだから。選手会のスト?ストは全て手詰まりとなった時にするものだ。」
巨人滝鼻オーナー(オーナー会議議長)
「プロ野球70年の歴史で、こんなこと今までなかった訳ですから。時間をかけてもいいんじゃないか。9・8といわないまでも、9・9でも9・10でもいいんじゃないか。(9・8の後にオーナー会議をやるかどうかは)9・8に各球団からは話を聞いてみないと分からない。(合併が)現実性のある話ならちょっと待とうという話になるかも知れないが、全然現実性がないという話ならどうなのかねえ。」

◇横浜、1リーグ視野に

横浜砂原幸雄オーナーはあらためて、パ・リーグが4球団となった場合は1リーグ制を視野に入れる考えを明かした。30日夜、自宅前で「パ・リーグが4チームにするしかないんだったら、4つで勝手にやってくれと言う気にはならない」。9月8日オーナー会議で、新たな合併について話が出た場合、10チームでの1リーグを容認する意向を示した。さらに今後の話し合いに関しては「コミッショナーの立場で、この際野球を考えようというような提案があれば、あと残された時間で何かあるかも知れない」とコミッショナーに期待をかけた。

◇渡辺前オーナー、トーンダウン?

巨人渡辺前オーナーも視界不良に陥った。実行委員会で大きな進展がなく、リミットとされる9月8日オーナー会議が近づいている。報道陣の「オーナー会議までに(10球団化は)間に合うのか」という質問に「怪しくなってきたな。あらゆるケースがあるから、分からん」と話し、不透明な見通しを口にした。27日には交流戦を前提とした「新2リーグ」構想を明かすなど球界のリーダーとしての意欲を語っていたが、トーンダウンは明らかだった。

ページトップ

ストなら順位は?各球団に“想定”文書[ニッカン]

中日伊藤一正球団代表は実行委員会の席上で、選手会がストライキを実施した場合、チーム成績がどうなるのかなどをコミッショナー事務局へ質問したことを明かした。リーグ優勝に1番近い位置にいるだけに切実な問題。「メジャーではストをしても優勝チームが決まったと聞いている」と話したが、野球協約および選手権試合アグリーメントにはストを想定した条文がないため、近日中に想定される事態が各球団に書面で届くことになったという。ストによる影響を憂慮する一方で、停滞する再編問題に「実りなき実行委員会だった」と怒りを見せたように、イラ立ちは隠せない様子だった。

ページトップ

選手会窮地!オ近合併差し止め申請は取り下げ[スポニチ]

近鉄、オリックスの合併反対、12球団存続を訴える選手会が窮地に陥った。労働組合日本プロ野球選手会が近鉄、オリックスの合併差し止めなどを求め仮処分を申し立てている問題で東京地裁が30日、合併差し止めの仮処分申請は馴染まないとの判断を下した。このため選手会は取り下げを余儀なくされる事態となった。ただ、特別委員会の招集などは地裁の判断が今週中に下されるため、同日行われたプロ野球実行委員会は合併承認を見送った。選手会は27日に

(1)
近鉄、オリックスの合併に関する労働条件について団体交渉を求めうる地位にあることを仮に定める
(2)
議決権のある特別委員会の招集
(3)
特別委の議決を経ないかぎり合併、労働条件について審議議決しないこと
(4)
近鉄、オリックスが合併してはならないこと

を求めて東京地裁に仮処分を申請していた。

審尋では地裁側から1項について仮処分の申し立てに馴染まない、4項については近鉄、オリックス球団の所在地がそれぞれ大阪、神戸であることから、東京地裁への申請は馴染まないとされ、申請を取り下げざるを得なかった。

選手会にとって4項の仮処分申請は重要事項。早期の合併阻止のためには、欠かせないものだった。今後、差し止めの申請を大阪もしくは神戸地裁に行う可能性も残されているが、9月8日の臨時オーナー会議は迫っており、時間的な制約もある。選手会の松原事務局長は「(裁判を)進める上でのテクニックの問題でもあり、お話することはできない」と口をつぐんだ。

ただ、今回の仮処分申請で選手会も一定の成果は得られた。東京地裁は「仮処分手続き係属中につき、本日の実行委員会ではオリックスと近鉄の合併の承認は行わないように」と機構に要請。実行委の豊蔵議長(セ・リーグ会長)は「裁判所が検討している期間中は、我々も(合併の)手続きを控えた方がいい。最終的な承認はしていない」とし、この日の正式承認は持ち越された。

とはいえ、合併承認は先送りされたものの、選手会が苦しい状況に追い込まれていることに変わりはない。地裁の判断は9月3日前後に示される見込みで、今後は2、3項の特別委員会の招集に望みを託すことになるが、これも認められなければ、ストライキ権行使という“最終手段”に打って出るしかない。このため、次回実行委が開かれ9月6日に選手会も12球団選手会長を非常招集し、スト権行使の意見聴取を行うことになっている。

◇仮処分申し立ての趣旨の要点

(1)
選手会が、NPB(日本プロ野球組織)、近鉄、オリックスに対し、近鉄・オリックス両球団の合併およびそれに関する労働条件について、団体交渉を求め得る地位にあることを仮に定めること。
(2)
NPBは、実行委員会にて両球団の合併およびそれに関する労働条件について審議議決するに先立って、特別委員会を招集すべきこと。
(3)
NPBは、特別委員会の議決を経ない限り両球団の合併及びそれに関する労働条件について審議議決してはならないこと。
(4)
近鉄およびオリックスが、相互に合併をしてはならないこと。
仮処分申請
裁判を提起する前に、権利の実現の保全のためになされる暫定的な手続き。裁判終了後に確実に債権を回収する方法として民事保全法で定められている。労働者は経営者側に対し仮処分申請を行うことにより解雇されてから判決までの給料を支払ってもらうことができる。

ページトップ

合併は近鉄→オリックスへの「営業譲渡」[スポニチ]

ノリ、岩隈がトレード。近鉄・オリックス両球団合併の詳細が実行委員会の席で発表された。近鉄・小林哲也、オリックス・小泉隆司両球団社長が書面を配って説明したのは、両球団が今月27日に締結した「球団統合に関する契約」の骨子。球団名=オリックス・バファローズ、専用球場=大阪ドーム、球団オーナー=宮内義彦のほか、球団代表にオリックス・小泉隆司球団社長が就くことも初めて明らかにされた。

合併の形態については当初、両球団を1度解散し、オリックスと近畿日本鉄道が共同出資して球団会社を設立し、新会社を運営する方向で話がまとまっていた。だが、この日明らかにされたのは「営業譲渡」という形態。オリックスによる近鉄の事実上の吸収合併で、阪神・野崎球団社長は「予想していなかった(合併)形態。初めて出てきた」と驚き「それじゃ、選手契約はどうなるのか?」と質問したという。これに対し節税方法などを研究した結果「営業譲渡の方法が1番、課税リスクが少ないことが分かった」と小林球団社長は説明。合併球団発足後の近鉄選手の身分については「オリックスへのトレードという形を取りたい」と仰天プランを明かした。

営業譲渡イコール保有権の譲渡にならないためで、11月30日で切れる選手の保有権をオリックスが継続確保するための措置。その結果、25人のプロテクト枠に入ることが濃厚な中村、岩隈らが10月16日からの日本シリーズ終了後、オリックスにトレードされることが確実になった。

◇“もう1つの合併”は先送り

注目された“もう1つの合併”についても回答は先送りされた。24日の12球団代表者会議で、巨人を除くセ5球団が30日の実行委員会を合併、球界再編議論のタイムリミットとするようにパ・リーグ側に強く要求。このためパ側のこの日の発言に注目が集まる中、西武・星野球団代表は「具体的にまだ名前を出す状況ではない。もうしばらく待っていただきたい」と再び回答を延期。セ側は「今日がリミットじゃなかったのか?」と追及しながらも、最終的に従来通り最終期限を9月8日の臨時オーナー会議とすることで合意した。

ただ、その中で横浜・山中球団専務は「実行委員会の承認を得ないでオーナー会議で議題に上がった実績があるので、次はそうならないようにお願いしたい」と9月6日の緊急実行委員会で進捗状況など具体的な説明を行うよう再度要望。しかし、ここでも星野代表は「決まれば出ると思うが、決まらなければ出ない」と明言を避け、小池パ・リーグ会長も「(もう1つの合併は)7月7日のオーナー会議で提起された問題だから、9月8日に何らかの発言があるでしょう」と話すにとどまった。

ページトップ

“もう1つの合併”には時間的猶予も[スポニチ]

巨人の滝鼻卓雄オーナーが30日、東京・内幸町のプレスセンタービルで球界再編問題に触れ、自らが議長を務める9月8日のオーナー会議以降に“もう1つの合併”の成立リミットを先送りする用意があることを示唆した。新たな合併による球団削減を目指すパ・リーグの動きに時間的猶予を与えるもので、セ6、パ5球団での2リーグ制維持を訴えるセ5球団の反発は必至な情勢となってきた。

滝鼻オーナーは実行委員会でパ・リーグから“もう1つの合併”について具体的な説明がなかったことを伝えられると「プロ野球70年の歴史でこんなことはなかったことだろ。時間をかけてもいいんじゃないか。9・9でも9・10でもいいんじゃないか」と9月8日の臨時オーナー会議までに新たな合併が承認に至らなくとも、結論を急がないとの意向を表明した。

7月7日のオーナー会議では、議長を務めた巨人の渡辺前オーナーが「もう1つのペアの合併ができない限り2リーグでやります。(合併が)できれば9月8日のオーナー会議で(1リーグ制移行かどうかの)取り決めをしたい」と明言。このためパ・リーグ内では“もう1つの合併”を成立させ、臨時オーナー会議での正式承認を取りつけるため水面下での折衝が続けられていた。

しかし、有力と見られていたダイエー、ロッテの合併交渉は難航。ダイエー本社の産業再生機構活用問題も絡み、合意に至っていない。その一方で、ダイエー本社が産業再生機構活用に踏みきれば、合併もしくは売却の可能性が一気に高まるとの見方もある。滝鼻オーナーは、ダイエーを中心とした新たな動きを睨んだ上で、タイムリミットの先延ばしに理解を示した。

この日夜、都内ホテルで食事を終えた巨人・渡辺前オーナーは「もう1つの合併がオーナー会議までに間に合うか?」との質問に「怪しくなってきたな」と言いながらも「色々なケースがあり得る」と含みを持たせた。渡辺前オーナーは27日「交流試合を入れた新しい2リーグだ。5対5の2リーグ」と巨人のパ移籍を前提とした仰天プランを明かした。あくまで球団削減、10球団による球界再編を目指す姿勢を崩していない。滝鼻新オーナーの“先延ばし発言”も前オーナーの方針に沿った形で、新たな合併を側面支援するものだ。「(9月8日まで)まだ1週間ちょっとあるよな。三菱東京とUFJも1週間でまとまったじゃないか」と滝鼻オーナー。9月8日以降に再度オーナー会議を招集する可能性について「現実性があるならちょっと待とうとなるかもしれない」と否定しなかった。

ページトップ

進まぬ球界再編…全て9・6臨時実行委に先送り[サンスポ]

9月8日のオーナー会議での決着を目指した球界再編問題が、この期に及んで大混迷をきわめてきた。プロ野球の実行委員会が30日、都内のホテルで行われたが、オリックスと近鉄の合併の正式承認について、東京地裁から「承認は行わないように」と要請されたこともあり、先送り。パのもう1組の合併についても具体名は出ず、こちらも9月6日の次回実行委まで先送り。「いい加減にしろ」の大合唱だ。

我慢の限界だった。「もう1組の合併」提示の実質的な期限とされたこの日も、パ・リーグ側から具体名は出ず、先送りを求められた。その直後、中日・伊藤一正球団代表が声を張り上げた。「いい加減にしてください。大変迷惑しています。うちの場合、球団と球場(ナゴヤドーム)は別会社なんです。(球場使用の)商談が進められない。大変迷惑です」。

巨人を除くセ5球団の本音は、「もう1組の合併」→「10球団1リーグ」移行に、かたくなに反対。それでも球団経営上、やむなしの理由があるなら、合併を受け入れる方針を示してきた。その期限の日、西武・星野好男球団代表から「まだ具体名が出せる段階ではない。もう少し待っていただきたい」と延期を求められたから、たまらない。中日に続きヤクルト、阪神からも批判が出た。「1組だけでも、これだけ時間がかかる。営業面での日程作りも遅れているし(もう1組が)出てきても承認しづらい」と阪神・野崎勝義球団社長。5球団は不信感をあらわにした。もちろん、その本心は“タイムアップ”。9月6日の委員会で新たなペアが出てきても、承認に必要な8球団(出席者の4分の3)の賛成が得られない可能性も出てきた。

それ以前に、もう1つの重要議題であった「オリックス、近鉄の合併承認」についても、大きな見込み違いが生じた。27日に労組日本プロ野球選手会が球団合併の差し止めを求め、東京地裁に仮処分を申請したことで、同地裁がこの日、「仮処分手続き係属中につき、本日の実行委員会では合併の承認は行わないように」と日本プロ野球組織(NPB)に要請したのだ。この要請に法的拘束力はないが、機構側は自主的に、9月6日まで承認の持ち越しを決めた。さらに地裁が合併差し止めの仮処分を認めた場合、新球団の承認はできない(機構側は異議申し立てする予定)。そうなれば、1リーグか2リーグか、どころか、パの球団数すら何も決まらない。

巨人・渡辺恒雄前オーナーが27日に「交流戦を入れた5球団ずつの2リーグ制」という私案を明かした。それだけに、巨人が主導権を握って、もう1組の合併に動くことも考えられるが、各球団のエゴが先行し、なかなかもう1組の合併がまとまらないため、パ・リーグに“引導”を渡すこともある。その場合、パは根来泰周コミッショナーに交流戦を含めた救済策を求めるしかなくなる。タイムリミットまで、あと8日。巨人を除くセ5球団の不信と裁判所の介入で、球界再編の行方が見えなくなってきた。

根来泰周コミッショナー
「(仮処分申請に対する)判断が出ていないのに合併を承認しないのは常識。もう1つの合併は私の観測としてはオーナー会議の前後に最終的に決まるんじゃないか。今の時点では何も決まっていない。」
豊蔵一セ・リーグ会長
「選手会から申し立てがあった後、土、日(28、29日)にコミッショナーとも打ち合わせをした結果、本日は具体的な手続きは進めない方がいいだろうという判断に立っていた。」
小池唯夫パ・リーグ会長
「近鉄、オリックスの合併について仮処分申請が出ているので、その結論が出るまで当面は延期ということ。もう1つの合併で星野代表から球団名は出なかった。もうしばらく鋭意努力していくということだった。」
労組・日本プロ野球選手会の古田敦也会長
「臨時会議の日程だけが決まったと聞き、コメントのしようがない。合併も球界改革も、これからの日本野球の運命に影響を及ぼす大事なことだと思うからこそ、十分な論議を尽くしましょうと言っている。プロ野球を愛する人達の喝采を浴びる決断を待ちたい。」
労組・日本プロ野球選手会の松原徹事務局長
「今日発表できないことがあと1週間で決まるのでしょうか。数回の話のかみ合わない会議で、まるで締め切りに追われるように、場合によっては2つの球団を消そうとしている意味を、よく考えていただけたらと思う。」
巨人・清武英利球団代表
「もう1つの合併について進展はなかった。ギリギリまで待ちましょうということになった。どこをタイムリミットというのはないけれど、基本的には9月8日のオーナー会議。」
ヤクルト・倉島今朝徳常務
「(合併球団の)ドラフトをどうするかという問題もあり、承認はしなかった。裁判所の要請がなくても承認まで至らなかったと思う。今日はもう1つの合併について審議するつもりできたが、話はなかった。現時点で話が出ないと難しいという認識です。」
広島・鈴木清明球団本部副本部長
「係争中なので(合併の)決議は控えようとなった。もう1つの合併について、具体的な話は全くなかった。西武から、一生懸命進めてますという話があっただけ。日程を作る作業もあるし、ぎりぎり来週かな。踏み込んだ話もできない。実際には厳しいんじゃないか。」
横浜・山中正竹球団専務
「オリックスと近鉄の合併承認は、司法の判断を待ってからでも遅くはない。もう1つの合併話も来週中に出して欲しいが、時間的には、今でも遅いくらいだ。」

ページトップ

ストライキを想定し対応策協議…9・6臨時実行委[サンスポ]

30日の実行委員会では選手会がストライキを実施した場合を想定し、各球団が9月6日の臨時の実行委に対応案を持ち寄る方針も決めた。

ロッテの瀬戸山隆三球団代表によると、コミッショナー事務局が各球団に質問状を送る予定。近鉄の小林哲也球団社長は「全体できちんと統一して対応しないと混乱する。案を持ってきて徹底的に話をする」と語った。中日の伊藤一正球団代表は「コミッショナー事務局は再試合はしなくてもいいんじゃないかという見解」と、現時点での案も明らかにした。ただ各球団ともストを避けたい意向に変わりなく、日本ハムの小嶋武士オーナー代行も「避けて欲しいのは当然。起これば損害賠償も検討しないと」と話した。

◇巨人・滝鼻オーナーが待つ姿勢を強調

巨人・滝鼻オーナーは、都内で会食後に実行委員会の結果について「プロ野球の歴史の中でも今までないんだから、時間をかけてもいいんじゃないか。9月8日とは言わず、9日、10日でもいい」と待つ姿勢を強調。「少なくとも巨人がどこを合併するとか消滅するという話はない」と“救済”に乗り出す可能性を否定した。

一方、渡辺前オーナーは都内ホテルで、新たな合併について「ないね。(オーナー会議までにまとまるか)怪しくなってきたな。あらゆるケースがあるから、分からんが」とだけ話した。27日に「ダイエーは産業再生機構を利用した方がいい」と言及したが、その産業再生機構・斎藤社長とホテル内でニアミスするハプニングもあった。

◇阪神・久万オーナーは1年先送りを要望

阪神の久万オーナーはこの日の実行委を受けて文書で対応。もう1つの合併が見えないことに「これ以上遅れるようだと、色んなことを決めるのは来年1年は絶対必要」と営業面などの影響を考え、再編の1年先送りを要望。さらに合併球団のドラフト参加についても「プロテクトもあり、そのうえドラフト参加は厚かましすぎる」と一刀両断した。

近鉄・小林哲也球団社長
「(合併形態について)正式に営業譲渡の形を取ると言ったのは今回が初めて。課税リスクの問題が出てきて、それを避けるには営業譲渡が1番問題が少ないということになった。」
オリックス・小泉隆司球団社長
「(近鉄との)統合について報告し、理解をいただいた。ただ裁判所の意向を尊重して決議はしていない。ドラフトは年1度の新人獲得の手段。将来的な投資の意味でもやらせてほしいと言った。」
ダイエー・佐藤賢二球団代表
「もう1つの合併については水面下で進んでいるという話が西武の星野さんからあったが、細かい話はできない、と。9月8日まで待って欲しいということだった。」
西武・星野好男球団代表
「もう1つの合併球団については具体的にまだ名前を出せる状態じゃないので出しておりません。」
日本ハム・小嶋武士オーナー代行
「1リーグの方向に進んでいるのは間違いないと思う。ただ、タイムリミットは近づいている。西武の星野代表から説明があり、検討は進んでいると。ただ、具体的なものを示せる段階にないというものだった。」
ロッテ・瀬戸山隆三球団代表
「1とか2とかリーグの話は一切なかった。もう1つの合併について、セからは今日がリミットじゃないかという声も出たが、最終的には9月8日のオーナー会議まで状況を見てから判断しようということになった。」

◇巨人・清武球団代表がドラフト容認

巨人・清武英利球団代表は近鉄とオリックスによる新球団の今秋ドラフト参加について「ずうずうしいという意見もあるが、新球団とはある程度痛みを分かちあうべき」との見解を示した。また同時に「不参加はプロ志望のアマチュア選手の門戸をせばめる。(ドラフトの指名方法などで)制限を考えてもいいのではないか」との独自案も提示。この日の実行委では結論は出ず、9月6日の臨時実行委に先送りとなった。

ページトップ

パもう1つの合併強気、9・8発表に西武自信[報知]

パ・リーグの、あくまで「もう1つの合併」を実現させる考えは変わらない。セ・リーグ側から時間切れが指摘される中、9月8日のオーナー会議でその具体的な球団名を明かし、来季からの1リーグ制移行を目指す考えがあることが分かった。

パが窮地に立たされた。実行委員会後、報道陣に囲まれた西武・星野好男球団代表は期待された「もう1組の合併」について「具体的に名前を出せる状態ではないので出していません」とコメント。前回、前々回に続き、具体的な内容を口にしなかった。同代表は9月6日の実行委員会で具体的な球団名が提示できるかどうかの見通しにも言及したが「やっているが、まだ決定になっていない。決まれば出るし、決まらなければ出ない」と曖昧な表現で言葉を濁した。

しかし、パ・リーグ関係者は「あくまで9月8日にもう1組の球団名を明かし、1リーグ制移行へ理解を求める」と話した。星野代表は実行委で「セ側から時間的に厳しい、という話が出た」ことを明らかにしながら「まだ間に合う?そういうふうに理解している」と自信を持って述べた。

それでも「一枚岩」と口をそろえてきたパ首脳の中でも意見の対立が生まれていることも事実だ。非公式ながら、偶数球団でのリーグ戦を維持するための新規参入について「容認派」と「否定派」が存在し、意見が二分している。迫るタイムリミットにパ内でも動揺が見え隠れしている。

そんな状況を打破するため、自らが説明の責を負う。西武・堤義明オーナーが9月8日のオーナー会議に出席の意向を固めている。水面下で行われてきた合併交渉。その場で明らかにされる西武グループ総帥の発言が、球界の未来を決めることになる。

ページトップ

セ時間切れ、もう1つの合併「無理」[報知]

球界再編に向けて、カギとなる新たな合併について、この日もパ・リーグ側から明確な提示はなかった。23日の12球団代表者会議で、セ・リーグの突き上げを受けて「30日に説明できるよう努力する」とリーグとして答えていたが、答えは同じ。「もう少し待ってほしい」(西武・星野代表)だった。

「もう1つ(の合併)は事実上、無理でしょう。現実に1つの合併(近鉄、オリックス)でここまで時間がかかっているのだし、(新たに)出てきても、すぐに承認できる話ではない」阪神・野崎球団社長の穏やかな話しぶりに、時間切れ−2リーグ制維持の自信がのぞいた。

中日・伊藤代表は怒り心頭だ。「いい加減にしてほしい、と言いたい。ウチは球団と球場が別会社。来季の商談が進められない。次が出てきても、簡単には承認できない」と言い「実りなき会議だった」と吐き捨てるように言った。ヤクルト、広島、横浜も同意見。巨人・清武代表だけは「ギリギリまで待とうということになった」と冷静に話した。

会議中、業を煮やした根来泰周コミッショナーが「本当に9月8日に言えるのか」と詰問する場面もあったが、パ側は無言。「9月8日前後には、最終的にどちらかに決まる。ボクの観測としてはね。11球団なら2リーグ、10球団なら1か2、どちらにするか話し合う。8球団なら1リーグと前から言っている。そこまでの道筋が分からない。小田原評定は今日で終わりだよ」と同コミッショナーは皮肉で締めくくった。

会議では合併について実行委員会でまず了承し、それを受けてオーナー会議が最終判断するとの手順も改めて確認された。9月6日の臨時実行委、それに続くオーナー会議まで、もう日数は残されていない。

◇承認先送りを要請

オリックス、近鉄の合併承認に裁判所が“待った”をかけた。東京地裁は30日、日本プロ野球組織(NPB)に対して、両球団の合併を実行委員会で承認しないよう要請を出した。労組・日本プロ野球選手会が、合併差し止めの仮処分申請を提出していることからの要請だったが、NPB側も仮処分の結果が出ていない中での承認を先送りすることを内部決定しており、これを受け入れた。

この日、NPB、選手会双方の関係者が東京地裁・民事11部に参集。今回の申し立てについて裁判所の審問を受けた。地裁は「仮処分手続きが係属中のため、今日の実行委員会で大阪近鉄、オリックスの合併承認は行わないように」とNPB側に要請した。法律家でもある根来コミッショナーは「裁判所の話がなくても(承認の見送りは)常識。要請がある、なしにかかわらず自主的に見送った」と話した。

仮処分については、今週中にも地裁の判断が出る。選手会に不利な判断が出た場合は異議申し立てを行う可能性が高い。本訴の可能性もある。オリックス・小泉隆司球団社長は「日程的な影響はない」と、来月6日の臨時実行委、8日のオーナー会議での正式承認に自信を見せている。だが、司法判断が出ない場合、NPB内での承認は先延ばしされることも予想される。

◇選手会が申し立ての一部を取り下げ

近鉄・オリックスの合併に関し、選手会が27日に東京地裁に行った仮処分申請の一部を取り下げたことが実行委員会で報告された。

選手会は

(1)
選手会が合併及び労働条件について、団体交渉できることを認める
(2)
NPBは合併について、実行委員会で審議議決する前に、特別委員会を招集する
(3)
NPBは特別委員会の議決がない限り、合併について審議議決してはならない
(4)
近鉄及びオリックスが相互に合併をしてはならない

の4項目を申し立てていたが、1と4の2項目を取り下げた。

出席したある代表は「1は地裁が判断を下すのに時間がかかり過ぎるため。4は東京ではなく、大阪地裁が判断すべき問題とのことだった」と説明。選手会は公にコメントは出していないが、申し立て内容を特別委員会開催に絞ることで、迅速な処分決定を促したものと見られる。

ページトップ

ノリ本気だ9・7スト決行も[報知]

9・7、スト突入か−。日本プロ野球選手会のストライキ決行の具体案が明らかになった。近鉄・中村紀洋内野手が30日、「9月8日のオーナー会議前に大きな動きがある」と衝撃発言。6日に行われる12球団の選手会長による会合で、近鉄・オリックス合併阻止へ向けてスト権行使を決定。7日からのプロ野球史上初のスト決行を示唆した。この日、東京都内のホテルで開催された実行委員会では東京地裁からの要請もあり両球団の合併承認は先送りされ、もう1つの合併球団名も明らかにされなかった。

日本球界で最高額の年俸5億円を稼ぐ男が、タイムリミットを定めた。「スト!ストしかないですよ。オーナー会議の前に、大きなことがあります」ノリが予告したのは、9月8日に開かれるオーナー会議で、オリックスとの合併が最終承認される前日。つまり、同7日にスト突入すべきと声高に訴えた。

6月13日に合併合意が発表された。当事者チームの主砲として「球団を減らすなんて…。このままじゃ日本の野球は滅びる」と繰り返してきた。選手が署名活動に初参加した7月16日、大粒の汗を流して、ユニホーム姿でファンに呼び掛けた。4年間願い続けてきたアテネ五輪の辞退もちらつかせた。だが、アテネから帰国した27日、球団合併の正式契約が結ばれた。

選手、ファンの合併反対への行動が、何も食い止められない無力さを感じた。「このまま流れを見守っていても仕方ない。止められないならストです。選手ができるのは、これ(スト)しかない。オーナー会議の前にやらないと」たまった怒りが「9・7スト決行」の衝撃発言となった。

確かに、機は熟した。7月7日のオーナー会議で近鉄、オリックスに次ぐ、もう1組の合併計画が公表された。選手を全く無視した経営者の動きに対して、その3日後、日本プロ野球選手会の臨時大会では、ストを行う可能性を全会一致で決議した。さらに今月12日、同選手会は構成員(選手)による投票で98%の賛成を得て、スト権を確立した。後は五輪組の帰国を待って、最終決定するだけだった。「五輪のメンバーも、向こうでストの話はしてました」ノリは24人の銅メダリスト達も覚悟ができていることを明かした。

臨時実行委員会が開かれる9月6日は、選手側も12球団の選手会長に、日本プロ野球選手会の古田会長を加えて会議を行う。ここで最終的にストへGOが出される。「近鉄だけでやっても仕方ない。12球団でやらないとね」アテネからの帰国前、ノリは右足親指を6針縫うけがを負った。復帰まで2週間以上かかる。ストが始まればグラウンドに戻ることなく、今季が終わる可能性もある。だが、日本を代表するスラッガーは最後の切り札を切るつもりだ。

プロ野球選手会・古田敦也会長
「私達もファンも、機構や球団の方々と、勝ち負けを争うつもりで、署名したり、発言したりしていない。今回の件は、日本中の皆さんにプロ野球が抱える問題提起をしたと言う点で大きな意味がある。だからこそ今が新しい歴史をつくっていくチャンス。そして、そこには、勝ちも、負けもないはず。プロ野球を愛する人達の喝采を浴びる決断をぜひ待ちたい。」
プロ野球選手会・松原徹事務局長
「(次の合併について)今日発表できないことが、あと1週間で決まるのか。しかもそれをたった2日後に、皆で承認しようとするのか。ファンの声に耳を傾け、それを吸い上げることは決して恥ずかしいことではない。また選手会も皆さん(NPB)を敵と思って戦っている訳ではない。未来のためには、選手会も血を流す覚悟はあります。」
近鉄・礒部選手会長
「この日は了承されなかったらしいですね。まだ、(合併への)流れが変わった訳じゃないけど、いい方向に向いてくれれば。」

◇経営者側6日臨時実行委で対応策

ストを避けたいという意向で一致している12球団の経営者サイドは、決行された場合を想定し、各球団が9月6日に開く臨時実行委員会に対応案を持ち寄る方針を決めた。

既にコミッショナー事務局では、実際にスト権が行使された米大リーグ側への聞き取り調査を終えた。順位、個人タイトルなど影響は各方面に及ぶが、中日・伊藤一正球団代表は「再試合はしない方向」と現時点での案を明かした。またセ・リーグが140試合制、パ・リーグがプレーオフ制と優勝決定方式が異なることから「セとパでそれぞれ対応を考えようということになった」と説明した。

営業面でも試合が中止になった場合の単純な収入減のほか、年間シート購入者への補償問題など混乱も予想される。コミッショナー事務局が近く各球団に質問状を送り、それぞれが対応案を文書にして持ち寄る予定だが、日本ハム・小嶋武士オーナー代行が「(ストが)起これば損害賠償も検討しないと」と話すなど強硬意見も続出しそうだ。

ページトップ

スト想定し、各球団が次回に対応案提示へ[ニッカン]

30日の実行委員会ではプロ野球選手会がストライキを実施した場合を想定し、各球団が9月6日の臨時の実行委に対応案を持ち寄る方針も決めた。ロッテの瀬戸山隆三球団代表によると、コミッショナー事務局が各球団に質問状を送る予定。近鉄の小林哲也球団社長は「全体できちんと統一して対応しないと混乱する。案を持ってきて徹底的に話をする」と語った。中日の伊藤一正球団代表は「コミッショナー事務局は再試合はしなくてもいいんじゃないかという見解」と現時点で挙げられている案も明らかにした。

ただ各球団ともストを避けたい意向に変わりなく、日本ハムの小嶋武士オーナー代行も「避けて欲しいのは当然。起これば損害賠償も検討しないといけない」と話した。

ページトップ

オリックスと近鉄の合併承認を先送り[ニッカン]

プロ野球の実行委員会は30日、東京都内のホテルで開かれ、オリックスと近鉄の合併の正式承認を先送りした。東京地裁が同日午前、両球団の合併を承認しないように日本プロ野球組織(NPB)に要請したことを受け入れたもので、実行委の豊蔵一議長(セ・リーグ会長)は、会議後の記者会見で「裁判所が検討している期間中は、我々も(合併の)手続きを控えたほうがいい。最終的な承認はしていない」と語った。

27日に正式契約を締結したオリックスと近鉄の合併は、この日の実行委で承認され、9月8日の臨時オーナー会議で了承されるはずだった。しかし、労働組合・日本プロ野球選手会が27日に球団合併の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申請した。この日午前、東京地裁で行われた審尋で「仮処分手続き係属中につき、本日の実行委員会ではオリックスと近鉄の合併の承認は行わないように」と、東京地裁がNPBに要請していた。

また、注目された「もう1つの合併案」はパ・リーグから提示されず、9月8日の臨時オーナー会議まで待って欲しい、との要請があった。ただし、手続き上の問題があるため、9月6日に臨時の実行委を開いて協議することが決まった。

ページトップ

承認待った要請、近オ社長「聞いてない」[ニッカン]

東京地裁から30日午前、球団合併を承認しないようにとの要請が出されたことに対し、近鉄の小林哲也球団社長は「全然聞いてない。あー、そうですか。合併の承認でお願いすることでまとまっている」。オリックスの小泉隆司球団社長も「(実行委が)終わってからにして。聞いてないから」と足早に実行委員会が行われる会場へ消えた。セ・リーグ豊蔵一会長は「軽はずみなことは言えない。出席した人の報告を聞いてみてから」と話すにとどまった。

ページトップ

ライブドア社長、地裁要請は「当然の流れ」[ニッカン]

新球団設立によるプロ野球参入を表明しているライブドア堀江貴文社長が30日、東京地裁の要請を支持した。「当然の流れ。みんなが議論して、どちらが正しいか分かってきたと思う」と話した。新球団設立のほかにも「近鉄さんが売りに出たら買いにいきます」と球団買収のスタンスも崩していない。全12球団オーナーに発送した直接会談を申し込む書簡に対しては現在、会談拒否を伝える球団はないとし、来週にもアポイントの手続きをとる。この日は都内で球界再編をテーマにした討論会に出席。「自分は楽観主義者。(新球団設立は)きっとうまくいく。挑戦し続けることがモットー」と、球界参入への意気込みを語った。

ページトップ

合併牽制セ界強硬、30日注目の実行委[ニッカン]

球界再編問題を協議するプロ野球12球団代表者による実行委員会が30日、東京都内のホテルで開かれる。議決の可能性もある重要な会議を翌日に控えた29日、セ・リーグ球団首脳から、1リーグ制移行を唱えるパ・リーグ側に強烈な牽制球が投げかけられた。合併球団の情報開示、オリックス・近鉄の合併承認における条件提示、あらためてのタイムリミット設定−。球界再編問題は最終局面を迎える。

1リーグ制移行を唱えるパ側にとっては、大きなカギを握る新たな合併問題。それに条件を突きつけたのが阪神久万俊二郎オーナー(電鉄本社相談役)だった。久万オーナーはこの日、広島戦観戦のため訪れた甲子園球場で、パ・リーグの新たな合併が発表された場合、当該2球団の収支報告書を公表するよう求めた。

久万オーナー
「潰れるための合併はやむを得ないが、1リーグありきの合併は認められません。(合併を承認して欲しいなら)収支を公にして、どれだけの経営状態なのか、みんなが納得できるものを明らかにすべき。」

1リーグ移行を前提にした合併ならば厳正な態度で臨む構えだ。また実行委員会に出席する野崎勝義球団社長は「もう1つの合併」発表の期限について「ズルズルいくだけ。実行委員会での公表がなければもう時間切れです」と話した。これまでもセ側からは実行委員会で新たな合併が表面化しない場合、9月8日のオーナー会議に上程できないことや、来季日程作成上の問題などから「時間切れ」を理由にリミット設定の声が出ていた。

一方、球団間で調印済みのオリックス・近鉄の合併承認自体に条件をつけたのは、中日伊藤一正球団代表だった。同代表はこの日、合併承認に理解を求めナゴヤドームを訪れたオリックス小泉隆司球団社長と会談。詳細は明かさなかったが「こちらが出した条件のうち、いくつが認められるかによる」と条件次第では承認しない可能性も示唆した。さらに新たな合併が表面化した場合でも伊藤代表は「(そうなれば)1リーグという話になる。その時は(オリックス・近鉄の)合併承認も紛糾するでしょう」と話した。

パ側は、リミット設定に対してはオーナー会議前の臨時実行委員会開催を求めるなど、善後策も用意すると思われる。いずれにせよ選手会によるスト、法廷闘争など、再編問題は最終局面に入る。

ページトップ