わたしはかもめ2004年鴎の便り(9月)

便

9月4日

千葉ロッテ2−3オリックス(千葉マリン)

オリックスが川越・山口のリレーでロッテ打線を抑え勝利した。オリックスは2回、ロッテベニーの33号ソロで先制されるが、3回に相手エラーと村松の適時打で2点を挙げ逆転。8回にも相手エラーで1点を追加した。先発・川越は8回を被安打8、奪三振2、無四球、1失点の内容で抑え、2番手の山口が9回に今江の適時打で1点を返されたが後続を抑え逃げ切った。ロッテは3連敗で8月24日以来の4位に転落。

123456789R
オリックス0020000103
千葉ロッテ0100000012
小林宏
「調子はあまり良くなかったです。最後まで気持ちを切らさずに投げていたので、ピンチでも粘り強く投げることができました。足は大丈夫です。」

ページトップ

誤審?で敗れ、バレンタイン監督激怒[ニッカン]

ロッテは後味の悪い敗戦で3連敗を喫し、4位に後退した。問題の場面は3回1死三塁。村松の打球は小林宏の足もと付近から大きく跳ね上がった。足に直接当たったライナーと判断した小林宏は、捕球後、三塁に送球し併殺を狙ったが、審判の判断は「ショートバウンド」。投手内野安打で、痛い勝ち越し点を与えてしまった。「ショートバウンドなら土も跳ねているはず」と抗議したバレンタイン監督は「誤った判定で1点を失った。結局1点差のゲームだったのに」と、怒りがおさまらなかった。

ページトップ

ロッテ3連敗、自力プレーオフ進出消える[スポニチ]

バレンタイン監督が怒った。「1点差の試合で間違った判定をされて…。判定は簡単と思ったけどね」。追いつかれた直後の3回1死三塁。オリックス・村松のライナーはマウンドの小林宏の右足を直撃して高くはね、グラブに収まった。足を直撃ならアウトだが、山崎球審はショートバウンドと判断。勝ち越し点が入った。抗議が認められなかった指揮官は「バウンドすれば土がはねる。球に土すらついてないし、足に当たった音だった」とあきれ顔。拙攻や守乱も重なり、4位へ落ちると同時に自力でのプレーオフ進出も消滅した。「明日は間違いなく今日よりいい打撃と守備ができるはず」。自らに言い聞かせるような話し方だった。

ベニー
「完璧な当たり。久しぶりの先発第1打席で、こういう打撃ができて嬉しい。」(右ふくらはぎ痛から3試合ぶりの先発で先制33号ソロ)

◇お得意様はロッテ

オリックスは川越がお得意のロッテを8回1失点と好投し、このカード4勝目、今季7勝目を挙げた。右翼席のロッテファンからブーイングを浴びながらのお立ち台では「相性とかは意識していない。どんな相手でも一生懸命投げるだけ」と殊勝に話した。チームもこのカード15勝目。伊原監督は「小差のゲームが多いし、そうなれば選手の知恵比べだから…」。こちらはなかなか過激な言葉を口にしていた。

ページトップ

ロッテ自力プレーオフ進出消滅…微妙な判定に泣く[サンスポ]

微妙な判定に泣かされた。3回1死三塁から、村松の打球が投手・小林宏の足元へ。跳ねあがったボールをダイレクトで捕球し、併殺を狙って三塁へ送球。しかし、審判団はショートバウンドと判断。内野安打でこの間の三走の生還も認められた。「おそらく直撃」とは小林。バレンタイン監督も「地面に当たれば砂埃があがるはずだし、ボールにも土はついていなかった。間違った判定だ」と怒り心頭。3連敗で4位に後退、自力でのプレーオフ進出が消滅し、ぶ然とした表情で球場を後にした。

ベニー
「完璧な当たり。久しぶりの出場の最初の打席で、いい打撃ができて嬉しかった。」(3試合ぶりのスタメンで33号ソロ)

ページトップ

疑惑判定でロッテ4位転落[報知]

疑惑の判定が、ロッテからプレーオフを遠ざけた。問題のシーンは3回。同点とされ、なお1死三塁で、オリックス・村松の地面スレスレのライナーは、小林宏の右足甲付近に当たって、高く跳ね上がったように見えた。小林宏はこれをノーバウンドで捕球したが、山崎球審の判定は「フェア」。三塁転送で併殺のはずが、逆転適時打となってしまった。

バレンタイン監督の猛抗議も実らない。結局この1点が決勝点となり、怒りを爆発させた。「ベンチから見えたし、(マウンドの)土煙も上がっていない。足に当たる音もした」。小林宏も「当たった感触があった。ボールに土も付いていない」と首をかしげた。微妙な判定に泣き3連敗で4位に転落。しかも、この黒星でダイエーの3位以内を確定させてしまった。まさに踏んだり蹴ったり。バレンタイン監督は両手で顔を覆うしかなかった。

山崎球審
「ワンバウンドを見たので、フェアとしました。(ボールに)土が付いていないというのは関係ない。我々は(プレーを)1回見て判断する訳ですから。」

ページトップ

ボビー猛抗議も4位転落

◇小林宏「足に直接当たった」

ロッテが“誤審”でプレーオフ圏外4位に転落した。「微妙な判定?それを判断するのは非常に簡単だった」。試合後、バレンタイン監督が語気を強めて再び顔を紅潮させたのは、3回の判定について質問された時だった。

同点に追いつかれ、なお1死三塁。オリックス村松のライナー性の打球は、マウンド上の小林宏の右足を直撃して弾んだ。小林宏は舞い上がった打球を、ノーバウンドで捕球。一塁には投げず、三塁で併殺にしようとした。「見えていないけど、足に直接当たったと思う。痛みで分かりますし、球に土が何もついてなかった」と小林宏。場内放送のリプレー映像でも、打球は地面に接触していなかった。だが、山ア球審は「打球がショートバウンドして足に当たった」と判定。併殺でチェンジにできるはずが、1点を勝ち越された。

バレンタイン監督の猛抗議も実らず、終わってみれば1点差の惜敗。「1点差で負けたが、審判の間違った判断でその1点を失った」と、同監督は誤審に最後まで怒りをあらわにしていた。この1敗でダイエーのプレーオフ進出が決定。ロッテには何とも後味の悪い黒星となった。

◇出産

ロッテのマット・フランコ内野手(35)のベビン夫人(30)が千葉県浦安市の病院で第1子(長男)を出産。ナサニエルと命名した。

ページトップ

無期限スト、近鉄選手会提案

近鉄礒部公一選手会長が、6日の労組・日本プロ野球選手会の臨時運営委員会の席上、無期限ストライキを提案する考えを明言した。4日、大阪ドームでのダイエー戦の試合後、取材に答え「生ぬるいやり方では、ストをする意味がない。当該球団選手会長として、オリックスとの合併差し止めに向うまでストをやろうと提案します」と話した。前日3日、合併差し止めなどの仮処分申請が東京地裁から却下され、危機感を鮮明にした。

6日に神戸市内で行われる臨時運営委員会で、近鉄選手会長の礒部が「無期限スト」を提案する。「ストをやるからには、生温いやり方では意味がない。各球団いろんな考えはあると思いますが、ぼくらは当該球団。当該球団の選手会長として、オリックスとの合併を差し止める方向に流れが向うまでストをやろうと提案します」。12球団の選手会長ら役員の集まる席上、切迫した思いをぶつけることになった。

現時点で、スト決行日は11、12日の2日間が有力視されている。全球団の対戦カードが存在し、首位攻防戦に影響が出ないことなどに配慮しての選定だったが「2日間のストで効果があるのか?」という疑問の声は選手の一部から上がっていた。礒部も「2日間では意味がない」と言い切った。

前日3日に東京地裁が下した決定が、2つの意味で大きく作用した。労組・選手会がオリックスと近鉄の合併差し止めなどを求めたいた仮処分申請を、東京地裁は却下。選手会は即時抗告したが、当該球団にすれば「このままでは合併承認へ向う」と危機感を募らせても不思議ではない。一方この決定の中で、選手会は労働組合と認められた。スト決行が憲法で保障されたことで、球団からの損害賠償が認められないことも明らかに。スト決行に対する選手の不安材料の1つを拭い去る、司法の判断となった。

同じ3日に、巨人の渡辺恒雄前オーナーの「もう1組の合併が成立し、セ6、パ4になった場合は、巨人がパへの移籍も辞さず」という構想が表面化した。このことで、逆にセの各球団が現状維持を願って近鉄、オリックスの合併を認めない可能性も浮上した。だが礒部は「(合併を)認める可能性も強い訳ですから、まず選手が動かなければ」と言う。その強い意思を「無期限スト提案」という形にする。

ただし、選手会全体の同意が得られるかどうかは微妙だ。合併を進める経営者側の強硬な態度を考えると、無期限ストとなればペナントレースはそのまま打ち切りになる恐れがある。優勝争い、プレーオフ争いをしている球団の選手は苦渋の決断を迫られる。ファンの反応も予測できない。逆に言えばそこまで、礒部をはじめ近鉄の選手は精神的に追いつめられている。「僕はバファローズの一員ですから、合併は何としても差し止めたい」。悲痛な声を選手会、ファン、そして経営者はどう受け止めるか。

◇三輪は慎重

オリックス三輪選手会長は、6日臨時運営委員会に慎重な姿勢で臨む決意を語った。各球団選手会が置かれた状況が微妙に異なることを指摘し、ストライキについて多角的な意見が出ることを予想。「(仮処分申請却下は)選手会にとって厳しい。色々な意見が出ると思うけど、古田選手会長ともよく話をして今後の方向性を決めたい」と話した。

ページトップ

パ小池会長「8日まで静観」

パ・リーグ小池唯夫会長が4日、あらためて8日のオーナー会議まで静観する構えを見せた。この日、表彰式のため札幌ドームを訪れ「もう1つの合併?8日には(西武オーナー)堤さんから説明があると思います」と見通しを説明。巨人渡辺前オーナーが示唆したパ移籍案については再度、パ4球団が前提とした上で「セは巨人を中心にやってきたから困るでしょう」とし「交流戦を含め、やっていくことになるでしょう」と考えを示した。

ページトップ

「今すぐ」が却下、古田会長前向き

労組・日本プロ野球選手会古田敦也会長が4日、東京地裁に求めていた合併差し止めの仮処分を却下されたことについて、悲観しない考えを示した。前日3日横浜戦後に松原事務局長と連絡を取って詳細を把握。同会長は「仮処分が出なかった(だけ)と受け止めています。仮処分というのは今すぐに止めるというものですからね」と語った。つまり、却下されたのは「今すぐに」という部分であり、合併を差し止めたいという主張そのものが却下された訳ではないと解釈している。5日には神戸入りし、6日に行われる選手会の臨時運営委員会に備える予定だ。

ページトップ

6日の臨時実行委で、オ・近の合併承認へ[ニッカン]

パ・リーグの小池唯夫会長は4日、オリックスと近鉄の合併が6日の臨時実行委員会で承認されるとの見通しを、あらためて示した。選手表彰のために訪れた札幌ドームで「選手会側の仮処分申請は却下された。(実行委の)豊蔵議長(セ・リーグ会長)が承認手続きを取るでしょう」と話した。また、もう1つの合併には「西武の堤オーナーが動いており、8日のオーナー会議で最終的な発言がある」と説明。8日で合併が明確にならない場合には、「いつまでも議論する訳にいかない。交流戦を含むセ6、パ5(の2リーグ制)なども想定している」とこれまでと同じ主張を繰り返した。

ページトップ

近鉄株主、却下不服で即時抗告[ニッカン]

近鉄の親会社、近畿日本鉄道の社長らに対し、オリックスとの合併差し止めを求める仮処分を申し立てた株主側は4日、大阪地裁の却下決定を不服として大阪高裁に即時抗告した。株主側はこれまで「会社の経営健全化には合併より売却が望ましく、拙速な合併選択は取締役としての注意義務に違反する」などと主張。これに対し、大阪地裁は3日、具体的な売却の見込みがなく、合併で近鉄に回復不能な損害が生じる恐れはないとして申し立てを却下した。

即時抗告について株主側は「オリックスとの経営統合は約2ヶ月間で基本的合意に達した。タイムリミットとされる11月末までに、ライブドアとの具体的な売買条件が成立する可能性は十分あり、売却の見込みがないとは言えない」などとしている。

ページトップ

NPB、選手会が6日それぞれ協議…再編へ激動の1週間[サンスポ]

日本プロ野球組織(NPB)と労働組合・日本プロ野球選手会が6日、それぞれ協議を行い、今後の対応策を練る。8日にはオーナー会議を控える。オリックスと近鉄に続くもう1組の合併と、それに伴う球界シャッフル案など、再編へ向けて激動の1週間が始まる。

NPB側は6日、12球団代表者が出席する臨時実行委員会を都内のホテルで開き、オリックスと近鉄の合併を承認する運び。「懸案事項をクリアしていただかないと。ドラフト不参加をのむのかどうかなど5項目くらい」(阪神・野崎勝義球団社長)と、細部の詰めが焦点となる。

両球団に続き、もう1組の合併がなされた場合、巨人・渡辺恒雄前オーナーが『5球団ずつ2リーグ制』と『巨人のパ移籍』をチラつかせたため、セの他球団がこれを牽制、「(オリックスと近鉄の合併は)認めるかどうかは難しい。今揺れ動いている」(横浜・峰岸進球団社長)との声も上がっている。しかし、選手会による合併差し止めの仮処分申請が東京地裁に却下されたこともあり、両球団の合併承認は確実だ。

NPB側はまた、労組選手会がストライキ権を行使した場合を想定し、各球団から持ち寄られた意見を参考に、選手の賃金カットなどについて具体案づくりをする。

その選手会は6日、神戸市内のホテルで12球団の選手会長、役員らが出席して臨時運営委員会を開き、仮処分申請が却下され、東京高裁へ即時抗告した経緯を説明。ストを実施するかどうかも含めて細かく協議する。スト実施は8日のオーナー会議の結論を待って判断する可能性が大きく、結論によっては会議直後の決行もあり得る情勢。目まぐるしく変化する球界で、最も重要な1週間となる。

◇横浜・峰岸球団社長が選手会に異議

横浜・峰岸進球団社長が5日、労組・日本プロ野球選手会に異議を唱えた。選手会が決行濃厚なストライキについて「損害賠償をする、しないは別にして、できると思っている。(決行が11、12日なら、横浜が)阪神戦を開催した場合の得られる利益を要求することができるはず」との考えを明かした。はまた、球団首脳として初めて、選手会が労組ではないという見方を示し「選手会は団体交渉を認められたことをとらえ、労組として認められたとしているが、それは違う。労働者性が認められた訳ではない。選手は税法上の優遇をとるのか、労働者としての利益をとるのか。二者択一すべき。個人主義でないとするなら消費税5%を返却要求できる。選手は権利ばかり要求せず、義務を果たすべきだ」と強く訴えた。

◇スト回避を望む…ロッテ・瀬戸山球団代表

選手関係委員会の委員長でもあるロッテ・瀬戸山隆三球団代表は「(ストは)やって欲しくないし、お互いにいいことはないでしょう」と改めて話し「ニーズがあれば(特別委員会とは別に)話し合いの場は持ちます」と語った。ただ、特別委開催を望んいる選手会側は、先月末に行われる予定だった「オリックス・近鉄統合に関する委員会」を拒否した経緯がある。同代表は、もう1組の合併や巨人の“パ移籍話”に関しては「それは僕がするような話ではない。コメントできません」と口を閉ざした。

◇近鉄・礒部選手会長が無期限スト提案へ

近鉄の礒部公一選手会長は5日、大阪ドームでのダイエー戦後に「ミーティングをして最後まで闘いたいということで意思統一した。徹底的にやりたい」とし、6日の労組日本プロ野球選手会の臨時運営委で無期限ストを提案する考えを示した。大村直之副会長も「ここまで来て(後に)引けない。(球団合併の)前例を作ってはいけない」と当該球団の選手として徹底抗戦の覚悟を強調した。

◇ロッテ・小坂選手会長は静観

ロッテ・小坂誠選手会長は、近鉄選手会の無期限スト発言について「明日(6日)会議で話が出るでしょうから、今のところは静観しています」。ただ、日本ハムとのプレーオフ争いがあり「4位の状況で打ち切りになってしまったら?だからといって、どうこういっても」と複雑な表情。日本ハム・小笠原選手会長も「(ストは)北海道のファンが盛り上がっているときに複雑です」といいつつ「日にち(8日のオーナー会議)も迫っているし、行動に移していかないと」。

◇巨人・仁志「冷静に話をしたい」

巨人からは高橋由伸、小久保裕紀、仁志敏久が選手会運営委に出席する。「(ストを)やるんだったら1日や2日では意味がないと思うが、当事者(オリックスと近鉄の選手)は熱くなっていると思うので、冷静に話をしたい」とは仁志。長期間ストの可能性も視野に入れながら、話し合いに臨む構えだ。

労組選手会・古田敦也会長(ヤクルト)
「(横浜・峰岸球団社長の異議について)僕らは労組と思っていますから。(近鉄・磯辺会長が主張する無期限ストについて)明日、会うんですから、いまは…。」
労組・日本プロ野球選手会副会長の中日・立浪
「(無期限ストについて)そうなったら日本シリーズもなくなる。せっかくここまでやってきたのに…。明日はそういうことも言おうと思う。」
ダイエー・王監督
「ストはいかん。お客さんも球場に見にきている。それ(スト)が全てじゃないでしょう。」

ページトップ

選手会に“最強助っ人”!MLB選手会が全面支援表明[サンスポ]

プロスポーツ界で世界最強といわれるメジャーリーグ選手会が、労組日本プロ野球選手会の全面支援を表明した。トニー・バナザード選手会特別補佐がサンケイスポーツに明かしたもので、資金面での協力のほか、日米野球ボイコットなど実力行使も辞さずの構え。MLB選手会はこれまで実際にストを行い、経営者側と闘争を続けた実績があるだけに、初のストを迎えつつある日本の選手会には心強い“最強助っ人”となりそうだ。

日本球界を揺るがす再編問題は、米メジャーでも大きな関心を呼んでいた。9月9日か、はたまた11日決行かと、いよいよスト突入が現実味を帯びる日本プロ野球選手会に対して、本場メジャーの選手会が全面バックアップを約束した。

「私自身パ・リーグでプレーしていたこともあり、日本の再編問題について情報収集している。できることがあれば、何でも手助けしたい」。日本側への全面協力を表明したのはMLB選手会のバナザード特別補佐で、ヤンキースタジアムを訪れた際にサンケイスポーツの取材に答えた。88年から90年にかけて南海、ダイエーに在籍した同氏は、古巣が合併・消滅の危機を迎えていることもあり、今回の再編問題については当初から高い関心を寄せていたという。

MLB選手会は、プロスポーツ界で最も強硬な労働組合として知られている。72年にスポーツ界で初のスト断行以来、経営者側と対等以上の労使交渉を行い、選手の権利を拡大させてきた。94年には232日間にも及ぶストで総年俸に上限を設けるサラリーキャップ制導入を阻止している。

さらに01年オフにはバド・セリグ・コミッショナーが2球団の削減計画を明かし、オーナー会議で決議されるところまで事態は進んだが、02年の労使交渉でスト回避の条件として削減案の白紙撤回を要求。経営者側を折れさせ、30球団を維持させた実績がある。

初のストライキに突入しようとしている日本の選手会にとっては、まさにお手本的な存在。今後は

(1)
資金面での援助、協力
(2)
ドナルド・フェア専務理事ら労使交渉で実績のある弁護士らの派遣、意見交換

などのほか

(3)
今秋に予定されている日米野球へのMLB選手の派遣見送り、参加ボイコット

などの実力行使、強硬策も含めて日本の選手会を全面支援する。さらに、実際にストに突入した後の諸問題、経営者側との交渉などの戦略面でも実績あるMLB選手会の例は、参考になる部分が大きい。「2球団も消滅したら多くの選手がプレーする機会を奪われる。選手の権利を守るという点で日米とも選手会の目的は同じ」とバナザード氏。早ければ臨時オーナー会議翌日の9月9日にも決行といわれる日本球界初のスト。選手会の“日米共闘”が実現すれば、日本は最強のパートナーを得ることになる。

◇日米の選手会の違い

MLB選手会は日本プロ野球選手会と違い、MLBの機構側と労使協定を結んでいる。前回の労使交渉は02年8月に行われ、スト突入寸前に妥結。06年までの協定が結ばれた。またMLB選手会が強硬な姿勢を貫けるのは、潤沢な資金をもっていることが背景にある。選手の肖像権が球団に属している日本と違い、メジャーは選手会が一括管理。カードやゲームなど肖像権使用料から得た資金はストライキを2、3年続けても組合員(=メジャー選手のみで、マイナー選手は含まない)を援助できるほどプールされているといわれる。

◇古田会長は既に米側と接触

労組日本プロ野球選手会の古田敦也会長は4日、MLB選手会側からの“共闘”申し出について「ありがたい話です」と支援を受け入れる考えを示した。またバナザード特別補佐以外にも「ウチの(選手会)事務局を通じて(米選手会と)連絡はとっています」と語り、既に複数のルートで米側と接触していることを明かした。

◇6日合併承認へ…パ・小池会長が見通し示す

パ・リーグの小池唯夫会長は4日、オリックスと近鉄の合併が6日の実行委で承認されるとの見通しを改めて示した。同会長は選手表彰のために訪れた札幌ドームで報道陣に対し「選手会側の仮処分申請は却下された。(実行委の)豊蔵議長(セ・リーグ会長)が承認手続きを取るでしょう」と話した。また、オリックスと近鉄に続く“もう1つの合併”に関しては「西武の堤オーナーが努力されている訳だし、8日のオーナー会議では何らかの話があるでしょう」とする一方で「いつまでも議論している訳にもいかない。交流試合を含むセ6、パ5の場合の準備も進めています」と、柔軟な姿勢を見せた。

◇株主側が即時抗告…合併差し止め申請却下で

近鉄の親会社の近畿日本鉄道の社長らに対して、オリックスとの合併差し止めを求める仮処分を申し立てた株主側は4日、大阪地裁の却下決定を不服として大阪高裁に即時抗告した。株主側では「ライブドアと売買が成立する可能性は十分あり、売却見込みがないとは言えない」などとしている。既に選手会でも東京地裁の仮処分申請却下の判断に対して即時抗告している。

ページトップ

近鉄選手会が爆弾提案 無期限全面ストへ[スポニチ]

近鉄の礒部公一選手会長が4日のダイエー戦(大阪ドーム)後に本紙の取材に応じ、オリックス、近鉄の合併反対に対し、無期限ストライキを行いたいとする強い意向を語った。6日に神戸市内のホテルで行われる労組・日本プロ野球選手会の臨時運営委員会で提案する方針。賛同が得られれば、残りの公式戦はもちろんプレーオフ、日本シリーズも行わないという最悪の事態に発展する可能性もある。自分達の球団がなくなる事実は許せない。ナインの一致した気持ちを代弁するように礒部の目は血走っていた。

礒部
「我々にとってベストなのはストをしないで合併がご破算になること。しかしそれは無理でしょう。合併を阻止するのはストしかないと思う。ストも2、3試合とかプレーオフとか日本シリーズだけというようなストでは全然効果がない。やるなら無期限ストです。」

古田会長は2日に「やるなら全員でやりたい」と一斉ストを表明したが、期限についての言明は避けていた。しかし、合併阻止への徹底抗戦には期限付きでは意味がない。礒部は「6日に提案するつもりです。みんなの気持ちが1つになるように話をするつもり」と最終決定の場である6日に行われる選手会の臨時運営委員会で、無期限ストを強く訴える考えを示した。

3日には選手会が近鉄、オリックスの球団合併に反対し、特別委員会の議決なしに合併を進めることは不当だとして、NPB側に求めた仮処分申請が却下された。8日のオーナー会議で合併が承認されるのは確実。しかし同時に地裁の決定理由に「選手会と日本プロ野球組織は団交の主体となり得ると認められる」との見解があり、労組として認定されたとの考えから、スト行使の場合に法律上の保護を受けることができると選手会は判断。礒部は「だからという訳じゃないけどストを最も効果的にするためには無期限でやるのがベストだと思っている」と主張を繰り返した。松原事務局長は「近鉄さんの気持ちがそれは1番強いでしょう。6日の日に全球団の意向を聞いた上で方向性を出したい」と慎重な姿勢ながら合併当事者球団の選手会の意見を尊重する考えを示した。全12球団が試合を行う11日の決行を基本線とし、選手会としての最終決断を6日の運営委で行うことになる。

「このまま選手会が何もしないでNPBの決定に従ってしまうとファンの人々から選手会は何をやっているんだ、これだけ応援したのにとソッポを向かれる」と礒部。無期限ストとなればプレーオフや日本シリーズも行わないという最悪の事態を招く可能性がある。選手も年俸カットを余儀なくされる。事態はさらに深刻な状況へと進展しつつある。

スト決行の場合の優勝決定
ストでシーズンが途中打ち切りになった場合の対応について、野球協約および選手権試合アグリーメントにはストを想定した条文がない。パ・リーグがプレーオフ制、セ・リーグが140試合制と優勝決定方式が異なるため、コミッショナー事務局から想定される事態についてセ・パで協議するよう要請が出されている。6日の実行委員会で12球団で協議し、それぞれ想定されるものについて意見調整が行われる見通しで、中日・伊藤一正球団代表は「基本的にはストの場合は再試合を行わない方向」との案を明かしている。

ページトップ

6日に「合併承認」小池パ会長明言[報知]

パ・リーグの小池唯夫会長が4日、オリックスと近鉄の合併が6日の臨時実行委員会で承認されるとの見通しを明かした。選手表彰のために札幌ドームを訪れ「選手会側の仮処分申請は却下された。(実行委の)豊蔵議長(セ・リーグ会長)が承認手続きを取ることになるでしょう」と明言。8月30日の実行委員会では選手会の仮処分申請の決定が東京地裁から出ておらず、地裁の要請も受けたことから合併承認手続きを延期したが、3日に選手会側の仮処分申請却下の決定が出たことで、障壁はなくなったと判断した。8日のオーナー会議での正式承認の運びとなる。

小池会長はもう1つの合併についても「9月8日に堤さん(西武オーナー)から最終的な発言があるだろう」と説明。8日で合併が明確にならない場合には「いつまでも議論する訳にはいかない。交流戦という話になる。変則日程で1球団は試合ができなくなるがお互い協力しあわないと」とセ6、パ5の2リーグ制で交流戦を行う考えをあらためて示した。

ページトップ