わたしはかもめ2004年鴎の便り(9月)

便

9月5日

千葉ロッテ5−3オリックス(千葉マリン)

ロッテが連敗を3でストップ、再び3位に浮上した。ロッテは2回、小坂の適時打で先制。その後も3回にベニーの適時打、6回井上の3号ソロで追加点を挙げると、8回にも橋本の13号ソロなどで2点を追加して確実に点差を広げた。先発・渡辺俊は8回を投げ、被安打4、1失点で11勝目。

123456789R
オリックス0001000023
千葉ロッテ01100102x5
渡辺俊
「今日ぐらいの雨のほうが投げやすい。湿気があって、ボールもしっとり来ましたよ。雨が途中で激しくなると思ったので、とにかく5回までテンポを早くしたんですが、止んでしまって参りました。おかげで終盤スタミナが切れました。球数以上に疲れたゲームになってしまった(笑)。完投も考えない訳ではなかったのですが、8回でマウンドを下りた時点で2点差だったから。これが4点差だったら分からなかったけれど、『幕張の防波堤』に任せました。とにかく、今日の1勝は大きい。自分の白星より、そちらの方が嬉しい。これでまた、いいゲームが続けられるはずですからね。」
井上
「昨日嫌な負け方をして、連敗中だったし、絶対に落とせないゲームだと思っていました。(ホームランは)スライダーを上手く拾えましたね。大振りしなかったのが良かった。とにかく残り試合、勝ちにこだわって、プレーオフ目指して気合を入れて頑張るだけです。」
小坂
「(タイムリーは)積極的に打ちにいったのがいい結果につながりました(犠牲フライは)最低限の仕事ができて良かったです。とにかく、使ってもらっているので、結果を残すだけです。」

ページトップ

ボビー、天敵倒して再びプレ圏

◇残り11試合「重圧の中で試合できることを楽しめ」

ロッテがわずか1日でプレーオフ圏に再突入した。今のロッテには窮地になればなるほど、頼れるサブマリンがいる。渡辺俊だ。8回4安打1失点で自己最多をまたも更新する11勝目をマークした。

3連敗、4位転落で迎えた登板。「自然にプレッシャーがかかってきたから、とことんまで自分でかけよう、と」。マウンドでオリックス打線に挑む前に、まず自分を言葉で攻めた。「絶対、勝つぞ。これで負けたらお終いだ」。気持ちとは対照的に、下手から繰り出す緩急自在の投球で相手を抑えた。

渡辺俊が投げれば、負けない。7月20日の近鉄戦で8勝目を挙げてから、ここまで7試合に登板し、2完投を含む、4勝をマーク。しかもチームは全勝だ。その原動力は「五輪」にあった。前回シドニー五輪にはアマ選手として参加。アテネへ再出場する思いは強かった。事実、チーム内では清水直とともに候補とされ、ドーピング検査も受けていた。だが、最終的に選考から外れた。「ボーッとしてるけど、集中できるタイプなんです」と渡辺俊。燃えたぎらせていた思いを、そのまま国内にぶつけた。

ロッテは日本ハムより3試合多い、124試合を消化した。残り11試合、一戦必勝の積み重ねで日本ハムに重圧をかけるしかない。「この時期に重圧の中で試合ができることを楽しんで欲しい」とバレンタイン監督が言えば、渡辺俊も「いつもなら(目標が)胴上げ阻止とか。こういう試合が好き」と言ってのける。プレーオフ効果で、ロッテが変わろうとしている。

ページトップ

渡辺俊、連敗止める自己最多11勝目[ニッカン]

渡辺俊介投手が8回を4安打1失点で、自己最多をまたも更新する11勝目。チームの連敗を止め「今日の1勝は大きい。自分の白星より、そちらの方が嬉しい」と声を弾ませた。持ち味の低めへの制球が冴えた。4、5回とピンチを迎えたが「大事な試合だ、と自分にプレッシャーをかけ」1失点で乗り切った。プレーオフ争いはますますヒートアップの様相。「これでまた、いいゲームが続けられるはず」。右腕は力強く言い切った。

ページトップ

し烈な3位争い…ロッテが再浮上だ[スポニチ]

バレンタインロッテが自力での3位以内進出を1日で復活させた。先発の渡辺俊が8回を1失点の快投を見せれば、打線では井上、橋本のバイプレーヤーコンビが1発を放つなど“らしい”勝ち方で連敗を3でストップ。日本ハムを抜いて再び3位に浮上した。パ・リーグのプレーオフ進出争いはヒートアップする一方だ。

地上数センチから白球を繰り出す下手投げ右腕が、沈みかけの船をすくい上げた。渡辺俊が8回を1失点で自己最多を更新する11勝目。連敗を3で止め、自力「3位以内」進出を1日で復活させた。

渡辺俊
「大事な試合でしたからね。これで負けたらおしまいの感じでしたよ。」

微妙な判定に泣いた前日の敗戦で4位へ転落した。日本ハムに3位以内マジックが点灯。崖っ縁だったが「自分に思い切り重圧を掛けました。ボーっとしているので、緊張した方が集中できるんです」と血が騒いだ。独特の緩い球でコースを突き、打たせて取る投球を徹底。犠飛による1失点に抑えた後半戦負けなしの4勝目は、4月の10連敗を筆頭に今季5度目の連敗ストップとなった。

依然借金1ながら、3位へ再浮上した。日本ハムとは勝率にして僅か「0.00006」差。プレーオフ進出を懸けたしびれる緊張感を力に変えた。渡辺俊は「いつもならこの時期は“目の前で胴上げはさせるな!”とか個人成績が目標ですから。重圧が掛からないと面白くない。やり甲斐があります」と笑った。

バレンタイン監督も手応えを感じている。低迷期が続いたナインにとっては指揮官自ら「ほとんどの選手は野球人生でも初めての経験と思う」と指摘する厳しい状況下での戦い。ミーティングで連日「この時期にこういう戦いができる楽しさを再確認して欲しい」と繰り返してきた、まさにその通りのプレーを見せてくれた。メッツ時代の00年にワイルドカードでワールドシリーズへ進出。「シーズンを通して成長を続けたという意味で今と似ている」。現状を栄光の記憶にダブらせた。

お立ち台で渡辺俊は言った。「明日につながる試合ができた」。見通しが立たないストの暗雲が垂れ込めてはいるが、ロッテナインが30年ぶりの夢へ視界を切り開いた。

◇ベテラン井上3安打

1発を含む3安打の井上が渡辺俊とともにお立ち台へ上がった。6回に中押しソロを放つと8回には5点目へつなげる二塁内野安打。「昨日イヤな負け方で気合が入っていましたから。本塁打は大振りせずうまく拾えました」。98年には横浜で日本一を経験。16年目のベテランは「勝っていかないとプレーオフへ出られませんから」と1戦必勝と誓っていた。

ページトップ

3位ロッテ勝率.4958[報知]

◇プレーオフへ1毛の争い

地平線から繰り出すボールに魂を込めた。雨を切り裂き、凡打の山を築く。渡辺俊が、ロッテの夢をつないだ。「絶対勝つんだ。これに負けたらお終いだ」自らにプレッシャーをかけ続け、8回を4安打1失点。日本ハムの3位マジックを消滅させるとともに、勝率差「1毛」ながら、1日で3位に返り咲いた。

卓越した投球技術がさえわたった。最速126キロのシンカーに、120キロ台前半の直球、“最遅”99キロのスライダーを駆使し、的を絞らせなかった。降り続いた雨にも「湿気があって、ボールがしっとりして投げやすかった」とサラリ。ある時は千葉マリン特有の強風を利用し、この日は雨を味方につけた。剛球はなくとも、投球を知り尽くしていた。

正念場ほど燃える。日本ハムより消化試合が3試合多いロッテにとって貴重な白星。「自分の記録より、今日の1勝が嬉しい」ヒーローは自己最多の11勝目より、3連敗を止めた一戦の勝利に価値を見いだした。昨年は7連敗を2度、今季も10連敗をはじめ3連敗以上を5度もストップさせた。連敗癖のあるチームを、強心臓右腕が再び救った。

バレンタイン監督が「シーズン終盤にこういう争いが出来るのは楽しいこと」と言えば、渡辺俊は「例年は目の前での胴上げを阻止するだけだったから、やりがいを感じる」と目を輝かせる。あくまでもスト次第になるが、次回は日本ハムとの直接対決(12日、千葉マリン)の登板が濃厚。昨年から6連勝中と、相性がいいライバルとのラストマッチ。負けが許されない時こそ、サブマリンが真価を発揮する。

ページトップ

ロッテ3位再浮上!渡辺俊が8回1失点で11勝目[サンスポ]

サブマリン渡辺俊が8回を4安打1失点で11勝目。「負けたらおしまいだと、自分にプレッシャーをかけて投げました」。気迫のこもった投球で3位に再浮上、自力でのプレーオフ進出を復活させた。「選手達にはこの時期に厳しい戦いができることを楽しんでもらいたい」とバレンタイン監督。プレーオフ争いは、さらに激しさを増しそうだ。

井上
「とにかく勝っていくしかない。前日、嫌な負け方をしたので気合が入っていました。」(3号ソロを含む3安打)

ページトップ

古田選手会、スト決議紛糾も

◇無期限、中日反対

労組・日本プロ野球選手会副会長の中日立浪和義内野手は5日、近鉄の礒部選手会長が提起した無期限ストライキに否定的な姿勢を示した。選手会は6日、神戸市内で12球団の選手会長、役員らが出席し臨時運営委員会を開き、スト実施などを協議する。ストについて選手間に温度差が出始めており、古田敦也会長の対応が注目される。一方、日本プロ野球組織(NPB)も6日に臨時実行委員会を開き、オリックス、近鉄の合併承認やスト対策、球界再編などについて話し合う。経営者側からは、スト決行の際は選手側に損害賠償を請求しようとする動きが出ており、球界はさらに混迷の芽をはらみそうだ。

一致団結していた選手会の足並みに乱れが見え始めた。中日立浪はこの日、前日4日の近鉄礒部の無期限スト提案に「それでは日本シリーズがなくなってしまう。僕達もせっかくここまで頑張ってきたんですから。明日はそういうことも言わせてもらおうと思っています」と話した。

中日は5年ぶりのリーグ優勝へ向けて首位を走り、早ければ8日にも優勝マジックが点灯する。一方パ・リーグもプレーオフ進出をかけて争いが続いている。当事選手としてはリーグ優勝、日本シリーズを白紙にしてしまうような形は避けたいという気持ちは当然ある。

選手会側はすでに、8日のオーナー会議で近鉄、オリックスの合併が承認されるなどした場合を想定してスト決行日を今月11、12日に内定。全カードがあり、7日からの巨人−中日3連戦など首位争いへの影響をなるべく減らすべく日時を設定した。一方、礒部らは「生温いやり方では、ストをする意味がない」と主張する。立浪も合併当該球団の選手の気持ちは痛いほどわかる。自らも出席する委員会では「チーム全体で決めた訳ではないけど、例えば来季の初めからストをやるとか、何とか調整して別の方法を話し合いたい」と新たな提案も考えている。

しかし、礒部は依然強硬な考え方を変えていない。この日ダイエー戦が行われた大阪ドーム内のロッカー室で、「無期限スト」を近鉄選手会の意思として訴えることを1軍選手に伝えた。「最後まで戦い抜こうということです。ファームの選手には(副会長の)岡本さんに伝えてもらい、近鉄としての意思統一はできました」。もう1人の近鉄副会長・大村も「多数決となれば(無期限ストへの)反対は出てくるでしょう。しかし今だけのことではなく、将来球界に入ってくる選手のことも考えて球団合併は止めなければ」と訴えた。

東京地裁に申請した、合併差し止めなどの仮処分が却下され、選手会の打つ手が少なくなっているのも確かだ。もう1つの合併、巨人のパ移籍検討など、再編に向けて既成事実が積み上げられていくことへの危機感も一部選手のなかには芽生えている。古田会長は横浜戦終了後、礒部の発言について聞かれ「まあまあ、明日ありますから、今はね」と明言を避けた。合併阻止の先頭に立ってきたリーダーが、ストに対する選手間の温度差をどう1つにまとめていくか。注目の1日となる。

◇高橋由「分からない」

選手会の副会長でもある巨人選手会長の高橋由は、無期限スト案について「まだ聞いていない。そういうことを明日、決めるんだから(今は)分からない」と、多くは語らなかった。巨人副会長の仁志は「やるならば(無期限の方が)効果あるのだろうが、冷静に話し合いたい」と慎重だった。6日の選手会運営委員会には、高橋由、仁志、小久保の3選手は出席する予定。

阪神今岡選手会長
「ストをやった場合いろんなことが起こるし、一言で言うことはできない。(阪神選手会としては)いろんな意見を出し合ってから決めるというスタンスは一貫している。」
横浜鈴木尚選手会長
「ファームでケガしている選手はどうするのか。グラウンドの確保はというのは質問するつもりです。無期限スト?明日聞いてみないと。全ては明日です。」
ダイエー松中選手会長
「明日会議があるんだからフライングはしませんよ。ダイエーの意見はしっかり持っていきます。」
西武和田選手会長
「明日(選手会で)話し合った後に、お話しします。」
ロッテ小坂選手会長
「各選手で意見があると思うけど、それぞれが言っていたらキリがない。今は古田さんを中心にまとまらなければいけない。」
日本ハム小笠原選手会長
「残り時間も少ないのでできるだけ早く決めたい。話し合いで決めるのが1番いいと思う。北海道が盛り上がっているので複雑ですが、みんなの総意でやっていることなので難しい問題です。」
オリックス三輪選手会長
「うちもストは考えています。ただ(ストライキの)形という問題もある。早期解決したいけど、泥沼になってもいけない。」

ページトップ

経営側は決行なら損害賠償請求も

労組・選手会がストを決行した場合、経営者側が「損害賠償請求」する可能性が出てきた。合併阻止などを求める東京地裁への仮処分申請は却下されたが、同時に労働組合との判断を受けたとし、選手会はスト決行に大きく傾いた。だが、横浜峰岸進球団社長はこの日「(選手会側は)団体交渉が認められたから、労組として認められたとしているが、労働者性が認められた訳ではない。するか、しないかは別として、(損害賠償請求)できると思っている。訴える金額は、試合を開催したときに得られる利益」と説明した。

経営者側が損害賠償請求を起こした場合、プロ野球選手は労働者か個人事業主かが焦点となる。峰岸社長は「税法上の優遇処置をとるのか、労働法上の利益をとるのか。二者択一すべきで、権利ばかりを主張せずに、義務を果たすべきだ」という。横浜は選手を個人事業主と認め、選手の年俸に対して5%の消費税を払っているという。

専門家の間では、請求は認められないという考えの一方で、税法上などの問題を理由に損害賠償が発生するとの見方もある。賠償請求は「絶対にされない」と認識している選手もいるが、客観的に100%の状況でない。

ページトップ

合併承認に阪神が“注文”

阪神野崎球団社長が合併承認に「注文」をつけた。実行委員会では、まずオリックス、近鉄の合併承認が審議されるが同社長は5日、「宿題が5項目くらいありましたから、それをクリアしていただいているかです」と話した。新人ドラフト参加、営業譲渡による選手契約の形態など、前回セ側が指摘した問題点の回答次第であることを強調した。

もう1つの合併については「仮に今回、名前が出ても来年からというのは間に合わない」とあらためて主張した上でオリックス、近鉄の合併承認に与える影響にも言及。「リーグ再編ありきの合併となるならば、話が違ってくる」と指摘した。

また、選手会が仮にストに突入した場合に生じる損失については「12球団みんなで負担することになる」との認識を示し、選手会側に損害賠償請求を行うかどうかについては「非常に難しいケース。選手会が労働組合に当たるかどうかがポイントになる」との見解を示した。

◇中日、出方見る

中日伊藤球団代表も阪神同様、合併承認については相手の出方を見る姿勢を示した。「パ・リーグが急に(2リーグへ)方向転換したりしてはめられているなという感じもするが、オリックス、近鉄の合併に反対する大義名分もある訳ではない。条件をいくつ受け入れてもらえるかだが、まずは出方を見たい」と語った。また、もう1つの合併については「8日のオーナー会議で出ればいいと思っている。パ・リーグの方が何を考えているかよく分からなくなってきた」と溜息交じりに語った。

近鉄足高圭亮球団代表
「明日の実行委員会では、スト対策についても話し合うことになるでしょう。対策?ロックアウトは難しいのでは。」

ページトップ

ライブドア、新球団受け皿会社近日中設立

IT総合企業ライブドアの堀江貴文社長が、近日中に新球団設立のための運営会社を設立することが5日、分かった。同社長が「新球団をつくるために近いうちに『ライブドア・ベースボール』という受け皿会社を立ち上げたい」と明かしたもの。既に8月19日に新球団設立を表明しており、今後は運営会社を立ち上げた上で9月中に機構側に参加申請する方針だ。

堀江社長は「このままだとプロ野球はなくなってしまう。ビジネスとして成り立たせるべきだ」と危機感を訴えた。一方で近鉄買収についても「ライブドアが近鉄を買収すれば(年間40億円といわれる)赤字は半分ではなくゼロになる。黒字化すればいい」と断念しない姿勢を強調した。

巨人渡辺前オーナーの言動で方向性がブレ続ける球界。迷走の一因ともいわれるこの巨人依存体質について堀江社長は「ぶら下がって利益が上がればそれでいいと思ってる、親ガメこけたらみなこけるではいけない」と力説した。さらに従来の球団経営を「タニマチ的経営」と評した上で「タニマチ依存型の仕組みは危険だ。各球団が独立して経営していくべきだ」と話した。

具体的には、メーカーから購入しているユニホームを、球団とメーカーが契約することで「年間1億とか2億の費用(支出)がゼロになるどころかプラス(収入)になる」などの私案も披露。スポーツビジネス論に基づく、独立経営の重要さを説きながら「改革というか世界的なスポーツビジネスのレベルまでもっていく」と球界参画への諦めない姿勢を示した。

ページトップ

ダイエー合併固辞で「西武+ロッテ」成立か[スポニチ]

運命のオーナー会議目前、ダイエーの合併が極めて難しい状況であることが5日、明らかになった。6日、都内ホテルで臨時実行委員会が開かれる。オリックス、近鉄の合併が承認されることは決定的だが、注目される“もう1つの合併”はいまだに不透明。ロッテとの合併が有力視されていたダイエーは本社の産業再生機構活用問題が障害となり、球団単独保有継続が濃厚となった。8日の臨時オーナー会議まであと2日。パ・リーグは西武・堤義明オーナーを軸とした新たな合併の動きに期待している。

球界再編へのタイムリミットが迫っても、ダイエーの動きは変わらない。6日の臨時実行委でダイエー側は、セ・リーグ球団から新たな合併について質問を受けた場合にはあらためて球団単独保有の意向を伝えることになっている。

西武・堤オーナーが7月7日のオーナー会議で新たな合併の動きを明らかにして以来、ダイエーの動きが注目されてきた。8月6日には、ロッテとダイエー両本社の関係者が会談。ロッテ側から合併が提案され、断っている。その後、ダイエー本社の主力3行が産業再生機構を活用する方針を固めたことから合併話が再燃。再生機構を活用した場合、球団の存続は困難との見方が強く、ダイエー本社と主力3行の交渉が焦点となっていた。しかしダイエー本社・高木社長の再生機構入り拒否の意思は固く、合併の動きは暗礁に乗り上げた形になっていた。巨人・渡辺前オーナーが3日付の毎日新聞のインタビューでパが4球団になった場合には「パ・リーグに行ってもいい」と発言。水面下で当事者のロッテだけでなく、複数のパ・リーグ関係者がロッテ―ダイエー合併成立の可能性を探ったが、5日の時点でまだダイエーは単独保有の姿勢を貫いていることが分かった。残された2日間でダイエー本社・高木社長の方針転換がない限り、ホークスの存在は揺るがない。

「ロッテ―ダイエー」が消滅した場合、焦点となるのが西武・堤オーナーの動きだ。現状のままならセ6球団、パ5球団の2リーグ制となり、球団経営への打撃は計り知れない。そこでターゲットとして浮上するのはロッテだ。8月31日には朝青龍の結婚披露宴でロッテ・重光オーナー代行と接触。同オーナー代行は「8日までに決まる?とは思います。色々今週、来週と動きがあるんじゃないですか」と再編の動きがあることを示唆している。

堤オーナー、ロッテ・重光オーナーは互いにグループ内では絶大な権力を誇っている。両オーナーが8日のオーナー会議前にトップ会談を行い合併で合意すれば、一気に決着する可能性もある。新たな合併が成立しなければ、11球団による2リーグ制で来季を乗り切るしかない。残り2日間、両巨頭の動きが球界再編の運命を握っている。

◇オ近は今日承認

6日、都内ホテルで開かれる臨時実行委員会では東京地裁が選手会の仮処分申請を却下したことを受け、近鉄、オリックス両球団の合併を承認する予定となっている。注目される“もう1つの合併”については不透明で、巨人を除くセ・リーグ5球団はパ・リーグ側に、交渉の進行状況などの説明を求めるとみられるが、パ側は8日の臨時オーナー会議まで結論を先送りするとの見方が強い。選手会がストライキ権を行使した場合を想定し、各球団から持ち寄られた意見を参考に、具体案づくりをする。またセ・リーグは実行委前に臨時理事会を開催。阪神・野崎球団社長らが、巨人・清武球団代表に巨人・渡辺前オーナーの「パ移籍」発言などについて真意を正すことになる。

ページトップ

近鉄礒部選手会長、無期限スト提案を明言[ニッカン]

近鉄礒部公一選手会長が、明日6日の労組・日本プロ野球選手会の臨時運営委員会の席上、無期限ストライキを提案する考えを明言した。4日大阪ドームでのダイエー戦の試合後、取材に答え「生ぬるいやり方では、ストをする意味がない。当該球団の選手会長として、オリックスとの合併差し止めに向かうまでストをやろうと提案します」と話した。前日3日、合併差し止めなどの仮処分申請が東京地裁から却下され、危機感を鮮明にした。

6日に神戸市内で行われる臨時運営委員会で、近鉄選手会長の礒部が「無期限スト」を提案する。「ストをやるからには、生ぬるいやり方では意味がない。各球団色んな考えはあると思いますが、僕らは当該球団。当該球団の選手会長として、オリックスとの合併を差し止める方向に流れが向かうまでストをやろうと提案します」。12球団の選手会長ら役員の集まる席上、切迫した思いをぶつけることになった。

現時点で、スト決行日は11、12の2日間が有力視されている。全球団の対戦カードが存在し、首位攻防戦に影響が出ないことなどに配慮しての選定だったが「2日間のストで効果があるのか?」という疑問の声は選手の一部から上がっていた。礒部も「2日間では意味がない」と言い切った。

前日3日に東京地裁が下した決定が、2つの意味で大きく作用した。労組・選手会がオリックスと近鉄の合併差し止めなどを求めていた仮処分申請を、東京地裁は却下。選手会は即時抗告したが、当該球団にすれば「このままでは合併承認へ向かう」と危機感を募らせても不思議ではない。一方この決定の中で、選手会は労働組合と法的に認められた。スト決行が憲法で保障されたことで、球団からの損害賠償が認められないことも明らかに。スト決行に対する選手の不安材料の1つを拭い去る、司法の判断となった。

同じ3日に、巨人の渡辺恒雄前オーナーの「もう1組の合併が成立し、セ6、パ4になった場合は、巨人がパへの移籍も辞さず」という構想が表面化した。このことで、逆にセの各球団が現状維持を願って近鉄、オリックスの合併を認めない可能性も浮上した。だが礒部は「(合併を)認める可能性も強い訳ですから、まず選手が動かなければ」と言う。その強い意思を「無期限スト提案」という形にする。

ただし、選手会全体の同意が得られるかどうかは微妙だ。合併を進める経営者側の強硬な態度を考えると、無期限ストとなればペナントレースはそのまま打ち切りになる恐れがある。優勝争い、プレーオフ争いをしている球団の選手は苦渋の決断を迫られる。ファンの反応も予測できない。逆に言えばそこまで、礒部をはじめ近鉄の選手は精神的に追いつめられている。「僕はバファローズの一員ですから、合併は何としても差し止めたい」。悲痛な声を選手会、ファン、そして経営者はどう受け止めるか。

ページトップ

近鉄「無期限スト」に…選手会紛糾必至[スポニチ]

選手会が揺れている。近鉄、オリックスの合併に反対する労働組合日本プロ野球選手会は6日、神戸市内のホテルで臨時運営委員会を開き、ストライキ権行使、方法などを最終決定する。運営委前日の5日、近鉄選手会ミーティングでは無期限ストを求める強硬姿勢で一致。その一方で労組選手会の立浪和義副会長(中日)は来季開幕からのスト権行使の提案を示唆するなど球団事情を背景に異論が噴出している。

労組選手会の立浪副会長は来季開幕ストの新プランを明かした。「無期限ストをやっても合併が承認されることもあるから。来年の初めからやるとかね」。中日選手会の井端会長は「それも1つの考えだし何人かの選手と話をしたら、そういう意見もあった」と“立浪プラン”を支持する声が強いことを示唆した。

中日はこの日、広島に逆転負けを喫したとはいえ巨人に4.5差をつけて首位を快走している。「2、3日ならストもいいんですけど。せっかくここまで必死にやってきたことが意味がなくなるのはやっぱりね…」。心情的には近鉄、オリックスの選手会に同調しても、長期のストには抵抗感が強い。ペナントレースが打ち切りになり、優勝そのものが消滅してしまう可能性がないとはいえない。「そうなれば、日本シリーズもなくなる訳ですからね」と井端会長。心中は複雑だ。しかし、合併の当事者である近鉄選手会は強硬だ。礒部会長はダイエー戦前にミーティングを招集。「最後まで闘いたいということで意思統一した」と語り、あらためて6日の臨時運営委で無期限のストライキを提案する考えを示した。

労組選手会の古田会長は臨時運営委員会に備えて横浜戦後に神戸へ移動。無期限ストについて「礒部と電話で連絡してみる」と同委員会を前に本人から直接話を聞く姿勢を示し、臨時運営委に出席する巨人・仁志は「当事者が熱くなってる部分もあるだろうし冷静に話し合いたい」と話した。合併反対で一致してもストの方法などをめぐっては思惑は別。神戸に到着した古田会長は「気合入ってますよ」と話したが、運営委が紛糾する可能性も出てきた。

近鉄大村
「無期限でも何でも、たとえ来年になってもストをする。そのぐらいの気持ちでいる。僕はここまで頑張ってきた礒部さんを最後まで支持する。」
西武和田
「明日(6日)になるまで話しません。きちっとした話し合いで(ストをやるか)決めたい。」
ロッテ小坂
「ストは選手会全体で決めることなので何とも言えません。無期限スト?今は静観です。先のことは話し合わないと分かりません。」
日本ハム小笠原
「北海道が盛り上がっているので(スト決行には)複雑だが、みんなの総意なので難しい問題。明日(6日)話し合って1番いい方法を見つけたい。」
オリックス三輪
「ウチとしてはストも考えています。形についても考えはあるけど、それは会で言いたい。早期解決したいし、ドロ沼化してもいけない。(球団側と)対話ができるように話を進めていきたい。」
阪神今岡
「チームとしての意見は一貫している。ストをやれば、色んなことが起こる。会議では色んな角度から見た意見を交換して、決定に同意したい。」
広島西山
「明日(6日)選手会でよく話し合います。」

ページトップ

ストなら損害賠償請求[報知]

◇横浜・峰岸社長「選手会を労組と認めていない」

労組・日本プロ野球選手会は6日、神戸市内で臨時運営委員会を開き、ストライキを実施するかどうかなどを協議するが、横浜・峰岸進球団社長は5日、選手会がスト権を行使した場合、球団として損害賠償請求が可能であるとの見解を示した。既に主催1試合につき1億5000万円の損害賠償請求を視野に入れていることを示唆した。また、近鉄選手会はこの日、無期限ストの提案を表明したが、一部選手会からは早くも反対の声が上がった。

スト決行の最終段階へ入った選手会に、峰岸社長が冷や水を浴びせた。「横浜としては選手会を労組とは認めていない。一部で認められたと報道があったが、違うと思う」と疑問符を突きつけた。選手会は3日に特別委員会の開催などを求めて東京地裁に申し立てた仮処分申請を却下されたが、選手会は労組と認定されたと解釈。ストは球団との契約違反には当たらないと主張していた。

しかし、峰岸社長は「個人事業主として税法上の優遇を受けているのに、なぜ労組と認められるのか」と指摘。選手は野球道具や移動の出費を「経費」として処理できるなど、一般の会社員らと比べて税金面で優遇されている。その一方で、労働者の権利であるストも正当化しており、「個人事業主としての優遇を取るか、労働法上の利益を取るかだ」と“いいとこ取り”は許さない考えを示した。

賠償請求の額については「開催することで得られるであろう報酬。ビジターなら1試合につき参画報酬の300分の1」と説明。ストの有力な決行日である11日に横浜は本拠地で阪神戦が組まれており、入場料だけで約1億円。球場使用料に放映権や払い戻し手数料などを加味すると、賠償請求額は1試合につき約1億5000万円にも上ると見られる。選手会は東京都で労働組合と認められており、古田会長は「解釈の違いがあるとは思っていない」と強気だが、認識の溝は容易には埋まりそうもない。

◇東京地裁は労使関係を認定

東京地裁の決定書で、選手会が日本プロ野球組織(NPB)と「団体交渉の主体となり得る」と労使関係があることを認めた。オリックスと近鉄の合併により生じる選手の労働条件の問題が「義務的団交事項にあたる」とし、既に労使交渉を行っていることから「仮処分を発令する必要はない」と判断した。選手会は、この部分を持って「労組と認定された」との見解を示した。一方、NPB側は「決定までにはいく通りもの道筋がある」(根来コミッショナー)とし、必ずしも選手会の見解を是としない姿勢を見せている。

ページトップ

近鉄無期限スト提案も足並み揃わず[報知]

◇6日臨時運営委員会

近鉄・礒部公一選手会長はこの日、選手会の臨時運営委員会で、日本シリーズを含めた無期限ストライキを提案することを表明した。この日、1、2軍が個別にミーティングを開催。近鉄選手会として意思統一を図り、徹底抗戦で臨む決意を固めた。大阪ドームでのダイエー戦前に、1軍選手がロッカーに集結した。「皆に聞いたら『最後まで戦いたい』ということでまとまりました」と、礒部選手会長が決意を明かした。2軍でも岡本副会長が説明し、賛同を得ており、オリックスとの合併が撤回されるまで、ペナントレースの残り試合はもちろん、プレーオフ、日本シリーズまでストに踏み切る考えだ。

労組・選手会では、高額年俸選手を主体として、指名ストや3試合限定ストなどの案が浮上しているが、近鉄の提案は、最も過激な形となる。運営委員会に出席する近鉄・大村副会長は「多分、多数決なら、認められないかもしれない。でも、12球団全体の問題として、こんな合併の前例をつくったらあかん」と力説。合併の当事者として、最後の最後まで経営者側に対抗する。

しかし、選手会・古田敦也会長はこの日、翌日の臨時運営委員会を考慮して、明確な発言を避けた。近鉄・礒部会長の提案については、「意見は明日聞きます」と言葉少なだったが、無期限ストに疑問を投げかけたのは、ヤクルト・真中会長だ。「無期限はきつい。数試合に限った方がいいと思う」と話し、同じヤクルトに所属する古田会長も短期間で効果的なストライキを提案するものと見られる。古田会長はこの日、横浜戦後に臨時運営委員会が開かれる神戸に移動。松原事務局長らと最後の打ち合わせを行った。

ページトップ