わたしはかもめ2004年鴎の便り(9月)

便

9月7日

福岡ダイエー4−7千葉ロッテ(福岡ドーム)

ロッテが5割復帰を果たし、試合の無かった4位日本ハムとのゲーム差を1に広げた。ロッテは1回、福浦が11号2ランを放ち先制。さらに2回、里崎の6号ソロと堀の13号3ランで加点した。先発の清水直は8回途中までを4失点に抑え、今季ダイエー戦初勝利を飾った。なお、ロッテの堀が1回に、史上41人目となる通算300二塁打を達成した。

123456789R
千葉ロッテ2400100007
福岡ダイエー0020200004
「(300二塁打は)積み重ねてきたものだからね。正直、素直に嬉しいよ。(ホームランは)打った瞬間に分かった。前の打席で、300二塁打も出たからね。気分良く打つ事が出来ました。毎日トーナメントのつもりでやっています。とにかく、毎試合負けられない試合が続くからね。チームは一丸。チームの目標もあるし、いい雰囲気の中でやれていますね。とにかく勝つしかない。明日も勝ちます。」
清水直
「今日は低めを丁寧に投げることだけを考えた。序盤に大きくリードをもらったのは大きかった。これでストレート中心のピッチングで攻めることが出来た。自分が投げる試合は負けられないからね。」
里崎
「(ホームランは)1死だったから、狙っていた訳ではないです。とにかく出ることだけを考えてバットを振りました。打った瞬間に分かる完璧なスイングでした。とにかく、1点でも多ければリードも楽になると思って打ちました。流れを考えると大きい1発でしたね。」

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ロッテ3位ガッチリ、4位ハムに1差[スポニチ]

ロッテが今季2戦2敗の苦手の和田に3本塁打を浴びせ、プロ最短となる2回KO。チームは勝率5割に復帰した。初回1死二塁から右越えに先制の11号2ランを放った福浦は「ぎりぎりで入った福岡ドーム最短の本塁打」と謙遜したが、2回には里崎と堀の1発で加点。球団合併問題で球団名が取りざたされ、ストも目前に迫る。そんな中で4位・日本ハムに1ゲーム差をつけ、バレンタイン監督も「今考えられるのは、明日の試合のことだけ」と強調した。

「積み重ねてきた結果。素直に嬉しい。」(通算300二塁打)
清水直
「低めに丁寧に投げようと心掛けた。あと2回先発があると思うが、自分が投げる試合は全部勝ちたい。」(9勝目)

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ロッテが3発で今季2戦2敗の鷹・和田を攻略[サンスポ]

先制11号2ランを放った福浦は「ぎりぎりで入った福岡ドーム最短の本塁打」と謙遜。2回に6号の里崎、13号3ランの堀は揃って「完璧に打てた」と自画自賛。今季2戦2敗と苦労していた和田をKOし、日本ハムとの3位争いで1歩、抜け出した。

清水直
「低めに丁寧に投げようと心掛けた。あと2度、先発があると思うが、自分が投げる試合は全部勝ちたい。」

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3発で5割復帰[報知]

2回までに3本塁打で6点を奪い、5割復帰を果たした。バレンタイン監督は「和田に対して積極的に振っていったのが良かった」と笑顔で振り返った。4位・日本ハムに1ゲーム差をつけたが「我々ができるのは自分達の試合で勝つこと」と指揮官。11、12日の日本ハムとの直接対決がストで流れる可能性もあるが「今、私が考えられるのは明日のダイエー戦だけ」と目の前の試合に全力投球する。

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ロッテ3発和田KO

◇福浦先制2ラン、里崎ソロ、堀特大3ラン

台風18号の影響で客入りがやや寂しいスタンドに、乾いた3発の音が鳴り響いた。ロッテが、ダイエーのお株を奪う1発攻勢で和田を沈めた。初回、「詰まっていたので抜けてくれと祈った打球。福岡ドームの最短アーチでしょう」と謙遜した福浦の2ランが幕開けだった。2回にも里崎がソロ、堀が特大3ランで続く先制攻撃。物静かな堀が「1番好きな真ん中高めの変化球を完璧に打つことができた」と自画自賛したように、日本代表左腕の球をことごとく打ち崩した。

15勝9敗と大きく勝ち越すダイエーの中で、数少ない「天敵」が和田だった。今季は0勝2敗、防御率も1.69に押さえ込まれていた。バレンタイン監督も「とてもタフな投手」と認めるだけに、序盤大量リードは願ってもない展開。「積極的に振っていったことが、活発な打線につながった」と溜飲を下げた。

残り10戦。負けられない戦いが続く。プレーオフ進出を決めたダイエーとは対照的に、ロッテは日本ハムと3位のイスを激しく争う。ライバルが雨で休んでいる間に、差を1ゲームと広げたが、負け数は同じで残り試合は3試合少ない。状況的には並んでいるといっていい。「あとはトーナメント」と必勝を誓う堀。「もう1つ」の合併候補として雑音も日増しに高まるが、バレンタイン監督は「私が考えるのは明日のことだけ。私達が目指すのは、できるだけ多く勝つことだけだ」。グラウンドでの戦いに集中する限り、モチベーションを失うことはない。

堀が通算300二塁打
7日のダイエー26回戦(福岡ドーム)の1回、和田から左二塁打を放って達成。プロ野球41人目。初二塁打は、89年5月2日の近鉄4回戦(藤井寺)で記録している。

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清水直がダイエー戦1勝

清水直が苦手ダイエーから今季初勝利を挙げた。序盤の大量援護で「ストレート主体に押せた」と4試合に先発し、0勝3敗、防御率6.48を苦しめられた打線を力で封じ込めた。五輪から帰国後、バレンタイン監督から「あと4試合、先発を任せたい」と全勝指令を受けており、期待に応えて連勝発進。「これ以上、負けたくないから」と勢いづくエースの存在はプレーオフ進出に向けて何とも頼もしい。

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小林宏が月間MVP受賞

セ・パ両リーグは7日、8月度のニッセイ月間MVP賞を発表した。セの投手部門は、中日川上憲伸投手で5試合に登板、月間最多の39回を投げ同最多の4勝(0敗)を挙げた。5月以来通算5度目の受賞。野手武門はヤクルト岩村明憲内野手で月間最多の11本塁打、打点も月間最多のラミレスに次ぐ27を記録した。岩村は初受賞で、ヤクルトの打者の受賞は98年6月の池山以来。

パは投手部門がロッテ小林宏之投手で4試合に登板、リーグトップタイの3勝を挙げ初受賞。野手部門はダイエー井口資仁内野手が初受賞。打率4割2分5厘、37安打、出塁率5割1分、長打率7割2分4厘、23得点でリーグトップ。

小林宏
「(五輪で)エースと抑えが抜けて台所事情が苦しい中で、いい仕事ができて嬉しい。これからもチームがプレーオフに進めるよう、死ぬ気で投げます。」

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合併もう1組、ダイエー・ロッテ確実

球界再編の最大のヤマ場となる臨時オーナー会議が8日、都内で開かれる。再編のカギを握る西武堤義明オーナーは7日、前日に続きロッテ重光オーナー代行、浜本英輔球団社長と東京・原宿のコクド原宿ビルで会談。終了後、一部で流れた両チームの合併について「西武とロッテの合併はない」と否定した。オーナー会議でも同様の見解を表明した上で「もう1つの合併」が進行中であることを明言する。ロッテとダイエーの合併をにおわすことになるが、タイムリミットを迫るセ側の反発は必至。巨人のパ移籍も含め激震の1日になる。

「激動の1日」を前に、最後の調整を進めるパ・リーグ首脳が慌ただしい動きを見せた。午後3時すぎ。ロッテ重光オーナー代行と浜本球団社長が、堤オーナーのもとを訪れた。会談は約1時間。ロッテ首脳がコクド原宿ビルを離れて1時間後、待ち受ける50人を超す報道陣に応えるかのように、堤オーナーは駐車場に出てきた。両チーム首脳の会談で突如、浮上したかにみえた西武&ロッテの合併の可能性について、ハッキリと否定した。

堤オーナー
「西武とロッテの合併ですか?誰が言いましたか?重光さんとは昨日も今日も会ったが、パ・リーグの運営の話をしたまでで、西武とロッテの合併する話は一切していません。(もう1つの合併については)そういうお話はしない。今日は記者会見じゃないですから。」

◇全ては今日のオーナー会議で明らかにする。

7月7日のオーナー会議では、近鉄とオリックス以外の「もう1つの合併の話が進行中」であるとした。だが最有力だったロッテとダイエーの合併案は、ダイエー本社が産業再生機構の活用を拒否している状況などから難航。セ・リーグ側からは、来季からの10球団1リーグ制は「時間切れ」とする見解も出てきた。

そんな中、さる2日のパ理事会では、小池会長はじめ4球団の連名でロッテ、ダイエーに対し迅速な合併を促す文書が出されたことが明らかになった。その後も巨人渡辺前オーナーや堤オーナー、ロッテ首脳らがギリギリまで水面下で動いているように、両球団の合併は秒読み状態だ。産業再生機構入りを頑なに拒むダイエーだが、突如噴出した協約違反問題はさらなる逆風となっている。またダイエー本体の引き取り先として、小売業界世界最大のウォルマートの名前が浮上する状況もある。

そんな背景もあり、オーナー会議では、タイムリミットを強調するセ側の声を何とか薄めるべく、堤オーナーが「西武&ロッテ」の合併を否定した上で、パ・リーグが「ロッテ&ダイエー」が合併することで4球団になることを示す。仮にセ側が猛反発した時には、巨人のパ移籍という宝刀が抜かれる可能性も否定できず、球界再編問題は継続される可能性さえある。

「もう1つの合併」が明らかになれば、スト権行使を決めた選手会側との溝がさらに深まる危険性もはらむ。それだけにオーナーサイドも、ストライキ回避に向けた対策を慎重に協議する必要がある。七夕の衝撃発言同様、やはり今日のオーナー会議も堤オーナーの発言が注目される。

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堤重光会談、重光渡辺会談

◇M慌しく

球界再編のキーマンであるロッテ重光オーナー代行と濱本球団社長の動きは、この日も慌ただしかった。午後3時すぎに新宿のロッテ本社をそれぞれの車で出ると、原宿のコクド本社に移動。前日6日に続き、西部堤オーナーと約1時間会談を行った。その後、大手町の読売新聞本社に入り、1時間後に再び姿を現した。別々の車に乗り込むと、重光オーナー代行は途中のビルでタクシーに乗り換えて姿を消した。都内の自宅に戻った浜元社長も「オーナー会議前に僕がコメントすることはありません」と固く口を閉ざした。

◇渡辺氏語らず

巨人渡辺前オーナーはこの日、報道陣に接しなかった。前日にパ・リーグ小池会長と会ったのと同じ都内のビル内で、3時間ほそ会食。読売新聞東京本社内でロッテ重光オーナー代行の訪問を受け、オーナー会議前日だったこともあって多くの報道陣が詰め掛けたが、あえて接触できない場所を選んだようだ。また8日の会議で議長を務める滝鼻オーナーも早めに外出、報道陣の前には姿を見せなかった。

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セ拒絶へ

巨人を除くセのオーナー達は「もう1つの合併」が提示されても拒絶する方針を示した。阪神久万オーナーは「議題にないんですから承認も何も無効でしょう」とし、「時間を区切るのは無理。来季から?常識的に無理でしょう」と語った。中日白井オーナーも「緊急議題として提案されたら?反対だ」、横浜砂原オーナーも「ギリギリまで待って(実行委などで)議論されないで何のために待ったのか」とあらためて“時間切れ”を強調。砂原オーナーは「いきなりオーナー会議で出てきても(実行委へ)差し戻すだけだ」とパ側を非難した。

オリックスと近鉄の合併についても、ストに直結するだけに阪神、中日は特に慎重な構え。中日白井オーナーは「明日(8日)は承認しないだろうな」と語り、久万オーナーは「承認はします」としたが「ストと言っているし、よく話してから決めなさい。内容を詰めて実行に移すのは時間がかかる。3年でも5年でもかければいい」と実行先送りを求めた。

また広島は実行委同様、オリックスと近鉄の合併承認の議決を棄権する構え。「もう1つの合併」にも、松田オーナーは「球団数を減らすための合併であれば、球団としての意見はお話ししたい」とすぐの承認は困難との考えを示した。

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根来コミッショナー、来季難しい

根来泰周コミッショナーは7日「セ6パ5なら2リーグしかない」と、もう1つの合併が提案されても来季からの対応は難しいとの認識を示した。「選手が仮処分とか何とかいっているのに、今(もう1つの合併が)あっても、事務的にも受け入れられないし、ゆっくり考えましょうということになる」と説明した。

この日も「そう(10球団に)なればいくつかの選択肢を提案したい」と話したように、5チームずつの2リーグを望む気持ちは不変。だが現実には、選手会のスト宣言やダイエーの興行権の問題などが噴出しており「いっぺんに膿が噴出して困っちゃう」と状況収拾の必要性を痛感している。

「いずれにしろ堤さんが何か言うのだろう」と見通す8日のオーナー会議から展開次第で自ら議長を務める可能性もある。「議案で利害が議長の場合はコミッショナーが代行する」という自身の提案が既に実行委員会でも議決され、協約改正が正式に決まる。議決権のないコミッショナーだが、球界再編のヤマ場でどう出るかが注目される。

◇パ会長は口濁す

パ・リーグ小池唯夫会長は8日のオーナー会議について「堤さんからこれまでの経過をセ、パのオーナーに説明して、協力を得ることになると思う」と見通しを語った。この日の西武、ロッテの動きも連絡は入ったが「もう1つの合併」については「ちょっと言いにくいけどなあ」と示されない可能性も示唆。また選手会がストを決行した場合、10月1日に始まるプレーオフ日程について、理事会開催も視野に入れ13日にも検討をはじめる姿勢も示した。

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興行権放棄ならダイエー失格

合併騒動に揺れ続けるダイエーに7日、新たな「問題」が勃発した。ダイエーが、興行権を放棄した契約を外資系会社と結んでいる−と一部で報道された。問題とされる契約は今年3月31日に締結されたもの。ダイエー本社が福岡ドーム、ホテルの福岡2事業を米投資会社コロニー・キャピタルに売却した流れの中で作製されたものだ。

チケット・物品販売権、放送権などを、ホークスタウンに吸収された福岡ダイエー・リアル・エステート(FDRE)が保有し、チーム編成や選手査定などの運営面についてもFDREに伝える義務を負っている契約だという。FDREは、昨年コロニー・キャピタルが買収、その子会社となっている。

実質的にコロニー側が興行権を手にする、とも取れる内容だ。野球協約では球団の“実際上の保有者”を変更する時は、実行委員会やオーナー会議の承認を得なければいけないと規定されており、同協約に抵触する可能性がある。また、昨年10月のオーナー会議で提出された、中内オーナーらを中心とする球団首脳陣が球団の興行、編成を含めた運営を行うと記された「確認書」にも背いている恐れもある。

これに対しダイエー本社側はこの日、野球協約違反にあたらないとの考えを示した。土谷忠彦常務取締役FDH管掌は「(協約に)違反していないという認識。野球協約と整合性を併せるのを第1に(契約を)考えた」と話した。チケット販売権については「業務委託」との考えを示し、放送権については球団側が最終的な決定権を持っていることを主張した。ダイエー本社の高木邦夫社長もこの日朝、「何の問題もない。興行権放棄?そういうことはない。まずいところがあれば見直せばいい。そういう契約」と話した。

ダイエー中内正オーナー
「契約して1ヶ月ぐらいに球団幹部から(契約書を)見せてもらった。契約についてはダイエー本社とコロニーの売買契約なので私が発言する立場にない。」
オーナー会議あての確認書
ダイエー本社・高木社長名で03年10月31日のオーナー会議に提出。球団株の持ち株比率の変更に伴う内容で、ダイエー本社は中内オーナーを中心とする球団首脳の地位を変更せず、球団の興行、編成を含めた球団運勢にあたることを宣言。球団に対する宣伝広告費についても支援し続けることを明言しており、野球機構の承認なしに球団売却しない旨で締めくくられている。ダイエー本社が「確認書」に背いた場合、野球協約にのっとってダイエー球団を「連盟預かり」にすることも確認されている。

◇最悪「連盟預かり」

ダイエーの興行権問題は8日のオーナー会議で「失格ではないか」と複数球団が追求する可能性がある。野球協約では球団保有者の変更はもちろんだが、これが外資49%以上である場合も届け出義務がある。違反となれば失格球団として実行委員会議決により、連盟会長に応急措置として一時的に預けて新たな保有者を探すなどの対応をとることになっている。「そうなればもう1つの合併や、身売り吸収なと柔軟な対応があり得る」。コロニー・キャピタル進出時から囁かれるそんな見解が、再編の動きの中で一気に問題提起されそうだ。

◇高木社長「保有」強調

一方、ダイエー本社の高木社長はこの日、他球団との合併を考えていないことを強調した。千葉県内の自宅前で報道陣に「単独で継続保有します」と話した。オーナー会議でダイエーとロッテの合併話が出る可能性があるが「継続保有という考えは変えておりません」と答えた。ダイエー本社の再建問題については「(産業再生機構を)活用するという考えは持っておりません」。

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古田会長が提案「新規参入OKならスト回避も」

労組プロ野球選手会の古田敦也会長が7日、ストライキ回避のための新たな条件を挙げた。「僕1人では決められないけど、合併が承認されても、その分、新規参入を認めてくれれば、ストが回避される可能性はある」と話した。

そもそも、球団数が減ることは球界発展にはつながらない、という考えからスタートしているだけに、来季も12球団でできる道筋ができれば、ストの回避を考えるという訳。「障壁をなくして、システムを決めて、手を挙げやすくするべきだ」と提案した。

古田会長の耳には、新規参入に興味を持つ、いくつかの企業と自治体の声が届いている。「いくつかあるけど、今の条件では無理だと言っていたり、時間がなさすぎたりしている」と、そのためにも新規参入のための具体的なシステムづくりの必要性を訴えた。

9日と10日の協議交渉委員会で、どの程度まで示されればストを回避できるかという問題は残るが「相手が決定権を持っていないのは分かっていますから」と古田会長。最後の話し合いを無意味なものにしないためにも、話すべきことは全て話すつもりだ。

労組・選手会の松原事務局長
「(古田会長発言について)そういう考え方もあります。(新規参入には時間が足りないのではという問いに)そんなことはない。オーナーの方々が本気になったら、すぐにできますよ。2ヶ月で1リーグを進めたんですから。」

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決行か中止か!!9、10日交渉委

日本プロ野球組織(NPB)と労組日本プロ野球選手会の事務折衝が7日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で開かれ、9、10両日にわたる協議交渉委員会を大阪のホテルで開くことが決定した。前日6日、選手会が表明したストライキ権を行使するか否かの重要な会議になる。

同委員会には、NPB側は阪神野崎勝義球団社長と近鉄小林哲也球団社長のセ、パ両リーグ理事長と、選手問題委員会の6球団代表および事務局が出席する予定。この日、選手会側から「なるべく多くの代表に出て欲しい」旨の要請があった。一方、選手会側は古田敦也会長はじめ近鉄、オリックスや遠征で在阪の西武、日本ハムの選手会幹部が出席する予定となっている。

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「11、12日週末スト」セ、パ対応に大わらわ

選手会の9月週末スト決議から一夜明けた7日、各球団で説明など対応がなされた。巨人では中日戦(東京ドーム)の試合前に桃井球団社長、清武代表が、高橋由選手会長、仁志副会長と球場近くのホテルで会談。球団側はスト回避を要望するとともに、回避に向けて最大限の努力をすることを伝えたという。同社長は「ざっくばらんな意見交換。ファンのことやペナントレースへの影響も考えてほしい、といいました」。選手会側はその後、練習前に選手を集め、ストを決議した前日の臨時運営委員会の内容を1軍選手全員に報告した。

ヤクルト選手会・真中会長
「(遠征先の大阪のホテルで1軍全選手に説明。2軍選手には別途説明)質問とかはなかった。組合員ではないラミレルとかにも球団の管轄になるけどっていう話をした。」
阪神選手会・今岡会長
「(甲子園球場内で球団管理部とストを行う場合の練習の有無や宿泊、移動などを協議)タイガースはある程度、理解を持って対応してくれると感じた。」
西武選手会・和田会長
「(大阪市内のホテルで星の球団代表と緊急会談)それぞれの言い分を話しました。」
日本ハム・小笠原選手会長
「(千葉・鎌ヶ谷で2軍選手に説明)(寮は使えるのかなどの質問は出たが)結論については言えませんでした。」
近鉄中村
「(大阪ドームでの選手ミーティングを開き、礒部選手会長から説明を受け)ストは大正解ですよ。近鉄、オリックスの合併を凍結することが1番だけど、難しくなっているファンのために戦います。」

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堤オーナー「西武とロッテ合併ない」[報知]

ロッテ重光オーナー代行と会談  西武・堤義明オーナーとロッテ・重光昭夫オーナー代行、濱本英輔球団社長が7日、東京・渋谷区のコクド本社で会談した。終了後、ロッテ側は大手町の読売新聞本社を電撃訪問。8日のオーナー会議でロッテ、ダイエーが第2の合併球団として名乗りを上げることを議長役の巨人・滝鼻卓雄オーナーに報告したと見られる。しかし、セ・リーグ側の反発は必至で正式承認される可能性は低く、来季はセ6、パ5球団での2リーグ制で運営されることになりそうだ。

コクド原宿ビルで約50人の報道陣に囲まれた堤オーナーが、戸惑いの表情を見せながら静かに口を開いた。ロッテ首脳との会談は両球団の合併についてのものか、と問われた同オーナーは「西武とロッテの合併ですか?誰が言いました。そんなこと」と苦笑いを浮かべた。さらに同オーナーは「重光さんとはパ・リーグ全体の運営の話をしてるだけで、西武・ロッテが合併するという話は一切してません。ロッテと西武の合併がないということだけ、ご説明した方がいいと思ってお話しした」と両球団の合併をきっぱりと否定。運営方法の具体的内容や「もう1つの合併」については「それは申し上げる必要はない。記者会見じゃないから。今日はそれ以上申し上げません」と、8日に開かれる臨時オーナー会議の席まで発言を避けた。

また、ロッテの重光オーナー代行も「明日話しますから」と言葉を濁し、濱本球団社長も「もう1つの合併?それは特にコメントはありません。コクドと読売本社へ報告?色々と…。堤オーナーはLMの合併を否定?オーナー会議の前に、私からコメントすることはありません」と、明言を避けた。オリックス・近鉄の合併が発表された直後、西武はひそかにロッテに合併の打診を行っていた。だが「ロッテマリーンズ」の名前を残すことと、51%以上の保有比率を持つことを主張したロッテ側との交渉は暗礁に乗り上げたという。

西武・ロッテの組み合わせが消滅したことで、ロッテ・ダイエーのペアリングがいよいよ濃厚になってきた。ある球界首脳によれば、8日に開かれるオーナー会議で、ダイエー、ロッテの両球団から「2球団で合併が進行中」と発表される。しかし、決定までには至らない模様で、堤オーナーが、9月中に再びオーナー会議の開催を求めると思われる。ダイエーの今後の動向に注目が集まる。

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ロッテ、ダイエー合併時間切れか[報知]

◇8日オーナー会議で表明もセ側反発必至

オリックス・近鉄に続く第2の合併は、時間切れになる公算が大きくなった。7月7日のオーナー会議で、西武・堤オーナーが「もう1つの合併が進行中」と発言してから62日。早くからロッテ・ダイエーの組み合わせが有力視されていたものの、動きは止まったままだった。再編問題の一応の区切りとされる8日のオーナー会議で、ようやく「もう1つの合併はロッテ・ダイエー」と明かされることになりそうだが、承認される可能性は極めて難しい状況だ。

「会議で第2の合併が出てきても、その場の承認はしない。近鉄、オリックスでも時間がかかったんだから、きちんと時間をかけないと」とヤクルト・多菊球団社長。また、横浜・峰岸球団社長も「もうタイムリミットだ。色々なことを考えると、間に合わない。(砂原)オーナーも同じ考えだ」と同調した。

ロッテは8日、合併方針を明らかにし、その後、再度のオーナー会議を招集、承認を要請すると思われる。滝鼻オーナーにもそのことを伝えたようだが、根来泰周コミッショナーをはじめ、コミッショナー事務局首脳陣も「時間切れ」で意思統一されている。

既に根来コミッショナーは数度にわたり、事務方と意見調整をした。その結果、

(1)
第2の合併に伴う選手救済には各球団とも余裕がない
(2)
選手会側の反発(仮処分申請など)が予想され、スケジュールの進行が読めない
(3)
来季、セ6、パ5の2リーグで運営するにしても、交流戦の導入

など、細部の話し合いを始める時期にきている−などの問題点を確認している。関係者によると、コミッショナー自身「8日に新たな合併が出てきても、球界再編は難しい」との判断を見せており、オーナー会議中、その見解を発言すると思われる。

第2の合併は今後、承認されたとしても実施は再来年に先送り。来季は11球団での2リーグ制が濃厚となった。オリックス、近鉄の合併が表面化してから揺れに揺れた球界だが、8日、1つの区切りを迎える。

◇交流戦の実施をパ側が申し入れ

8日、東京都内のホテルで開催される臨時オーナー会議で、パ・リーグ側がセ・リーグ側に対し、交流試合の実施を申し入れることになった。来季はセ6、パ5球団での2リーグ制が決定的な情勢。「5チームではリーグ存続が難しい」とする声が各球団からあがっており、収入源を確保するためにもセとの交流試合実施は、運営していくための必要最低条件になる。「5球団になっても4球団になっても、交流試合をお願いしないといけない」とパの首脳。また、オリックス、近鉄の合併の正式承認もされる見込み。6日の実行委員会でも承認されており、スムーズに運びそうだ。選手会のスト対策についても、議題に上る可能性が高い。

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古田「60億円加盟料撤廃ならスト回避可能」[報知]

スト回避の“落としどころ”が見えてきた。日本プロ野球選手会・古田敦也会長は7日、阪神戦が中止となった甲子園球場で、日本プロ野球組織(NPB)が6日の臨時実行委員会で新規加盟料の緩和を決定したことに、「新規参入の形を作ることは絶対必要」と一定の評価をした。8日に開かれる臨時オーナー会議で近鉄・オリックスの合併が承認された場合でも、参入障壁の撤廃が譲歩の要件であることを示唆。今後、スト回避の焦点は、新規参入の門戸が開かれるか否かへと推移していく。

NPB側の思わぬ決定に、古田会長が敏感に反応した。6日の臨時実行委員会で新規加盟料の緩和が承認されたことについて「新規参入の形をつくるのは絶対に必要」と言及。「少なくとも(加盟料が)いくらになるのか、資格審査の基準や、エクスパンション(拡大)ドラフトのやり方についてもしっかり考えないと」と熱心にその必要性を訴えた。

加盟料については、これまで「新参加球団に対する加盟料は60億円で、既存球団の譲り受けまたは球団保有者変更にともなう参加料は30億円」となっていたが、NPBが6日の臨時実行委員会で見直しを検討。「60億円、30億円以内で、必要と認めた金額を支払う」と、これまでの金額を限度に、状況に応じて金額を決める新システムで意見が一致した。8日のオーナー会議で承認され、11月の同会議で改正される運びとなった。

球団数が将来的に増加する望みを残すこの改正は、選手会にとっては、まさに、渡りに船だ。近鉄・オリックスの統合阻止を目指して闘ってきたが、特別委員会開催などを東京地裁に訴えた仮処分申請は3日に却下され、6日には高裁への抗告も棄却。同日の臨時実行委員会では統合が正式に承認された。もはや「近・オリ統合阻止」は絶望的な状況に追い込まれていることは周知の事実で、選手会も承知している。6日の臨時運営委員会でも統合の1年凍結に加えて「新規参入要件の緩和」を条件にあげている。今後は1度減った球団数を12へ戻す土壌作りへ、交渉の焦点は移っていくと見られる。

9、10日には選手会とNPBにとって、スト回避へ最後の話し合いの場となる協議・交渉委員会が開かれる。古田会長は「その場で障壁撤廃の具体案が示されたらスト回避に影響する?」の問いに「僕1人の考えでは決められない」と明言は避けたが「球団数が減ることが球界の発展にはつながらないというのがもともとの考えですから。参入障壁をなくして、新規参入企業が手を挙げやすい状態にすることが必要」と交渉の要件になることを認めた。

また、近鉄・オリックスの統合が成立した場合でも「新しい企業が入って6対6ならストを回避する可能性はあると思います」と、新規参入球団を含めた12球団が維持できれば、妥結する用意があることを明言。「僕が知っているだけでも、参入したいという企業は複数あるし、自治体も聞いている。ただ、加盟料がなければということですが…」と改めて加盟料撤廃が譲歩への絶対条件であることをにおわせた。

◇NPB側受け入れる可能性低い

日本プロ野球組織(NPB)は6日の実行委員会で、新規参加時に必要とされてる加盟料(60億円)と参加料(30億円)の緩和を確認し、今年11月のオーナー会議で野球協約を改正する方針を決めた。加盟料は緩和される方向だが、古田はさらに、将来的に12球団に戻すための道筋をつけることを、スト回避の条件にしてくるとみられる。加盟希望企業について審議する第三者機関などの設置を考えているようだ。

しかし、今回の再編問題は、経営に疲弊したパ・リーグがギブアップする形で勃発した。各オーナーは最終的には8球団での1リーグ制を視野に入れているとも言われる。球団数を元に戻す考えがない以上、現段階ではNPB側が古田の考えを受け入れる可能性は低いのではないだろうか。

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NPBが選手会に損害賠償請求検討[報知]

日本プロ野球組織(NPB)は7日、スト決行を決議した労組・日本プロ野球選手会に対して、「違法ストライキであり、損害賠償請求も検討せざるを得ない」との回答書を送付した。

スト決議から一夜明けたこの日、選手会の松原徹事務局長は、東京・千代田区のコミッショナー事務局を訪れ、6日の臨時運営委員会で決めたオリックス・近鉄統合の1年間凍結などの要求事項と、10日午後5時の期限を口頭で伝えた。古田会長の試合日程を考慮して、協議・交渉委員会を、9、10日に大阪市内で開くことで合意。松原事務局長は「12球団の代表を集めて下さいとお願いした。10日の午後5時ぎりぎりまで話し合いたい」と訴えた。

これを受けて、NPB側はこの日の午後5時過ぎに選手会へ回答書を送付。「統合はすぐれて経営的な事項であって、これを阻止するためにストライキをすることは、目的において不当な違法ストライキである」「ストライキが行われた場合は、各球団において、貴会等に対し、損害賠償請求等も検討せざるを得ない」と真っ向から反論。NPBの伊藤修・選手問題担当顧問(中日参与)は「理を尽くして話し合い、何とかストを避けられないか努力したい」と説明したが、この回答書を見る限り、これまで通り、双方の接点は見いだせそうにない。

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パ順位決定の方式、13日にも話し合い[報知]

パ・リーグの小池唯夫会長は7日、選手会がストを行って11、12日の試合が中止となった場合、今後の順位の決定の仕方などを13日にも話し合う方針を明らかにした。

3位以上のチームがプレーオフに進出できるパは、順位づけが大きく左右する。現在、首位のダイエーがプレーオフ進出を確定させ、2位・西武の進出マジックは3、ロッテと日本ハムが激しい3位争いを繰り広げている状態。もし、ストが決行されれば、それぞれの試合数が変わってくるために、勝率も変わって順位決定に影響を及ぼすことも考えられる。小池会長は「3位もそうだし、1、2位も競り合っている。ストで試合が抜けたら大きな問題。各球団の意向を聞いてみないといけない」と話し、スト決行時には13日に各球団の代表者が集まって、順位決定の方式を確認する意向だ。

また、セ・リーグは現段階で対策を協議する場を設ける予定はないが、大越事務局長は「ストをやって再試合がなければ、順位決定は理事会レベルの話し合いになるでしょう」と話した。

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西武・堤オーナー断言!「西武とロッテの合併はない」[サンスポ]

球界再編へ向けて今後の方向性が示されるプロ野球臨時オーナー会議が、8日に都内のホテルで開かれる。注目はオリックス、近鉄に続くパ・リーグのもう1組の合併だが、西武・堤義明オーナーが7日、都内でロッテ・重光昭夫オーナー代行、濱本英輔球団社長と極秘会談。その後、堤オーナーは「西武とロッテの合併はない」と断言した。また、ロッテの両首脳は会談後に東京・大手町の読売本社を訪れ、最終調整。オーナー会議ではロッテとダイエーの合併を本線に、セ側に訴えかける。

オーナー会議を翌日に控えた7日、西武、ロッテの2球団が慌ただしく動いた。昼過ぎにロッテ・重光オーナー代行、濱本球団社長が、東京・渋谷区のコクド本社を訪れた。前日の6日にも都内のホテルで両者の接触が発覚、2日連続のトップ会談に同社前は報道陣でごった返した。極秘会談は約40分間。再び姿をみせたロッテの両首脳は無言で迎えの車に乗り込んだ。向かった先は読売本社。オーナー会議を前に渡辺恒雄前オーナーら巨人にフロントに会談の内容が伝えられたもようだ。

重光オーナー代行らがコクドを出発してから約1時間後、堤オーナーが姿を見せた。

堤オーナー
「西武・ロッテの合併?だれがいいましたか、そんなこと。重光さんとは昨日もお会いしましたけど、パ・リーグ全体の話をしただけ。西武・ロッテの合併の話は一切、していません。合併はない?そうです。」

これまでパ4球団による「もう1組」はダイエーとロッテを軸にしながら、水面下で調整が進められていた。ところがダイエー側は産業再生機構入りをせずに、自主再建が可能であると単独保有を主張し続け、合併話は難航。先月以降、西武も自らの合併を視野に入れて動いていたが、そのうちの1組が完全に消えた形となった。

これで堤オーナーがオーナー会議で“本線”ともいえるダイエーとロッテの合併を主張する可能性が出てきた。

堤オーナー
「もう1組?そういう話は、今日はしません。事件が起こったと思って、皆さんがおいでになったので、西武・ロッテの合併はないとだけ説明した方が混乱しないと思って。今日はそれ以上は申し上げられません。」

堤オーナーの発言を裏付けるかのように、この日、ある球界幹部は「明日(8日)は堤オーナーがロッテとダイエーの合併について、どこまで話ができるか、だろう」と明言した。この日になってもダイエーは球団の単独保有を主張。パ側は組み合わせ発表の延期を求める可能性もある。となれば、巨人を除くセ5球団が時間切れと猛反発するのは必至。大紛糾も考えられる。日本プロ野球の未来を左右する注目のオーナー会議。球界は8日、大きな節目を迎える。

◇西武・堤オーナーに聞く

≫西武とロッテの合併の話はでたのか。
堤オーナー
「西武とロッテの合併ですか?誰か話しましたか、そんなこと。」
≫一部で報道されていたが。
堤オーナー
「重光さんとは昨日も今日も会いましたけど、それはパ・リーグ全体の運営の話をしただけで、西武とロッテの合併するという話は一切、していません。」
≫合併はないということか。
堤オーナー
「そうです。すみませんね。何だか皆さんの方で勝手に想像して集まっていただいて。」
≫運営の話とは。
堤オーナー
「それは今日は申し上げる必要はないこと。皆さんせっかく、事件が起こったと思っておいでになったので、西武とロッテの合併はないということだけ、ご説明した方が混乱はないと思って、こうしてお話をしている訳で…。」
≫もう1つの合併については。
堤オーナー
「そういう話はしないと申し上げたでしょ。記者会見じゃないから。皆さんが突然、玄関にいるから、ご説明申し上げている。そうしたら皆さんのお仕事はそれで終わるでしょ。それ以上のコトは会見の席を設けてじゃないと。私は立ち話では一切、申し上げないということは、皆さんとの間でもそういうことでやってきているので。今日はそれ以上、申し上げませんから、おひきとりください。」

◇パ・小池会長「もう1組の合併に向けた水面下での話」

パ・リーグの小池唯夫会長は、都内のパ連盟事務局で西武とロッテの会談内容について「(もう1組の合併に向けた)水面下での話でしょう。結果は明日(の臨時オーナー会議で)堤さんから発言があると思います」と語った。また西武・堤オーナーがロッテとの合併を否定したことに関しては、「本人の口から出たんだから間違いないんだろう。コメントすることではない」と話すにとどめた。

◇根来コミッショナー「堤さんが何かいうだろう」

根来泰周コミッショナーはこの日、臨時オーナー会議の展望について「もう1組?全く知らんね。いずれにせよ(西武の)堤さんが何か言うだろう」との見通しを語った。またリーグ制の問題についても、「1リーグを今から議論するのはどうか」と疑問を呈しており、オーナー会議ではこれまで主張していた2リーグの交流試合案などを提案するものとみられる。

◇重光オーナー代行「明日お話しします」

一方のロッテ首脳陣は、重光オーナー代行が立ち寄った都内のビルで「明日(8日)お話しします」とひと言。自宅前で報道陣に囲まれた濱本球団社長も「明日オーナー会議ですから。その前に私からコメントすることはありません」と話し、そろって口を閉ざした。

◇“第2の合併”今月末リミット…オリックス・小泉球団社長

「時間切れ」の声が支配的な第2の合併に関し、オリックスの小泉隆司球団社長は今月末をタイムリミットとする持論を展開。「私どもと同じように(合併表面化から)2ヶ月半もかかるものではないでしょう。9月30日ごろにオーナー会議を開き、承認されれば…。(セ側の)反発があるとは思っていない」。来季スケジュール調整は可能で、シーズンチケット販売のピークは12、1、2月であることなど、営業面でも間に合うと主張した。

◇第2の合併はハネつける…阪神・久万オーナー

阪神・久万俊二郎オーナーは、8日のオーナー会議で第2の合併案が浮上した場合、手順としてハネつける考えを明かした。「もし(話に出ても)承認はおかしい。手順にならん。そんなことは当たり前」。実行委員会の承認も経ていない合併案を、オーナー会議で承認できないと主張した。

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スト回避もある!古田選手会長が新たな見解[サンスポ]

11日から行われることが確実となっていた労組・日本プロ野球選手会の「土日スト」に、回避の可能性が浮上した。8日、東京高裁の判決で選手会が労組と認められなかった場合、ストが違法となり、9日から行われる予定の協議交渉委員会で新規参入の加盟料緩和などが認められれば“軟化”する見通しも出てきた。一方で労組・日本プロ野球選手会のヤクルト・古田敦也会長はこの日、「12球団が存続する道があれば(ストを)回避する可能性はある」と発言。ストありきではない胸のうちを明かした。

日本球界初の“最悪の事態”が直前で回避される可能性が浮上した。9日から10日午後5時のリミットまで大阪で、選手会と日本プロ野球機構(NPB)との団体交渉が行われる予定。仮に8日の臨時オーナー会議で近鉄、オリックスの合併が承認されても、新規参入の加盟料などの緩和があれば、ストは回避される可能性が出てきた。鍵となるのは、8日に下される東京高裁の判決だ。選手会が労働組合に該当するのかどうか−。地裁では認められたが“最終判決”となる高裁で棄却されることになれば、ストの合法性はなくなる。強行した場合、賠償請求などの問題も現実的となってしまう。

オーナー会議での合併承認は確実な状況。9月どころか、このままでは着地点が全く見えないスト。さらに違法となれば、選手会側がとる道は、“軟化”による妥結点の模索しかない。この日、古田会長は9日以降の交渉について、「僕1人では決められないけど、合併が承認されても12球団が存続する道すじがあれば、回避する可能性はある。球団の削減は球界の発展にはつながらない。新規参入できるよう障壁をなくさないといけない」と話した。あくまでオリックス・近鉄の1年間の合併凍結を前提にしながら、球界の発展を最優先することを強調。新規参入の60億円の緩和など経営者サイドの“歩み寄り”があり、12球団存続の方向がみえれば、スト回避の可能性があることを匂わせた。

ストありきではない。選手会は7月末から集めた約100万人分の署名を8日の午前中に、コミッショナー事務局に提出する予定。経営者側、選手会側ともファン第一にかわりはない。回避できる道が開けるなら、そちらへ進む可能性は十分にある。スト突入確実とみられていた“紛争”だが、本当の道筋は8日に決まる。

オリックス・小泉隆司球団社長
「双方が妥協して、というのじゃないと思う。NPB(日本プロ野球組織)としたら、(ストは)全部やめて欲しいということしかないです。合併の凍結はできない。向こう(選手会)はそれを言う法的根拠はない。」

◇古田会長らがナインに説明

ヤクルトでは7日に遠征先の宿舎で、真中選手会長と古田選手会会長からスト決行についての説明があった。11、12日にも予定されるスト中の練習については「球団がどういう対応をするか分からないけど、余分な出費は避けたい」として神宮球場の使用を要望。またスト中のファンサービスも計画する。外国人選手については「協力してくれると思うけど、彼らは球団の管轄だし巻き込むのは…」と一線をひく予定。

◇ストの日曜日に代替イベント案…巨人・高橋由会長

巨人の桃井恒和球団社長、清武英利球団代表が選手会の高橋由伸会長、仁志敏久副会長と都内で会談。桃井社長が「ストを回避して欲しい。こちらもギリギリまで努力する」と切り出し「当日しか見に来られないファンもいる。何よりペナントレースが成り立つかどうか。違法の可能性もある」と球団の見解を示した。高橋会長は中日戦(東京ドーム)の前に一軍選手に経緯を説明。「昨日のこと(選手会臨時運営委)をそのまま伝えた。質問も少しあった。ストをやらないのが1番いいけど」と話し、日曜日にペナントレースの代替イベントを対戦カード別に考案していることを明かした。

◇ストでもロックアウトせず…阪神・野崎球団社長

阪神・野崎勝義球団社長は、選手会によるストが実施された場合、球場や球団施設などの出入り禁止(ロックアウト)を行わない意向を示した。各球団の対応は不明とした上で「選手がスト破りにならない限り、便宜を図りたい。練習も機会を見つけてしてもらいたい」と語った。ただし、12球団でロックアウト実施となった場合は他球団と足並みを揃えるという。

◇スト決行ならV決定方法などを検討…パ・小池会長

パ・リーグの小池会長は7日、労組・日本プロ野球選手会が11日からストライキを決行した場合、13日にもプレーオフ進出への順位決定方法や、優勝決定の仕方などについて話し合うことを明らかにした。ストで実施できなくなった試合の扱いを6球団で検討する。小池会長は「1、2位と3、4位が争っているから、各球団の意向を聞かないといけない」と話した。

◇日本経団連会長「ファンを大事に」

日本経団連の奥田碩会長と連合の笹森清会長は7日、定例の首脳懇談会後、選手会のスト実施について記者の質問に答えた。奥田会長は「ファンを大事にする姿勢を、選手、経営者側ともに持って解決にあたって欲しい」と要望。一方、連合の笹森会長は「問題は機構側のどこに団体交渉の責任があるか不明確な点。実権を持つオーナー会議が話し合いを持って欲しい」と述べた。その上で経営側に団交拒否があれば不当労働行為に当たるとの認識を示し「その時は実力行使(スト実施)は当然あっておかしくないし、全面支援したい」との姿勢を強調した。

◇近鉄株主の抗告を棄却

近鉄の親会社「近畿日本鉄道」株主が、同社社長らにオリックスとの合併交渉の差し止めを求めた仮処分申し立ての即時抗告審で、大阪高裁(市川頼明裁判長)は7日、株主側の抗告を棄却した。株主側はインターネット関連サービス「ライブドア」など第三者への売却を検討せず、拙速に合併を選択したことは取締役の注意義務違反に当たるなどと主張したが、市川裁判長は「売却の具体的根拠は乏しい」などと退けた。株主側は「裁判所の決定は性急すぎる。株主代表訴訟も含め、今後の対応を検討したい」と話している。

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選手会、スト直前まで協議も[ニッカン]

ストライキ決行を表明した日本プロ野球選手会の松原徹事務局長は7日、日本プロ野球組織(NPB)と9日に開く「協議・交渉委員会」について、内容次第ではスト決断期限の10日午後5時まで2日間にわたり協議していく意向を明らかにした。松原事務局長はこの日、協議・交渉委員会の打ち合わせのため、東京・内幸町のコミッショナー事務局を訪れ「新規参入要件の緩和やドラフト改革なども含め、ぎりぎりまで、とことん話し合いたい」などと語った。

一方、選手会側が示した「今後の行動と方針」について、NPBは文書で回答した。合併の1年間凍結の要求などは、球団の経営的な事項であるとしてスト自体の違法性を主張。さらに、各球団ごとの損害賠償請求の可能性も示唆した上で「新規参入要件の緩和やドラフト改革についても純然たる経営事項」として、義務的団交事項ではないことを強調する内容だった。

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パ混迷!見えない「もう1つの合併」[スポニチ]

ロッテ・重光昭夫オーナー代行と濱本英輔球団社長は7日、東京・渋谷区のコクド本社で西武の堤義明オーナーと会談を行った。その後、ロッテ首脳は東京・大手町の読売新聞東京本社を訪れ、巨人・渡辺恒雄前オーナーと会談を行ったもようで、もう1組の合併に向けて大詰めの調整を行った。堤オーナーは西武とロッテの合併について否定したが、新たな合併へ向けた動きは、8日の臨時オーナー会議の直前まで行われる。

午後5時35分、コクド原宿本社前。グレーのスーツ姿で堤オーナーが現れると約50人の報道陣が一斉に囲んだ。水面下で進行中の、もう1つの合併のキーマンは表情を出さずに淡々と話した。

堤オーナー
「重光さんとは昨日(6日)も会ったし、今日(7日)も会いましたけど、パ・リーグ全体の運営の話をしただけで西武とロッテが合併する話は一切してません。西武とロッテの合併はないということだけを説明した方が混乱が起きないと思ってお話ししました。」

臨時オーナー会議を翌日に控え、各球団の動きは慌ただしかった。午後3時すぎにロッテ・重光オーナー代行と濱本社長がコクド原宿本社へ。6日にも都内で会談を行っており、2日連続の会談でもう1つの合併協議が行われた。この日午前にはNHKが西武とロッテの合併交渉を報じたが、堤オーナーは両球団の合併を否定。「リーグ全体の運営方法を話しただけ」と語るにとどまった。

パのもう1つの合併案はロッテとダイエー間で交渉が行われてきた。しかし、ダイエー本社の産業再生機構活用問題も絡んで交渉は難航。7月7日のオーナー会議で「もう1つの合併交渉が進んでいる」と発言した堤オーナーが合併協議促進に乗り出す一方で、西武とロッテの合併も視野に入れた話し合いが行われた可能性は高い。

ロッテ首脳は堤オーナーとの会談を終えると、その足で慌ただしく読売新聞東京本社に直行。渡辺前オーナーはこれまでも「ダイエーとロッテがどうなるかだ」と話しており、最後までダ・ロの合併を画策しているとも囁かれる中で、ロッテ側にダイエーとの合併へ向けた譲歩案などの最終決断を迫ったことも十分考えられる。重光オーナー代行は「明日(8日)お話しします」と話し、堤オーナーも「公表するときはちゃんとお知らせします」とオーナー会議での発言を示唆。ロッテとダイエーを軸に、8日午後2時の臨時オーナー会議直前まで水面下で調整が図られる。

臨時オーナー会議では近鉄、オリックスの合併が正式承認される予定。果たしてもう1組の提案はあるのか。しかし第2の合併については、この日のドタバタぶりを見ても明らかなように具体名を示せない可能性も高い。その場合はセ6、パ5の変則2リーグとなることが有力だ。いずれにせよ、9・8が球界の未来を決める「運命の1日」となることだけは間違いない。

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セは“もう1つの合併”許さない[スポニチ]

来季はセ6、パ5の2リーグ制で実施される可能性が高くなった。もう1組の合併が注目される臨時オーナー会議を前に中日・白井文吾オーナーは7日、名古屋市内で西川順之助球団社長と臨時オーナー会議の対応策を協議。パ・リーグから新たな合併の承認を求められた場合、事前通知された事項でなければ議決することができないとする野球協約に反するとして、議決を拒否する姿勢を示した。阪神・久万俊二郎オーナーをはじめ巨人を除くセ5球団も承認に難色を示している。

臨時オーナー会議前日になっても見えてこない「もう1組の合併案」。中日・白井オーナーとの協議を終え、巨人戦のため上京した西川球団社長は強い口調で「協約は球界の憲法と同じ。日本国憲法と同じなんです。協約にのっとってやらないと無法状態になる」と断固承認拒否の姿勢を示した。

野球協約第22条の4項でオーナー会議は3週間前までに「会議の目的たる事項を明示して招集しなければならない」とし「オーナー会議は、予め通知された事項でなければ議決することができない」と定めている。臨時オーナー会議では近鉄、オリックスの合併承認は議題として通知されているものの、新たな合併については議題とされていない。オーナー会議前の承認が必要とされている実行委ですら、具体的な球団名は明らかにされていない。中日とすれば、オーナー会議の席上、突然議題として取り上げられても検討する時間的な余裕もなく、ましてや球界再編に直結する問題となれば議決に応じる訳にはいかない。

阪神・久万オーナーも「明日(8日)は話が出てきても無効でしょ。出されても決まりません。そんなのは当たり前のこと」と話し、野崎球団社長も「議題は3週間前に通知が必要なんです。オーナーが1人でも反対すれば議決されない」と承認は困難との見解を述べた。

広島・松田元オーナーは「球団数が減るのであれば賛成はできない」。横浜・峰岸進球団社長も「時間的に実務的に無理」と話し、ヤクルトも承認には難色。巨人を除くセ・リーグ5球団は営業、日程作成上の判断から8日を「最終リミット」と主張しており、仮に新たな合併協議の期限延長が提案されても拒否することは濃厚で、来季はセ6、パ5球団による変則2リーグ制が確実となった。

根来コミッショナー
「次の合併はまったく知らない。いずれにしても、明日何か言うんだろうね。もう1つの合併といってもこれから、また仮処分とか色々やるのか。1からやりますという話じゃどうにもならない。」

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古田選手会会長「スト回避の可能性ある」[スポニチ]

労働組合・日本プロ野球選手会の古田敦也会長が7日、8日のオーナー会議で近鉄とオリックスの球団統合が承認されても、新規参入球団が認められる方向性が打ち出された場合は、ストライキを回避する考えがあることを示した。

甲子園での練習を終えた古田会長は「僕1人では決められないけど(新規参入が認められれば)回避される可能性はあると思う。みんなの意見、特に当該球団の話を聞いてからになりますけど」と明言。6日の臨時運営委員会では、近鉄とオリックスの統合を1年間凍結する旨の決定が行われない場合、11日からのスト決行を決定。だが、ギリギリまで話し合いでのスト回避の道を模索しており「われわれは球団数が減るのが球界発展につながらないと思っている。しっかりしたシステムを確立し新規参入できるように、障壁をなくせば手を挙げやすくなる」と続けた。

選手会は8日、集まった約100万人分の署名をコミッショナー事務局に提出。オーナー会議に持ち込まれる予定だ。オーナー会議では加盟料60億円、株式譲渡に伴う参加料30億円の引き下げが承認される見込みで「チャンスがあればやりたいという企業は複数知っている。ただ、あれ(加盟料)がなければという話も聞いている」という古田会長の意見がどこまでオーナー達に届くのか、会議の行方が注目される。

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