わたしはかもめ2004年鴎の便り(9月)

便

9月9日

乱闘のズレータ、セラフィニに制裁[ニッカン]

8日の試合で乱闘事件を起こし、暴力行為で退場処分となったダイエーのフリオ・ズレータ内野手(29=パナマ)に出場停止1試合と制裁金10万円、同じくロッテのダン・セラフィニ投手(30=米国)に制裁金10万円が科された。パ・リーグの小池唯夫会長が9日、発表した。2人は8日のダイエー−ロッテ最終戦(福岡ドーム)の6回、セラフィニの投球に対して激高した打者のズレータがマウンドへ駆け寄り、両者がもみ合いとなった。

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処分

パ・リーグは暴力行為で退場処分となったダイエーのフリオ・ズレータ内野手(29)に出場停止1試合と制裁金10万円、同じくロッテのダン・セラフィニ投手(30)に制裁金10万円を科す処分を発表した。2人は8日のダイエー−ロッテ最終戦(福岡ドーム)の6回、セラフィニの投球に対して激高したズレータが、マウンドへ駆け寄り、両者が揉み合いととなった。

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古田会長スト回避条件、新球団募れ

プロ野球史上初のストライキ突入か回避かで注目される中、労組日本プロ野球選手会と経営者側の労使協議(協議交渉委員会)が9日、大阪市内で行われた。経営者側から新規参入加盟料の撤廃など妥協案が示されたが、古田会長は、セ、パ6球団に戻すため新規参入する企業を募る姿勢を本気で示さない限り、ストの回避はないという見解を示した。10日午前11からの最終の労使協議でまとまらなければ、同日午後5時のタイムリミットをもってストに突入する。

古田会長は断固たる姿勢を示した。甲子園で行われた阪神戦後「30億や60億といった加盟料を撤廃するだけでは、ストをやめることはありえない。本当に6にしたいとか、新規参入を求めているというこをアピールしないといけない」。スト回避にはセ6、パ6の12球団に戻す努力が必要と主張した。加盟料撤廃も、資格審査などで、新規参入を拒否することができる。そういうことなく、球団増を認めるという不退転の決意を示して欲しいというのが選手会の望みだ。

試合前に出席した協議交渉委員会の暴投で、オリックスと近鉄の合併について「凍結する気はない」という考えが機構側から示された。ならば、6球団ずつの2リーグでできる道筋を考えないのかと選手会側は要求した。しかし、機構側からの納得のいく返答はなかった。古田会長は「彼に歩み寄りがあったとしても、まだまだだいぶ遠いなっていう印象です」と話した。阪神の今岡選手会長も「(球団を)増やす議論はまったくされていないみたいで、なぜ、という感じだった。新規参入の条件は緩和するけど、増やすことは考えていないと受け止められる。平行線じゃないかと感じた」と話した。

選手会側として精いっぱいの提案はした。古田会長は「パ・リーグも5球団ではやりにくいと思うんだけど…。交流戦も6・6でやればいい」と語る。現状では、4球団にするのを失敗したから5球団とか、時間がたてば1球団が破綻するという読みがあるのではと、ファンに受け取られかねない。そのためにも新規参入を本気で募る姿勢を示すことが、スト回避のために最低限必要なのだ。

古田会長は「スト期限延長はない」と明言する。翌日の試合がないことをファンに告知するためにも、10日午後5時がタイムリミットと判断している。それを過ぎれば11日のスト突入が決まる。ただ、交渉を続ける意向はある。「土曜にも機会があれば交渉します」。スト中でも、翌日のストを避けるための努力は怠らない。ストは避けたいという気持ちは、変わらない。

この日、阪神戦を終えた古田会長に、三塁側ベンチ上の阪神ファンが古田コールを始めた。「スト支持」というプラカードを掲げ、古田会長を激励した。「初めてじゃないかな。甲子園で応援してもらったのは…。ああいう声を聞くと元気が出る。ありがたいです」と話した。運命の交渉は10日午前11時から始まる。

◇結論でず、継続審議

プロ野球経営者側はストライキ回避に向けて、労使協議で譲歩案を示した。労使協議担当は通常巨人や阪神など5球団だったが「裁量権のある者ができるだけ出席するように」と誠意を見せる意味で全球団が出席。午前中に事前の打ち合わせを行った後、選手会側と午後6時前まで約6時間のロング交渉を行った。

その後、さらに午後9時近くまで要求の回答を協議した。具体的な内容は「建設的な意見を出し合った。今日の段階ではコメントしないと申し合わせている」(中日伊藤修参与)と明言は避けたが、経営者側から新規参入の「保証金制度」を提示。野球協約の加盟料60億円、参加料30億円を撤廃し「徴収して分けるものではなく保証金のようなもので、金額を下げる形」(ロッテ瀬戸山代表)と新規参入要件を緩和する案を、選手会サイドに説明した。

ただ現時点では結論は出ておらず、予断を許さない状況だ。最大のポイントとなる近鉄、オリックス合併の1年間凍結の問題をどうクリアするのか、ただ経営者側はストライキが決行された場合、ロックアウトしない方針を確認した。一方選手会側は古田会長らが試合で途中退席したが、松原選手会事務局長は120万人のファンの署名を前に交渉を続けた。「明日に持ち越しということ。機構側の回答?今日はなしです」と言葉少なだった。スト決行のタイムリミットを迎える10日は、午前11時から運命の最終交渉に入る。

◇ライブドア「歓迎」

プロ野球経営の乗り出すことを表明しているIT総合企業ライブドアの堀江貴文社長がこの日、古田発言に歓迎の意を表した。「(プロ野球が)新しい企業を募るというのは当然の流れだと思う。そういったファン、選手会の声を歓迎したい」。既に今月中に受け皿となる運営会社「株式会社ライブドア・ベースボール」の設立を実現させることを決め、現在は保護地域、専用球場など詳細を決めた上で球界入りの申請を行うつもり。堀江社長は「(球団の)縮小はすべきではない」と、積極的にアプローチをかける。

ダイエー佐藤球団代表
「今までより随分、いい話はできたと思う。お互いにストライキは避けたい、という共通の認識は持っている。選手会のメンバーが帰った後に我々だけ残って、ストを中止してもらうために何ができるか、を話し合った。我々の気持ちをぶつけるしかないが、気持ちだけでは誠意にならないし、具体的な実例を挙げなければいけない。その統一の意見はできたつもり。」
近鉄小林球団社長
「話し合いの内容は明日(10日)までしゃべらない約束になっている。選手会側の提案はビックリするようなものではなかった。予想の範囲内というか、通だった。双方が一生懸命に、誠意に話し合いをやったことは間違いないです。」
オリックス小泉球団社長
「真摯に話し合ってストを回避して欲しい。合併の凍結はできない?そうです。実行委員会、オーナー会議で承認をいただきましたから。参加料を撤廃して、それに代わる保証金の話はしました。その額とかは言ってない。(交渉の)キーは3つも、4つもある。こちらが十分だと思っても、交渉事なので向こうがどうか。」
日本ハム小嶋オーナー代行
「今日(9日)現在(ストを)避けられる見通しにはない。ストは避けて欲しい。いろんな提案を出しながら話したが(見通しは)厳しい。我々サイドで考えてきて、説得できるよう努力していく。(12球団の)足並みは基本的にそろっている。」
横浜山中球団専務
「今まで再三、誠実性を欠いていると選手会側から言われ、マスコミに彼らが話していることもあり、かなり突っ込んだ話を誠実にできた。可否に向けて最大の努力をすることが参加者の思い。(提案の)中身はお互いに公開しないようにしようと約束した。」
中日伊藤球団代表
「内容は申し上げられない。約束事なので。球界の活性化のために話し合った。感情的になる場面?それはなかった。明日(10日)の戦略はまだ分からないが、とにかく明日中に解決(スト回避)させたい。」
ヤクルト倉島球団常務
「ストを回避するためにお互いが提案を出し合った。相手との約束で具体的な内容は明かせない。(ストで)プラスになることは何もないです。選手会もストを好んでいる訳ではない。お互いに歩み寄る気持ちが必要でしょう。ロックアウトは12球団でやらないことを確認し合った。」
広島鈴木球団副本部長
「スト回避の可能性?分からない。(加盟料の問題は)前から話をしている。お互い誠心誠意だった。最後の最後まで話し合いをしなければいけない。明日(10日)は何とかしたい。」

◇9日のドキュメント

10:30
経営者側が事前打ち合わせを開始。
11:30
オリックス三輪ら選手会側が大阪市内の会議場に到着。
11:40
選手会の古田会長が会長入り。
12:00
協議交渉委員会開始。
15:20
古田会長、試合のために退席。その後、ほかの選手も退席。
17:50
松原事務局長、弁護士が退席。協議交渉委員会終了。
20:30
経営者側が継続していた会議終了。
21:10
セ・リーグ豊蔵会長大阪到着。
21:30
パ・リーグ小池会長大阪到着。

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礒部粘り強く、1年間凍結訴える

近鉄選手会長の礒部は、オリックスとの合併1年凍結を粘り強く訴えていくことを強調した。9日の協議交渉委員会後に「何とかね。承認はされてますけど、凍結してもいいんじゃないですかと話していきたい」と切実に語った。ただ同委員会の協議内容については「まだ決まったことがないんで、明日(10日)も出るんで、その後にお話しします」と口をつぐみ、車に乗り込んだ。

西武和田選手会長
「今日の段階では、まだ話はできない。だいぶ(経営者側と)話せるようにはなってきたんですけど。明日はもっと話せる?それは、まだちょっと。(スト行使は)今の段階では分からない。」

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経営陣大慌て、セパ会長呼べ!!

労組日本プロ野球選手会と労使協議(協議交渉委員会)を行った経営側は9日、事態打開を図るため、スト突入の最終期限となる10日午後5時を控えた同日午前9時から緊急実行委員会を開催する。この日、セ・リーグ豊蔵一会長、パ・リーグ小池唯夫会長が急遽大阪に向った。10日午前11時から命運を握る最後の労使協議が行われるが、その直前の緊急実行委員会で、経営者側の決定事項として妥協案を提示する。

協議交渉委委員会
基本的に、日本プロ野球組織(NPB)はセ、パ両リーグ理事長とセ、パ各3人の選手関係委員会メンバー、選手会担当顧問、事務局責任者、両者の顧問弁護士が出席して選手問題を協議する。肖像権問題などのため東京労働委員会で両者が2年10度にわたり続けてきた調停で和解した際、月1度程度の話し合いを義務付けられた。

豊蔵セ会長と小池パ会長がそれぞれ9日夜、ストライキ回避のため協議交渉委員会が開催されている大阪に、急遽入った。豊蔵会長は当初、スト突入のタイムリミットとなる10日に大阪入りが検討されていたが、この日、大阪から繰り上げの要請があり対応した。予定されていた東京ドームでの巨人上原の1000回登板表彰をキャンセルしながら、報道陣には知らせない隠密行動だった。

また、小池会長は午後6時前に東京・銀座の事務局に戻り、旅支度のないまま移動した。小池会長は「まだ何も聞いていないので大阪で(村田)事務局長に報告を受けて対策を考えたい」とだけ話し、平静を装った。しかし、その慌しい対応ぶりは、選手会ストライキが必至の情勢の中、選手を預かる日本プロ野球組織(NPB)のトップとして何らかの決断を迫られてのことを推察させた。

前日8日のオーナー会議で、この日の協議交渉委員会に出席する12球団の代表者に「最大の裁量権」が与えられた。当然、選手会側とはかなり突っ込んだ話し合いが行われ、いくつかの条件提示が行われた。加盟料60億円などを保証金という形に変え、さらに減額する譲歩案も提案した。

この日の協議交渉委員会終了後、12球団の代表者だけでの会議が午後8時30分近くまで続けられた。さらなる論議が交わされた模様で、10日に持ち越された最後の協議交渉委員会の場で、スト回避に向けた具体案を提示する。9日夜に実行委員会議長でもある豊蔵会長と議決権を持つ小池会長が大阪入りしたのは、「裁量権」のある12球団代表者の温松会議を決定権をもつ「緊急実行員会」とし、具体案を正式議題として議決し、10日の最終交渉の場に提示して妥結を目指すものと考えられる。8日には東京高裁が選手会側の仮処分は棄却したが「経営者側は団体交渉に誠意を尽くすべき」という異例の注文を行った。NPB側としては、最善の誠意を尽くすための両会長の緊急出馬でもある。

ロッテ瀬戸山球団代表(選手関係委員長)
「非常に建設的な話し合いができたと思います。こちらの方から数点、選手会に提案させていただきました。古田会長も一緒に何か新しいことをやっていけたらいいとおっしゃってましたし。加盟料、参加料については今の性格のものは撤廃して、徴収してみんなで分けるということではなく保証金ということで、なおかつ金額的にはできるだけ下げた形で対応できればと思っています。とにかくストを回避すべく全力を払わないといけない。選手会の方もそういう認識でおると思います。選手会のリクエストにも可能な限り応えられるように明日(10日)、会議を続けていきたい。お互い努力せんといかんでしょうね。」
巨人清武球団代表
「今日はボールを投げ合って、提案し合ったということ。話した感じでは古田君が明るい展望というか、明日につながるような野球界を求めているのがよく分かった。これまでは会話の信頼性というものに欠けるものがあったが、向こうはこんなに具体的に話すのは初めてだと言ってくれた。溝はあるけれど、埋めることはできると思う。」
西武星野球団代表
「(難航している部分は)非常に難しい部分がありますが、うーん、何と言っていいか。我々は誠心誠意、尽くしていくしかないんでね。何としても(スト)回避したいというのが全員一致した意見です。明日(10日)も話しますから。(落としどころは)我々としては何とか見つけ出していくしかない。選手会とケンカするつもりはないんで、ウチはロックアウトは考えてません。」

◇野崎社長好感触

セの理事長として協議交渉委員会に出席した阪神野崎球団社長はこの日、選手会のスト回避に前向きな感触を得た。実際に意見を交換し「選手会は(ストを)回避したいという気持ちを感じた」と話した。新規加盟料やドラフト制度の改正を妥協点に見いだしている。「前向きに提案した。加盟料?具体的に提案した。実効のある改正をしたい。ともかく明日(10日)、話し合って、何とか回避したい」と話した。

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王監督ダイエーに不信感

ダイエー王貞治監督が9日、ダイエー本社に対する選手、球団、ファンの「不信感払拭」を訴えた。前日の臨時オーナー会議では来季11球団2リーグ制が確認されたが、今後のダイエーの合併の可能性を完全に払拭するには至らなかった。王監督は前夜、佐々木球団会長から「球団合併なし」の報告を受けたが、一夜明けても胸中は複雑だった。

王監督
「一安心というより(各球団のオーナーの発言には)『ただし』とか『緊急事態が発生した場合』とか、ついてるだろ。だからみんなが何かあると思うんだよ。その(合併の)過程が(表に)出るのがいけない。だから僕らも選手もどうなっているんだということになる。球団への不信感にもつながりかねない。見ている人(ファン)も分からない人ばかりじゃないから(合併がないと言っても)信じられなくなる。」

前日のオーナー会議では西武堤オーナーが、ダイエーとロッテの合併話が進んでいたことを公にした。その上で、現時点では合併はないとした。しかし「重大な変化があれば、その時に対応する」と含みをもたせ、他球団のオーナーからもそうした発言が相次いだ。

さらに、最近になって球団が興行権を放棄しているとの話も持ち上がった。「密室で(紆余曲折の)話があるのはいいが、決まったことだけを(世間には)言えばいい。契約書なんかが表に出るのはどこから出たのか分からんが、背信行為だからね」。不信感が増長される状況に、黙っていられない様子だった。

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スト回避へ10日緊急実行委員会開催[報知]

日本プロ野球組織(NPB)と労組・日本プロ野球選手会との協議・交渉委員会が9日、大阪市の国際会議場で行われた。約6時間の話し合いで、11日からのストを打ち出している選手会に対し、NPBは回避を求めたが決裂。10日午後5時の期限まで交渉を続けるが、NPBはスト回避へ向けてセ・リーグ・豊蔵一会長、パ・リーグ・小池唯夫会長が9日夜、急遽大阪入り。10日午前に緊急の実行委員会を開き、打開策を検討することになった。

最悪の事態だけは避けようと、NPBが動いた。この日夜、セの豊蔵、パの小池会長が急遽、大阪入り。豊蔵会長は予定されていた巨人・上原の1000投球回達成の表彰をキャンセル、小池会長は着替えも持たずに新幹線へ。両首脳の慌ただしさが、緊急性を表していた。スト回避を目指した9日の協議・交渉委員会。伊藤修・選手会担当顧問(中日参与)は「団交として臨んだ」と言うように、NPB側は選手会を労組として認める立場で話し合った。しかし、約6時間にもわたる協議を重ねたものの、結論には至らなかった。NPB側は10日、2度目の協議・交渉委の前に緊急実行委員会を開催することを決定。「重要な状況なので、両会長がお見えになる」と伊藤選手会担当顧問は説明。最後の意見調整を行うことになった。

選手会は新規加盟に必要な加盟料、参加料の緩和と、オリックス、近鉄の合併に伴う選手の雇用問題を重視している。この日の会議では参入への障害となっている加盟料60億円を撤廃。代わりに、補償金のような形とし、さらに減額する案を提示したようだ。出席していたオリックス・三輪も「新しいものを作りますと言っていた」と、新提案があったことを認め、僅かだが歩み寄りが見られたことをうかがわせた。

また、7月5日の12球団代表者会議では合併球団の優先保有(プロテクト)枠25人、それ以外の選手も前球団により雇用確保することが確認されていたが、議決はされていなかった。このため、10日の緊急実行委員会では「統合に伴う、プロテクトに関する話をする。まだ、正式に議決されていないので、その手続きを取る」と瀬戸山協議・交渉委員長(ロッテ代表)は断言。NPB側は、こうした行動が選手会への誠実な対応になると判断した。

「最後まで誠意を持って対応したい。さらに話を詰めて、ストは絶対に回避せねばならない」伊藤顧問はまなじりを上げた。プロ野球史上初のストを回避するため、NPB側は緊急実行委員会で更なる妥協案を協議していく。

◇滝鼻オーナーが再度2リーグ強調

巨人・滝鼻卓雄オーナーが9日、改めて来季のセ・リーグ6球団、パ・リーグ5球団による2リーグ制運営を強調した。東京ドームで中日戦を観戦後「日程的に見ても新たな合併は難しい」と話した。滝鼻オーナーは8日、議長を務めたオーナー会議後「日本の経済状況を考えると何が起こるか分からない。万が一、球団が消滅したり、その他の動きがあった時は機動的に審議したい」と発言。野球協約上、11月30日までに実行委員会とオーナー会議の承認が得られれば「もう1組の合併」は可能で、再編の可能性を示唆したと受け取られた。

この日、この発言について「含みはない。2番目の合併について言ったつもりはない。来季は6対5しかない。パ・リーグは希望的観測があるかもしれないけど、6対5でほぼ確定だと思う。議長として感触があったから、あの席で発言した」と補足説明した。一方で「緊急事態はあるかもしれない。優良企業で新規参入したいというところが、明日出るかもしれない。個人的に聞いている訳じゃないけど」と球界再生を探っていく。「(加盟料の)60億円と30億円が妥当だとは疑問に思っている。参入基準の見直しは今年は間に合うかどうか分からないが、来年以降もやっていきたい」。

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協議6時間も平行線、結論持ち越し[報知]

◇10日午前から最終交渉

時計の針は午後9時を指そうとしていた。会場から最後に出てきた瀬戸山・選手関係委員会委員長(ロッテ代表)は「これまでと違って、いい話し合いができたと言ってもらえた」と収穫を口にした。休憩を挟んで約6時間にも及んだ協議。NPB側はさらに、選手会側が全員引き揚げた後も3時間近く議論を重ねる“誠意”を見せた。

合併に反対する122万人分の署名を会議室に持ち込んだ選手会に対し、NPBも同委員会のメンバーである選手関係委員5人以外の7代表も出席し、12球団の全代表が顔をそろえた。スト回避への妥協点を見いだそうと、8日の臨時オーナー会議でも議題にのぼった参加料60億円、加盟料30億円の見直しを含めた複数の提案を行った。腹案としての具体的な金額を挙げての議論も行われたという。「(加盟料は)新しい方式を作りますと言っていました。これまでの一方的な姿勢ではなく、少し柔軟でした」とオリックス・三輪選手会長は話した。しかし、選手会が評価したのはやや軟化した交渉姿勢だけだった。同会の松原事務局長は「全部明日に持ち越し。見通し?向こう次第です。妥協点は見いだせる?ノーコメントです」と足早に会場を後にした。話し合いは平行線のままだ。

選手会が設定したリミットは10日午後5時。当日は急遽セ・パ両リーグの会長を交えた臨時実行委員会を朝から開き、続けて午前中から最終交渉に臨む。伊藤修・実行委員会選手問題担当顧問(中日参与)は「お互い真摯に話し合う」と話した。スト決行か回避か。両者のせめぎ合いがぎりぎりまで続けられる。

◇古田会長「新規参入システム作りを」

古田会長が1日目の交渉を終え、改めて新規企業への門戸開放がスト回避の焦点となることを示唆した。甲子園での阪神戦後、「感触?歩み寄っていたとしても、まだだいぶ遠い」と古田会長。NPBが示した加盟料の緩和案には、「これくらいが適正と言われたが、もっと具体的に出して決めてもらわないと」と物足りない表情を見せた。さらに「加盟料の撤廃だけではスト回避はない」と断言し明確な新規参入のシステム作りを要求。ヤクルト・真中選手会長は「公平な審査機関を作ってほしい」と話しており、利害に関係しない第3者機関の設置を訴える模様だ。

古田会長は一方で「プロ・アマ問題を解決するためにも、完全ウエーバーのドラフトにすべきとおっしゃる代表もいた」とNPB側からドラフト改革の提案があったことを明かした。10日午後5時に設定してある交渉期限については「延ばすことはない。それこそファンに迷惑がかかる」と完全決着を明言。「阪神ファンから初めて『頑張れ』と言ってもらった。明日は頑張りますよ」と全力を尽くす決意を見せた。

◇堀江社長、横浜オーナーと会談

球界参入を目指しているライブドアの堀江貴文社長が、横浜・砂原幸雄オーナーと6日に東京・赤坂のTBSで約1時間会談したことが9日、分かった。同席した峰岸球団社長は「(球団経営を)やりたいんだ、という熱意は伝わってきた。こちらからは『そんな生やさしいものではありませんよ』ということはお伝えした」と話した。砂原オーナーは、これまでも「加盟料の金額だけでなく資格審査をもっとニュートラルにすることも考えていかないといけない」と、新興企業の球界参入について理解を示していた。

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労使交渉、結論に至らず−10日も交渉を継続へ[サンスポ]

スト決行か、回避か。労組・日本プロ野球選手会の古田敦也会長が10日、運命の決断を下す。9日、経営側との協議交渉委員会(労使交渉)が大阪市内で開かれ、譲歩案も示されたが、結論は出ず、10日も継続されることになった。古田は「歩み寄ったにしてもだいぶ遠い」と、10日午後5時のリミットを過ぎた場合には、ストを決行する決意を示した。

ストに突入すれば、プロ野球の歴史が変わる。古田が、選手会長として重大決断を下すリミットがやってきた。

「正直、感触的にはよく分からない。仮に歩み寄ったとしても、だいぶ遠いなあ。まだまだ、という感じ」。阪神戦勝利に貢献した試合後、古田は疲労を滲ませながら話した。この日正午から、大阪市内での協議交渉委員会に3時間出席。その後、慌ただしく球場入りして試合に参加した。その姿には「試合を控えているのに悪いなと思う」(巨人・清武球団代表)と経営陣も感服したほどだった。

協議交渉委で、経営側は譲歩案も繰り出した。10日の労使交渉を前に、臨時実行委員会で雇用確保のためのプロテクト案を正式決議して、選手救済の決意を示す。さらに新規参入要件の緩和については現行の加盟料60億円、参加料30億円を撤廃。新たに保証金を設けるものの、金額は大幅に下げると表明した。

しかし具体的な金額は明らかにせず、ドラフト改革には「検討する」と答えた程度。10日の交渉中に議決が可能なら、随時、臨時実行委員会を開催する作戦のようだ。プロ野球の労使交渉が始まって以来の活発な議論には、選手会側も理解を示した。それでもスト回避を決断できる材料は、まだ揃っていない。

「加盟料などの撤廃だけでスト回避となるか」との質問を、古田は「ありえない」と一蹴。「本当に新規参入を認めるとアピールしないといけない」と強調した。オリックスと近鉄の合併凍結は不可能。それでもストを回避するには、将来6球団ずつの2リーグに戻せる新規参入システムを明確にしてほしい。それが、スト回避の最低条件との位置づけだ。

「(午後5時のリミットは)ファンに通達しないといけないし、遅れれば逆に迷惑をかける。かりにストをしたとしても、次の日(12日)はわからない」。古田は、11日のストを回避できなかった場合でも労使交渉を続け、12日の試合決行に努力することを表明した。帰り際には「勝負がつくといいですね」の問いに、「勝負がつかないことを祈る」とキッパリ。経営側との交渉は勝負ではなく話し合いで、譲歩案に安易に妥協せず、スト回避の道を探る決意を強調した。

10日の交渉第2ラウンドは、午前11時開始。タイムリミットの午後5時までの6時間が、日本プロ野球史上初のスト回避への残り時間だ。古田の下す決断が、球界の運命を左右する。

◇スト回避のための妥協点

(1)オリックス、近鉄統合の1年間凍結
既に8日のオーナー会議で承認されており、選手会側がこれを覆すのは不可能。ただ日本野球組織(NPB)側が将来セ6、パ6の12球団に戻すことを視野にいれた方策を提示できれば、クリアの可能性も。
(2)新規参入要件の緩和
新規加盟・参加の促進を要求する選手会に対し、NPB側は加盟料60億円、参加料30億円の撤廃を考慮するなど歩みよりが見られる。金額が減額され、承認要件(オーナー会議で4分の3以上の賛成が必要など)のハードルが下げられれば、妥結する可能性が大。
(3)ドラフト改革、収益分配策の具体的検討
ドラフトに関しては完全ウエーバー化、収益分配策については放映権収入の集中管理が争点。球団の健全経営を求める選手会側に対し、NPB側がどこまで理解を示すか。また、オリックス、近鉄統合による両球団のプロテクト枠を外れた選手の雇用確保も争点。

◇古田に聞く

≫会議の感触は。
古田
「正直分からない。仮に歩み寄ったとしても、だいぶ遠いな。まだまだという感じです。」
≫加盟料の撤廃など要求は通じたか。
古田
「通じてないと思う。具体的なアイデアがまだ明らかになってないから。数字も出ていない。」
≫経営側の誠意は感じたか。
古田
「この問題に本腰で取り組んでいることは分かるけど、結果があることなんでね。4球団に減らそうとしたけど、失敗したとか、少し待てば、どこかが消滅するかもしれないとか、今のところパ5、セ6とか含みを持った言い方されれば…。開かれた球界をアピールしていかないといけない。」
≫初めて議決権を持った人と交渉したが。
古田
「『誰にあるんですか』と瀬戸山さんに聞いたら、僕じゃない、皆さんにあるといわれた。一応(議決権のある)そういう会だと認識はありましたが、誰にあるか正直分からなかった。」
≫スト期限を10日午後5時以降に延期する可能性は。
古田
「ファンに通告しないといけないし、逆に迷惑をかける。ただ次の日(日曜日)は分からない。土曜日に交渉する時間があれば交渉する。」
≫加盟料、参加料撤廃だけでスト回避は。
古田
「ありえない。本当に新規参入を認める気があるなら、世間に向けて球界はオープンなんだとアピールしないといけない。」

◇巨人・清武英利球団代表はスト回避を熱望

巨人・清武英利球団代表は、これまでの経営側の対応を率直に反省した。「選手会が信じられる球団、明るい展望、明日につながる球界を望んでいることを理解した」。巨人は、渡辺前オーナーの「たかが選手が」発言やスカウトの不正行為で、選手会の不信感を増幅させてきた経緯がある。「対話の努力を怠り、信頼に欠けるものがあった。溝はあるが一致できる望みはある」とスト回避を熱望した。

◇巨人・渡辺恒雄前オーナー「ぼくの自由を要求するよ」

巨人の渡辺恒雄前オーナーはこの日夜、都内のホテルで知人と会食。帰り際に前日の臨時オーナー会議に関する意見を求められたが、「僕の自由を要求するよ。俺の前によく出てくるな」と激怒。「あれだけ悪意に満ちたことを毎日書いて、俺の新聞記者への教育とは違う」と吐き捨て、車で立ち去った。

中日・伊藤一正球団代表
「(協議・交渉委員会の)内容は約束ごとだから、申し上げられません。話し合いは感情的になる場面などはなかったです。明日のうちに解決させたいです。」
阪神・野崎勝義球団社長
「とにかく一生懸命話をしている。選手会には前向きな提案をした。」
ヤクルト・倉島今朝徳球団常務
「何項目かの提示をした。感触?明日(10日)もあるんで。選手会も、ストを好んでいる訳じゃない。」
広島・鈴木清明球団副本部長
「長かった?色々意見交換をしたので。スト回避のために何とかしたい、最後まで話し合いたいと。各球団も、思うことを言っていたから。」
西武・星野好男球団代表
「誠心誠意を尽くし、ストを回避したい。(双方の)落とし所?厳しい部分もあるんで、何とか見つけなければいけない。」
ダイエー・佐藤賢二球団代表
「ストを避けるために最大限の努力をしました。選手会と近づいたと思います。選手会から要求案件がある中で歩み寄るところは歩み寄っている。ファンに迷惑をかけない方向にいこうという方に向かっている。」
近鉄・小林哲也球団社長
「(協議交渉委員会の)内容は言えない。譲歩案をこちらから向こうに提案させてもらい、真摯に話し合ったのは事実です。選手会の要求もびっくりするようなものでなかったです。明日、歩み寄って妥協点を見つかれば。」
オリックス・小泉隆司球団社長
「合併凍結については、これまで手続きをとって、オーナー会議の承認もいただいたことなので、この段階でやめることは考えていません。双方、腹を割って話し合いはできているのでストを回避してもらいたい。」
瀬戸山隆三・協議交渉委員会委員長(ロッテ球団代表)
「色んな建設的な前向きな話ができた。(加盟料など)今の性格のものは撤廃して新しく、とオーナー会議で決まった。みんなで(金を)分けるということではなく、保証金ということ。金額的にも下げた形に。」
日本プロ野球選手会・松原徹事務局長
「全部明日に持ち越しです。見通し?向こう次第です。妥協点?ノーコメント。機構側の変化は感じたか?それはそうでしょう。だから長く話をしました。」
伊藤修・選手会担当顧問
「最後の1秒まで誠意を持って対応していく。互いに腹蔵なく要望を言い合えた。こちらとしても建設的な提案をさせてもらった。何とか接点を見出さないといけない。明日ぎりぎりまで。」

◇夜にはセ・豊蔵一、パ・小池唯夫の両連盟会長が大阪入り

経営側の12球団の代表者は、午前10時半からの事前の打ち合わせに始まり、選手会の退室後も、午後8時すぎまで協議を重ねた。また、夜にはセ・豊蔵一、パ・小池唯夫の両連盟会長が大阪入り。10日の協議・交渉委員会の第2ラウンドを前に臨時実行委員会を開き、何らかの議決を行う緊急配備をとった。

「プロテクトの回答をしないと。キッチリと手順を踏んで、しっかりやりたい」。ロッテ・瀬戸山代表(協議・交渉委委員長)が語るように、オリックスと近鉄の合併にまつわる雇用の保証をクリアにする。8日に東京高裁が「2球団統合には選手の労働条件を左右する部分がある」と、選手会の団体交渉権を認めた点を考慮。合意事項だった25人のプロテクト枠、それ以外の選手の救済ドラフトなどを実行委員会で正式に議決する。

またプロ野球への新規参入要件の緩和について具体的な数字を示す。この日の会議でも、新球団の加盟料60億円、参加料30億円を撤廃し、これまでの球団分配ではなく、保証金という形でプールする案を説明。さらに「金額をできるだけ下げる形になる」(瀬戸山代表)と、大幅な減額提示を示唆した。「最後の1秒まで誠意をもって話す」。伊藤修・選手会担当顧問が力を込めた。タイムリミットの午後5時まで、スト回避に全力を傾ける。

◇新規参入要件の緩和など、譲歩案…経営側も最後までスト回避の方策を探る

新規参入要件の緩和など、譲歩案を示した経営側も、最後までスト回避の方策を探る。この日夜、豊蔵セ、小池パの両連盟会長が大阪入り。10日午前9時から、臨時実行委員会を開催することが決まった。

前日8日に東京高裁が団交権を認め、労働条件について誠実に交渉義務を尽くすことを要望。そのため臨時実行委では、まず合併後の選手救済案(プロテクトと救済ドラフト)を議決する方針。新規参入の参加、加盟料に代わる保証金について、この日明かされなかった金額などを選手会側に提示する。あくまで新規参入要件の緩和を落としどころにする模様だ。選手関係委員会委員長のロッテ・瀬戸山隆三球団代表は「建設的な議論はできた。妥協点を探していかないと」と10日へ向けた見通しを話した。一方で労使交渉後には、スト決行となった場合の対応なども約2時間話し合われており、経営側も楽観視していないことをうかがわせた。

◇選手会の要求(スト決行要件)と経営者側の対応

(1)近鉄とオリックスの球団統合の1年間凍結
×:両球団の合併を承認済み。
(2)新規参入要件の緩和(加盟料、参加料の撤廃または大幅緩和。加盟・参加承認要件の明確化)
○:加盟料、参加料を撤廃し、保証金の形に。
(3)現行ドラフト制度の抜本改革(完全ウエーバー化)
△:検討する方向。
(4)球団間の収入分配策の具体的検討(放映権収入の全部、または一部集中管理など)
−:言及されず。

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パ132試合がベスト!リーグ96試合+交流36試合[サンスポ]

8日の臨時オーナー会議で打ち出された来季の「セ6・パ5の2リーグ制」について、西武のフロントが9日、日程のシミュレーションを初めて行った。あくまで現行の140試合制が理想だが、日程を組む上で問題点が浮上。計132試合が現時点での“ベスト”と計算された。内訳はリーグ内の対戦が各カード24試合ずつの96試合、交流試合が6試合ずつの36試合だ。

オーナー会議から一夜明け、さっそく西武フロントが動いた。球団幹部はこれまで、5・5の2リーグや、10球団での1リーグとなった場合のシミュレーションは行っていたが、6・5の2リーグは“予想外”。急遽日程について、考えをめぐらせたという。

その結論として出たのが132試合だった。内訳はリーグ内の対戦(4カード)が24試合ずつ96試合、セ・リーグとの交流試合(6カード)が6試合ずつ36試合の計132試合。一部の球界関係者から「(公式戦)72試合+(交流試合)36試合の108試合」との案も出ていたが、「それでは試合数が少なすぎて、採算がとれない」(球団幹部)として、132試合制を打ち出した。

奇数である5球団で日程を作ると、対戦相手の異なる変則ダブルヘッダーを行わない限り、必ず1チームは3連戦が“3連休”となる。また、セ・リーグ側も交流試合の時期に1チームが同様に余る。同幹部によれば、この条件や移動日、雨天中止の予備日などを考慮しても、来年3月25日から10月8日までの期間で132試合を組み込むことは可能だという。

球団としては入場者収入などを考えると、リーグ内対戦104試合(各26試合)、交流試合36試合(各6試合)の140試合が理想だが、これを実現させるには「(前出の)日程の前後1週間を拡大させる必要が出てくる」(同)。今後は132試合、140試合の両案を星野球団代表に提出し、29日の臨時オーナー会議へ向けて球団としての意見をまとめていくという。いずれの案も年間120試合以上を義務付けられている野球協約の規定をクリアしており、大きな障害はなさそうだ。

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新球団編成へ…オリックス、近鉄と13日にも話し合い[サンスポ]

オリックス・中村勝広GMは9日、週明けの13日にも新球団の監督、スタッフ、25人のプロテクト枠など編成面に関して、近鉄側と話し合いを開始する方針を明らかにした。8日の臨時オーナー会議で、近鉄との統合が正式承認されたことを受け、来季の体制づくりに、早速着手する。

新球団の“骨格”を形成するため、編成部門のトップが、いよいよ動き出す。週明けの13日にも中村GMが、近鉄・足高球団代表との話し合いをスタートさせ、プロテクト25人の選定、来季の監督、コーチを含めた新スタッフの人選など、来季の体制づくりに入る。「週明けにも、話し合いを始めていかないといけないだろう。魅力のある、強いチームを作っていかないといけない」。8日の臨時オーナー会議で、近鉄との合併が正式承認。これを受けた中村GMの、まさに決意表明だった。近鉄・足高球団代表も、かつて編成部長を歴任。選手の力量、将来性などをしっかり把握しているスペシャリストだ。「オリックスの選手優先とか、そういうことはない。実力優先」と中村GM。まずは両球団から、選りすぐりの人材をピックアップしていく方針だ。

この“選定会議”を繰り返したうえで、「要所で(小泉球団)社長にも話し合いに入ってもらう」としている。同時に元阪神の掛布雅之氏、元近鉄、オリックス監督を務めた仰木彬氏を軸とした新監督についても、人選を進める方針。また、今月30日には、スカウト会議を開催。新生オリックスの“概要”は、間もなく見えてきそうだ。

プロテクト案
全日程終了後、オリックス、近鉄が合併してできる新球団が25人のプロテクト名簿(新人、外国人、FA権有資格者も含む)を提出。残った選手をウエーバー順で11球団が獲得する。ウエーバー順位は今年度の順位で決定。新球団を除く10球団は1巡目から4巡目まで4人の獲得が義務付けられ、新球団は3巡目と4巡目の先頭で10人ずつ指名する。オリックス、近鉄の入団1、2年目の選手については他球団は4巡目以降で指名可能となる。その他、指名されなかった選手は原則的に新球団で身分保障される。時期はドラフト会議前の11月中が予定されている。

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ダイエーとロッテとの合併が水面下で−王監督怒りを露に[サンスポ]

ダイエーの王貞治監督が9日、福岡市内で取材に応じ、前日8日の臨時オーナー会議後、明白にされたダイエーとロッテとの合併が水面下で進められていたという球界再編の方法に、怒りを露にした。

「不透明だ。本社が(合併は)ないといっているのに、それが出る。我々も選手もそう。これでは球団への不信感にもつながる」。ダイエー本社は単独保有を主張し続けるが、前日の臨時オーナー会議で、合併には至らなかったものの『もう1ペア』がダイエーとロッテだったとが明らかになった。現場としては、合併の『結果』じゃなく『過程』が表に出た格好に納得ができなかった。

さらに、7日の試合前にロッテが選手に対して『西武とロッテの合併が進められている』と説明したことを明かした上で、「やり方が悪かった。お互いの話し合いは密室でやって、結果だけが出ればいい」。経過を明らかにし、選手らに不安を与えるようなやり方が許せなかった。「『ただし、緊急事態…』なんていわずに、『継続審議』といっておけばいい」。球界再編の行く末はダイエーの“有事”待ちいう状態が続くが、球界の現場への配慮を促した。

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リミット10日5時まで団交も…スト突入か[スポニチ]

労働組合・日本プロ野球選手会と日本プロ野球機構(NPB)の代表者による協議・交渉委員会が9日、大阪市北区の大阪国際会議場で開かれた。近鉄、オリックスの合併1年凍結を主張する選手会と、新規参入条件の緩和などで接点を見いだしたい機構側の話し合いは平行線。結論は出ず、10日に継続して行われることが決まった。タイムリミットは午後5時。機構側から劇的な回答が得られない限り、日本球界初のストに突入する公算が高まった。

報道陣にもみくちゃにされながら古田会長は大阪国際会議場を後にした。阪神戦のため甲子園球場に直行。球場に到着した古田会長の表情は失望感ありありだった。「手応え?何もあらへんわ」。その言葉が全てを物語り、こう続けた。「(機構側から)気持ちは一緒と言われてもねえ…。こっちから色々提案はしているが、向こうからはない」。スト回避をかけた選手会と機構側の協議・交渉委員会は午後0時からスタート。最初に機構側から前日の臨時オーナー会議の内容が選手会側に伝えられた。

(1)
近オの合併承認
(2)
現時点でのセ6、パ5の2リーグ制
(3)
加盟料60億円、参加料30億円を撤廃して保証金など新たな制度導入

しかし、選手会のスト回避の大前提は「近オ統合の1年間凍結」だけに、選手会として球団数の削減だけはどうしても認める訳にはいかなかった。近鉄・礒部選手会長は「承認されても先延ばしできるはずだ」と主張。オリックス・三輪選手会長も「球団数を増やして6の方が潤う」としたが、機構側は「そういう(球団増の)考えはしてなかった」と話すにとどまった。

機構側が接点の材料とした加盟料撤廃についても、阪神戦後会見に応じた古田会長は「具体的な数字が出てない。もう1球団合併させようとして失敗したら5球団で行くといわれても納得できない。加盟料撤廃でスト回避はあり得ないと思う」と一蹴。新規参入での12球団維持の具体案が示されない限りは譲歩しない強硬な姿勢を示した。

ある球団代表から選手会の求める完全ウエーバー制のドラフト改革の検討案も出されたが、選手会としては具体的内容なしと却下。6日の臨時運営委員会後に、機構側に示したスト回避への要望に満足な回答は得られなかった。松原事務局長は「ちょっとナイーブな内容なので一切お話しできない。明日(10日)の午前11時から協議を再開します」と会見をキャンセルし、厳しい表情で会場を後にした。

会議室には全国の合併反対署名約120万人分が積み上げられた。ファンも“参加”した会議は約6時間の時間を費やしながら不調に終わった。スト回避の最終期限は10日午後5時。三輪選手会長は「前より(機構側の)態度が柔軟になった」と話したが、両者の溝は大きい。劇的な歩み寄りがなされない限り、日本球界初のストは避けられそうにない。

◇選手側の対応策確認

労組・日本プロ野球選手会は協議・交渉委員会に先駆けて、スト決行となった場合の選手側の対応策を確認した。古田会長、近鉄・礒部選手会長、西武・和田選手会長らが最終確認を行ったもので、会談を終えた礒部選手会長は「遠征中でストの場合は外出をしない。食事もホテルでしてほしいという要望を伝えます。もちろん2軍も一緒です」と説明した。

スト期間中に試合観戦ができないファンへの配慮、外出時を狙う写真週刊誌などへの対応を考慮して、遠征中の全選手に対し外出自粛を求めることになる。また、本拠地でストを行うことになる選手に対しても「自宅で待機することになるかもしれない」(礒部選手会長)との方針を示した。スト当日の行動については、これまで具体的な対応策が示されていなかったため、選手会の総意として対応を徹底することで混乱を避けることが狙い。ただ、自主練習に関しては「一定の範囲内で認める」としており、ジムやグラウンドに行くことは規制の対象外となりそうだ。

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機構側ドタバタ、10日9時から緊急実行委 [スポニチ]

約6時間の協議交渉委員会を終えた日本プロ野球機構(NPB)側の各球団代表の表情は硬かった。伊藤・選手問題担当顧問は「お互いに結論に向けて真摯に話し合っていくということ。まだ継続審議中なので結論は出ませんからコメントは差し控えさせてください」と語るにとどまった。

通常、同委員会には選手関係委員会メンバーである巨人、阪神、ダイエー、ロッテ、日本ハムの5球団代表者が出席するが、この日は全12球団の代表が終結。委員会開会1時間半前から選手会への対応を協議した。前日の臨時オーナー会議では滝鼻議長(巨人オーナー)が各球団オーナーに「交渉における代表者には一定程度の裁量権を与えて欲しい」と異例の要望を出し了解を得ている。“裁量権”を持って臨んだ代表者達だったが、選手会から明確な回答を引き出すには至らなかった。委員会終了後も代表者達は会議場に居残り協議を続行。10日の協議交渉委員会への対策を練った。

一方、東京・銀座のセ、パ連盟は慌ただしく動いた。午後4時すぎ、実行委員会議長でもあるセ・リーグ豊蔵会長は、東京ドームの巨人−中日戦前に行われた巨人・上原の表彰式をキャンセル。急遽大阪入りした。パ・リーグの小池会長も午後6時46分東京発の「のぞみ」に飛び乗った。小池会長は「いつでも実行委員会ができるように待機するということ」と説明。12球団はオリックス、近鉄の選手救済で一致しているが、いまだに実行委で救済案を議決していない。前日、東京高裁の判断で「合併で契約解除される選手を救済するとの実行委員会とオーナー会議の議決がいまだにない」と指摘されたこともあり、10日の午前9時から緊急実行委員会を開催。救済案等を議決したうえで、選手会との再交渉に臨む。

伊藤顧問は「内容は言えないが、重要な審議事項なので…」。スト回避の見通しについては「まだ24時間ありますから…。成せばなる、成さねばならない」と語り、会場を後にした。

西武星野球団代表
「(選手会の要求に)あまりにも難しい部分があるので、我々としては誠心誠意、1つ1つ何とかしていくしかない。選手会とケンカするつもりはない。」
近鉄小林球団社長
「選手会の提案?びっくりした内容はなかった。ただ、機構側の条件も固まっている訳ではない。」
ロッテ瀬戸山球団代表
「こちらからは数点、提案をさせていただいた。統合に伴う選手のプロテクトは正式な手続きを踏んだ方がいいという話になった。」
ダイエー佐藤球団代表
「ストを避けるために最大限の努力をしている。120万人分の署名の重みはありますね。」
オリックス小泉球団社長
「今までと同じ要求でしたが、できることとできないことがある。ただ、双方が腹を割って話し合いができた。」
日本ハム小嶋オーナー代行
「選手会が折れてきた?いや、厳しいですね。できる範囲の説得に全力を注いでいる。」
巨人清武球団代表
「古田会長も他の選手も、信じられる球団、明るい展望を求めている。溝はあるが、一致できる望みはあると思う。」
横浜山中球団専務
「我々としては今まで散々、誠実さに欠けていると言われてきたが誠実に進められたと思う。」
阪神野崎球団社長
「加盟料に関して具体的な提案はしたつもり。選手会側もストは回避したいと思っていると感じた。」
広島鈴木球団副本部長
「誠心誠意お互い思っていることを言いたい。手応え?それは分かりません。」
中日伊藤球団代表
「内容のある話ができたと思う。基本的には10日の時間内に解決させたい。」
ヤクルト倉島球団常務
「こちらからは何項目か提案をした。受け入れられるかは明日(10日)になってみないと分かりません。ストは我々にとってプラスになる訳じゃないから。」

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双方から譲歩案も、ストの結論は10日に[ニッカン]

労働組合・日本プロ野球選手会と経営者側の労使協議(協議・交渉委員会)が9日、大阪市の大阪国際会議場で行われ、双方がスト回避に向けた譲歩案を提示したが結論は出ず、10日午前11時から継続して行われることが決まった。経営者側はセ・リーグの豊蔵一、パ・リーグの小池唯夫両会長も大阪入りし、10日の協議の前に臨時実行委員会を開いてさらなる打開策を探る予定。

正午から始まった交渉は午後6時前に終了。協議終了後、記者会見は行われず、午後8時すぎまで経営者側だけで話し合いを続けた。瀬戸山隆三ロッテ球団代表は「加盟料(60億円)などは現在のものを撤廃して保証金という形にする」と、譲歩案の一部を語った。一方、選手会の松原徹事務局長は「全部10日に持ち越した。(スト回避の見通しは)経営者側次第。(雰囲気は)良かった。だから長い時間話をした」と語った。

協議・交渉委には選手会の古田会長、オリックスの三輪隆選手会長らが出席し、三輪会長は「(経営者側は)新規参入は現行の60億円などを撤廃し、また新しい参入の方式をつくるという話だった。前より態度が柔軟になった」と感触を語った。

選手会は6日の臨時運営委員会で、オリックスと近鉄の球団合併が1年間凍結されない場合、スト決行を決議。しかし、経営者側は8日の臨時オーナー会議で両球団の合併を正式承認した。選手会は要求が10日午後5時までに認められなければ、11日から9月中の毎週土、日曜日にストを行うと発表している。

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古田選手会長、12球団維持を再度訴え[ニッカン]

プロ野球選手会の古田敦也会長は9日の阪神戦終了後、経営者側が60億円の加盟料撤廃などを譲歩案として示したことについて「30億円(譲渡料)、60億円の撤廃だけでスト回避はあり得ないと思う。簡単に企業の都合で(削減が)しょうがないとすれば、取り返しのつかないことになる」と、あらためて12球団維持を訴えた。また、10日午後5時に設定した交渉期限について「延ばすことは考えてない」と明言したが、「土曜日でも日曜日でも交渉する機会があればしたい」と、10日の団交が不調に終わっても交渉が続く可能性を示唆した。

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