日本ハムがサヨナラ負けを喫した昨日の雪辱を果たし、1日で3位に再浮上。プレーオフマジック8が点灯した。日本ハムは2回、小田の8号ソロと、SHINJOの適時打などで5点を先制。5回にも2点を追加するが、ロッテは小刻みに点を返し、9回福浦の犠飛でついに同点、2試合連続の延長戦となった。しかし10回日本ハムは四球からチャンスを作ると、ロッテ8人目小林雅から高橋信の適時打、さらに相手の守備の乱れから2点を勝ち越し、ロッテの追撃を振り切った。日本ハムは5割復帰。ロッテは4位に転落した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | |
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北海道日本ハム | 0 | 5 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 9 |
千葉ロッテ | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 7 |
敗れはした。だが、不満はない。2回に5点を先制されながら、粘り抜いて2日連続延長戦。バレンタイン監督は「誇りに思う」と選手を称えた。
9回先頭の堀が四球を選ぶと、牽制悪送球で一気に三塁へ。福浦が同点犠飛を放った。前日に続くミラクルの予感。最後はリリーフ陣が力尽きたが、先発要員の渡辺俊を準備させる総力戦で意地を見せた。日本ハムにマジック点灯を許したが、指揮官は「こんな試合を最後まで続けたい」と誓った。
2日連続の大入り3万5000人は95年以来9年ぶり。この日パ・リーグは開幕378試合で観客動員1000万人を突破した。97年の405試合を抜く史上最速ペース。過去最高だった92年を23万人も上回る153万人動員のロッテが貢献している。「スタンドがファンで埋まって素晴らしかった」とバレンタイン監督。残り7戦。ファンが喜ぶ顔をもっと見たい。
ベンチにいる全員がぼう然と立ち尽くした。延長10回2死一塁。代打・李の大飛球が右翼スタンドのロッテファンの目前で失速。歓声が一瞬にしてため息に変わった。勝てばプレーオフマジック7が点灯した試合で、逆に日本ハムにM8を点灯させてしまった。だが、決して下は向かない。
執念の戦いだった。先発・小宮山が2回途中、5失点KO。一方的な試合になりかけたが、今のロッテは諦めない。2回、バットをへし折られながらも「気合で中前に持っていった」という今江の2点適時打で反撃。試合中盤からコツコツと1点ずつ返していき、ついに9回、福浦の右犠飛で同点に追いついた。だが、そこまでだった。延長10回、最後は守護神・小林雅を投入するも力尽きた。
それでもバレンタイン監督は「5点差を追い返したこのチームを誇りに思う。1勝1敗だったが、全員が総力を出して戦った。最後まで戦い続けたい」と悔しさを隠しながら、希望を口にした。この日のような戦いができれば、きっと勝利の女神はほほ笑んでくれるはずだ。
バレンタイン監督は胸を張って「結果はともかく、内容では誇りを持てる試合だった」と序盤の5点差を追いつく粘りをみせた選手を称えた。最終戦までもつれそうなプレーオフ争い。残り7試合に向け「今日のような試合ができると思う」と宣言した。
パ・リーグは12日、デーゲーム3試合で計11万人の観客を集め、今季のリーグ観客動員数が1000万人の大台を突破(1005万7000人)した。開幕から378試合目での大台達成は、平成9年の405試合目を抜いて史上最速ペース。セ・リーグは8月14日に1000万人を突破、12日現在で1236万7500人に達している。
パリーグ・球団別観客動員数 | ||||
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平成15年 | 平成16年 | |||
球団 | 試 | 観客動員数(試合平均) | 試 | 観客動員数(試合平均) |
ダイエー | 70 | 322万8000(4万6114) | 64 | 297万5000(4万6484) |
西武 | 70 | 166万4000(2万3771) | 64 | 152万8000(2万3875) |
日本ハム | 70 | 131万9000(1万8843) | 62 | 150万7000(2万4306) |
ロッテ | 70 | 122万5000(1万7500) | 65 | 153万6000(2万3631) |
近鉄 | 70 | 143万3000(2万0471) | 63 | 120万3000(1万9095) |
オリックス | 70 | 127万5000(1万8214) | 60 | 130万8000(2万1800) |
計 | 420 | 1014万4000(2万4152) | 378 | 1005万7000(2万6606) |
[注]平成16年は12日現在
実行委員会が13日、都内のホテルで開かれ、10日の協議・交渉委員会で労働組合・日本プロ野球選手会と確認した6項目の暫定合意事項のうち、セ6、パ5球団で交流試合を導入した場合のシミュレーションなど再回答が必要な項目について具体案を作成する。
この日、近鉄球団の営業担当役員である斎藤賢専務は「昨日(11日)休日出勤して計算した」と既に近鉄独自のシミュレーションを用意していることを明らかにした。同専務によると(1)現行のセ6球団パ6球団(2)セ6パ6で交流戦実施(3)セ6パ5で交流戦実施の3点を基本に検討され、交流戦の試合数についてはそれぞれ数パターンを用意。実行委に試算データを提出する。試算の具体的な数字には言及していないが、交流試合を3試合前後、導入した場合には、年間数億円の増収になるものの、約40億円とされる赤字の大幅な圧縮は難しいと思われる。
また、実行委では加盟料や参加料に代わる預かり保証金の金額設定なども話し合われ、交流試合の具体的な実施内容も検討される。これに先立ち、セ・パ両リーグとも理事会を開く予定。パ・リーグでは交流試合の試合数を1カード主催7試合を要求する強硬意見もあり、セ・リーグとの調整は難航しそうだ。
労組・日本プロ野球選手会の古田会長が、10日の協議・交渉委員会での暫定合意事項に経営者側が消極的な姿勢を示していることに猛反発した。前日も巨人・桃井球団社長らが新規参入に消極的な発言をしたが、古田会長は「あまり言わなきゃいいのに。数名のせいで野球ファンを失うのは心苦しい」と痛烈に批判。新規参入について「来季からでも十分入れる。実際、また(29日に)臨時オーナー会議を開くんだし、新規参入に関して開けないとは言わせない」と語気を強めた。16、17日の交渉に向けては「(交流試合を含めたシミュレーションの回答を)時間がかかるからもう1回待ってと言われても待てない」と強い姿勢で臨む覚悟を示した。
労組・日本プロ野球選手会・古田敦也会長が12日、球界首脳への不快感を露にした。前日(11日)に巨人・桃井恒和球団社長らが示した『新規参入条件には一定数の選手保有が必要』との発言内容に胸中を激白。「(発言した)数名のせいで多くのファンを失うのは心苦しい」と、スト決行か回避かの決断を改めて求められる16、17日の協議運営委員会を前に、再び徹底抗戦の構えを見せた。
信頼関係のかけらもなかった。
巨人戦前、東京ドームの地下通路に古田の声がむなしく響いた。怒りを通り越し、半ばあきれた表情で球界首脳を“糾弾”した
わずか2日前の10日の労使交渉で「来季はセ6・パ5以上」として選手会に一定の歩み寄りを見せた経営者側。だが、新規参入を積極的に行ってほしいとする選手会の“夢”はいとも簡単に踏みにじられた。翌11日に新規参入条件について機構側が選手会と異なる認識をしていることが発覚。巨人・桃井社長も「球団というのは選手あってのもの」と発言。野球協約第31条などを盾に球場、コーチ陣、選手などソフトとハードの両面を保有していない企業の参入は認めないとの見解が示された。
古田会長もこの日の新聞各紙をつぶさにチェック。「あまり言わない方がいい。ファンもがっかりする」と不快感を口にし、「(球界首脳は)僕ら(選手会に)ヤンヤ言われて、意地もあるんでしょう。でも、多くのファンから審判が下されるでしょう。悪いイメージのままではファンに支持されるとは思えない」と世論からのさらなる追い風に期待を寄せ、徹底的に戦い抜く姿勢を強調した。「こっちから案を出しても結局、変えるのは向こう(経営者)。オーナー会議には僕らは入れへんから」。
次回の協議交渉委員会は16、17日に開催される。ストを延期した前回の会見後には経営者側からの握手を拒否した古田。“反故”にされつつある合意事項は、両者の溝をより一層深くする。
巨人・桃井恒和球団社長は、球界への新規参入について「球団というのは選手あってのものと思っている。11月末までに申請してきても選手がそろっていないのでは難しい」と、現在球団を所有していない企業の参入は難しいとの見解を示した。また、ロッテ・瀬戸山隆三球団代表は「来季は(パの球団は)4も6も難しいと思う。あるとしたら再来年以降のことだと認識している」と発言。
球団拡張の際、新球団が既存球団から選手を随時指名していく方式。大リーグでは1960年、61、68、76、92、97年と過去6度行われ、ダイヤモンドバックス、デビルレイズの2球団が新規参入した97年11月には35人ずつ計70人が指名されている。その際、既存28球団は指名拒否(プロテクト)選手各15人を指定し、1、2巡目終了時にさらに3人ずつをプロテクト。また、大リーグに10年以上在籍し現所属球団に5年以上いる選手、移籍できない契約を結んでいる選手、19歳以下で契約した4年未満の選手は自動的にプロテクトされる方式がとられた。
12球団代表者が出席する実行委員会が13日、都内のホテルで開かれる。10日の労使協議で労働選手会側と確認した6項目の合意事項のうち、再回答が必要な項目について具体案を作成し、16日から再開する労使協議に臨む。一時的にストライキが回避されたとはいえ、経営者側は新規参入球団の促進、交流試合実施の場合のシミュレーションづくりなどで各球団に意見の相違があり、この溝を埋める作業は難航しそう。加盟料や参加料に代わる預かり保証金の金額設定など、選手会側を納得させられる材料を集められるかどうかも注目される。
ロッテの瀬戸山隆三球団代表が、13日の理事会、実行委員会へ向け、協議交渉委員会の合意事項である来季のシミュレーションに着手した。内容は「色々想定する」と広範囲にわたるが、交流試合を1カード6試合とするプランが基本となりそう。しかし同代表は「交流試合の数などはセとパで食い違いが出ると思う。(13日の会議は)すんなりまとまるという訳にはいかないでしょう」と見通しを語った。
横浜の山中正竹球団専務は、新規参入を希望しているライブドアについて現状では参入は難しいとの考えを示した。横浜としては新規参入の条件を満たせば、来季はセ6・パ6でもいいと前置きした上で、同専務は「手を挙げたら全てOKというものでもない。審査基準を設けて判断させてもらうが、審査の時間的制限もある。監督、選手、球場など母体がないと難しいのではないか」と私見を述べた。
「ライブドアも認めたらいいじゃないか」。竹中平蔵金融・経財相が三重県松阪市の中学生らを相手にした特別授業で、球界再編問題に絡み新規参入を促すべきだとの持論を展開した。インターネット関連の新興企業、ライブドアは近鉄球団の買収に名乗りを上げたものの、プロ球団保有は容易に実現しそうにない。金融相は「今は球団の合併もやむを得ない。リストラして力をつけた上で、3年後ぐらいに新規参入を認めたらいい」との考えを示し、さらに「仙台や岡山、松山などでも球団を持てるようにすべきだったが、何もせずに発展の機会を逃した」とプロ球界の対応の鈍さを批判した。
巨人・渡辺恒雄前オーナーが、8月13日の辞任劇以来、初めて東京ドーム(ヤクルト戦)に観戦に訪れた。中曽根元首相らとVIPルームから応援したが、無念にも黒星。球界再編の渦中だけに、発言が注目されたが「(巨人の優勝が厳しい?)…。(スト回避について?)…」と無言を貫いた。
労組・日本プロ野球選手会の古田敦也会長は12日の巨人戦(東京ドーム)後、新規参入希望の企業や自治体があった場合は、最終的に「臨時オーナー会議を開いて欲しい」と要求した。来季は「セ・リーグ6球団、パ・リーグ3球団」が濃厚との見方が強まる中、あくまで来季の12球団制へ向けて徹底抗戦を続ける意欲を見せた。
古田会長は“秘策”を温めていた。預かり保証金制度の導入など新規参入への環境整備が前提となるが、新規参入を希望する企業や自治体が出てきた場合、「臨時オーナー会議を開いてもらいたい」と発言。来季もまた、パ・リーグ6球団制維持を目指してのことだ。
スト問題の真っただ中で、古田会長はさらに先を見据えていた。来季の「セ6球団、パ5球団」での運営が濃厚との見方を覆す強気の発言の裏には、古田会長のしたたかな作戦があった。8日の臨時オーナー会議ではダイエーとロッテの合併が時間切れに終わった。しかし、会見の席で、滝鼻議長(巨人オーナー)は「万が一、球団が消滅したり、その他の動きがあったときには機動的に審議したい」として、今後の緊急時に備えて臨時オーナー会議を開催していくことを明かした。
もちろん、経営陣は、産業再生機構を活用するかが注目されるダイエーの動きを憂慮してのものだったが、古田会長はこの発言に敏感に反応した。問題は「その他の動きがあったときには−」の部分。「“何か”あったら(最終的には)オーナー会議を開いてくれるということでしょう?(新たな企業、自治体が)入りたいと言った場合も(オーナー会議を)開けるでしょう」と古田会長。経営陣の発言を、まさに逆手にとった形だが、12球団維持を諦めないための“作戦”でもあった。
日本プロ野球組織(NPB)側は新規参入の門戸開放などを提案。選手会はこれを受け、11、12日のストを回避した。16、17日にもNPB側との話し合いが行われるが、NPB側は来季の球団数については「セ6以上、パ5以上」としながらも、実際問題としては「セ6、パ5」の方向性を出している。
だが、古田会長は可能性がある限り、あくまでも来季も「パ6」を目指している。野球協約によると、参加意思を持つ球団は、参加前年の11月30日までに実行委員会およびオーナー会議の承認を得なければならない(第31条)。実際、ライブドアなど新規参入を目指そうとしている企業が正式に参加申請を出しても、承認が遅れれば、参加は再来年以降となりかねない。“秘策”の実現は重要だ。
また、古田会長は「1週間待てと言われても応じない」と話し、経営陣がシミュレーションの提出を遅らせるなど、事態が進まなかった時は18、19日のストを決行する姿勢を表明。根来コミッショナーにも利害調整を望んだ。さらに、パ・リーグの村田事務局長が11日に「実体のない新規加入は審査されない」との私見に対しては、第三者による審査機関設置や「エクスパンション・ドラフト(既存球団から選手を順次指名して新チームを編成する)」制度の導入を支持し、参入は可能と切り返した。
11日と12日、選手会の一時的なスト回避で、日本中のスタジアムには2日間で約46万人のファンが集まり、野球人気の高さを証明した。「結局、野球界を変えるのは向こう(経営者側)だけど」という古田会長は、球団削減を回避すべく、打てる手段は全て打つつもりだ。
プロ野球実行委員会が13日、東京都内のホテルで行われる。10日の協議・交渉委員会で日本プロ野球選手会から回答を求められた、交流試合実施時の球団収支のシミュレーションなどについて話し合う。
10日の協議・交渉委で選手会が主眼を置いていたのは合意事項の(1)。セ6、パ5のケースに加え、近鉄存続時のセ6、パ6で交流試合をした場合のシミュレーションも要求。古田会長も「週明け早々には出るでしょう」と早期の回答を希望している。実行委員会選手会担当顧問の伊藤修・中日参与は12日、テレビ朝日系の「サンデープロジェクト」に生出演した際、「あらゆるケースを想定してやらなくてはならない。(13日の)実行委で討議しないと(16、17日の協議・交渉委に)間に合わない」と話した。
また、実行委では60億円の加盟料、30億円の参加料撤廃に代わって設置が検討されている預かり保証金の金額などについても話し合われる予定。「(選手会に)できる限り速やかに納得できるような説明をしたい」と伊藤顧問は話し、16日に再開される協議・交渉委、さらにはストライキ中止へ全力を尽くす姿勢をみせた。
プロ野球実行委員会選手会担当顧問の伊藤修・中日参与が12日、テレビ朝日系の「サンデープロジェクト」に生出演。10日の協議・交渉委員会で選手会から日本野球組織(NPB)に要望があった交流試合導入のシミュレーションの回答を今週初めにも出すと話した。
選手会はオリックス、近鉄が合併しない現行のセ6、パ6で交流試合を実施した場合の影響の分析をするよう要望。伊藤顧問は「あらゆるケースを想定してやらなくてはならない。実行委員会で討議しないと間に合わない」と13日の実行委で討議すると明言した。同顧問は「オリックス、近鉄に数字で資料を出して具体的な分析をする」と話したが、近鉄もテレビ放映権料の資料を作成し、細かいデータを選手会に示す用意はしている。「できる限り、速やかに納得できるような経緯を説明したい」と、スト回避へ16日に再開される協議・交渉委へ意欲をみせていた。