わたしはかもめ2004年鴎の便り(9月)

便

9月14日

千葉ロッテ8−1大阪近鉄(千葉マリン)

ロッテ打線が相手先発の岩隈を序盤で攻略し5割復帰。プレーオフ圏内の3位に再浮上した。ロッテは1回フランコの2点適時打などで3点を先制。3回にもフランコの適時二塁打などで4点。さらに4回、フランコの3打席連続適時打で1点を追加した。投げては9回1失点の先発・小林宏が今季2度目の完投で9勝目。今季最短の2回1/3でマウンドを降りた近鉄岩隈は、自己ワーストタイ・今季2度目の7失点で2敗目を喫した。今季の負けはともにロッテ戦。チームは千葉マリン6連敗で借金は今季最多タイの11となった。

123456789R
大阪近鉄0000100001
千葉ロッテ30410000x8
西村コーチ
「昨日の休みで選手達は気持ちが切り替わった。指示した訳ではないけれど、自分達がセンター返しを分かっていた。岩隈に対しては自信を持っているからね。」

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フランコ猛打賞でロッテ3位再浮上[スポニチ]

息詰まる投手戦もいいが、打ちまくる試合はやはり気持ちいい。リーグ最多の15勝右腕を打ち砕いての圧勝ならなおさらだ。逆転プレーオフ進出へ背水のロッテが、3回途中までに9安打7点の猛攻。岩隈をKOした。

「初回から最高の試合をするという気持ちが表れていたね」とバレンタイン監督。先頭の井上が初球を狙って左前打を放つと、堀も左前打で続いて1死満塁の好機。フランコがフルカウントからの8球目を叩いた。高めに浮いた直球を左前へ運ぶ2点打。一気に流れを呼び込んだ殊勲者は「みんながつくってくれたチャンス。勝利に貢献できて最高だ」と笑った。

2日連続延長の死闘となった11日からの日本ハム2連戦(千葉マリン)では精彩を欠いた。8打数無安打。「自分に失望したよ」と振り返る。2日に生まれた長男・ナサニエルくんの相手などをして気持ちを切り替えたが、試合で受けた屈辱は試合で晴らすしかない。

「子供は大好きだが野球では助けてくれない。自分の力を信じるだけ」。ポケットに家族の写真を忍ばせたり、用具に名前を書き込むようなヤワなことはしない。メッツ時代の00年に勝負強い打撃でワールドシリーズ進出に貢献。メジャーで遊撃以外全ポジションの経験があるタフガイは3回にも二塁打を放つなど3打席連続適時打を記録し、メッツ時代からの恩師を「負けるのが嫌いな選手だから」と苦笑いさせた。

日本ハムを抜いて再び0.5ゲーム差で3位へ浮上。3位以内マジックは依然相手に点灯しているが、1戦1戦追い詰めていくしかない。「彼らが“自分達はできる”と信じながら戦っている姿に誇りを覚える」とバレンタイン監督。29年間も優勝経験がないナインだが、重圧の中でたくましく成長を続けている。

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ロッテ3位浮上!フランコ3安打4打点、PO進出へ執念[サンスポ]

マウンドにいるのは打撃投手ではない。ハーラートップ(15勝)の岩隈だ。しかし、右へ左へ、おもしろいように打球が飛んでいく。初回1死満塁から、フランコが先制の左前適時打。そこから、連打連打の雨あられ。3回までに7点を奪い、岩隈を今季最短の2回1/3でマウンドから引きずり下ろした。

3安打4打点のフランコは「ベンチの期待に応えることができて嬉しい。チームの勝利に貢献できて最高の気持ちさ」と満面の笑みで振り返った。

活躍の源は、2日に誕生したばかりの長男ナサニエルちゃん。自宅に帰れば、時間の許す限りべったり。試合の疲れもあっという間に吹き飛ぶ。この日のお立ち台でも、「早く家に帰って赤ちゃんの顔が見たい!」と叫んでスタンドを爆笑させた。

来日から8ヶ月。慣れない日本生活でストレスを感じることもあったが、今では『闘魂はちまき』でさっそうとグラウンドに登場するなど、生活に順応している。「打席の姿から、勝ちたいんだという気持ちが伝わってきた。それが打線にいい影響を与えたよ」。チームを引っ張る35歳のベテランの活躍にバレンタイン監督も目を細めた。

日本ハムが敗れて、再びプレーオフ進出圏内の3位浮上。残り6試合。1日ごとに立場が逆転する激しい3位争いは終わらない。

◇諸積が通算1000試合出場

14日の近鉄26回戦(千葉)で達成。プロ野球399人目。初出場は平成6年4月13日の近鉄戦。

諸積
「監督のおかげ。ボビーさまさま。“使ってくれてありがとう”ですね。」

◇小林宏が2度目の完投で9勝目

小林宏が今季2度目の完投で9勝目を挙げた。「今日負けたら(3位以内が)厳しくなる。死ぬ気で投げました」。2年連続2ケタ勝利に王手をかけたイケメン右腕は、「(残り試合は)いけといわれれば、どこでも投げられる準備はしていきたいです」とフル回転を誓った。

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ロッテ3位再浮上[報知]

◇小林宏1失点完投

千葉マリンのボルテージは、ロッテファンで埋め尽くされた右翼スタンドを巻き込んで、試合後も冷めやらなかった。「シーズン初めからチーム一丸になろうと言ってきた。それができるチームを誇りに思う」バレンタイン監督がナインに叫んだ。3位に再浮上。プレーオフ出場への固い意思を、圧勝で見せつけた。

近鉄のエース右腕・岩隈を粉砕した。1回1死満塁から、フランコが左中間に2点適時打で先制すると、主導権は最後までロッテのもの。12安打で8点を奪い、投げても8月の月間MVPを初受賞した小林宏が、今季2度目の完投勝利。「死ぬ気で投げました。さすがに投げる前は緊張したけど、逆にプレッシャーのかかった方が燃えてくる」と息巻いた。

球団サイドも、ファンを巻き込んでプレーオフ出場へまい進だ。15日の千葉マリン最終戦では、プレーオフ出場を願って300発の花火を打ち上げるイベントを演出。プレーオフ出場の際は、千葉マリンでパブリックビューイングを開催するプランも進めている。出場をかけた日本ハムとの争いは、残り試合が2試合少ない分だけ不利。それでも、ロッテには勢いがある。

「95年と野球を楽しむ雰囲気が似ている。序盤に最下位でも、巻き返す感じがした」前回、バレンタイン監督が指揮を執り2位となった95年に主力として活躍し、この日1000試合出場を果たした諸積は言った。残り6試合。30年ぶりの悲願に手が届く場所は、絶対に譲らない。

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ボビー再再再浮上

パのプレーオフ権争いが、ますます熾烈だ。ロッテが近鉄に8−1で快勝。西武に敗れた日本ハムを抜き、再びプレーオフ圏の3位に浮上した。難敵・岩隈が相手でも、ここまで唯一の黒星をつけていたロッテ打線は怯まない。先制2点タイムリーを含む4打点のフランコが打線をけん引。15勝右腕を3回途中でKOすると、2番手高木からも得点を重ね前半で大勢を決めた。残り試合はロッテ6、日本ハム8で、その差0.5ゲーム。1試合たりとも目が離せない。

プレーオフ進出にかけるロッテには勝率9割男の近鉄岩隈も敵ではなかった。1回から襲いかかり、いきなりの3得点。7点を奪い3回途中でマウンドから引きずり降ろした。勝率を5割に戻し、3位に再浮上。バレンタイン監督がしてやったりで言う。「選手は初回から最高の試合をやろうという気持ちがあふれていた」。

先頭に立ったのがフランコだった。1回1死満塁での2点適時打に始まり、3安打4打点。メッツ時代の00年にバレンタイン監督とともにワールドシリーズの経験を持つ助っ人は、もう負けられない試合で本領を発揮した。「1打席目に打てて気分が楽になった。あとはその気持ちを保つことを心がけた」と振り返った。

11、12日のライバル日本ハム戦で8打数無安打だった。その雪辱に燃える気持ちがバットに乗り移った。実は開幕から12連勝中だった岩隈にストップをかけた試合(7月20日)でも本塁打を含む3安打していた。「日本ハム戦では自分に失望した。でも次に残さないことを考えた。野球が仕事だから」。

フランコは、2日に長男ナサニエル君が生まれたばかり。「家に帰って子供の顔を見たいが、今は野球だよ」という。残り6試合。負けられない戦いが続く。バレンタイン監督も「フランコは負けるのがイヤな選手。なんとかしたい、の気持ちが全体に伝わった。一丸となって戦う姿には誇りを覚える」と話した。 メジャーでプレーオフを経験した男がロッテを引っ張る。「自分達を信じてエキサイトしている。(プレーオフの)準備は十分できている」。フランコが自信たっぷりに言い放った。

◇諸積が通算1000試合出場

14日の近鉄26回戦(千葉マリンで)9回の守備から出場して達成。プロ野球399人目。初出場は、94年4月13日の近鉄1回戦(藤井寺)。

諸積
「監督のおかげ。ボビーさまさまですよ。『使ってくれてありがとう』とお礼を言いたいです。399人目?惜しいなあ。でも早い方がいい。僕はそんな運命です(笑)。正直、今年の目標ではあるけれど、難しいかなと思っていました。本当に使ってくれたおかげです。とにかく、皆が気を使ってくれたことが嬉しかったですね。ファンの皆さんの声援のあかげでもあります。ありがとうございました。」

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小林宏完投9勝

小林宏が今季2度目の完投で9勝目を挙げた。被安打8の1失点。小林宏は「調子はよかった。いつも死ぬ気で投げているけど、今日は死ぬつもりで投げました」といって周囲を笑わせた。「今日負けたら厳しくなりますからね。プレッシャー?最初は緊張したけど、逆に燃えました。次ですか。いけといわれたら行きます」と最後まで頼もしかった。

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ストしかない

◇選手会怒り、約束違う

労組プロ野球選手会による、今週末のストライキ突入が、必至の情勢になった。オリックスと近鉄の合併は既成事実−とした実行委員会から一夜明けた14日、選手会側は猛反発の姿勢を示した。険しい表情で古田会長が「問題大ありでしょう。うちら(選手会側)も子供の使いじゃないんでね」と話すなど、憤りの声が噴出した。ストライキ・マニュアルの配布も既に完了しており、世論の支持も後押し。選手会側の総意として、現状では「スト覚悟」で固まった。

スト突入をギリギリで回避した前回10日の協議・交渉委員会(協交委)後に、機構側で話し合われると思われたオリックス、近鉄の合併凍結問題は、前日の実行委員会であっさりと拒否された。その姿勢に対し、選手会側の反応は敏感だった。ダイエーの松中会長は「もうストしかないでしょう。(経営者には)約束を守ってほしい。今回はストを回避するのは難しいでしょう」とまで言い切った。当事球団の近鉄礒部会長も「ウチが言っていることが通ってない訳だから」とスト突入をにおわせた。

一方、古田会長は口調は温和ながら、険しい表情で横浜戦(神宮)前に口を開いた。「近鉄を残すシミュレーションがされない?問題大ありでしょう」。試合後には「不誠実な返事ではファンも納得しないでしょう。向こうもいい大人なんだし、うちらも子供の使いじゃないんでね」とテンションが上がったかのように話した。10日の協交委で「決め事」と解釈した合意事項を、あっさりと覆された不満をはき出した。

前日の実行委員会では、交流戦のシミュレーションが話し合われたが、肝心の近鉄存続の想定はなされなかった。「問題は、残す気があったか、ということ」と古田。また新規参入を規制するかのような経営者側の発言にも「やるって言ったことをやらないのは、僕らがどうのこうのではなく、たくさんの野球ファンやそれ以外の人も注目してる訳ですから、それを理解した上で出した答えなんでしょうね」とクギを刺すことも忘れなかった。

一方この日、選手会の松原事務局長も広島に足を運び、巨人選手会と接触。前回協交委に巨人選手会から出席者が不在だったため、交渉経緯が説明された。スト権行使の具体的な話はなかったが、経営者側に屈することなく粘り強く交渉にあたること、交流戦をめぐりセ・パで経営者側の見解に相違があること、などが説明されたようだ。

また先週、遠征で不在だったチームに対するストライキ・マニュアルの配布も既に完了しており「スト覚悟」の総意をとりつける形となった。さらに選手会側にはファンから、前回ストを回避したことに対する不満の声や、次回のスト決行に賛同する声が寄せられており、これら世論の支持もスト決行に踏み切る後押しとなるのは間違いない。

明日からの協交委で、機構側から「折衷案」が出される可能性はある。だが、解釈のズレを修正するには「時間が限られているし、多くのファンも心配している。決断しなきゃいけないのはもちろん分かっていますから」と古田会長が話すように猶予はない。「セ6パ6」で選手会側は意思統一されており、機構側から出される合意事項への否定的な見解に対し、これ以上の引き延ばしはできない現状では、スト突入は必至の情勢となった。

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オリックス選手会、球団経営資料は団交に提示して

オリックス三輪隆選手会長が14日、球団の経営状況を表す財務諸表を、次回16日の協議・交渉委員会に資料として提出するよう球団に要望した。小泉球団社長が前日の実行委員会後「球団の経営内容を分かってもらうために明日(14日)あらためて選手達に開示する」と語っていたが三輪会長は、これを拒否。「今は労組・プロ野球選手会が機構側と交渉している時期なので団交の場に提出して欲しい」と説明した。球団経営の透明性を示す意味で「資料を開示する」と力説していた小泉社長にとっては“肩透かし”となったが、選手には「見たい人はいつでも言ってきて欲しい」と伝えた。協議・交渉委員会に提出する可能性については「持って行くかもしれませんし、(交流戦を交えた)シミュレーションの中に入ってきます」と説明した。

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ライブドアとシダックスが握手

プロ球界への新規参入を目指すライブドアの堀江貴文社長と“新規参入候補”シダックスの志太勤会長が14日、都内で対談した。テレビ東京の経済番組「サムライ魂(スピリット)」の収録のため、時の人同士が初めて顔を合わせた。

チーム実体がないために参入が難しい、とされるライブドア堀江社長は「シダックスさんを見ていて羨ましかった」と明かした。既に企業チームとして軌道に乗っているシダックスと提携して参入することも考えられる。それについて「未来は何が起こるか分からない。今後の進ちょく次第」と含みを持たせた。

一方の志太会長は「堀江さんは宇宙人のような人かと思ったが、心ある人だと分かった。(提携は)考えてもみなかったが、どうしようかな、という気になった」と好感触を口にした。今後は堀江社長も利用しているというカラオケ「シダックス六本木店」での再会を約束した。もっとも、現段階では「野球を愛している」という志太会長と「野球はビジネス」という堀江社長のスタンスの違いは明白。今後の話し合い次第で、いかにその溝を埋めていくかがカギを握りそうだ。

またシダックスが単独で新規参入することについて志太会長は、現状では「3対7で難しい」としながらも「条件がクリアされれば参入したい」との意向を示した。その条件とは(4)プロ、アマが1つになって野球界全体が発展する仕組みをつくること(2)プロ側から要請があること。「セ6、パ5では人気が下がる」と人一倍、危機感を抱いているだけに、プロ側の働きかけ次第で参入へ大きく前進する可能性も出てきた。

◇パ小池会長、アマ参入難しい

シダックスの参入は却下?パ・リーグ小池会長はこの日、新規参入球団の加盟について、アマチュアチームの受け入れは難しいという見通しを示した。「(新規参加チームが)資質的に劣る人ばかりだったら…。プロですからね。入場料金を取って、高いレベルの技術を見せないと。中身が問題」と難色を見せた。「積極的に検討する」とした新規参入に関しては、参入保証金と来季乱入にあたってのリミットが表面化しているだけ。エクスパンション(球団拡張)ドラフトの話題も上がっておらず、これでは到底来季参入は無理?

◇シダックス参入なら野間口ダメ

シダックス野村克也GM兼監督がドッキリ発言を行った。14日午前中のワイドショーに生出演。司会者から「シダックスが新規参入したら野間口(貴彦、21=関西創価)君はほかに行かせられないでしょう」と水を向けられると、「もしプロに参入するなら出しません」と答えた。既に巨人入りが決定しているが、関係者をヤキモキさせる発言となった。

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オリ近新監督、10日以内に決定へ[ニッカン]

オリックス中村GMが14日、ヤフーBBで新球団の監督について注目発言した。「うちと近鉄のペナントレースのシーズンが終わるまでに決めたい。できれば首脳陣についても、そう思っています」と監督を含めた組閣について、今後10日以内で決める見通しを明かした。監督については前巨人監督の原辰徳氏や両球団でリーグ優勝の経験がある仰木彬氏らが候補に挙がり、中村GMの監督への配置転換の可能性もある。

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古田激怒!スト回避困難か[スポニチ]

労働組合・日本プロ野球選手会の古田敦也会長が14日、各球団代表が13日の実行委員会後に、近鉄とオリックスの合併ありきの発言をしたことに激怒。新規参入についても加盟申請の前提条件を掲げるなどの機構側の態度に、パ・リーグの選手会長からもスト決行を示唆する声が上がった。16日に行われる協議・交渉委員会の紛糾は必至で、日本球界初のスト突入の可能性が高まった。

試合後のクラブハウス。取り囲んだ報道陣に「何かありますか」と笑顔なく口を開いた古田会長は、胸の内にたまったものを吐き出した。「スト云々は労使協議が終わってから。ただ、僕らもガキの使いじゃない。これだけ話が大きくなっているのに、向こうが出してくるのが不誠実なら…」。

その後の言葉はのみ込んだが、怒りは収まらない。その矛先は前日の実行委員会後の各代表の反応。「選手会と我々の見解は明らかに違う。合併の撤回はあり得ない」(近鉄・小林球団社長)「それ(合併)については戻らないでしょ」(ヤクルト・倉島球団常務)と誰もが近鉄存続の可能性を真っ向否定した。

9、10の両日に行われた協議・交渉委員会で選手会は、近オ統合の1年凍結に関して近鉄を残した場合も含めたシミュレーションを行い、速やかに回答を行うという合意を機構側と行った。近鉄存続の可能性が残されたことが、11、12日のスト一時回避の1番の理由だった。しかし、近オ合併は既成事実とされ、シミュレーションの回答も16日の協議・交渉委員会前の会議で最終調整するという対応には我慢がならなかった。「もともと(近鉄を)残す気があったのかが大きな問題」と不信感をあらわにした。

合意したはずの新規参入促進についても、機構側幹部から、加盟申請の前提条件が数多く示された。あくまでパ5球団での来季運営を強硬に推し進める姿勢に、パ各球団の選手会長も怒り心頭だ。近鉄・礒部選手会長は「選手会が要望していることに全然答えていない。何とかパ・リーグが6球団でやる方向性を示してもらいたいが、そうでなければ先週より厳しい状況になる」。ダイエー・松中選手会長は「前回の話し合いでは“合併しない可能性がある”ということで回避したはず。今回のスト回避は難しいと思う」とスト決行を示唆した。

古田会長は横浜戦前に松原事務局長と電話会談し、16日の協議・交渉委員会に向けた意見調整を行った。松原事務局長は、当日に東京近郊で試合を行う全球団の選手会長に出席の打診を行っている。あくまで話し合いでの解決を望んだ古田会長も、もう口先だけの会談に応じる気はない。18日からのスト回避へ、解決の糸口を見つけるのは難しい状況となった。

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スト危機再び!古田会長「近鉄残す気あったのか…」[サンスポ]

労組・日本プロ野球選手会の古田敦也会長は14日、オリックスと近鉄の合併凍結をめぐって経営者側と解釈が大きく違っていることについて「声が届かないのは残念」などと強い憤りをあらわにした。近鉄存続の僅かな可能性を信じてストライキ延期を決断した選手会に対して、経営者側は13日の実行委員会で合併撤回を改めて完全否定。両者の対立は決定的で、16、17日の協議交渉委員会の紛糾は必至。このままだと事態は再びスト決行に大きく傾きそうな情勢だ。

どれだけ交渉を重ねても埋まらない深い溝。経営者側との解釈の違いが如実になるにつれ、古田会長のイラ立ちもしだいに頂点に達した。「こうなると、(近鉄を)残す気があったのかも分からない。たくさんの方が注目されているのに、そういう発言は残念です」。神宮球場のクラブハウスで話す古田の口調は怒りを通り越し、既にあきれていた。

選手会がストをギリギリで回避したのは10日の協議交渉委員会で経営者側が近鉄残留の可能性を示したからこそ。少なくても会議後の古田、選手会側はそう理解していた。来季球団数を6・6とするシミュレーションの作成が約束され、古田会長は「可能性がある以上ストはできない」といちるの希望にかけた。

しかし、スト回避で当面の危機を乗り越えた経営者側は、そんな合意は全くなかったように合併撤回案を口にする者は皆無。密室でどんな会話があったかは別として、合併撤回の可能性は合意事項として明文化されることもなく、13日の実行委でも各球団の代表者は「(オリックス・近鉄の)統合はもう決まったこと」との発言を繰り返した。

また新規加入球団についても「積極的な加盟の促進」で合意したが、実行委によれば臨時オーナー会議が開かれる今月29日が申請の実質的なリミット。加盟料の60億円こそ預かり保証金として20−30億円に減額される見込みだが、選手、合宿所などの設備も同時にクリアする必要を指摘されるなど、選手会側が合意書の中でこだわった『積極的』の文言とは、ほど遠い状況になっている。

「やるって言ったことをやらない。あまりに不誠実でいい加減だと(球界は)ファンに見放されますよ。声が届かないのは悔しい」と古田は語気を強める。16、17日に再び開かれる協議交渉委。古田は6・6の構成について近鉄存続だけに固執せず、新球団参加も視野に入れているが、経営者側が来季6・5のケースだけに絞るようなら交渉は即決裂。選手会は今度こそスト決行という選択を余儀なくされる。

「17日は礒部は(協議交渉委に)来られないので(近鉄の合併などについての話は)それまでにすることになる。とにかく労使交渉で直接、話を聞いてからです」という古田。残された期間は僅かしかない。一時的に回避されたストは決行に向けて、再び緊張が高まってきた。

◇1球団12試合の交流試合案に“NG”

古田が私見としてながら1球団12試合の交流試合案に“NG”を出した。「12試合はないよね。交流戦は1年に1回だから面白みがある。希少価値が大事」。1球団ごとの交流試合がホーム6試合、ビジター6試合の計12試合となる案だと仮にセ6、パ5球団の場合、パ各球団は公式戦140試合のうち年間72試合が交流試合となる計算。メジャーのようにシーズンの一定期間に交流試合を集中開催することが望ましいとしている。

◇選手会にも戸惑い…“スト回避効果”45万7000人

経営側の強硬姿勢の一方で、古田会長の奮闘に引っ張られ、当初はスト決行に一枚岩だったはずの選手会だが、戸惑いの声も上がりつつある。「古田さんに一任しているから、気持ちは変わらない。ただストを回避した土日に、あれだけお客さんが入ると…」とあるセの選手会幹部は苦悩の表情を浮かべた。11、12日は12試合で45万7000人の観客動員と、“スト回避効果”を目の当たりにしてしまったことが大きいようだ。

古田が出場した東京ドームのスタンドには観戦した少年野球チームの『古田さん ありがとう』の横断幕も掲げられた。スト辞さずと経営側と戦う古田がスト回避で英雄視される皮肉な結果。各種世論調査ではストを支持するファンも、やはり試合が開催された方が嬉しい。選手がジレンマを感じるのも当然だ。

また選手会の弁護士らが「問題ない」と太鼓判を押している経営者側からのストの際の損害賠償請求にも潜在的な恐怖心があるのは否めない。1週間のスト延期は、選手会の決断の苦しみを倍加させることになったかもしれない。

◇近鉄・礒部選手会長「近鉄存続がまず始めにありき」

近鉄の礒部公一選手会長も実行委で経営者側が『近鉄の存続は認識が違う』という見解を示したことについて、千葉マリンスタジアムで反論した。「カン違いじゃないですかね。近鉄が存続することがまず始めにありきですから。それが前回の協議交渉委の合意事項の第1でしょう」とうんざりした表情で語ったそれだけに16、17日の協議交渉委は「もめるでしょうね。まず『どういうことですか?』と聞きます」と直接問い質すつもり。またストの可能性についても「前から言ってますが(可能性は)あるでしょう」と対決姿勢を明確にした。

◇シーズン終了までに新球団の監督決定へ…オリックス・中村GM

オリックスの中村勝広ゼネラルマネジャーは14日、近鉄と合併後の新球団の監督、コーチ陣の決定時期について「(監督など)主要なものはシーズン終了までに決めないといけない」と、オリックスと近鉄の全日程終了までをメドとすることを明かした。現時点で元阪神・掛布雅之氏と元近鉄、オリックス監督・仰木彬氏の2人が有力視されている。

また、優先保有(プロテクト)選手の選定に関して、近鉄の足高圭亮球団代表と話し合う予定について「今週は無理。来週中に会いたい」とずれ込む見通しを示した。

◇1軍全選手らにデータ開示…オリックス・小泉球団社長

オリックスの小泉隆司球団社長は14日、ヤフーBBスタジアム内で1軍全選手、球団スタッフに、経営収支、さらに合併前と合併後の経営状態を比較したシミュレーションのデータを希望者に開示する方針を伝えた。同社長は「透明性を得て、説明責任を果たさないといけない」と話した。また同社長は球団スタッフに関して、統合後も現在の職種で雇用確保する方針も示した。

◇「新規参入歓迎」を改めて強調…阪神・野崎球団社長

阪神の野崎勝義球団社長は14日、大阪・野田の電鉄本社で久万俊二郎オーナーに定例報告。16日から再び選手会側との協議交渉委に臨む同社長は、改めて「新規参入歓迎」の姿勢を強調した。「(スト回避のため)問題は交流試合の数ではなく新規参入。基本的には6・6に戻るべきと思う」と2リーグ12球団が望ましいと主張。また、15日にもNPB(日本プロ野球組織)からセ6パ6、セ6パ5の2通りの収入のシミュレーション結果が届くとも明かした。

◇パ・小池会長「球団としての実体が必要」

パ・リーグの小池唯夫会長は14日、実行委(13日)での見解を受ける形で、新規参入企業について「球団としての実体が必要」と母体となるチームが不可欠との認識を示した。また来季の運営に関して「(総試合数は)前日の実行委員会で話し合われた140か、140半ばまでぐらいだろう」との私見を明かした。パ・リーグのプレーオフの有無は各球団間でセ・パ交流戦の日程が決まった後、議論し直すと説明した。

◇選手会・松原事務局長が巨人選手会に説明

労組・日本プロ野球選手会の松原徹事務局長が14日、広島市内のホテルで巨人選手会に対して、9、10日に行われた協議交渉委の内容を説明した。大阪で行われた同委には試合日程の都合で巨人選手会から出席者はなかった。同選手会副会長の小久保は「最後まで粘り強く交渉するということだった。(次回ストなどの)具体的な話は出ていません」と話した。

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古田選手会会長軟化[報知]

◇“時間切れ”でもスト妥結?

日本プロ野球選手会・古田敦也会長は14日、来季から加盟を希望する新規参入企業の申請期限について、野球協約が定める11月30日以前に設けることを認める可能性を示した。

13日の実行委員会後に伊藤修・選手会担当顧問(中日参与)が「ドラフトの対応、日程などを考えると(新規参入は)29日のオーナー会議がめどになる」と発言。12球団維持を目指す選手会の反発が予想されたが、古田会長は「期限はどこかで区切らないといけない」と柔軟な対応。10日の協議・交渉委員会で交わした合意書の「新規企業を積極的に検討する」の文言に反するとの指摘にも、「向こうも大勢の注目を理解した上での答えなんでしょ。時間も限られているし、逆戻りはしない」と“時間切れ”でパ5球団となっても、スト妥結の準備があることをにおわせた。

また、実行委員会で交流試合のシミュレーションが行われたことに、「(1カード)12試合は多いでしょう。交流試合は希少性がないと意味がない」と私見を展開。「意見調整もなく(全試合数が)140試合になってしまう」とシミュレーションの方法に苦言も呈した。

◇近鉄選手会礒部会長が反論

礒部選手会長が、前日(13日)の臨時実行委員会で近鉄存続を否定した小林哲也球団社長に、強い口調で反論した。「(合併凍結を申し入れた日本プロ野球)選手会の言ってることが通ってない。木、金曜日は、かなり揉めるでしょう。前から言ってますが、ストの可能性もあります」と16、17日の協議・交渉委員会の紛糾を予告した。機構側の譲歩が得られない限り、今度こそスト決行となる見通しを明かした。

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プレーオフ来季は未定[報知]

◇小池パ会長「議論できてない」

パ・リーグの小池唯夫会長は14日、今季から導入したプレーオフ(日本選手権出場シリーズ)制度に関して、来季の実施に検討の余地があることを示した。「プレーオフについての議論はまだしていない。が、来季は新しい運営方法になるのだから…」と話し、現状では続行か否か、未定であると説明した。

プレーオフ制度は観客動員の減少などに悩むパ・リーグが起爆剤として導入。12日、リーグ史上最速で観客動員1000万人を突破したが、小池会長は「プレーオフのおかげだろう」と効果を訴えていた。昨年5月、導入にあたっては川島広守・前コミッショナーが「最低3シーズンは続けること」との要望を出している。

来季、5球団での運営となれば上位3球団がプレーオフ進出する制度には無理がある。「(プレーオフは)交流戦ができないことから導入を決めた経緯があり、新たに議論しなければならない。(リーグが)新しい運営方法になるのだから」と話した。また、「交流戦の試合数が決まらないと。(プレーオフについては)まだ議論していない段階というのが正確だ」と続けた。交流戦は29日の臨時オーナー会議で正式承認の見込みだが、その後、プレーオフ制度存続の話し合いを持つことになる。

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シダックス“初接触”ライブドア[報知]

シダックスの志太勤会長とIT関連企業「ライブドア」の堀江貴文社長が14日“初接触”した。2人は都内のホテルで行われたテレビ東京の新番組「サムライ魂(スピリット)」の番組収録に出演した。

堀江社長は、新規参入決断のきっかけとして「シダックスを見ていてうらやましかった。野球のインパクトは強い」と野村克也氏を監督に招聘し、認知度を上げたシダックスの存在があったことを告白。野球への思いからチームを持つ志太会長と、ビジネスとしてとらえる堀江社長の価値観は正反対だが、志太会長は「これからは堀江さんのようなビジネスライクな人がやるのも1つの方法」とエールを送っていた。

共闘について堀江社長は「未来はどうなるか分からない。今後の進ちょく次第」と前向きな発言。志太会長は堀江社長について「正直言うと宇宙人かなと思っていたが、心ある人だった」と印象の変化を強調。タッグ実現にも「今までは考えてもみなかったが…。どうしようかという気はあるかもしれない」と含みを持たせた。

しかし、志太会長は来季からのプロ参入には「とてもそんなことにはならない。プロからも要請は来ないと思う」と発言。現時点ではその意思がないことをあらためて話した。

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「オリ近」プロテクト枠野手15投手10[報知]

近鉄・足高圭亮球団代表は14日、オリックスとの合併新球団が優先的に保有できるプロテクト枠の内訳について、野手15人、投手10人になる見通しを明かした。両球団はそれぞれ投手5人、野手7、8人ずつとほぼ対等な配分になる見込みだ。

足高代表は、具体的な選手名は「皆さんが想像する通りになると思う。まだリストは出来上がってないが」と明言を避けたが、近鉄からは投手が岩隈、吉川ら、野手は選手会長の礒部のほか、大村、北川らレギュラー陣が名を連ねることになりそうだ。

今オフの米大リーグ移籍が決定的な中村については、同代表は「プロテクトはする。まだ(残り2年)契約も残っているし」と説明。シーズン終了後に行われる中村との話し合いで球団側は慰留するが、最終的に本人の意思を尊重する方針に変わりはない。

また、オリックス・中村勝広GMはこの日、プロテクト選手について「主導権はこちら。向こうの案でも採用できる点は取り入れたいが、どちらにせよ常識的な判断になる」と話し、チームの顔である谷や、FAで移籍してきて、来季4年契約の2年目を迎える村松らのプロテクトを示唆した。

今週中に予定されていた近鉄・足高球団代表との会談は、足高代表が多忙のため、来週に延期された。「近鉄との人数配分?それは考えていない。あくまで力関係」と、あらためて実力主義での選考を強調するなど、近鉄側との微妙なズレを見せた。

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