わたしはかもめ2004年鴎の便り(9月)

便

9月15日

千葉ロッテ0−2大阪近鉄(千葉マリン)

近鉄は先発の山本が7回2/3を無失点の好投で、千葉マリンでの連敗を6で止めた。近鉄は2回、無死一塁から益田の2号2ランで2点を先制した。3回以降の近鉄打線は、ロッテ先発の清水直に2安打と抑えられ得点を挙げることが出来なかったが、8回途中から登板した福盛が、序盤の2点をそのまま守り切り、自己最多タイとなる10コ目のセーブをマークした。一方ロッテは、清水直が9回を4安打2失点の力投も打線が9安打を放ちながらも12残塁の拙攻で、千葉マリンでの本拠地最終戦を飾れず、1日で4位に転落した。

123456789R
大阪近鉄0200000002
千葉ロッテ0000000000
サブロー
「僕のミスです。何とかあそこで1点を取っていれば、あとの流れが変わっていた…。」
西村コーチ
「堀の二塁打は捕られると、ベニーの打球はヒットと思ったのだろう。その判断はもう少し早くしないといけない。福浦の打球は還って来られたか分からないが、自分もはっきり指示しなければいけなかった。」
バレンタイン監督
「堀の二塁打、福浦の当たりは還って来られただろう。さらには、ベニーの内野ゴロもホームはセーフと思ったんだが…。あそこは得点してはいけない運命だったのだろう。3回だけでなく、6回もチャンスがあった。それぞれのチャンスを生かせなかったことが敗因だ。」

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ロッテまた4位転落[報知]

満員の3万5000人で埋め尽くされた千葉マリンで、試合後に季節外れの花火300発が打ち上げられた。本拠地最終戦に開催された「プレーオフ進出祈願壮行セレモニー」。しかし、現実は4位転落。ライバルの日本ハムに3位以内マジックを「6」とされた。

この日はエース・清水直が完投しながら、益田の1発に泣いた。打線も9安打で12残塁の拙攻。再三のチャンスを棒に振った。「正直、悔しい。でも、もう死にもの狂いでやるしかない」。21日の西武との最終戦(西武ドーム)に再度、先発予定のエース右腕はリベンジを口にした。

「皆さんの応援がパワーになった」と日本語で挨拶したバレンタイン監督は、ファンにこう語りかけた。「この試合が、今年ここでの最後とは思わない。また、必ずここで試合をします」今季の入場者数は159万6000人と球団史上最高をマークした。残り5試合は全てビジターだが、望みがある限り、ナインはファンと戦い続ける。

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ロッテ、本拠地最終戦に集まった3万5000に「…」[サンスポ]

プレーオフに進出できる3位からまたも転落。本拠地最終戦に集まった3万5000大観衆に、勝利をプレゼントすることはできなかった。

「結果的にあの1発。不用意な1球でした」。清水直が悔やむのが、2回無死一塁から益田に2ランを浴びた139キロ直球。バックスクリーンまで運ばれ、この試合唯一の得点が近鉄に記録された。打線も2度の満塁機を生かせず12残塁の拙攻。プレーオフへ、気持ちだけが空回りした。

しかし、バレンタイン監督に落胆の色はない。「順位はシーズン最後まで確定しないもの。そこまでの過程がエキサイティングになっただけ」。試合後に行われたプレーオフ進出祈願セレモニーでも「今日がマリン最後だとは思っていない」と、日本シリーズ出場を誓うマイクパフォーマンスでスタンドを沸かせていた。

サブロー
「あそこで1点取っていれば、あとの流れが変わったのに…。」(3回に走塁ミスでチャンスをつぶした)

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ロッテ、拙攻で痛すぎる1敗…[ニッカン]

ロッテは本拠地最終戦で痛い1敗を喫し、4位に転落した。日本ハムのプレーオフへのマジックも「6」となった。

敗因は拙攻だった。3回無死二塁から二塁打、右飛と続いても、なぜか無得点。二塁走者サブローの連続ボーンヘッドが、反撃の流れに水を差した。その後も2度の満塁機を逃すなど、拙攻に次ぐ拙攻。バレンタイン監督は「ファンのためにも本当に勝ちたかった」と渋い表情だった。それでも、最終戦セレモニーでは「これからの1週間はマリーンズの歴史で、1番エキサイティングな1週間になる」と同監督。「この球場での試合は今季最後と思っていない」と、日本シリーズ出場宣言まで飛び出した。

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ロッテ、最後のマリンで零敗…4位転落[スポニチ]

これがプレッシャーなのか。3者凡退は7、9回だけ。無死からの走者は実に5度で9安打、5四球なのに12残塁。ロッテが痛い零敗で本拠地最終戦を飾れず4位に転落した。「順位もそうだが1年間サポートしてくれたファンの前で勝ちたかった。プレッシャーはこの試合だけじゃない」。バレンタイン監督は悔しそうに振り返った。

2点を追う3回、右中間二塁打のサブローが続く堀の右翼線二塁打で判断を誤り三塁ストップ。さらに福浦の右飛に飛び出して生還できなかった走塁ミスが最後まで響いた。借金1で残り5試合。3位の日本ハムより2試合少なく、不利な状況は変わらない。それでも指揮官は試合後のセレモニーで「この1週間がマリーンズの歴史の中で1番エキサイティングになる。必ずまたここで試合をします」と日本シリーズ進出をファンに約束した。

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再び4位

12残塁の拙攻で完封負けし、再び4位に転落した。満員3万5000人が詰め掛けたが、今季千葉マリン最終戦を飾れなかった。「勝ちたかった。順位のこともあるけど、1年間ずっと応援してくたファンのためにね」とバレンタイン監督。2ラン1本に泣いたエース清水直も「今日に懸けてたんで」と唇をかんだ。それでも試合後の「プレーオフ進出祈願 壮行セレモニー」で大声援を浴びたバレンタイン監督は「(日本シリーズで)千葉マリンに戻ってきます」と残り5戦必勝を誓った。

サブロー
「僕のミス。1点を取っていれば、あとの流れが変わった。」(3回に二塁打も堀の二塁打で生還できず、福浦の右飛でもタッチアップできず)

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黒木16日イースタン西武戦先発

2軍調整中の黒木が16日のイースタン西武戦(西武ドーム)で先発する。8月16日以来、1軍登板から遠ざかっているが、プレーオフの1軍昇格へ向け、アピールしたいところ。この日、ロッテ浦和球場で調整を行った黒木は「僕の力を必要としてくれるなら1軍に上がって貢献したいし」と力を込めた。

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勝率1位チームにパ「優勝旗」を授与

パ・リーグのシーズン勝率1位チームに、新たにつくられた「レギュラーシーズン優勝旗」が授与される。今季からプレーオフを導入、3月に各球団の選手会長に概要説明した際に「勝率1位チームに何もないのは寂しい」という声に応えるもの。日本シリーズ出場チームには、通常通り昨年までの「チャンピオンフラッグ」が手渡される。

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昨季より36戦早くパ観客動員新記録

パ・リーグは15日に行われた2試合で、計5万8000人の観衆を集めリーグのシーズン通算観客動員数が1020万1000人となり、昨季の1014万4000人を抜きシーズン観客動員の新記録を達成した。述べ420試合で達成した昨年よりも36試合少ない384試合でマーク。今季はロッテが前年比35.2%増、日本ハムも前年比34.3%増で、近鉄を除く5球団が前年比増を記録。15日現在、リーグ平均は前年比10.4%増となっている。

パ・リーグ観客数ベスト5
年度試合観客数平均
10438410,201,00026,600
20342010,144,00024,200
30142010,124,00024,100
49740510,012,50024,700
5024209,709,00023,100

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表彰式

8月の月間MVPに輝いた小林宏之投手の表彰式が、ロッテ−近鉄27回戦(千葉マリン)の試合前に行われた。

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パ東西対抗中止

パ・リーグは15日、静岡・草薙球場で10月31日に予定していた「パ・リーグオールスター東西対抗」の中止を発表した。パの東西対抗は静岡では昨年まで14年連続(15度)で開催されていたが、再編問題に絡み、選手会との関係や準備期間の都合で中止となった。

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楽天、新球団名乗り

インターネット商店街最大手の「楽天」(本社=東京・港区、三木谷浩史社長)が、プロ野球の球団経営に参入する方向で検討に入ったことが15日、明らかになった。神戸市に球団運営会社を設立し、地元のヤフーBBスタジアムを本拠にする案が有力で、近日中にも日本プロ野球組織(NPB)に加盟申請する予定。来季参画は厳しい見通しだが、同じIT産業「ライブドア」に続く新規参入の動きは、今後の球界再編への新たな呼び水となりそうだ。

球界再編が世間の話題をさらう中、日本最大のインターネットショッピングモール「楽天」が、球界参入の意向を固めた。この日、同社のグループ広報は「詳しい内容はこれからだが、確かに(球界に)参入することを検討している」と認めたことで、ライブドアに続き新たなIT産業企業が球界参入に名乗りを上げる形となった。

楽天関係者が「具体的に検討を始めたのは、ここ数日のこと」と語るように、国内ネットベンチャー経営者として注目される三木谷社長が最終判断を下した。グループ広報は「検討を始めた経緯についてもコメントできない」とも語り、さらに新会社の資本金など詳細を煮詰めた上で、正式会見が開かれる予定だ。

楽天はこれまで、ネット専業証券会社などを買収、事業拡大を進めている。楽天とは別に、三木谷社長が経営する会社が今年1月、サッカーのJ1ヴィッセル神戸を買収した。「トルコの王子様」イルハン獲得を手始めに、派手なイベントを開催するなど集客力アップを狙った。三木谷社長の「ビジネスはエンターテインメント」という持論のもと、同社はスポーツビジネスへの進出にも積極的。消費者へのPR効果、知名度を高めることで関連グッズ販売などによる収益アップの見込みが立った。そんなスポーツ事業のノウハウを持っている背景から、プロ野球の球団経営にも乗り出す意向を固めたようだ。

新球団のフランチャイズについては、三木谷社長の出身地・神戸市に置くプランを温めている。また本拠地球場は、ライバルのソフトバンクグループが今季中まで命名権をもつ、ヤフーBBスタジアムを基本線としており今後、関係筋との協議を進めていく。

選手会との労使交渉で、NPB側は、新規参入を促すことを合意事項の1つに盛り込んだ。根来コミッショナーもこの日、来季の新規参入に関しては時間的な問題から無理、としながらも再来季以降に関しては柔軟な姿勢を示している。

早くもこの日、“地元球団”存続を歓迎する声が神戸から上がるなど期待は大きい。創設期の映画、鉄道会社などからIT産業が参入しようという動きも、確かな時代の趨勢。参入への課題は残されているものの、三木谷社長の「勝たなければ意味がない」という強気の経営指針が、球界に風穴を開けるかが注目される。

◇阪神反発「よそでやれ」

阪神久万俊二郎オーナーが15日、「楽天」が神戸を本拠地に想定していることに「ケンカになる。ヨソでやりなはれ」と反発した。問題視しているのは地域権の侵害。兵庫県は保護地域とする阪神に加え、オリックスと近鉄の合併球団も兵庫、大阪のダブルフランチャイズ制を敷く予定。合併球団にさえも当初は反発を示した阪神だが、球界再編の流れから“譲った”経緯がある。

もちろん、セ6、パ6での運営が望ましいというスタンスは変わらず、新規参入は歓迎している。この日も「希望されるのは結構なことです」と話した。一方で「外から見るのは天国、やるのは地獄です。赤字は億単位ですよ。そのあたりを分かっておられるのかどうか。途中でやめられるのが1番困るんです」と、球団経営の厳しさをあらためて強調した。

オリックス小泉球団社長
「兵庫県はオリックス・ブルーウエーブの保護地域にあり、ヤフーBBスタジアムは現在、専用球場です。今後も大阪府および兵庫県の両地域を保護地域とすることは、認められております。よって両地域での(野球興行の)実施は認められないと思います。」
近鉄足高球団代表
「検討されているという中で、細かい検討をどこまでされているのか。ヤフーBBを使いたいということのようですが、ウチ(合併新球団)と矛盾しているところがある。」
巨人桃井球団代表
「野球界のためにはいいことじゃないですか。見捨てない訳ですから。(楽天について)個別の話は聞いてないから分からない。」

◇古田、いいこと

選手会の古田会長は、楽天の新規参入希望を歓迎した。「ビジネスチャンスだって思っているんじゃないの?新しい企業がプロ野球界を盛り上げてくれるのはいいことだと思う」と話した。本拠地は神戸を希望に「おもしろいね」と笑み。

広島松田オーナー
「新規参入の基準を緩めただけで名乗り出てくる企業があることは、野球界として非常に喜ばしいことではないか。名乗りを上げる企業が増えるほど、情熱ややる気のある企業の選択肢が増える訳だから。」
中日西川球団代表
「認知されている企業だし、いいんじゃないですか。近鉄、オリックスの合併球団でプロテクトされない選手を回すなど前向きにやっていくべき。」

◇売上180億円

楽天(らくてん)
97年2月設立。同年5月に資金力のない中小企業や個人事業主も簡単にネット販売できる仮想商店街「楽天市場」を開設し、現在の契約企業数は約1万6000。ショッピング、旅行、金融など事業の多角化、業績拡大を続けて03年12月の連結決算は売上高180億8285万円。従業員710人、平均年齢30歳。資本金397億9100万円(04年3月末現在)。代表取締役会長兼社長は三木谷浩史氏(39)。

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NPB側、新球団受け入れへ検討委設置

ストライキ決行か回避かで注目される日本プロ野球組織(NPB)と労働組合日本プロ野球選手会による協議・交渉委員会(協交委)が、16日から2日間にわたって行われる。双方の“落としどころ”が注目されるが、NPB側はスト回避を図る妥結案として「新規参入検討委員会(仮称)」の設置を明示する。

オリックス・近鉄の合併を既定事実として譲らないNPB側。一方、10日の協交委での合意文書の「新規球団促進」について、選手会側は「積極的」の3文字を加えることに強く拘った。それに対応する具体案として、新規球団に大きく門戸をあけることを約束するものとみられる。

「新規参入委員会」は、オーナー会議とコミッショナーの諮問を受けて、申請団体が「社会の文化的公共財であるプロ野球球団経営者としてふさわしいかどうか」を審査、検討する機関として位置付ける。財界、法曹界、有識者などそれぞれトップの人物で構成される見通しで、第3者にも情報を開示しながら運営されるという。楽天などの新規参入の動きに合わせて、選手会側にどう受け入れられるかが焦点。「今度(16、17日)は延期がない」という伊藤修実行委員会選手会担当顧問は「それについてはあけてみないと」と予断は許さないとの見通しを語っていた。

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選手会側、「違法スト」封じに労働条件争点

一方、選手会側は「労働条件」を争点の1つにすることを決めた。営業権譲渡となれば近鉄という球団は消滅する−という認識で、それならば選手は自由契約にするのが筋ではないかと求める。古田会長は「任意で近鉄と契約している訳であって新球団とは契約したくないという選手もいるだろうしね」と説明した。

労働条件について話を持ち出すのは、選手会がスト準備に取りかかった証明でもある。機構側は、労働条件に関係ないことでのストは違法ストではないか、との認識を示しているが、そんな意見を封じ込めることもできるからだ。「今までは労働条件の話をしようにも、もっと重要なことがあってできなかった。今度はしたいと思う。違法ストだって言われるしね」と古田会長は本気だ。

機構側からは落としどころとして「新規参入検討委員会」の設置などが打診される見込みだが、29日を新規参入のリミットと一部経営者側が「私見」を話す一方で、根来コミッショナーが「来季は無理」の見解を示すなど、疑問を抱く部分も多い。「おかしな話もいっぱいあるんでね。(交渉の時間が)足りるかなあ、ほんまに」。古田会長はとことん話し合うつもりだ。

近鉄礒部選手会長
「自分で行き先を決めさせてくれと言いたい。みんなもそう思ってるし、個人的にもそうです。」

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根来コミッショナー、参入再来年なら

根来泰周コミッショナーが15日、来季からの新規参入は困難、とした上で「セ6球団パ5球団」で運営することを明言した。選手会側は「セ6パ6」を望む一方で、「さらなる合併」に危機感も募らせている。来季すぐに増やせないが、減らすこともない−という球界最高責任者の意向が、ストに傾く選手会の抑止力になるか注目される。

楽天がこの日、球界参入を検討したことなどを受け根来コミッショナーは「来季は無理だと思う。来年、交流試合をやってから」と語った。日程作製、営業面で各球団からタイムリミットの声が出ている。それを認識しての言葉だ。ただし「とにかく申請を出してもらわないと。事業計画は出して欲しい」と申請は受け付ける姿勢で、新規参入を否定した訳ではない。「大企業はなかなか来ない。(参入障壁を)落とさないと。IT産業?いいと思う」と再来年からの参入へ、野球協約改正に動く意向も示した。さらに、具体案にも言及し、新規参入に理解を示した。

根来コミッショナー
「協約には『(新参加)球団』と書いている。監督、選手をそろえなければいかんということ。それでは(新規参入は)無理ということになる。まず野球組織に入り、あなたのところの選手をちょうだいという形になる。アメリカはそれをやっている。エクスパンション(ドラフト)をやるとなったら、協力料のようなものを取ることもある。」

一方で、来季運営に対しては、あらためて「セ6パ5」の形態を示した。

根来コミッショナー
「(ダイエーは)産業再生機構に入ったとしても、解体はしないんじゃないか。僕はダイエーは大丈夫だと思う。仮にどうしても(球団保有できない)と言ったって、来年1年は辛抱してくれというしかない。」

タイムリミットもあり来季は「(パは)5より下は考えられない。5より下と言ったって間に合わない。もう(セ)6と(パ)5で交流試合しかないと僕は思う」と話した。

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オリックス、ストなら損害賠償を請求

オリックス小泉隆司球団社長が同選手会の幹部に対し、選手会がストを決行した場合には、球団として損害賠償を請求する方針を伝えていたことが15日、明らかになった。ストが決行された場合の対応は、セ・リーグの豊蔵会長が「各球団で事情が違う。それぞれで検討することになる」とし、各球団から選手会を相手に行うという見方を示していた。

オリックスは、宮内オーナーが8日のオーナー会議後も選手会のスト決行への動きを「合法ストではない」と厳しく批判。損害賠償請求の方針を選手会にいち早く伝えたのも、球団のストを認めない断固たる姿勢を示し、ストへの流れに歯止めをかける狙いと思われる。だが、選手会がスト決行に踏み切った場合でも、オリックス選手会も同調する姿勢に変わりはない。

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古田会長、徹底的に話し合う[スポニチ]

16日に都内で行われる協議・交渉委員会に向けて古田会長は「明日(16日)は時間が足りるかなあ、ホンマに」と徹底的に話し合う考えを示した。スト回避の焦点は選手会が求める近オ合併の1年凍結とともに、合併が避けられない場合において、新規参入によるパ6球団堅持の可能性を機構側に示してもらえるかどうか。古田会長は「新規参入については1年待つ気はない。全然間に合うじゃないですか。審査基準?向こうもよく知らないみたいですし、ないに等しいと思う」と12球団堅持以外に妥協案はないことを強調した。

16日の会議ではさらに労働条件として、オリックス、近鉄の選手の他球団への分配についての協議も行われる。機構側が示すプロテクト案についても「あんな制度は絶対駄目」と一蹴。「12球団にどう振り分けられるのか。ほとんど(の選手が)1年契約だし、そういう選手が全部いけるかが疑問」と選手の待遇に不利益が生じない制度とするまで徹底抗戦する考えだ。選手会からは古田会長をはじめ選手8人が出席予定。楽天の参入表明で、スト回避の可能性への影響も考えられるが、交渉難航が必至の状況に変わりはない。

◇経営者側は具体案提示

16日に行われる日本プロ野球組織(NPB)と労組・日本プロ野球選手会との労使協議では、経営者側が近鉄存続を前提に、交流試合を導入した場合の収支シミュレーションを選手会に提示する。また労使協議では、新規参入球団の加盟を促進するため新たに設けた預かり保証金を、1球団の選手総年俸分に近い約25億円とし、5年をめどに返還する具体策も提示する。また、労使協議直前の午前9時から12球団代表者会議が行われ、スト回避に向けた根来コミッショナーの見解がコミッショナー事務局を通じ示されるものと見られている。

さらに経営者側はこの日までに新規参入する企業などの資格を検討する「審査委員会(仮称)」の設置を内定。選手会側に提案するもよう。現時点で審査委の構成メンバー、人数等は未定。関係者は「審査委で参加基準などを検討してもらうことも1つの方法。現状の野球協約、内規やアグリーメントなどと照らし合わせて審査することになると思う」と話した。

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選手会に追い風、楽天プロ野球参入へ[スポニチ]

インターネット商店街を運営する楽天=本社東京都港区、三木谷浩史代表取締役会長兼社長が15日、プロ野球に新規参入する検討を開始した。新球団の母体となる会社を神戸市内に設立、専用球場、選手雇用などの概要が決定次第、日本プロ野球組織(NPB)に加盟申請する見込み。同社の参入に労組・日本プロ野球選手会の古田敦也会長も歓迎の姿勢を示した。

楽天はインターネットの仮想商店街「楽天市場」を経営し、業界トップを続けている。資本金は397億9100万円(04年3月31日現在)で、積極的な企業買収などで業容を急速に拡大。三木谷社長が経営する別会社が今年1月Jリーグのヴィッセル神戸を買収したことでも知られている。

この日、楽天広報部は「まだ具体的な内容は決まっていないが、参入について本格的に検討したい」と話した。本拠地は三木谷社長の出身地となる神戸市となる計画で、近く受け皿会社を設立する方針。本拠地球場はIT業界のライバルであるソフトバンクグループが今季中までの命名権を持つヤフーBBスタジアムとする方向で、今後関係各所と協議を進める。新球団の選手はオリックス、近鉄の合併球団から漏れた選手らを中心に集めることになりそうだ。

三木谷社長は8月19日の決算説明会でプロ野球への経営参加について「球団の経営が大変であろうこととそのための時間が取れない。(球団経営は)ありません」と否定した。しかし、球界再編の中、加盟料60億円、参加料30億円撤廃が確実となり方針転換。同社広報部は「(社長は)神戸に愛着があるし、Jリーグとともに野球も盛り上げたいという考えもあるのでは」と説明、今季ヴィッセル神戸でトルコ代表のイルハンと契約しブームを巻き起こした経営ノウハウを野球界にも生かしたい考えだ。

6月30日に新規参入を表明したライブドア社、将来的な参入に前向きな社会人チームのシダックスに続く、新規参入候補の出現は、12球団堅持を求める選手会にとっては朗報だ。古田会長は「新しい風が入るのはいいこと。(セ)6、(パ)8もあるんじゃないですか。すぐにでもやりたい企業はあるんだし、問題は日本プロ野球組織が本気で受け入れるかどうかでしょう」と話した。

野球協約では新たな参加資格の取得期限を11月30日と規定し、本拠地球場などの球団の形態が具体化していることを前提としている。他球団の保護地域で試合を行う場合はその球団の同意が必要としている。オリックス・小泉球団社長は「今後も大阪府および兵庫県の両地域を保護地域とすることが認められているので、楽天の両地域での実施は認められない」と強調している。楽天の越えるべきハードルは多く、今後の球界再編の動きとともに、動向から目が離せなくなった。

楽天
1997年に三木谷社長が設立したインターネット商店街の運営会社。同社が運営する楽天市場は、ネット商店街の分野でトップを続けている。積極的な買収戦略でも知られており、最近ではネット上の旅行予約サイト「旅の窓口」ネット専業の「DLJディレクトSFG証券」あおぞら銀行系の「あおぞらカード」などを矢継ぎ早に買収した。2004年6月中間連結決算は売上高が前年同期比約2.6倍の206億円、経常利益は約4.3倍の73億円で、それぞれ過去最高だった。

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“楽天参入”に堀江社長はノーコメント[スポニチ]

今月中の加盟申請を表明しているライブドア社の堀江貴文社長は、都内で行われたアイペットクラブ「うちの子健保」発表記念イベントに特別来賓として出席。イベント後は「今後の申請?話すときが来たらお話しします。シダックスとの連携?ありません」と話すにとどまった。新規参入の検討を表明したライバル会社の楽天についてはコメントを避けた。

◇久万オーナー「そりゃ嫌です」

阪神・久万オーナーは、大阪市内の阪神電鉄本社で新規参入を希望する楽天が神戸市に本拠地を置くことに断固拒否の姿勢を見せた。兵庫県は阪神とオリックス・近鉄の合併新球団の保護地域のため「野球にお入りになるのは結構。でもヨソで。正直に言うと。そりゃ嫌ですよ」とコメント。また「後から入っても難しい。球団経営の基準は年間200万人。それだけ集めるのにどれだけかかるか。サッカーとは違います。お分かりになっているのか」と球団経営の難しさを繰り返した。

◇神戸市は戸惑い気味…

ヤフーBBスタジアムを所有する神戸市は戸惑い気味だ。同市建設局公園砂防部は楽天側からのコンタクトはないとした上で「新規参入については、まだオーナー会議などで話し合われている段階なので驚いている」。神戸市側はこれまでも同スタジアムを訪れ、本拠地残留を請願しているだけに「オリックスさんに継続してお願いするというスタンスは代わらない」と話すにとどまった。

近鉄足高圭亮球団代表
「興味を持っていただいているということでしょう。ただ新規参入に向け、クリアしなければいけない部分はあると思う。やはりある程度のレベルがないとお客さんに見てもらえない。喜びや悔しさなど、感動の対価としてお金を払ってもらう訳ですから。」
ダイエー高橋広幸球団社長
「参入を積極的に検討されているということは好ましいと考えております。先般の協議・交渉委員会でも確認されている通り、新規参入球団の加盟促進は積極的に検討すべき事案です。ただ、参入にあたってはクリアすべき課題もあることから、申請された段階で野球協約にのっとって審議、検討したいと思います。」
広島松田オーナー
「新規参入の基準を緩めただけで名乗り出てくる企業があることは、野球界としては非常に喜ばしいことではないか。名乗り出る企業が多ければ、情熱や、やる気のある企業の選択肢が増える訳だから。」
ヤクルト多菊球団社長
「年間150億円ぐらい利益があって、100億円ぐらい余裕を持って動かせる金があればね。あとは急に駄目になることもあるから、何年も(経営を)続けられるかどうかでしょう。ただ、本拠地も決まらないとね。球場とか日程とかの問題もあるから、再来年からになるんじゃないかな。」
中日西川球団社長
「良いこと。世界的企業と認識されている企業、楽天が名乗りを上げたことで協約の改正もある。プロテクトに外れた選手をそっくりそのまま新しいチームに移してトレードをすればいい。セ6、パ6になっても交流戦をやればいい。」

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根来氏 新規参入「間に合わん!」[スポニチ]

根来泰周コミッショナーは15日、今年中の新規球団の参入は難しいとの見解を示した。新たに楽天がプロ野球参入を明らかにしたことに「とにかく申請を出してもらわないと。事業計画ぐらいは出してほしい」と申請を受け付ける姿勢を示しながらも「参入は(時間的に)難しいと思う。来季はセ・リーグ6、パ・リーグ5でやるしかないんやないか」と語った。

同コミッショナーはこれまでオリックス、近鉄に続く新たな合併について「日程編成とか事務方の作業を考えたら時間的に難しい」と話していた。「もう1つの合併は時間的に難しいといってきた。新規参入も同じ理屈。やはり来年は交流戦を入れた“6・5”しかないやろうと思う」と重ねて強調した。

新規参入となれば、審査等の事務的手続きに時間がかかる上、日程作成、公式戦、交流戦の試合数などを見直さなければならない。さらに新規球団が選手獲得のためのエクスパンションドラフトの開催を求めた場合には、野球協約の整備も必要となる。根来コミッショナーは「エクスパンションドラフトをやるならば、タダという訳にはいかない。他の球団は育てた選手を出す訳やから、協力金なども考えなければいかん」と新規球団には預かり保証金以外にも金銭的な負担を求めていく考えも明かした。

また、本社が産業再生機構活用問題を抱え球団存続の危機にあるダイエーについて「僕が聞いたところではダイエーは大丈夫だと思うよ。球団の赤字があっても少なくて宣伝費の範囲内。再生機構に入っても大丈夫やないかな」と独自の情報を元にダイエー本社の動向にかかわらず球団は存続、「パ5球団」は維持されるとの見通しを示した。

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楽天、プロ野球参入検討−J1神戸オーナーが名乗り[サンスポ]

インターネット商店街最大手の楽天が15日、プロ野球の球団経営への参入を検討していることを明らかにした。近く受け皿会社を設立、日本プロ野球組織(NPB)に加盟申請する方針で、本拠地は楽天・三木谷浩史社長の出身地の神戸市とし、ヤフーBBスタジアムに置く考え。ベンチャー企業最大手の参入に球界の一部では歓迎ムードもあるが、参入に向けて取り巻く周囲の状況は厳しく、先行きは不透明だ。

Jリーグ・ヴィッセル神戸を運営する楽天グループが、プロ野球界への新規参入を検討していることを明らかにした。

楽天グループ広報部はこの日、「プロ野球への新規参入検討を開始した段階」との声明を発表した。関係者によると、三木谷氏の出身地の神戸市に本拠地を置き、ヤフーBBスタジアムを専用球場とする構想。選手は近鉄、オリックスの合併球団のプロテクト(優先保有)から漏れた選手を雇用し、パ・リーグに参入する構えという。

「検討を始めたのは本当に最近。ここ数日です」と楽天側。新規参入に必要だった加盟料60億円が撤廃され、預かり保証金制度が導入されるなど、障壁が低くなったことも参入の意向を後押ししたようだ。その背景には、IT企業は実態が見えにくく、プロ野球の球団に参入することで知名度を高め、ネット商店街の顧客の裾野を広げる狙いがあるとみられる。三木谷社長の個人資産は推定2590億円とも言われ、金銭面では参入への障害はなさそうだ。

ただ、実現には問題が山積している。本拠地候補の神戸市は近鉄とオリックスの合併新球団の専用球場と定められており、兵庫県は阪神の保護地域でもある。本拠地を神戸に置きたいという意向は球界の現状を考えていない、ととられても仕方のないところ。また、選手についても支配下選手枠を増やすなど各球団がプロテクトから漏れた選手を受け入れる準備を進めている。NPB側は新規参入について、あくまで球団や専用球場を保有していることが前提との見解も示している。

この日、一部で歓迎の声はあがったが、球界にはベンチャー企業の参入に抵抗感がある。しかし、今日からの協議交渉委員会で選手会側から「新規参入の可能性はこれだけある」と声があがるのは必至。問題山積の一方で、審査委員会の設置プランなど新規参入のハードルは確実に低くなっている。楽天と球界の今後の動きが注目される。

三木谷浩史(みきたに・ひろし)
昭和40年3月11日、神戸市生まれ、38歳。明石高−一橋大商学部をへて、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。同行から米ハーバード大学経営大学院へ留学し、MBA(経営学修士課程)を取得。平成7年に退社し、クリムゾングループを設立。織田信長の「楽市楽座」にあやかって日本初の本格的インターネット商店街「楽天市場」を創業、同社代表取締役社長に就任。斬新なアイデアと実行力で国内IT経営者のリーダー的存在。大学時代まではテニス部で、趣味はゴルフ。個人資産は約2590億円とされる。
楽天
平成9年に三木谷浩史社長が設立したインターネット商店街の運営会社。同社が運営する楽天市場はネット商店街の分野でトップ。積極的な買収戦略でも知られており、最近ではネット上の旅行予約サイト「旅の窓口」、ネット専業の「DLJディレクトSFG証券」、あおぞら銀行系の「あおぞらカード」などを矢継ぎ早に買収した。今年6月の中間連結決算は売上高が前年同期比約2.6倍の206億円、経常利益は約4.3倍の73億円で、それぞれ過去最高だった。

◇J1神戸の運営会社の叶屋専務取締役「神戸が盛り上がることはいいこと」

「楽天」がメーンスポンサーを務めるJ1神戸の運営会社「クリムゾンフットボールクラブ」の叶屋宏一専務取締役はこの日、神戸市内で練習後の選手達に事情説明を行った。「神戸が盛り上がることはいいこと。我々に影響はないので普段通り頑張って欲しい」。三木谷社長の右腕として知られる同専務は「動揺している選手はいないと思うが、念のため説明した」と話した。

◇阪神・久万オーナーは不快感「よそでやってほしい」

阪神・久万俊二郎オーナーは「楽天」の神戸本拠地案に不快感を示した。「よそでやってほしい。うちの敵が増えるのだから反対する。ケンカになるよな」。兵庫県フランチャイズに関しては、阪神と重なるために断固反対。「同じテリトリーにたくさんあったらいかん。名古屋に行けばいい。あそこは1つ(1球団)しかないから。本社が東京なら、東京に行けばいい」とも提案した。

◇ライブドアの堀江貴文社長、“参入は当然”との見解示す

今月中に運営会社「株式会社ライブドア・ベースボール」の設立を目指すライブドアの堀江貴文社長が15日、サンケイスポーツの取材に“参入は当然”との見解を示した。「(楽天の)三木谷さんはプロ野球には興味がないって言ってたのに気が変わったんですかね。でも分かったんでしょう、プロ野球のうまみが。いいんじゃないですか(パ・リーグは)6球団でも、5球団でも」。ライブドアは16日に都内で記者会見を開く予定で「かなり具体的なところまでお話できると思います」と笑顔をみせた。

◇中日は歓迎ムード

中日は「楽天」の球界参入に歓迎ムード。伊藤球団代表は「ウチとしては6と6の2リーグが理想ですからね。しっかり審議すればいいんじゃないか」と話した。また、現時点でチームを持っていないことに関しては「登録するときにチームの形態であればいいのでは」と今後の動向を見守る。

巨人・桃井球団社長
「参入を検討する企業が増えるのは、野球界にはいいこと。野球界を見捨てない企業が出ている訳だから。(新規参入の)審査機関の設置も透明性を高めるためにはいい。」
広島・松田元オーナー
「新規参入の基準を緩めただけで、名乗り出てくる企業があるとは、野球界としては非常に喜ばしいことではないか。名乗りを上げる企業が増えるほど、情熱や、やる気のある企業の選択肢が増える訳だから。」
中日・西川順之助球団社長
「規制緩和の時代なのだから、楽天さんが名乗りを上げたのを機に、球界全体が新規参入について前向きに考えるべき。例えば協約を改正するとか…。中日はセ6・パ6が理想?当然です。」
阪神・野崎勝義球団社長
「新規参入という話はいい流れだと思う。兵庫をフランチャイズとすることについては、球団として慎重に検討する必要がある。」
ダイエー・王監督
「手を挙げる人が多いほどいいと思う。ただ70年の歴史がある訳だから、簡単に出たり入ったりはね。」
ダイエー・高橋広幸球団社長
「協議交渉委員会でも確認されている通り、新規参入球団の加盟促進は積極的に検討すべき事案。ただ、クリアすべき課題もある。申請された段階で野球協約にそって審議・検討したい。」
西武・星野好男代表
「まだ申請があった訳ではないから、今はわからない。」
日本ハム・小嶋武士オーナー代行
「新聞紙上で出た話なので、球団としてコメントすることはありません。」
オリックス・小泉隆司球団社長
「兵庫県はオリックスの保護地域であり、ヤフーBBスタジアムは現在専用球場。今後も大阪府および兵庫県の両地域を保護地域とすることが認められているので、楽天の両地域での(本拠地使用の)実施は認められないと思う。」
近鉄・足高圭亮球団代表
「新規参入に向け、クリアしなければいけない部分はあると思う。やはり(チームとして)ある程度のレベルがないとお客さんに見てもらえない。」
小池唯夫パ・リーグ会長
「申請があれば手続きはする。出てきた内容を見なければ何とも言えない。審査委員会で内容を精査して…。今はそれしか言えない。」

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大きな隔たり…経営側スト回避vs選手会強硬姿勢[サンスポ]

オリックスと近鉄の球団合併凍結などを話し合う、日本プロ野球組織(NPB)と労働組合・日本プロ野球選手会との労使交渉(協議交渉委員会)が16日から2日間、都内のホテルで再び開かれる。18、19、25、26日にストを構える選手会側の交渉期限は17日午後5時。合併凍結を受け入れられないNPBは新規参入の具体策を提示して落としどころを探る予定だが、選手会は強硬姿勢を崩しておらず、交渉は難航が予想される。

労使交渉第2ラウンドでのスト全面回避へむけ、経営側は焦点を新規参入要件の条件提示に絞りつつある。現状での落としどころは

(1)
預かり保証金の具体的金額
(2)
新規参入企業の審査機関の設置

だ。13日の実行委員会で、各球団は加盟料60億円などに代わる「預かり保証金制度」について内容を協議。金額は1球団あたりの選手総年俸に近い25億円前後とし、5年をめどに返還する具体策をまとめた。また「審査委員会(仮称)」設置は、8日のオーナー会議でヤクルト・堀オーナーが提案。10日の労使間の暫定合意事項中の「新規参入球団の加盟の促進を積極的に検討する」ための具体策にする。関係者は「審査委で参加基準などを検討してもらうことも1つの方法。現状の野球協約、内規やアグリーメントなどと照らして審査することになると思う」と説明した。

だが、選手会の要求とはまだ大きな隔たりがある。この日、楽天が新規参入を検討していることが判明したが、現状で加盟申請は1件もなされていない。選手会は先の合意事項での「積極的」の文言に、来季からの新規参入の可能性を見いだしているが、根来コミッショナーは「“もう1つの合併”も時間切れとなった。(新規参入も)時間的に見て、来季からは難しい」と否定的な見解を示した。

一方、選手会が「近鉄を残せる可能性」をかける来季のシミュレーションについては、近鉄がセ6パ5とセ6パ6で試算し、この日機構に提出。足高球団代表は交流試合の実施で収支が現在よりプラスになることを認めたが、増収は「2ケタにまでいかない」と現状で年間40億円の赤字が、なお30億円以上残ることを示唆した。新規参入の譲歩案を“落としどころ”にしたいNPB側だが、選手会は近鉄を残す前提のない点に強く反発している。交渉難航は避けられない情勢だ。

◇新たに参加する企業などの資格を検討する「審査委員会(仮称)」の設置を検討

日本プロ野球組織(NPB)が新たにNPBに参加する企業などの資格を検討する「審査委員会(仮称)」の設置を検討していることが15日、分かった。10日に労働組合・日本プロ野球選手会と暫定合意した「新規参入球団の加盟の促進を積極的に検討する」ための具体案で、16日と17日に開かれる労使協議(協議・交渉委員会)で選手会側に提案するもよう。現時点で審査委の構成メンバー、人数等は未定。関係者は「審査委で参加基準などを検討してもらうことも1つの方法。現状の野球協約、内規やアグリーメントなどと照らし合わせて審査することになると思う」と話した。

◇詳細に言及せず−ロッテ・瀬戸山球団代表

選手関係委員会委員長のロッテ・瀬戸山隆三球団代表は15日、協議交渉委員会を前に「(13日の)実行委員会で(発言に)釘をさされているので話はできません」と、シミュレーションなどについては口を閉ざした。また、今日の交渉に向けては「オリックスと近鉄が改めて(経営状況の)説明を行い、(選手会に)色々理解していただくことになるでしょう」と話すにとどまった。

◇現場に迷惑をかけるだけに、それなりの筋を通せ−阪神・岡田監督

阪神・岡田彰布監督が、現場を預かる指揮官として選手会側へ不満を漏らした。16、17日の団交のため、会長の今岡らがチームを離れるが、怒りはこの手続きに関して。「今岡が“抜けますから練習休みます”言うたきりや。でも、それは違うやろ。選手会から球団に連絡があってしかるべき。ましてシーズン中やぞ」。現場に迷惑をかけるだけに、それなりの筋を通せ、という訳だ。

◇古田会長「6・8も可能性ある」

労組・日本プロ野球選手会の古田敦也会長は15日、オリックスと近鉄の合併凍結を目指し、改めてストライキ決行も辞さない覚悟を示した。16日から行われる経営者側との協議・交渉委員会では「違法スト」と指摘されないよう、合併後に抱える選手の労働条件の問題点を訴える構え。またこの日、IT関連企業「楽天」が球団経営に参入する考えも明らかになり、古田は「新規参入はこれだけ出ている」と、経営者側を強く牽制した。

試合に備えて神宮球場に到着した古田は、協議交渉委員会に向けた選手会側の見解を口にした。「明日の労使協議(協議交渉委員会)では労働条件の話を(経営者側に)します」。

選手会側はこれまでの経営者側との交渉で、オリックスと近鉄の合併凍結や球団数が「6・6」と「6・5」になった場合の経営分析の見直しを求めていた。ところが今回の労使協議では、オリックスと近鉄の選手が合併後に想定される問題点を具体的に提示するという。

「選手というのは球団と任意契約している。近鉄がオリックスに営業譲渡されれば、プロテクトされた選手の中でも、(オリックスに)行きたくない選手はいるし、自由契約にして欲しい人もいるでしょう」と古田。選手会として労働条件で合意できないままの球団合併は認められない、つまりストは違法ではない−という経営者側への牽制だ。

スト決行に向けての布石とも取れる。通常のストは労働者の賃金アップや休日の数をめぐって行われるが、今回の選手会側の要求の中心は「合併阻止」。経営者側は「球団合併は経営権の問題」として、選手会側がストに踏み切った場合、「違法スト」で損害賠償を請求する構えでいるが、古田は「労働条件改善」が根底にあるため、違法ストには当たらない、とのアピールをする。

追い風も吹いてきた。この日、インターネット商店街最大手「楽天」が球団経営参入への意向を固めた。「悪い話じゃないよね。目に見えているだけで、新規参入はこれだけ出ている。6球団と5球団ではなく、可能性としては6と8もある気がする」。先週の協議交渉委員会後、合併凍結をめぐって解釈が大きく食い違っている現状に、あくまで12球団維持につながる交渉を行う姿勢だ。

◇近鉄・礒部選手会長も歓迎

近鉄の礒部選手会長は、千葉マリンスタジアムでIT関連企業の楽天が新規参入の検討を始めたことについて「喜ばしいことだと思います」と歓迎の意を表明。16日の協議交渉委員会については「問題はこっちが出していることを向こうが答えてくれるかどうかでしょう。労働条件なども話すことになると思います」と見通しを語った。

横浜・鈴木尚典選手会長
「今週は大事な話し合いになる。最悪のことも考えて準備はしている。三浦(前会長)も石井さん(元会長)も一緒に出てくれるといっている。機構側には引き延ばしでなく納得できるように話してもらい、しっかりとした答えが欲しい。」

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「楽天」新球団、プロ野球参入へ[報知]

日本最大のインターネット・ショッピングモール(商店街)を運営する楽天(三木谷浩史社長)が、プロ野球に新規参入する方向で検討していることが15日、分かった。同社長はクリムゾン・グループ社長として今年1月、Jリーグのヴィッセル神戸を買収した有言実行派。神戸に本拠地を置く球団の経営を目指して会社を設立、日本プロ野球組織(NPB)に加盟申請する方向だ。IT関連企業では、既にライブドア(堀江貴文社長)が球界参入に名乗り上げているが、ついに業界の“横綱”が本腰を上げる。

神戸を本拠地としたい楽天はホーム球場としてヤフーBBスタジアムに白羽の矢を立てる  事業拡大を続ける楽天が、球界再編成に一石を投じる。同社では「現時点では当該事案について検討を開始した段階」と言い「参入そのものの是非を含めた詳細について当社の機関決定等はなされておりません」と正式発表までは慎重な姿勢を崩さないが、順調にいけば、今月中に受け皿会社を設立し、NPBに加盟申請する方針だ。

これまで三木谷社長は球界進出を否定してきた。オリックス・近鉄の合併が表面化して以来、報道陣からプロ野球について聞かれることが多くなったが、7月には「プロ野球は難しい。ノリ(近鉄・中村)は年俸が5億円だし高過ぎる」と難色を示している。先月中旬の決算報告の席では「新規参入にはハードルが高いと聞いているので簡単にはいかないから、やらない」と話していたという。

それがここにきて急転換したのは、労組・日本プロ野球選手会が、NPBとの協議・交渉委員会で、新規参入加盟料の60億円の撤廃を求め、NPB側が大幅に譲歩し「新規参入球団の加盟を促進する」との合意文書を交わしたことが大きい。

楽天関係者は「Jリーグ進出の際も、最初は断り続けていたが、地元の神戸から要請されたため引き受けた。野球も神戸と切り離しては考えられない」と話す。さらに三木谷社長は「グリーンスタジアム(ヤフーBBの旧称)はどうなるの?」と、ライバル企業のソフトバンクグループが命名権を持つヤフーBBスタジアムに興味を持っており、あくまでも神戸での球団経営が理想だ。ソフトバンクの命名権は今年で契約が終わるが、本拠地については、オリックスと近鉄の合併球団が大阪ドームとともに、ダブルフランチャイズとして使用する予定で、障壁となりそうだ。

だが、総資産が2580億円とも言われ、資金力は、同業のライブドアの比ではなく、Jリーグから優良企業と認められた実績は、NPBの審査基準を軽くクリアしそうだ。約450万円と“格安”で入札したヴィッセル神戸だが、トルコ代表のイルハン獲得など話題を提供してきた。ただ、イルハンはたった3試合で帰国という結果に終わり、その後は話題作りに苦心している。知名度をさらに高め、ネットをさらに広げるために、プロ野球は最大のマーケットになりそうだ。

楽天
1997年に三木谷浩史社長が設立したインターネット商店街の運営会社。同社が運営する楽天市場は、ネット商店街の分野でトップを続けている。積極的な買収戦略でも知られており、最近ではネット上の旅行予約サイト「旅の窓口」、ネット専業の「DLJディレクトSFG証券」、あおぞら銀行系の「あおぞらカード」などを矢継ぎ早に買収した。2004年6月中間連結決算は売上高が前年同期比約2.6倍の206億円、経常利益は約4.3倍の73億円で、それぞれ過去最高。

◇古田会長楽天歓迎

選手会の古田会長は楽天がプロ野球界への参入を検討していることに、歓迎の意思を示した。選手会としては一貫して12球団の維持を訴えているだけに、「悪い話じゃない。細かいことは聞いていないが、ビジネスチャンスと思っているんじゃないですか」と話した。NPB内では、新規参入は再来年からとの見方が多いが、「(新規参入の機関設置を)急いでやらないといけないでしょう。これからたくさん(参入希望企業が)出てくるかもしれないから」と反発した。

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楽天・三木谷社長、個人資産620億円[報知]

◇世界若手番付20位、強気な経営戦略で巨大企業に

楽天を巨大企業に成長させた三木谷社長は1997年2月に会社(当時はエム・ディー・エム)を設立、今では推定個人資産は約620億円に及ぶ。米経済誌のフォーチュンが選んだ40歳以下の富豪番付で、20位(米国以外)にランクされた。1代で莫大な財産を築き上げた。

その手法は、同じ東京・六本木ヒルズに事業所を構えるライバル社「ライブドア」に通じる。ネット専業証券「DLJディレクトSFG証券」を300億円、宿泊予約サイト「マイトリップ・ネット(旅の窓口)」を320億円で買収し、次々に子会社化。強気な経営戦略で、今年6月の中間連結決算は73億円と過去最高を計上した。

「いろんなポジションの選手が、それぞれの役割を果たしている。これは経営にも、つながる部分がある」毎試合スタンドに陣取る三木谷氏は、団体競技の醍醐味を感じ始めた。そんな経営者が、日本で最もメジャーな団体競技・プロ野球に関心を持つのは当然の流れだった。

三木谷氏のもとには、バレーボール、バスケットボールの運営話が持ちかけられたことがある。「いろんなスポーツを楽しめるヨーロッパ型のクラブを目指したい」サッカー、野球だけにとどまらない。日本スポーツ界に革命を起こす壮大な夢をもっている。

三木谷浩史(みきたに・ひろし)
1965年3月11日、兵庫・神戸市生まれ。39歳。父の良一さん(神戸大名誉教授)の関係で、小学校時代にアメリカ暮らしを経験。明石高から一橋大商学部を卒業し、旧日本興業銀行に入行。その後、米・ハーバード大に留学。95年11月に興銀を退職、97年に株式会社エム・ディー・エム(現・楽天)を設立した。04年1月に民事再生法を申請したJ1神戸を落札、同クラブのオーナーに就任。イルハン獲得などで話題を振りまいた。家族は妻・晴子さんと1女。

◇堀江社長らと“六本木グループ”

プロ野球界への新規参入を検討する楽天の三木谷社長と、既に参入を表明している「ライブドア」の堀江貴文社長は、ともに東京・港区の六本木ヒルズに本拠を構えている。同ビルには、ほかに堀江社長と密接な関係を持つ孫正義氏が社長を務める「ソフトバンク」の関連企業「ヤフージャパン」の本社も置かれ、「サイバーエージェント」の藤田晋社長が居住するなどIT関連企業関係者が集う。こうしたベンチャー起業家らは“六本木グループ”と呼ばれ、定期的に会合も開いているといわれている。

昨年、ヤフーがオリックスの本拠地・グリーンスタジアム神戸の命名権を買い取り、今年は堀江社長が近鉄買収に動いた。三木谷社長のプロ野球界“参戦”宣言は、“六本木グループ”の他のメンバーから刺激を受けた動きとも考えられる。

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「野村シダックス」も強い意欲[報知]

シダックスの野村克也GM兼監督が15日、プロ参入へあらためて強い意欲を明かした。東京・調布市のグラウンドでの練習後、取材に応じた同監督は参入の実現に向け、志太勤会長へ継続して働きかける姿勢を強調した。

「志太会長は最近(プロ参入へ)興味を持ちつつある。私自身がプッシュしていけば、可能性はゼロじゃない」。13日の臨時実行委員会後、伊藤修・選手会担当顧問(中日参与)が新規参入球団について「野村監督のように社会人で実績を残していれば、審査も早いだろう」と発言。14日には志太会長とライブドア・堀江社長が初接触するなど、ここ数日シダックスのプロ参入へ向けた機運は高まりつつある。「投手を中心に救済選手の補強がどれだけできるか。外国人を加えれば、ある程度戦える戦力になる」と参入後の戦力検討も済ませている。楽天に対しても「名前は見たことある。何する会社なの?」と興味津々の表情だ。

一方、ライブドアの堀江社長はこの日、9月中を予定している加盟申請について「それは、まだ…」と言葉を濁し、シダックスとの提携については「ありません。昨日(志太会長と)会ったばかりですから」と否定した。様々な思いが飛び交う新規参入への動きは、これから本格化する。

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根来コミッショナー私見、来季の新規参入厳しい[報知]

根来泰周コミッショナーは、私見ながら来季の新規参入は厳しいとの認識を示した。NPBでは新規参入球団の加盟を促進する方針だが、参入の時期について「もう1つの合併が時間的に難しいのと同じで、新規参入も理屈的には同じ。来季は6(セ)・5(パ)でやるしかないのかな」とコミッショナー。野球協約上は11月30日が締め切りとされているが、伊藤修選手会担当顧問は今月29日の臨時オーナー会議をメドとしている。

また、野球協約第31条では「新たにこの組織に参加資格を取得しようとする球団は」と主語が球団になっていることから“非球団”で申請できるのかどうか解釈が分かれているが「申請を出してもらって見てみないとわからない。実体がないというところでも、どの球場を使うとか事業計画書ぐらいは出してもらわないといけない」と話した。

また実体がない企業が参入した場合、エクスパンション・ドラフトによる選手集めという方法があるが「育てた各球団から供出してもらうには、協力料が必要じゃないだろうか」との個人的見解を示した。

◇地域権問題「喧嘩になりますな」

阪神・久万俊二郎オーナーが、新規参入を検討している楽天にかみついた。この日、大阪・野田の電鉄本社で「正直に言って地域権が重なることは嫌。喧嘩になりますな」とコメントし、楽天側が、阪神と同じ兵庫県内にあるヤフーBBスタジアムを本拠地とする報道に触れ不快感を示した。

オリックスと近鉄の合併球団とともに、阪神も来季から兵庫県と大阪府を保護地域とすることがオーナー会議でも了承された。楽天が本拠地をヤフーBB球場とするなら、兵庫県は阪神と合併球団を加えた3球団となる。それだけに「同じテリトリーにたくさんの球団があってもいかん。名古屋のように1球団しかない場所もあるでしょうな」と同オーナーは訴えた。最後に「野球はサッカーとは違う。見て天国、やって(経営して)地獄です。本社が東京なら、東京でやればいい。社長が神戸出身?しゃあないヤツですな」と、最後まで再考を促していた。

◇ヤフーBB本拠地に強い不快感

オリックス・小泉隆司球団社長は、楽天が神戸市のヤフーBBを本拠とし、球団経営に参入する意向に、強い不快感を示した。広報を通じてコメントを発表した同社長は「兵庫県はオリックス・ブルーウェーブの保護地域であり、ヤフーBBスタジアムは現在専用球場です」と断った上で「今後も(合併球団は)大阪府及び兵庫県の両地域を保護地域とすることが認められております。両地域での実施は(オーナー会議で)認められないと思います」と、否定的な見解を強調。この日、球団側にも球場側にも、楽天からの連絡はなく、村山良雄球団常務も「仮定の話でコメントのしようがない」と、戸惑いの表情を浮かべた。

しかし、フロントとは対照的に、選手会は歓迎ムード。副会長を務める川越英隆投手は「球団が減るということは(選手の)枠が減るということ。球団が増えれば、野球関係で仕事につける人が増える訳ですから」と、期待を寄せていた。

◇参入歓迎「業種よりお金が大事」

ヤクルト・多菊善和球団社長は15日、楽天がプロ野球界への参入を検討していることについて、「業種よりもお金があるかどうかが大事」と受け入れる姿勢を見せた。多菊社長は球団経営に必要な資金の基準として、「自由に動かせるお金が100億円。年間150億円以上の純利益がないと苦しい」と私見を披露。ただ、専用グラウンドや選手などの実体がないことから、「日程調整ができなくなる。再来年の話だろう」とした。同じインターネット業界のライブドアには「資産はあっても、その大部分が固定されている」と難色を示した。また、根来コミッショナーがコミッショナー直属の諮問機関を作ろうとしていることについては、「(9月8日の)オーナー会議でうちの堀オーナーが提案しているからね。しごく当然のことで、賛成しました」と話した。

◇「野球界のためにはいい」

巨人の桃井恒和球団社長が15日、東京・神田錦町の球団本部で、楽天が球界参入を検討していることについて、「野球界のためには、いいんじゃないか。(球界を)見捨てないでいてくれるんだから」と球界の存続、発展のために歓迎の意向を示した。ただ、既に球界参入を表明、宙に浮いているライブドアとの比較を問われると「(正式に球界参入を)聞いてないので分からない」と具体的なコメントを控えた。また、渡辺恒雄前オーナーは都内のホテルで会食後、報道陣の前に姿を見せたが、質問には一切、無言だった。

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スト回避へNPBが打開案提示へ「審査委」設置[報知]

◇参入候補はライブドア、楽天、シダックス

日本プロ野球組織(NPB)と労組・プロ野球選手会との協議・交渉委員会が16、17日、東京都内のホテルで行われる。新規参入球団の加盟の促進を求めている選手会に対し、NPBは新規参入を希望する企業などの資格を検討する「審査委員会(仮称)」の設置を提案する模様。18日からのストライキ中止へ全力を尽くす。

スト回避へ向けて、NPBが選手会に「打開案」を提示する。新たに球界に参入しようとする企業などが現れた場合、その資格などを検討する「審査委員会」の設置を検討していることが、15日までに分かった。

球界への新規加盟・参加の促進を求めている選手会に対し、NPBは10日の協議・交渉委で新規参入球団の加盟の促進を積極的に検討すると返答。今回の「審査委員会」の設置は、その具体案の1つで、スト回避へ向けて少しでも選手会の要望に応えようとする狙いとみられる。

現時点で審査委を構成するメンバー、人数などは未定の状態だが、9月中の加盟申請を表明しているライブドア社に加えて、この日はインターネット商店街大手の楽天が球界参入検討を表明。今後も参入へ名乗りを上げる企業が出てくる可能性もあり、少しでも早く形態を整える必要性も出てきている。関係者の1人は「今からやらないと間に合わない。誰でも、という訳にはいかない。野球協約や内規、アグリーメントなどに照らし合わせていくことになる」と話した。

16日の協議・交渉委では、選手会が要求しているセ6、パ6とセ6、パ5で交流試合をした場合のシミュレーションを提示。交渉委前には、12球団の代表が集まって最後の詰めの協議をする。また、加盟料60億円、参加料30億円の撤廃し、新たに設けた預かり保証金制度についても、13日の実行委員会で挙がった25億円前後の額を預かり5年をめどに返還する案を提示し、落としどころを探る。「今後は延期はない。イエスかノー」と伊藤修・実行委選手会担当顧問(中日参与)は17日午後5時のリミットまで、誠意を示す考えだ。

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近鉄自由契約選手が新規球団移籍[報知]

◇「パ6」維持へ選手会が訴える

日本プロ野球選手会が16、17日のNPBとの協議交渉委員会で、自由契約選手が新規球団へ移籍してのパ・リーグ6球団維持を訴える可能性が出てきたことが15日、明らかになった。合併を不服とする近鉄選手が中心になって立ち上がるもので、ストライキの行方にも大きく影響を及ぼしそうだ。

僅かなスキを突いた奇襲攻撃だ。近・オリの合併で発生する余剰選手について、NPBは25人を合併球団がプロテクト。残りの選手を全球団がウエーバー方式で指名することで完全雇用を実現するとしている。だが、古田会長はこの日、「営業譲渡と言っても、選手は任意で球団と契約している。そういう人が全員新球団に行くのか」と疑問視。「自由契約を希望する選手も出てくる」と断言した。

合併に際し、近鉄の選手は一時的にオリックスへトレードされる。平常時なら野球協約第60条3項および78条で定める通り、選手がトレードを拒否した場合、資格停止選手となり、復帰するのは最後に所属していた球団に限られる。ただ、今回のケースでは近鉄は11月30日で消滅する。選手会内では「戻る球団がない場合は統一契約書に明記されていない」と資格停止処分にはならないと解釈。集団での自由契約を画策しているという。ある選手会幹部は「自由契約の話は出ると思う」と、協議交渉委員会で議題に上がることを明かした。新規球団の受け入れの代わりに、合併差し戻しを求めるケースも考えられる。近鉄、オリックスも選手雇用については細部まで詰めきれておらず、紛糾は必至。古田会長は「来年は6と8(球団)の可能性もある気がしている」と話しており、交渉の中身が注目される。

◇合併球団春季キャンプ、宮古島と高知

オリックス・近鉄合併球団が、発足元年となる来年の春季キャンプを沖縄・宮古島と、高知の2段階制で行う方針であることが15日、明らかになった。オリックスの宮古島、近鉄の日向の間で調整が続けられてきたが、オリックス・中村勝広GMは「宮古島が最適だと思っている。近鉄側とも話がついています」と明言。2段階キャンプも導入する意向で、第2次キャンプ地については明言を避けたが、ダイエー、西武が撤退して以降は、球場使用を無料化した高知県内が有力。

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