わたしはかもめ2004年鴎の便り(9月)

便

9月18日

バレンタイン監督、来季も続投[スポニチ]

ロッテのボビー・バレンタイン監督が来季も続投することが18日までに確実になった。14日に東京・西新宿のロッテ本社で重光オーナー代行や瀬戸山球団代表ら首脳陣が会談。ダイエーとの合併消滅による来季の球団単独保有が確認され、バレンタイン監督の続投も正式に決まった。

3年契約の2年目となる来季は続投が既定路線だったが、古巣メッツのハウ監督が解任。米現地紙では後任候補と報じられているが、バレンタイン監督は「向こうが勝手にリストに載せているだけ。間違いなく来季もロッテの監督をするつもり」と明言した。鹿児島・川内市で最終調整に入っている秋季キャンプ地決定に関しても指揮官の意向が働いている。今季全日程終了後に来季スタッフ編成の微調整に着手するが、その前にまずはプレーオフ進出を決めて第2次政権2年目へ弾みをつける。

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ベニー残留

◇たとえメジャーから高額オファー受けても

ロッテのベニー・アグバヤニ外野手が18日までに、来季残留への気持ちを固めた。この日、遠征先の神戸から帰京したベニーは「今年は、フロントも仲間もファンも、自分を大切に扱ってくれた。その分を返したい。マリーンズのために野球をやっていきたいんだ」と話した。たとえメジャーから高額オファーが舞い込んでも、ロッテ残留を最優先する考えだ。ここまで打率3割1分6厘、34本塁打、98打点とロッテ打線を引っ張るベニーは、プレーオフ進出への熱い思いも口にした。

ベニー
「プレーオフっていうのは、人生の中でも、すごくエキサイティングなことなんだ。1回経験すれば、それが忘れられなくなって、毎年出ようという気持ちが沸いてくるんだよ。」

メッツ時代の00年、ワイルドカードからワールドシリーズに進出したことを引き合いに出しながら力説した。瀬戸山球団代表も「彼はいい打者だし、もちろん残留の方向で考えています」と話す頼りになる主砲。スト決行のため、残りはわずか2試合。ベニーは、その20、21日の西武戦で、プレーオフ出場権を勝ち取るべく、大暴れする。

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プロ野球の灯を消すな

プロ野球は18日、史上初のストライキに突入した。ストは19日も行われ、2日間でセ、パ両リーグでフルカードの計12試合が中止となった。近鉄とオリックスの合併合意に端を発した選手会と経営者側の交渉は、新規参入の時期などをめぐり決裂。せめてセ6、パ6の健全な形態維持へ「最大限の努力」を求めた選手会の主張を、経営者側は受け入れなかった。22日にも労使交渉は再開される見込みだが、25、26日にも設定されるストを回避できるメドは立っていない。ペナントレース終盤の週末。プロ野球70年の歴史で、ついに、プレーボールのかからない日が訪れた。

◇王監督「来季参入は無理」

ダイエー王監督が、労使間での最大の争点となっている新規球団の参入について持論を展開。「新規球団参入は来季からとなると日程的に難しいし(参入企業は)どういうところでもいいとなっても、ちょっとね」と選手会側の意見に否定的な見解を示唆した。ライブドアが既に参加申請し、楽天も新規参入を表明するなど門戸が広がったことには一定の理解を示しつつも「指導者の体制とか(選手の)補強もしっかりしないといけない。それにチームが強くないとね」と、時間がかかることを強調していた。

18日は選手達だけの自主練習。王監督は午後の飛行機で、東京の自宅に戻った。先行き不透明な労使交渉には「雇用の枠は(世の中を見ても)伸びたり縮んだりしているのに、選手会があんまり今の枠を絶対譲れないということになっても、おかしなことになる」と一般社会の現状も引き合いに出した話した。

◇阪神野崎社長、古田に同情します

阪神野崎球団社長が18日、古田選手会長に同情の念を表した。「会長だといっても、全て1人で決められる訳ではない。かわいそうや、と思った。すごい人材だ」と経営者側では異例の発言をした。同社長は来季からの新規参入に賛成で、選手会の主張に近い立場にある。「私の意見だと、明日でも(新規参入の)会議ができる。ニュアンスの違いだけでストに突入したのは、もったいない」と振り返った。

◇中日オーナー、特定球団を非難

中日白井文吾オーナーと球団幹部が18日、名古屋市の球団事務所でトップ会談を行い、ストに対する今後の対応などを確認した。スト決行を招いたとみられる一部球団の強硬姿勢を疑問視する話題も出たようで、同オーナーは「信頼性がなくなりと、ちょっとした言葉のやりとりで行き違いが生じて大変なことになる」と語った。ドル箱カードの巨人戦2試合が消滅した怒りも大きい。西川社長は「パは1リーグありきが続いているんじゃないかな。6球団に増やしたら4にするのが難しいと言う考え方でしょう」と批判した。球団としては選手会への損害賠償請求、ロックアウトを行わない方針。ただ優勝の消滅だけは絶対阻止の構えだ。同社長は「今季を無効にするなら個人記録も全て無効になる。(巨人清原の)2000本安打とかありましたよね」と21日セ・リーグ理事会を前に牽制した。

◇広島は賠償など検討

選手会のスト決行に対する損害賠償に関して、広島松田オーナーは「(損害額などの)検証はしないといけない」と話した。ただ、実際に賠償請求を行うかどうかについては「球団によって(損害額が)違うだろうし、12球団でどうするかということになる」と、他球団との調整の必要性を示唆。スト決行1日につき、選手年俸の300分の1をカットすることには「実施せざるをえない」とした。

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スト初日!!巨人ドタバタ劇

◇費用は球団負担

ナゴヤドームで首位攻防戦に臨むはずだった巨人ナインは18日、球団側のロックアウトの対応に際し、ドタバタの1日を過ごした。前日17日夜、協議交渉委員会の終了をもってロックアウトの措置を取るという通達がなされた。都内で労使交渉に出席した選手会長の高橋由と同副会長の仁志には、フロントから電話で連絡が入った。広島から名古屋に移動していたナインには、宿舎の各部屋のドアの下に書面が差し込まれた。ナインは、移動や用具など、全て自前で対応するつもりで、この日朝を迎えた。ストを実感する目覚めだった。

ところが、球団側の対応が二転三転する。この日朝、ロックアウトが解除された。午前9時40分の段階で、午後4時前からのナゴヤドームでの自主練習に堀内監督以下、首脳陣も参加する予定となった。試合はないが、通常の練習風景が目に浮かんだ。

しかし、またも自体は動く。正午前、清武球団代表が都内から駆けつけ、スト突入の経過をナインに説明。その後、今度は監督、コーチの不参加が正式に決まった。同代表は「我々は『ロックアウト』という言葉を使っていない」と、ロックアウト行使を認めなかったが「(ストは)初めてのことなんで」と、対応に苦慮したことを明かした。

結局、練習は選手と球団スタッフだけで行われ、一方でナゴヤドームへの移動バスや宿泊費、ユニホームなどは、通常の遠征と同様に全て球団が負担した。

◇2軍でも戸惑い

また、2軍選手も“慣れない”1日のスタートだった。午前9時から川崎氏の選手寮に待機。同10時になると、寮の館内放送で「(ロックアウト)解除です」のアナウンスが響き、25選手はジャイアンツ球場での練習へ向った。プロ野球70年で、誰もが初めてのスト決行日。慣れたくないことだけは、確かだった。

◇中日ナイン複雑…球場使用料払い自主練習

5年ぶり優勝が目前の中日ナインは18日、正午すぎからナゴヤドームで選手だけの自主練習を行った。球場使用料を選手会が負担するなど、選手は複雑な思いを胸に約2時間汗を流した。本来なら優勝マジック点灯をかけた巨人3連戦だっただけに、選手会副会長の立浪は「こういうことで騒ぎにならず、優勝争いが注目されればよかったんですが…。ファンの方には申し訳ないですけど、なくなった球団のファンの方がもっと寂しい思いをしますから」と苦渋の決断に対して理解を求めた。井端会長も「20年後、30年後のプロ野球を考えたら仕方ない。(スト中は)公共の場へは行かないように、良識ある行動を、とみんなに伝えました」と話した。優勝カウントダウンは、日本シリーズの行方も不透明のまま始まる。帰路につくナインの表情は、最後まで晴れなかった。

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初めての異常な週末

◇日本ハム・札幌ドームでサイン会

札幌市の室内練習場で練習した日本ハムの選手達が、小笠原選手会長を筆頭に300人を超えるファンに即席サイン会を開いた。小笠原は「心が痛い部分がある」とファンへ謝罪。逆に多くのファンの激励を受け「ありがたい。力になるものをもらいました」と感謝した。またヒルマン監督はJR札幌駅でサイン会を行った。

◇近鉄・帰阪にファンお出迎え

近鉄はこの日、遠征先札幌から帰阪したが、伊丹空港では大勢のファンが出迎えた。中村はファンとの記念撮影に気軽に応じた。1、2軍選手達が19日、藤井寺で臨時サイン会を開く。午前11時から室内練習場で自主練習をした後に「午後1時から全出席者が2グループに分かれ、時間交代でサイン会を行います」と礒部選手会長は説明。

◇オリックス・神戸室内でナイン練習

オリックス中村勝広GMが18日、ヤフーBBスタジアムで、来季監督選びがシーズン終了後にずれ込む見込みを語った。小泉球団社長と話し合った後に「スト問題の決着を見ないと方針の立てようがないし、動きようがない」とコメントした。今シーズン終了までに監督を決めたい意向を示していたが「日程先送り?そうなるだろう」と話していた。

◇ロッテ・新幹線で神戸から帰京

ストのため、選手会長の小坂らロッテナインは、新幹線で遠征先神戸から帰京した。小坂は「試合ができないのは残念で、ファンに申し訳ないというのはあります」と、いたたまれない表情を見せながらも「これは決まったことですから」と12球団選手会の一致団結ぶりを強調した。

◇ダイエー・Tシャツ姿で2時間汗

スト決行に伴いダイエーはこの日、午後2時から福岡ドームで選手だけの練習を行った。全選手が短パンにTシャツ姿で約2時間、汗を流した。20日から日本ハム戦(札幌ドーム)を控えている。城島は「監督にも、しっかりやっておけと言われましたからね」と、練習に取り組んでいた。

◇西武・福岡から戻り19日は練習

西武の1軍ナインは遠征先福岡から帰京した。選手会長の和田は19日午前11時から西武第2球場で1、2軍合同で練習することを説明。17日ダイエー戦に先発した松坂は「(違和感のあった)足の方がちょっと。プレーオフがありますから」と話し、今月中の残り3戦は登板しない可能性が高くなった。

◇ヤクルト・神宮室内で1時間練習

ヤクルト1軍は午後1時から神宮室内練習場で、約1時間の自主練習を行った。午前には真中選手会長が埼玉県戸田市の合宿所で2軍選手に説明会を開催。真中は「2軍には連絡が遅れがちだから、とあらためて説明しました。『いつまで続くのか』などの質問がありましたけど、いつまで続くかは…」と2軍選手の不安に心を痛めていた。

◇阪神・球団も協力し自主練習

阪神は神宮室内練習場で練習を行った。選手会長の今岡は「本業の野球で頑張るのが僕達の務め」と語り、試合を再開する20日以降に向けて調整した。岡田監督以下、首脳陣は不在。ジャージー、Tシャツといった姿で練習した。球団側も協力態勢を取り、打撃投手、ブルペン捕手、トレーナーらも練習をサポート。宿舎と練習場の移動も、バスなどを用意した。各選手は夜間の外出を食事程度にとどめるなどした。

◇中日・コーチ不在で自主練習

ナゴヤドームで行われた中日の練習に監督、コーチは不参加。落合監督は午後の新幹線で東京の自宅に帰り、信子夫人の60歳の誕生日を祝った。「我々が球場に行くことで何か波紋が起こる」と、事態を憂慮しての練習不参加と説明。ただ、ストに発展したことについては「時間がないっていうけど、やりようはいくらでもある。赤字というだけで合併するというのなら、何で減らす努力をしないんだ」と経営側に注文を出した。

◇巨人・スタッフで練習

東京・神田の巨人球団事務所では、多くの職員が休日返上で対応に負われた。スト関連では電話、ファクス合わせて33件の問い合わせがあり、日程の確認から「せっかく楽しみにしていたのに」という批判的な意見まであった。職員は通常の土曜日よりも10人ほど多くが出勤。職員の1人は「こんな対応は我々も初めてなので」と困惑気味だった。

巨人清武代表が、選手会の古田会長との退団を希望した。「スト収拾のために全力を傾ける」ことが急務と話し、12球団の代表らとも「本当は今日も話し合いたい」と、スト突入を厳粛に受け止めていた。また「古田君とも話し合いたい」と対話の実現を希望した。前オーナーの「たかが…」発言から180度の逆転。何とも皮肉な事態となった。

◇横浜・広島選手と合同サイン会

横浜ナインは横浜スタジアムでの練習後、正面入り口で広島と合同サイン会を行った。横浜は外国人選手を除いた1、2軍選手、広島は外国人を除いた1軍選手が参加。約1000人が集まり、5分で各200枚用意した色紙はなくなった。鈴木尚選手会長は「こんなに集まるとは」と驚きの表情。30分の予定が、1時間オーバーしてファンに応えた。

◇広島・洗濯、交通費は選手負担

横浜遠征中の広島は、宿泊費と食事代は普段通り球団が負担するが、ユニホームの洗濯代、宿舎から球場までのバス代などについては選手会負担となった。横浜伊勢佐木町の宿舎ホテルから球場や約1キロと近いため徒歩で移動。練習も短パン、Tシャツ姿が多かった。球場使用料も選手会負担で後日請求される。また選手は夜間の外出を自粛した。

◇銀座で選手会イベント

プロ野球選手会は19日、東京・銀座の「ヤマハホール」でファニベント(午後2時30分開場)を開催する。「みんな野球が好きなんだ」をテーマにトークショー的な内容で、古田会長ら各球団から2軍選手を含む約45人が駆けつける。松原事務局長は「野球を見ることができなくなったファンのために、何とかしてあげたかった」と話し、選手とふれあいの場を提供することになった。

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次回団交は22日、23日に予定

選手会と経営者側の次回労使協議(協議交渉委員会)は22、23の両日に名古屋開催で調整に入っていることが18日、明らかになった。ここ2回の労使協議は木、金曜開催で行ってきたが、次回金曜の24日はヤクルトが名古屋から広島への移動ナイターを予定する。古田会長の出席が難しいため、選手会は金曜開催を避けたい意向だ。

史上初のストに突入したこの日、選手会の松原徹事務局長は都内の事務所で19日予定するイベント準備に追われた。反響が大きく、事務所の電話は1日中鳴りっぱなし。スト支持の声が多いことには「ありがたいです。1番驚いているのは、機構側の方でしょう」と勇気づけられた様子だ。経営者側からは次回交渉前に事務折衝を持ち掛けられている。「会議だけダラダラ長くやっても仕方ない。事務方の方で、どこで落としどころを見つけるかになる」と話した。

◇休日出勤

コミッショナー事務局、セパ両連盟には休日返上で事務局員が集まり、スト突入の対応に負われた。コミッショナー事務局には根来コミッショナーも午前から出勤して対策を話し合い、正午すぎにはセの大越事務局長、また選手会担当の伊藤修顧問も姿を見せた。大越事務局長は「21日には実行委員会がありますし、その審議時効も含めて話し合いました」と語った。19日も事務所を開くことにしている。

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野村シダックス、仙台いってもいい、野間口ださない

選手会のスト決行で新規参入問題がクローズアップされる中、来季からの参入を前向きに検討している社会人野球の強豪・シダックスの野村克也GM兼監督が18日、エースのチーム残留の可能性を示した。エース野間口貴彦(関西創価)は自由獲得枠での巨人入りが内定しているが、野村監督は、来季からプロ参入した場合は「まだサインした訳じゃない。チーム事情が変わればしょうがないだろう」と語った。また、アテネ五輪金メダルのキューバから選手補強するプランも明かした。

野村監督の表情は真剣そのものだった。「プロに参入した場合、野間口は出さないよ。まだ(球団と)サインしてないんだから。野間口レベルの投手は集められないからな」と、真顔で口を開いた。

前日にシダックス志太勤会長が、ライブドアと楽天が日本プロ野球組織から加盟申請を却下され、プロ側から要請があればとの条件つきながら、来季からのプロ参入へ前向きな姿勢を示した。それを受けて、GMも兼務する野村監督の青写真も、より具体的になった。「こちらのチーム事情が変われば(野間口残留は)しょうがないだろう。そうなれば本人を説得するよ」と話した。

この発言に最も驚いたのは野間口本人だろう。練習後に伝え聞くと、困惑した表情で「ノーコメントです」と話すにとどまった。既に本人の気持ちは巨人入りで固まっており、仮にプロ参入−残留要請となった場合でも、慰留は難しいものとみられる。

だが、かねがね「野球はピッチャー」と話している野村監督。プロと互角に渡り合うには、まず投手の補強が最重要ポイントとみているようだ。また、野手については「キューバから5人くらい連れてきて、調子がいい選手を使えばいい」。シダックスは94年からキューバ選手を受け入れている。その太いパイプを生かし、アテネ五輪金メダル軍団の補強も視野に入れている。

球界再編の見通しは立っていないが、野村構想は広がるばかりだ。本拠地について「ライブドアが日本プロ野球組織に加盟申請を却下された場合は、シダックスが仙台に行ってもいいと思う」と私見を披露。宮城球場は南海とロッテ時代にプレーした思い出もある。「あそこはナイターが始まる夕方は強風だが、試合終了のころはやむんだよ。打者の右、左、投手の配球にも影響が出てくる」。どこまでも、やる気満々に話した。

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著名な法律家の“根来文書”の存在

ストを決断した選手会と新規参入に抵抗した経営者側に、現段階で歩み寄りの余地はない。経営者側の強硬な姿勢の背景には、根来コミッショナーから各球団に配布された“根来文書”の存在があった。極秘扱いとされたコミッショナーからの「統合、1リーグ制等についての意見」に、こうある。

「統合、合併反対を強調する余り、スト権の行使を言う者もなくはないが、よく考えて発言していただきたい。選手は労働者の一面を持つことを否定するものではないが、事業者の側面が強い上に経営問題についてのストなどは「違法」であるのみならずその間の選手の報酬の補填を誰がするのか、億の報酬を受けている選手には巨額の補填が必要であろうし、年収数百万円の余裕のない選手にとっては雇傭確保の方が重要だろう」(抜粋)

文書の中で根来コミッショナーは、スト権行使に関して「違法」であると断定している。同コミッショナーは法務事務次官、東京高検検事長、公正取引委員長などを歴任して2月、現職に就いた。経営者側が選手会に損害賠償を求める動きを示す裏には、プロ野球界最高責任者の“後ろ盾”があった。しかも同コミッショナーは、選手会の仮処分申請を却下した際に東京高裁が「著名な法律家」と触れたほどの人物である。

根来コミッショナーは「権限がない」と言っては指導力発揮に消極的な態度を見せながら、17日労使協議で新規加入球団審査委員会、プロ野球有識者会議(いずれも仮称)の設置、加盟料の見直しを進退をかけて提案するなど、近年のコミッショナーと比較すれば「動く」姿勢は示した一面もある。近鉄とオリックスの合併で、選手や職員のことも心配した。しかし、同コミッショナーの立つ位置が、透けてしまったシーンがある。東京地裁が3日、選手会が近鉄とオリックスの合併差し止めなどを求めた仮処分申請に却下の決定を下した時だった。「一般的に『勝訴』でしょう」と語った。この発言は選手の間で不評だった。17日の提案を、選手会が不信感を持って受け止めても仕方なかった。そして、労使交渉が決裂しストが決まると、辞意を表明した。先の提案も実現しないまま辞めては、潔さより、無責任との印象が強く残るに違いない。

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29日にもコミッショナー辞任

根来泰周コミッショナーは18日、ストライキに突入したことを受けて事態打開は難しい状況にあるとの見方を示した。経営者側が1つにまとまらない現状を「民主主義は難しい。みんなの意見を最大限に取り入れないといけない」と語った。選手会の要求については「これか、あれしかない」と評し「双方むき出しで、OBなども仲介役がいなかった」とも話した。

ストを回避しようと自ら作成した3項目の提案を労使双方に示したことについては「管理、経営権の侵害に当たる。人の領域に踏み込んで、自分だけ血を流さない、という訳にはいかない」と、あらためて辞任する意思を語った。29日に予定される臨時オーナー会議をめどに退任することになりそうだ。それでも、提案事項の「プロ野球有識者会議(仮称)」が設置された場合には「有識者を集めろといわれれば走り回る」と協力を惜しまない姿勢をみせた。

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楽天、合併新球団を批判

球界参入を表明しているインターネット商店街最大手「楽天」の三木谷浩史社長が18日、オリックスと近鉄の合併新球団が採用する神戸、大阪のダブルフランチャイズ制を痛烈に批判した。ヤフーBBが本拠地第1候補だけに「後にどちらかに決めるのであればハッキリ申し上げて(猶予期間の)3年待たずに、今決めりゃいいじゃねえかと。捨てられたファン、地方公共団体はどうなってしまうのか」と切り捨てた。

また同社長は第2候補として大阪を考えていることも明かし「巨人、阪神以外は地域密着型のビジネス展開が必要になる。(神戸か大阪か)どっちかに寄っていただいて現実を直視してやっていただければ」と語った。複数の地方公共団体から誘いがあり、最悪の場合は「断腸の思いで第3の選択肢になる」という。スト突入には「まだ9月ですから。なぜ間に合わないのか、全くもってして分からない。むしろ時間があり過ぎる」と時間不足を理由にした機構側に反論した。

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ライブドア、アマからオファー

16日に日本プロ野球組織(NPB)へ参加申請したライブドア堀江貴文社長は18日、新規参入は再来年から−というNPBの考えに、あらためて疑問を呈した。「再来年よりもとりあえずは来年を感Gなえている。金曜(17日)のテレビを見ると各球団で意見がバラバラだった。コミッショナーも投げちゃった(辞意表明)し。参入して損する人はいないはずなのに、なぜ拒むのでしょうね」と語った。選手についても「社会人や独立リーグで活躍する選手からのオファーもある」と明かした上で「マネジメント会社に登録している選手はいる。そういった会社を通し、アプローチもしている」と、独自ルートでチームづくりへの手応えを感じている様子だった。

この日は、馬主である競走馬ホリエモンの応援のため中山競馬場へ。5R新馬戦に出走した愛馬は10着に敗れたが「競走馬のオーナーになるには、収入などの基準がしっかりしていますからね。参入する時にも東京馬主協会からは歓迎されましたから」と、皮肉を込めて話した。

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スト代替試合は消滅へ

◇21日実行委で決定へ、順位・成績に影響も

スト決行で行われなくなった試合の扱いについて、セパ両リーグは18日までに代替試合を行わない方針を決め、21日の実行委員会で最終決定することにした。選手会担当の伊藤修顧問は18日、代替試合は行わない方向で「(実行委で)はっきりさせないといけないでしょう」と話した。機構側弁護士によると「球団側から選手会に代替試合の要求はできない。ただ選手がやりましょうとなれば可能」という。

パではダイエーがレギュラーシーズンの1位までマジック1とした時点でストに突入した。20日の日本ハム戦に勝つか、西武がロッテに敗れれば1位が決まるが、決まらなかった場合、21日の実行委員会で「代替試合なし」が確認された時点で1位が決まる。パでは23日の日本ハム戦で表彰を行うことにしている。

代替試合を行わない場合優勝はもちろん個人記録の扱いの問題もある。伊藤顧問は「メジャーを参考にすることもある」と話した。中止試合を引いた試合数で順位や個人記録を決定することになりそうだ。

日本ハム小嶋オーナー代行
「代替試合は、やらない方向できているが、しっかりと決めなければいけない。21日の実行委員会などで?早く決めないといけないからね。」

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次回の話し合いは22日から再開へ[スポニチ]

日本プロ野球選手会の松原徹事務局長が18日、次回の協議・交渉委員会を22日から再開する見通しを語った。「21日の実行委員会の後に話し合うことになると思う」と話したもの。この日は機構側との連絡は行わず、日程調整はされなかったが、22、23の両日で話し合いが行われることになりそうだ。

松原事務局長はスト回避の妥協点について「“来年以降”でなく“来年に”としてもらえるかどうか。こちらの考えは変わらない」と語った。前日の協議・交渉委員会で決裂した「来季に向けて新球団の参入を最大限努力する」の文言を合意文書に入れることを引き続き求める考え。機構側からの歩み寄りが唯一の妥協点となりそうだ。

巨人・清武球団代表が古田会長との直接会談を望んでいることにも、前日の協議・交渉委で「(機構側は)12球団の意見にズレがあった」(松原事務局長)ことから、12球団の総意として回答を求める選手会が、機構側との個別の面談には難色を示すのは必至だ。

◇清武球団代表、古田会長と直談判も

巨人・清武英利球団代表は19日、スト回避に向けて選手会・古田会長に直接会談を求める考えを示した。遠征先の名古屋市内で労使交渉について触れ「ぜひ(ストに突入した事態を)収拾したい。必要があれば古田会長と直接話をしないといけない」と訴えた。

次回の協議・交渉委員会は22、23日に古田の遠征先・名古屋で開催を調整中。選手会側は「持ってくるもの(譲歩)がなければ無理」と否定的だが、機構側は対話を重ねて打開を図るしかない。

焦点は新規参入の時期を「05年から」とするか「以降」とするか。清武代表は「昨日と同じ条件ではいけない。僕としては05年から増えてもいい。内容で審査すればいいこと」と譲歩を示唆。中日・伊藤修選手会担当顧問も「古田君が話すのなら名古屋でも天竺でも行きます」と悲愴感を漂わせた。スト決行の中、機構側も歩み寄りの道を探っている。

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根来コミッショナー「9月末には辞める」[スポニチ]

スト突入で辞任の意向を示している根来泰周コミッショナーは18日「9月末には辞めようと思っている。私は実行委員会とオーナー会議で選任されているから、きちんと伝えますよ」と21日の実行委と29日の臨時オーナー会議で正式辞任することを明らかにした。辞任の理由について、協議・交渉委員会に示した自らの3提案が「(球団の)管理経営権の侵害にあたる。人の領域に踏み込んで自分だけ血を流さない訳にはいかない」と説明した。提案にある有識者会議については「集めろといわれれば、走り回るつもり」と辞任後も協力するという。

在任僅か7ヶ月での辞任。球界の混乱の原因を「1つは理屈でやりきれないこと。2番目は(合併問題などでの)近鉄の情報管理の甘さ。1リーグ論が先行して議論がおかしくなったこと」と指摘した。進退をかけての提案が実らず、最悪の事態を招いたことに「ストはやってはいけない。禁じ手だから。古田君が涙を流せば“頑張れ”といわれるが、私が流しても笑われるだけだろう」と無念さを隠しきれなかった。

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堀江社長「コミッショナーは逃げた」[スポニチ]

新規参入を目指すライブドアの堀江貴文社長が19日、愛馬ホリエモンの新馬戦を観戦するため中山競馬場を訪れ、スト決行の責任を取って辞任した根来泰周コミッショナーを痛烈に批判。その上で来年からのプロ野球参入に並々ならぬ自信を見せた。

「コミッショナーは逃げちゃいましたね」。スト決定の直後に辞意を表明したことを“敵前逃亡”と指摘し、早期の新規参入に難色を示す機構側についても「馬主会に入るときは“若い人が入るのは活性化につながる”と歓迎されたのに、野球界はそうはいかない。(新しい人間を)入れたくないんじゃないですか」と皮肉った。

16日に新球団設立の申請書をコミッショナー事務局に提出したが、その後の連絡は現時点で何も入っていない。この日朝に出演したフジテレビ「めざましどようび」の中では「審査機関がないのは協約違反じゃないかと思う。“今からつくるから待ってくれ”と言うのは勝手な理屈だ」と不満をぶちまけた。

現在、堀江社長のもとには社会人や米・独立リーグの選手から新球団に対する問い合わせも入っており「100%駄目になった訳ではないから引き続き頑張る。9月中には監督も決めたい。申請を取り下げる気はありません」ときっぱり。仕事の調整次第では今週中にも本拠地となる仙台で各関係者と話し合いを行う予定で、ライブドアは可能性を信じて参入の準備を整えていく。

◇21日からライブドア審査

実行委員会の伊藤・選手会担当顧問は21日に開かれる実行委員会でライブドア社から提出されている新規参入申請の審査を始めることを明らかにした。野球協約では実行委、オーナー会議は申請を受理した日から30日以内に審査の結果を申請球団に伝えなければならない。「30日以内となっているから。(申請の)扱い方なんかの話をしなければいけない。各球団が申請書類を持ち帰って(検討して)いる」と伊藤顧問。機構側は審査は「誠意を持ってやる」と確約しており、審査期限が切れる10月15日まで審査が重ねられる。

◇三木谷社長、神戸か大阪の明渡し求める

プロ野球に新規参入を目指すインターネット商店街最大手・楽天の三木谷浩史社長は18日、神戸で経営に参画しているJリーグの神戸とG大阪の試合を観戦。オリックスと近鉄の合併球団がダブルフランチャイズを考えている神戸か大阪の明け渡しを求めた。

同社は来週中にも加盟申請を予定しているが、本拠地の第1候補は同社長の出身地である神戸。だが、合併球団が3年間限定で神戸と大阪の両方を本拠地とする方針のため「どちらかに決めるのなら3年待たず、今決めりゃいいじゃねえかと思う。大阪と神戸では文化圏も経済圏も違う。全国区の巨人、阪神以外は地元定着型のビジネス展開が必要」と力説。また、来季からの参入にも「まだ9月。時間はありすぎるぐらい」と言い切った。

◇実はもう1つ…個人で参入申請?

根来コミッショナーは新規球団参入申請の話題を振られると「ライブドアもあったけど、もう1つ個人からのもあったんや」とびっくり発言。実は、ライブドアの申請と時を同じくして、コミッショナー事務局にある男性から“申請書”が送られてきた。内容は便せん1枚に「私もプロ野球球団を持ちたい」と書かれ、顔写真が張られているだけ。いくら門戸を広げるといっても…。もちろん、こちらの“審査”は行われない。

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オリックス、選手会に損害賠償請求へ[スポニチ]

オリックスの小泉球団社長は選手会に対し、あらためて損害賠償請求を行う方針を示した。この日の三輪選手会長との話し合いでは賠償請求まで話が及ばなかったが「法的な行為をするには裏付けをキッチリするのが鉄則」とし、球団の顧問弁護士らと話し合う方針。請求方法については「個別か、全体の組織に請求するのか。12球団が一緒にやるのか…。昨日の今日でまだ決まっていませんから」と当面は様子を見守る構えだ。

◇横浜も「請求進める」

横浜の峰岸球団社長が選手会に対し損害賠償請求する準備を進める考えを明らかにした。スト決行により横浜は2日間で、チケット売り上げなど約1億円の損失を見込んでいるが「(請求)するかしないかは別として、選手会の労働者性、ストの違法性を考えると請求はできる」。賠償請求する際の判断目安は「損害額、さらに請求による球団のダメージなどを考慮した上」と話した。

◇日本ハムは請求せず

日本ハムは選手会に損害賠償請求をしない考えを示した。本拠地での最後の週末開催が消えた損失は大きいが、大社啓二球団社長は「プレーオフ進出へ最後まで現場との一体感を維持したい」と強調。近く開く緊急役員会で本社役員らの理解を求めるという。また、選手が19日の練習を札幌ドームで行うことについて今村球団社長は「選手が無償提供を受けるのはドームの厚意」と話した。

◇西武は「計算してから」

西武・星野球団代表はストによる損害賠償請求について「計算はするけど、今後、弁護士と相談する」と検討中であることを明かした。この日、宿泊予定だった福岡市内のホテルのキャンセル代に当たる約100万円が対象。上尾市民球場で予定していたイースタンのロッテ2連戦は、管理する上尾市側の好意で約40万円の使用料は請求されなかった。また、代替試合に関しては「やらない方向になっているけど、そういう話が出るかもしれない。うちとしては要求しない」と話した。

◇広島「足並み揃えて」

広島の松田オーナーはストによる損害賠償の請求について「弁護士を入れて検証していく。各球団がどういう話をするか。損失の大きい球団もあるだろうし、12球団で足並みを揃えていかないといけない」と柔軟に対応する意向を示した。また、選手の年俸カットには「1、2軍とも実施せざるをえない」と話した。

◇ロックアウトめぐり混乱

史上初のスト決行に伴い、球団側のロックアウトをめぐって巨人でドタバタ劇があった。当初はロックアウトしない方針を示していた球団側は、前日の協議・交渉委員会終了後、ジャイアンツ球場や練習に付随する用具等の使用を禁止する旨の文書を全選手に配布。事実上のロックアウトの通告だったが、この日朝になって新たに球団側から施設使用の禁止・制限を解除する旨の文書が配布され、川崎市内のジャイアンツ寮では「ロックアウト解除」を伝えるアナウンスまで流れた。

ロックアウトの姿勢を示したのが12球団中、巨人だけだったこともあり、他の11球団と足並みを揃えたため方針変更したようだ。ただ、球団側の対応は早く、選手の練習場所としてナゴヤドームを確保し、球場への移動バス2台もチャーター。意思確認を行った上で打撃投手やトレーナーも練習に帯同させ、清武球団代表は「ロックアウトなんて言葉は使ってない。基本方針は現場にできる限りの便宜を図ること。初めての経験だし混乱はある」と説明していた。

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シダックスプロ参入なら「野間口出せん」[スポニチ]

社会人のシダックス・野村克也GM兼監督が18日、チームがプロ球界へ新規参入した場合には、エース野間口貴彦投手を残留させる意向を示した。野間口は既に今秋の自由獲得枠で巨人入りが確実になっているが、野村監督は「まだ(契約書に)サインしてないんだし、参入の場合は野間口は出せないよ」と語った。

新規参入については既に加盟申請しているライブドアに加えて、楽天も来週中にも申請を行う見込み。だが、この2社と違い、チームとして監督や選手を保有しているシダックスにも参入を望む声が上がっている。志太勤会長はここまで参入には慎重な姿勢を示しながら「野球界全体を考えるムードになって“どうだ”と請われれば球界の発展のためには応援したい」と今後の球界再編の流れ次第では新規参入へ名乗りを上げる可能性も残していた。

ただ、野間口本人は野村監督の発言を受け、東京・調布市内での練習後に「参入したら、とか“たら、れば”の段階では何も言えません」と戸惑いを見せていた。

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NPB打つ手なし…打開策見つからずお手上げ状態[サンスポ]

球界初のストに突入した18日、日本プロ野球組織(NPB)は今週末に予定されている“次なるスト”に向けて対策会議を開いた。しかし、選手会との溝を埋める打開策は見つからず。交渉役の伊藤修・担当顧問は「手がないんだよ」とお手上げ状態だった。また、既に辞任を表明している根来泰周コミッショナーは、臨時オーナー会議が開催の29日をめどに辞任する意向を示す一方、「安易に(新規)参入を認めると、球界のためにならない」と、選手会側の姿勢に不満を漏らした。

スト突入を受け、東京・内幸町のコミッショナー事務局では午前中から数人の幹部が今後の対策会議を開いた。次なるストを回避するために選手会側との「着地点」を探るためだ。しかし、9時間半に及ぶ前日のロング交渉で、経営者側は出せるものは全て出し尽くした感がある。選手会側は「来季からの新規参入に最大限努力」「合併球団移籍の自由」の2点を断固主張。このままでは、いつまでたっても「着地点」は見つからない。

NPB側の伊藤顧問は朝から、選手会の松原徹事務局長と電話で事態打開に向けての協議をしたが、この日の“労使交渉”はこれだけ。次のスト回避へ「選手会側に提示する(妥結のための)材料がない。厳しい状況で、打つ手がない」と途方に暮れた。伊藤顧問は25、26日のストは避けたいとして、今後も選手会との労使協議は継続したい考えを示した。球界関係者によると、古田選手会長の試合日程を考慮すれば、22、23日に名古屋で労使協議が行われる可能性が高いという。

経営者側は21日に12球団の代表者が集まり、実行委員会を開く。この席でスト回避のためのさらなる妥協案をまとめる。伊藤顧問は「選手会は大きな壁を越えてしまった。明日(19日)も無人の球場をテレビで見て、選手会側がどう考えるか。何とかしなければ」。“動かない週末”に苦悩の表情を浮かべた。

◇根来コミッショナーが辞任時期に初めて言及

根来コミッショナーはこの日、辞任の時期について初めて「(29日の)オーナー会議のあたり」との見通しを語った。労使協議ではスト回避に向けて作成した新規参入を検討する“根来案”を選手会側に示したが、結局は受け入れられず。「安易に(新規)参入を認めることは球界のレベルの低下を招く」と経営者側の判断を支持した。

◇西武・星野球団代表「損害額は計算させる」

選手会への損害賠償について、西武・星野好男球団代表は「一応、計算はさせる。今後は弁護士と相談して検討していきたい」と語った。西武はストで中止になった試合が主催ではないため、損害額は遠征先での1泊分の宿泊キャンセル料(約100万円)程度になりそう。また、パは代替試合を開催しないことで意見が一致しているが、ロッテと日本ハムのプレーオフ進出争いが緊迫しており、星野代表は「両球団から話があれば、21日の理事会で検討するかもしれない」と語った。

◇広島・松田オーナー「弁護士に聞いて検証しないと」

選手会に対する損害賠償請求について、広島・松田元オーナーは「(損害賠償が)法的に明確に(正当な請求に)なるのか、分からない。顧問弁護士に聞いて検証しないと。その上で12球団の中でどういう話になるか」と慎重な口ぶりだった。また、球団には届いたファンからのメールの中には「損害賠償請求しないであげて欲しい」というお願いがあった。

◇日本ハム・小嶋オーナー代行は損害賠償に消極姿勢

17日の協議交渉委員会に出席した日本ハム・小嶋武士オーナー代行が、札幌市内の球団事務所で、今村純二球団社長らに前日の会議の報告を行った。選手会への損害賠償は12球団一致して行う方針が確認されているが、小嶋代行は「足並みを揃えなければ、というのが本当だと思うが、球団独自の判断もできると思う」と微妙な発言。球団として強く損害賠償を求めていくことには消極的な姿勢をのぞかせた。

◇福岡ドームに問い合わせ殺到

人気カードの西武戦が中止となり、朝から福岡ドーム内の球団事務所には、ファンからの問い合わせが248件(午後5時現在)と殺到。職員らが対応に追われた。そのうち苦情電話は6件だけで、選手会のサイン会に関するものが222件と全体の90%。チケット払い戻しに関するものは19件だった。球団広報部は「事務所は通常の出勤体制で対応し、混乱はなかった」と説明した。

◇パは代替試合行わない方向

パ・リーグはストで中止となった試合の代替試合は行わない方向を18日までに固め、ダイエーのレギュラー・シーズン1位がほぼ決まった。試合数が減り2位西武に逆転の可能性が消えるためで、1位の場合、プレーオフに第2ステージから出場する。NPBの長谷川一雄事務局長は同日、代替試合の扱いについて「21日の実行委員会で正式に決める」と話した。

代替試合は両球団と選手会から希望があった場合には可能。セ・リーグも21日の理事会、実行委で話し合う予定だが、状況的に実施は難しいという。また、ペナントレースの順位決定や個人記録については米大リーグなどの事例も参考にしながら実行委で話し合う。

◇ライブドア・堀江社長が球界参入基準にチクリ

プロ野球への新規参入を申請しているIT関連企業のライブドア・堀江貴文社長は18日、馬主として東京・中山競馬場に姿を見せた。5Rの2歳新馬戦に中央競馬では2頭目の所有馬となる『ホリエモン』がデビュー。11頭立ての10着と大敗したが、ジャケット姿で会見を行った。「馬主になるための審査は基準がハッキリしているので、満たせばすぐOKが出た。でも、野球は基準がないですからね。ちゃんと作って欲しい」とチクリ。また「9月中に審査に耐えられる条件を整えて、より完璧な形でもう1度申請を行う予定です。既に社会人の選手からオファーもきていますし…」と改めて参入への意欲を語った。

◇楽天・三木谷浩史社長「加盟申請は来週中に」

プロ野球へ新規参入を目指すインターネット商店街最大手『楽天』の三木谷浩史社長は18日、神戸市内で「(加盟)申請は来週中に出したい」との意向を改めて示した。加盟球団の本拠地については「ヴィッセル(同社が経営参画するJ1神戸)と同じ神戸が1番望ましいが、それ以外にも大阪やその他からラブコールがある」と説明。球団名は「(本拠地の)場所によって変わるでしょう」と地域名を入れる考えを明かした。

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古田会長は公の場に姿を見せず…自主練習も不参加[サンスポ]

プロ野球史上初のストが実行された18日、労組・日本プロ野球選手会の古田敦也会長は公の場に姿を見せなかった。前日は約9時間に及ぶ交渉後もフジテレビなどに生出演し、東京・台場の同局を出たのが午前4時過ぎ。この日のヤクルトの自主練習にも参加せず、休養に努めたようだ。スト期間中には約30件もの取材依頼が届いているが、全て断っている。

◇スト回避条件は来季12球団…選手会・松原事務局長

NPB側の伊藤顧問と電話で協議した選手会の松原事務局長は25、26日のスト回避の条件について、「(経営者側から)来季12球団でやると示されないと、状況は変わらない」と妥協する姿勢のないことを強調した。ただ「ファンのためにも、我々だってストはしたくない」と経営者側との話し合いには応じる。19日に古田会長と調整した上で、次の労使協議の日程を決める方向だ。

◇静養中の横浜・佐々木が選手ミーティングに参加

右ひじの手術を受けて静養している横浜・佐々木も、練習前の選手ミーティングに参加した。「(来季からの)新規参入がなぜダメなのか。普通に考えてもセ6・パ5はいびつだし、経営者側から納得できる説明がほしい」とスト決行もやむなしを強調。サイン会にはリハビリを理由に参加しなかったが、「頑張っている古田さんには協力したい」と話していた。

◇空白の週末に12球団戦士何する人ぞ

ダイエー
西武との首位攻防戦がストで中止となり、選手は午後2時から約2時間、福岡ドームで練習。ユニホームは着用できず、自前のウエアで汗を流した。ドームの駐車場にはファン約300人が集まり、練習後は“臨時サイン会”。約15分間、サインした選手会長の松中は「ファンにできることをしようと、みんなにもいいました」と説明した。
オリックス
球団側は、神戸市内の合宿所に併設している室内練習場を、午後1時から3時間開放。早川、迎ら若手15選手が、自主練習の形で汗を流した。また、選手会に所属していない助っ人の具台晟は、杉本バッテリーコーチ補佐を相手に、ヤフーBB内の室内練習場で78球のピッチング。19日も、ヤフーBBで自主練習が行われる。
ロッテ
オリックス戦(ヤフーBB)がストで中止となり、ナインは神戸市内のチーム宿舎で朝食をとった後、各自、思い思いに新幹線で帰京した。早い選手は10時半ころにホテルを出発したが、表情は一様に硬かった。帰京後は練習などは予定されておらず、それぞれ、そのまま帰宅。20日からの試合再開に向けて、この日は休養に充てられた。
西武
遠征先の福岡から昼過ぎに空路帰京。この日は練習せず、解散となった。首位ダイエーとの3連戦が初戦だけになってしまったが、選手会長の和田は「優勝争いとかもあるけど、まずは球界の問題を優先に考えないといけないですから」。19日は所沢市の西武第2球場で1、2軍の選手のみがユニホーム着用で自主練習を行う。
近鉄
日本ハム戦(札幌ドーム)が中止となった1軍選手は、外出禁止となり、午前中は札幌市内のチーム宿舎の部屋で待機。午後になって、ホテルをチャックアウトし、夕方の飛行機で帰阪した。球界再編の当事者でもあり、選手会長の礒部らはやや緊張した表情を浮かべて移動した。2軍は休日に当たっており、各自、自宅や寮で待機した。
日本ハム
札幌市内の室内練習場で午前10時から、フリー打撃など軽めの練習。練習の前後には、選手会長の小笠原らが、集まったファンのサインに応じた。小笠原は「(スト突入は)何とも言えない気持ちですが、多くのファンが来てくれて勇気をもらった」と感慨深げ。19日には札幌ドームで練習後、午後1時から選手がサイン会を行う。
巨人
20日の中日戦に備え、午後3時半からナゴヤドームで選手が“自主練習”を行った。堀内監督やコーチはもちろん参加せず、内外野の守備練習のためノックバットを握った元木が「やっぱり勝手が違うな」と苦笑いするシーンも。ランニング、フリー打撃、ブルペンでの投球練習など約1時間半、ほぼ通常通りの練習メニューをこなした。
横浜
横浜スタジアムでの練習前に、選手会長の鈴木尚が全選手にスト決行までの経緯を説明し、協力を依頼した。練習後は正面入り口付近で広島と合同のサイン会を実施。予想を上回る1000人の行列に、鈴木尚は「色紙を400枚用意したが、明日(19日)は3倍にします。北海道から来た人もいて、胸が痛くなる」と感謝していた。
広島
横浜スタジアムでの“自主練習”に、選手は市内の宿舎からいつものタクシーを使わず、歩いて球場入り。練習はTシャツと短パン姿で臨んだ。選手会副会長の浅井は「(球場まで)近いし(軽装での練習は)洗濯代もかかるから」と説明。横浜と合同のサイン会に参加した木村拓は「こういう形のファンとの触れ合いもよかった」と話した。
中日
ナゴヤドームで午後1時から約1時間半の自主練習を実施した。マジック点灯を目前にした中断に、選手会長の井端は「ストについてみんな納得してる」としながらも「正直、回避できなかったのは悔しい」。ナゴヤドームで19日午後3時から巨人と合同で約1時間、小学生以下の子供を対象にした交流イベントを行う考えも明らかにした。
ヤクルト
1軍選手と、球団の許可を受けた打撃投手、マネジャーら約30人が神宮室内で練習を行った。選手は自前のシャツに短パン姿。練習前にはヤクルト選手会長の真中が約10分間、ストについての説明を行った。プロ野球選手会会長の古田は不参加だったが、真中は「古田さんが交渉に専念できるよう、こっちの負担はかけたくない」と話した
阪神
神宮室内で行われた練習にナインはユニホームを着用せず、ジャージー、Tシャツ姿で参加した。選手会長の今岡は「強制ではなく他のチームを参考にして決めた」と説明。練習には打撃投手らの裏方は参加したが、監督、コーチ陣は不在。アリアスがノックをしたり、選手が率先して球拾いを行うなど、自主トレを思わせる光景だった。

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2日間でスットぶ19億円…選手報酬も2億円削減[サンスポ]

プロ野球選手会が18、19両日のストライキを決めたことで、試合中止による入場料収入などの経済損失が計約18億9000万円、選手側の報酬削減額も計約1億9000万円に上るとの試算を、大阪府立大の宮本勝浩教授のグループが18日、まとめた。

2日間に予定されていた計12試合の観客動員数を、過去3年間の平均観客動員数から計約33万2000人と推計。これに平均的な1人当たりの入場料(セ・リーグ3600円、パ・リーグ2500円)を掛けると、失われる入場料収入は計約10億2000万円となる。球場での飲食やグッズ販売は、観客が1人当たり2000円を支出したと仮定し計約6億6000万円。巨人戦の放映権料を1試合1億円で2億円とし、これらの合計を経済損失とした。

選手側の報酬削減額は日本プロ野球選手会の平成16年度年俸調査データに基づき、1日当たり年俸の300分の1を減額されるとして試算。セ・リーグは6球団で計約5300万円、パ・リーグは同4100万円で計約9500万円、2日間で計約1億9000万円となる計算だ。

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来週末25日、26日もストか[報知]

◇24日17時妥結リミット

プロ野球のない週末が、本当にやってきてしまった。労組・日本プロ野球選手会は18日、プロ野球が誕生して70年で史上初めてのストライキに突入。19日と合わせてセ、パ12試合、2軍5試合が中止となった。スト決行の決め手となった新規球団の参入について、選手会と日本プロ野球組織(NPB)の主張は、苦渋の選択から一夜明けたこの日になっても平行線のまま。ファン不在のストの、出口はやってくるのだろうか。

スト突入。東京・中央区にある選手会事務局は、警官もパトロールする厳戒態勢の中、松原徹事務局長らが今後の対策を協議した。警察の指導もあり、中からカギをかけて、不審者の乱入を警戒する徹底ぶり。休日対応として一般向けの電話には応じなかったが、早朝から夜まで呼び出し音は鳴りやまなかった。事務局員は各球団の選手会への説明、19日に都内で開催するファンイベントの打ち合わせに追われた。石渡進介顧問弁護士は、ヤクルトのクラブハウスを訪れ、真中満選手会長と協議するなど、休日返上で、スト解除への方策を探った。17日の10時間の団交後、深夜までテレビ各局に生出演し続けた古田敦也会長は休養に努めた。松原事務局長は「幸い、悪質ないやがらせなどは、1つもなかった。NPBからの連絡?それもありませんでした」と話した。17日の協議・交渉委員会で、最終的な争点になったのは、新規参入の時期について。選手会の「来季から」との主張に対して、NPB側は「来季以降」で譲らなかった。選手会側は「『以降』を外すという一言でスト解除できる」としているが、このままだと議論は平行線で、来週末(25、26日)もストが濃厚だ。

NPBの瀬戸山隆三選手関係委員長(ロッテ球団代表)はこの日、千葉県内の自宅で取材に応じ「21日(実行委員会)に解決の糸口を模索するということになるが、まずはセとパをまとめることが大切。それが大変だからね」と、選手会と歩み寄る前に、NPB側の意見がまとまっていないことをあらためて明かした。出席者の話を総合すると「来季から」を容認しているのがセ・リーグ5球団で、「来季以降」にこだわっているのがパ・リーグと巨人だ。巨人の清武英利球団代表は「ストについての原因の1つは僕らが、発している言葉が、額面通りに取られていないこと。信用してくれという言葉が、向こうの胸に届くのには時間がかかる。一晩考えて反省点も出ている。(団交を)今からでもやりたいくらいだ」と言い、古田会長との会談も「必要とあらば、いつでも」と積極姿勢を示した。

次回の協議・交渉委員会について、選手会は古田会長の試合スケジュールから22、23日に名古屋での開催を希望している。次回スト予告は25、26日で、妥結リミットは24日午後5時。早期スト解除を願う気持ちは労使双方同じだが、新規参入時期をめぐる主張を、1つにすることができるか。予断は許さない。

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オリックスだけ球場封鎖[報知]

12球団で唯一、ロックアウトされたのがオリックスの本拠地・ヤフーBBスタジアム。午前9時30分、選手会に属していない具は、もちろん球場の使用はOKだ。いの1番に球場入りすると、杉本バッテリーコーチ補佐を相手に87球の投げ込みを行った。17日に具の要請を受け、急遽、相手を務めた杉本コーチは「20日に(具が)スライドになったので、球団の連絡を受けて来た。基本的には自宅待機。明日は家にいます」と、午前11時前に球場を後にした。

一方、ヤフーBBから徒歩5分の距離にある室内練習場は午後1時から3時間の制限つきで開放。金田、川越、平野ら1、2軍合わせて15人が“自主練習”を行った。選手会副会長の川越が「スト?初めてのことなので、何とも言いようがありません」と話したように、ナインに多少の動揺は見られたが、ピリピリしたムードはなく、それぞれが黙々と汗を流した。

この日、小泉球団社長と約2時間、会談した三輪選手会長は「甘くないと思っていたので、室内が使えると聞き、ありがとうございました、と言いました。練習場の確保は気になっていたので」と球団側の計らいに感謝。小泉社長も「本当に必要ならば使っていい。全く使うなということではない」と“条件つき”になった理由を説明した。

◇日本ハムは賠償請求しない

選手会にストに対する損害賠償請求をしない方針を示した。8日、札幌に戻った日本ハム・小嶋オーナー代行を加え、3者会談を行った大社会長、今村社長が、共に請求しない考えを明かしたもの。今村社長は「個人的な考えだが、損害賠償請求はしなくていいと思う」と明言。大社会長も「損害額?一応出してはいるけど、それは捕らぬ狸)。痛いのは経済的にではない」と話した。また、12球団の足並みを揃えることに関しても、小嶋オーナー代行は「12球団でそろえるのが本当だが、最終的には12球団それぞれが独自の判断を出来る」と最終決定権は各球団にあるとの見解を示した。正式には10月上旬にも開かれる、臨時役員会で決定されるが、損害賠償請求をしない方向でまとまる見込みだ。

◇オリックス損害賠償請求へ。他球団は慎重な姿勢

オリックス・小泉隆司球団社長は18日、ストライキを決行した選手会に「選手、機構が相当額の損害を受けただけでなく、ファンの方々も損害を受けている。大きな問題です」と、損害賠償請求する考えをあらためて示した。具体的な請求額は担当者が算出中。

広島・松田元オーナーは今回は主催ゲームでなかったこともあり「弁護士を交えてこれから対処していく」と慎重な態度。西武・星野好男球団代表も「今後、弁護士と相談して決める」と福岡遠征で宿泊予定だったホテルのキャンセル料、18、19日に上尾で主催試合を行うはずだったイースタン・リーグ、ロッテ戦の損害額の計算に入る。

また阪神・野崎勝義球団社長は「まだ分かりません」と消極的な姿勢。ダイエー・佐々木博茂会長は「21日の実行委員会での話し合いに従います」と他球団と足並みを揃える考え。近鉄、日本ハムは賠償請求をしない方針だ。

横浜は当初、使用料が発生する横浜スタジアムでの練習は認めない方針だったが、横須賀市の2軍練習場が市民開放デーで使えないため、17、18日はスタジアム使用を認めた。この日は練習だけのため、使用料は「十数万円」(スタジアム関係者)。球団側は選手に請求するかどうか後日検討するとしている。

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根来コミッショナー今月いっぱいと明言[報知]

◇「スト回避でも辞めようと思っていた」

スト突入の責任を取り、辞意を表明した根来泰周コミッショナーが18日、9月いっぱいでコミッショナー職から退くことを改めて明言した。また、スト回避のため、選手会に提案した野球界改革のための「プロ野球有識者会議(仮称)」については「有識者を集めろ、というのなら走り回る」と話し、会議設立への尽力を改めて約束した。

根来コミッショナーはこの日、午前10時過ぎに東京・内幸町のコミッショナー事務局に出勤。事務方から交渉内容の説明を受け、今後の対応を協議した。「世の中、合併する企業はかなりあるのに、ストがないのは企業がうまくさばいている。野球界は狭い世界ということかな」と自嘲気味に話した。自らの進退については「ストが回避されても辞めようと思っていた」と結果を問わず辞任する覚悟だったことを明かし、「9月末で辞める」と断言。21日の臨時実行委員会、29日のオーナー会議で退任を表明することになる。

自ら提案した

(1)
新規加入球団審査委員会(仮称)の設置
(2)
プロ野球有識者会議(仮称)設置
(3)
加盟料に代わる「預かり保証金制度」導入

については、スト決行後も実施に意欲を見せている。特に(2)については自らが率先して有識者の推薦役を務めることを確約した。

◇根来氏に聞く

≫来季からの新規加盟について、どう考えるか。
根来氏
「来年というのは無理ではないか。安請け負いしてはいかん。色々と案を作り、例えば地域密着と言っても恒久的に観客が集まるのか。雲をつかむような話を持ってきても、話が潰れてしまっては元も子もない。やはり、きちんとした“球団”を持っていて欲しい。ただ、これは具体的な(参加希望企業の)ことを言っているのではない。審査は30日以内といっても、準備期間を経てからのもの。いきなり(申請を)出してきても…。」
≫辞意を表明しているが、混乱は起きないか。
根来氏
「混乱の中にも生きる道はある。今回の一連の流れを見ると、野球界は理屈に合わぬ社会だった。また、近鉄の情報管理には甘さがあった。それと、1リーグに世の中が結びつけられてしまった。意識的に1リーグを考える人はあまりいなかったが…。これらが混乱の原因か。」
≫現在の労使交渉はまとまるのか。
根来氏
「今回の話し合いは双方(感情が)むき出しだった。普通は一生懸命な仲介役がいるはずなんだが…。プロ野球はスポーツマスコミが立ててくれないといかん。そこが足りないと思う。大きくするためには宣伝のようなことをしなければ難しいと思う。」
≫これまでの加盟料(60億円)の撤廃については?
根来氏
「独禁法との絡みもあり、僕は早くから提案していた。これはボクが最初から言っていたこと。やはり預り金制度の方が良いと思う。」

◇パ小池会長慰留へ

パ・リーグの小池唯夫会長は18日、辞任を表明している根来泰周コミッショナーの慰留に動く考えのあることを明らかにした。

前日(17日)、月間MVPの表彰式に出席したため、滞在先の福岡でコミッショナーの辞任表明を知らされた同会長は「コミッショナーの誠意が通じなかったことは残念。何とか残っていただければ、ありがたいと思います。慰留するつもりです。実行委員会でさらに慰留することになる」と明言。既に、セ・リーグの豊蔵一会長も慰留する方針を明らかにしており、21日にも両者が直接、辞意撤回を働きかけることになりそうだ。

また、同コミッショナーが正式に辞職した場合の後任に関しては「議論するのは早いが、野球協約に沿って考えるしかない」と話し、野球協約第7条にあるように、実行委が代行機関を設置していく考えを示した。

◇損失18億9000万円

18、19日のストライキで、試合中止による入場料収入などの経済損失が計約18億9000万円、選手側の報酬削減額も計約1億9000万円に上るとの試算を、大阪府立大の宮本勝浩教授のグループが18日、まとめた。

2日間、1軍計12試合の観客動員数を、過去3年間の平均観客動員数から計約33万2000人と推計。これに平均的な1人当たりの入場料(セ・リーグ3600円、パ・リーグ2500円)を掛けると、失われる入場料収入は計約10億2000万円となる。球場での飲食やグッズ販売は、観客が1人当たり2000円を支出したと仮定し計約6億6000万円。巨人戦の放映権料を1試合1億円で2億円とし、これらの合計を経済損失とした。

選手側の報酬削減額は日本プロ野球選手会の2004年度年俸調査データに基づき、1日当たり年俸の300分の1を減額されるとして試算。セ・リーグは6球団で計約5300万円、パ・リーグは同4100万円で計約9500万円、2日間で計約1億9000万円となる。

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51年ぶり代替試合なしへ[報知]

◇21日実行委で決定

ストライキで中止になった試合の、代替試合が行われるのか、どうか。代替なしとなれば、1953年(昭和28年)以来、51年ぶりとなる。21日の実行委員会で正式決定されるが、日本ハムとロッテで争うプレーオフ進出など、優勝の行方も左右しかねない事態に、ダイエー・王監督が代替試合を望むなど意見が噴出している。

ダイエー・王貞治監督が18日、中止となった西武との2試合の代替開催を強く要望し、スト決行に至った17日の協議・交渉委員会について、NPB(日本プロ野球組織)側の主張を完全擁護した。選手会側に妥協を促すとともに、ライバルとの完全決着を強く望んだ。史上初のストライキ突入で流れたのは、プレーオフ1位マジックが「1」となり、2位・西武との直接対決で、ゴールを決めるはずのゲームだった。2試合とも流れることで、自動的に1位進出が決まってしまう。「ファンのためにもやりたい。西武にしても、やる方がお互いに納得すると思う」と、中途半端な形での決着を拒み、あくまで代替開催を熱望した。

これ以上の混乱を避けるために、選手会へ大人の対応を求めた。選手会側が求める来季からの新規参入については「来年からとなると日程的に厳しい」とピシャリ。仙台にフランチャイズを置く意向のライブドアに関しても「宮城(球場)で70試合もやるのはどうかな。ドームを造るといっても、2、3年かかるし、そのうち(どこかの)球団がなくなるかも」と不信感を拭い切れない様子だった。球史に汚点を残したこの日、世界の王が精いっぱいの提言を残して帰京した。

◇2試合打ち切りの場合…セ・リーグ

セ・リーグの巨人は残り試合が13、ヤクルトは18になる。巨人がその残り試合に全勝した場合の最終勝率は.585、ヤクルトは.588。中日は残り14試合に8勝(6敗)で.593となり、あと8勝で中日の優勝が決定する。

◇2試合打ち切りの場合…パ・リーグ

パ・リーグはダイエーの残り試合が3、西武3、ロッテ2、日本ハム4、近鉄6(オリックスは既に最下位が決定している)。ダイエーが残り3試合に全敗した場合の最終勝率は.589。西武が残り3試合に全勝したとしても最終勝率は.576止まり。ダイエーの1位が決定する。3位争いはロッテと日本ハムの2チームに絞られる。近鉄は残り6試合に全勝しても、最終勝率が.489でロッテが残り2試合に全敗の.492を抜けず、3位以内が絶望。プレーオフ出場の3位争いはロッテと日本ハムの2チームになる。

◇パ1日プレーオフで日程厳しい

プロ野球実行委員会の伊藤修・選手会担当顧問(中日参与)は18日、ストで中止になった18、19日分の代替試合の開催について、21日に開催される臨時実行委員会で決定する方針を示した。

代替試合の開催については、セ・パ両リーグで実施しない方針を固めているが、同顧問は「選手会に提案して、やろうということになれば可能だが、難しいのでは。21日にしっかりと話し合う」と話し、実行委で12球団の意見を吸い上げて、最終決定する方向だ。しかし、パ・リーグについては10月1日からプレーオフが始まるため「日程的に厳しい」(小池会長)とする意見が大半を占めており、再試合は困難とみられる。また、順位の決定、個人記録の扱いについても、両リーグとも12日の臨時理事会で話し合う予定だ。

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楽天、コミッショナー辞任“歓迎”[報知]

◇三木谷社長「変革期の証しだと思う」

新規参入を表明している楽天・三木谷浩史社長が、根来泰周コミッショナーの辞任を歓迎した。18日、神戸ウイングスタジアムで自らオーナーを務めるヴィッセル神戸とG大阪の1戦を観戦した同社長は、コミッショナー辞職を「変革期の証し」ととらえ、改めて来季からの“門戸開放”を訴えた。

ヤフーBBが静寂に包まれる中、同じ神戸の地でヴィッセル戦を見守った三木谷社長。「まだ9月。なぜ間に合わないのか全くもって分からない。むしろ時間がありすぎる」選手会にストを決行させる原因となったNPB側の姿勢に疑問の声を上げる一方で、球界変革の息吹も感じ取っていた。それが根来コミッショナーの辞任。「いい方向にいくんじゃないかと期待している。変革期の証しではないかと思う」と追い風として受け止めた。

来季からの加盟にこだわる理由を「1年待つ意味がない。その間に何が変わるのか。変革の時は一気に変わるもの」と力説し、また阪神とオリックスに3年間認められた神戸と大阪のダブルフランチャイズ制についても「いずれどちらかに軸足を据えるなら、3年待たずに今決めりゃいいじゃねえかと思う」と主張した。

選手の確保については、メジャーで球団拡張の際に採用されたエクスパンションドラフトを提案。今週中にも行われる加盟申請が、NPB側には新たな“爆弾”となりそうだ。

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ライブドア入団希望者続々[報知]

◇堀江社長明かす

日本プロ野球組織(NPB)に参加申請したライブドア(堀江貴文社長)に対して、スポーツマネジメント会社を通じ、米独立リーグや社会人野球選手から入団希望の打診があることが18日、分かった。

堀江社長はこの日、所有馬のホリエモンが出走するため中山競馬場に来場。「オファーは来ています。申請の取り下げは全くないですし、ドラフトにも参加させて欲しい」と話した。来季の参入が認められた場合、プロテクト漏れ選手の雇用に加え、ドラフトで多数の選手を指名することが濃厚となった。

17日の協議・交渉委員会では、NPB側が来季からの新規参入の確約を拒絶し、情勢は厳しくなった。堀江社長の不満は募るばかりで「競馬界は審査基準がしっかりしている。野球の審査も公正に“早く”やればいい。でも、延期、延期になるんじゃないか」と怒りを爆発させた。

その一方で「来季の参入がまだ100%ダメになった訳ではない」と今後の展開に僅かな望みを託した。審査突破に向けて、9月中には監督、コーチの人事を決め、本拠地とする仙台市との交渉も行う方針だ。

◇参入申請21日協議へ

日本プロ野球組織(NPB)の伊藤修・選手会担当顧問(中日参与)は18日、ライブドア社から提出された参加申請について「(野球協約で)提出から30日以内に審査すると決まっている。扱い方を話し合わねばいけない」と話し、21日の臨時実行委員会で取り扱うことを示唆した。

ライブドア社の申請は16日にコミッショナー事務局に提出されている。「昨日(17日)、各代表は申請書類を持ち帰っている。中身を見ていることだろう。きちんと話をしないと」と話した。参入への第1歩となるだけに、対応が注目される。

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野間口は巨人に渡さん[報知]

◇野村監督きっぱり!シダックス来季参入なら

野間口は巨人に出せない−。プロ球界への新規参入を狙うシダックスの野村克也GM兼監督が18日、東京・調布市での練習後に取材に応じ、チームが来季からプロに参入する場合、今秋ドラフトでの巨人入りが確実のエース・野間口貴彦投手をチームに残留させるとの仰天発言が飛び出した。

G党を震撼させる発言が野村監督の口から飛び出した。シダックスがプロに参入した場合の編成について話題が及んだときだ。「野間口?出せない。(契約書に)サインしてないんだから。チーム事情が変わったんだから、しようがない」目は笑っていない。真剣な表情だ。自由獲得枠での巨人入団が決定的な社会人NO.1右腕を残留させる方針を明かした。

新規参入が実現した場合、新球団にとって最重要課題は、投手力の整備になることは間違いない。社会人野球が母体となるシダックスにとっても同じこと。野村監督は普段から「勝利にはチームを代表するエースの存在が不可欠」と主張しているだけに、大役を果たせるのは、これまでチームに貢献してきた野間口しか考えられない。「いい投手はそんなに集められないよ。本人を説得?そうだな…」新規参入が決定した際には、エースへ真剣に語りかける覚悟だ。

とはいえ、実現は容易な話ではない。プロ参入にはいくつもの条件がつきまとう。これまで志太勤会長は「プロアマが1つになって、野球界全体が発展するような仕組みが作られることが条件」など、一貫して慎重なコメントに終始していた。だが、野村監督によれば志太会長は

の2点がクリアされれば、参入を前向きに検討する姿勢だという。「志太さんはオリックスの宮内さんとも接点がある。話があれば、やりやすいんじゃないかな」あくまで名将は、実現へ向け強い意欲を隠さない。

一方、練習後の野間口は無言を貫き、足早に車に乗り込んだ。巨人は同じ自由獲得枠で狙っていた明大・一場靖弘投手を金銭授受問題で諦めただけに、野間口までもみすみす取り逃がす訳にはいかない。再編の余波は、意外な形でG投を襲ってきた。

◇プロ球団認定 即プロ選手に

シダックスがプロ野球に新規参入する場合、野間口ら現チームの選手をすんなり保有することができるのか。野球協約133条の2では「球団が、新人選手と選手契約を締結するためには、自由獲得によるか、選択会議(ドラフト会議)で契約を希望する選手に対する選手契約締結の交渉権を獲得せねばならない。(後略)」と定められている。条文を厳密に適用すると、キューバ勢、日系ブラジル人3世の元ヤクルト・佐藤を除くシダックスの選手は、自由獲得枠かドラフト会議でプロ球団となったシダックスの指名を受ける必要がある。

一方、協約の31条には「新たに参加資格を取得しようとする球団は(後略)」とあり、野間口ら選手がシダックスという球団の“所有物”という解釈が成立すれば、シダックスがプロ球団と認められた瞬間に、野間口らはプロ野球選手ということになる。野球協約にはアマチュアチームがそのままプロ球団になるケースを想定した規約はなく、今後、論議を呼びそうだ。

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サイバーエージェントもプロ参入意向[ニッカン]

インターネット広告会社「サイバーエージェント」(東京都渋谷区)の藤田晋社長)もプロ野球参入の意志を固めていることが18日、分かった。藤田社長は女優奥菜恵と今年1月に結婚。友人で業務提携もしているライブドアの堀江貴文社長らと共に、新時代のIT業界旗手として注目されている。藤田社長は自身のホームページ日記(16日付)でライブドアと楽天の球界参入に「新興インターネット企業経営者の視点から言わせてもらえば、全く正しい戦略。知名度と信頼感を獲得するのに、何百億円と広告費を投じるよりも、プロ野球球団を運営した方がはるかに効率がよいし、確実だ。球団運営には興味がないの?とよく聞かれるのですが、あります」と断言。ただ、具体的参入時期については「当分先になるでしょう」としている。

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