わたしはかもめ2004年鴎の便り(9月)

便

9月20日

西武6−1千葉ロッテ(西武ドーム)

西武がロッテを下し2連勝。1回、西武は貝塚の適時打で先制。同点とされた直後の3回裏にも再び貝塚の2点適時二塁打で勝ち越しに成功した。その後も犬伏、貝塚のこの日4打点目となる適時打などで3点を追加しロッテを突き放した。投げては先発の西口が右内転筋を痛め、1回途中で降板したものの、2人目帆足が7回まで被安打4の1失点でシーズン初の2ケタ勝利となる10勝目をマークした。ロッテは先発・小林宏が4失点で4回途中に降板。その後のリリーフ陣も踏ん張れず、再び借金生活となった。

123456789R
千葉ロッテ0010000001
西武10230000x6
小林宏
「先頭打者を出して、それが全て点に結びついてしまった。せっかく同点に追いついてもらったのに、先頭を出してしまった。それが全て。情けない…。」
「ボール球に手を出したりして、自分が悪かった。今日は負けたけれど、明日勝つしかない。(ストの影響は)みんな一緒だから関係ないよ。」
西村コーチ
「打てないと、いつもそうだけどボール球に手を出したりしてしまったり、色々ある。特別な感じはしなかったけれど、重圧があったのかな。とにかく、あと1つ、気持ちを切り替えてやるしかないね。」

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ロッテ痛すぎる1敗[報知]

◇大誤算小林宏4回KO

奇跡を願った左翼スタンドの大声援も、敗戦ムードを拭い取れなかった。プレーオフ出場は窮地に立たされ、うつむいてバスに乗り込んだロッテ・ナイン。「小林宏が最高の投球をできず、必要なところでヒットが生まれなかった」バレンタイン監督は、単純な敗因に天を仰いだ。

1戦も落とせない最後の2連戦の初戦は、完敗だった。3回1/3でKOの小林宏も誤算だが、その後のブルペンも混乱した。井上投手コーチが試合開始後に尿管結石を起こして不在となり、4回に投手4人を送って3点を奪われる迷走。試合は一気に西武に傾き、打線も緊急登板の2番手・帆足に翻弄されて11残塁の拙攻だった。

ストで消えた18、19日の試合は、代替えされる予定はない。「もちろんやりたいが、なければないで仕方ない」とバレンタイン監督は構えるが、一進一退を見せるプレーオフ進出をかけた争いは、2試合多い日本ハムがマジックを点灯している。西武戦2連勝を目論んでいただけに「重圧があるのかな…。切り替えていかないと」。西村ヘッドコーチも、ナインの心境を思わずこぼした。

19日に都内で開催された選手会イベントには、ロッテからも12選手が参加。この日もビジターながらすし詰めになったファンを目の当たりにした。勝つ姿をファンに見せることは使命でもある。「日本ハムだって、勝たなければいけない状況に変わりはない。我々はやるべきことをやるだけ」と指揮官は自らに、ナインに言い聞かせた。泣いても笑っても残り1試合。有終の美を飾って、天命を待つしかない。

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重圧に負けた!?[スポニチ]

投手陣が乱れて手痛い1敗。バレンタイン監督は「小林宏は自分の投球ができなかったね」と振り返った。制球を乱して4回1死で4失点KO。「追いついてくれたのに情けない」。スト対象試合を除けば残り2戦で迎えた試合。プレーオフへの重圧に加え、開始直後には井上投手コーチが体調不良で病院へ運ばれるアクシデントもあった。4回は小林宏以外にも中継ぎ4投手を投入したが、5点のビハインドが残って打線も沈黙。あとがない指揮官はナインへ「まだ1試合ある。しっかりやろう」とゲキを飛ばした。

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バレンタイン監督、POへ最後まで執念[ニッカン]

ロッテは勝てば、プレーオフ進出に前進のはずだったが、投打ともにさえず完敗した。バレンタイン監督は「(先発の)小林宏は本来の投球じゃなかった。打線も必要なところでヒットが出なかった」と、投打ともに期待を裏切っての敗戦を振り返った。スト中止分の代替試合を行わない場合、21日の西武戦が今季最終戦になる。試合後のミーティングで「日本ハムだって、試合に勝たなければいけないし、我々は大事な試合をあと1試合残している」と、選手に気持ちを切り替えるように、話していた。

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ロッテ井上投手コーチが緊急入院[ニッカン]

ロッテの井上祐二投手コーチが20日の西武戦の試合中に体調の異常を訴えたため、東京・立川市内の病院で検査を受けた。診察の結果、「尿管結石の疑いあり」と診断され、この日は病院で静養し、21日以降については経過を見て判断される。

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痛い不運の1敗

プレーオフ出場権を争うロッテに不運が重なった。西武先発の右腕西口がケガのため、1回途中で左腕帆足に交代。右投手対策で左打者5人を並べたため、攻撃プランの変更を余儀なくされた。さらに1回終了後、井上投手コーチが背中に激痛を訴え病院へ。それでも「ストで中止になった2試合も、戦いたいけど、それがなければやるべきことを明日するだけ」とバレンタイン監督。3位を争う日本ハムが劇的なサヨナラ勝ちをしただけに、今季最終戦になるかもしれない21日は絶対に負けられない。

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佐藤が今季限り

佐藤幸彦外野手(36)が、今季限りで引退することになった。21日の西武27回戦(西武ドーム)に1軍合流し、最後の花道を飾る。佐藤は拓大紅陵から86年ドラフト4位でロッテ入団。持ち前の長打力で主軸として、ここ数年は代打の切り札として活躍してきたが、今季は29試合出場にとどまっていた。18年間の通算成績は773試合出場で1572打数399安打、打率2割5分4厘、31本塁打、191打点。

佐藤
「チームが自分に求めているのは、打撃だと思うのですが、そのバッティングに関して今年は自分の思うように体が使えない事が多かった。自分の中で限界を感じ、今日球団と話し合い今季でユニホームを脱ぐ事になりました。」

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古田会長あくまで「来季から」要求

史上初のストライキを決行した労組・プロ野球選手会の古田敦也会長が20日、次回交渉で、新規参入についてあくまで「来季からの最大限の努力」を要求する構えを見せた。21日には実行委員会が行われるが、古田は「ファンの声は届いているはず。それを踏まえた上で結論を出して欲しいと思います」と経営者側に訴えた。

次回労使交渉(協議交渉委員会)は22、23の両日に名古屋市内で、24日には広島市内で開催されることが内定した。この日試合前には「私見で総意ではない」と前置きした上で、「06年から必ず入れるという方向性を出すなら、納得する人もいるでしょうけど、それも分からないと言っている」と歩み寄りの余地があることを示唆していたが、試合後には「06年からというならまだしも、今はそれすらもない訳ですから。06年からというのが、(妥協の)落としどころにはならない。その点は誤解しないで欲しいです」と強調した。

また、年俸に関する「減俸制限」で選手側が譲歩していることを明かした。野球協約の減額制限では年俸1億円以上は30%となっているが「1億円以上は50%という話はしている。その辺の話は相当、前にしてますが、今はプロテクトとか新規参入の話題ばかりだから」と話した。

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横浜、ライブドア来季参入支援

◇オーナー6日に堀江社長と会談

横浜が来季から新規参入を全面的にバックアップする。20日、山中正竹球団専務は「新規参入については最大限の努力をするということで、(砂原)オーナーも間違いなくそういう考え方。球団としての理念です」と話した。条件について「物理的に球場、選手がいて野球への情熱があればいい」とした上で、シダックスの参入を「明確に存在しているという部分で進めやすい」と歓迎した。

また、6日に砂原オーナーとともにライブドア堀江社長と会談したことを明かした峰岸進球団社長は「選手、球場の問題?そういうことは(堀江社長は)キッチリされる方」と評価。選手供給についても「今はそういう規則がないけど、みんなで助け合わなければいけないので、考えますよ」と協力の意思を示した。21日の実行委員会であらためて、新規参入への最大限の努力を主張する。

◇阪神も横浜に同調

阪神野崎球団社長も横浜の表明に同調した。「本当にだめならしょうがないが、間に合うのであれば来季から12球団でやるのがベスト」と話した。21日の実行委員会でも球団の総意として新規参入の促進を訴える。会議ではまず、セ・パ交流戦の試合数をパ5球団を想定して協議する。1カード6試合が有力だが「その数は6球団になっても同じで組める」とし、参入球団を加えても有効との考えを示した。

◇日本ハム小嶋オーナー代行「来季参入無理」

日本ハム小嶋オーナー代行がこの日札幌で、来季からの新規参入にあらためて否定的な見方を示した。「タイムリミット。ドラフトもあるし、いつもなら8月中に決まる日程もまだだし、営業面で(来季の準備が)何もできない」とした上で「(新規参入について)努力するとは前々から言っているし、新しいシステムを早く作らなければいけない」と話した。

◇中日、来季から12球団条件次第OK

中日伊藤一正球団代表は20日、選手会が来季からの12球団2リーグ制維持を求めていることに関して「申請した球団が審査を通るのなら、中日としたら入って欲しい」と話した。中日は以前から来季も球団数は現状維持が望ましいとしていた。またストで中止となった2試合の取り扱いには優勝に直結することもあり慎重。「代替試合を求めるのか」の問いかけに「それは選手会に言ってみなければわからない」と話すにとどめた。

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古田選手会会長譲歩[報知]

◇週末スト回避へ急転、再来年参入確約でOK

日本プロ野球選手会・古田敦也会長が20日、スト妥結の条件を大幅に緩和した。古田会長は試合前、神宮球場のクラブハウスで報道陣の取材に応じ、私見であることを強調した上で「2006年に(新規球団を)必ず入れるのなら納得できる人もいる」と発言。2006年からの新規球団の参入を確約すれば、ストが中止される可能性のあることを示唆した。

古田はこの日の試合前、神宮球場のクラブハウスで約20分間、報道陣の取材に応じた。その中でまずは従来通り12球団制の維持を強く訴えた。が、一方で、前日(19日)までの強硬姿勢から一転。私見と前置きしながらも大胆な譲歩案を示し、スト妥結の可能性を模索した。

古田会長が求めたのは新規参入の確約だった。「私見ですが、2006年に必ず(新規球団を)入れるのなら納得できる人もいるでしょう」と、2006年の新規参入を約束してくれるのなら選手会内の強硬派を説得できる自信を示し、2005年に限りパ・リーグ5球団を受け入れる可能性があることを示した。

前回の協議・交渉委員会では、選手会側は「2005年から」の新規参入ができるよう努力することを求めたのに対し、NPB側は「2005年以降」の文言を譲らなかった。そのためプロ野球70年の歴史で初めてのストライキが決行された。前日(19日)も古田は「『来季から』という言葉?それは大きいと思う」と、コメントしていただけに、2006年まで待つ姿勢を見せたのは、大きな譲歩といえる。

古田会長はこれまでに「基本的なベクトルの向きが問題。増やすのか、減らすのか。それが問われている」と訴えていた。再来年からの新規参入が保証されれば、2006年以降はセ、パ6球団以上が維持され、選手会がもっとも懸念している球団数減少という事態が避けられるという意味で、大きな前進と考えているようだ。

また古田会長は、2つ目の譲歩案として、年俸の大幅ダウンを受け入れる用意のあることを示した。野球協約92条では、年俸1億円以上の選手に関して、減額幅は最大30%と定められているが、古田会長は50%のダウンも容認する考えのあることを明かした。

古田会長は「オリックスは(年俸を)17億円しか払ってないけど、37億円の赤字がある。年俸が赤字に直結しているとは思わない」と、必ずしも年俸の高騰化が経営難の直接的な要因ではないと考えるが、高額所得者に関しては大幅カットをのむつもりだ。

ストが明けたこの日、球場入りした際には、左翼席の阪神ファンを含め、球場全体から「古田、古田」の大合唱。「ストには物理的なものの他に、心にも痛みがある。僕も野球選手ですから、全国に野球を広めたいんです」と感慨深げに語った古田会長。将来の球界発展を願う選手会会長は、安易な妥協をする気もないが、ストの継続など願っているはずもない。妥結へ向け22日、再び交渉のテーブルに着く。

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12球団見解統一へ[報知]

◇21日実行委

プロ野球の実行委員会が21日、東京都内のホテルで開かれる。選手会が「2005年から」と強く要求している、新規球団の参入の時期についての扱いが争点となる。

交渉が決裂した17日の協議・交渉委員会では、選手会の「来季から」とする参入時期について、セの5球団が容認。巨人とパ各球団が「来季以降」と二分していることから、12球団の見解を統一させる方針。次回の協議・交渉委はヤクルト戦がナゴヤドームで行われるため、古田のスケジュールに合わせ22、23日に名古屋市内で開催され、そこでも決まらない場合は、24日に広島で開催される可能性も。

また、18、19日のスト中止分の代替試合実施についても話し合われるが、行わない方向で既に話がまとまっている。さらに、来季からの導入が検討されている交流試合の運営方式も議題にあがっている。29日の臨時オーナー会議で、交流試合の実施について議決する可能性が高いことから、ある球団代表は「実行委で話さないとオーナー会議に間に合わない」と話した。

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来季シダックス参入「大歓迎」[報知]

◇横浜山中球団専務

横浜・山中正竹球団専務取締役が20日、社会人野球・シダックスのプロ野球新規参入について「大歓迎する」との意向を示した。山中専務は新規参入企業の基準を「選手がいて、球場、練習施設があって、コーチがいるなどの基本的な条件が備わった上で、野球に対する情熱がある企業が望ましい」と話し、具体的にシダックスの名前を上げた。

シダックスは球団を持たないライブドアや楽天と違い、社会人野球で実際に活動している。知将・野村克也氏がGM兼監督を務めるなど、山中専務が求める条件にはピッタリ。「シダックスが仮に参入を申請するならば、今入っても何勝できるか分からないが、近い将来には(プロで)戦えるレベルにはなるだろう。大いに歓迎すべき」と述べた。

また、新規参入の時期については、「“05年から・最大限努力”という2つの文言を文書に入れるようにと、横浜の立場として主張している。これは選手会と一致している。球団側にも温度差がある」と語り、21日の実行委員会で球団側の意見の調整に向けて、引き続き“来季からの参入”を主張していく姿勢を見せた。

◇シダックス・志太会長「参入への3条件」

プロ球界参入構想が浮上している社会人野球シダックスの志太勤会長が20日、都内で取材に応じ「参入への3条件」を提示した。

(1)
プロアマが一体となった組織づくり
(2)
有望選手が公平に行き渡るドラフト制度
(3)
放映権料などの収入が各球団に均等に入るシステムの導入

を訴えた。同会長は、特に2と3が導入されない限り、新球団の存続は難しいと指摘。「経済人の立場から言えば、赤字の出るところに入ってはいけない」と参入に慎重な構えを見せた。

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古田会長がスト回避“譲歩案”…確約『06年12球団』[サンスポ]

プロ野球選手会の古田敦也会長が20日、『06年から12球団』の確約がとれれば大きな前進−ととらえる私見を明かした。ただ、新球団を受け入れる場合は『チームを保有していること』の条件をなくし「エクスパンション(拡張)ドラフトの導入」を主張。また、選手会側は1億円以上の選手の年俸削減率を50%に引き上げる案を提示していたことも明かした。

神宮の杜に野球が戻った日。古田会長が歩み寄りの姿勢をのぞかせた。今週末のストの可能性は消えていない。22、23日も労使交渉に出席予定だ。そこに向けて、新規球団の加入時期で、新たな見解を示した。

古田会長
「私見ですけど、2006年から必ず(新球団を)入れるなら、方向性としてはいいと思う。ベクトルが球団が減る方向に向いているのが問題だから。ただ(労使交渉で)自分達から話すことはない。これが妥結点にはならない。」

古田は『05年からの門戸開放』を譲った訳ではなく、慎重な言い回しに終始したが、経営者側にトスした“ボール”としては注目に値する。

経営者側に『新規参入は来季“以降”』と幅を持たせた表現をされたことが、スト突入の原因になったからだ。ただし、新球団を受け入れる場合は、エクスパンション(拡張)ドラフトの導入を主張した。「施設は自治体と手を組めば手に入るけど、人はそうはいかない」。プロ参入を表明しているライブドアや楽天は、ともにチームを保有していない。米国を手本として、戦力均衡化のため、同ドラフトの必要性を改めて力説した。

一方、選手側は1億円以上の選手の年俸削減率を現行の30%から50%とする用意を、既に経営者側に伝えたという。「これは相当前から話してますよ。でも正直、そんなに話をしてない」。選手の年俸を仮に半額にしても、抜本的な経営改善にはつながらないというのが、古田の意見。『構造改革委員会』などを早期に導入することを訴えている。

この日はヤクルトの4番として阪神戦に出場。スタンドには『古田負けるな』『古田支持』など無数のパネルが掲げられ、打席のたびに「フ・ル・タ」の大合唱。1回には右前打を放ち2000本安打まで残り23とした。「野球がこんなに注目されたのはいつ以来かな」。戦う選手会長は、緊張感を解いていない。

オリックス・三輪選手会長
「(古田発言を)直接聞いていないので何とも言えない。今度のストを回避したいということかもしれませんね。」
エクスパンション・ドラフト
球団拡張の際、新球団が既存球団から選手を随時指名していく方式。大リーグでは1960、61、68、76、92、97年と6度行われた。ダイヤモンドバックス、デビルレイズの2球団が新規参入した97年11月には35人ずつ計70人が指名されている。その際、既存28球団はプロテクト選手各15人を指定、1、2巡目終了時にさらに3人ずつを保護。また、FA資格を有する選手、移籍できない契約を結んでいる選手、18歳以下で契約した4年未満の選手、19歳以上で契約した3年未満の選手は自動的にプロテクトされる方式がとられた。

◇次回の労使交渉は22日、23日

次回の労使交渉(協議・交渉委員会)は22日から名古屋市内で行われることが20日、内定した。労組選手会の松原徹事務局長と日本プロ野球組織(NPB)の伊藤修・選手会担当顧問で日程を調整し、22、23日は名古屋市内で、その2日間で妥結しない場合は24日に広島市内で交渉を行うことになった。前回16、17日の労使交渉では、新規球団の参入時期をめぐり決裂。史上初のスト突入を招いた。次回の回答期限はスト予告日前日の24日午後5時が有力だ。

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古田会長、熱烈コールに応え大奮闘[スポニチ]

神宮の杜に「古田!古田!」の大合唱。史上初のストライキを18、19日に決行した労働組合・日本プロ野球選手会の古田敦也会長が、阪神戦の試合前から大勢のファンに激励を受けた。その思いに応えるように、1安打を放つなど全打席で出塁し、5連勝に貢献。また、22、23日に名古屋市内で行われる協議・交渉委員会に向け、強い姿勢で臨む覚悟を示した。

目は潤んでいた。右翼ポール際。古田はクラブハウスに向かう通路への入り口で立ち止まった。右翼席、そして一塁側のファンからわき起こった「古田!古田!」の大合唱。何度も手を振り、頭を下げる。名残惜しそうに球場に背を向け歩き出すと、口元をギュッと引き締めこう話した。

古田
「迷惑をおかけした人はたくさんいるから、全員が全員支持してくれているとは思わないけど、ありがたいことです。裏切らないようにしたい。」

協議に協議を重ね、悩みに悩んだ末、決行された18、19日のストライキ。今週末も決行される可能性を残す中でのプロ野球再開だったが、神宮に詰め掛けた3万2000観衆から温かい拍手で出迎えられた。練習中からパニック寸前の大騒ぎ。何度もファンに囲まれ「古田コール」で励まされた。試合前、グラウンドに足を踏み入れた時には、右翼席のヤクルトファンだけでなく左翼席の阪神ファンからも「古田!古田!」の大歓声。「負けるな!古田選手」「古田会長 閉鎖的な世界を変えることができるのはあなただけです」といった横断幕、ボード数十枚が揺れた。

苦渋の決断に17日深夜に生出演したテレビ番組では号泣しながらファンに謝罪。だが、ファンからは「謝る必要はない。頑張れ」と励ましの声ばかりが飛んだ。その声援に応えるように第1打席に右前打を放つと、2、3、4打席目は四球で出塁。守っては調子の上がらない先発・高井を懸命にリードするなど攻守にわたってチームを引っ張り、今季3度目の5連勝に導いた。

スト期間中の2日間、全く練習を行わなかったが、グラウンドでは仕事を全う。若松監督は「相当疲れていると思う。でも4番は外せない」と目を細める。労使交渉でもチームでも先頭に立って奮闘する39歳に飛んだ1番大きな声援。後押しムード一色に染まった神宮を後にした古田は21日、首位・中日、そして協議・交渉委員会が待つ“決戦の地”名古屋に乗り込む。

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新規参入で古田「06年から必ずなら」[ニッカン]

労働組合・日本プロ野球選手会の古田敦也選手会長は20日、新規球団の参入時期に関し、私見と断った上で「2006年から必ず(新規球団を)入れる方向で努力するというのなら、納得する人もいるとは思うけど。増やす方向なのか、減らす方向なのか、そこが問われている」と述べた。

ただし、来季からの新規参入は日程面から難しいとする経営者側の意見に対しては「厳正な審査は必要だと思うが、時間が足りないとは思っていない」と反論した。また、1億円以上の高年俸選手に対する減額制限幅について、選手会側が現行の30%から50%に引き上げる案を既に提示していたことも明かした。

22日から再開予定の交渉については「明日の実行委員会で色々話が出るでしょうから、それを受けてから」と述べるにとどまった。

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