わたしはかもめ2004年鴎の便り(9月)

便

9月21日

西武5−6千葉ロッテ(西武ドーム)

ロッテが逆転勝ちでプレーオフ進出へ望みを繋いだ。3点を追うロッテは5回井上の適時打で1点を返すと、6回ベニーの35号ソロ、フランコの16号ソロ、李の14号ソロの3者連続ホームランで逆転。その後、2点を追加して逃げ切った。先発の清水直が6回2/3、4失点で3年連続3度目の10勝目。小林雅は、4年連続4度目の20セーブを挙げた。西武は9回に代打赤田が適時打を放ち1点差まで詰め寄るが、あと1歩及ばず、先発潮崎の引退試合を勝利で飾れなかった。なお西武のシーズン2位終了が確定した。

123456789R
千葉ロッテ0000131016
西武0300001015
バレンタイン監督
「今日のゲームの鍵になった。張はうちに相性がよく、やられっ放しだった。うちはシーズンを通して諦めないと言い聞かせて、お互いに信じてきたが、今日はそれをしっかり実現出来た。『ガイジン』3人が3連続ホームランは今シーズン初めてだが、絶妙なタイミングで打ってくれた。偉業が生まれた。今日は我々は崖っ縁に立たされた状況でリードを奪われ、いいピッチャーにノーヒットに抑えられる状況だったが、我々は勝たなければいけないということが分かっていた。そのゲームに勝てたことは、誇りに思うし大きかった。」
佐藤
「嬉しい。ビジターなのに最高の舞台を用意してもらえた。球団はもちろん、最後に場所を与えてくれた監督、そして拍手をくれた選手、ファン。それにビジターにこんな用意をしてくれた西武球団に感謝したいです。ありがとうございます。でも、涙で何を周りでやってくれているのか分からなかった(笑)。1番の思い出は、代打での満塁ホームラン。正直、4〜5年前から毎年引退を考えていたけれど、ここまでよくやってこれました。」
ベニー
「とにかくチームが勝って良かった。みんなのパワーで勝利を引き寄せた。プレーオフをやりに、この西武ドームにまた来るよ。」
井上
「とにかく勝って良かった。タイムリーは意地で打ったけど、二塁打は執念で打ちました。やることはやったんだから。後はいい結果を待つだけ。」
清水直
「こういうゲームだったからね。負けたらプレーオフがなくなるところだったから、どんな形であれ勝ててよかった。勝つことだけを考えていましたから。粘れた?気持ちも粘れました。先制点を取られて、追加点も一気に取られて…。でも、あそこで自分が切れたら全てがダメになる。チームが終わると思って踏ん張りました。二桁も嬉しいけれど、1年間、今年もローテーションを守れたことが嬉しい。とにかく、勝てて良かったですよ。」

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ロッテ“PO残った”執念5割[報知]

◇ベニーだフランコだ李だ逆転3連弾

パ・リーグの灯は消さない。執念を乗せた李承Yの打球は、ライナーで右中間スタンドへ飛び込んだ。荒れ狂うほどの歓声が西武ドームを包む。1ヶ月ぶりにかけた14号決勝アーチは、プレーオフ進出へ崖っ縁で踏みとどまる、起死回生の1発だ。

2点ビハインドの6回2死から、ベニー、フランコ、そして李と続いた奇跡の3者連続本塁打。「自分の本塁打が勝利に結びついてものすごく嬉しい」とポーカーフェースも緩んだ。「韓国の56発男」として来日しながら、人生初の2軍落ちも経験。それでも決して腐らない精神力が、殊勲のアーチに結びついた。

日本ハムが勝利を収めたため、絶対に負けられなかった。ストで消えた2試合が代替されなければ、今季は終了。「ここで終わったとは思っていない。135試合を戦ってプレーオフに行きたい」とバレンタイン監督は訴えた。9年ぶりに勝率5割。やるべきことはやった。今は静かに、行方を見守るしかない。

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ロッテ踏みとどまる、指揮官は代替試合要求[スポニチ]

崖っ縁で踏みとどまった。外国人トリオの3連発で逆転。ロッテが劇的な勝利で生き残った。

バレンタイン監督
「あの3人の3連発は初めてだけど絶妙なタイミングで生まれたね。」

バレンタイン監督が興奮気味に振り返った。2点を追う6回2死。ベニーが左越え35号ソロで口火を切り「完璧」と話せば、右中間へ同点16号ソロを放ったフランコは「甘い球を見逃さず打てたよ」と振り返った。さらに李承Yが右中間へ勝ち越しの14号ソロ。19試合ぶりの一撃に「3人連続は気持ちいいね」と笑った。

開幕から繰り返してきた「諦めるな!」というゲキに応えてくれたナイン。その頑張りに試合後は指揮官が応えた。

「まだ試合はあると思っている。135試合を全うしてプレーオフへ行きたい」とスト対象試合の代替開催を要求。このまま全日程終了なら、23日から日本ハムが残り2戦1勝で3位に入る。「彼らは勝率5割のチーム。この2連勝のあとに2連敗もある」と願望を口にしたバレンタイン監督だが、自力での劣勢挽回へ代替試合は欠かせない。「23日は午後1時から練習です。よろしければ皆さんも来てください」。ロッテの04年シーズンはまだ終わらない。

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ベニー、フランコ、李承Yの3者連続アーチで劇勝![サンスポ]

ベニー、フランコ、李承Yの3者連続アーチが飛び出し、執念の逆転勝利。プレーオフ進出へ首の皮1枚つながったバレンタイン監督は「チームは崖っ縁だったが、絶妙なタイミングで偉業が生まれたね」と3人を称えた。ストでつぶれた2試合の代替試合がないと、これでシーズン終了。プレーオフ進出は日本ハムの結果待ちとなるが「代替試合はあると思っている。今までと同様の準備をするだけだ」と指揮官。3年連続2ケタ勝利を挙げた清水直も「終わったとは思っていない。やるべきことがありますから」。希望を捨てずに23日から千葉マリンで練習を再開する。

◇引退する潮崎が、本拠地最終戦で先発。打者1人だけ登板

今季限りで15年間の現役生活を終える潮崎が、本拠地最終戦で先発。打者1人だけで、相手は同じく引退するロッテ・佐藤。初球シンカーでストライクを取り、3球目の137キロ直球で右飛に仕留めた。試合後のセレモニーでは息子の至哉くん、雅士くんと場内を1周。「思ったより泣かなくて済んだ。もっとボロボロに泣くかと思った。ロッテのファンからも声援をもらって感激した。これからは西武ファンとして応援したい」と笑顔で語った。

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今季“最終戦”…プレーオフへ望みつなぐ

ロッテが、プレーオフ進出へ辛うじて望みをつないだ。ストで中止分の代替試合がなければ今季最終となる西武戦。先発したエース清水直が2回に3点の先行を許したが、打線が奮起。2点ビハインドで迎えた6回、ベニー、フランコ、李の史上初の外国人3連発で逆転し、逃げ切った。これでチームは勝率を5割に戻して“終了”。あとは日本ハムの残り試合の行方を待つ。

アンビリーバブル! 2点を追う6回、2死からだった。西武張に、襲いかかった。4番ベニーが「完璧な当たり」という35号ソロを左翼席中段に運ぶ。続く5番フランコも右越えに今季16号の同点アーチ。さらに6番李だ。外より高め直球を右中間へたたき込んだ。「すごく良い当たりだったし、打った瞬間分かりました」という135メートルの特大勝ち越し弾で勝利を引き寄せた。

2回にエース清水直がカブレラ、フェルナンデスに被弾して3点の先行を許した。だが、史上初の外国人3連発で敗色ムードを吹き飛ばし、プレーオフへ首の皮1枚つながる勝利をもぎ取った。バレンタイン監督が、声を張り上げた。「決してあきらめず、ナインがお互いの力を信じることができた。外国人選手3人が絶妙のタイミングで打ってくれたよ」。

まさに崖っぷちだった。スト代替試合がなければ、この日でレギュラーシーズンは終了。敗れれば、日本ハムがダイエーに勝ったため、ロッテのプレーオフ進出は消滅するところだった。「このままでは終われないですからね。意地で打ちましたよ」。5回に反撃の口火となる適時打を放った井上が、ナインの気持ちを代弁した。

代替試合がなければ、日本ハムの残り2戦の結果を待つしかない。しかし、ロッテはすぐさま明日23日に千葉マリンでの全体練習を予定に入れた。「日本ハムもだいたい勝率5割。昨日、今日、勝ったから、次は連敗してもおかしくない」とバレンタイン監督。さらに「レギュラーシーズンは135試合と設定されている。それを全うしてプレーオフに進出したい」と代替試合開催を求め、ナインには気持ちを切らさぬようゲキを飛ばした。

これで勝率は5割ちょうど。このまま終われば、バレンタイン監督が前回指揮した95年以来、9年ぶりの5割以上となる。だが満足する訳にはいかない。最近、得意の右投手相手にもスタメンを外されることがあった李も「出たり、出なかったり、調整は難しかった。でも与えられた所で頑張るしかない。まだシーズンは終わってないし」と言い切った。そう、他力ながら望みはある。あくまでプレーオフを見据えている。

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史上初外国人3連発

ロッテは6回にベニー、フランコ、李と三者連続本塁打。同一チームの外国人選手3人が本塁打を打ったのは今年4月23日に広島のシーツ、デイビー、ラロッカが記録して以来だが、パ・リーグでは65年4月24日に西鉄のバーマ、アグリー、ロイが打って以来、39年ぶり。外国人選手の3者連続本塁打はプロ野球史上初めてだ。この試合は西武のカブレラとフェルナンデスも1発を記録。両軍合わせて外国人選手5人が本塁打も初めてになる。

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さよなら佐藤

今季限りでの引退を表明している佐藤が、1番打者として最後の打席に立った。結果は右飛だったが、マウンド上の潮崎と握手。敵地ながら、左翼席からは“幸彦コール”が沸き起こった。試合後も西武側の計らいでスクリーンに「佐藤幸彦選手18年間ありがとう」の文字が映し出された。家族から花束を受け取った佐藤は「左投手に強いという特長があったのと、一生懸命やってきたことかな」と18年間プレーできた理由を説明。バレンタイン監督も「これまで同様に全力でやれば、次の人生でも必ず素晴らしいものが待っているよ」と賛辞を贈っていた。

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ロッテ社長意味深「まだ動いている」

ロッテ濱本球団社長が“球界再編進行中”の認識を示した。西武戦を西武ドームで観戦。球場を去る際、報道陣からライブドアなどの新規参入問題、さらにロッテ自体の合併問題について質問を受けると、それまでの温和な表情が一変した。「(ロッテの合併問題は)少なくとも、あの時の状況じゃない。ただ、球界再編はまだ動いている。我々が軽々しく語ることは許されていない」と意味深な言葉を口にして帰途に就いた。

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スト代替試合なし

◇交渉妥結でも「基本的にはやりません」

労組プロ野球選手会の古田敦也会長が21日、ストライキで生じた中止試合の代替試合は行わない考えを示した。経営者側の一部は実施したい考えだが、22日から再開する協議交渉委員会の中で、交渉が妥結に至った場合、代替試合を行ってもいい考えはあるか?という質問に「行ってもいい、悪いではなくて、今週末もストになる可能性もある訳で、基本的にはやらないと思ってもらっていいと思う」と答えた。

今回の交渉で譲歩するつもりはまったくない。それどころか「本当は合併を1年凍結してくれるのが1番いい。そこに2チーム入れて8球団でやったら日本全国で試合ができて楽しそうじゃないですか」と話すなど、前回の交渉の中では認めた近鉄とオリックスの合併についても再度、凍結を要望しかねない勢い。その徹底した態度が、代替試合拒否の姿勢につながった。

この日行われた実行委員会では、新規参入条件の加盟料を撤廃して25億円の預かり保証金と5億円の入会金を徴収することが決まった。これにも古田は「入会金は何に使うんだろうね」と疑惑の目を向ける。ライブドアの審査に取りかかるということにも「これから?まだしてなかったの」とあきれ顔を見せるなど、これまでの交渉で生じた感情のもつれの大きさも感じさせた。

協議交渉委員会は22日と23日に設定されてあるが、スト期限については「24日になると思います」と、2日間でもまとまらなかった場合に備えて、ギリギリまで延ばした。24日には名古屋から広島に移動して試合に臨むため、自らは不在の交渉の場で最後の決断が下される可能性が高い。「ストはやりたい訳ではない。先週末は首位決戦だった名古屋の人達にも迷惑をかけた。でもこうなった以上、全力を挙げてやりたい」。3日間とも試合のため会議は途中で退席せざるを得ないが、気持ちは残りのメンバーに託す。

◇代替案は継続審議

この日の実行委員会では、シーズンの成立、不成立に伴うリーグ優勝、個人タイトルの扱いなどについては論議されなかった。会議後、小池パ・リーグ会長は「そこまでの話はしていない。選手会と話し合いをしてからになる」と語った。18、19両日のスト決行で行われなかった計12試合の代替試合の開催について、議長役の豊蔵セ・リーグ会長は「検討中だ」と歯切れが悪かった。代替試合の有無を決める時期に関しても「(代替試合を)するかしないかも分からない。なるべく早くとは思っているが(開催する、しないの時期が)いつかは申せない」とした。

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スト回避へ経営側が歩み寄り

臨時実行委員会が21日、都内のホテルで行われ、今週末のスト回避へ、経営者側が選手会へ歩み寄る姿勢を見せた。スト突入の引き金となった17日の労使交渉では、新規参入の時期をめぐり選手会と意見が食い違ったが、この日は12球団代表から「意見がまとまりつつある」の声が相次いだ。約5時間半に及んだ会議後、ロッテ瀬戸山代表が「前回は(選手会の要求に)反対する球団があったが、まとまりつつある」と足並みが揃う方向にあることを明かした。阪神野崎球団社長も「(労使交渉が)まとまる見込みはある。手応えを持って解散した」と振り返った。

17日に選手会と決裂したのは「新規参入」受け入れ時期を巡る文言が問題だった。選手会からは「来季からの新規参入に向けて最大限の努力」を求められた。これに対し、経営側は「来季以降」「誠意をもって対応」と主張。また、12球団内でも意見が割れた。労使交渉は22日から名古屋市内で再開されるが、平行線をたどれば2週連続の週末ストが避けられない状況にある。

この日、歩み寄りの可能性を漂わせた経営側だが、選手会の文言をそのまま受け入れるかは微妙。ダイエー佐藤代表は「ボタンの掛け違いは少しの差。次回で我々が歩み寄らないといけない。新たな提案をすることになるだろう」と予想した。

また、この日の臨時実行委員会では、参加申請のあったライブドアについて、野球協約通り30日以内に審査することを確認した。ストへの損害賠償についても、請求するかは決まっていないが、12球団で足並みを揃える構えだ。これらを労使交渉に臨む「カード」とすることも考えられる。

もっとも、ライブドアの審査をどのように行うかは現段階では不明。新規参入球団へ既存球団からの選手供出があるかも分からず、審査が「形骸化」する恐れも捨てきれない。再開される労使交渉だが、その行方は依然として楽観視できる状況にはなさそうだ。

◇協約改正を承認

実行委員会では、新規参入に伴う野球協約の一部改正を承認した。第36条の5の「新参加球団に対する加盟料」60億円と、同6の「既存球団の譲り受けまらは実際上の球団保有者変更にともなう参加料」30億円を撤廃。新規参入については「預かり保証金」として25億円、「入会金」として5億円とすることで合意した。29日臨時オーナー会議で承認を得て正式に決定する。豊蔵議長(セ・リーグ会長)は「加盟料、参加料については改正し、預かり保証金、入会金の2本の制度に改正したい。入会金の5億円は、実務上必要な費用を考慮した」と説明した。

預かり保証金25億円は、10年間預かり将来的には返却されるもので、入会金に関しては事務的な諸経費など新球団が負担する。新規参入の双璧だった加盟料と参加料の撤廃で、金額面の参入条件は緩和されることになった。

パ・リーグ小池会長
「選手会に話す前に、公にする訳にはいかない。損害賠償については検討中ということ。代替試合も、選手会と話し合わないといけないからね。交流試合はオーナー会議で最終的に検討しようということになっている。預かり保証金については25億円、それに入会金5億円という方向になりました。」

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オリックス社長が古田批判

オリックス小泉球団社長が、古田発言を批判した。前日20日、選手会の古田会長が減額制限について「1億円以上は50%(現行は30%)という話は相当前にしている」と、選手会側が譲歩していることを明言したが、同社長は「NPBに提案されたことは一切、ありません。選手会の要望書の中には贅沢税、年俸削減についてはかかれてあるが、パーセンテージはない。経費削減に協力しているような印象を受けますけど」と、不満をあらわにした。

◇古田会長、伝達勘違いでした

古田会長
「年俸1億円以上の選手の減額制限を30%から50%にしてもいいと、機構側へ伝えたと思っていたのは自分の勘違いだった。数字についてはまだ調整中で、話は出ていない。伝えたのは譲歩する覚悟があるということでした。ご迷惑をおかけして、すみませんでした。」

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楽天が大阪、長野に本拠打診

新規参入の意向を示しているIT関連企業「楽天」(本社東京)が、大阪府と長野市を本拠地候補として折衝していることが21日、分かった。

楽天三木谷社長はこの日、大阪府の太田房江知事と会談。「新球団は大阪ドームを本拠地にしたい」と発言した。関係者によると会談は、三木谷社長側が太田知事側へ申し入れ、大阪市内で1時間にわたって行われた。「大阪ドームに魅力を感じている、フランチャイズにしたい」と語る同社長に太田知事も歓迎の意向を示したという。

一方、長野市に本拠地を置くことが可能かどうか、楽天側が鷲沢正一長野市長に打診していたこともこの日、分かった。同市長によれば、以前から知り合いだった楽天の役員から18日に打診があった。「長野に進出したいという希望があれば、喜んで支援したい」としている。これに関し楽天グループ広報部では「複数の地方の方とお話をさせていただいている。最終決定ではないため、コメントは差し控えたい」としている。

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根来コミッショナー、ストほったらかし

日本プロ野球組織(NPB)の根来泰周コミッショナーが、日本プロ野球選手会とNPBの協議交渉委員会が行われた17日午後に、都内で行われた「消費者機構日本」の設立総会に出席していたことが分かった。同団体は悪質商法や消費者被害の拡大を防ぐために旗揚げした任意団体。総会の日程は8月中旬に決まっていたが、運悪く?史上初のストライキ決行が決まった日と重なった。関係者は「タイミングが悪かった」と話している。

根来コミッショナーは、当初の交渉期限となった17日午後5時、東京・内幸町にあるコミッショナー事務局にいなかった。直線距離で約3キロ離れた東京・六番町の主婦会館プラザエフで、初代会長に就任した「消費者機構日本」の設立総会と、総会後の記者会見に出席していた。総会は午後4時から同5時10分ごろまで行われ、会見は同5時40分ごろに終わった。根来氏は労使協議が切迫する中、少なくとも約2時間、事務局を離れていたことになる。

「消費者機構日本」は悪質商法や不当な契約による消費者被害の拡大を防ぐため、日本生活協同組合連合会など消費者団体が中心となって旗揚げした。今月末には内閣府へ特定非営利活動法人(NPO)の認証申請を予定している。公正取引委員会委員長を務めた根来氏が、初代会長への就任を依頼されたのは4月。オリックス、近鉄の合併が発表される1カ月前の5月中旬には就任を承諾したという。関係者は会長職について「無報酬のボランティア。年4回の理事会に出席していただき、重要案件は対応を相談する名誉職」と説明している。

17日の設立総会は8月中旬に決まっていたため、根来氏は先約を優先し、総会へ出席したとみられるが、今月10日の暫定合意の結果、交渉期限が17日午後5時に延びた後も、同氏から消費者機構日本に対して、労使交渉が入った旨の連絡は入らなかった。このため、「お越しいただけるもの」と判断した消費者機構日本も、総会の日時の変更は検討しなかったという。

コミッショーナーと会長の兼務に問題はないが、時期が時期だけに批判の声が噴出してもおかしくない。消費者機構日本の関係者は「タイミングが悪かった」と言葉少なに話している。消費者機構日本会長の任期は2年。コミッショナー辞任を表明している根来氏だが、会長辞任の申し出はないという。

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新規参入時期結論出ず[報知]

◇実行委4時間協議

プロ野球の実行委員会が21日、東京都内のホテルで開催された。労組・日本プロ野球選手会が史上初のストを決行したばかりだが、中止になった代替試合の実施や順位決定方法などについては結論が出なかった。22、23日には名古屋市内で選手会との団交となる「協議・交渉委員会」が開催される。日本プロ野球機構(NPB)側は今週末のスト回避へ交渉直前まで話し合いを持ち、意思統一を図る。

2週連続のストは回避したい−。NPB側は約4時間半の会議の大半を「協議・交渉委員会」への対応策の協議に費やした。内容については具体的にされなかったが「何としてもストを避けたい、との気持ちは12球団同じ。明日“これで大丈夫”との最終確認をして、交渉に臨みたい」と伊藤修・選手会担当顧問(中日参与)は説明。出席者からは「全体の歩調は合ってきている」と前向きなコメントも出た。

選手会は「新規参入を認め、来季から12球団に戻すよう最大限努力する」ことを要求。一方、NPB側は「来季以降」、「最大限誠意を持って対応する」と文言が割れ、決裂した。「文章上の問題ではなく、中身で返事をしたら、ということ」と阪神・野崎球団社長が言うように、文言は変えずに新規参入球団の審査をガラス張りするなど、選手会の理解を得られる方法を考えることになりそうだ。

また、NPB側は参入障壁の撤廃として加盟料(60億円)、参加料(30億円)を撤廃。代わりに保証金25億円、入会金5億円の徴収に切り替えることを決定。入会金は実務上、必要となる経費だが、25億円は10年後に返還する。選手会に23日にも提案する。

18、19日のストで中止になった試合の代替試合については結論が出なかった。パ・リーグは10月1日からプレーオフ第1ステージが予定されており「日程的にいろんな問題がある」とロッテ・瀬戸山球団代表が話すなど、消極的と思われていた。だが、ダイエー・佐藤球団代表が「ウチとしては再試合をしたい」と提案。この日は意見はまとまらなかったが、オリックス・小泉球団社長が「パの意見は明日、決まる」と見通しを口にした。

ストへの損害賠償は、賠償請求する権利はあり、訴訟を起こす時は12球団で足並みをそろえる方向を確認した。

◇久万オーナー「生半可」困る

阪神・久万俊二郎オーナーが21日、大阪・野田の電鉄本社で、来季からの新規参入について「入ってくる人が野球ができるかが問題。1、2年で辞められたら困る。それを急いでどうするのか」とあらためて厳しい見解を示した。

来季からの新規参入が可能という野崎勝義球団社長に対し「不親切なやつはそう言います。本当に野球の分かった人の世論ならいいけど、生半可分かった人の意見だから困る」と断言。また、ストを決行した選手会への損害賠償請求には「きちんと考えて話し合えばいい。現場でやっている人に任せる」と球団に一任した。

◇根来コミッショナー辞意固く

辞任の意思を固めている根来泰周コミッショナーが21日、選手会のストライキ決行について「新規参入のことでストを打つのは違法ではないか」と指摘した。

選手会は2005年からの新規球団の参入が認められなかったことからストを決行したが、同コミッショナーは「合併反対ということに関しては、労働条件につながる可能性もありストが合法という見方もあるが、新規参入云々でストを打つことは違法だろう」と持論を展開した。また辞任を決意した理由には「(コミッショナー提案が)経営権に踏み込んでしまったことが直接の原因」と話した。

同コミッショナーは実行委員会に出席し、辞意に至った経緯を「提案したこと、進退について、どういう理由かということをお話しした」と説明。実行委から慰留を受けたが、即答はしなかった。

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来季も12球団維持古田会長が見解[報知]

日本プロ野球選手会・古田敦也会長は21日、22日から再開される協議交渉委員会を前に、来季も12球団を維持することを求める考えを改めて示した。

16、17日の前回交渉で古田会長は「NPBが球団を増やそうとしているのか減らそうとしているか分からない」とストライキを決行。この日も、「何度も言っているが、やめたい球団(近鉄)が1つで、やりたい企業が2つ(ライブドア、楽天)なら、普通に考えて12球団でやれると思っている。来季から12でやれるように経営者の方に努力してもらう」と語気を強めた。

すでに承認されている近鉄・オリックスの合併についても、「みんなのために合併凍結してくれないかな。それが1番なんだけど…」とかすかな望みを抱いていることを示唆。「僕達もストをやりたい訳じゃない。ただ、ここで中途半端な結果、曖昧な言葉のままで済ますと、NPBもファンに不信感を抱かれる」と明快な回答を期待した。

また、18、19日のストライキで中止となった公式戦の代替試合については、「基本的にやらない方向で考えてもらった方がいいと思う」と話した。

◇古田会長年俸削減案、BW社長困惑

選手会の古田会長が年俸の大幅削減(1億円以上の削減額を30%から50%に変更)をNPB側に提案したと21日、報じられたが、オリックスの小泉球団社長は「そんな提案は聞いていないと思う。選手会が赤字削減に協力しているように見えてしまうな」と怪訝な表情を見せた。また、ダイエー・佐藤球団代表も「提案を聞いた記憶はない」と話したが「50%もカットするとなれば、ありがたい話だろう」と歓迎の意向を見せた。

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楽天が本拠地打診[報知]

◇長野、大阪

新規参入の意向を表明している楽天(三木谷浩史社長)が本拠地として大阪府(大阪ドーム)、長野市(長野オリンピックスタジアム)に打診していたことが21日、分かった。

三木谷社長は、21日に大阪府・太田房江知事と対談。「大阪ドームを本拠地にしたい」と申し入れ、太田知事は歓迎する意向を示した。また、18日には長野市にも打診しており、鷲沢正一市長は「喜んで支援したい」と話した。

当初、三木谷社長は神戸市(ヤフーBB)を第1候補とする考えを示していた。同社長は「割り切るところは割り切る」と対立してまで候補地にこだわらない姿勢を見せた。だが、大阪と神戸はフランチャイズの関係でオリックス、阪神の反発が必至。そのため、長野市など地方都市との交渉も同時並行で行っている模様だ。松山市(坊っちゃんスタジアム)、倉敷市(マスカット球場)なども候補地として注目されている。

楽天広報部は「(申請段階で)本拠地を1つに絞るかどうかは未定」と話しており、今後各都市の誘致合戦の激化が予想される。楽天は早ければ、22日にも加盟申請を行う。

◇中日が「ライブドア」と接触、近鉄は「楽天」との面談断る

中日・西川順之助球団社長は20日、新規参入申請を行ったIT関連企業「ライブドア」の堀江貴文社長と接触していたことを認めた。「ITを使った新たなファン獲得とか、参考になる話が色々あった。若い人の考えだね。中日は門戸を広げるべき、という考えだから」来季からの新規参入を目指し、努力すべしという姿勢を改めて強調した。

また、近畿日本鉄道の山口昌紀社長は、近鉄球団の買収を検討するインターネット商店街運営の「楽天」からの面談要請を断ったことを明かした。「先週、関係者を通じて『会ったらどうですか』と話がきた。ただ、ウチは合併を進めてきたので断った」と同社長。

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ライブドア審査に着手[報知]

◇申請書を精査

来季からの新規参入を強く求める選手会の声に呼応するように、NPB側では16日に参加申請を行ったIT関連企業のライブドア(堀江貴文社長)に対する審査に着手した。

この日の実行委では同社の加盟の是非を巡る議論にまでは発展しなかったが、12球団はすでに150ページにも及ぶ加盟申請書を持ち帰り個別に精査している段階だ。ただ、野球協約では資本金1億円以上、専用球場の保有など一応の資格を設けてはいるが、厳密な審査基準が定められていないのが実情。実行委の議長を務める豊蔵一セ・リーグ会長は「これから(基準の)内容を決めていかないといけないが経営の健全性、(球団保有の)継続性などの部分になるのでは」との見解を示した。

また、協約では審査事項の決定を下すリミットとして申請から「30日以内」と定めているが、巨人・清武球団代表は「ストで球界全体の動きが止まっている」と間に合わない可能性も指摘。その場合、豊蔵会長は「若干の猶予をいただくことも考えている。十分な調査を経たうえで公正で適正な審査を行う」と、期限となる10月15日以降に判断を下す可能性も示唆した。

◇加盟申請放置報道否定

コミッショナー事務局の長谷川一雄事務局長は実行委員会終了後、今月16日のライブドア社による加盟申請報道について「事実誤認があり、訂正を求める」とした。一部報道で「ライブドア社の新規加盟申請書を、コミッショナー事務局が放置した」とされたが、「当日は事務局職員のほとんどが選手会との交渉に出席していた。残っていた職員から連絡を受け“預かっていてほしい”と指示を出している。その日のうちに受理し、翌日には12球団の代表にコピーを手渡している。決して放置してはいない」と話した。

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スト回避へ機構側が譲歩案を提示[スポニチ]

12球団の代表者による実行委員会が21日、東京・港区の新高輪プリンスホテルで開かれ、25、26日にストライキを予定している労働組合・日本プロ野球選手会への対応策を協議した。前回の労使交渉で根来泰周コミッショナーが文書で提案し、機構側が05年中の設置としていた新規加入球団審査委員会を早急に立ち上げ、05年からの参入を希望している球団にも適用することで一致。22日の協議・交渉委員会で選手会側に伝えることになった。

新規加入球団審査委員会は根来コミッショナーから提案されたもので法律、経済、経営等の専門家、プロ野球OBら7人程度で構成。加入を希望している球団を調査する機関。機構側は16日の労使交渉で、その設置時期を05年中とし06年から加入を希望する球団に対応するとしていた。しかしこの日の実行委では、同委員会の早期立ち上げを求める声が強まった。

オリックス・小泉球団社長は会議後「ライブドアの申請がありましたね。なるべく早く新規小委員会をつくって検討しようと。2005年、2006年ではなく、なるべく早く?そうですね。今年中です。30日以内に審査しないといけない」とライブドアの審査期限が切れる10月15日以前の設置を明言。日本ハム・小嶋オーナー代行は「根来さんからは立ち上げに向けて、既に人選に入っていますという説明があった」と水面下で設置に向けた動きがあることを明かした。12球団は同委員会の早期設置で合意。22日名古屋市内のホテルで開かれる協議・交渉委員会で選手会側に伝えることになった。

選手会は、新規加入の審査に第3者が加わることになる同委員会の設置をおおむね歓迎していた。しかし、16日の労使交渉では古田会長が「手を挙げている企業があるのに、2005年から審査機関をつくるなんて…。すぐつくって審査してあげないと」と設置時期に反発。機構側があくまで05年設置を譲らなかったことから溝は深まった。翌17日の労使交渉でも機構側は「最大限の努力」の文言を拒否。新規参入の時期を「05年から」か「05年以降」とするかで対立し、ストライキに踏み切った。根底には来季参入に消極的で、何ら具体案を示そうとしない機構側への不信感があった。

機構側が新規加入球団審査委の早期設置という譲歩案を示すことで選手会が軟化する可能性も出てくる。既にライブドアが申請書を提出。楽天も早ければ22日にも提出することになっている。同委員会がライブドア、楽天などの審査から機能すれば、結果の可否は別として選手会が強く求めている来季参入、セパ12球団への道が大きく開けることは間違いない。実行委後、阪神・野崎球団社長は「まとまる見込み?あるんじゃないですか。かなり進展はあるんじゃないですか」と譲歩案を“落としどころ”としたスト回避に期待した。機構側が投げ返してきたボールをどう受け止めるか。最後は古田会長の決断にかかっている。

◇譲歩案に期待

労働組合・日本プロ野球選手会の古田会長は21日、中日戦の試合後、22日から再開される労使協議の争点について「何度も言っていることですが、辞めたい企業が1つあって、やりたい企業が2つある訳ですから…。12球団で来季からできるよう努力していただきたい」とあらためて来季から新規参入球団が参入できるよう求めた。

ライブドアの審査開始に関しては「今から始めるんですか。今まで何もやってなかったの?明日になったら何か出るんでしょう」と機構側に譲歩案に期待を寄せた。

ストで中止になった試合の代替試合は、経営者側が実施を望んだ場合でも、選手の希望がなければ実現しないという。古田会長は「基本的にはやらないと思ってもらった方がいい」と消極的な姿勢を示した。試合前には中日・落合監督と会談。選手会を後押しする言葉を受け、協議・交渉委に向け「譲歩はしない」と強い決意を示した。「ファンが注目しているのに、中途半端な結果や、曖昧な言葉のままで過ごすとNPBも不信感を抱かれる。ちゃんとしたものを示さないとファンに理解されない」と訴えた。

◇堀江社長も期待

すでに新規加盟の申請書を提出しているライブドア社の堀江社長は、この日の実行委員会終了後、ホームページでコメントを発表。「まずは、ようやくここまで辿り着いた、というのが率直な感想です」と安堵感を示した。今後についても「審査の結果、必ずやよい返事がいただけるものと信じ、来る参入のその日に備え準備を進めてまいりたいと思います」と審査に期待を寄せていた。

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楽天、本拠地を大阪ドームにと申し入れ[スポニチ]

プロ野球界への参入を目指す楽天の三木谷浩史社長が大阪府の太田房江知事と会談し、大阪ドームを本拠地とする意向を伝えていたことが21日、明らかになった。関係者の話を総合すると、会談は楽天側からの申し入れで、20日に大阪市内のホテルで約1時間にわたって話し合われた。三木谷社長は「大阪ドームに魅力を感じている。フランチャイズにしたい」と述べ、太田知事は「大阪を本拠地とした球団を残したい。できる限りの支援をしたい」と話したという。

オリックス、近鉄の新球団が07年まで兵庫県と大阪府を保護地域とすることを認められており、反発が予想されるが、太田知事はこの日の定例会見で「楽天の考えの中に大阪もあると、私はつかんでいる。巨人と日本ハムが東京ドームを使用したように、大阪ドームを2球団が使えないということはない」と話した。

楽天をめぐっては同社関係者が長野市の鷲沢正一市長に18日、長野を本拠地とできるかどうかの打診をしていたことが明らかになっている。本拠地に次ぐ副本拠地との見方もあり、両都市を拠点とする構想に発展することも予想される。楽天広報部は「複数の地域の方に話をさせていただいている。現在は(加盟申請の)最終局面です」と話しており、22日にも加盟申請を行う予定だ。

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根来コミッショナー慰留も辞任を示唆[スポニチ]

辞任の意向を表明している根来泰周コミッショナーは21日、実行委員会に出席。16日の協議・交渉委員会に示した新規加入球団審査委員会の設置など3項目の提案が受け入れられず、辞任の決意に至った経緯を文書で説明した。12球団代表者から「辞任ということを聞いた。翻意していただけないか」と慰留を受けたが「それについては考えがあるから」と29日の臨時オーナー会議での辞任を強く示唆した。

実行委前には今回のストライキに言及し「新規参入については管理権の話だから違法ストだとは思うが…。私も選手も踏み込んではいけないところ」との見解を示した。また辞任表明に批判が集中していることに「敵前逃亡とかいわれるのは分かっていた」としたものの、日本サッカー協会の川淵キャプテンから批判を受けていることに「Jリーグ規約をみたが、あれやったら何でもできる。あんな独裁的なところはない」と不快感を示した。

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落合監督、新球団に選手出しても[スポニチ]

中日の落合博満監督が21日、選手会を全面バックアップした。ナゴヤドームで行われたヤクルト21回戦の試合前、労組・日本プロ野球選手会・古田敦也会長とグラウンドで約10分間の会談。落合監督は内容について明かさなかったが、ストに理解を示した上で「選手会の言い分の方が筋が通ってる。とことん戦えばいい」と後押しした。

来季からの新規参入に難色を示す機構側を批判した指揮官は「05年の新規参入に賛成だけど、06年からなら反対。手を挙げている企業があるんだから来年から6−6でやるべき。新球団に選手が必要なら2、3人(移籍させるなど)協力したっていい」と訴えた。

現役時代の92年オフに選手会を脱会した落合監督だが、必死に戦う選手会の姿に黙っていられなかったのか。ストのためシーズンが無効となる可能性があることにも「無効なら、その時点でオレは選手を試合に出さない」と声を大にしていた。

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スト回避へ…経営者側歩み寄り−22日労使交渉で提示[サンスポ]

プロ野球実行委員会(議長・豊蔵一セ・リーグ会長)は21日、都内のホテルで開かれ、25日から予定されている第2次スト回避に向けて、選手会への譲歩案が審議された。参加料、加盟料に代わる預かり保証金、入会金制度の導入ほか、を既に新規加盟申請を済ませたライブドア、申請予定の楽天などに来季参入を視野に入れた審査をすることを確認。22日午前11時から名古屋市内で行われる選手会との労使交渉(協議・交渉委員会)で理解を求める方針だ。

スト決行で受けたダメージは、想像以上に大きかった。22日に再開される労使交渉に向けて、4時間半にも及んだ実行委。もちろん最大の課題は25日から再び予定されるスト回避。その1点に集約された。「スト回避に、努力する。選手会の要望は理解している」と議長の豊蔵セ会長も、記者会見で言葉に力を込めた。

18日から2日間決行された史上初のスト。計12試合が開催されず、経営者側が被った経済的な損失は18億9000万円とも試算された。もし今週末もストが続けば経済面だけでなく、ファンに与えるイメージもさらに悪化。球界全体のダメージは計り知れない。

経営者側はこの日、スト回避のための譲歩案を審議。まず新規参入の時期について、選手会は先の労使協議で「2005年からの新規参入に最大限の努力」との文言を要求。経営者側は「2005年以降、新規参入へ最大限誠意を持って審査する」とのラインを譲らずにストに突入した経緯をあらためて確認した。この日の時点では、最終的に来季からの新規参入を認めるかどうかについては結論を持ち越したが「それも十分頭の中に入れて審査するということ。具体的には交渉の中でどうなるかです」と豊蔵会長。話し合い次第では、選手会の要求承認も視野に入れて交渉に臨む考えを示した。

さらに17日に加盟申請を受理されたIT関連のライブドア、今週中に申請するネット商店街最大手の楽天の2社について正式に審査する方針を明かし、同時に加盟料、参加料については預かり保証金25億円、入会金5億円とし、保証金は10年後に返還する改正協約を提案、そのまま2社にも適用する考えだ。

「最初に制約ありきでなく、公正な審査ありき。(加盟申請企業が)たくさん出てくるようだし、ストを回避して早く審査するという段階に入らないとダメ」と、巨人・清武球団代表。会議では、2社を並列で審査する「小委員会」の設置案なども出たという。

経営側としては新規参入に対して現実的な対応をとる姿勢を強調。ルール上では05年から新規加入は可能としつつ、実質的な参入は施設、選手確保などの問題を指摘して06年以降を提案。つまり選手会の意見を飲んで体面を保ちつつ、実際は来季「セ6パ5」の落としどころを探る方針だ。球界として門戸を広げる姿勢を強調し、審査では慎重に結論を出す妥協案を提示する。22日からの労使交渉は、経営者側の歩み寄りによる着地点が模索されることになりそうだ。

◇ストで中止の代替試合−ストの損害賠償請求を行わない代わりに代替開催を確認

選手会のストで中止となった18、19日のセ、パ計6試合の代替試合については、選手会側に対してストの損害賠償請求を行わない代わりに代替開催に応じるよう求めることが確認された。

「こちら(機構側)だけで決められる話じゃありませんから。明日(21日)の交渉もある」とはセ・リーグの首位を快走する中日・伊藤代表。代替開催には選手会の同意が必要なため、この日の実行委では結論は持ち越されたが、経営者側ではすでに開催を要求することで一致している。

「球団としては(代替試合を)やりたい」とダイエー・佐藤代表。日程的にギリギリで、25、26日もスト決行なら、開催自体がほぼ不可能な状態に追い込まれるが、結論が宙に浮いた状態のままでは優勝争いも混乱が生じるのは事実だ。

既に経営者側は「意見が分かれているということはない。もう少し詰めましょうということだけ」と伊藤代表。損害賠償請求は法的に可能との立場は確認済みで、この点を含めて21日の協議・交渉委員会で選手会の意向とともに方針が決定される。

◇新球団の本拠地、大阪ドームに−楽天の三木谷社長、太田房江大阪府知事と会談

プロ野球への新規参入を目指すIT関連企業「楽天」の三木谷浩史社長が22日、大阪府の太田房江知事と会談し「新球団は大阪ドームを本拠地にしたい」と発言していたことが分かった。

関係者によると会談は三木谷社長側が太田知事側に申し入れ、大阪市内で約1時間にわたって行われた。同社長は「大阪ドームに魅力を感じている。フランチャイズにしたい」と述べ、太田知事は「できる限りの支援をしたい」と歓迎する意向を示したという。

ただ、同社は本拠地候補として長野市にも打診していたことが、この日分かった。鷲沢正一市長は同級生の同社取締役から打診を受けたことを認め、集客数に懸念を示しながらも「歓迎したいと思う」と話した。また田中康夫長野知事も「ぜひ実現したい。長野市長にもお願いに伺いたい」と発言。「日本海側からも関東からも至近距離にある」と集客に自信を示すとともに「温泉もあり、選手の保養、療養にもなる」とアピールした。

楽天グループの広報部は「他自治体からも本拠地誘致の話はある。今週中にも球団経営の加盟申請を行う予定で、その時に何らかの結論を明らかにできると思う」とコメントしている。

◇楽天、本拠点候補地として長野市にも打診していた

プロ野球への新規参入を目指すインターネット関連企業「楽天」(三木谷浩史社長)から球団運営の拠点候補地として長野市が打診を受けたことが21日、分かった。鷲沢正一市長は、同級生でもある同社取締役から打診があったことを認め、集客数に懸念を示しつつも「歓迎したいと思っている」と期待に胸を膨らませていた。

鷲沢市長によると、同社取締役が今月18日、電話で「(同社設立の新球団の)球場拠点地として長野市はどうか」と打診。本拠地や準本拠地などとしての具体的な打診ではなかったが、鷲沢市長は、同市篠ノ井の長野オリンピックスタジアム(収容人数・3万人)で毎年行われる西武ライオンズの試合集客数が1万5000人ほどであることから、「プロ野球の経営が成り立つのかどうか疑問だ」と指摘したという。とはいえ、「経営が難しいことを承知で来てもらえるなら、こんなにありがたい話はない」と満更でもない様子。

一方、同社広報部は「他の自治体からも本拠地誘致の話はある。今週中にも球団経営の加盟申請を行う予定で、その時に何らかの結論を明らかにすることができると思う」とコメントした。

また、田中康夫知事は同日、「ぜひとも実現したい。長野市長にもお願いに伺いたい」と述べ、プロ野球チーム誘致を歓迎する考えを明らかにするとともに、「日本海側からも関東からも至近距離にある」として集客に自信を示すととともに、「夏は湿気は少なく、冬は屋内設備が整っている。温泉もあり、選手の保養、療養にもなる」などとアピールした。

◇根来コミッショナー、辞任理由を文書にして配布−慰留には返事を保留

根来コミッショナーは辞任を決意した理由を文書にして配布し、各球団代表者に説明。慰留に対しては返事を保留した。労使問題で、新規加入球団審査委員会(仮称)の設置を提案するなど打開策を披露。だが、これが経営管理権を侵す行為と自認していることなどを辞任の理由に挙げたもようで、同コミッショナーは「説明はしづらいが、提案はスト回避のための引き換え的なものではない」と強調した。

オリックス・小泉隆司球団社長
「損害賠償については足並みを揃えることを決めた。請求する、しないは検討していく。」
ダイエー・佐藤賢二球団代表
「ライブドア?審査は真摯に行います。30日よりもっと前に結論は出るはず。損害賠償は決めてないが、12球団同じような行動をします。」
中日・伊藤一正代表
「新規参入の審査の進め方は多少、話が出ました。30日以内という規約にのっとって、お返事しますよ。(新規参入が05年からか、05年以降かの話は)特にないですよ。この前(17日)こちら側の考えは出している訳ですから。」
広島・鈴木清明球団本部副本部長
「週末のスト回避について重点的に話し合った。新規参入は丁寧に審査した上でなら来季からでも構わない。最後は選手会との信頼関係になるでしょう。今週もストになると代替は不可能。」
阪神・野崎勝義球団社長
「交流戦は営業のこともあるので今日決めたかった。今週末はストを避けたい。選手会との交渉もまとまる見込みはあると思うし、そういう手応えをもって別れた。22日からの交渉はかなり進展すると思う。」

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落合監督「オレ流選手会援護」で古田会長とオチアイ…[サンスポ]

中日・落合博満監督が21日、ヤクルト戦が行われたナゴヤドームで労組選手会の古田敦也会長と直接会談。約10分間の話し合い後「来年から6と6の12球団しかない。選手が必要なら協力してもいい」などと選手会を援護する発言を連発した。現場指揮官としては異例の選手会全面支援。これもオレ流、だ。

これがオレ流の“援護射撃”だ。古田との会談を終えた落合監督はベンチ裏で熱弁をふるった。

落合監督
「選手会が言っていることのほうが筋が通っている。落としどころは来年から6と6の12球団しかない。経営者が折れるしかないと思う。」

試合前に、古田が歩み寄って始まったケージ裏会談は約10分。内容は明かさなかったが、代わりに持論を展開した。その発言全てが古田への、選手会への援護射撃。過激発言も飛び出した。

「再試合とか、順位をどうするかとかを(機構側は)話し合っているみたいだけど、そんなヒマがあるなら、なぜ新規参入の検討をしない。それに今年(の順位)が成立しないというなら、選手を(試合に)出さない」。この日に結論を見いだせなかった順位決定方式に対しても、今後もモメるようならボイコットがあるというのだ。さらに「(球団を増やすのが)来年からならこっちも協力する。(拡大ドラフトで)2、3人持っていかれもいい」。古田らが提案している拡大ドラフトにも最大の理解を示した。

そこまでしても選手会支持。おそらく古田にもこんな話を持ち掛け、励ましたはずだ。現役時代、活動方針の違いから選手会を飛び出した落合監督だが、現場指揮官となった今、異例の後方支援を約束。球界再編にもオレ流を貫く。

◇今回も最後まで強硬姿勢を貫く構えを強調−古田会長

22日から再び協議・交渉委に臨む労組選手会の古田敦也会長は21日、今回も最後まで強硬姿勢を貫く構えを強調した。

中日戦が終了した直後のナゴヤドームで報道陣に囲まれた古田はこの日の実行委を受けて「1つ(球団経営を)やめたい企業があって、2つやりたい企業があるなら来季から12球団が普通でしょ。前回と一緒。来季からできるでしょう」と強い口調で訴えた。

実行委では加入申請を済ませたライブドアの審査が確認されたが「(申請後)今まで何もしてなかったの?」とNPB側の対応に不信感をにじませるひと幕もあった。

「06年から必ず12球団になるなら」と前日は譲歩案ともとれる私見を明かしたが、選手会長として改めて強い立場で臨むことを明言。「中途半端な結果でなくそれなりのことを示さないとファンに理解されない」。球界の門戸を開放させ、あくまで来季の12球団を要求する腹づもりだ。またストの代替試合も「基本的にはやらないと思ってもらった方がいい」と応じない方針だという。

その一方で、前日に1億円以上の選手の年俸削減率を50%と経営者側に提案したとしたことについては「選手会で統一された数字でなかった。ボクの勘違い」とヤクルトの球団広報を通じて訂正、謝罪した。

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