ロッテのプレーオフの可能性が、首の皮1枚つながった。ダイエーが日本ハムにサヨナラ勝ち。ナインが待機していた千葉マリンのロッカー室では拍手が溢れた。ベテラン小宮山は「本当に野球は面白い。ぜひ経営者の方々に分かっていただければ」とライバル達の熱戦を絶賛。そして、プレーオフへの道が断たれなかったことに、安堵の表情を浮かべた。
既にシーズン全試合を終えているチームはこの日、千葉マリンで練習。日本ハム戦と同じ午後1時から2時間ほど汗を流した。だが練習中もナインの興味は、ライバルの試合経過に釘付け。バレンタイン監督も「今、何対何ですか?」と報道陣に質問。練習後、エース清水直は携帯電話のテレビ電話に試合の映像を送信してもらってダイエーの勝利を見届けて。同投手は「可能性がある限り、プレーオフに向けて調整してます。初戦で先発する意欲?当然です」と力を込めた。
チームは24日もオリックス−日本ハム戦と同じ、午後6時から千葉マリンで練習する。日本ハムが負ければプレーオフ。引き分けなら3位決定戦が行われる。本拠地で必死に汗を流し、人事を尽くして天命を待つ。
日本ハムがダイエーにサヨナラ負けしたことでプレーオフに望みをつないだ。午後2時40分に千葉マリンでの練習を終えた時点で、日本ハムが5−0でリード。バレンタイン監督らが球場を後にする中、小宮山、清水直らはロッカールームで戦況を見守った。だが、地上波でのテレビ中継がなかったため、試合終了まで3時間以上も携帯電話で速報をチェック。試合後、清水直は「可能性がある限り自分の調整を続けたいと思う」。24日も日本ハムの試合開始と同じ午後6時から練習を行う。
ロッテの新人、成瀬善久投手(18=横浜)が5戦連続先発で6回2失点と好投し、今季3勝目を挙げた。打線の援護をもらいながら、2回は鮫島に右翼への同点3号ソロを許した。4回に再び勝ち越しの1点をもらったが、5回に暴投、四球に安打で同点とされた。結局、6回で打者24人に対し、5安打2失点、1四球、5奪三振で降板した。だが、直後に「ストレートを狙っていた」という渡辺正の2号ソロが飛び出し、ラッキーな白星が転がり込んだ。
成瀬は「渡辺さんのホームランは嬉しかった。3勝3敗の5分になってよかった。教育リーグで頑張ります」とニッコリしていた。
「悪夢」の再現を阻止した。古田会長が経営者側から大幅譲渡を勝ちとった。労働組合・日本プロ野球選手会と日本プロ野球組織(NPB)の労使交渉(協議・交渉委員会)が23日、名古屋市内のホテルで再開され、ストライキの回避が決まった。労使双方で7項目の合意書に調印。来季からの新規参入に対し、経営者側から、早期の「審査小委員会」の設立、ガラス張りの審査、分配ドラフトへの参入など具体案を提示させた。球界全体の膿を噴出させた、選手会側の勝利となった。日本中から注目された労使紛争が、ようやく収拾した。
あの「嫌な決断」を迫られることも、もうない。約8時間の交渉後、古田会長は疲労の色の中にも安堵の笑みを浮かべた。「妥結に値する内容だったと思う」と、この日の労使交渉の成果を口にした。近鉄とオリックスの合併は防げなかったが、来季も12球団で戦う道筋はつくった。それ以降も、球界が拡大できる制度の確約を取り付けたことに価値を見いだした。
長い闘いだった。選手会が初めに訴えていたのは近鉄とオリックスの合併の1年凍結。それを発端に、広く球界再編の議論をしようと機構側に呼びかけた。しかし、議論はなかなかさせてもらえなかった。7月7日のオーナー会議で、西武堤オーナーが「もう1つの合併」の可能性を示唆するなど、機構側が意図する球界縮小の流れが、見え隠れした。選手会との溝は次第に深まり、不信感が芽生えた。それが史上初のストを引き起こした。
徹底抗戦だった。ストを経験して初めてとなる今回の交渉でも、何とか近鉄という実体を残せるよう、プロテクト枠の廃止と各選手の希望を聞いてもらえるよう訴えた。結果的にプロテクト制度自体を撤廃することはできなかったが、オリックス小泉社長から「できる限り柔軟に選手と面談しながら決めていきたい」という言葉を引き出した。古田会長は「近鉄とオリックスのファンには申し訳ないけど、みんなで納得して理解したこと」と、要求をのみ込んだ。
ストの決断では人目もはばからず涙を流した。そんな古田会長の姿に、ある球団の首脳は「本来、球団と選手の関係は親と子みたいなもの。選手がかわいそうだ…」と胸を痛めた。2度と繰り返したくない思いが選手会側にも機構側にもあった。古田会長も各球団の代表とは、会議の席だけでなく、携帯電話のホットラインでも対話を重ね、意見を交わした。この日の会見前には、席上で伊藤修選手会担当顧問と打ち合わせを行うなど、これまでの交渉で感じさせたわだかまりは消えていた。
「とにかく今日がスタートラインだと思っている。ストまでやった成果が近い将来、出て、多くのファンから愛されるプロ野球になるようにする責任が我々にはある」と古田会長。3ヶ月以上にわたる奮闘の末、ようやく普通の選手に戻れる時が来た。
古田は記者会見後、ナゴヤドームに駆けつけベンチ入り。9回に代打で登場すると、球場全体が拍手の嵐に包まれた。「引退試合じゃないのにね」と照れながらも左前打を放った。この日、急遽スタメンを外れることになった。協議交渉の席から2度電話をかけた。「若松監督から、そっちの方をキッチリやってこいって言われて、最後まで頑張れました」。チームは捕手が小野1人になってしまうが、もしもの時には土橋がマスクをかぶることなども決めていた。万全のバックアップがあって古田は交渉に専念できた。
阪神久万オーナーはスト回避を喜びながら、注文をつけた。「ストが中止になったのは非常に結構。(選手会は)誰かがバックにおりますな。こんな上手に、ビックリするぐらい綺麗な終わらせ方だし」と指摘。また「失敗した時誰が責任を取るのか?ズブの素人には最低1年かかる。そう簡単にウン言うたらアカンと思います」とあらためて新規参入に慎重な姿勢を見せた。
ロッテ瀬戸山代表と古田の握手は、あえて行わなかった。瀬戸山代表は「古田会長が『(拒否した)前はすみませんでした』と言ってきた。彼ら(オリックス、近鉄の両選手会長)を横にして、全てが喜ばしい訳ではないので『握手は違う形の時にとっておかせてください』と言ってくれた」と説明した。
午後6時56分に調印した「合意書」の内容から、NPB側の大幅譲歩は明らかだった。記者会見で瀬戸山選手関係委員長(ロッテ代表)は、ファンに謝罪し、古田会長をはじめとする選手会に感謝の意を表した後「我々も勉強するところがあった」と、これまでの経営者側の態度を率直に反省した。
選手会が求めていた新規参入に関して、姿勢を180度、改めた。合意書の中で「NPBは、来季(05年シーズン)にセパ12球団に戻すことを視野に入れ」と、具体的な時期について明言。「6・6」に戻す積極的な姿勢を打ち出した。交渉が決裂した前回、選手会は「来季からの新規参入に向けて最大限の努力」を要求したが、NPB側は「来季以降」「誠意を持って対応」と微妙な言い回しにとどめた。その後ろ向きな態度が、選手会の態度を強硬にし、世論さえも支持するストライキ突入という最悪の事態を招いた。
さらに、来季からの新規参入が可能となるように、合意書の第2項では、新規参入審査を速やかに進めるため、実行委員会の下部組織として「審査小委員会」の設置を確約。第4項では審査は「適正、公平に行い、審査過程をできるだけ開示する」と従来の密室協議の反省を活かし、透明性も保証。巨人清武球団代表は私案として「テレビカメラを置き、ビアリング状況を別室で公開する」という方法も披露。27日の実行委員会で審査方法、人選など具体的内容の協議を始める意向も示した。
ようやく収束した労使交渉だが、今回の妥結は球界改革の始まりを意味する。瀬戸山委員長は「ホッとしたが、これからがスタート。色々な課題が浮き彫りになった」と話した。選手会との間で「プロ野球構造改革協議会(仮称)」を設置し、ドラフト改革などへの徹底的な協議も明文化した。選手会との真の信頼関係を、ともに進めるこの改革から築いていく。
ファンの皆様へ
プロ野球の経営統合問題などをめぐる選手会との交渉は本日をもって収拾されることとなりました。この間、ストで試合が中止されるという事態に立ち至ったことにつき、改めてファンの皆様、ご迷惑をおかけした関係者の皆様に深くお詫び申しあげたいと思います。
今回のストはプロ野球界にとって、大変不幸な出来事でしたが、一方で、私達はプロ野球が国民的娯楽として多くのファンに支えられ、国民生活に深く溶け込んでいるスポーツであることを改めて認識いたしました。また、球団、選手双方がこれほど長い時間にわたって真剣に話し合ったことはかつてなく、最後には、互いに歩み寄りながら解決策を見出せたことは大きな収穫でもありました。
今回の事態は、プロ野球界が様々な難題を抱えていることを図らずも浮き彫りに致しました。プロ野球界は70年の歴史に安住することなく、改革の努力を続けなければならないと思います。私達は、プロ野球の未来のために、選手、ファンの声に耳を傾けながら、真剣に構造改革に取り組んでいく所存です。今回の事態がプロ野球の歴史の汚点ではなく、新たな出発点となるよう努力を続けたいと思います。これからも変わらぬご声援をお願いいたします。
2004年9月23日
日本プロフェッショナル野球組織
(原文のまま)
労使協議では、新規参入球団が加わりセ6、パ6となった場合の「分配ドラフト」の具体的方法についても話し合われた。詳細は未定だが、7月のオーナー会議で承認された、オリックスと近鉄の合併に伴う「選手救済ドラフト」を修正する方法が有力だ。「救済ドラフト」では合併新球団以外の10球団もウエーバー指名することになっていたが、これを放棄。オリックス65人、近鉄69人の計134人を合併新球団と新規参入球団にまるまる振り分けるプランだ。
「分配ドラフト」の手順は
指名されなかった選手は合併新球団が引き取ることになる。
この方法だといくつかのメリットが浮かび上がる。新規球団も、1軍レベルの選手をある程度確保できる。オリックスと近鉄の選手の振り分けが2球団にとどまり、バラバラにならずに済む。他球団に負担がかからない。元々の12球団での運営となるため「救済ドラフト」では支配下選手枠を拡大する必要があったが、現行の70人となる見込みだ。
オリックス小泉隆司球団社長は、近鉄との合併新球団のプロテクト選手25人を個人面談を行った上で決める方針を示した。「プロテクトする人を中心に、気持ちとしては全員と面談したい。希望があれば叶えられるよう努力したい」と話した。選手の希望を考慮する余地をつくったもの。近鉄礒部選手会長から移籍先選択の自由を求められていたことに対する譲歩案といえる。一方近鉄側は、小泉社長の面談前にプロテクト選手の意向を調査。2段階の面接を通して希望通りのプロテクトを目指すことになる。
労使交渉では新規参入の「野球協約の加盟料、参加料を撤廃し、預かり保証金等の制度を導入する」ことで合意したが、保証金の金額等についてはオーナー会議で再協議されることとなった。21日の実行委員会では、新参加球団加盟料60億円、参加料30億円を撤廃し、新たに10年間の預かり保証金として25億円、入会金5億円とすることで合意していた。ただ、選手会側が預かり保証金の額、10年間の期間の再検討を経営側に要望。「25億円が適正な額かどうかの問題です。もう少し安くてもいいのではないか。まだ時間があるので、擦り合わせする」。選手会側は15億円前後を目安としている。ロッテ瀬戸山代表は「選手会側から意見があったのでオーナー会議に上げたい」と再協議することになったことを説明した。
この日の労使協議では、ストライキを決行した2試合の代替試合実施については話し合われなかった。ロッテ瀬戸山代表は「現在検討中です。早急に結論を出さないといけないですから」と、24日にも球団間で意見調整することになった。既にロッテなど日程を終了している球団もあれば、まだ日程的に実施可能な球団があるなど、球団間で事情が違う状況だ。近鉄小林球団社長は「日程的に間に合う球団もあれば、現場の営業面もある。球団間で(意見統一の)調整に入ります」と説明した。ただ選手会側は代替試合開催には否定的な見解を示している。松原選手会事務局長は「やるんだったら早くやらないといけないが、日程が終了している球団もあるから、不可能だと思います」と語った。
仙台市を本拠地にしてプロ野球参入を目指す、楽天の三木谷浩史社長が24日午前、宮城県の浅野史郎知事と会談することになった。この日、三木谷社長本人が明らかにしたもので、会談後に了承が得られれば、藤井黎仙台市長とも面会する。その後、東京に戻り、自ら加盟申請の書類を日本プロ野球組織(NPB)に提出。関係各所への挨拶回りを行う。
三木谷社長はこの日、経営参加するJリーグ神戸の試合(横浜戦)を東京・国立競技場で観戦。その後、夕方には協賛したフットサルのイベントにも参加するなど、慌ただしい1日を過ごした。会見では、東北地方全体をフランチャイズとして活動するプランを披露。「私の義理の父は、盛岡にいる。東北を第2の故郷にしたい。宮城以外の県で試合をするのも、理想として考えている」。東北各県の知事に挨拶する意向も示した。
プロ野球の今週末のストライキが回避されたことについては「良かった。これ以上やると、野球がしらけてしまう」と、安心した様子。また「企業として真剣にプロ野球に長い期間携わり、球界全体に新風を吹き込みたい」とあらためて意欲を示した。
早くも「みちのくIT戦争」で両者が火花を散らす!?楽天の三木谷社長が仙台を訪れる24日、英国出張中のライブドア堀江社長も、帰国後すぐ同地を訪れる。行政関係への挨拶周りが主目的だが、辣腕の両社長が仙台でガチンコする?もっとも堀江社長の仙台入りは夕方で、そのころ、三木谷社長は仙台を離れ東京で加盟申請と記者会見を行う予定。“ニアミス”で終わりそうだ。
近鉄小林哲也球団社長が23日、楽天への球団売却の可能性について言及した。前日22日には「(オリックス)宮内オーナーや機構から話があれば、話を聞く余地はある」と話したが、この日も「基本的には機構の問題として全体の中で動いている話ですから」と含みを持たせた。ただし労使交渉の結果も踏まえて「今回、機構でここまできっちりと決めたんですから今更(統合を)認めないということがない限り、そうならない」と売却の選択肢を外している認識も示した。
巨人清武代表は、新規参入が認められた場合の全面バックアップを明言した。「我々の仲間になったならば助けてやらなきゃだめ。弱小チームではやる方も困るし、視聴率などにもかかわる」と話した。
「労使交渉」の枠組みで考えるなら、経営者側の大幅譲渡を引き出した選手会側の快勝−といえる。ただ長年の歪みを噴出させた、という点では、球界全体が収穫を得た労使交渉だった。
これまでオーナー会議で一蹴され、また話題にも上らなかった交流戦の実施やドラフト改革などにメスを入れた。選手会側に譲渡する形にはなったが、球団の実務者レベルが危機感を覚えた末の「副産物」。70年の歴史で初めてとなる、選手会のスト権行使も、双方が「痛み」を感じプラスに作用したはず。これで労使が足並みを揃えて改革を推し進めていけばいい。
ただ、これで一連の球界再編問題が決着した訳ではない。経営者側が出した具体案も、その詳細を煮詰める必要がある。マジックはいくつなのか、プレーオフに進出できるのか−など現場を不安に陥れている代替試合の有無の決定は、一両日中にも出さなければいけない。交流戦の試合数もしかり、だ。
さらに−。忘れられてしまった感もある、ダイエー問題も看過できない。仮にダイエー本社の解体となれば、ホークスの扱いをめぐっての議論が必要になる。現状では何としても1年は耐えてもらい、来季はセ6パ6による12球団2リーグを推し進める方向だが、その先はどうなるのか−。明るい未来の球界が開けた、と思いたいが予断は許さない。
労使交渉がついに妥結した。労働組合・日本プロ野球選手会と日本プロ野球組織(NPB)の代表者による協議・交渉委員会が23日、名古屋市内のホテルで行われ、来季12球団制維持に向けて来季からの新規球団参入などで合意。合併球団のプロテクト選手決定も、選手との徹底した対話を行うことも確約され、選手会は25、26の両日のストを中止した。日本球界初のストに突入し、ファンを巻き込んだ労使紛争はようやく収拾した。
午後6時56分。古田会長と選手関係委員会の瀬戸山委員長が合意書にサインした。6月13日の近オ合併構想発表から102日。古田選手会長の長い闘いは収束を迎えた。
近鉄、オリックスの合併の1年凍結を求めて始まった労使紛争。合併反対の署名は150万人を超え、ファンも巻き込んでの闘争に発展した。日本プロ野球界初のストも決行。苦しい闘いとつらい決断…。そんな中で合併凍結は断念したが、新規参入による来季の12球団維持という可能性を広げることに成功した。
合意文書には、機構側がセ・パ12球団に戻すことを視野に入れ、実行委員会の下部組織として「審査小委員会」を立ち上げ、審査を速やかに行うこと。その参入が円滑になされるように最大限努力すると記された。審査過程の情報開示も明記されるなど、当初は機構側から労組と認められず、交渉のテーブルにすらつけなかった選手会が勝ち得た大きな成果だった。
最後まで闘った。大詰めで話し合われた合併球団のプロテクト枠。25人の枠を主張する当該球団に、球団選択の自由を求めた。25人枠撤廃はならなかったが、オリックス・小泉球団社長は「全員の選手と話をさせてもらって納得のいく形で進めたい」と説明。11月4日のプロテクト選手決定前に、選手との個別面談を行う確約を得た。新規参入球団への選手分配については、分配ドラフトの参加を認め、他球団が獲得した選手とのトレードという形で、既存球団が新規参入球団との戦力均衡に協力する。こんな具体案が出されたのも、機構側との信頼関係が構築された結果だった。
古田会長は「球界発展のための今がスタート地点。愛される球界にすべく努力したい。厳しい目で優しく見守ってもらいたい」と訴え、瀬戸山委員長も「これから球界を良くするために選手会とは一緒になってやっていきたい」とした。
新規参入は、16日にライブドア社が加盟申請し、24日には楽天が申請する。27日の実行委員会で発足する審査小委員会で、2社について審査はすぐ始まる。スト決行というプロ野球70年の歴史に汚点を残した労使紛争。荒波を越え、歴史的な合意に達した。それは球界発展への新たなる第1歩でもあった。
仙台市を本拠地とするプロ野球参入を表明している楽天の三木谷浩史社長が23日、Jリーグ横浜−神戸が行われた国立競技場で会見。24日午前、宮城県の浅野史郎知事と会談することを明らかにした。同社長は帰京後、日本プロ野球組織(NPB)に対し、加盟申請の手続きを取る。同じく仙台市を本拠地に参入を申請しているライブドアの堀江貴文社長も浅野知事と会談する予定で、宿敵が“杜の都”争奪戦を繰り広げる。
衝撃の「仙台本拠地」表明から一夜明け、三木谷社長は杜の都への熱い思いを語った。「明日9時から宮城県知事と面談します。これはもう、正直言って、猛烈なラブコール、ラブアピールをしますよ。求愛ですね」
浅野知事は16日のライブドア参入申請後には「悪い話ではない」と支援の意向を表明。前日、楽天が「仙台」を表明した直後には「2つはない。今の流れでやるしかない」とライブドアを優先する意向を示している。楽天にとって同知事は、仙台を勝ち取るためのキーパーソン。三木谷社長は会談で、宮城県営球場の改修費用負担など熱意を直接伝えるとともに「仙台市の方にも伺うつもりです」と広く地元の支持を取りつけたい意向だ。
同社長は仙台訪問後、東京にとんぼ返り。正式申請書を携えて、NPBを訪問する予定。仙台以外の東北地方の都市で公式戦を開催するプランを明かしチーム名については「仙台の名前を入れるか?そういう方向で考えている」と語った。また東北のダルビッシュ投手獲得については「う〜ん。それも検討していきたい」と苦笑した。
ライブドアが不快感を示していることには「ライブドアだって、当初は近鉄買収を考えていったのに、(仙台へ)気持ちが変わったという側面もある。宮城県としては、宮城にプロ野球が来るかどうかが1番大切であって、より(評価が)高い方が選ばれるのでしょう」と余裕の笑みを浮かべた。
ライブドアの堀江社長も24日、浅野知事と会談する。同社長は渡英中だが、夕方に成田に帰国。即仙台に向かうハードスケジュールだ。社員からの電話で楽天の仙台本拠地表明を伝えられた堀江社長は「今まで通り頑張っていこう」と語ったという。ライブドア・ベースボールの中野取締役も「社長とは“東北州民チーム”をつくりたいと話している。(新規参入の)決め手は地方自治体との協力態勢になる。参入になればライブドアの事業も仙台で行いたい」と話した。
スト回避!労組・日本プロ野球選手会と、日本プロ野球組織(NPB)との労使交渉(協議・交渉委員会)が23日、名古屋市内のホテルで開かれた。交渉は難航したが、古田会長らはオリックスと近鉄の合併によるプロテクト(優先保有)について、選手が面接で希望を伝えるなどの譲歩を引き出し、スト回避を決断。NPB側は新規参入球団への選手分配の具体策を提案して、球界は12球団維持に道をつけた。6月13日のオリックスと近鉄の合併発覚から102日目。ファンを巻き込んだ労使紛争は終結した。
古田の“勝利”は球場のファンが1番よく知っていた。交渉会場からタクシーに飛び乗った選手会長は7回にナゴヤドーム到着。9回、代打で登場して左前打。右翼席の中日応援団までが感謝の拍手を送った。
その数時間前。交渉が長引き、電話で若松監督に抜けられない現状を説明した。指揮官から「選手会の仕事に専念して欲しい」との快諾をもらい、最後まで選手会会長として闘った。
会見場。古田に笑顔はなかった。「来季も12球団を維持して、それ以上にも増やす仕組みを確立することができた。いい内容で妥結できたと思う」。午後6時58分にNPB側との合意文書にサイン。6時間20分に及んだ交渉は終わったが、瀬戸山選手関係委員長との握手は、統合する近鉄・オリックスの選手会長の気持ちをくんで行わないことに決めていた。
スト回避。これも大きな決断だった。この日までに先週のスト突入の最大の理由となったNPB側の“姿勢”が大きく変化した。「12球団に戻す気があるのかが争点だった。話だけではなく情報を開示して(合意書は)前向きに新規参入を受け入れる内容になっている。先週とは違う」。NPB側の誠意が信用できた。
近鉄・オリックスの合併が発覚してから103日。当初、経営者側には『たかが選手』との認識があった。話し合いを求めても拒否された。立ちあがった選手会は、8月初めにスト権を確立。ファンに呼びかけて140万人分の署名を集める一方、『近鉄・オリックスの合併反対』の要求の正当性を求め、東京地裁に仮処分申請を行った。24時間、闘った3ヶ月。計6回、延べ36時間の交渉から疲労と緊張で眠れぬ日々が続き、最近は睡眠薬も服用していた。
経営者主導で、その裏の“見えない力”さえ感じてしまうほど閉鎖的だった球界に、来季から新球団を受け入れる道筋を確立した。しかし、一方で近鉄・オリックスの合併は阻止できず、近鉄・礒部選手会長は無念の涙をこぼした。選手も文字どおり、血と涙を流して手に入れた球界改革だった。中日戦後は「引退試合かと思ったよ。やりにくいったらありゃしない」と冗談を口にした古田会長。「今がスタート地点だから」。“闘う選手会長”は、まだ止まらない。
近鉄・礒部公一選手会長は会見の席で言葉を詰まらせ、涙まじりに頭を下げた。「大阪近鉄バファローズの名が消えます。いまの形で残す願いは叶いませんでした」。オリックスとの合併凍結は覆らなかった。「来季もパ・リーグが残り、6球団でやるための努力を約束していただきましたので、球界の発展のために、今回は闘いに幕をおろします。本当に申し訳ありません」と言葉を絞り出した。
日本プロフェッショナル野球組織(以下「NPB」という)と、日本プロ野球選手会(以下「選手会」という)は、次のとおり合意する。
2004年9月23日
この日の交渉で合意したのは以下の通り。選手会側が要求していた新規参入球団への積極的な具体案について、機構側は『審査小委員会』を設置し、速やかに新規参入資格の取得に関する審査を進める。審査は可能な限り透明化(公開)を図るとも約束。加盟料、参加料は撤廃。預かり保証金制度が適用される。新規参入が決まった場合、参入球団は分配ドラフトへ参加できる。既存球団は参入球団との戦力均衡を図るために協力する。『プロ野球構造改革協議会』(仮称)を設け、1年かけてドラフト改革、エクスパンション(拡張)ドラフト制度の導入、選手年俸の減額制限の緩和などを協議する。
野球のない週末はもう、許されない−。経営者側は来季セ・パ12球団にするため、新規参入促進の具体案を選手会側に説明。交渉の多くがこの問題に割かれたという。現段階で来季の球界参入の意思表明をしているのはIT企業「ライブドア」と「楽天」で、両社とも野球チームを所有していない。参入が認められた場合、ダイエーなどパ他球団に比べ、戦力的に劣るのは明らかだ。
そのため経営者側は新規参入球団に“特典”を与えるプランを発案。オリックスと近鉄がプロテクト(優先保有)選手25人を指定した後に行われる、残り10球団による分配ドラフトに新規参入球団の参加を認めることで選手会側と合意した。
ある球団幹部によると、新球団の戦力アップが来季運営の優先事項とし、「10球団の分配ドラフト枠40人を全て新球団に与えるべき」との意見があがったという。実現すれば、新球団はプロテクト後に4巡されるウエーバー譲渡で、各10人ずつを確保できる見込みが立つ。ロッテの瀬戸山球団代表も会見で、「分配ドラフトで新球団が希望すれば、大半の(合併球団の)選手が新球団にいくかもしれない」との見通しを語り、新球団はオリ・近所属の40人前後を確保できる公算が大きい(イラスト参照)。同時に合意書には「既存球団が、新球団に協力する」とも明記された。
一方、新規参入について審査は1ヶ月をメドとし、実行委の下部組織「審査小委員会」が担当する。12球団維持の“次”に向けた大きな流れができつつある。再編問題で選手会とファンの不信を増大させた経営者側は、明確なスタートを切った。
巨人・清武英利球団代表は交渉後、新規参入があった場合の球団シャッフルなど、リーグ再編の可能性を否定。「(合意書に)書いていないが、常識的には6・6に戻すことを前提に考えている訳だから、そこに向かって進んでいる。言わずもがな。(セの球団がパへ移籍する可能性という)そういうのは考えてやっていない」と明言した。
渡辺恒雄前オーナーは一時、巨人がパに移籍しての5球団ずつ2リーグという私見を述べていた。滝鼻卓雄新オーナーはこの日、自ら東京本社社長を務める読売新聞紙上で「理想はセ、パ6球団」と表明。24日には楽天も加盟申請するため、ひとまず収束といえそうだが、ダイエー問題など、再編の可能性は依然として残る。
新規参入の際の預かり保証金や返済時期などについては、労使間で話し合いを続けていく。実行委員会では既に預かり保証金25億円(10年後に返済)と協力料(加入に際する経費等)5億円の徴収を決めているが、選手会から見直しの要望があり、正式決定を見送った。瀬戸山選手関係委員長は「選手会から意見をいただいて、あらためて議題に挙げたい」。
NPBは協議・交渉委員会終了後、選手会事務局に18、19日のストで中止となった計12試合の代替試合の開催を打診したが、「ストはストですからね」(選手会・松原事務局長)と、否定的な見解を示した。再試合は選手会の了承がないと行えない。パ・リーグは10月1日からプレーオフの第1ステージが始まることもあり、日程的にも難しい状況。NPB側は選手会側に損害賠償を請求せず、代替試合の代わりに両者が納得した上でシーズンオフに何らかのイベントを開催し、“完全和解”とする方針。27日の実行委員会で正式決定されることになりそうだ。
新規参入が濃厚となったインターネット商店街を運営する楽天の三木谷浩史社長が24日午前、宮城県仙台市に出向き、浅野史郎県知事と会談する。その後、日本プロ野球組織(NPB)に加盟申請する予定だが、IT関連企業のライブドア・堀江貴文社長も同日、英国出張から帰国し、夕刻に浅野知事と会談。本拠地・仙台をめぐって、早くも“ガチンコ対決”だ。
スピード最重視のIT社長が“みちのく日帰り旅”に出る。ライブドアが先に本拠地の名乗りをあげた仙台市に、三木谷社長が乗り込む。
自身が運営するJリーグ、ヴィッセル神戸の公式戦の観戦で国立競技場に現れた三木谷社長は、加盟申請前に仙台の自治体トップとの会談を取りつけたことを明らかにした。仙台市の藤井黎市長には、この日の段階でアポなしの緊急出陣。午後にはNPBへの加盟申請と都内での記者会見を予定している。
浅野知事は既にライブドアの堀江社長と面談。同社がNPB加盟申請した16日、完全支援を明言した。だが、楽天が前日(22日)、仙台本拠地構想が明らかにした後、態度を軟化。「ライブドア優先でなく、プロ野球を優先」と発言を修正した。
三木谷社長は、老朽化した県営宮城球場の改修費について「県の財政がないのなら我々が負担する」と“プレゼント”を用意。直接会談で切り崩すつもりだ。
三木谷社長はこの日、新球団設立へ向けた方針の一部を明かした。監督については力量重視。「監督は東北出身者?それはないですね。野球界はすごいなと思ったんですが、色んなところから話が来ている」と逆オファーが殺到している現状を説明。「球界に入れるかどうかも分からないので監督、コーチ人事には動いていない。リサーチはしていますが…」。その一方で東北高・ダルビッシュ有投手(3年)には「カッコいい」とラブコールを送った。楽天の専任スタッフ約10人でプロジェクトチームを作り、新球団のビジネスモデルを構築中。24日の加盟申請後、球団の概要を明らかにする。
ライブドアの堀江社長はこの日、サンケイスポーツに電子メールでコメントを発表。「公正な審査をした場合に、どちらか一方が落選ということは考えにくいと思うんですが。財務力とか経営力は、そこまで差はないと思います。何か私達と枠を争って競争したいみたいですね。もっと発展的に考えられないのかなあ…」との見解を示した。
インターネット商店街最大手・楽天(三木谷浩史社長)が、来季からパ・リーグに新規参入する可能性が一気に高まった。23日の協議・交渉委員会の結果、日本プロ野球組織(NPB)と日本プロ野球選手会は、2005年にセ、パ12球団に戻すことを視野に入れた内容で合意。25日、26日のストが中止となった。合意書には、12球団制維持へ向けた方針が示された。来季参入の“本命”楽天の三木谷社長は、24日に宮城県知事と会談し、同日NPBに出向いて加盟申請を行う。
希望の道が、大きく開かれた。宮城・仙台市を本拠地とし、来季からの新規参入を目指す楽天に、追い風が吹いた。
23日の協議・交渉委員会では、2005年からの新規参入に向け、大きな前進がみられた。
NPBと選手会は、来季セ、パ12球団に戻すことを視野に入れ、新規参入の審査を適正・公正に行うことで合意した。審査期間としては、暫定的に「審査小委員会」を設置することとなった。合意書では、審査過程を可能な限り開示して透明化に努めることもうたわれ、NPB側が来季の新規参入に「最大限の努力」をすることが確認された。
追い風に乗って、速攻勝負を決める。楽天は22日に、神戸、大阪を本拠地とすることを断念。同じIT関連企業ライブドアに続き、仙台をフランチャイズとして来季参入を目指す方針を示した。三木谷社長は24日朝、仙台市を訪問することを予定。宮城県・浅野史郎知事ら、仙台市関係者と会談する。ライブドア・堀江貴文社長より一足先に訪れ、ライバルに差をつける。さらに三木谷社長は、その足で帰京し「きちんとご挨拶をしたい」と自らの手でNPBに申請書を提出する方針だ。
楽天の資金力、スポーツビジネスでの実績を考慮すると、ライブドアと比較して、信用力で大きく上回る。三木谷社長は既に「球団の関係者から(加盟申請は)認められるんじゃないかとの感触を得ている」と手応え十分であることを明かし、水面下では球界関係者との接触も行われている模様だ。
三木谷社長はこの日の結果を受けて「楽天が参入できた場合は、ファンに喜ばれるプロ野球の創造に努める所存です」とコメントした。野球協約35条では、申請受理日から30日以内に参入の可否を決定するとしており、10月中に“運命”が決まる。
財界でも楽天の企業力を評価する声は強く、審査の突破は確実と言われている。早ければ来月にも“内定”を受け、承認期限の11月30日に、パ・リーグ6番目の球団「楽天」が誕生することとなりそうだ。
16日に加盟申請している楽天のライバルとなっているライブドア・堀江貴文社長が24日、出張先の英国から帰国。その足で、新球団の本拠地として構える宮城・仙台市に赴くことになった。当初は週明けに仙台入りする予定だったが、楽天も仙台市をフランチャイズとして来季参入を目指すことが発覚。三木谷社長が24日に訪問することから、急遽仙台入りを決めたようだ。当日は、宮城県庁で浅野史郎県知事と会談する予定。
日本プロ野球選手会と日本プロ野球組織(NPB)の協議・交渉委員会はこの日、名古屋市内のホテルで行われ、8時間の交渉の末、7項目の合意書に調印。25、26日に予告していたストライキは中止になった。オリックス・近鉄の合併凍結はかなわなかったが、選手会は古田会長がこの夜の中日戦(ナゴヤドーム)のスタメンを返上しての執念を実らせ、NPBから大幅譲歩を引き出すことに成功した。
選手会の歴史的勝利の儀式は、会議場ではなく、やはり球場が相応しかった。午後8時5分にナゴヤドームに移動した古田会長は9回表の午後9時10分に代打で登場。優勝ムードの中日ファンが多数を占めたナゴヤドームの満員4万500人の観衆がスタンディングオベーションで選手会長をたたえた。
その1時間前、本来ならユニホームを着てナゴヤドームにいるはずの午後7時すぎ、古田会長は、スーツ姿でNPB・瀬戸山隆三選手関係委員長と合意書にサインした。笑みはない。毅然とした表情でまず詫びた。
8時間の交渉疲れも見せず、打席では劇的左前安打を決めた。記者会見では、硬い表情に終止したが、グラウンドで汗をかいた後は、自信にあふれた言葉が飛び出した。「先週より、格段に新規参入の道が広がった。妥結に値する内容だと思う。たくさんの人の声が届いたと思う。この成果を生かしていく責任が我々にはある」18、19日に日本プロ野球史上初のストに踏み切った。自ら泣き出してしまう、暗黒時代の開幕とも思われたが粘り強い交渉で、空白の2日間を無駄にしなかった。
この日の交渉では午前11時にNPBから22日に要望した回答書が提示され、最終的に7項目の合意書につなげた。18、19日のストでは前日に決行が決まりファンから抗議を受けたため、決行予告前々日のこの日に決着をつけるため、古田会長は試合に遅刻することをヤクルト・若松監督に伝え「頑張ってこい」と快諾された。
選手会・松原徹事務局長は「古田会長はよくみんなをまとめた。各球団の選手会長達が自ら動いて野球界を変えるんだという自立の意識を持てた。それがファンの支持を得られたのだと思う」と締めくくった。
日本プロフェッショナル野球組織(以下「NPB」という)と、日本プロ野球選手会(以下「選手会」という)は、次のとおり合意する。
2004年9月23日
近鉄・礒部公一選手会長の「102日間の戦い」が終わった。機構、選手会の両者が並んだ会見場で、礒部の表情は苦渋に満ちていた。「今回の戦いに幕を下ろす決断をした。バファローズというチームはなくなりますが、僕達の愛着、誇りは絶対に消えません」言葉が詰まり、最後は目頭を押さえた。
6月13日に合併合意が発表されて以来、署名活動、合併反対の集会に積極的に参加。存続を願う声を聞いてきた。会見で「応援してもらったファンに申し訳ない」と繰り返した選手会長は、控室に戻った後に「140万人分の署名は重いな」と、つぶやいた。
無期限スト、近鉄選手の新規参入球団への大量移籍と、強硬な要求を繰り返した。だが、独走する気はなく、着地点を探っていた。この日の委員会の途中、オリックス・小泉隆司球団社長、近鉄・足高圭亮球団代表と、別室でプロテクト問題を話し合った。合意書の7項目についても、真剣に内容を確認した。
「実際に新規参入の可能性があり、12球団で続けられる訳だし、球界発展のため身を引きます」徹底的に意見をぶつけた末、委員会終了の約30分前、やっと納得した。
礒部は「そういう気持ちになれない」と明言を避けたが、足高代表は「彼をプロテクトするでしょう。簡単ではないけど、口説きます」と合併球団でのプレーを説得する構え。また、近鉄・小林哲也球団社長は、24日の西武戦(大阪ドーム)の試合前に選手、スタッフに事情説明を行い、近日中に応援団の代表者に会って来季以降の応援を要請する方針を明かした。
プロ球界参入構想が浮上している社会人野球シダックスの野村克也GM兼監督が23日、フジテレビ系「スーパーニュース」(午後4時59分〜7時)に生出演。「(球団数をセ・パ)7、7にしてセ・リーグに入る」との持論を展開した。
仙台での新球団旗揚げを計画するライブドア、楽天と違い、シダックスに具体的な動きは見られない。しかし、野村監督は「シダックス、楽天、ライブドアを全部入れて7、7でやるべきだ」と新規参入を提唱。さらにヤクルト監督時代の“教え子”でもある古田選手会長を「理念とビジョンを持っている」と褒めちぎるなど、規制緩和に進みつつある球界の流れを歓迎した。
テレビ出演前には、東京・大田スタジアムで行われたJABA東京都秋季企業大会、東京ガス戦の指揮を執り、12−1で7回コールド勝ち。同大会の3位が確定した。