わたしはかもめ2004年鴎の便り(10月)

便

10月3日

王監督「プレーオフ、セでも」[ニッカン]

ダイエー王貞治監督が3日、セ・リーグにも来季プレーオフ制を導入するよう要望した。「プレーオフがこれだけ盛り上がれば、やってよかったということになるだろう。来年もやるのでしょ。それだったら、公平を期すためにも、セ・リーグもやった方がいい。米国でもア・リーグ、ナ・リーグは違うが、一緒にやっている」。平等を期すため、両リーグで同じ日本一までの戦いの舞台を用意すべきだという私案を展開した。

今季から導入されたプレーオフの第1ステージは接戦の連続で、西武ドームには3戦で合計11万3000人が詰めかけた。パ・リーグ小池会長は「初の試みだったが、試合内容的にも大変盛り上がった。導入は大成功だったと思う。最初は批難の声もあったが、来年もなんとか継続していきたい」というコメントを発表。ペナントレース終盤にはロッテと日本ハムの3位争いで盛り上がったことも含め、今回の3連戦で関係者の見方が変わることを期待した。

当初は懐疑的だった王監督も考えを修正した。ダイエーは今季プレーオフ制がなければ、連覇は決まっていた。6日からプレーオフ第2ステージで西武に敗れれば、日本シリーズ切符を逃す。矛盾を感じてもおかしくない立場だが、王監督は「やる前は色々あったけれど、やってみて分かったこともある」という。現場トップの発言は、今後のプレーオフ制をめぐる議論に影響を与えそうだ。

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「ロッテ、西武と合併話」ホークスタウン解任の高塚氏[朝日]

福岡ダイエーホークスのオーナー代行を9月30日付で辞任した高塚猛氏は3日、朝日新聞の取材に応じ、球団再編の動きが進んでいた7〜8月にロッテや西武と合併を話し合っていたことを明らかにした。ダイエー本社がホークスを手放す場合に備えるためだったとし、ホークスの取締役会でも報告していたという。高塚氏は福岡市内の福岡ドームやホテルなどを運営するホークスタウンの社長を9月29日に解任されたが、会社側が問題視している不透明な経理について「反省する点がある」と一部認めたものの、「故意に法令に触れたことはない」と主張した。

高塚氏によると、オリックスと近鉄の合併構想が表面化したあと、7月中旬ごろから西武やロッテと合併を話し合っていた。高塚氏は「ダイエー本社はずっと球団を保有すると言っていて、それは信じるが、万一、球団が福岡を離れると、ホークスタウンは回復不可能な危機になる。最悪の場合を想定し、球団を九州に残すため、合併先を探るのも経営者の務めだ」と釈明した。ただ、高塚氏は出版社のダイヤモンド社社長に就任するため、ホークスでは今年4月に社長を退いて肩書はオーナー代行だけとなり、実権はかなり小さくなっていた。

合併相手にロッテを選んだのは「福岡は韓国に近く、相手としていいと思った」とし、「巨人をしのぐ球団をつくるため、西武と合併する可能性も探った」と明らかにした。さらに「中内正オーナーの立場の保全が大事と思っていたので、ロッテと西武には中内氏の処遇も確認してもらっていた」という。ただ、ロッテから「ダイエーの実情を調べないといけない」と言われ、最終的にダイエー側から合併を断ったという。

ホークスタウン社長の解任については、高塚氏は「具体的な解任理由は何も説明を受けていない」と前置きした上で、「お金の使い方がアナログで、大まかには区分していたものの、交際費とすべきものを会議費とするなど、今考えると杜撰だったかもしれない」と認めたが、「やましい点はない」と主張した。

会社側がテレビ局など取引先との不明朗な関係を調べていることに関連して、福岡ダイエーホークスが優勝すると各局から祝い金として数百万〜10000万円を受け取っていたことを明らかにした。しかし、「社外からのお金は全て額面通りに領収証を出して経理処理していた」と強調した。

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新規参入審査、途中経過報告[報知]

プロ野球実行委員会が4日、都内のホテルで開かれる。日本プロ野球組織(NPB)にライブドアと楽天について審査する同委員会の下部組織「審査小委員会」(委員長・豊蔵一セ・リーグ会長)から、審査の途中経過が報告される予定だ。既に、両社の申請書はNPBから12球団に送付されており、各球団ごとにが内容をチェック。6日の公開ヒアリングへ向けて、実行委でもさまざまな意見が出る模様だ。

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楽天、仙台に専属スタッフ駐在[報知]

◇取締役ら3人

プロ野球新規参入を目指す楽天が、既に仙台を拠点に活動していたことが3日、分かった。「楽天野球団準備室」の篠崎隆広取締役ら専属スタッフ3人が、9月30日から現地に駐在し、新球団の事務所立ち上げの準備を進めるとともに、地元のメディアへの挨拶を行っている。

2日に発表された共同通信社のアンケートでは、東北全体でライブドア支持40%に対し、楽天はわずか7%だった。しかし先週、2度の東北行脚では“足止め”“勇み足”とトラブル続きだったライブドア・堀江社長に対し、楽天・三木谷浩史社長は順調に訪問予定をこなした。地元財界に好印象を残すことができたのは、間違いない。

「東北に根ざした球団を目指す」以前から常々、口にしていた三木谷社長。本拠地予定地での早い時期からの活動開始で、6日の審査小委員会公開ヒアリングを、さらに有利な状況で迎えられそうだ。スタッフの1人、楽天野球団・下田優子広報部長は「多忙な三木谷(社長)のフォローを、我々がしっかりやりたいと思います」と意気込みを語った。楽天が万全の準備でライバルを引き離しにかかる。

◇ライブドア堀江社長7日山形訪問

ライブドアの堀江貴文社長が7日午後に山形県庁を訪問し、高橋和雄・山形県知事と会談することが3日、分かった。山形はサッカーJ2・モンテディオ山形が地域密着で成功しており、スポーツ文化が根付いている。施設面でも山形県野球場が2万5000人収容と集客力があり、新規参入球団にとっては、魅力的な県になりそうだ。楽天・三木谷社長は既に宮城、岩手、福島、秋田へ訪問を済ませているが、山形はまだ訪れていない。堀江社長にとっては宮城、秋田につづく東北3県目の訪問だが、ぜひとも“先手必勝”で巻き返しを狙いたい。

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王監督も急転プレーオフ支持[報知]

◇セにも導入勧める

王さんが一転、プレーオフ肯定派に変身した。ダイエー・王貞治監督は休日の3日、腰痛のマッサージのため福岡ドームを訪れると、第1ステージの西武と日本ハムの激突をテレビ観戦。ブラウン管を通じ、予想以上の盛り上がりを感じ取ると、セ・リーグにも同制度の導入を勧めた。

これまでプレーオフ制度に否定的だった指揮官も、面白さを認めざるを得なくなった。「色々言われていたけど、やってみて分かったこともある。やって良かったということになるだろう」と方向転換。「メジャーもやっているんだから、公平を期すためセ・リーグもやった方がいい。今までは聞く耳を持たなかったけど、こういう時だから、提案を受け入れる可能性はある」と、交流戦が実現する来季からは、両リーグでの開催を希望した。

自軍も6日からは、西武とリーグチャンピオンを懸けた第2ステージがいよいよ始まる。「チーム状況は万全だが、相手にも勝ち上がってきた勢いがある。6日からの戦いでは気合を入れ直して、ファンの皆さんが興奮し、感動していただける試合をし、日本シリーズに進んでいきたい」と決戦の時を待ちきれない様子だった。

レギュラーシーズンでは11勝14敗と負け越したライオンズ。相手にとって不足なしだ。「あんな戦いを見せられたら、うちもお客さんがいっぱい、入るだろう」と目に浮かぶのは超満員のスタンド。王ダイエーが熱い戦いで、プレーオフ元年の覇者を目指す。

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プレーオフ大成功[報知]

◇小池会長継続へ意欲

新方式プレーオフの第1ステージはひとまず、成果を収めた。3日、西武ドームで第3戦を観戦した小池唯夫パ・リーグ会長は「最後もドラマチックな結末で導入は大成功だと思う。球場に集まってくれたファンの方々も満足したのではないか」と話した。

3試合で3万人、4万5000人、3万8000人の観客動員を記録。2、3日目は大入り袋も配布される盛況で、2位で第1ステージ主催権を得た西武には、大きなアドバンテージになった。伊東監督は「プレーオフがなければ2位に終わっていた。福岡で勝てれば、さらに大成功だ」と笑顔を見せた。

敗れた日本ハムもペナント最終戦で3位に入り、プレーオフ出場を決めるなど、レギュラーシーズンも最後まで盛り上がった。今村純二球団社長はこの日、試合後にグラウンドに飛び出し、ヒルマン監督、ナイン1人ひとりと握手するなど大感激。ロッカーに全員を集め「1年間、お疲れ様でした。ありがとう」と頭を下げた。

「最初は非難の声もあったが、これからも継続していきたい」と、小池会長は来年以降のプレーオフ導入に意欲を見せていた。

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