わたしはかもめ2004年鴎の便り(10月)

便

10月22日

個人メニュー作成

臨時コーチのバリー・ヘイデン氏(元メッツ)が、バレンタイン監督とともに選手の状態をチェックした。今後は個人メニューを作成する。バレンタイン監督は「シーズンを戦って、ウチの選手は体の強さとスピードがちょっと足りないと思ったから。彼に指導してもらうんだ」と説明した。

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東北楽天ゴールデンイーグルス[ニッカン]

◇新球団名決定、ライバルのまた差つけた

楽天の三木谷浩史社長は22日、東京・六本木の楽天本社で会見し、球団名を「東北楽天ゴールデンイーグルス」(通称「楽天イーグルス」)に決めたことを発表した。「ゴールデンイーグル」は日本語で「イヌワシ」を意味し、社内での協議を経て決定。三木谷社長は「東北6県全てに生息するということと、優雅でありながら、狙った獲物は逃さないというイメージにも惹かれた」と理由を説明した。

既に商標登録も申請しており、球団名に基づいたロゴやチームカラーも最終検討段階にある。「長いかなとも思ったが、サッカーの浦和も正式名称のレッドダイヤモンズと通称のレッズを使い分けていますから。ホークスは若鷹軍団なんで、イヌワシ軍団というところですかね。保護活動もやりたい」。前日にも山下ヘッドコーチなど主要3ポストを発表したが、球団に関する主要な要素がまた1つ埋まった形となった。

球団名に関してはライブドアが公募の決選投票を22日午前0時に開始しており、26日に決定するとしていた。楽天がその機先を制した形で、あらゆる面で競争相手を引き離しにかかっている。三木谷社長は「我々が選ばれると信じて準備を進めていかないと間に合わない。(プロ球界に)入れると信じてやっている」と言い切った。新規参入は来月2日のオーナー会議で正式決定するが、三木谷社長の目は既にその先に向いている。

◇似てるんですけど…J2仙台は複雑

J2仙台の運営会社・東北ハンドレッド(仙台市)が、楽天のチーム名「ゴールデンイーグルス」に複雑な反応を示した。同クラブのチームカラーは「ベガルダゴールド」と称する金色、チームマスコットも鷲がモチーフとなっており、チーム関係者は「今は何とも言えませんが、ニュースを見て驚いています」と困惑気味に話した。同クラブには、ライブドアからチーム名を含めた商標共有を打診する動きがあったが、楽天からはなかった。

◇楽天フロント入り、伊原氏見送りへ

前オリックス監督の伊原春樹氏が、新規参入を目指す楽天から要請されているフロント入りを、断る方針を固めた。伊原氏はこの日、日本シリーズ第5戦の解説者として西武ドームを訪れ、同じく球場入りしていた田尾監督と会談した。伊原氏は「西武で戦った仲間だから協力はしますと伝えました」と話したが、具体的な話までは進展しなかった。親交あるキーナートGMとの会談も予定しているが、来季のフロント入りは見送る考えだ。

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意味は「イヌワシ」東北楽天ゴールデンイーグルス[報知]

楽天イーグルス−。楽天の三木谷浩史社長が22日、東京・六本木の本社で会見を開き、球団名を「東北楽天ゴールデンイーグルス」に決定したこと発表した。ゴールデンイーグルは日本語でイヌワシ。東北6県に生息する国指定天然記念物にちなんだ。

◇東北6県象徴

チーム名候補は100から200あり、その中から東北地方をベースにしたものを厳選。「優雅に飛んで狙った獲物は逃さないイメージで決定しました」と三木谷社長が選んだ。「長いかなと思うが、浦和レッズ(レッドダイヤモンズ)のように(通称は)楽天イーグルスでいい。ホークスが若鷹(たか)軍団のように、犬鷲(いぬわし)軍団と呼んでいただければ」と、登録商標申請中。ライブドアでは10候補をネット投票で26日に決めるが、楽天が先手を打った形だ。

イヌワシは絶滅危惧種(近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種)で、三木谷社長も「なかなか見られない」と、実際に見たことがないという。楽天がそうならないように、という願いもこめられているのかもしれない。

◇審査小委員会の答申は来月2日に延期

ライブドア、楽天を審査をする審査小委員会(委員長・豊蔵一セ・リーグ会長)が22日、西武ドーム内で開かれ、実行委員会への答申を11月2日まで延期することを決めた。

この日は、監査法人、両社からの報告をもとにした意見交換や、今後の日程について話し合った。当初は29日の実行委で意見をまとめ、11月2日のオーナー会議で承認する運びだったが、委員を務める巨人・清武代表は「もう少し時間がかかります」と話し、26日以降に小委員会を開き、監査法人の報告を受けて意見をまとめていくことになった。

豊蔵委員長は「11月2日の実行委員会、オーナー会議で方向性を決めたいと思います」と話し、オーナー会議で承認する方針だ。また、横浜が明大・一場靖弘投手に金銭を授与していたことに関し、委員を務めていた山中正竹専務がメンバーから外れることを明らかにした。

「連盟担当を辞するということを聞いていますので、今後は出席されないと思う」と同委員長は説明。今後は委員を補充せず、1人減のままで運営していく。

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球団名が決定!『東北楽天・ゴールデンイーグルス』[サンスポ]

プロ野球に新規参入を申請している「楽天」は22日、新球団名を『東北楽天・ゴールデンイーグルス』に決めたと正式に発表、通称は『楽天・イーグルス』とした。

ゴールデンイーグルは日本名「イヌワシ」で東北6県などに生息する天然記念物。三木谷浩史社長は会見で「東北に住み、優雅に飛んで狙った獲物は逃さないというのがいい」と最終的な選考理由を語った。

三木谷社長によると同社で約200の名前をリストアップ後、東北在住の知人らに相談して決定した。チームロゴも最終選考の段階で、近日中に発表できるという。

同じく参入申請したライブドアもチーム名を10個に絞り、この日からインターネットで投票を呼びかけている。三木谷社長はライブドアについてはコメントせず「イヌワシ軍団というのは野球らしい。選ばれると信じて準備を進めないと間に合わない」と話した。

◇「ライブドア」のチーフアドバイザーにテリー伊藤氏

プロ野球への新規参入を申請している「ライブドア」は22日、演出家のテリー伊藤氏が、同社の野球ビジネスに関する企画運営に携わるチーフアドバイザーに同日付で就任したと発表した。

また仙台市の県営宮城球場の改修プランを発表し

(1)
杜の都をイメージするため、球場をガラスで覆う
(2)
内野グラウンドの天然芝化
(3)
外野席の一部に映画館、ショッピングモールなど商業施設を設置

などを挙げた。来年3月末までに仮設スタンドを含め、3万人収容の球場に改修する予定。堀江貴文社長はテリー伊藤氏の起用について「我々と違う視点を持っている。非常に面白い企画を具現化してくれると思う」と話した。

◇最終結論は11月2日に…新規加盟申請審査

日本プロ野球組織(NPB)に新規加盟申請したライブドアと楽天を審査する審査小委員会(豊蔵一会長=セ・リーグ会長)が22日、西武ドーム内で行われ、11月2日に開かれる実行委員会とオーナー会議に審査結果を答申し、最終結論を出す方向で一致した。

この日の会議では、両社からの報告をもとに意見交換し、今後の日程などを話し合った。26日の実行委員会後に、監査法人から提出される報告書などの内容を踏まえ、再度審査小委員会を開催する予定。また、横浜の山中正竹球団専務がスカウトの金銭授与を理由に、同委員会のメンバーから外れることになった。

◇ダイエー買収は慎重に検討…有線ブロードネットワークス

有線ブロードネットワークスは22日、ダイエーの球団買収を検討していることについて、佐藤英志常務が「すぐ手を上げるという話ではない。球団の赤字額や買収額の大きさ、広告宣伝効果などを総合的に考えて判断したい」と慎重に考えていることを明かした。

プロ野球について「コンテンツ(情報の内容)として魅力的」としながらも「買収額が数百億円規模ならば具体的な検討にはならない」などと条件を見極めた上で決定したい、としている。

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楽天はイヌワシ軍団に[スポニチ]

来季からの新規参入を目指す楽天が22日、球団名を「東北楽天ゴールデンイーグルス」(通称・楽天イーグルス)に決定したと発表した。東京・六本木の本社で会見を行った三木谷浩史社長は「東北地区をベースに愛されるチームをつくるために、東北全てに共通する名前」と説明。ゴールデンイーグルとは日本語で「イヌワシ」の意味で、イヌワシは東北全6県を中心に棲息する天然記念物。東北の地域密着を掲げる同球団のイメージに合致すると判断し、200近い候補の中から最終決定した。

三木谷社長は今月上旬に早々と“東北楽天”と地方名を入れることを表明。しかし「社内から色んな意見もあった」と選考が難航したことで、この日まで発表がずれ込んだ。

三木谷社長は「イヌワシは優雅に飛んで狙った獲物は外さないからね」と話し、さらに報道陣から「ダイエーホークスは若タカ軍団と呼ばれてますが」と聞かれると「イヌワシ軍団と呼んでください」と笑顔を見せた。すでに商標登録の申請も完了。チームカラーとロゴマークについても近日中に決定する予定で、新規参入へ向けての準備は着々と進んでいる。

◇ライブドアは静観

楽天の球団名発表にもライブドアは静観の構えを見せた。現在、同社のホームページ上で10候補に絞った球団名の決選投票を実施中。中には同じ「イーグルズ」が挙がっているが、熊谷副社長は「ファン投票でイーグルズが1位になればイーグルズになります。楽天さんの動きは関係ないですし、問題はないですね」と話した。

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テリー伊藤演出で対抗ライブ[ニッカン]

◇アドバイザー就任

ライブドアは異色の切り札を持ち出した。堀江貴文社長が22日、東京・六本木ヒルズ内で会見を行い、球場改修計画などに加えて、演出家テリー伊藤氏のチーフアドバイザー就任を発表した。堀江社長は進行のあったテリー氏の野球に対する斬新なアイデアを評価、前夜に食事した際に要請し快諾を得たという。堀江社長は「演出面のアドバイザーをお願いしました。面白いプランもいくつか聞いています」と期待を寄せた。

テリー氏は既に、ヒーローインタビューの逆バージョンともいうべき「公開反省会」や、フジテレビのバレーボール中継に登場するような「球団アイドル」の創設を提案している。都内のニッポン放送で取材に応じたテリー氏は「長嶋さん、王さんに元気づけられた世代としては、野球に恩返しがしたい。僕も演出家。野球が盛り上がることなら協力したい」と話した。

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テリー伊藤氏、ここがヘンだよ日本球界!![報知]

◇ライブドア球団チーフアドバイザー就任

プロ野球へ新規加盟を申請しているライブドア(堀江貴文社長)は22日、チーフアドバイザーにテレビ演出家のテリー伊藤氏が就任したことを発表した。テリー氏はこの日、東京・有楽町のニッポン放送で取材に応じ、NPB(日本プロ野球組織)審査小委員会や明大・一場靖弘投手の金銭授受問題など、プロ野球の矛盾点を指摘、球界改革を強く訴えた。

◇「食事した勢いで」プロ野球関係者に

晴れて“プロ野球関係者”になったテリー氏は「あまりおもしろおかしく言うのは(参入する立場として)マイナスになるかもしれない」と言いつつも「演出家なので、ライブドアだけじゃなくてプロ野球を盛り上げたい」と、試合後の反省会中継や、応援団アイドル登用など色々なプランを温めている。

もちろん球界への苦言も忘れない。新規参入が1球団になるとみられることについて「車の免許は頑張れば受かるけど、今回は楽天とライブドアのどちらかが落ちる訳じゃないですか。落ちたときに何という理由で落とすのか分からない。マイナス思考じゃなくて、両方入れてさらに盛り上げるプラス思考が欲しい」と提言した。

さらにこの日、発覚した明大・一場投手の金銭授受問題について「一場君だけ悪者になるのは変な話。マスコミの論調では、日本にいられないんじゃないかとなっているが、これも変な話。彼だけ海外に追い出してはいけないし、今まで貰った人はいっぱいいる訳で、みんな手をあげた方が健康的。選手会もあの(ストの)とき、あんなに熱い思いで語ったんだから、逆にこういうときに口にして欲しいですね」と得意のテリー節を披露した。

ライブドアとの契約については「そんな堅苦しいことはしていない」と言い、前夜(21日)に食事して盛り上がり、勢いでこの日、発表になっていた、という。肩書はライブドア球団の一員だが、縛られない立場にいる。従来の価値観に染まらず、テリー流の球界改革がスタートする。

テリー伊藤(てりー・いとう)
本名・伊藤輝夫。1949年12月27日、東京都生まれ。54歳。日本大学を卒業し、すし店、ファッションメーカーなどを経て、75年にIVSテレビ制作に入社。NTV系「天才たけしの元気が出るテレビ!!」やフジ系「ねるとん紅鯨団」などバラエティー番組を数多くプロデュースする。85年に自らの企画制作会社「ロコモーション」を設立し、代表取締役に就任。現在はテレビのコメンテーター、CM制作などにも活躍の場を広げている。血液型はO。

◇宮城球場「改修プラン」発表、ライブドア都内で会見

ライブドアは22日、東京・六本木で会見を開き、宮城球場の改修プランを発表した。内野の天然芝化、ファウルグラウンドに座席の増築、最上階にテーブル席、さらに左翼席にはシネマコンプレックス(複合映画館)も入る3階建てビルなどが入ったイメージ図を公開したが、これは「20XX年度未来予想図」で、堀江社長は「なるはや(なるべく早く)でこうしたい」と話した。実際の来季開幕時は仮設スタンドで3万席確保するというもの。スコアボードの電光化も6月になる見込みで「手書きボードで開幕も味があっていいかも」(中野正幾取締役)という。改修プランはこの日、NPBに追加資料として提出された。

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ライブドア、アドバイザーにテリー伊藤氏[スポニチ]

ライブドアは22日、演出家でテレビやラジオで活躍中のテリー伊藤氏のチーフアドバイザー就任を発表した。21日に堀江社長らと会食した際、打診を受けて受諾したもの。有楽町のニッポン放送で報道陣に応対した同氏は「自分は応援団。サポーターに契約はないでしょう」と正式な契約はないが、興行面で球団をサポートしていくことを明らかにした。また「試合後に反省会をグラウンドでやって、テレビなどで公開できることによって選手の痛みも喜びも分かちあえる。ファンのためにも面白い」と早速アイデアを披露していた。

◇宮城球場改修プラン発表

ライブドアが宮城球場の改修プランを発表した。東京・六本木のアカデミーヒルズで堀江社長らが会見。球場完成図のイラストを使って構想を打ち出した。外観は東北、杜の都をイメージしてガラス張りに。さらにはファウルグラウンドの拡張、外野席裏に映画館やレストランなどが入ったビルを建設予定と、7項目の特徴を挙げた。来季までには厳しいが「06年3月までには(完成図に)到達したいと思っています」と同社長は話した。

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新規参入球団11・2決定確認

新規球団受け入れを審査する日本プロ野球組織(NPB)の審査小委員会は22日、西武ドーム内で会合を開き、11月2日の実行委員会、オーナー会議で最終決定する方針をあらためて確認した。審査小委員会の豊蔵一委員長(セ・リーグ会長)は「最終決定の判断は11月2日のオーナー会議、実行委員会でできるようにしたい。監査法人からも26日に報告書をもらう予定です」と語り、26日も会合を開くが、小委員会では最終判断を下さない意向を示した。

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11月2日に新規加盟申請の最終結論[ニッカン]

日本プロ野球組織(NPB)に新規加盟申請したライブドアと楽天を審査する審査小委員会(豊蔵一会長=セ・リーグ会長)が22日、西武ドーム内で行われ、11月2日に開かれる実行委員会とオーナー会議に審査結果を答申し、最終結論を出す方向で一致した。この日の会議では、両社からの報告をもとに意見交換し、今後の日程などを話し合った。26日の実行委員会後に、監査法人から提出される報告書などの内容を踏まえ、再度審査小委員会を開催する予定。また、横浜の山中正竹球団専務がスカウトの金銭授与を理由に、同委員会のメンバーから外れることになった。

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浅野知事が要望書

宮城県の浅野史郎知事は22日、東京・銀座のパ・リーグ事務所に小池唯夫会長を訪ね、プロ野球誘致の意向をあらためて伝え強力を要請した。

浅野知事は北海道・東北自治協議会会長の佐藤栄佐久福島県知事の代理として「東北・宮城県を本拠地とするプロ野球団実現に関する要望書」を提出。県内だけでなく東北全域でプロ野球が行われることが待望されていると訴えた。これに対して小池会長は「新規参入球団の審査が鋭意選考中で11月2日に結論を出す」などと話し、約1時間にわたって懇談した。

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宮城県知事、東北の新球団を要望[スポニチ]

宮城県の浅野史郎知事は22日、東京都内でプロ野球オーナー会議の滝鼻卓雄議長とパシフィック野球連盟の小池唯夫会長を相次いで訪ね、北海道東北地方知事会などを代表して、東北・宮城県を本拠地とする新球団の実現を要望した。

浅野知事は2人にそれぞれ「球団の実現は青少年に夢を与え、地域経済の活性化にも好影響を及ぼす」とする要望書を提出。パ連盟では小池会長が「日本ハムなどは地域密着で成功した。(宮城に)決まったらご協力願います」と応えた。

滝鼻議長も「東北全体としての球団というのはいいですね」と話し、浅野知事が今後の助言を求めると「町内会や商店街と協力するなど、観客を呼ぶための地道な努力が重要なのでは」とアドバイスしたという。要望は、東北6県と北海道、新潟県の8知事による北海道東北地方知事会と、8知事に各議会議長を加えた北海道東北自治協議会の連名で実施された。

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「大阪シティドーム」11・1特定調停申請[ニッカン]

「大阪ドーム」(大阪市西区)を運営する大阪市の第3セクター「大阪シティドーム」は22日、金融機関に債権の一部放棄を求めることを柱とする特定調停を、11月1日に大阪地裁に申請する方針を固めた。国内最大規模の地下街などを運営する市の3セク「クリスタ長堀」も同時に申請する方針。両社は近く債権者の金融機関に説明し、正式決定する。

関係者によると、ドーム社はドームの施設部分を大阪市に100億〜150億円で売却し、約514億円に上る借金の一部を返済、残りは債権放棄を求める。 約137億円の債務超過に陥っているドーム社の資金繰りは苦しく、経営の柱となる来季以降のプロ野球関連の収入が確定しないまま申請することになった。

ただ金融機関の一部には「安易に債権放棄に応じれば、株主代表訴訟を起こされる」(銀行幹部)との声も残っている。財政難の大阪市が巨額の追加負担をすることには市議会が反発しており、今後の調整は難航も予想される。

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有線ブロード、買収慎重姿勢[ニッカン]

有線ブロードネットワークスは22日、記者会見しダイエー球団の買収を検討していることについて、佐藤英志常務が「すぐに手を上げるという話ではない。球団の赤字額や買収額の大きさ、広告宣伝効果などを総合的に考えて判断したい」と現時点では慎重に考えていることを明らかにした。プロ野球について「コンテンツ(情報の内容)として魅力的」とし、球団を保有できれば、ブロードバンド(高速大容量)でのコンテンツ配信などの事業に生かせる、とした。だが「買収額が数百億円規模ならば具体的な検討にはならない」などと話し、球団の売却方針が決定した後、条件を見極めた上で決定したい、としている。

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一場に裏金、阪神も辞任[ニッカン]

球界に再び激震が走った。阪神久万俊二郎オーナー(電鉄本社相談役)と野崎勝義球団社長が22日、辞任を表明した。ドラフト自由枠での獲得を目指していた明大一場靖弘投手(4年=桐生一)に対し、阪神が学生野球憲章に違反する25万円の金銭授受を行っていたことが判明。責任を取って電撃辞任することになった。横浜の砂原オーナー(TBS会長)も同様に、球団が一場投手に60万円の金銭を授受していた責任を取り、辞任を発表した。

◇怪文書存在

大阪市の電鉄本社での緊急役員会後、野崎球団社長と並んで会見に臨んだ久万オーナーは、厳しい表情で辞任を口にした。「よそのオーナーさんと同じよう、私もやめなアカンと思ってます。責任を感じています。野崎社長も辞めたいと言うてます。関係者の方々には、誠にご迷惑をおかけしました」。横浜砂原オーナー辞任のきっかけとなった怪文書の内容がこの日明らかになった。文書では阪神の金銭授受疑惑も併記されていた。阪神はこの日詳細な調査を行い、担当スカウトが学生野球憲章に違反する金銭授受を行っていたことを確認。野崎社長によると金銭授受は合計25万円。内訳は昨年12月に車代として3万円、今年1月と3月にそれぞれ食事代10万円、車代1万円を手渡したという。

一場をめぐっては、獲得濃厚だった巨人が8月に金銭授受を公表。一場獲得から撤退し、渡辺前オーナー以下、球団首脳が引責辞任した。この時、野崎社長は会見で「うちはルールにのっとってやってますし、そういうことはありません」と金銭授受を全面否定していた。だがこの日は「前回の時は担当スカウトに聞いたけど、その事実に達しなかったし、精密なものではなかった。私自身、まさかそんなことはあり得ないと思っていた」と釈明。調査が不十分のまま、一場獲得に向かっていたことを明かした。

野崎社長は「現場レベルで熾烈な競争があり、何としても獲得したいという思いでフライングしてしまったようだ」と説明。久万オーナー、野崎社長とも、その事実はこの日まで知らなかったという。一場獲得には、明大OBでもある星野SDも関わっていた。だが野崎社長はこの日、渡米中の星野SDと連絡を取り合ったことを明かし「星野さんは金銭(問題)には一切関わっていないし、責任はないと認識しています」と、引責の必要はないとの見解を示した。

久万オーナーは「しかるべき時期に辞任します」と話し、野崎社長も「この調査をやり遂げてから」と、担当スカウトの処分などを決めるまで現職を継続する考えを示した。久万オーナーの辞任後は、手塚オーナー代行が昇任する見込みだ。この日、就任からちょうど20年目だった久万オーナーは「こんなところに落とし穴があるとは思いませんでした。それはお金の出し入れです。夢にも思わなかった」と話した。球界再編に揺れ動いた今年、不透明な株式問題で引責辞任する西武堤オーナーも含め、4人のオーナーがスキャンダルが原因で辞任に追い込まれる異常事態に陥った。

◇別府元総監督に届いた怪文書の全文

別府隆彦殿

8月に貴大学の一場靖弘投手のプロ野球入りに関し読売巨人軍と一場投手の間で不正な金銭の授受があったことが白眉にさらされ、一場投手は貴大学野球部を退部、秋の六大学野球にも出場不能となり、貴殿も総監督の辞任を余儀なくされ、当然のこととは申せ、巨人軍のオーナー、球団社長、代表が総退陣したことはご承知のことと存じます。

実は当該事案は、我々がその事実を突き止め、巨人軍に忠言し、彼らがその非を認めざるを得なかったことによるものです。当時、プロ野球の再編問題が国民的な話題になり、オリックス・近鉄連合や巨人軍の渡辺オーナー、西武の堤オーナーなどが1リーグ制への野望を実現すべく、様々な陰謀を企てていましたことは、ご承知の通りです。純粋なファンの夢を打ち砕こうという、これら策謀は断じて許してはならないという信念に基づき、行動を起こした次第です。

実は8月の時点で、阪神球団と横浜球団も一場投手に多額の金銭を提供していたことを、我々は掌握しておりました。「栄養費」「タクシー代」と称して、阪神球団、横浜球団のスカウトから、それぞれ数回にわたり、学生にとっては極めて非常識な金額が渡されております。そのことは、一場投手が「受け取り」に署名を強要され、阪神球団、横浜球団に渡されているため、ご調査されれば判明いたします。

我々は外部に流出したらそれら一部資料のコピーや一場投手が同僚との会話の中で、それらの事実を認めている録音テープも所持しております。また、3月下旬、群馬県・伊香保温泉のT旅館で、星野仙一SDを始め阪神球団のスカウトと一場投手の両親との「懇談」の内容も掌握しております。これら一場投手と阪神球団、横浜球団の一連の行為は、日本学生野球憲章に明確に違反する事項であることは明々白々です。

ただ我々は、8月の時点では巨人軍の行為のみを問題視し、あえて阪神球団、横浜球団のことは公にすることを差し控えました。当時、阪神球団を筆頭に2リーグ制維持に懸命の努力をされていたことと、無関係とは申せません。また、一場投手が3球団から金銭を受け取っていたとなると、彼のプロ入りそのものが危うくなると思量した故です。

(原文まま)

日本学生野球憲章
第13条第2項に「選手または部員は、いかなる名義によるものであっても、職業野球団その他のものから、これらとの入団、雇用その他の契約により、またはその締結を条件として契約金、もしくはこれに準ずるものの前渡し、その他の金品の支給、もしくは貸与を受け、またはその他の利益を受けることができない」と規定。監督、選手らに違反行為があった場合は警告、謹慎、試合出場停止、除名などの処置が取られる。

◇一場問題経過

8月13日
巨人が一場投手に対し約200万円を渡していたことを公表。渡辺オーナーは辞任、土井球団社長らフロント首脳4人が解任。巨人入り消滅。
8月14日
明大・別府総監督が辞任、一場投手は退部届を提出。いち早く阪神が一場獲得へ名乗り。
9月7日
根来コミッショナーが巨人の不祥事に対し、戒告および野球育成団体に制裁金相当額500万円、または同額の野球用具寄付などの処分を決定した。
9月10日
阪神星野SD、黒田編成部長らが明大合宿所を訪問。在京志向が強かったが、星野SDの直接出馬に阪神入りへ傾く。
9月16日
横浜は自由獲得枠候補を那須野(日大)と久保(松下電器)の2人にしていたが、久保から一場獲りへ変更。
10月13日
やはり一場の在京希望が強く、進路を阪神から横浜へ方向転換したことが明らかになる。
10月16日
阪神星野SDが一場獲得断念を表明。
10月17日
明大・別府元総監督が、秋季リーグ戦の明大最終戦となる24日にも一場が横浜入りを表明すると発表した。
一場投手
「ベイスターズの関係者に食事に誘われた後、帰りのタクシー代を何回かいただきました。明大に入学以来、先輩であり顔見知りで技術的なこと、肩、ひじの故障などの相談、専門医への紹介などで親しくさせていただいておりましたので、僕の心からこうした行為が学生野球憲章に触れるという意識が薄れ、各方面の関係者に大きなご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫びいたします。できることなら野球は今後も続けたいと思っております。」

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横浜も!!砂原オーナー引責[ニッカン]

横浜の砂原幸雄オーナー(TBS会長)も22日、球団が一場投手に60万円の金銭を授受していた責任をとり、辞任を発表した。

砂原オーナーは1人で泥をかぶった。「道義的責任を取り、球団を代表する私がケジメをつけます」。19日に匿名で文書が届き、横浜峰岸社長が過去の伝票をさかのぼって精査したところ、計60万円の「裏金」が発覚。明大OBでもある松岡スカウトが昨年12月から5月にかけて、10万円ずつ計6回、飲食費の名目で一部金銭が一場に渡っていた。

峰岸社長は「先輩・後輩という関係もあって、一場君も気安く相談できたのだろう。ただ常識の範囲を超えるものだった」と、認識の甘さを反省した。現金授受については、担当スカウトから球団幹部への報告がなく、最近まで把握できなかった。同社長以下、球団幹部は進退伺を砂原オーナーに伝えたが、慰留を受けて現職に留まる。峰岸社長、山中専務、松岡スカウトは減俸程度の球団処分となる。後任オーナーにはTBSの若林貴世志副社長の就任が有力だ。

もう1つの自由獲得枠では、日大・那須野の入団が濃厚だが、峰岸社長は「学生野球憲章にもとるような行為はなかった」と確認調査で不正がなかったことを強調していた。

◇小委員会辞す

横浜山中正竹専務取締役は22日、今回の明大・一場投手問題に対し「日本シリーズで盛り上がっている時に、こんなことでご迷惑をかけて申し訳ありません」と話した。この日は根来コミッショナーに陳謝の上、セ・リーグ大越事務局長に事情報告。さらにオーナー会社のTBSへ出向くなど慌ただしい動きを見せた。またこの日の審査小委員会も急遽欠席した。豊蔵委員長は「連盟の職は辞すると聞いています。小委員会のメンバーですが今後は出席されないと思います」と委員から外れることを示唆。新委員は補充しない方針だ。

ダイエー王監督
「一場君がかわいそうだ。これまでは問題になっていなかったけど(球界の)実態がそうだったんだろ。今度の実行委員会(26日)で話が出るだろうけど、これを機会にいい方向に変えていかないと。」
巨人桃井球団社長
「一場君がプロで活躍できる場を得られるよう、色んな方面にお願いしてきたので、こんな形となって残念というか、ショックを受けています。(ドラフト制度に問題?)これから構造改革委員会で話すこと。確かにお金の問題は、自由獲得枠があったからと言われているが、必ずしも(自由枠を)やめた方が絶対いいとはならない。『完全悪だ、やめちゃえ』とはならない。」
巨人滝鼻オーナー
「横浜のことは夕方聞いたけど、阪神のことは初めて聞いた。他球団のことだから何とも言えない。ドラフト改革?そこまでまだ考えが及ばないですね。」
広島鈴木球団副本部長
「うちは社会通念をかけ離れたようなスカウト活動は行っていない。」
広島松田オーナー
「(横浜砂原オーナーの辞任について)報道機関に身を置かれる責任と立場を考えて辞められたのではないかと思う。親しくさせていただいていたので残念。」
根来泰周コミッショナー
「昨日概略を聞いたが、はっきりしない。ご迷惑をおかけしたが、野球協約では監督とかスカウトとかを呼ぶ訳にはいかないし権限が及ばない。球団を通してしかコントロールできない。簡単じゃない。倫理問題だから。これが刑法とかなら違うんだが。巨人と同じように横浜の報告を待って結論が出たら、金額や時期など決めて処分を行う。」
セ・リーグ豊蔵一会長
「今日、(一場投手に)金銭を渡したと聞いてびっくりした。基本的にはコミッショナーと相談して対応を決めることになるでしょう。アマチュア野球界のためにも浄化を考えていかなければならない。」
パ・リーグ小池唯夫会長
「学生野球憲章に違反するということで、高校野球の関係など考えると、ここでお互いに襟を正さなければいけない問題だ。これを契機に自粛していかなだければいけない。」

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中日一場獲りも

◇落合監督救済の意向

巨人に続き、横浜、阪神入りも消滅した明大・一場靖弘投手(桐生一)を中日が「救済獲得」に動く可能性が出てきた。落合監督は一場の野球人生が危機に陥っているとし、救済の必要を指摘した。一時期、獲得に動いていた経緯もあり、フロントも慎重に言葉を選びながら前向きな姿勢を見せた。来季の投手補強に懸命な日本ハムも関心を見せる一方、道義的な問題からヤクルトなどは消極的な反応だった。

西武との日本シリーズ第5戦の試合前、一場問題について落合監督が口を開いた。「巨人もそうだったけど、横浜も何で最後まで面倒を見てあげないのかな。あの子(一場)の野球人生が終わっちゃうよ」と感想を明かした。獲得に関しては「今は何も決まっていない」と話したが「どの球団も獲得に乗り出さなかった場合に獲得に乗り出すのか」という問いには「それは考える」と答えた。

一場は巨人、阪神、横浜の時系列で、それぞれ自由獲得枠での入団をほぼ確実にしていた。それが金銭授受のため全て消滅。道義的な理由で一場獲得を敬遠する球団も多く、アメリカなど異国を選ぶ以外は行き場を失う恐れがある。落合監督の発言は、袋小路にはまった一場の「救済」を強く意識してのものだ。

現在は静観のスタンスを崩さない球団サイドも、条件次第では獲得に乗り出す準備を整えている。西川球団社長は「このまま選手生命を絶たれるようなことになれば本人だけでなく、球界の損失。一場投手が正当ならば(獲得を)考えることもある」と話した。井手編成担当も「ウチは最初から救済するという形であれば(獲得を)考えると言ってきた。それが実現しつつあるということ」と話した。

中日は8月に巨人からの金銭授受問題が発覚した際、獲得に向けての調査を開始。阪神入りが濃厚となった時点で断念した経緯がある。今ドラフトでは自由獲得枠を含めた上位で大学、社会人の即戦力投手を獲得する方針を固めているが、具体的な方向性は固まっていない。今後の動向次第では一場獲得に再び動き出すことになりそうだ。

中日西川球団社長
「(中日も)関係者などと会食をすることはあったかもしれない。ただ、それは常識の範囲内。お金に関しては誤解を招くことがあるので、キッチリとやってきた。(球界全体として)ドラフト制度を根本から変えていかなければいけない時期にきているのでは。ウチは前々から完全ウエーバーが好ましいと言っている。」

◇ハム「欲しい」

日本ハムも一場獲得の検討に入った。今村球団社長は「欲しい選手。自由枠かどうかも含め、これから考えてみます」とドラフト戦略の変更を示唆。早い段階から1巡目指名をダルビッシュ有投手(宮城・東北)に決定していたが、競合した場合のリスクを回避して、一場を上位指名する可能性が出てきた。99年には群馬・桐生一で一場の1年先輩にあたる正田を1位指名している。この日、GMに明大OB高田繁氏の就任が決定し、パイプもできた。チーム防御率リーグ5位に終わった投手陣の補強が急務だっただけに、開幕先発ローテーション入りも可能な一場は魅力的な存在だ。

◇倫理的に…ヤクルト、ダイエー、ロッテ消極的

中日、日本ハム以外の球団は一場獲得には消極的だった。ヤクルトの多菊球団社長は「倫理的に問題がある。どこも獲れないんじゃないか。渡す方も悪いが、貰う方も意識がなさ過ぎる」と指摘した。ダイエーの佐藤球団代表も「巨人の問題があって、またとなると、今年のドラフトで指名されるのは難しくなるのではないか」と感想を述べていた。

ロッテの宮田編成部長代行は「うちはドラフト戦略も既に出来上がりつつあるし、一場が残っていても指名はどうかな…」と獲得には否定的だった。

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一場かばう別府元明大監督

◇「既に制裁受けている」

一場投手の後見人でもある別府隆彦・元明大総監督は、横浜砂原オーナーだけでなく、阪神久万オーナーまで辞任に追い込まれる事態に、困惑の表情を浮かべた。午前中、都内の野球部合宿所で開かれた会見では「金銭授受といっても横浜のスカウトはうちのOB。先輩、後輩として食事をおごってもらったり、タクシー代を渡すぐらいはある。昨夜(21日)横浜側と話し合い『オーナーが辞めることはない』と申し上げた」。きっかけとなった自身宛の「怪文書」を公開しながら「阪神のことも書かれているが、金銭の授受はないと聞いている」と説明した。

しかし、別府氏はその後外出。出先で、阪神の黒田編成部長と一場本人に確認したところ、両者とも、小額の金銭受け渡しがあったことを認めた。別府氏は「やったことは悪いが、一場は既に制裁を受けている。本人はやつれきって、誰にも会いたくないそうだ。野球が続けられる環境をつくってやりたいんだが」と愛弟子を気遣った。

◇アマ処分なし

日本学生野球協会の長船常務理事は、一場と明大サイドに処分は行わない方針を示した。既に一場は8月に巨人の金銭授与が明らかになった際、退部していることから「既に責任を取って退部しているし処分の対象にはならない」と語った。その上で「本人の将来を考えてやって欲しい。何とか野球を続ける形になって欲しい」と憂慮した。

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阪神、横浜も、一場に“裏金”提供[スポニチ]

横浜、阪神が明大・一場靖弘投手(8月に退部)をめぐるスカウト活動で「裏金工作」を行っていたことが22日、相次いで発覚した。自由獲得枠で同投手の獲得を内定していた横浜は砂原幸雄オーナーが都内のホテルで会見し、計60万円を渡した事実を認め、獲得断念とオーナー職の引責辞任を発表。横浜との争奪戦の末に獲得を断念した阪神も大阪市内の阪神電鉄本社で会見し、計25万円の授与を認め久万俊二郎オーナー、野崎勝義球団社長が辞意を表明し、球界は“裏金問題”で激震に見舞われた。

一場をめぐっての過剰な獲得戦争が悲劇と激震を生んだ。8月に巨人が計200万円の金銭授受を認め、渡辺オーナー以下球団幹部が総辞職したばかり。その巨人と一場獲得を争っていた横浜、阪神も「裏金」を使っていたことが発覚した。

事の発端は、19日に横浜のスカウトから現金を受け取った証拠を持っているとする匿名の文書が砂原オーナー、明大・別府元総監督、一場の実家あてに届いたことだった。午後2時から都内ホテルで緊急会見を開いた砂原オーナーによると、巨人の問題が発覚した際、峰岸球団社長が松岡功祐担当スカウトに違反がないことを口頭で確認。しかし、文書が届いた後に再調査した結果、昨年12月から5月まで一場に対し「食事代」の名目で10万円を6度、計60万円を松岡スカウトが渡していた事実が発覚したという。

「常識を上回る金額と判断した。初期の調査が不備であったことを含め、関係者に深くお詫びを申し上げます」。砂原オーナーはこう謝罪し、オーナー職を退くことを発表した。進退伺を提出した峰岸社長、山中球団専務らは減俸処分などにとどまったが、問題は横浜だけにとどまらない。

匿名の文書には阪神の金銭授受についても指摘されており、阪神も緊急で再調査を行った。その結果、昨年12月から3月までに3回、計25万円を「食事代」や「車代」の名目で一場に手渡していたことが判明。午後7時から緊急会見を開き、久万オーナー、野崎球団社長が辞意を表明した。明大OBの星野仙一シニアディレクターの関与は否定したが、久万オーナーは「責任を感じている。金銭について少しルーズだった」と語った。

横浜、阪神とも巨人が公表した8月の時点で徹底調査を行い、事実を認めていれば今回のような最悪の事態には至らなかった。それが結果的に問題を隠す形で再び一場獲得に動いたことで、オーナーが辞職するまでに追い込まれた。球界では、11月上旬に構造改革協議会を日本プロ野球組織と選手会で立ち上げることが決定し、ドラフト制度の見直しを1年間かけて協議する。「今後は公平にスタートラインに立つ選抜制度が必要」と砂原オーナーは訴えた。 一場獲得に動いた3球団のオーナーが辞職するという激震を招いた「裏金問題」。さらなる惨劇を繰り返さないため、ドラフト制度の抜本的な改革が急務となった。

一場
「ベイスターズの関係者に食事に誘われた後、帰りのタクシー代を何回かいただきました。明大に入学以来、先輩であり顔見知りで技術的なこと、肩、ひじの故障などの相談、専門医への紹介などで親しくさせていただいておりましたので、僕の心からこうした行為が学生野球憲章に触れるという意識が薄れ、各方面の関係者に大きなご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫びいたします。できることなら野球は今後も続けたいと思っております。」

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阪神、横浜も一場に裏金…久万、砂原両オーナー辞任[サンスポ]

日本球界に激震が走った。元明大野球部・一場靖弘投手の獲得を巡り、横浜の砂原幸雄オーナー、阪神の久万俊二郎オーナーと野崎勝義球団社長が22日、相次いで辞任を表明した。両球団とも同投手に担当スカウトが現金を渡していた事実を公表、日本学生野球憲章に抵触したとしてオーナーが引責するもの。8月には巨人・渡辺恒雄オーナーが同じ問題で辞任しており、まさに異例の事態となった。

激震だ。一場投手への裏金授与の問題で、横浜と阪神のオーナーがこの日、相次いで辞任。8月の巨人・渡辺オーナーを合わせると、実に3球団のトップが同じ問題で役職を退く異常事態だ。

砂原オーナー
「球団としての道義的責任を感じ、一場投手の獲得を断念した。また私がオーナーを辞任、来週の臨時株主総会で新オーナーを決めます。」

午後2時、都内のホテルで会見に臨んだ横浜・砂原オーナーは、厳しい表情で引責辞任を表明した。TBS会長職にはとどまるが、後任のオーナーにはTBSの若林貴世志副社長の就任が有力。電撃的な決断の裏には、外部からの告発状の存在があった。

砂原オーナー
「今週の火曜日(19日)に住所のない特別な文書が届いた。内容は“横浜に日本学生野球憲章に反する行為があった”というものでした。」

怪文書が届いた直後、峰岸進球団社長が直接調査。その結果、昨年12月末から今年5月にかけて6回にわたり、食事代、車代と称して、担当の松岡功祐スカウト(明大OB)から一場投手に現金60万円が渡っていた事実が判明した。さらに文書には、もっと辛辣な“事実”が書き添えられていた。

さらに文書には

の3点を持っているとしている。球団では山中専務の代表職を外し(田中浩球団常務が昇格)、峰岸社長と同専務、さらに松岡スカウトを減俸処分とした。

明らかになった横浜の裏金問題は、余波をもたらした。明大野球部の別府隆彦元総監督が、一時は入団が濃厚とされた阪神からの現金授受について聞かれ「大した額じゃないが、貰っているだろう」と発言。これを受け、阪神首脳は4時間以上の協議の末、午後7時過ぎから久万オーナーが野崎球団社長と、大阪市内の本社10階で会見。辞意を表明した。

久万オーナー
「先ほど野崎球団社長から明大・一場投手に関する金銭授受の報告について事実関係の確認をいたしました。私なりに責任を感じ、よそのオーナーさんと同様に辞めなければならんと思う。」

同席した野崎球団社長も辞表を提出し、受理された。会見で同社長が明らかにしたところによると、一場投手へ渡した現金は計25万円。昨年12月に車代3万円、今年1月に食事代10万円と車代1万円、同年3月に食事代10万円と車代1万円と3度にわたり、担当の菊地敏幸スカウトが一場投手に手渡した、という。

久万オーナー
「前回(8月に巨人の不正発覚時)は精密な調査をしておりませんでした。ルールにのっとっていた?完全にその認識でした。申し訳なかったと思います。」

8月時点では否定していた不正発覚に、野崎球団社長も苦しい弁明に終始した。以前から噂されていた選手獲得をめぐる裏金の問題が“怪文書”をきっかけに一気に吹き出した格好。再編問題で揺れ続けた球界が、今度は矛盾を抱えたドラフト制度の改革という新たな問題を突きつけられた。

久万俊二郎(くま・しゅんじろう)
大正10年(1921年)1月6日、高知市生まれ、83歳。神戸一中−高知高を経て、昭和19年東大法学部卒。兵役の後、同21年に阪神電鉄入社。経理、企画畑から同48年に取締役。常務、専務、副社長を歴任し同57年6月に社長、平成4年10月から会長。昭和59年に阪神タイガースの6代目オーナーに就任、翌年に21年ぶりリーグ優勝、初の日本一を達成。甲子園のラッキーゾーン撤廃など積極的な球団経営に取り組む。昨年、18年ぶりのリーグ優勝。
砂原幸雄(すなはら・ゆきお)
昭和12年5月8日、香川県生まれ、67歳。慶大文学部を卒業後、昭和36年にTBS入社。製作局、編成局、ニューヨーク支局長などを経て、平成3年、テレビ総局長。同5年、取締役ラジオ編成製作局長。同8年5月に社長。同14年1月に横浜オーナー、6月には会長に就任。

◇久万オーナー、野崎球団社長に聞く

≫今回の件を聞いて。
久万オーナー
「責任を感じている。私も適当な時期に辞めることになる。金銭のことがルーズになったのかな。こんなところに落とし穴があるとは…。」
≫当初、金銭授受は否定していたが。
久万オーナー
「前回(8月)は精密な調査をしていなかった。今日多方面にわたって調査をした結果、事実に到達した。」
≫ほかに同様の件は。
久万オーナー
「この件だけ特別だと思う。ほかにはありません。」
≫現行のドラフト制度が原因なのでは。
久万オーナー
「私も忸怩たる思いがある。(現行制度は)こういうことを誘発する制度だ。選手会と合意した改革を進め、ドラフト制度をすっきりさせるべきだ。」
≫星野仙一シニアディレクターの関与は。
久万オーナー
「スカウト活動はやっておられたが、金銭の授受にはかかわっていない。一場君の親御さんとは会ったことはある。」
≫担当者の処分は。
久万オーナー
「詳細を調査した後に、あらためて発表する。私も調査が終わり次第、辞任する。」

◇砂原オーナーに聞く

≫辞任の理由は。
砂原オーナー
「(裏金授与の)事実が判明した以上、球団を代表する私がまずけじめをつけないといけない。進退伺も出たが、社長、専務、スカウト部長、担当スカウトには辛いことかもしれないが残って仕事を続けろと命じた。減俸を中心とした処分になると思う。」
≫匿名の文書が届いたそうだが。
砂原オーナー
「住所もなく、ある名前は記されていたが全く存じ上げていない。巨人の際に(報道などで)ある名前が出ていたのは知っているが、それに該当する名前ではなかった。」
≫一場選手には。
砂原オーナー
「これからのドラフトの中で、彼に相応しい立場で野球界で活躍できるよう、切に願います。」
≫TBSと球団の関係、今後のドラフト改革についてどう思うか。
砂原オーナー
「TBSはオーナー企業。これでどうこうするつもりはない。改革などを議論される場があれば、今回の反省の上に立って、積極的に参加したいと思う。」
日本学生野球憲章
第13条第2項に「選手または部員は、いかなる名義によるものであっても、職業野球団その他のものから、これらとの入団、雇用その他の契約により、またはその締結を条件として契約金、もしくはこれに準ずるものの前渡し、その他の金品の支給、もしくは貸与を受け、またはその他の利益を受けることができない」と規定。監督、選手らに違反行為があった場合は警告、謹慎、試合出場停止、除名などの処置が取られる。

◇一場投手のコメント

プロ野球横浜からの金銭授与が明らかになった一場靖弘投手は22日、明大野球部を通じて次のコメントを発表した。

一場投手
「ベイスターズの関係者に食事に誘われた後、帰りのタクシー代を何回かいただきました。明大に入学以来、先輩であり顔見知りで技術的なこと、肩、ひじの故障などの相談、専門医への紹介などで親しくさせていただいておりましたので、僕の心からこうした行為が学生野球憲章に触れるという意識が薄れ、各方面の関係者に大きなご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫びいたします。できることなら野球は今後も続けたいと思っております。」

◇星野SDショック…金銭の授受は否定

阪神・星野仙一オーナー付シニアディレクターは22日、プライベートで滞在中の米国で久万オーナー、野崎球団社長の辞意を知り、ショックを隠せなかった。「まさか、こういう形になるとは…。日本に戻って2人と話をしたい」。また一場問題にも言及し、明大OBとして両親との接触は認めたものの、金銭の授受は否定した。

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一場の日本野球界入り絶望的…メッツが獲得に名乗り[サンスポ]

元明大野球部の一場靖弘投手に対する裏金授与による横浜、阪神のオーナーの辞意表明は22日、球界全体に波紋を広げた。8月の巨人に続き、両球団も獲得断念を発表し、一場投手の日本球界入りはほぼ絶望的な状況。代わって米大リーグ、メッツの関係者がこの日、さっそく獲得に名乗りをあげた。

セ・リーグの球団トップが次々と引責辞任するという異常事態に発展した一場争奪戦。8月に表面化した巨人の金銭授受に続き、今回、新たな裏金の存在が発覚したことで、一場自身も行き場を失った状態となった。

「できることなら野球は今後も続けたいと思っています」−。一場は明大野球部を通じ文書でコメントを発表。プロ志望に変わりはなく、11月17日のドラフト会議で他球団からの指名を待つことになるが「この前、巨人の問題があって、またとなると、今年のドラフトで(一場が)指名されるのは難しくなるのではないか」(ダイエー・佐藤賢二球団代表)と、国内球団が指名を回避することも想定される。

逆にこれで急浮上してくるのが米大リーグ挑戦だ。この日、事件発覚と同時にかねてから興味を示していたメッツ関係者が改めて「日本球界が難しいなら、ウチが獲ります」と明言。獲得に名乗りをあげた。実力的な評価の面では申し分なく、日米のエージェント(代理人)も動向に注目。米球界入りの可能性はが然、高まっている。

また、今後、球界全体で問題となるのがドラフト制度など球界浄化を目的とした新たな制度導入、改革の必要性だ。

またしても明かされた裏金の存在に「びっくりしている。球界の浄化について考えなければいけない」とは豊蔵セ・リーグ会長。同氏が委員長を務める新規参入球団に対する審査小委員会でもこの日は一場問題が話題になった。新時代を迎える球界にダーティー・イメージは大打撃だ。

平成5年に逆指名、13年に自由獲得枠が導入されたドラフト制度の改革に向けた議論が、本格化することは確実。米大リーグと同じ完全ウエーバーにし、FA権取得までの期間を短縮すれば、裏金問題は派生しにくくなるはずだが…。

豊蔵氏は、ドラフト制度について近々に根来コミッショナーと話し合う姿勢を示し「プロアマ正常化が進む中で残念」と重ねて強調した。

◇明大・別府元総監督が一場を擁護

明大野球部の別府隆彦元総監督は22日、一場投手が横浜から現金を受け取ったとする文書が届いたのを受け、21日に都内で横浜の関係者らと対応策を話し合った事実を明かした。席上、砂原オーナーの引責辞任が決まったという。

同元総監督は「やったことは悪いが、既に巨人の件で(退部という)制裁は受けている。既に終わっている話。蒸し返しで、かわいそうだ」と一場を擁護。今後については「横浜に一場はどうなるんだ、と聞いたがはっきりとは答えてくれなかった。野球をやりたい子が、これで殺されたらたまらない」と訴えた。

◇根来コミッショナーは多くを語らず

横浜、阪神の相次ぐオーナー辞任に根来泰周コミッショナーは日本シリーズ観戦の西武ドームで「立ち話でする話ではないので、何もない」と多くを語らなかった。ドラフトに絡む金銭授受問題で巨人・渡辺氏を含め約2ヶ月間でセ・リーグの3オーナーが辞めた。パでは株売却問題で西武の堤オーナーが日本シリーズ終了後に引責辞任。「またあらためてじっくりと」と無表情を通した。

横浜・峰岸進球団社長
「8月に聞き取り調査をしたが、(金銭授与は)ないということだった。担当スカウトの判断で、本人は(常識的な額を)超えているという認識はなかったということだった。」
横浜・山中正竹球団専務
「昨日、うちのオーナーから(コミッショナーに)報告と謝罪をした。球界が大変な時期で、日本シリーズが一番盛り上がっている時に、関係各位にご迷惑をおかけして申し訳ない。」
ダイエー・王貞治監督
「一場君がかわいそうだけど…。これまでは問題になっていなかったが、(球界の)実態がそうだったんだろう。これを機会にいい方向に変えていかないといけない。」
巨人・桃井恒和球団社長
「びっくりしています。こんな形になって残念というか、ショックを受けています。(一連の問題は)自由獲得枠があったから、といわれるけれど、だから(自由獲得枠を)やめたほうがいいという話ではない。1年かけて(プロ野球構造改革委員会で)色々な議論を尽くすべきだ。」
江本孟紀氏(サンケイスポーツ専属評論家、桐蔭横浜大学客員教授)
「学生野球憲章でプロから金を受け取ってはいけない、とはっきり書かれているのに、関係者はクルマ、食事代を『そんなもの』と思う風潮があった。社会的にはこういう金のやりとりを許さない流れになっているにもかかわらず、球界は時代に乗り遅れている。アマチュア選手側にも金品を期待している面があり、今回のケースは長年のツケが一気に噴出した。スター選手の争奪が過熱するドラフト制度も含め、今こそプロ、アマ一緒に考えなくてはいけない。」

◇一場問題の経緯

8月13日
巨人は獲得を目指していた明大・一場に対し、現金約200万円を渡していたことを明かし、渡辺前オーナーの辞任、土井前球団社長らの解任を発表。一場獲得を断念した
8月14日
一場は明大野球部に退部届を提出。別府総監督も引責辞任
8月15日
新就任した巨人・桃井球団社長と清武球団代表が明大合宿所を訪問し、不正行為を謝罪。一場は退寮し、群馬の実家へ帰郷。阪神、横浜が一場獲得を再検討
8月16日
明大野球部が一連の報告書と一場の退部届を東京六大学野球連盟に提出
9月6日
日本学生野球協会の審査室会議が開かれ、処分なし
9月10日
一場は東京都調布市の明大野球部合宿所で阪神・星野SDらによる獲得挨拶を受け、阪神入りに傾く
10月15日
一場の強い在京志向で阪神入りから一転、横浜入団が明らかに

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阪神まで一場に現金、久万オーナー辞任[報知]

◇横浜でも発覚、砂原オーナー引責

日本シリーズの真っただ中に球界が激震した。巨人からの金銭授受が発覚後、横浜入りが確実視されていた明大・一場靖弘投手に対し、横浜と獲得に乗り出していた阪神が金銭授与を行っていたことが22日、明らかになった。横浜の砂原幸雄オーナーは責任を取ってオーナー職を辞任。阪神も久万俊二郎オーナーが辞任する意向を示し、野崎勝義球団社長は辞任を表明。わずか25万円の金銭で、阪神グループの総帥が20年のオーナー職に終止符を打った。

◇野崎球団社長辞表提出

少し背中を丸めるようにして、久万オーナーが会見場に入ってきた。野崎球団社長とともに球団旗のない壇上に座ると、重苦しい表情で口を開いた。

「我々なりに責任を感じています。社長は辞めたいと言っているので、私も適当な時期に辞めることになる」。84年10月23日に現在のオーナー職に就いてからまるまる20年。西の盟主として君臨してきた名物オーナーの幕切れとしては、あっけなく寂しいものだった。

横浜関係者に郵送された「手紙」で全て明るみになった。内容は詳細かつ克明。しかも一場の獲得で最後まで争った阪神の金銭授与に関する内容が記されていた。

横浜・砂原オーナーの辞任を受け、この日、別府前総監督が「大した金額じゃないが(阪神からも)貰っているだろう」と金銭の受け取りがあった事実を認めたため、球団では早急に調査。昨年12月から今年3月まで、3度にわたって合計25万円を「食事代」と「車代」の名目で、担当スカウトから一場本人へ渡していたことが分かった。

8月に巨人の金銭授受の問題が発覚した際には「うちは問題ない」と公言した野崎社長は「前回は精密に調査をしていません」と調査の不備を認めるとともに、深々と頭を下げて謝罪した。

金銭授受の事実が発覚したことを受けて、大阪・野田の電鉄本社で緊急役員会を開催。久万オーナーが辞任する意向を明かし、野崎社長は辞表を提出。ただ、明大OBでもある星野仙一オーナー付シニアディレクターの関与は全面的に否定した。「金銭に関することには一切かかわっていない。ルール違反していることはないという認識です」と野崎社長は語気を強めた。

たった25万円足らずの金銭授受で、異例の長期政権で伝統のある猛虎を支えていたグループの総帥が、球界から去ることになった。球団では今後も徹底的に調査を進めていく方針で、一場獲得に携わった関係者の処分を下す。8月の巨人・渡辺オーナーの引責辞任に始まり、日本シリーズの真っ最中に横浜、阪神のオーナーの首が飛ぶ異常事態。球界の激震はそう簡単には終結しそうにない。

久万俊二郎(くま・しゅんじろう)
1921年1月6日、高知県生まれ。83歳。1944年に東大法学部を卒業後、46年に阪神電鉄に入社。経理部長、社長室関連事業副社長などを経て、82年に同社社長(オーナー代行)に就任。84年10月、オーナーに就任し、85年に21年ぶりのリーグ優勝、2リーグ分立後、初の日本一に輝いた。2004年6月からは取締役相談役。98年には野村克也氏(現シダックス監督兼GM)、2001年には星野仙一氏(現阪神オーナー付シニアディレクター)を監督として招聘するなど、リーダーシップを発揮した。家族は宏子夫人と2女。

◇横浜獲得断念

憮然とした表情で砂原オーナーは、お詫び文を読み上げた。「ファンに不信感を増幅させてしまったことをお詫び申し上げます」。

8月に巨人で同じ問題が発覚した時と同様、きっかけは一通の「手紙」だった。12日に群馬県内の一場の実家に、13日には明大の別府隆彦前総監督のもとに、16日にはTBS本社・砂原オーナー宛に、ほぼ同じ内容のものが届いた。差出人は架空の名前だったが、「栄養費」や「タクシー代」と称し、学生にとっては非常識な現金が渡されていたことなど詳細かつ克明だった。

巨人の不正が発覚した時、一場獲りから撤退していた横浜は、担当スカウトを聞き取り調査しただけで済ませたが、改めて経理伝票を調査。昨年12月末から今年5月まで計6回、「食事代」として10万円ずつの計60万円が渡されていたことが分かった。

球団は21日夜に対応を協議。明大関係者も加わり2時間話し合った結果、一場断念が決まった。峰岸球団社長、山中専務、松岡スカウトは減俸処分に、荒井スカウト部長は4月に就任して間もないことから処分は見送られた。また山中専務が連盟担当(球団代表)を外れ、田中常務に交代することも決めた。後任のオーナーは来週開かれる臨時株主総会で決まるが、若林貴世志・TBS副社長が有力視されている。

砂原幸雄(すなはら・ゆきお)
1937年5月8日、香川県生まれ。67歳。慶大文学部卒。61年にTBS入社。ドラマ「時間ですよ」などのディレクターを経て、報道局スポーツ局長、編成局長から93年に取締役ラジオ編成制作局長に。96年、前社長がオウム事件の不祥事で引責辞任したのを受け社長就任。2002年から会長。

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一場ショック…姿見せず[報知]

一場投手は22日、明大野球部を通じてコメントを発表。都内にいるものの、合宿所の報道陣の前には姿を見せなかった。明大の別府隆彦前総監督は「本人はガックリしていて、人の顔を見るのもイヤだと言っている」と気遣った。

別府前総監督は、一連の経緯を記した手紙を公開。手紙は一場の実家やTBS本社にそれぞれ送られており、表現などは細部で違うが、内容はほぼ同じで、横浜と阪神が一場投手へ金銭を渡したこと、金銭授受や会談場所などが記されていた。「一場のプロ入りを阻止しようとしているのだろう」と別府前総監督。21日までに砂原オーナーらと会談しオーナーの留任と一場の獲得を求めてきたが、受け入れられなかったという。

一場靖弘投手(元明大野球部)
「ベイスターズの関係者に食事に誘われたあと、帰りのタクシー代を何回か頂きました。明大に入学以来、先輩であり顔見知りで、技術的なこと、肩、ひじの故障などの相談、専門医への紹介などで親しくさせていただいておりましたので、僕の心からこうした行為が学生野球憲章に触れるという意識が薄れ、各方面の関係者に大きなご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫びいたします。できることなら野球は今後も続けたいと思っております。」
一場靖弘(いちば・やすひろ)
1982年7月5日、群馬・吾妻町生まれ。22歳。小学3年から野球を始め、桐生一2年の夏、正田(現日本ハム)の控えとして全国優勝。3年夏はエースとして甲子園出場。明大では1年から先発で活躍。東京六大学リーグ戦通算379奪三振は歴代5位。全日本大学野球選手権・広島経大戦で史上4人目の完全試合を達成した。今年のドラフトで巨人入りが有力だったが、8月に巨人からの金銭授受が発覚。その後、阪神、横浜などが獲得に名乗りを上げ、今月中旬、横浜入りの意思を固めていた。183センチ、84キロ。右投右打。
日本学生野球憲章
第13条第2項に「選手または部員は、いかなる名義によるものであっても、職業野球団その他のものから、これらとの入団、雇用その他の契約により、またはその締結を条件として契約金、もしくはこれに準ずるものの前渡し、その他の金品の支給、もしくは貸与を受け、またはその他の利益を受けることができない」と規定。監督、選手らに違反行為があった場合は警告、謹慎、試合出場停止、除名などの処置が取られる。

◇明大・別府前総監督に届いた手紙の抜粋

(前略)8月に貴大学の一場靖弘投手のプロ野球入りに関し、読売巨人軍と一場投手との間で不正な金銭の授受があったことが白日にさらされ、一場投手は貴大学野球部を退部、秋の六大学野球にも出場不能となり、貴殿も総監督の辞任を余儀なくされ、当然のこととは申せ、読売巨人軍のオーナー、球団社長、代表が総退陣いたしたことはご承知のことと存じます。

(中略)実は当該事案は我々がその事実を突き止め、読売巨人軍に忠言し、彼らがその非を認めざるを得なかったことによるものです。実は8月の時点で阪神球団と横浜球団も一場投手に多額の金銭を提供していたことを我々は掌握しておりました。「栄養費」「タクシー代」などと称して阪神球団、横浜球団のスカウトから、それぞれ数回以上にわたり、学生にとっては極めて非常識な金額が一場投手に渡されております。(中略)我々は一場投手が同僚との会話の中で、それらの事実を認めている録音テープも所持しております。

また3月下旬、群馬県伊香保温泉のT旅館で星野仙一SDを始め、阪神のスカウトと一場投手の両親との「懇談」の内容も掌握しております。これら一場投手と阪神、横浜の一連の行為は日本学生野球憲章に違反する事項でることは明々白々です。

ただ我々は8月の時点では巨人軍の行為のみを問題視し、敢えて阪神、横浜のことは差し控えました。(中略)また一場投手が3球団から金銭を受け取っていたとなると、彼のプロ入りそのものが危うくなると思量した故です。

◇学生協会・長船理事、新たな処分科さない

日本学生野球協会の長船騏郎常務理事は22日、都内の事務所で取材に応じ、横浜、阪神からの金銭授受が新たに発覚した一場投手へ、更なる処分を科さない考えを示した。長船常務理事は一場に関して、8月に巨人からの金銭授受問題が表面化し、明大野球部を退部になった時点で処分は済んでいると強調。「こちらからどうこういうことはない。本人の将来を考えて、野球を続けられるようになって欲しい」と一場を思いやった。

また、20日の夜、東京・赤坂のTBS本社で、明大・別府前総監督とともに横浜首脳からの状況説明を受けたことを明かした。「何とか一場が(プロへ)飛び立てるようにしたかった」と砂原オーナーに留任を求めるなど、事態の収拾に努めたことを話した。

一方、日本学生野球憲章はいかなる名目でも、プロ関係者から金品や利益を受けることを禁じていることについては「球界は先輩後輩を重んじる社会。一緒に食事をすることもあるし、選手は断れないだろう」と明確な線引きは難しいとの見解。「最後は(スカウトを)やる人の心構え」とプロ側へ自制を求めた。

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フェニックス・リーグ第8戦

◇西武6−12千葉ロッテ(サンマリンスタジアム)

先発・田中良が3回、自らの失策も重なって3点を失い逆転を許すと、4回には三島が中村に1発を浴び、3点差。3−6の8回、西岡のヒットを皮切りに、早坂の四球をはさんで、青野が適時二塁打、平下四球の後、今江、大塚の連続適時打で一気に逆転。さらに、代打・清水将の適時打で9−6とした。9回にも3点を追加し、12−6と一気に西武を突き放した。

123456789R
千葉ロッテ10000026312
西武0031002006
田中良
「調子自体は悪くなかったと思います。(併殺エラーに)それ絡みの失点は反省しないといけないですね。ランナーを出してから落ち着きがなくなって、フォームも崩して失投してしまいました。そういう点が修正できていない、課題ですね。」
早坂
「2安打ともセーフティバントを決めることができました。自分として課題としているところなので、決まって良かったです。でも、バッティング、守備、走塁とまだまだ。全てのレベルを上げたいですね。この3つ全てを極めたいです。」

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バレンタイン監督が秋季練習に合流

バレンタイン監督がマリンスタジアムで秋季練習を行っているチームに合流。球場に到着したバレンタイン監督は、瀬戸山球団代表、宮田編成部長代理と約2時間、来シーズンへ向けたチーム編成について話し合いを行った。バレンタイン監督が「時間はある。今日全て決める必要はない」と話したとおり、詳細については決定しなかったが、外国人選手やコーチングスタッフ、チーム強化方針など話し合われた。

外国人選手については、5人体制でいくことを再確認。アメリカで収集した情報をバレンタイン監督が報告。現在、李とベニーの残留が決まっているが、残る3人については、フランコとセラフィニの残留も含め、もう少し時間を掛けて話し合うことになった。また、コーチングスタッフについては、福澤2軍バッテリーコーチが退団したが、バレンタイン監督は福澤コーチの後任など、引き続き検討すると説明した。その他、宮田編成部長代理からは、ドラフトやトレードなどの状況の説明を受けた。

また、この秋季練習では、ベテラン勢10人が秋季練習への参加を免除された。各個人でメニューを消化する。メンバーは、藤田、小宮山、清水直、薮田、小林雅、諸積、堀、初芝、福浦、井上。練習参加の判断は各々に任されているが、今日は清水直を除いた9名がマリンで他のメンバーと一緒に汗を流した。

◇ヘイデン氏、プログラム作成をスタート

秋季練習で臨時コンディショニング・コーチを努める、バリー・ヘイデン氏がバレンタイン監督とともに来日し、今日の練習からチームに合流。選手の体力データを収集するなど、活動をスタートさせた。

バレンタイン監督は、ヘイデン氏とメッツ時代に一緒にコンディショニングプログラムを作り、成果を挙げた。「弱かったメッツでプログラムを一緒に作っていったが、やりやすかった。基本的な部分を作ってもらい、あとはうちのスタッフがやっていく」と説明した。

メッツではバレンタイン監督の下、フィットネス&コンディショニング・ディレクターを務め、「ニューヨーク・メッツ・コンディショニング・プログラム」を完成させた。現在では、メジャー、マイナーで実践されている。「メッツでは、一気に成果が上がることはなかったが、全員が徐々に成果を上げていった」とヘイデン氏のプログラムを評価しているバレンタイン監督。「今シーズン、うちのチームは他のチームに比べて、体の強さ、スピードで劣ったとことがあった」との反省点を踏まえ、「何としてもこの点を強化していきたい」と力を入れて話した。

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