新日本石油の手嶌智投手(22)が1日、東京・西新橋の同社で入団を表明した。ロッテでは初の自由獲得枠選手だが注目を集めたのが、そのアゴ。「渾名はテジとかアゴですかね。(ほかのアゴの長い選手には)負けないつもりで頑張ります」。横浜門倉ら並み居る球界の先輩を差し置いて、最強アゴジラ?を早くも宣言した。長いのはアゴだけじゃない。身長185センチで手足も長く最速148キロの速球に宮田編成部長代行も「まだ伸びしろがある」という。「ローテに入って優勝に貢献したい。カブレラを三振に取りたい」と、ジョニー譲りの度胸と立派なアゴがトレードマークとなる。
マリーンズのチームカラーは知っている。2年前の春季キャンプに参加し、一緒に汗を流した。「その時は実力が無かったので、現実としてプロは考えていなかった」と振り返ったが、それでも「いい人が多く、溶け込みやすいチーム」だと感じた。ジョニーからは食事に誘われ、技術、精神両面からのアドバイスを受けた。「色んな話しを聞いて勉強になった。尊敬しています」とジョニーとの再開も心待ちにしている。
社会人屈指の右腕、新日本石油の手嶌智投手(22)が1日、ロッテ入団を表明した。ロッテにとっては自由枠で獲得する初の選手。1メートル85の長身から繰り出す速球が持ち味で「カブレラ(西武)さんから三振を取りたい。キャンプからシーズン終了まで、ずっと1軍にいられるよう頑張りたい」と抱負を語った。
球界一の「アゴ・キング」を目指します! 新日本石油・手嶌智投手(22)が1日、東京・港区の同本社で会見を開き、ロッテに自由獲得枠で入団することを発表した。自由枠での入団はロッテでは初。地元・千葉出身の即戦力右腕は「それ(アゴ)が(覚えてもらう)きっかけになればいいですね。先発ローテに入って、1年間1軍にいたい」と目標を掲げた。
185センチの長身から投げ下ろすMAX148キロの直球が武器の手嶌。その実力もさることながら、引き締まったアゴも精悍だ。社内でのニックネームも「アゴ」。球界では横浜の門倉、内川が有名だが、「自分が活躍して日本一を目指したい」と、存在感はアゴだけでなく実力でアピールする。宮田編成部長代行も「新人王も目指して欲しい」と期待を寄せた。
目標は黒木。02年の鹿児島キャンプに派遣され、食事をともにした。気合で投げるジョニーの熱い投球に感化された手嶌は、「自分はあまり感情を出さないけど、プロではそのぐらいの気持ちで臨みたい」と意識改革も宣言。清水直、渡辺俊、小林宏ら好投手がひしめくロッテ先発陣の一角に食い込むつもりだ。
ロッテが自由獲得枠で獲得する新日本石油・手嶌智投手(22)が1日、東京・西新橋の同社でロッテ入団を正式表明した。千葉・拓大紅陵出身で社会人4年目の手嶌は1メートル85の長身から投げ下ろす最速148キロの直球が武器の本格派右腕。会見では「生まれ育った千葉のチームに高く評価されたのがうれしい」と顔を上気させた。横浜・門倉ばりの長いアゴが特徴の手嶌は「覚えてもらえるならあだ名もアゴでいい。(門倉らに)負けないつもりで頑張ります」と意気込んだ。球団として初めて自由獲得枠を行使するロッテは松下電器・久保康友投手(24)も同枠で獲得する。
社会人屈指の右腕、手嶌智投手(22=新日本石油)が1日、ロッテ入団を正式に表明した。球団初の自由枠獲得選手となる。
この日、都内で記者会見を行い「生まれ育った千葉のチームに高く評価してもらえて嬉しい。速球で押せる投手を目指す」と意欲を語った。
手嶌は千葉・拓大紅陵高出身の社会人4年目。185センチの長身からの最速146キロの速球と、落ちる変化球が武器。ロッテは同じく自由獲得枠で久保康友投手(24=松下電器)も獲得を予定している。
李がこの秋季練習から外野守備に挑んでいる。「シーズン終了後の練習は何年かぶり」と話す李。韓国でも、入団後数年は秋季練習に参加したが、ここ数年は体を休めることに専念していた。秋季練習への参加は、来シーズンでの汚名返上への1歩と考えている。バレンタイン監督は「来シーズンは18試合で指名打者を使えない。福浦も李も打席に立たせたい」とセ・リーグとの交流試合を見据えての起用と説明するが、外野守備が安定すれば、外野の一角を担うことも考えている。
バレンタイン監督が「1人1人と話をしたい」と希望して行っている個人面談を、小坂、福浦、サブローらが行った。10分程度の面談を終えたサブローは「今シーズンの反省を踏まえ、来シーズンの目標やオフの過ごし方など話し合った」と話していた。
杜の都・仙台に、黄金のイヌワシが羽ばたく。プロ野球は2日、都内でオーナー会議を開き、パ・リーグへの新規加盟を申請しているIT関連企業「ライブドア」と「楽天」について最終審査を行い、1社の加盟を正式承認する。9月中旬の参入表明以降、両社は一騎打ちを繰り広げてきた。球界内では「楽天有利」とされているが、両社の比較検討材料となる審査小委員会の報告書でもそれを裏付ける内容が記述されている。54年にパに新規参入した高橋ユニオンズ以来、半世紀ぶりの新球団は「東北楽天ゴールデンイーグルス」で、決定的となった。
運命の日を前にして、都内の同じビルにある両社の動きは対照的だった。ライブドアが堀江貴文社長が出席して一部コーチングスタッフを発表するなど、最後のアピールをしたのに対し、楽天は1通の報道資料を発送したにとどまった。内容は、2日午後4時前後とみられるオーナー会議での承認後の記者会見の通知で、三木谷浩史社長、田尾安志監督ら4人が出席。コーチングスタッフなど全陣容を発表する。まるで「承認」を見据えたかのような手順だ。
9月末に新規参入球団の審査小委員会が発足。公開ヒアリングなどを経て、10月29日の実行委員会で、いずれかの企業の参入が決定した。その間、安定的に長期間球団を保持できる企業体力重視の観点から、複数の球団関係者が「楽天が有利」と発言。実は同29日の小委員会の報告書にも、楽天優位を裏付ける内容が記述されていた。
各球団に配布された報告書は、両社の熱意を認め、一方を推薦するような表記はない。ただ、審査項目を比較する中で、最も重要視されるとみられる「親会社と球団の経営状況の分析」の項目で、球団経営の赤字が与える影響度では、ライブドアに比べて楽天の方が財務的に余力があることが報告された。
これは「初年度に40億円の赤字が出た場合」を想定して分析されたもので、ライブドアの経常利益見通し約50億円の場合は「赤字の影響度は80%」と指摘。楽天は同145億円の見通しのため「影響度は27.6%」にとどまるとした。報告書は「経営指標上は両社とも極めて安定的で成長性も大きい。経営面全般で優劣はつけがたい」としながらも、長期的な球団保持の観点から、赤字の影響度を強調した形だ。また、報告書は「公共財として相応しい企業か」の項目で、公開ヒアリングでも話題となったライブドアのアダルトサイト問題を詳述。ヒアリング後、同社が対策を講じたとも報告した。
歓迎ムード高まる地元仙台の反応も、変化が見られた。現在も一早く仙台進出を表明したライブドアの人気が上回るが、現実的には楽天優位だ。仙台駅から本拠地となる県営宮城球場まで約1.5キロを結ぶ「宮城野通り」には、新球団誕生と同時に300本の歓迎ののぼりが立てられる。深紅ののぼりには楽天のシンボルに似たマークが染め抜かれた。主催者は「楽天を意識していないと言えば嘘になりますね。公平性を保つために色はライブドアカラーの赤にしたのですが…」と明かした。
6月のオリックス・近鉄の合併問題に端を発した球界再編のうねりは、2日に一応の節目を迎える。既存球団の不祥事が相次いでいるが、プロ野球の新時代の幕が開ける。
野球協約では、重要事項は実行委員会で議決した上で、さらにオーナー会議の承認を得なければならないとしている。午前11時からセ、パ会長と各球団の役員各1人で構成する実行委員会を開き、新規参入球団を決定する。議決には4分の3以上の賛成が必要。「全会一致となるか、挙手となるかそれは豊蔵議長が決める」(小池パ会長)。午後2時からは12球団のオーナーで構成されるオーナー会議が開かれ、審議決定する。こちらも出席者全員の4分の3以上の同意を必要としている。豊蔵セ会長は「2時間はかからないと思うが、分かりません」と話した。順調に進めば、午後4時過ぎには新規参入球団が決定する。
50年の2リーグ制スタート後、新規参入した球団は54年パ・リーグの高橋ユニオンズしかない。53年12月、パ・リーグ総裁に就任した永田雅一氏(大映オーナー)が「プロ野球経営の理想は8球団」という持論に沿い、それまで7球団だった同リーグを8球団に増やすことを目指した。永田総裁は1リーグ時代に存在した「イーグルス」と関係があった財界の高橋龍太郎氏を口説き「高橋ユニオンズ」を発足させた。
プロ野球へ新規加盟申請しているIT関連企業「ライブドア」が1日、都内の本社で権藤博氏ら7人のコーチ、スタッフを発表した。あくまで2日オーナー会議で承認を受けた場合の条件付きだが、ライブドア堀江貴文社長は「組閣については、近鉄の歴史や伝統を受け継ぐべく、近鉄OB中心の形成になった」と説明。運命の日を直前にちて最後の最後まで、新規参入への意欲をアピールした。
ただ新規参入は1社に絞られる方針で、企業財務力など総合的な判断で、ライバル楽天の参入が決定的な状況だ。だがライブドアは最後まで勝負を捨てない姿勢を見せた。同社長は「頑張って、ここまで詰めた。やるべきことはやった。縁起の悪いことを考えるのはやめましょうよ」と言葉に力を込めた。小島暫定GMは「近鉄の赤が消えるのは寂しいことです。バファローズの赤を引き継いでこそ、新球団の1歩になる」と、目を潤ませながら訴えた。
堀江社長は2日に仙台入りし、本拠地を目指す地元で審査結果を待つ。合否を問わず仙台市内のホテルで会見する予定で、宮城球場にも足を運びテレビ出演する。落選が決定した場合でも、バックアップを約束してくれた地元自治体や企業、ファンに挨拶する意向だ。同社長は「私は基本的に楽観的なので、前向きに参入できることしか考えていないです。みんなでお祝いしたい」と夢をつないでいた。
ライブドアの組閣 | ||
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監督 | T・オマリー(43) | 前阪神国際スカウト |
コーチ | 権藤博(65) | 評論家 |
石渡茂(56) | 前近鉄2軍監督 | |
石山一秀(53) | 前近鉄1軍ブルペンコーチ | |
水上善雄(47) | 評論家 | |
山下和彦(41) | 前近鉄1軍バッテリーコーチ | |
小野和義(38) | 前近鉄1軍投手コーチ | |
コンディショニングスタッフ | 鈴木哲也(33) | 前アテネ五輪日本代表トレーナー |
※山下、小野の両コーチは楽天と重複。楽天承認の場合は、楽天入りする。
ライブドア | 徹底比較 | 楽天 |
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堀江貴文(32) | 社長 | 三木谷浩史(39) |
東大文学部中退 | 学歴 | 一橋大商学部卒、米ハーバード大経営修士取得 |
97年8月 | 設立 | 97年2月 |
00年4月 | 上場 | 00年4月 |
東京・六本木ヒルズ森タワー38階 | 社長 | 東京・六本木ヒルズ森タワー18、19階 |
ネットワーク管理、プログラム開発 | 事業内容 | ネット上の仮想商店街運営など |
1288人、29歳 | 社員数、平均年齢 | 716人、30歳 |
1027億円 | 総資産 | 2618億円 |
250億円 | 売上高 | 440億円 |
50億円 | 経常利益 | 165億円 |
仙台ライブドアフェニックス | 球団名 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
仙台・宮城球場 | 本拠地 | 仙台・宮城球場 |
T・オマリー(43) | 監督 | 田尾安志(50) |
小島克典(31)(暫定) | GM | M・キーナート(58) |
権藤博(65)、石渡茂(56)、小野和義(38) | コーチ陣 | 山下大輔(52)、斉藤明夫(49)、松井優典(54) |
テリー伊藤(54) | アドバイザー | − |
東北・ダルビッシュ有 | 獲得候補 | 明大・一場靖弘 |
高崎競馬再建へ | スポーツ参入 | J1神戸所有 |
今季近鉄コーチから楽天入りが内定していた山下和彦バッテリーコーチと小野和義投手コーチがライブドア発表のコーチ陣に名を連ねた。この日夜、都内で事実を知らされた楽天田尾監督は「戸惑いますね。本人がそれを了承したんでしょうけど、初めて聞きました」と苦笑い。ただし、ライブドア側が「一部スタッフが他球団の来季構想に含まれているのは確認済みです」と説明するのには安心したようで「まあ、仮想のスタッフということですね」と意に介さなかった。両コーチらも当初から、複数球団から入団要請があることは認めており、新規参入球団入りを前提に受諾したようだ。
ヤクルト古田が1日、新規参入に関する「合格ライン」の明示を提言した。神宮での練習後に「今回2つに1つというのはしょうがないけど、もし両方とも基準を超えているなら、今後何かがあった時にこちらからお願いしないといけない。審査の透明性は合意書の内容にもあったし、合格ライン、ポイントといったものは聞かないといけないと思っています」と語った。球界再編で揺れた中、1つの結果が出る訳で、注目しない訳にはいかない。「プロ野球の危機を救ってくれた2企業ですからね」と、むしろ落選した側への配慮が必要と考えている。2日はオーナー会議後に行われるプロ野球コンベンションに出席予定。場合によってはその場で、機構側へ答えを求める構えだ。
日本プロ野球選手会・古田敦也会長は1日、オーナー会議で新規参入企業が決定されることに「球団数の問題でどちらかが落ちるのは仕方ないが、合格ラインを明確にして欲しい」と訴えた。
日本中を揺るがした騒動の最後だけは灰色決着にして欲しくない。古田会長は運命の判定を待つライブドア、楽天に対し「球界の危機に立ってくれた2企業」と感謝の気持ちを表現。審査する球団側に「片方だけ合格ラインに届いたのか、両方が届いて1つを選んだのか、そのラインを明確にしないといけない」と求めた。
審査の透明性の確保は、ストライキ妥結時の合意事項にも盛り込まれている。古田会長は「審査の結果だけでなく、過程を聞いてみないと。合格ラインを満たしながら選ばれなかった企業には、今後(球界が)同じような危機になった場合に(参入を)お願いしないといけない訳ですから」と、今回の審査で新球団の参入基準が確立されることを期待。球界再編問題に奔走した選手会長は、その結末を厳しい目で見届けるつもりだ。
古田会長はこの日、15日に開かれる第1回構造改革委員会へ向けて、神宮クラブハウスで松原事務局長と打ち合わせを行った。
古田会長は既にドラフト改革を最初の議題とし、完全ウエーバー制の導入とFA取得年数の短縮を訴える考えを示しているが、新たに「FA補償金の撤廃も考えています」と腹案を披露。「(FA)市場に人が流れないから、選手が高くなる。同じポジションに何人も選手がいれば価格は安定するはず」と活発な移籍市場の形成が、FA選手の価格高騰を防ぐと説明した。
2日午前、都内ホテルで開かれる実行委員会で新規参入球団の最終審査が行われ、1社を選定。午後2時からのオーナー会議に諮り、出席者の4分の3以上の賛成で正式に承認される。1日、東京・内幸町のコミッショナー事務局では根来コミッショナーと審査小委員会の豊蔵委員長(セ・リーグ会長)清武委員(巨人球団代表)が新球団選定に関する最終的な打ち合わせを行った。
運命のオーナー会議を前に楽天支持の声が支配的となっている。審査小委員会が10月29日の実行委で12球団に配布した報告書に、楽天優位を裏付ける内容が記述されていることも明らかになった。「初年度に40億円の赤字が出た場合」を想定して分析したものでライブドアの経常利益見通し約50億円の場合は「赤字の影響度は80%」と指摘。楽天は同145億円の見通しのため「影響度は27.6%」としている。各球団は新規参入球団の合否の判断材料として長期的に球団を保持できるかという点を重視している。
この日、横浜・山中球団専務は「1番大きいのは財務状況。経営の根幹にかかわる部分だし、1、2年で手放すようでは困る。あとは一緒にやりたい人でないとね。掻き回されるような人じゃ…」と楽天支持を示唆。ある球団の首脳も「大差がつくと思う。楽天?そうなんじゃないの」と語っており、承認に必要な8球団以上が楽天を支持することは決定的だ。
阪神・久万俊二郎オーナー(電鉄本社相談役)は当初の予定を変更してオーナー会議に出席することになった。大阪市内の阪神電鉄本社で野崎球団社長から新規参入球団の財務状況などを比較した審査結果の報告を受け「新規参入球団の判断基準は野球が好きか、嫌いかです。ただ、どちらを選ぶかで悩むことはありません。私はどっちでもいいですもん。それに仮にだめだったとしても、次にチャンスがある。まだ31歳でしょ」と発言した。野崎球団社長は「球団としてどちらにするか意見は出しました」と話しており、久万オーナーのライブドアの堀江社長を指したと思われる発言からも「楽天有利」は明らか。今月いっぱいで一場問題の責任を取って辞任する久万オーナーにとっては最後のオーナー会議となる。
ライブドアの堀江貴文社長が1日、東京・六本木の本社で記者会見を行い、元横浜監督の権藤博氏ら6人のコーチングスタッフを発表した。2日に実行委員会、オーナー会議が行われ、50年ぶりに新規参入球団が仙台に誕生するが、運命の日を前に吸収合併される近鉄の歴史と伝統を継承することを宣言。ライバル楽天の参入が決定的といわれる中で最後のアピールを行った。
堀江社長の目は赤く充血していた。新規参入球団決定を翌日に控えた最後のアピール会見。その声は切実だった。
ライバルの楽天が順調に組閣作業を進める一方で、堀江社長は「参入してからでないと迷惑がかかるので発表しない」と言い続けてきた。だが、突然の方針転換だ。この日午前中まで行う予定のなかった会見を急きょ設定。小島暫定GMが30、31日に近鉄関係者と接触し、この日午前中まで調整を進め、口頭での了承という“口約束”だけのスタッフ発表となった。
近鉄コーチ、横浜監督を務めた権藤氏をはじめ、今季まで2軍監督を務めた石渡氏ら5人が近鉄OB。堀江社長とともに会見に臨んだ小島暫定GMは「近鉄OBと話をした際に“近鉄の赤い血がなくなるのが悔しいんや。絶やさないでくれ”というお話に胸が熱くなった。赤い魂をライブドアフェニックスに引き継ぐ」と涙目で説明。そのほか6人の近鉄OBからも入閣に前向きな返事を受けていると明かした。
6月30日の近鉄買収表明から4ヶ月。8月19日の新規参入表明、9月16日にフランチャイズを仙台市として加盟申請した。だが“後出し”で同様の申請を行った楽天が決定的といわれている中での人事発表は、堀江社長にとって1発逆転を狙った最後の切り札だった。
新規参入球団は2日のオーナー会議で正式承認。堀江社長は仙台市内のホテルで結果を待つ。その後、県営宮城球場でテレビ出演、参入が決まった場合は街頭で“お礼演説”を行う構想もある。「我々は考えられることを全てやった。私は基本的に楽観論者で参入することを楽しみに待っている」と笑った。それはIT社長の最後の意地でもあった。
プロ野球のオーナー会議が2日、都内で開かれ、「ライブドア」と「楽天」のどちらかの新規加盟を正式承認する。これまでの審査では、企業体力などで上回るとされる楽天の参入が濃厚で、形勢は覆りそうにない。楽天は1日、田尾安志監督以下スタッフとフロント陣全員でスカウト登録する方針を固め、ドラフト戦線出撃態勢を整えた。
総員出撃!参入の本命・楽天の田尾監督は、松井優典2軍監督、マーティ・キーナートGMらと東京・六本木の本社で編成会議を開き、スタッフ、フロント陣全員でスカウト登録を行うことにした。「(参入が)決まっても、まだまだ組織として成り立ってない訳だし、チームのためにみんなで動こうと話ました」。運命の日を控え、水面下で着々と準備を進めていた。参入決定後のドラフト戦略に、抜かりはない。スカウト登録すれば、新人獲得に直接出馬できる。
指揮官が熱視線を送るのが、元明大野球部の一場靖弘投手。プロ3球団(巨人、横浜、阪神)からの金銭授受の過去を持ち、敬遠する球団もある。楽天フロント陣の中でも当初、「新球団の船出としてはどうなんだろう」との声もあった。
が、田尾監督は「ドラフト制度自体が問題。彼1人に責任を押しつけるのはどう何だろう」と獲得に乗り出す方針を打ち出した。
さらに「アマの中には知っている選手もいます。その中で獲る選手も出てくるかもしれない」と自らのコネクションを駆使し、一場以外の大物釣りを狙う。その際もまた総員出撃の大作戦だ。
2度の公開ヒアリングで優位な立場を築いた楽天。複数の球界関係者によると、審査小委員会が作成した最終報告書には『企業体力の面では楽天の方が優位』とのデータが明記され、同関係者から口々に「長期間にわたり球団経営できる」と軍配を上げられている。
あとは2日、都内の一流ホテルにセッティングした会見が、新球団誕生会見になるのを待つばかり。「参入する自信はある。我々の新しい血と革新的な考えが、野球界を変える」と話していた三木谷浩史社長。名乗りをあげて約2ヶ月。2日の午後4時すぎ、勝どきをあげる瞬間に備えている。
新規参入球団の資格審査を行う審査小委員会の清武委員(巨人球団代表)が、これまでの経過を振り返り「透明性は保たれていたと思う。10回も委員会を開き、2度のヒアリングも公開にした。最初から結論ありきなら、そこまでやらない」。2日の新球団決定については「1球団?そうなるでしょう」と話した。
阪神・野崎球団社長は、久万オーナーに新規参入球団の財務状況などを比較した審査結果を報告し「球団としてどちらにするか意見は出しました」と、楽天支持の方針を固めた模様だ。久万オーナーは「判断基準は野球が好きか嫌いかです」と報道陣をけむに巻きながら「(落選した球団は)次のチャンスに入ってくれればいい。まだ31歳でしょ?」と、ライブドア・堀江社長を指すと思われる発言で締めくくった。
近鉄と合併するオリックスの中村GMは1日、新規参入球団と行う分配ドラフトに関連し、プロテクト(優先保有)を提出する4日に、新規参入が認められた球団のGMと会談を持つ意向を明らかにした。中村GMは「(プロテクト)25人を除いた選手リストを渡し、参考資料も出す」と話した。
プロ野球のオーナー会議が2日、都内で開かれ、「ライブドア」と「楽天」のどちらかの新規加盟を正式承認する。これまでの審査では、企業体力などで上回るとされる楽天の参入が濃厚で、形勢は覆りそうにない。ライブドアは1日、組閣を発表し、最後のアピールに躍起だった。
ライブドアが“最後のお願い”。堀江社長が東京・六本木のオフィスで緊急会見。参入決定の場合のコーチ陣を明かした。トーマス・オマリー監督を支えるスタッフとして、元横浜監督の権藤博氏、今季まで近鉄2軍監督を務めた石渡茂氏、同1軍ブルペンコーチの石山一秀氏らを招聘した。
堀江貴文社長によると組閣は、今季で消滅する近鉄球団(オリックスと統合)の伝統を受け継ぐことが目的。小島克典暫定GMは涙を浮かべて「大阪(近鉄)バファローズの現職コーチから(球団が)消えることがホンマ悔しいんや、と言われたことが胸に突き刺さった」と回想。『仙台ライブドアフェニックス』のチームカラーである赤は、近鉄の色を引き継いだものと説明した。
問題は、コーチ人事がまたも楽天と“バッティング”していること。名前が挙がった近鉄1軍投手コーチの小野和義氏、同バッテリーコーチの山下和彦氏は、ともに楽天入閣が見込まれている。堀江社長は「山下、小野両コーチは楽天のメンバーに入っているが、(ライブドアが)参加決定後に入ってもらう」と、楽天より先に発表という手を打った。これも焦りの表れか?同社長は「前向きに考えている。参入できることを楽しみに待っている」と自らに言い聞かせるようだった。
ライブドアのコーチ陣の中に、楽天もオファーを出している小野、山下両氏の名前が入っていることについて、楽天・田尾監督は「初めて聞きました。戸惑いますね」と困惑。しかし、すぐに「向こうが(参入と)決まった場合の話でしょ。仮想のコーチ陣ですもんね」と余裕の表情に変わった。
ライブドア・予想スタッフ | ||
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氏名 | 前所属 | |
1軍監督 | T・オマリー(43) | 阪神国際スカウト |
コーチ | 権藤博(65) | 横浜監督 |
石渡茂(56) | 近鉄2軍監督 | |
石山一秀(53) | 近鉄1軍ブルペン | |
山下和彦(41) | 近鉄1軍バッテリー | |
小野和義(38) | 近鉄1軍投手 | |
水上善雄(47) | ダイエー | |
コンディショニングコーチ | 鈴木哲也(33) | アテネ五輪日本代表チームトレーナー |
楽天・予想スタッフ | ||
氏名 | 前所属 | |
1軍監督 | 田尾安志(50) | 阪神 |
ヘッド | 山下大輔(52) | 横浜監督 |
投手 | 小野和義(38) | 近鉄1軍投手 |
打撃 | 駒田徳広(42) | 横浜 |
内野守備・走塁 | 高橋真裕(40) | ロッテ1軍外野守備・走塁 |
外野守備・走塁 | 広橋公寿(47) | 西武1軍バッテリー |
バッテリー | 山下和彦(41) | 近鉄1軍打撃 |
2軍監督 | 松井優典(54) | 阪神ヘッド |
楽天・ライブドア比較表 | ||
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楽天 | ライブドア | |
398億2500万円 | 資本金 | 239億6400万円 |
126億5600万円 | 売上高 | 78億5600万円 |
三木谷浩史(39) | 社長 | 堀江貴文(32) |
楽天野球団 | 球団運営会社 | 株式会社ライブドア・ベースボール |
4億円 | 球団資本金 | 1億円 |
東北楽天ゴールデンイーグルス | 球団名 | 仙台ライブドアフェニックス |
宮城県 | 保護地域 | 宮城県 |
県営宮城球場 | 専用球場 | 県営宮城球場 |
32億円 | 球場改修費 | 21億〜27億円 |
来年開幕までに2万3000、可能なら2万8000 | 改修後の収容人数 | 来年開幕までに2万6000、6月末までに3万 |
2軍練習場、室内練習場、合宿所などを予定 | その他の施設 | 2軍球場、室内練習場、独身寮などを予定 |
マーティ・キーナート(58) | GM | 小島克典(31)(暫定) |
田尾安志(50) | 監督 | オマリー(43) |
プロ野球、12球団のオーナー会議(滝鼻卓雄議長=巨人オーナー)と実行委員会(豊蔵一議長=セ会長)が2日、東京都内のホテルで開催される。パ・リーグへの新規加盟を申請しているライブドア(堀江貴文社長=32)、楽天(三木谷浩史社長=39)のどちらの参入を認めるかが議論され、新加盟球団が正式決定する。複数の球団関係者が「楽天有利」と声を揃えており、宮城・仙台を本拠地とする「東北楽天ゴールデンイーグルス」の誕生はほぼ確実となった。
日本プロ野球組織(NPB)側は、既に先月29日の実行委員会において、各球団に両社の審査を担当した「審査小委員会」から財務内容など、これまでの審査報告をしたためた「説明書」を提示。2日までの検討を求めていた。1日には東京・内幸町のコミッショナー事務局で根来泰周コミッショナー、豊蔵議長、審査小委の清武英利委員(巨人代表)が議事進行についての打ち合わせを行った。
「実行委、オーナー会議の会見などの打ち合わせです」豊蔵議長はこう話すにとどまった。“運命の1日”を前に、各球団の代表者は口を閉ざしがち。しかし、中日の白井文吾オーナーは「若干は楽天が有利かもしれない。ライブドアはバイタリティーはあるが具体性がない。楽天はその逆らしい。サッカーの球団を経営しているから綿密な数字が出せるのだろう」と話した。阪神・久万俊二郎オーナーも「判断基準は野球が好きか嫌いかということ。落選しても、次のチャンスに入ってくればいい。まだ31歳なんだし…」と39歳の楽天・三木谷社長ではなく、10月29日に32歳の誕生日を迎えたライブドア・堀江社長に次の機会があることを促すような発言をした。
一方、在京球団の幹部は匿名を条件に「世間では楽天有利、と言われているが、その判断は大きく外れないのではないか」と話し、また、別の関係者も「(参入の可否に)大差がつく可能性もある。新しくオーナーになられた方が何人かおり、どういう判断をされるか分からないが大差がつくのではないか?」と予想。1954年、パ・リーグに参加した高橋ユニオンズ以来の新規参入は「楽天」との予想が高まっている。
ここまでの審査では「球団経営の永続性」という部分を重視。財務面で楽天の企業としての経営状態、営業内容を評価する声が多かった。一方、ライブドア社に関しては公開ヒアリングで問題視されたアダルトサイトへの取り組み方などがマイナス要因となっているようだ。
「この1ヶ月で小委員会を10回、開いた。精査という意味では十分ではないか。信頼性、透明性は確保できたはず。(審査項目が)細かすぎるかもしれないが、これが1つの前例になるのだから」清武委員はこう話し、審査の妥当性を強調した。2日は午前11時から実行委員会が始まり、各球団の意見を集約、参入企業を内定する。その後、午後2時からのオーナー会議に諮り、承認が得られれば日本プロ球界に50年ぶりの新球団が誕生する。
実行委員会で、野球協約通り4分の3以上の賛成で内定された新規加盟球団は、オーナー会議でも協約通りの4分の3以上の賛成を得て正式に参入が認められることになる。関係者の中には「重要案件だし、全会一致が望ましいのでは」との意見もあるが、あくまで野球協約にのっとった裁決方式を取る。
ライブドアが“仁義なき”大デモンストレーションを敢行した。楽天が圧倒的有利と見られる中、ライブドアは1日、本人の快諾を得ないまま、1998年に日本一となった元横浜監督の権藤博氏らコーチングスタッフを発表。楽天入りが確実とされる近鉄・山下和彦バッテリーコーチ、小野和義投手コーチの名前もあり、異例とも言えるスタッフ発表となった。
「ライブドア劇場」の集大成か、堀江社長が新規参入の“合否発表”前日に、ライブ爆弾を投じた。午後3時30分に、東京・六本木のオフィスで緊急会見。仰天の「2005年度スタッフ発表」だ。
リストが配布され、フィールドスタッフなど新たに7人の名前が公表された。その中には元横浜監督の権藤博氏、そして楽天入りが決定的な近鉄バッテリーコーチの山下和彦氏、同投手コーチの小野和義氏の名前も。堀江社長は「承認を受けた場合」、「口頭での意思確認は済んでいるものの書面での契約締結は参加決定後」と注釈をつけ、「山下、小野の両コーチは楽天のメンバーとして名前が入っておりますけど、これに関しては参加決定後やるということ」と説明した。
編成を担当する小島克典暫定GMはこれまで、「スタッフは固まっているが、本人に迷惑がかかるので参入が決まるまで出せない」と話していたが、焦った本社サイドからのプレッシャーにより変心。これが大誤算となった。山下、小野コーチは有力と報道されているが、楽天は未発表で、ライバルの人事の暴露までした形だ。これについて楽天広報部では「発表していないものについては何ともお答えできません」と話したが、編成スタッフは激怒しているようだ。“両天秤”疑惑をかけられた小野氏も突然の発表に「楽天さんの方から先に話を頂いていて、早くから楽天さんにお世話になろうと思っていた」と困惑を通りこしてあきれている。
ライブドアの熊谷史人副社長は「皆さんから名前を出す了承は頂いている」と弁明したが、参入決定後の人事なら、楽天のように決定当日でもいいはず。周囲を怒らせることもいとわず、ライブドアは最後のアピールを選択した。
球界内では「楽天有利」とされている中、両社の比較検討の材料となる審査小委員会の報告書でも、楽天優位を裏付ける内容が記述されていることが明らかになった。
報告書は10月29日の12球団代表者による実行委員会で、各球団に配布された。報告書は「両社とも(新規参入に)熱意を持っていることは認められ(中略)両社の相対比較によって新規参入球団を決定したい」とし、どちらかを推薦するような表記はない。ただ、審査項目を比較する中で、最も重要視されるとみられる「親会社と球団の経営状況の分析」の項目で、球団経営の赤字が与える影響度では、ライブドアに比べて楽天の方が財務的に余力があることが報告された。
これは「初年度に40億円の赤字が出た場合」を想定して分析されたもので、ライブドアの経常利益見通し約50億円の場合は「赤字の影響度は80%」と指摘。楽天は同145億円の見通しのため「影響度は27.6%」にとどまるとした。
報告書は「経営指標上は両社とも極めて安定的で成長性も大きい。経営面全般で優劣はつけがたい」としながらも、長期的に球団を保持できるかの観点から、赤字の影響度を強調した形だ。
また、報告書は「公共財として相応しい企業か」の項目で、ライブドアのアダルトサイト問題を詳述。ヒアリング後、同社が対策を講じたとも報告した。
ライブドアとは対照的に、楽天は静観を決め込んだ。この日、編成会議のため東京・六本木の楽天本社に出勤した田尾安志監督は「今日は編成会議だけです。明日(2日)は仙台には行かず、明後日に色々動くことになるでしょう。明日に向けて?何もないですよ。待つだけ」と話した。
編成会議にはマーティ・キーナートGMを中心に松井優典2軍監督らが意見を持ち寄り、最終的な組閣を確認した。これまで田尾監督、山下大輔ヘッドコーチらが発表されており、追加スタッフは2日に発表される。二転三転していた投手コーチは近鉄の小野和義氏に1本化。打診されていた元横浜の斉藤明夫氏は固辞していたことが分かった。元中日の鈴木孝政氏も見送られた。
打撃コーチは駒田徳広氏、バッテリーコーチに山下和彦氏、守備・走塁コーチに広橋公寿氏が就任予定。新たに2軍投手コーチとして元中日の鹿島忠氏と合意していることも明らかになった。
田尾監督は1日夜、ラジオ出演後に、この日行われたスタッフ会議で、首脳陣全員をスカウト登録することで一致したと明言。スタッフの少なさを思慮したもので「僕が知っている選手と接するためには必要だからね」と指揮官自ら出馬する構えも。また、この日、ライブドアが発表したコーチングスタッフの中に、楽天入りが確実な山下和、小野両氏の名前が挙がったことには「戸惑いますね。本人からの承諾は得たのかな。仮想コーチ陣ですね」と話した。
中日の白井文吾オーナーは1日、ライブドアと楽天で争われている新規参入球団について「楽天有利」の下馬評を肯定した。
審査結果をまとめた報告書を10月30日に受け取った同オーナーは「若干は楽天が有利かもしれない。実行委員会の決定を承認するだけ」とし、「ライブドアはバイタリティーはあるが具体性がない。楽天はその逆らしい。サッカーの球団を経営しているから綿密な数字が出せるのだろう」と感想を述べた。
阪神の久万俊二郎オーナー(電鉄本社相談役)が1日、阪神が楽天支持?であることをうっかりと漏らしてしまった。この日、大阪市内の阪神電鉄本社で野崎球団社長から、新規参入球団の財務状況などを比較した審査結果の報告を受けた。
野崎社長は「球団としてどちらにするか意見は出しました」と話したが、楽天、ライブドアのいずれを支持するかには言及しなかった。
久万オーナーも当初は「判断基準は野球が好きか嫌いかです」と報道陣をけむに巻いたが、最後に「(落選した球団は)次のチャンスに入ってくれればいい。まだ31歳でしょ?」と爆弾発言。ライブドアの堀江社長を指したと思われる表現を口にした(実際は堀江社長は10月29日に32歳になっている。楽天の三木谷浩史社長は65年3月生まれの39歳)。
新規参入は楽天に決定!?阪神久万オーナーがこの日、大阪市内の電鉄本社で“ポロリ”とこぼした。24日の退任を前に、2日オーナー会議が最後の仕事となる。この日は野崎球団社長、牧田球団専務と会談し、新規参入問題について打ち合わせた。「決め手は野球が好きか嫌いかだ」などと話した。しかし、最後で名物オーナーの“真骨頂”が出た。「まあ、どっちでもいいですもん。(落選した球団は)次のチャンスで入ってきたらいい。僕なんかに比べて、若い若い。生意気な31歳ですからね」とポロリ。10月30日に32歳の誕生日を迎えたライブドア堀江社長を指したと思われる発言で、口を滑らせた?
審査小委員会も務めた巨人清武英利球団代表は1日、新規参入の決定方式について、全会一致が望ましいとの考え方を示した。議決には、オーナー会議で4分の3以上の同意を必要とする野球協約に準ずることを前提とした上で「望ましいのは全会一致だろう」と語った。同代表は議決前に各球団の意見を擦り合わせた上で、食い違った場合には対応していくというスタンスを強調。オリックス小泉社長が主張する投票式には、4分の3に満たないケースなども想定されることもあり「(方式は)決めていないと思う。協約にのっとって、やっていけばいい」と消極的だった。
注目の実効委員会、オーナー会議を前に、コミッショナー事務局ではその準備に追われた。午後には実行委員会議長の豊蔵セ・リーグ会長、審査小委員会委員の巨人清武球団代表らが集まり、根来コミッショナーと約2時間30分話し合った。会議中には楽天野球団準備室の室員が事務局を訪れ、追加資料を提出した。会議を終えた豊蔵会長は「明日(2日)の打ち合わせです。今日は何も言えません」と話していた。
プロ野球新規参入をめぐり宮城県は1日、県営宮城球場(仙台市)の周辺整備や地元採用される新球団職員の人件費への助成金支給など、新球団に対する支援策を発表した。浅野史郎知事は記者会見で「地元と新球団は一心同体。地元密着の新球団が地域と共に繁栄できるよう最大限、支援する」と述べた。支援策は、球場がある県立宮城野原公園の街路灯増設や、隣接する県有地の駐車場整備などに2億円規模の補正予算を編成する。同知事は「行政だけでなく町内会や商工会など民間も交えて考える」として、官民一体となったプロ野球を活用した振興策に取り組むとしている。新球団支援では、仙台市も球場周辺の道路整備などの支援を決めている。
宮城県は1日、県営宮城球場の周辺整備や、地元採用される新球団職員の人件費への助成金支給など、新球団への支援策を発表した。同県県庁内に10月6日に発足した「宮城球場フランチャイズ支援本部」が中心となり、球場周辺の園路の舗装、駐車場整備や夜間照明施設の設置などに約2億円の補正予算を編成する。
同本部は今月6日に発足し、「実現しよう!宮城でのプロ野球球団創設」の合言葉の下、5人のスタッフが日々稼働している。行政がプロ野球球団誘致のために、このような特別部署を設置するのは極めて異例のこと。「全国的にみてもどこも参考にするところがなかったです」と支援局の千葉忠好氏は言う。サッカーのベガルタ仙台(現J2)の発足時(94年)には特別部署の設置はなく、県のプロ野球に対する期待の大きさが表れている。
この日は、2日の決定、3日の宮城球場でのセレモニーの準備に大忙しだったが「いよいよですね。気が引き締まります」と千葉氏。77年までロッテが宮城球場を本拠地にしていたが、27年ぶりの球団誕生は今日決まる。
仙台商工会議所の丸森仲吾・新会頭(七十七銀行頭取)は1日、就任会見で、プロ野球新球団の仙台進出について「交通機関や飲食関係などへの経済効果はてき面。商工会議所として可能な限り支援していきたい」と期待感を表明。東北大野球部時代に捕手を務めた経験がある丸森氏は「アマとは違う最高水準のプレーを見せて欲しい」と注文した。また会見後、地元経済界のドーム球場建設構想について、個人的な意見として「実現したいが、お金がかかるのが困りものだ」と話した。
新球団の応援は鳴り物なしで−。「プロ野球を応援する市民の会・宮城」は1日、新球団誕生を前に「応援のしおり」を作成した。本拠地の宮城球場近くにある病院を考慮して「鐘や太鼓、トランペットを控える」応援スタイルを、新球団に提案することを決めた。
まずは行動で示す。3日正午から、同球場の新球団幹部が参加する歓迎セレモニーがある。竹内健二会長は「我々で音頭を取って、新球団スタッフの名前を1人1人呼んで大エールを送ります」と構想を明かした。
初対面で、手拍子と大声による強烈な印象を植え付けるつもりだ。独自に練習を進めているが、集客人数が足りないと迫力は出せない。3000人を見込んでいるが「球場は無料開放なので、1万人は集まって欲しい」と参加を呼び掛けた。仙台市民の「声」を新球団に届ける。
近鉄礒部公一外野手と岩隈久志投手が1日、秋季練習を行った藤井寺球場で、あらためて合併新球団行きに難色を示した。礒部は10月30日に近鉄足高代表と会談し、7800万円から約1.5倍の年俸1億2000万円の条件提示を受けたことを明かした上で「お金の問題じゃない。プロテクトを拒否する姿勢は変わらない」と話した。4日には合併新球団がプロテクト選手25人のリストを提出するが「もしこのままプロテクトされれば(他球団への)トレードを希望することも考えています」と語った。また岩隈も同30日に6500万円から1倍強の1億5000万円の提示を受けていたことが判明。やや軟化の兆しは見えたものの「今はまだ、考えられない」と慎重な姿勢を崩さなかった。
オリックス中村勝広GMは1日、近鉄の主力獲得に向け、あらためて熱意を示した。ボスティングシステムでのメジャー移籍を狙う中村はプロテクト(優先保有)する方針で「何としても欲しいという気持ちと思って欲しい。(中村の動きにより)A案からD案まである」と話した。仮に中村が、プロテクト25選手が発表される4日以降にポスティングシステム行使が決まった場合、プロテクト枠が1つ無駄になるが「それは覚悟している」とも語った。
また合併球団入りを拒否する礒部に対しても「(4日までに)1回はコンタクトを取りたい。もつれているので、こちらの考えを伝える」と、特例でプロテクト方針を伝えるという。岩隈の獲得希望も変わっていない。
近鉄・礒部公一外野手は1日、合併球団でプレーすることを改めて拒絶した。同日、藤井寺球場での練習後、「プロテクト?基本的には拒否したいけど、もしされたら話をしないといけない」とし、プロテクト枠に入った場合はトレードで他球団に移籍する道を探る意向を重ねて強調した。
10月30日には足高圭亮球団代表と会談。今季から4000万円増の年俸1億2000万円提示を受けたが、「複数年を求めても仕方ない。意思は覆らない?そうです」と言い切った。オリックス・中村勝広GMが2日にも礒部と会い、プロテクトする方針を伝える予定。「彼に関してはこれだけこじれているから」と同GMは異例の直接出馬を表明したが、説得は難航しそうだ。
近鉄・岩隈久志投手が1日、藤井寺球場での練習後、10月30日に足高圭亮球団代表と初面談を行い、来季の年俸を提示されたことを明かした。当初の球団査定額は倍増の1億3000万円だったが、岩隈が攻防ラインと設定した1億5000万円(金額は推定)に上積み。「評価はしてもらえました。金額に納得?そうですね」と合併球団「オリックス・バファローズ」でのプレーを拒否していた姿勢から、トーンダウンした。
オリックスは既に、最多勝右腕をプロテクトする方針を固めている。岩隈は礒部と同様、基本的には合併球団からのトレードを求める意向だが、簡単に実現するものではないのも承知。「プロテクトはされるんですよね。迷ってます。答えを出せない」1週間前、楽天入りに関心を示した姿とは別人のように、頭を抱え込んだ。
近鉄・礒部公一外野手が1日、藤井寺球場で統合球団「オリックス・バファローズ」のプロテクト拒否を改めて訴えた。10月30日に近鉄の足高圭亮球団代表と大阪市内で会談したことを明かしたが、話し合いは平行線のまま。2日に決定する仙台が本拠地の新規参入球団入りを希望していることも分かった。
強硬な姿勢に変わりはなかった。10月30日に足高球団代表と会談。統合球団への残留を懇願されたが、プロテクト拒否の態度を改めて示していた。
話し合いの中では来季年俸の提示も受けた。今季8000万円から約1.5倍となる1億2000万円の大幅増。それでも「金ではない」と、心は動かなかった。話し合いは平行線のまま終わった。
4日にはプロテクト枠の25選手が決定。だが、礒部は枠入り拒否を粘り強く訴えていく。「拒否というのを第1に考えています」。関係者によれば、礒部本人は2日に決定する仙台を本拠地とする新規参入球団でのプレーを強く望んでいるという。プロテクトから外れて8日の分配ドラフトにかかれば、新規参入球団に指名されることが確実だが…。
「気持ちの整理がつかないのに(統合球団に)いっても仕方ない。新しいところへいった方がいい」。不信感が高じた感情のもつれはいまなお、整理がつかないままだ。
岩隈も10月30日に足高球団代表と会談し、礒部と同様に来季年俸を提示された。今季6500万円から希望だった1億5000万円が提示された模様。「これだけ出してくれるのかというのはあった」と話したものの、プロテクト拒否の姿勢に変わりはなかった。「こういう状況でプロテクトする、しないとか、そういうのが嫌。やはり1番はプロテクトされたくない」。新規参入球団でのプレーに惹かれていた。
ポスティングシステム(入札制度)の手続き解禁日となったこの日、中村は自宅でトレーニングを行うなどして過ごした。去就については「まだ決まっていません。決まったらお話ししますので」と球団広報を通じてこれまで通りのコメントを発表。現在はメジャー球団の動向を見ながら、宣言するタイミングを見計らっている状況。結論までにはもう少し時間がかかりそうだ。
10月27日にFA宣言を行った大村は、2日に交渉のパートナーとなる代理人を決める。「(プロ野球選手会の)石渡弁護士とその紹介してくれた代理人の方と3人で明日の夜、会うことになっています。まずは、代理人が決まってから。色々相談してやっていきたい」。今後は代理人と“2人3脚”で来季プレーする球団を絞っていく。
「オリックス・バファローズ」のコーチとして、入閣を要請されていた近鉄・大石大二郎守備走塁コーチは1日、10月31日に仰木彬監督と会談したことを1日、藤井寺球場で明かした。「前向きに考えています」と受諾の方向だが、ポストは守備走塁コーチが濃厚。また、真喜志康永守備走塁コーチも新監督と同29日に会談。「一緒にやってくれと言われ、“ハイ”と返事をした。まだ、細かいポストは言われていない」と話し、入閣する意思を示した。
大阪ドームを運営する「大阪シティドーム」(淡居毅社長)と国内最大規模の地下街などを運営する「クリスタ長堀」(和辻昇社長)の第3セクター2社は1日午後、銀行などに債権放棄を求める特定調停を大阪地裁に申し立て、事実上経営破綻した。両社長は近く引責辞任する。12月中に第1回調停を開き、年度内の成立を目指すが、両社は調停に入っても通常通り営業する。
債務超過額は3月末現在でドーム社が約137億円、クリスタ社が約14億円。淡居社長は記者会見で「多目的ドームとして建設したが、収益に対応できる投資ではなかった」と述べた。