04年シーズンを締めくくる「プロ野球コンベンション」が2日、都内のホテルで開催された。根気のタイトルホルダーや正力賞、沢村賞などの受賞者が出席し、根来コミッショナーはじめ関係者から表彰を受けた。
主な表彰選手 | |||
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正力松太郎賞 | 伊東勤(西) | ||
正力賞・特別賞 | イチロー(マ) | ||
沢村賞 | 川上憲伸(中) | ||
表彰種目 | セ・リーグ | パ・リーグ | |
最優秀選手 | 川上憲伸(中) | 松中信彦(ダ) | |
最優秀新人 | 川島亮(ヤ) | 三瀬幸司(ダ) | |
ベストナイン | 投手 | 川上憲伸(中) | 岩隈久志(近) |
捕手 | 古田敦也(ヤ) | 城島健司(ダ) | |
一塁手 | ウッズ(横) | 松中信彦(ダ) | |
二塁手 | 荒木雅博(中) | 井口資仁(ダ) | |
ラロッカ(広) | |||
三塁手 | 立浪和義(中) | 小笠原道大(日) | |
遊撃手 | 井端弘和(中) | 川ア宗則(ダ) | |
外野手 | 嶋重宣(広) | 和田一浩(西) | |
金本知憲(神) | SHINJO(日) | ||
ローズ(巨) | 谷佳知(オ) | ||
指名打者 | セギノール(日) | ||
タイトル | セ・リーグ | パ・リーグ | |
首位打者 | 嶋重宣(広) | 松中信彦(ダ) | |
本塁打王 | ローズ(巨) | 松中信彦(ダ) | |
ウッズ(横) | セギノール(日) | ||
打点王 | 金本知憲(神) | 松中信彦(ダ) | |
盗塁王 | 赤星憲広(神) | 川ア宗則(ダ) | |
最多安打 | 嶋重宣(広) | 松中信彦(ダ) | |
川ア宗則(ダ) | |||
最高出塁率 | ラロッカ(広) | 松中信彦(ダ) | |
最優秀防御率 | 上原浩治(巨) | 松坂大輔(西) | |
最多勝利 | 川上憲伸(中) | 岩隈久志(近) | |
最多奪三振 | 井川慶(神) | 新垣渚(ダ) | |
最優秀救援 | 五十嵐亮太(ヤ) | 三瀬幸司(ダ) | |
横山道哉(日) | |||
最優秀投手 | 川上憲伸(中) | 岩隈久志(近) |
会長特別表彰 | |
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セ・リーグ | |
最優秀監督賞 | 落合博満(中) |
カムバック賞 | 小久保裕紀(巨) |
特別賞 | 立浪和義(中) |
金本知憲(神) | |
スピードアップ賞 | 上原浩治(巨) |
3冠王記念賞 | 松中信彦(ダ) |
審判員奨励賞 | 有隅昭二 |
パ・リーグ | |
優秀監督賞 | 伊東勤(西) |
3冠王 | 松中信彦(ダ) |
審判員1500試合出場 | 中村稔 |
明暗を分けたのは2社の企業体力の差−。オーナー会議を終え、記者会見した滝鼻卓雄議長(巨人オーナー)は、楽天はライブドアに比べて親会社として売上高、総試算でまさり、より赤字に耐えられると判断した、などと説明。各球団が赤字に苦しむパ・リーグにあって、より長期的に球団保有できるという点で楽天に軍配が上がった。
滝鼻議長の説明では、審査は6項目に分けられたが、重視されたのが
の2点だった。
監査法人による財務状況分析、また日本プロ野球組織(NPB)の審査小委員会の報告では売上高(楽天430億円、ライブドア250億円)、経常利益(同145億円、同50億円)、総資産(同2618億2600万円、同1027億3400万円)、営業キャッシュフロー(同124億6400万円、同72億4600万円)といずれの点でも楽天が上回った。
両者とも球団経営が赤字となった場合、親会社が補填するとの立場だけに、親会社の財務状況はそのまま球団の長期保有に直結。具体的には既存球団の最大赤字幅の40億円が計上された場合、ライブドアは来期経常利益50億円の8割に相当する額を球団に補填することになる。より赤字に耐えられる企業体力を持つという意味で、楽天が優位と判断された。
また、収益構造を見ても、今年3月中間期でライブドアの経常利益35億3000万円のうち、ネット証券のイーファイナンスが全体の74%と一事業分野に集中。これに対して、楽天は6月中間期の営業利益71億500万円のうちネット通販が42%、金融事業が38%。収益源が2本柱で、より安定的だと判断された。
ただ、滝鼻議長はライブドアについて「1回ダメだからといって永久に門を閉ざすことはない。財務内容も変わるかもしれない。野球に対する意欲は優劣つけがたい」と今後の参入の可能性までは否定しなかった。
新規参入球団と収支計画の比較表 | |||||
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ライブドア | 楽天 | パ他球団平均 | |||
売上高 | 広告収入 | [広告等収入合計] | 200000 | 1150000 | |
メインスポンサー | - | 600000 | |||
地域サポートスポンサー | - | 150000 | |||
スタジアム広告 | 200000 | 400000 | |||
入場料収入 | [入場料収入合計] | 2468375 | 2100000 | ||
年間シート | - | 700000 | |||
サポーター年間シート | - | 60000 | |||
通常券 | 2468375 | 1340000 | |||
放映権 | [放映権収入合計] | 600000 | 1089200 | ||
テレビ放映権 | 500000 | 965000 | |||
ネット放送 | 100000 | 52200 | |||
携帯会員 | - | 72000 | |||
ファンクラブ | - | 105000 | |||
有料会員収入 | - | - | |||
グッズ | [グッズ合計] | 855250 | 375950 | ||
スタジアム販売 | 705250 | 235950 | |||
ネット販売 | 150000 | 235950 | |||
野球教室 | - | 21150 | |||
飲食 | - | 113498 | |||
売上計 | 4123625 | 4954798 | 3823000 | ||
チケット販売手数料 | 24684 | 80400 | |||
売上原価 | FCコスト | - | 105000 | ||
グッズ原価 | 598675 | 211962 | |||
野球教室原価 | - | 21150 | |||
球場使用料 | 50000 | 50000 | |||
その他使用料 | 150000 | 175000 | |||
選手参稼報酬 | 2000000 | 2225740 | |||
契約金償却(補強費) | 500000 | 166667 | |||
監督コーチ参稼報酬、フロント人件費 | 1095950 | 1001000 | |||
販管費 | 試合運営費用 | [試合運営費合計] | 500000 | 582200 | |
ホーム | - | 432000 | |||
移動費 | 150200 | ||||
キャンプ | 150000 | 150000 | |||
用具・備品経費 | 200000 | 125000 | |||
広告宣伝費 | 200000 | 300000 | |||
減価償却費 | 150000 | 448220 | |||
その他経費、一般管理費 | 100000 | 160000 | |||
球団振興基金他 | - | 571000 | |||
営業費用 | 5719309 | 6443339 | 7045000 | ||
営業利益 | △1595684 | △1488541 | △3222000 |
[注]単位は百万円
40億円の損失を想定した場合 | ||||||
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ライブドア | 楽天 | A社 | B社 | C社 | D社 | |
平16年9月見直し(※) | 平16年12月見直し(※) | 直近年度 | 直近年度 | 直近年度 | 直近年度 | |
経常利益 | 5000 | 14500 | 33463 | 102157 | 31500 | 19576 |
想定損失 | △4000 | △4000 | △4000 | △4000 | △4000 | △4000 |
差引経常利益 | 1000 | 10500 | 29463 | 98157 | 27500 | 15576 |
想定損失が経常利益に与える影響率 | 80.0% | 27.6% | 12.0% | 3.9% | 12.7% | 20.4% |
差引経常利益 | 1000 | 10500 | 29463 | 98157 | 27500 | 15576 |
[注]単位は百万円。(※)ライブドアの経常利益は業績予想値。楽天は『四季報』に基づく数値
新規参入が決まった「東北楽天ゴールデンイーグルス」だが、無事に来春の開幕を迎えるためにはハード、ソフト両面で難問が山積している。球場改修の工期、2軍の施設、さらにFAやトレードなど、今後に越えなければならないハードルを挙げてみる。
最大の難問は、球場改修の問題だ。県営宮城球場を保有する県は2億円の補正予算を組み、1ヶ月以内に着工できるよう便宜を図った。だが仙台は雪が少ないとはいえ、厳寒期の工事になる。
楽天は、3月いっぱいの工期を優先して、来季は2万3000人収容で凌ぐ。グラウンド拡張、ブルペン移設など作業を絞り込む。来オフ、2万8000席への再拡張を予定するが、プロ野球本拠地の目安とする3万人には届かない。
オープン戦の本拠地開催は無理。過去に東北地方の他球場でも、福島・いわき球場に実績がある程度。「できれば寒い時期はビジターでお願いしたい」と、三木谷社長は4月中旬の本拠地開幕を要望した。キャンプ地は近鉄が消える宮崎・日向市が有力。一方で東北以外での開催は、全国に新球団の知名度を浸透させるチャンスだが…。
また2軍と練習施設は、今季限りで廃部したJT(仙台市)から譲り受ける。だがプロ球団の若手育成に適した寮など、追加整備は急務だ。加えて2軍公式戦は、イースタン7球団、ウエスタン5球団の歪な形になる。社会人チームとの交流をいっそう進めるなど、リーグ維持を図らなければならない。スタッフ、裏方の確保は近鉄から20人以上雇用するという。
さらに選手について、分配ドラフトでの40人を確保した後の補強が問題。「各球団の協力をお願いしたい」と、三木谷社長は他の10球団に金銭や無償でのトレードを要望する。既に他球団の1億円選手を3人前後獲得する方針を固めた。巨人・江藤、横浜・斎藤、オリックスを自由契約になった山崎らの獲得に動きそうだが、補強費は当初予定の5億円を大きく上回るのは必至だ。
楽天 | |
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資本金 | 398億2500万円 |
売上高 | 126億5600万円 |
社長 | 三木谷浩史(39) |
球団運営 | 楽天野球団 |
球団資本金 | 4億円 |
株主 | 楽天株式会社(100%) |
球団名 | 東北楽天ゴールデンイーグルス |
保護地域 | 宮城県 |
専用球場 | 県営宮城球場(仙台市) |
球場改修費 | 32億円 |
改修後の収容数 | 来年開幕までに2万3000、可能なら2万8000 |
その他の施設 | 2軍練習場、室内練習場、合宿所などを予定 |
選手人件費 | 22億円 |
補強費 | 5億円 |
監督 | 田尾安志(50) |
GM | マーティ・キーナート(58) |
経営諮問委員会 | 牛尾治朗(ウシオ電機会長)、宇野康秀(有線ブロードネットワークス社長)、大橋洋治(全日空社長)、奥田碩(トヨタ自動車会長)、奥谷禮子(ザ・アール社長)、金丸恭文(フューチャーシステムコンサルティング社長)、齋藤宏(みずほコーポレート銀行頭取)、鈴木茂晴(大和証券グループ社長)、新浪剛史(ローソン社長)、西川善文(三井住友銀行頭取)、羽根田勝夫(日本航空インターナショナル社長)、増田宗昭(カルチュア・コンビニエンス・クラブ社長) |
他のスポーツ | サッカーJ1神戸所有 |
三木谷オーナーが、田尾新監督がパーソナリティーを務めるニッポン放送「ショウアップナイターストライク!」に生出演。来季の目標について「新規参入だから最下位でもいいという訳じゃなく、最低でもプレーオフ圏内ですね」と、1年目からの旋風を宣言。また田尾監督が背番号『88』を希望すると、「じゃあ、88番にしましょう」と笑いながら“即決”した。
楽天に、横浜の中村武志捕手が移籍する可能性が高くなっていることが2日、分かった。楽天は経験豊富な中村を正捕手候補にリストアップ。今季出場機会が激減した中村も横浜の3年契約が切れるため、移籍に支障はないとみられる。
中村は昭和60年に京都・花園高からドラフト1位で中日に入団。リーグを代表する捕手として活躍し、平成14年から横浜でプレー。20年目の今季は相川の成長で44試合の出場にとどまった。
ひな壇に全球団のオーナーが並んだ。異例の光景が問題の重大さと全会一致を示していた。楽天参入を決議した実行委員会(議長=豊蔵セ・リーグ会長)、承認したオーナー会議(議長=巨人・滝鼻オーナー)とも「大して時間がかからなかった」(小池パ・リーグ会長)と差は明確だった。
本拠地が同じ仙台で、観客動員、日程編成などから「両社とも認めるのは現実的に不可能」(滝鼻議長)で「相対評価で比較論議した」(豊蔵議長)。その結果「継続的・安定的経営が可能な経営体力のある企業という点で楽天が勝る」(滝鼻議長)と説明した。
大手監査法人の分析を含め、審査小委員会(委員長=豊蔵セ・リーグ会長)が設定した審査6項目のうち、2社の差が見えたのは(1)と(5)だった。
(1)では親会社の収益構造を比較。ライブドアが営業利益35億3000万円(04年3月期)のうちイーファイナンス(ネット証券)が74%と収益源が1事業に集中。楽天は71億500万円(04年6月中間期)のうちEC事業(ネット通販)42%、金融事業38%。滝鼻議長は「楽天は収益の柱が2本ある。ライブドアは金融事業の業績変動が経営に影響する」と長期保有に不安が見えた。
小委員会のロッテ・瀬戸山代表が「最大の焦点」としたのが(5)だ。両社とも球団赤字は親会社が補填する方針。経常利益は楽天が145億円(04年12月・会社四季報予測値)、ライブドアが50億円(04年9月予測)。パ・リーグの経営現況から最大40億円の年間赤字を想定すると「利益の8割が消える」(ロッテ・重光オーナー代行)と不安が強まった。
本拠地・宮城県営球場の改修を来春までに行うよう楽天に「誓約書」を取る方針を確認し、50年ぶりとなる新球団を受け入れた。
審査小委員会が定めた審査項目は6項目。
オーナー会議では「スーパー・ワールドカップ」開催構想について、アジア予選を実施した上で、06年3月の第1回大会開催を目標に、参加国・地域と調整していくことを確認した。日韓台中の4ヶ国・地域のプロリーグの王者が覇権を争う「アジアチャンピオンズカップ(仮称)」については来年秋に初開催した後、2年に1度のペースで行う案をまとめ、関係国・地域と交渉することになった。
また、根来コミッショナーが、ダイエーと福岡ドームを所有する米投資会社コロニー・キャピタルとの興行権に関する契約内容などの調査報告を行った。その中で、同コミッショナーは契約内容が野球協約に抵触するかの見解は示さず、調査の継続を各オーナーに伝えた。この報告について、ダイエーの中内オーナーは「協約には反していないが、精神に反している面があるということだった」と話した。
50年ぶりに誕生した新規参入球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」(通称・楽天イーグルス、専用球場は県営宮城球場)。楽天の三木谷浩史社長は2日、都内のホテルで記者会見を行い、合併新球団からのプロテクトを拒否する選手は外すように訴えた。さらに新規参入球団のFA制度の選手獲得枠と補償金の免除も要求。イヌワシ軍団を最強軍団とすべく、IT社長の所信表明は強烈だった。
無数のフラッシュに一瞬笑顔がはじけた三木谷社長は、すぐに口元を締めた。9月24日の加盟申請から39日。激闘の末に勝ち取った新規参入正式承認だけに、表情は使命感で溢れていた。
朗報が飛び込んだのは午後4時55分。想定していた午後4時から長引いた決定にも「参入を果たせなかった会社の分まで頑張らねばという責任感が強かった」と語った。その思いは強いチームづくりのための分配ドラフト見直し要求につながった。
「分配ドラフトはそもそも11球団になった場合を想定してつくられたもの。12球団に戻した経緯から、プロテクトも選手の意思を尊重するのが筋だと思う」。4日にオリックスと近鉄の合併新球団のプロテクト25選手が決定する。その中で近鉄の岩隈、礒部らがプロテクトに難色。特に、岩隈は義理の父である広橋氏が守備走塁コーチに就任。さらに小野投手コーチ、山下バッテリーコーチと岩隈を育てた恩師もスタッフに名を連ねた。三木谷社長は「私が決めた訳じゃない」と話したが、受け入れ態勢は万全。制度上の改革は難しいが、合併球団の意思次第でプロテクト選手から外すことはできる。強烈な牽制球だった。
さらに新規参入球団の特例として「FAの獲得制限(2人)は撤廃する制度を導入すべき」と三木谷社長。同席した田尾監督も「FAの補償金をなくして欲しい」と話し、キーナートGMも「エクスパンションドラフト実施を」と続くなど、強いイヌワシ軍団形成へ3首脳は並々ならぬ決意を示した。
「僕は野球界のしがらみがない。ストレートに考えていることをぶつけていきたい」と三木谷社長は言った。スピードをモットーに急速に業容を拡大した本業と同じく、球界改革に貪欲に取り組む覚悟だ。
楽天に、横浜の中村が移籍する可能性が出てきた。楽天は経験豊富な中村を正捕手候補にリストアップ。今季出場機会が激減した中村も横浜の3年契約が切れるため、移籍に支障はないとみられる。中村は85年に京都・花園からドラフト1位で中日に入団。リーグを代表する捕手として活躍し、02年から横浜でプレー。20年目の今季は相川の成長で44試合の出場にとどまった。
新規参入は楽天−。プロ野球オーナー会議が2日、都内のホテルで開かれ、パ・リーグの新規加盟球団として仙台市を本拠地とする「東北楽天ゴールデンイーグルス」を全会一致で承認した。1954年に高橋ユニオンズがパ・リーグに参加して以来50年ぶりの新規参入で、東北に初めてプロ野球球団が誕生した。近鉄とオリックスの合併やストライキで揺れ動いたプロ野球は、来季もセ、パ各6球団で運営されることになったが、楽天の三木谷浩史社長は、ドラフトの完全ウエーバーを訴えるなど早速、球界の改革を訴えた。
史上初の参入合戦を制した“歴史的”瞬間、六本木ヒルズ・森タワーの楽天本社が沸いた。午後4時40分。NPB審査小委員会の豊蔵委員長から三木谷社長に電話が入った。「ありがとうございます」朗報は記者会見場ではなく、本社に待機し受けた。その瞬間、パソコンに黙々と向かっていた社員が立ち上がり、クラッカーを鳴らし、社長、マーティ・キーナートGM、田尾安志監督らを会見場に送り出した。
新オーナーは「プロ野球参入が正式に承認されました。仙台、宮城を中心とする新しいチーム・楽天野球団が発足する50年ぶりの快挙となりましたことをご報告させて頂きます」と勝利宣言。プロ野球参入を決めた9月15日から48日間にわたるライブドアとの参入バトルに幕を下ろした。
その瞬間から、三木谷社長はライブドアの“ベンチャー精神”が乗り移ったかのように、保守派路線から改革の志士に態度を変えた。「今回、選手会のストを始め、色んな問題が起こった。今回(明大・一場投手)のような金銭授受問題が起きないように」と所信表明でいきなり問題提起。ドラフトの完全ウエーバー制の導入と、FA期間の短縮を訴えた。
戦力均衡は新球団としての切実な願いだ。「そもそもプロテクトは6・5(セ6球団、パ5球団)が前提。もう1回、12(球団)に戻すなら、新球団に対して柔軟性をもって対応して欲しい」「選手の意思を尊重してやっていただくのが筋じゃないか」とプロテクト拒否の姿勢を示す近鉄・礒部選手会長らの思いを代弁。さらに「今後、プロ野球のチーム数を増やしていく上においても、制度(改革)を考えて頂きたい」と選手会のように主張した。
「選ばれることが目的ではなく、プロ野球を変えていくことが我々のミッション(使命)」ライブドアとの参入争いでは、ライバルの堀江社長の徹底した“攻めの姿勢”の陰に隠れ、保守的立場が目立ったが、70年の歴史上初めて、IT企業がプロ野球に参入するからには、旧体制を踏襲する訳にはいかない。
参入を決意した朝に“自由の象徴”だった口髭を剃り落とした三木谷社長。決定のこの朝にも綺麗に剃ったが、外見は迎合しても、内面の“自由”は変わっていなかった。本拠地・仙台では、堀江支持が根強いが、この意気込みがあれば、人気を受け継げる。武将・伊達政宗が仙台城に縄張りを張った1600年から404年。“平成の伊達政宗”が誕生した。
約450人もの報道陣のむせ返るような熱気の中、午後4時55分、オーナー会議の滝鼻議長(巨人オーナー)をはじめ全12球団のオーナーや代行者、根来泰周コミッショナーが会見場の壇上に上がった。傍らには12球団の代表、球団社長。球界首脳が一堂に会しての会見は前代未聞。重々しい空気の中、滝鼻議長が審査の結果について口を開いた。
保護地域(宮城県)、専用球場、選手の確保などが重複しており「両社の参入を認めることは不可能」と結論付けた。赤字経営が続くパ・リーグの現状から、新規参入は「永続的な球団経営が可能な、安定的な経営体力がある企業が望ましい」とし、実行委員会は楽天の参入を全会一致で内定。オーナー会議も全会一致で承認した。
滝鼻議長は6つの審査項目のうち、重視された点を明かした。
の2点だった。
(1)について、楽天は長期的な収支見込みはパ・リーグの現状を踏まえ、厳しいものと見ている。その一方で両社の財務状況は経常利益、売上高のいずれも楽天が勝っている。
(5)については両社ともに赤字は親会社が補填する方針。こちらも経常利益で楽天が上回り、収益構造もライブドアは営業利益のうちネット証券が全体の74%と1事業に集中している一方、楽天はEC事業(ネット通販)が42%、金融事業が38%。“2本柱”を持ち「より安定性がある」と判断された。40億円の損失を想定した場合も、両社の経常利益に与える影響率をライブドア80.0%、楽天27.6%として、楽天に軍配を上げた。
プロ野球のオーナー会議が2日午後、東京都内のホテルで開かれ、来季から仙台市を本拠地とするパ・リーグ新球団としてIT関連企業「楽天」(三木谷浩史社長)を全会一致で正式承認した。球団名は「東北楽天ゴールデンイーグルス」で、会社名は「楽天野球団」。三木谷社長は都内で会見し、急務の選手獲得に絡み、オリックス・近鉄合併で行われるプロテクト(優先保有選手)について、選手の意向の尊重などを訴えた。激動を経たプロ野球新時代に若きオーナーが乗り込む。
都内本社で参入承認の知らせを聞いた三木谷オーナーは、喜びよりも責任と使命を強く感じたという。会見で強く語ったのも「改革」だった。まずは、今月8日に迫った分配ドラフトに異議を唱えた。選手獲得に影響する合併球団のプロテクトやFAに質問が及んだ時だった。
同ドラフトは今季オリックス、近鉄に所属した選手のうち合併球団が25人を優先的に確保。以後、楽天、合併球団が交互に20人ずつ選んでいく。「選手の意思」とは、プロテクトに難色を示す近鉄礒部や岩隈らを示唆したのは明白だった。選手獲得が急務の要望でもあるが、合併で迷惑を被る選手の救済をも求めた。
田尾監督が補足した。「楽天の監督という立場を離れたとしても、戦力均等を考え、ほかの10球団の協力を頂きたい」。マーティ・キーナートGMも「エキスパンション(拡張)・ドラフトを実施して頂きたい」と願った。同制度は米大リーグで新規参入球団があった時、他球団から数人ずつ選手を選べる形式だ。新球団でもファンにできるだけレベルの高い野球を提供できる。今季途中までの縮小傾向とは正反対の、球団数増加の土壌をつくる改革案でもあった。
楽天首脳は揃ってFA取得の期限短縮と補償金の撤廃、ドラフトの完全ウエーバー制度の導入など次々提案した。どれも、既存球団の経営を圧迫する、人件費高騰を招いた。それにより得をした老舗球団への提言でもあった。
三木谷オーナーの打ち出す球団の骨格は、若さゆえの熱さだけではない。例えば、この日発表した全陣容では監督、コーチの人数は13人と12球団最少人数にとどめた。巨人の20人、阪神の22人に比べれば少数精鋭に徹して、スリム化を図った。首脳陣のコストを抑えることが得策とは言い切れないが、資金力に頼った人集めは排除した。
初期段階で監督就任要請した掛布雅之氏の希望した年俸、契約金が楽天側の予算と3倍近くかけ離れていると知ると、あっさり撤退した。メンツのマネーゲームに発展することを避け、方向転換できる柔軟性を併せ持つ。パに黒字球団はないが「最低4年で黒字経営に転じたい」と高い目標を掲げたのも、チームの強化とともに身の丈に合った健全経営こそ最大の改革だと信じるからだ。
三木谷オーナーは「楽天かライブドアかが重要ではなく、東北、宮城にチームができることが重要。企業中心ではなく仙台が誇れるチームをつくるのが我々のミッション」と力強く語った。使命感が溢れ出た。
楽天来季スタッフ | ||||
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1軍 | 氏名 | 齢 | 出身校 | |
監督 | 田尾安志 | 〇 | 50 | 同大 |
ヘッド | 山下大輔 | △ | 52 | 慶大 |
投手 | 小野和義 | △ | 38 | 創価 |
打撃 | 駒田徳広 | 〇 | 42 | 桜井商 |
バッテリー | 山下和彦 | △ | 41 | 柳ヶ浦 |
守備・走塁 | 広橋公寿 | □ | 47 | 八幡大 |
守備・走塁 | 高橋雅裕 | □ | 40 | 名古屋電気 |
2軍 | 氏名 | 齢 | 前所属 | |
監督 | 松井優典 | □ | 54 | 星林 |
投手 | 鹿島忠 | □ | 43 | 鹿児島実 |
打撃 | 上川誠二 | □ | 44 | 箕島 |
バッテリー | 芹澤祐二 | □ | 36 | 大宮東 |
守備・走塁 | 清家政和 | □ | 45 | 柳川商 |
守備・走塁 | 橋上秀樹 | 〇 | 38 | 安田学園 |
〇=新任、△=移籍、□=復帰
合併新球団オリックス・バファローズ行きに難色を示している近鉄礒部公一外野手、岩隈久志投手が、新規参入球団の正式決定を喜んだ。プロテクト拒否の姿勢の礒部は2日、オーナー会議後のプロ野球コンベンションが行われた都内のホテルで「昨日(1日)中村GMとお会いして話をさせてもらった。残って欲しいと言われたが、気持ちは変わらないし、お金の話じゃないことを伝えました」と強硬姿勢は崩さなかった。その上で「(楽天は)僕の選択肢の1つに入っている」と話した。
また「まだ(プロテクトを受け入れるか)答えは出ていない。迷っている」と揺れる思いを吐露した岩隈も「新規球団なので今までと違う野球、ファンを楽しませる野球をして欲しい。興味?もちろんあります」と歓迎した。
一方、引きとめる側の仰木彬監督は同所で「色んな変革の中で行われた作業。選手も辛いし、我々も辛い」と、説得に応じてくれることを望んだ。小泉隆司球団社長は「大事な戦力と考えていますから。まだ時間があるし、機会を見つけて話をしていきたい」と、4日のプロテクト・リスト提出まで粘り強く説得を続ける方針を示した。
楽天誕生の知らせに、本拠地の仙台が沸き上がった。歓迎セレモニーが行われた仙台駅東口広場では、仙台市で27年ぶりとなる新球団が現実いなり、祝福ムードが広がった。間近で大エールを受けた楽天の吉田敬・野球団準備室長は「宮城スタジアムのライトスタンドはこんな感じになるんでしょうね」と盛り上げた。町の通りには応援フラッグが華やかに飾られた。町は02年サッカーW杯の熱狂を思わせる「お祭り騒ぎ」の1日となった。
楽天のプロ野球新規参入が正式承認されたことを受け、岡山県は2日、同県所有の球場を第2球場などに採用するよう、楽天側に本格的に働きかける意向を固めた。県は9月頃から代理人らを通じ楽天側に接触を試みてきたとしているが、今月中にも石井正弘知事が楽天の三木谷浩史社長と交渉したい考え。 球場はマスカットスタジアム(倉敷スポーツ公園野球場)を想定。95年開設で収容人員は3万人以上。これまでもプロ野球のキャンプなどで使用されている。県は「2軍の本拠地やキャンプ地として使ってもらいたい」と期待している。
楽天の新規参入は全会一致で決まった。この日、都内ホテルで午前中からパ・リーグ理事会、実行委員会が行われた。まずパ理事会で楽天を新規参入とすることで一致。実行委員会ではパ側から、全会一致をみた説明がセ側になされ意見を集約。ここでも楽天の参入で統一された。これが上程されたオーナー会議では各12球団がそれぞれ参入球団名を挙げる形がとられ、全球団一致で承認された。オーナー会議議長の巨人滝鼻オーナーは「安定的な経営体力がある企業が望ましいと判断した。実行委員会では、各種資料と監査法人の財務分析資料から、楽天の経営体力がライブドアより勝っていると判断し、楽天の新規参入を全会一致で決定しました」と発表した。
合否は審査項目の中の2つが分かれ目となった。(1)の「球団経営の継続性や発展性」と(5)の「親会社と球団の経営状況の分析」。(1)は球団親会社の財務状況として楽天の方が経常利益、総資産、売上高で勝っており、より赤字に耐えうる企業体力を保持していると判断。後者に関しては、ライブドアの経常利益(04年9月期の速報値)51億円に対し、楽天は予測数値で145億円。収益構造はライブドアが、イーファイナンス(ネット証券等)が全体の74%を占め、1事業分野に集中。楽天はEC事業(ネット通販)が42%、金融事業38%と2本柱となっており、より安定的と判断された。(6)で問題視されたアダルトサイトについては「判断材料の1つにはなった」(巨人清武代表)が、あくまで重視したのは経営基盤であることを強調した。
審査について、報道陣に両社から提出された厚さ5センチ以上、500枚ほどにもおよぶ資料が配られた。清武代表は「透明性のある審査を見ていただきたい。(報道陣の)皆さん方が審査の目撃者」とした。実行委員会議長のセ・リーグ豊蔵会長は「両社ともIT産業ということで時代の流れを感じた。エポックを感じた」と感想を漏らしていた。
新規参入の楽天と開幕戦で対戦するバレンタイン監督は歓迎の意向を示した。「来年は統合球団も含めて(新しく)2チーム増えるので、パ・リーグはエキサイティングなシーズンになるでしょう」。パ・リーグ人気を支える監督らしく「パへようこそ。新しいチームが仙台の球場を毎日、満員にしてくれることを願っています」とお祝いメッセージを送っていた。
ダイエー王監督が楽天にエールを送った。プロ野球コンベンションに出席し「一緒にやる仲間が決まった。地元に歓迎されるチームになって欲しい」。パ6球団で球界再編が一段落したことには「落ち着いて、来季に臨めることができて嬉しい」。最も「色々研究しないといけない。楽天さんといい試合をできるようにしないと」と早くも勝負師の顔ものぞかせた。
西武伊東監督は楽天について「パ・リーグの繁栄のため、力を合わせて頑張りたい」と歓迎した。シリーズ中には、監督に就任する田尾氏と話し「選手が集まるか、不安そうだった。協力してくれと言われたけど、ウチにもそんな余裕はないからね」と苦笑い。また、堤前オーナーや山口オーナー代行に優勝報告する予定はないが「優勝が決まった翌日、堤オーナーには電話で報告しました」と話した。
労組・選手会長として奮闘したヤクルト古田も12球団維持を評価した。プロ野球コンベンションに出席し「12球団が維持され、今までなかった仙台に新球団ができるということは喜ばしい」と話した。一方で「混乱し失望を与えた1年だった。今後のために基準を明確にして欲しい」と審査基準の明確化を強調。楽天には「スポーツクラブとにとって地域密着は当たり前」と市民球団への期待を示す一方で「ライブドアさんが手を挙げていなかったらこうはなっていなかった。1野球ファンとして感謝したい」と配慮も示した。また「(12球団で)いっぱいいっぱいだとは思っていない。四国もあります」と今後の「拡大」にも期待を寄せた。
日本プロ野球選手会・古田敦也会長は楽天の新規参入が認められたことに、「1球団なくなる危機に、新球団が、しかも今までなかった東北にできる。非常に喜ばしいし、ホッとしています」と心境を語った。
審査に当落がついたため、慎重に言葉を選んだ古田会長。「楽天の印象?特にないです。球界は何十年ぶりかの危機だった。楽天、ライブドアが手を挙げなかったら、11球団になって1リーグの道を進んでいた。ライブドアにも1野球ファンとして感謝したい」と球界に光を差込んだ両企業に頭を下げた。
審査の内容については「2つとも合格していたのか、1つが落ちていたのかが大きな問題。判断基準を明確にしないとファンも落ちた企業も納得しないでしょう」とNPBに“楽天合格”に至った過程の開示を要求。「今後は審査を簡略化できるように」と新規参入のシステム確立を訴えた。
新球団にかける期待は大きい。古田会長は「世界的に見てもプロスポーツは地域密着が当たり前。まだ四国もあるし、大阪も空いた。全国でたくさんの人が野球に関心を持つようになれば」とさらなる球団増のためのモデルケースとして位置付け。松原事務局長は「IT企業の力を球界全体に波及させて欲しい」と話した。
「ファンが声を上げてくれたお陰でいい方向に進んだ。愛されるプロ野球にしていきたい」と結んだ古田会長。4ヶ月半に及んだ奮闘は実を結んだが、真の球界改革はこれから、と言いたげだった。
楽天の2軍本拠地に岡山県が急浮上。ウエスタン・リーグに加盟する可能性が出てきた。岡山県が2日、倉敷マスカット球場を2軍本拠地に採用するよう、楽天側に働き掛ける意向を固めたことを明らかにした。既に9月から代理人を通じ楽天側に接触を試み、今月中にも石井正弘知事が三木谷社長と交渉したい考えで「2軍本拠地やキャンプ地で使ってもらいたい」と期待している。
東北各県から非公式に2軍本拠地の誘致を受けている楽天だが、現時点で未定だ。球界内では楽天の2軍本拠地が仙台、もしくは東北地域となった場合、イースタン7、ウエスタン5チームと不均衡が生じ、移動経費増を懸念する声が強まっている。この日、コンベンション前に開かれた営業担当者会議でも楽天の2軍本拠地を西日本地域に置くよう要望する意見が出ていた。楽天球団首脳は「現在は白紙。7−5の問題もあるし、NPBの意向も踏まえ、今後検討したい」と話しており、条件次第では岡山に2軍本拠地を置く可能性もある。15日に開かれる次回の営業担当者会議をめどに本拠地を煮詰めることになりそうだ。
楽天のキャンプ誘致に今春まで近鉄のキャンプ地だった宮崎・日向市が名乗りを上げている。宮崎県と日向市はそれぞれ4日に担当課長を東京・六本木ヒルズの楽天本社に派遣。キャンプ誘致活動を本格化させる。来週には安藤知事と黒木市長も同社を訪問する方向で調整中だ。楽天内では沖縄など温暖なキャンプ地を希望する声もあるが現時点では未定。安藤知事は「豊富な実績を持つ本県でキャンプをしてもらえるよう、日向市と共に、積極的に誘致していきたい」とコメントしている。
隣に座った三木谷オーナー共々、興奮を隠せないでいた。新規参入を知らされてからまだ1時間も経っていない。田尾安志新監督の顔は上気していた。だが、目指す野球への手はしっかりと打っていた。
「コミュニケーションを取りやすい人、指導力、そして何よりも人間性」が決定基準だったというコーチ陣の人選。参入できるかどうか不確かな中で困難だったはずの候補者との交渉の中から、1、2軍ともに守備走塁コーチを2人ずつ置いた。「選手の顔が見えていないので、こういうチームをつくりたいというのは言いづらい」と言いながらも、守りと機動力を絡めた野球を目指そうとしているのがよく分かる。
今後は新外国人選手、分配ドラフト、トライアウトなどで選手を獲得していくことになるが、苦戦は目に見えている。しかし、新監督はきっぱりと言い切った。「集まって来る選手の特長を生かし、能力を発揮してもらう。前のチームで能力を発揮できなかった選手らも含め、そういう力を結集すればやっていける。その能力を発揮できる環境を作るのが僕の仕事です」。
記者会見を終えると、レギュラーでパーソナリティーを務めるニッポン放送へ三木谷オーナーと一緒に直行。番組の中で「背番号は何番にするのですか?」という聴取者からの質問があったが「家族はパパ頑張ってという意味で“88”がいいと言っています」というエピソードも明かして、サービスした。家族思いで知られる人だけに、「背番号88」が有力になったといえそうだ。
晴れて新規参入を認められた楽天には、幾多の難関が待ち受けている。
プロ野球オーナー会議が2日、都内で開かれ、来季パ・リーグに新規参入する球団として楽天(球団名・東北楽天ゴールデンイーグルス、本拠地・仙台市)を承認した。プロ野球への新規参入は昭和29年の高橋ユニオンズ以来50年ぶり。この正式承認を受けて楽天の広野功編成部長は同日午後5時過ぎ、明大野球部を電撃訪問。早くも一場靖弘投手獲得の意向を表明した。また、三木谷浩史社長は、オリックスと近鉄との合併球団を牽制し「選手の意思を尊重すべき」と岩隈久志投手、礒部公一外野手獲得を示唆。急ピッチでチーム強化策に乗り出した。
まさに電光石火の早業だ。新規参入の正式承認を受けて、楽天の広野編成部長が向かった先は東京・調布の明大野球部合宿所。もちろん、目的は1つだった。「一場投手にぜひ楽天に来ていただきたい。高い評価をしています」 。
楽天・来季陣容 | |||
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1軍 | 氏名 | 齢 | 前所属 |
監督 | 田尾安志 | 50 | 阪神 |
ヘッド | 山下大輔 | 52 | 横浜監督 |
投手 | 小野和義 | 38 | 近鉄コーチ |
打撃 | 駒田徳広 | 42 | 横浜 |
バッテリー | 山下和彦 | 41 | 近鉄コーチ |
守備・走塁 | 高橋雅裕 | 40 | ロッテコーチ |
守備・走塁 | 広橋公寿 | 47 | 西武コーチ |
2軍 | 氏名 | 齢 | 前所属 |
監督 | 松井優典 | 54 | 阪神コーチ |
投手 | 鹿島忠 | 43 | 中日コーチ |
打撃 | 上川誠二 | 44 | 中日コーチ |
バッテリー | 芹澤祐二 | 36 | 中日コーチ |
守備・走塁 | 清家政和 | 45 | 韓国・LGコーチ |
守備・走塁 | 橋上秀樹 | 38 | 阪神 |
大学球界No.1右腕、一場をドラフト自由枠で獲得したいという意思表示は別府隆彦元総監督、川口啓太監督に伝えられた。「一場が野球をできる環境を模索している中で(楽天のオファーは)ありがたい」と川口監督。話し合いは終始和やかに続いたという。
巨人・渡辺オーナーの引責辞任まで引き起こした裏金問題。横浜、さらに阪神からの金銭授受も発覚したことで、一場の進路は完全に宙に浮いた状態となっていた。米大リーグも選択肢の1つにあげられたが、本人はあくまで日本のプロでのプレーを希望。それだけに「本人の気持ちを聞いてから考えたい」(川口監督)とはいえ、入団実現の可能性は高い。
しかも、裏金で一場と結びついていた他球団とは対照的に、楽天は堂々と獲得の挨拶に出向いた最初の球団。透明性の高さでも、新球団らしい行動となった。
楽天の強化策は一場獲得にとどまらない。この日、新規参入の正式承認を受けて記者会見した球団オーナーの三木谷社長は「(近鉄と合併するオリックスの)プロテクトはセ6・パ5を前提に適用されたもの。12球団に戻ったのだから、選手の意思を尊重するのが筋」と合併球団を牽制した。
楽天が狙いそうな有力選手 | |||
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球団 | 位置 | 選手 | 齢 |
西武 | 投 | 三井浩二 | 31 |
内 | 高木大成 | 30 | |
外 | 大友進 | 30 | |
日本ハム | 投 | 岩本勉 | 33 |
ロッテ | 投 | 黒木知宏 | 30 |
捕 | 清水将海 | 29 | |
中日 | 投 | 野口茂樹 | 30 |
投 | 平松一宏 | 30 | |
ヤクルト | 内 | 鈴木健 | 34 |
外 | 飯田哲也 | 36 | |
外 | 真中満 | 33 | |
外 | 稲葉篤紀 | 32 | |
巨人 | 投 | 河原純一 | 31 |
内 | 江藤智 | 34 | |
横浜 | 投 | 斉藤隆 | 34 |
内 | 石井琢朗 | 34 |
8日に予定されている分配ドラフトでは合併球団がまず25選手をプロテクトし、これに漏れた選手の中から楽天が20人獲得。さらに合併球団が20人を獲得、この後再び楽天が20人を獲得する。楽天は計40選手を確保できるが、実質的に合併球団の“おこぼれ”的な陣容になるのは必至だ。
これにFA補強組、外国人、新人らが加わるものの「1年目から戦えるチームを」(三木谷社長)作るためには主力級の獲得は不可欠。そこで、既に合併球団入りに難色を示している近鉄の礒部、就任が決まっている広橋守備走塁コーチの娘婿でもある岩隈らを"本人の意思を尊重する"格好でそのまま獲得しようという狙いがある。
これまで楽天は『補強費』として5億円を見込んでいるが「それ以上覚悟しているとも聞いている。初年度から優勝を目指すと話していた」とロッテ・瀬戸山代表。ライブドアとの決定的な差となった資金力を武器にチーム強化を進める方針だ。
「喜びというより責任を感じる。東北の方々に喜んでもらい球界を改革するのが(楽天の)ミッション(=使命)」。施設面など課題は山積しているが、三木谷社長はあくまで前向き。39歳の若きオーナーが、いよいよ本格的にプロ野球界に殴り込みをかける。
楽天の田尾新監督はフジテレビ『すぽると!』に出演。「ローテ投手を5人揃えるのが1番大事。外国人投手1人、新人投手1人、分配ドラフトで2人をそれぞれ補強するつもり」と戦力構想を明かした。また目指す野球について「本塁打で勝つ野球は難しいので機動力野球でいきたい」と明かした。
統合球団のプロテクト予定選手(オリックス) | |||
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位置 | 選手 | 齢 | 今季成績 |
投手 | 山口和男 | 30 | 40試、3勝3敗17S、防3.80 |
川越英隆 | 31 | 22試、7勝9敗0S、防4.17 | |
本柳和也 | 27 | 29試、6勝11敗0S、防5.61 | |
大久保勝信 | 28 | 1試、0勝0敗0S、防0.00 | |
相木崇 | 26 | 37試、3勝5敗1S、防5.36 | |
捕手 | 日高剛 | 27 | 114試、5本、38点、率.275 |
内野手 | 後藤光尊 | 26 | 53試、1本、18点、率.259 |
平野恵一 | 25 | 124試、6本、39点、率.279 | |
塩崎真 | 31 | 82試、8本、39点、率.341 | |
大島公一 | 37 | 67試、0本、10点、率.263 | |
外野手 | 村松有人 | 31 | 108試、6本、51点、率.320 |
谷佳知 | 31 | 96試、15本、63点、率.317 | |
相川良太 | 27 | 49試、3本、15点、率.273 | |
迎祐一郎 | 22 | 44試、5本、14点、率.267 | |
統合球団のプロテクト予定選手(近鉄) | |||
位置 | 選手 | 齢 | 今季成績 |
投手 | 岩隈久志 | 23 | 21試、15勝2敗0S、防3.01 |
福盛和男 | 28 | 43試、2勝5敗10S、防5.18 | |
高木康成 | 22 | 19試、2勝7敗0S、防4.87 | |
吉田豊彦 | 38 | 56試、3勝6敗4S、防4.15 | |
吉川勝成 | 27 | 50試、4勝4敗0S、防2.82 | |
捕手 | 藤井彰人 | 28 | 86試、1本、20点、率.241 |
内野手 | 中村紀洋 | 31 | 105試、19本、66点、率.274 |
水口栄二 | 35 | 118試、6本、40点、率.293 | |
阿部真宏 | 26 | 123試、7本、50点、率.247 | |
北川博敏 | 32 | 133試、20本、88点、率.303 | |
外野手 | 礒部公一 | 30 | 120試、26本、75点、率.309 |
ゴールデンイーグルスがいきなり動いた。楽天・広野功編成部長が新規参入決定を発表するオーナー会議の会見からわずか10分後の2日午後5時7分、東京・調布市の明大野球部合宿所を電撃訪問した。別府隆彦前総監督、川口啓太監督と会談し、自由獲得枠で一場靖弘投手の獲得を目指すことを正式に伝えた。
午後4時57分に楽天の新規参入が発表されてから、わずか10分後の午後5時7分。広野部長が明大野球部の合宿所に姿を見せた。最寄りの京王線つつじケ丘駅付近に待機し、連絡を受けて駆けつける速攻だった。
目的は一場獲得への関係者への挨拶だ。約30分の会談で広野部長は「スケールが大きく堂々としたマウンドさばき。(実力が)伸びる可能性も計り知れない」と賛辞を送った。自由獲得枠行使の可能性についても「もちろんあります」と答え、熱意を猛アピールした。
巨人だけでなく阪神、横浜との金銭授受も発覚し、10月28日に謝罪会見を開いた一場。3球団のオーナーが辞任する異常事態に発展したが広野部長は「謝罪会見でケジメをつけたと理解している。汚名返上は、ゼロから始まる楽天でこそできるのでは」と強調。ドラフトの完全ウエーバー制導入を要求している田尾監督も「他の球団の方から『1番は、楽天が手を挙げることだね』と言ってくれている」と、一場を“現ドラフト制”の犠牲者ととらえ、獲得に前向きだ。
広野部長は会談で、明大主将としてチームを引っ張る西谷尚徳内野手の獲得も表明。また別の楽天関係者によると、一場の桐生一高時代の同僚で東洋大の主砲兼主将、大広翔治内野手もリストアップしていることが分かった。一場と、その同僚の「W獲り」が今ドラフト戦略の軸だ。
この日の一場は合宿所におらず広野部長との直接会談は実現しなかったが、明大・川口監督は3日にも一場と連絡を取り、自由獲得枠の締め切りとなる10日までに結論を出す方針。西武、日本ハムなども関心を示す“争奪戦”で、新球団が早くもリードした。
プロ野球のオーナー会議が2日、東京・港区の新高輪プリンスホテルで開かれ、来季から仙台を本拠地とするパ・リーグ新球団として楽天を全会一致で承認した。50年ぶりに新規参入が決まった楽天は、オーナー会議直後に広野功編成部長が東京・調布市の明大野球部合宿所を電撃的に訪問。別府隆彦元総監督らに、巨人などからの金銭授受問題で野球部を退部した一場靖弘投手を自由獲得枠で獲得したい意向を伝えた。
オーナー会議後、三木谷社長が新規参入決定の一報を受けてからわずか12分後。最寄り駅である京王線つつじが丘駅で待機していた広野編成部長が、明大野球部合宿所を訪れた。異例の速攻。これが「楽天イーグルス」として、最初のスカウト活動でもあった。
別府元総監督と川口監督と約30分の会談。広野編成部長は「我々の方針としては即戦力の投手が欲しい。楽天が1番高い評価をしているのが一場選手です。その姿勢を真っ先に伝えたかった」と伝えた。ドラフト指名ではなく自由獲得枠。大学球界No.1右腕を確実に獲りにきたのだ。
一場は巨人に続いて横浜、阪神との金銭授受が発覚。自由獲得枠で獲得に乗り出していた両球団は獲得を断念した。10月28日の謝罪会見で涙ながらに「できるものならば日本のプロ野球でプレーしたい」と訴えたが、国内の進路は宙に浮いたままの状態で、米大リーグの数球団も興味を示していた。その中で広野編成部長は「彼は日本でやるべき男。やり直す場所とチャンスを我々が与えてあげなければいけない。楽天なら新規球団でまだ色も付いていないし、やり直すには1番いいと思う」と力説した。
楽天は当初、本拠地となる地元・仙台の顔として東北のダルビッシュのドラフト1巡目指名を内定。ただ、日本ハムとの競合が避けられない状況から、外れ1巡目として一場の指名を予定していた。しかし前日までに新人ドラフトの戦略を再考。最終的に「ダルビッシュと一場を両天秤にかけることはしたくない」(広野編成部長)と、即戦力の一場を楽天のエースとして迎え入れることを確認した。そして誠意を示す意味で一場には自由獲得枠での獲得を提示し、ダルビッシュの獲得は事実上、断念した。
楽天の電撃訪問に、川口監督も「一場が野球をできる環境を模索している中で大変ありがたい話」。横浜、阪神との金銭授受が発覚してからも中日、西武などが獲得に前向きな姿勢を示したが、正式に挨拶に訪れたのは楽天が初めてとあって、明大側も好印象を抱いた様子だ。自由獲得枠の締め切りが10日に迫っていることもあり、3日にも一場本人と進路について相談する。
一場は「1からやり直すという意味では楽天はいいと思う」と語っており、楽天への入団に支障はない。8日の分配ドラフトを前に、一場が“楽天第1号選手”となる可能性も出てきた。
三木谷社長は新規参入の記者会見後、テレビ朝日「報道ステーション」に生出演。一場の獲得に関して「最終的には監督、GMが決めることだが、魅力ある選手であることは確か。“楽天一場(市場)”ということで」とあらためて高く評価した。また、ダルビッシュについては「これから何回か会議もやるだろうし、どうなるか分からない」と明言を避けた。
新規参入が決まった楽天の広野功編成部長が黄金ルーキー獲得へ早くも動いた。2日、参入決定からわずか10分後の午後5時7分に東京・調布市内の明大グラウンドを訪れ、一場靖弘投手(4年=桐生一)を自由獲得枠で指名する意向を大学関係者に伝えた。「一場君に対する誠意を伝えたかった。楽天として非常に高い評価をしております」と話した。
合宿所の最寄り駅である京王線つつじケ丘駅周辺に待機し、テレビの速報で参入決定を見届けると、すぐさまタクシーで駆けつけた。明大の別府隆彦元総監督と川口啓太監督に対して約30分間、獲得への意欲や経緯を説明した。「田尾監督、山下ヘッド、キーナートGMみんなが一場君しかいないという意見で一致した。色々な問題を起こしたことは重々承知している。だが、28日の涙の謝罪会見でケジメをつけたと判断した。ゼロからスタートできるという意味でも、彼がやり直すだけの場所とチャンスを与えられるのは楽天しかないと思う」と熱っぽく語った。
熱烈ラブコールを受け、川口監督は「明日、本人に連絡を取り意思を確認します。非常にありがたい話だと思う」と前向きに受け止めた。一場本人は、28日の記者会見後に楽天について聞かれると「1からやれるという意味では面白そうです」と好感触を口にしていた。現時点で一場を自由獲得枠で指名予定の球団は楽天だけ。自由獲得枠の締め切り日の10日までに、条件面などの交渉などを行い、「楽天一場」が誕生する可能性が高くなった。
新規参入が認められた楽天へ横浜中村武志捕手が移籍する可能性が2日、明らかになった。楽天首脳陣は参入決定に先駆けて戦力補強のリストアップも進めており、中日、横浜で正捕手を務めた中村の経験と実績を高く評価している。中村は横浜との3年契約が切れるため、移籍に支障はないとみられる。中村は85年に京都・花園高からドラフト1位で中日に入団。リーグを代表する捕手として活躍し、02年から横浜でプレー。20年目の今季は相川の成長で44試合の出場にとどまった。
ライブドアの堀江貴文社長は2日、本拠地を目指した仙台市内のホテルで「落選」会見を行い、悔しさを滲ませながらも仙台に新球団が誕生したことを祝福した。企業体力など楽天との比較で涙をのんだが「球界の未来のドアを開けたのはライブドア」と、球団削減の1リーグ制への動きから、12球団で2リーグ制維持への転換に貢献したことを強調した。今後については白紙の状況だが、何らかの形でスポーツ界に貢献する意向を示した。
堀江社長の第1声は、ライバル楽天への祝福の言葉だった。「新球団誕生、おめでとうございます」。皮肉ではなく、悔しさの裏返しだった。仙台市内のホテルで、審査内容を説明する巨人滝鼻オーナーのテレビ中継を見ていたが、途中でスイッチを切った。そして唇を噛んだ。「やろうと思っていたことが、できなかった。球界が発展するよう草葉の陰から祈ってる。応援して頂いた方には申し訳ない」と深々と頭を下げた。
財務力など、企業体の比較になれば勝ち目はなかった。だが球界を改革する意欲は負けていなかった。ビジョンもあった。堀江社長は「12球団を維持し、仙台に新球団ができた。ファンが思っているような流れになったのは良かった」と言った。
球界は今年、近鉄、オリックスの合併問題から球団数を削減しての「1リーグ制」へ動いた。だがライブドアの近鉄買収、新規参入表明で、流れは変わった。世論を動かすきっかけとなったのは、その行動力だった。「売名ではないか」と中傷する声も出たが、堀江社長は「プロ野球を1企業体として見れば、リーグで何十億も赤字を出して何年も放置するダメ企業。改革には外部の力が必要です」と持論を展開し続けた。
熱意、行動力が、地元では楽天より上の支持率につながっていた。小島暫定GMがファンの声を代弁するかのような、監督に内定していたオマリー氏のコメントを紹介した。「若いつもりだったが、もっと若いスタッフと共有した時間は有意義だった。結果は残念だったが、球界の未来のドアを開けたのは、ライブドアである」。
審査では新規参入の明確な基準がなく、企業体力の面についてもライブドアサイドからすれば既存球団との比較の問題。また企業の健全性についても、不祥事が発覚した球団から審査される道義的な問題など、言いたいことは山ほどある。だが堀江社長は「我々がしっくりこないと言っても、球界のルールに従ってもらうと思われている。1ヶ月の間で利益100億くらいつくれば良かったのかな。ある程度は仕方ないです」と振り返り、「明確な基準がある訳でもなく、二者択一でやられると、仕方ない」と言葉少なだった。
今後の球界とのかかわりについては「サッカーや他のスポーツについても、これから検討する」と堀江社長は白紙を強調したが、同社関係者は「何らかの形で球界に貢献したい。このままでは終わらない」と話した。独立リーグへの支援など水面下での構想はいくつかある。一区切りはついたが、動向が注目される。
オリックス宮内義彦オーナーが新規参入決定に複雑な表情を見せた。オーナー会議後、楽天の参入に「反対意見はなかった」と話しながらも「1つ減って、1つ増えた。これで球界の健全性、経営問題が前進したのかどうか。私はあまり前進していないように思う。批判を受けても休会を動かしていきたいが今年1年、非常に疲れた」と、縮小を狙った再編問題が現状維持で決着したことに未練をのぞかせた。ライブドアの次のチャンスには「12球団でヘトヘトの状態。これ以上(の球団数増加)はどなたも賛成されないと思う。売却の話が出るか、全く新しい機構をつくるかでしょう」と現時点での可能性を否定した。
ライブドアがあらためて新規参入を希望したケースに関して、会見の席で小委員会メンバーを代表したロッテ瀬戸山球団代表は「ひとまず区切りをつける」と、今回の参入審査で決着したことを強調した。 ストライキ回避が決まった9月23日、労使間で来年(06年シーズン)以降の審査について、第3者を委員とする新規加入球団審査委員会の設置が謳われた。
今後も新規参入を目指す企業が現れることが予想されるが「当分の間というのがどういう期間かは分からないが(実行委員会で)当分はセ6、パ6での運営が好ましいという認識で一致している」(瀬戸山代表)と、受け付ける状況でないことを示唆。同審査委員会が機能しないのではという問いに、巨人清武球団代表も「そんなことはない」と正当性を訴えた。
ホリエモン、無念−。新規参入の審査で落選したライブドアの堀江貴文社長は2日、宮城・仙台市内のホテルで会見を行った。悔しさを押し隠しながらも目は充血して真っ赤。6月30日に近鉄買収に名乗りを上げてから125日、球界に波紋を投げ掛けながらの戦いは「落選」という形でピリオドを打った。それでも悔しさから会見を自ら延長した堀江社長は、06年以降の再度の加盟申請の可能性も示唆した。
心にポッカリと穴があいた。無念の落選。IT業界の風雲児の目は虚ろだった。これまでどんな時も自信満々だった堀江社長の口調には、寂しさが滲み出ていた。「今後は草葉の陰から見守っていきます」。いつもと同じジャケットとノーネクタイ姿。努めて笑顔を見せたが、悔しさは隠し切れなかった。「新球団おめでとうございます。長い間、球界再編問題をやりましたけど12球団の維持、仙台に球団ができたことは良かったと思っています」。
“悲報”が届いたのは午後4時18分。ホテルの部屋で待機していた熊谷副社長のもとに、審査小委員会の豊蔵委員長から電話が入った。すぐさま堀江社長ら関係者はテレビをつけた。都内の本社には選考過程を網羅したファクス2枚が届いたが、会見の模様を見て生の声で落選理由が知りたかった。納得できない。その思いだけだった。
「我々には十分できる体力がある。オーナーには認めてもらえなかった。1ヶ月の利益が100億ぐらいあれば良かったんですかね」。皮肉な口調にも悔しさが滲む。広報担当が質疑応答の途中で会見を打ち切ろうとすると「いいよ。もうちょっとやる」と自ら“延長”を申し出た。近鉄買収に名乗りを上げ、硬直した球界に一石を投じた。参入申請も楽天より先だった。諦め切れない思いは、最初は「白紙」と語っていた06年以降の参入について「野球みたいにデカいのには仕掛けが必要。入れるなら考えます。未来のことは誰も予測できない」との発言にもつながった。
「応援してもらったのにすいません。落ちちゃいました…」。圧倒的な支持を得ていた地元・仙台。ドラフト1巡目指名が濃厚だった東北・ダルビッシュには「見に行きたい。凄いらしい」と惚れ込み、その一方で審査基準について「はっきりなるんですかねえ」と不安も口にしていた。球団名はフェニックス。不死鳥のように、堀江社長が再び球界に殴り込みをかける日が来るだろうか。
奮闘も実らなかった。新規参入を目指していたライブドアの堀江貴文社長が2日、落選の報を受け仙台市内のホテルで会見を行った。悔しさから時折激しい口調もみられたが、心強い支持を与えてくれた地元市民に感謝。約4ヶ月に渡った闘いに幕を降ろした。
近鉄買収に名乗りを上げてから125日。堀江社長の長い闘いが幕を降ろした。午後4時46分。熊谷副社長の元に、豊蔵審査小委員長から落選を伝える電話が入った。「やろうとしたことはいっぱいあったし、やっていける自信もある。ただ、それを委員会やオーナー会議の方々に認めていただけなかった」。会見で壇上にあがり、無数のフラッシュを浴びる堀江社長の顔には悔しさが滲んでいた。
2度行われた公開ヒアリングでアダルトサイトを指摘されるなど、当初から劣勢を強いられていた。「明確な基準がある訳でもないし、落とし所があったんじゃないですか」。不明瞭な審査基準に会見では不満を口にする場面もあり、「リーグ全体で何十億の赤字なんて、会社で考えたらダメ企業。楽天さんが入って交流戦をやって、それで変わるんならいいんですけどね」と捨て台詞とも取れる発言もあった。それだけ悔しさでいっぱいだった。
地元仙台では、楽天に先駆け、参入を打ち出したライブドア人気が圧倒的。この日、駅前で行われた新球団歓迎イベントでも、楽天決定と同時に人が減るという現象が起こったほどだった。
「期待に沿えなくて申し訳ない。でも仙台に球団ができたのは嬉しいこと。プロ野球の発展を草葉の陰から祈っています」。最後には深々と頭を下げた堀江社長。1リーグ制移行に待ったをかけ、閉鎖的な球界に風穴を開けた4ヶ月。70年のプロ野球史の中で、ライブドアが残した功績は決して小さくはない。
オーナー会議の議長を務める巨人の滝鼻卓雄オーナーは2日、都内で「1回駄目だからといって永久に扉を閉めた訳ではない」と話し、ライブドアから再度参入の申請があれば柔軟に対応する姿勢を示した。また、巨人が金銭授与の不正で獲得を断念した明大の一場投手に、楽天が獲得の意思を表明したことについては「言える立場にないが、(プロ野球志望の)道は閉ざしたくない」と話した。
ライブドアの監督に内定していたオマリー氏は、これまでの方針通り、現職の阪神駐米スカウトにとどまることになった。阪神の野崎球団社長は「チャンスがあれば、いいキャリアアップになるということだったので。駄目だったら(現職を)頼むということになっていた」と説明した。
楽天のプロ野球新規参入のニュースは外国メディアの関心も高く、AP、ロイター両通信社も東京発で報じた。AP通信は「日本のプロ野球新規参入でインターネット・モールの楽天に軍配」の見出しで、午後5時前に至急電を配信。楽天が同じ情報技術(IT)関連企業のライブドアと争ったことや、サッカーJリーグのヴィッセル神戸の経営に参画していることを紹介した。
スト決行で新規参入の道を開いたプロ野球選手会長・古田敦也捕手は、参入基準の明確化を訴えた。楽天の参入決定について「新しい球団が東北にできて12球団でやれるのは、大変喜ばしいことで、ホッとしている」と歓迎した上で「2つとも合格基準を満たしていたのか、どうして今回は1つだけなのか。合格基準を、明らかにしないと落とされた方は納得しない」とライブドア落選の理由を求めた。ソフトバンクなど球団経営に興味を示す企業も現れており「柔軟に対応して欲しい」とも訴えた。
「草葉の陰から見守っていきたい」−。仙台市のホテルで待機していたライブドアの堀江貴文社長は、午後4時50分、日本プロ野球組織(NPB)からの電話で「落選」の報を受けた。その後の会見で「仙台に新球団ができておめでとうと言いたい。12球団が維持されてよかった」と話した“敗軍の将”の口からは、球界への恨み節も飛び出した。
若手IT社長の思いは届かなかった。「参入ならなかったのは残念ですが、プロ野球が発展…するよう草葉の陰から見守っていきたい」。発展の後に言葉を詰まらせたり、「草葉の陰」という表現を使うなど、淡々と話しながらも、堀江社長の表情には悔しさが滲み出ていた。6月30日に近鉄買収を表明後、約4ヶ月間の“冒険”が終わった。
だが、堀江社長の口調が突然、変わった。「球界は救いようがない組織ですか」という質問が飛んだ時だ。「リーグ全体で何百億も赤字を出して、それを何年も放置している。ダメ企業の集まりですよ」と恨み節が口をつく。プロ野球界を自らの手で変えようと9月16日、NPBに加盟申請をした。「中に入らないと変えようと思ったって無理ですよ。外からワーワー言ったって」ICカードや常連客へのサービスといった斬新なアイデアも出した。だが全てが夢、幻に終わった。「楽天が入って、交流戦をしたくらいで、何か変わるんですかねえ。フタを開けてみないと分からないですけど…」。
審査基準にも納得がいかなかった。「明確な審査基準がある訳でもないし、二者択一だとどうしようもないでしょ」と批判。公開ヒヤリングで出たアダルトゲーム販売やインターネットでのアダルトサイトにつながりやすいことに関しても「(野球と)あんまり関係ないでしょ。彼らも(審査は)初めてのことだから、しようがないだろ」と半ばあきれ顔で話すと共に、「審査する側の不祥事が問題になってる?そういうことを言い出したらキリがないでしょ」と続けた。
「今後、野球については何も考えてません」と堀江社長は強調したが「他のスポーツなら真剣に検討したいです」とも話した。挫折を経験したフェニックス(不死鳥)は、今度はどこへ飛び立つのだろうか。
杜の都が歓喜に酔いしれた。楽天のプロ野球新規参入が決定した2日夕、本拠地となる仙台市のJR仙台駅東口前広場に、市民約1000人が集結。新球団誕生を祝った。だが、現場アンケートの結果「新球団は嬉しいが、ライブドアの方がよかった」という意見が9割を占めた。仙台駅から県営宮城球場へ続く「宮城野通」に楽天にちなんで「イーグルストリート」などの愛称が付く可能性も出てきた。
この瞬間を待っていた。午後4時47分。「ただ今、東北楽天ゴールデンイーグルスに決定いたしました!」というアナウンスが響きわたると、太鼓の音と共に「ウオー!」と約1000人の大歓声が沸き上がった。74年から4年間、ロッテが暫定的に本拠地として以来、27年ぶりに仙台にプロ野球が帰ってきた。
待たされた分だけ、嬉しかった。「東北のプロ野球を応援する市民の会・宮城」などによる新球団歓迎イベントは、午後4時にスタート。だが、肝心の新球団がどちらなのか、発表されず、鏡開きはお預け。
東北福祉大チアリーダーによる演技や、仙台名物「すずめ踊り」も披露されたが、盛り上がりは今1つ。駅前広場の使用時間が限られており、午後4時半に「とにかく新球団誕生おめでとう」という苦しい音頭で鏡開き。宮城県副知事や仙台市副市長らの会見まで行われた。
その直後に舞い込んだ吉報だけに、市民の喜びもひとしお。無料で振る舞われたビール1000人分や酒、ソフトドリンクを飲みながら「よかった」「やっと決まった」と喜びを分かち合った。午後6時からは場所を駅前のイベントホールに移し、“歓迎の宴”は夜まで続いた。
だが、ひとしきり喜んだ後、表情がこの日の仙台の空のように曇る人が目立った。「市民の会」の竹内健二代表は、それを代弁するように「新球団の誕生は、とても嬉しい。だが、ライブドアの堀江氏への感謝を忘れてはいけない。彼が手を挙げなければ、パ・リーグは消滅していた」と話した。
仙台では、新規参入に一早く手を挙げ、さらに仙台を指名した堀江氏を支持する声が当初から根強かった。現場で50人にアンケートを実施したところ、全員が「新球団が来て嬉しい」と答える一方、48人が「楽天よりもライブドアがよかった」と回答。理由は約8割が「最初に手を挙げてくれたから」「堀江社長の人柄」と「会社に勢いがある」が約1割ずつだった。
ただ、ほぼ全員が「宮城球場に楽天の試合を見に行きたい」ときっぱり。楽天は今後、ライブドアの分まで、市民の期待に応えるプレーを見せる必要がある。
杜の都が沸いた。午後5時すぎに新球団誕生の一報が届くと、その瞬間を待ち侘びていた仙台市民から大歓声が上がる。仙台駅前のイベントでは詰めかけた市民へ祝い酒が振る舞われ、ロッテ以来27年ぶりの地元球団誕生に酔った。
市内に住む17歳の学生が「ライブドアを応援していたから残念」と振り返ったように楽天の参入決定に地元では複雑な声もある。それでも仙台市の小学生、斉藤夏貴君は「今までプロの試合を見る機会がなかったから嬉しい」と笑った。浅野史郎県知事に届いた計1500通のメールの中でも楽天支持はわずか2%だったが、歓迎ムードに染まった地元では早速支援を約束する声が上がった。
県庁舎前で記念広告塔除幕式に参加した浅野知事は「東北に根付くチームに育てるよう最大限の努力をしたい」と力説。本拠・宮城球場周辺の改修で「街路灯、駐車場の整備を開幕までに整えるつもり」と約2億円の補正予算を組む構えだ。北海道へ移転した日本ハムが地元商店街や商工会議所と取り組んだ集客作戦を見習う姿勢を示し「お客さんを呼ぶことで永続的に運営できるし、放映権料も上がっていく。成績は低迷しても愛し抜くべき」と続けた。
「最初にドアを開けてくれた」とライブドアへの心遣いは忘れなかった浅野知事。仙台市民の声を代表するように「新球団が光り輝くチームとなるよう努力していきたい」と力強く話していた。
今夏、ダイエーとの合併を「西武から背中を押される形」で進めた、ロッテの重光オーナー代行はこの日も「球界のためになるなら合併なども考えるかもしれないと」と従来の姿勢を崩さなかった。産業再生機構入りで球団の売却が取り沙汰されるダイエーについては「最悪、コミッショナー預かりのルールもあるし、あと1年は『ダイエー』でやるでしょう」と見通しを語り「とりあえず(来年)1年は(セ6、パ6で)落ち着いた」とも語ったが、それ以降については「根本的な動きは出ざるを得ない」。また巨人滝鼻オーナーも「一段落ついたか」という問いに「新規参入についてはね」と意味深に語った。
巨人滝鼻オーナーはオーナー会議後、都内のホテルで渡辺前オーナーに議決内容を報告した。ライブドアが再び新規参入に名乗りを上げた場合について「1回ダメだったから、永久にダメということはないんじゃないの」と、柔軟に対応する姿勢をみせた。一方、渡辺前オーナーは「今月発売の文芸春秋に四十数枚の原稿を書いておいたから読んでくれ」と、不敵な笑みを浮かべて車に乗り込んだ。
オーナー会議では、ダイエーが福岡ドームを運営する(株)ホークスタウンと結んだ事実上の「興行権」譲渡ともとれる契約問題についても議題に挙がった。事情説明を行った中内オーナーは「(契約は)野球協約には反していないが、野球精神に反している部分があるんじゃないかと。そういう部分があるので、継続審議になった」と話した。数人のオーナーからも、契約については疑問視する声があがったことも明かした。根来コミッショナーは「今後、検討していくことになった」とした。
また、経営再建を目指すダイエー本社が産業再生機構の活用に踏み切ったことで、今後の球団保有についても不透明な状況は拭い去れない。既に大手ブロードバンド企業のソフトバンクと、有線ブロードバンドの2社が買収の意思を表明している。オーナー会議では本社の問題については「野球以外の話なので、その話は一切なかった」と中内オーナーは話したが「(その問題については)当該球団なので控えさせて頂きます」と言葉を濁していた。楽天の新規参入が決定したものの、ダイエーの今後の動向についてはまだまだ流動的な状況だ。
楽天のプロ野球新規参入が決まった2日、球界再編の新たな目となりそうな2球団にも動きがあった。オーナー会議では、ダイエーと福岡ドームの契約問題について、根来コミッショナーから調査結果が報告され、興行権を外資系企業に委託していることに“灰色判決”が下り、野球協約を見直す方向で継続協議されることになった。また、日本一に輝いた西武は、堤義明前オーナーが辞任した余波で、恒例のオーナー報告を行わないことが明らかになった。
ダイエーが福岡ドームと結ぶ契約内容に、根来コミッショナーは「見方によってはグレーで、白にもみえる」と“灰色”ジャッジ。野球協約を改定する考えを明かした。
今春、ダイエーが米投資会社コロニー・キャピタルにドームなどを売却した際に結んだ契約で、球団はドーム側にチケット販売などの興行権をほぼ全権委託していることが先に明らかになった。9月7日の臨時オーナー会議では、実質的な経営権はドーム側にあり、外資企業が保有できないとする野球協約に抵触するとの指摘があり、根来コミッショナーが調査に当たっていた。
「野球協約に反してはいないが、興行権を100%渡しているのは野球精神に反する部分があるということだった。協約を改定する方向になると思う」。中内オーナーは協約改定の方向で継続協議していく方針を受け入れたが、個人的なコメントは避けた。
その一方で、ソフトバンクが買収に名乗りを上げるなど、球団売却問題については現状把握に時間が割かれることはなかった。「野球外のことなので見守っていくしかないとなった」と中内オーナー。7月のオーナー会議で西武の堤義明前オーナーが「もう1つの合併が進行中」と発言。その後は本社の再建問題に絡んで、“主役”扱いされてきたダイエー。球界再編問題はまだ一件落着した訳ではない。
経営再建中の大手スーパー、ダイエーは平成15年2月末で約1兆2000億円の有利子負債を抱えており、球団、球場、ホテルの「福岡3事業」の整理は債務削減の柱となっていた。昨年9月下旬、3事業のうち球場とホテルの売却先が米投資会社コロニー・キャピタルに内定すると、12月に基本契約を締結。両社は球団の本拠地を30年間福岡ドームに置くことで水面下で合意した。また、球団はチケットやグッズ販売などの興行権をコロニー・キャピタルに業務委託し、実質的に経営権を譲渡する形となった。
パ・リーグは実行委前に緊急理事会を開き、「楽天」で意見をまとめる周到さ。ただ、明るい話題の一方で赤字体質への危機感は依然、消えない様子だった。交流試合は実施にこぎつけたが、ロッテの重光オーナー代行は「根本的な問題は改善されていない。来年も色々な動きが出ざるを得ない」と厳しい見通し。オリックスの宮内オーナーも「(業界の収支の)健全性という意味では(再編騒動は)何だったんだろうな、という思いはある。前進したのか、止まったのかというと、あまり前進していないな」と苦渋の表情を浮かべた。
ダイエー球団が実質的な経営権を米投資会社「コロニー・キャピタル」の子会社に譲渡した問題については継続審議となった。
ダイエーはドーム、ホテルの福岡2事業をコロニー社に売却した際、その100%子会社である「福岡ダイエー・リアル・エステート」(現ホークスタウン)と、チケット販売や放映権など球団に帰属する興行権放棄の不平等契約を締結。そのため、実質的な経営権が外国資本に移るという異常事態を招いていた。
根来コミッショナーはこの日、同球団の佐々木博茂会長らの事情聴取を踏まえた上で「見方によればグレーだし、白にも見える」と報告。野球協約では球団の実際上の保有者を変更する時には実行委員会、オーナー会議での承認が必要としているが、今回は同協約に抵触しているかどうかも含め判断を先送りした。
ダイエー・中内正オーナーは「野球協約には反していないが、野球精神に反しているのではないかと各オーナーから話が出た」と説明。オリックス・宮内オーナーは「そう遅くないうちに(この問題を)前面に出さざるを得ないのでは」と、重要な審議事項であるとの認識を示した。
オリックス・中村勝広GMは4日と8日に、楽天との間で行われるプロテクト25選手の提示と、分配ドラフト完了までの手続き方法を明らかにした。
まず統合球団(オリックス・バファローズ)の中村GMが4日、コミッショナー事務局にプロテクト25人を提出(未公表)。その後、楽天側がプロテクト選手と1、2年目の計28選手及びFA申請選手を除いたリスト(105人)から人選する。8日の分配ドラフト(東京都内)では、楽天がリストアップした20人を確保。その後、統合球団が1、2年目を優先した20人を決定する。同じ作業を楽天がもう1度行い、両球団の全メンバーが出揃う(ここまでで選ばれなかった選手は全てオリックスが引き取る)。