ロッテの入団テストを受けている前ブルージェイズのマイケル・ナカムラ投手(28)が秋季キャンプ最終日のこの日、投球を披露。カーブ、スライダーも投げ「いい感じで投げられた」。日本国籍を持つナカムラはドラフト対象となるが「チームの力になる」とバレンタイン監督。宮田編成部長代行も「(獲得を)ぜひ検討したい」。9日は日本ハムのテストを受ける。
ロッテが、日本国籍を持つマイケル・ナカムラ投手(28)を、ドラフト指名する可能性が高まった。ナカムラは6日からロッテ秋季キャンプに参加。打ち上げとなったこの日、千葉マリンのマウンドから、約30球の投球練習を行った。直球、カーブ、スライダー、シンカーなど、全球種を披露。バレンタイン監督も「健康状態も、人柄も良い。戦力になるだろう」と高評価した。ナカムラは9日に日本ハムの鴨川キャンプに参加。その後は17日のドラフト会議を待つ。
ロッテは今季限りで現役引退した佐藤幸彦外野手が編成部調査担当に就任したと発表した。
プロ野球オリックスと近鉄の合併球団と新規参入が決まった楽天に選手を振り分ける分配ドラフトが8日、大阪市内のホテルで行われた。合併球団入りに難色を示していた近鉄の礒部公一外野手は楽天が獲得したが、同様の姿勢を打ち出していた近鉄の岩隈久志投手は合併球団入りとなった。
分配ドラフトにはオリックスの仰木彬監督や中村勝広GMらと楽天の田尾安志監督やマーティ・キーナートGMらが出席。FA選手と外国人を除く、近鉄とオリックスの107選手が両球団に振り分けられた。
合併球団が既に25人のプロテクト(優先保有)選手のリストを提出しており、この日は残る82選手から楽天、合併球団、楽天の順に20選手ずつを指名した。漏れた選手は合併球団に所属となり、全選手の雇用が保証された。
ポスティングシステム(入札制度)による大リーグ移籍を目指す意向を表明している中村や、オリックスの主力の谷はプロテクトで合併球団入りした。
オリックスは10日に大阪で、楽天は11日に仙台で選手が参加して結団式を行う。
オリックス投手29人(オ17人、近12人) | ||||
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歌藤達夫 | BW | 26 | 左左 | 1500万 |
柴田誠也 | BW | 19 | 右右 | 600万 |
加藤大輔 | BW | 24 | 右右 | 2400万 |
岡本晃 | 近鉄 | 31 | 右右 | 9000万 |
香月良太 | 近鉄 | 22 | 右右 | 1500万 |
山口和男 | BW | 30 | 右右 | 2400万 |
山本省吾 | 近鉄 | 26 | 左左 | 1800万 |
小川裕介 | BW | 25 | 左左 | 1000万 |
川越英隆 | BW | 31 | 右右 | 2400万 |
ユウキ | BW | 25 | 右右 | 1650万 |
岩隈久志 | 近鉄 | 23 | 右右 | 6500万 |
岩下修一 | BW | 31 | 左左 | 1300万 |
マック鈴木 | BW | 29 | 右右 | 5000万 |
高木康成 | 近鉄 | 22 | 左左 | 940万 |
本柳和也 | BW | 28 | 右右 | 2100万 |
大久保勝信 | BW | 28 | 右右 | 2300万 |
相木崇 | BW | 26 | 右右 | 1100万 |
野村宏之 | BW | 23 | 左左 | 1000万 |
松村豊司 | BW | 23 | 右右 | 1000万 |
萩原淳 | BW | 31 | 右右 | 2300万 |
谷口悦司 | 近鉄 | 25 | 左左 | 810万 |
阿部健太 | 近鉄 | 20 | 右左 | 700万 |
宇都格 | 近鉄 | 20 | 右右 | 500万 |
宮本大輔 | 近鉄 | 23 | 右右 | 900万 |
山本拓司 | BW | 24 | 左左 | 950万 |
塩屋大輔 | BW | 28 | 左左 | 500万 |
近藤一樹 | 近鉄 | 21 | 右右 | 500万 |
栗田雄介 | 近鉄 | 24 | 左左 | 450万 |
吉川勝成 | 近鉄 | 27 | 右右 | 650万 |
オリックス捕手8人(オ5人、近3人) | ||||
的山哲也 | 近鉄 | 34 | 右右 | 3400万 |
日高剛 | BW | 27 | 右左 | 4900万 |
吉原孝介 | BW | 35 | 右右 | 1200万 |
前田大輔 | BW | 25 | 右右 | 1100万 |
鈴木郁洋 | 近鉄 | 29 | 右右 | 2100万 |
上村和裕 | BW | 21 | 右右 | 620万 |
長田勝 | BW | 20 | 右右 | 490万 |
横山徹也 | 近鉄 | 20 | 右右 | 480万 |
オリックス内野手18人(オ10人、近8人) | ||||
後藤光尊 | BW | 26 | 右左 | 1700万 |
中村紀洋 | 近鉄 | 31 | 右右 | 5億 |
福留宏紀 | BW | 29 | 右右 | 1050万 |
塩谷和彦 | BW | 30 | 右右 | 5800万 |
平野恵一 | BW | 25 | 右左 | 1700万 |
水口栄二 | 近鉄 | 35 | 右右 | 7200万 |
塩崎真 | BW | 31 | 右右 | 3900万 |
三木仁 | 近鉄 | 25 | 右右 | 900万 |
阿部真宏 | 近鉄 | 26 | 右右 | 3600万 |
山崎浩司 | 近鉄 | 24 | 右右 | 580万 |
五島裕二 | BW | 28 | 右左 | 1800万 |
北川博敏 | 近鉄 | 32 | 右右 | 3500万 |
牧田勝吾 | BW | 30 | 右右 | 640万 |
嶋村一輝 | BW | 23 | 右右 | 1000万 |
筧裕次郎 | 近鉄 | 20 | 右左 | 600万 |
菊池俊夫 | BW | 20 | 右右 | 490万 |
中本和希 | 近鉄 | 23 | 右左 | 600万 |
玉木朋孝 | BW | 29 | 右右 | 900万 |
オリックス外野手12人(オ7人、近5人) | ||||
村松有人 | BW | 31 | 左左 | 4100万 |
谷佳知 | BW | 31 | 右右 | 2億7000万 |
肥田高志 | BW | 25 | 左左 | 590万 |
下山真二 | 近鉄 | 28 | 右右 | 1080万 |
坂口智隆 | 近鉄 | 20 | 右左 | 720万 |
相川良太 | BW | 27 | 右右 | 1600万 |
早川大輔 | BW | 29 | 右両 | 900万 |
吉良俊則 | 近鉄 | 18 | 左左 | 600万 |
迎祐一郎 | BW | 22 | 右右 | 600万 |
由田慎太郎 | BW | 23 | 左左 | 700万 |
大西宏明 | 近鉄 | 24 | 右右 | 600万 |
井戸伸年 | 近鉄 | 27 | 右両 | 500万 |
オリックスの仰木監督は分配ドラフトについては「2つのチームを足して割った訳だからね。補強はこれから色々と考えていく」と、今後の補強の必要性を示唆した。中村GMも「我々としては、なかなか満足ということはない。ウーン、中抜きされた感じだなあ」。礒部ら中心選手の抵抗に遭い、プロテクトから外さざるを得なかったことに渋い表情を見せた。
日米野球に参加中の岩隈は、合併球団入りの一報を福岡市内のホテル自室で受けた。午後6時すぎ、近鉄藤瀬管理部長からの電話だった。「できれば(プロテクトは)して欲しくなかったですけど…」。消え入りそうな声で話すのが、精一杯だった。
合併球団入りを拒否する姿勢には変わりない。この日も、あらためて「近鉄でやってきた愛着や誇りがある。オリックスでは、やる気持ちになれない」と話した。ただ拒んでばかりいられないのも分かっている。球団との平行線が続けば、選手資格を剥奪される可能性さえある。「野球は続けたいのか」という問いかけには「そうです」とキッパリと答えた。
そのためか、わずかながら態度を軟化させた。「今は我儘言っているだけなんで、これから(球団側と)話し合っていきたい」。落としどころを探ろうという姿勢が、発言の中に見え隠れした。これまで通り他球団へのトレードを求めていくつもりだが、願いが叶わない場合、合併球団でのプレーを余儀なくされることも覚悟しており「その可能性もありますね」と話した。前日にはテレビの生番組で「新しいチームの楽天でという気持ちはある」と話した。これもあくまで合併球団以外を模索しての言葉。この日は「合併球団に行かないのが第1?そうですね」と前日までの“絶対条件”でなく“優先順位”に軟化している。
9日には藤井寺で近鉄ナイン最後のミーティングが行われるが、福岡にいる岩隈は参加できない。「行かないと思います」とうつむき、チームがいよいよ解体される寂しさを押し殺していた。
オリックス仰木彬監督が合併球団入りに難色を示している岩隈説得に出馬する考えを示した。8日、大阪市内のホテルで行われた分配ドラフト後、「岩隈に直接話すことも?もちろん、さっき岩隈のコメントを聞いたけど、色んな機会に備えたいね。説得というよりも、とにかく新しい球団のエースなんだからね。自信?ありますよ」と話した。早ければ日米野球が大阪ドームで行われる10日にも直接会談が実現する可能性が出てきた。
オリックス、近鉄の合併新球団と、新規参入した楽天による「分配ドラフト」が8日、大阪市内のホテルで行われた。「オリックス・バファローズ」に67選手、「東北楽天ゴールデンイーグルス」に40選手が分配された。楽天はベテラン選手を主体に即戦力を重視した布陣に、マーティ・キーナートGMは「100点満点。ワクワクする」と気勢を上げた。
キーナートGMの声が弾んだ。「最初に指名した20人は即戦力と思っている。思うようにとれた。これでドラフトの戦略も変更しなくていい。100点満点です」。即戦力とはいえ実際今季は「準レギュラー」だった選手がほとんどだ。
しかし「名前負け」はしていない。一昨年の最優秀防御率の金田、日米野球で米打線を封じ込んだ実績もある同じ35歳のサブマリン川尻、今でも150キロを誇る35歳高村と34歳小倉、貴重な救援左腕は35歳小池と38歳吉田が控える。
主砲候補も33歳吉岡に小兵ながら37歳大島は野手陣の精神的支柱になる。リーダーには「戦う選手会長」30歳礒部が手を挙げるはず。経験豊富な「おじさん軍団」と言い切るには失礼だが、酸いも甘いもプロの厳しさも知っている30代の心機一転に、大きな期待がかかる。
会議終了から2時間かけて、キーナートGMと米田球団代表が直接、各選手に電話して入団を確認した。キーナートGMは「みんなから、新天地で頑張りたい、110%のエネルギーを発揮したいっていう印象が受けられたのが嬉しかった」と手応えを口にした。早速指名選手全員を11日、改修中の本拠地仙台・宮城球場に集合をかけた。昼食会と合わせた最初の「結団式」を行う。13日から大阪・藤井寺球場を借りて秋季練習も開始する。「今日が本当の意味でイーグルスの誕生した日です」と同GM。隣席のオリックス中村GM、仰木監督が岩隈問題を抱えるせいか、歯切れが悪かったのとは対照的に、明るさだけは負けていない。どんな時でも楽天的!そんな船出だった。
楽天投手17人(オ6人、近11人) | ||||
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金田政彦 | BW | 35 | 左左 | 6300万 |
川尻哲郎 | 近鉄 | 35 | 右右 | 5500万 |
山村宏樹 | 近鉄 | 28 | 右右 | 2100万 |
有銘兼久 | 近鉄 | 26 | 左左 | 1200万 |
福盛和男 | 近鉄 | 28 | 右右 | 4000万 |
谷中真二 | BW | 31 | 右右 | 4800万 |
戸叶尚 | BW | 29 | 右右 | 2600万 |
小林宏 | BW | 33 | 右右 | 4300万 |
愛敬尚史 | 近鉄 | 27 | 右右 | 1850万 |
高村祐 | 近鉄 | 35 | 右右 | 6800万 |
小倉恒 | BW | 34 | 右右 | 7500万 |
矢野英司 | 近鉄 | 28 | 右右 | 690万 |
小池秀郎 | 近鉄 | 35 | 左左 | 3500万 |
朝井秀樹 | 近鉄 | 20 | 右右 | 720万 |
徳元敏 | BW | 28 | 右左 | 1600万 |
吉田豊彦 | 近鉄 | 38 | 左左 | 4000万 |
佐藤和宏 | 近鉄 | 27 | 左右 | 720万 |
楽天捕手5人(オ1人、近4人) | ||||
藤井彰人 | 近鉄 | 28 | 右右 | 1950万 |
新里賢 | 近鉄 | 23 | 右右 | 840万 |
近沢昌志 | 近鉄 | 22 | 右右 | 650万 |
長坂健治 | 近鉄 | 27 | 右右 | 660万 |
高橋浩司 | BW | 21 | 右右 | 510万 |
楽天内野手8人(オ2人、近6人) | ||||
吉岡雄二 | 近鉄 | 33 | 右右 | 9200万 |
高須洋介 | 近鉄 | 28 | 右右 | 1350万 |
前田忠節 | 近鉄 | 27 | 右右 | 2000万 |
斉藤秀光 | BW | 29 | 右右 | 1300万 |
山下勝己 | 近鉄 | 27 | 右右 | 750万 |
大島公一 | BW | 37 | 右両 | 7300万 |
坂克彦 | 近鉄 | 19 | 右左 | 550万 |
星野おさむ | 近鉄 | 34 | 右左 | 2700万 |
楽天外野手10人(オ4人、近6人) | ||||
森谷昭人 | 近鉄 | 25 | 右両 | 800万 |
益田大介 | 近鉄 | 31 | 右左 | 2750万 |
礒部公一 | 近鉄 | 30 | 右左 | 7800万 |
鷹野史寿 | 近鉄 | 31 | 右右 | 2900万 |
佐竹学 | BW | 30 | 右右 | 1800万 |
竜太郎 | BW | 28 | 右左 | 1400万 |
川口憲史 | 近鉄 | 28 | 右左 | 3500万 |
小島昌也 | BW | 19 | 右右 | 480万 |
牧田明久 | 近鉄 | 22 | 右右 | 490万 |
中島俊哉 | BW | 24 | 右右 | 490万 |
会議終了から2時間かけて、キーナートGMと米田球団代表が直接、各選手に電話で入団を確認した。キーナートGMは「みんなから、新天地で頑張りたい、110%のエネルギーを発揮したいっていう印象が受けられたのが嬉しかった」と手応えを口にした。早速指名選手全員を11日、改修中の本拠地仙台・宮城球場に集合をかけた。昼食会と合わせた最初の「結団式」を行う。13日から大阪・藤井寺球場を借りて秋季練習も開始する。「今日が本当の意味でイーグルスの誕生した日です」と同GM。隣席のオリックス中村GM、仰木監督が岩隈問題を抱えるせいか、歯切れが悪かったのとは対照的に、明るさだけは負けていない。どんな時でも楽天的!そんな船出だった。
分配ドラフトで楽天は40選手を獲得したが、本拠地球場のある宮城県だけでなく、東北出身選手の名前はなかった。東北にゆかりのある選手はオリックスに川越、後藤ら4人、近鉄に鈴木の計5人いた。これまで発表されたフロント、コーチ陣の中にも、東北出身者はいない。
希望通りに楽天入りが決まった近鉄礒部が心機一転を誓った。球団事務所で会見し「やはり合併球団でのプレーは、わだかまりがあった。新天地で軸になれるか分からないが、力を合わせてプレーオフにいけるよう頑張りたい」と力強く語った。合併問題の当事者として球団維持に走り回った選手会長。1人だけプロテクト拒否を認められた格好だが、他選手の心情については「非常に複雑。コメントを控えさせてもらいたい」と話した。
「楽天一場」も9日誕生−。大学NO.1右腕、明大・一場靖弘投手の楽天入りが9日、決まる。既に入団の意向を伝えており、9日に楽天のキーナートGM、広野編成部長の訪問を明大野球部寮で受け、契約締結内定通知書にサイン。コミッショナー事務局に手続き文書を届け出て、契約締結内定選手として公示される。
この日、一場の楽天入団内定を明かした明大の別府元総監督は「最高の評価をしてもらった。(金銭授受問題で)お騒がせしたが、進路が決まってよかった」とホッとした様子だった。また楽天の米田純代表は「獲得の最大の決め手は彼が即戦力ということ。嬉しいことです」と“内定第1号選手”の誕生を喜んでいた。
いよいよ、いぐっちゃー。オリックス、近鉄の統合球団と、おいら仙台の新規参入球団・楽天に選手さ分ける分配ドラフトが8日、大阪市内のホテルで開かれたんだど。楽天は近鉄・礒部公一外野手どが即戦力中心にリストすて、みぢのぐ出身者より実力主義の仕事人優先で投手さ17人、野手さ23人を獲得したのっしゃ。んで田尾安志監督は「希望通り取れた」とニヤげてだっつんだから、いがったな、まず。ドラフトは明大のMAX154キロ右腕の一場靖弘投手の自由枠入りが内定すて「さらに即戦力投手を選ぶ」と守り固めんだど。ま、楽しみにしててけろはー。(仙台弁で書いてみました)
イヌワシ軍団の骨格が固まった。求めたのは即戦力、それも経験豊富な“仕事人”だった。「ベテランが多い?燃え尽きていないし、実績もある。環境を変えれば結果が出る。いい戦力が獲れた」と田尾監督は語気を強めた。投手17人、野手23人。「投手をもっと獲ろうと思ったが、バランスを考えた」と説明した。
新球団の中心となるのは、涙ながらに「合併反対」を訴え、最後まで合併球団入りに抵抗した、猛牛の炎の選手会長・礒部。シュアな打撃はもちろん、熱血漢でゼロからのチームを引っ張る。オープン戦で右アキレス腱を断裂し、今シーズンを棒に振った近鉄・吉岡も40人入り。巨人時代からパンチ力には定評があるだけに、右の主砲を担える。
投手陣では、ローテーションの一角として期待されるのが近鉄・村、オリックス、小倉の両ベテラン。阪神時代にノーヒットノーランを達成した近鉄・川尻も、横手からの制球力にますます磨きがかかっている。
イケメンのスピードスターも、きっちり押さえた。昨年までウエスタン・リーグで3年連続盗塁王の25歳、近鉄・森谷だ。甘いマスクで独身だけに、仙台女性のハートをわしづかみしそう。
この日選んだのは、東北出身者といった地域性や温情ではなく、実力主義。来季、プレーオフ(3位以内)を狙うための選択だった。当初は東北福祉大出身の捕手、近鉄・鈴木をリストアップしていたが、最初の20人から見送った模様だ。マーティ・キーナートGMは「100点満点。チームの基盤になる40人が揃った。今日が楽天の本当の誕生日。今からワクワクしている」。IT球団がいよいよ船出する。
楽天が指名したメンバー40人 | |||
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近鉄 | オリックス | ||
投 | 川尻哲郎(35) | 投 | 金田政彦(35) |
投 | 愛敬尚史(27) | 投 | 小林宏(33) |
投 | 山村宏樹(28) | 投 | 谷中真二(31) |
投 | 有銘兼久(26) | 投 | 戸叶尚(29) |
投 | 福盛和男(28) | 投 | 徳元敏(28) |
投 | 村祐(35) | 投 | 小倉恒(34) |
投 | 矢野英司(28) | 捕 | 高橋浩司(21) |
投 | 小池秀郎(35) | 内 | 斉藤秀光(29) |
投 | 朝井秀樹(20) | 内 | 大島公一(37) |
投 | 吉田豊彦(38) | 外 | 佐竹学(30) |
投 | 佐藤和宏(27) | 外 | 小島昌也(19) |
捕 | 藤井彰人(28) | 外 | 中島俊哉(24) |
捕 | 近沢昌志(22) | 外 | 竜太郎(28) |
捕 | 長坂健治(27) | ||
捕 | 新里賢(23) | ||
内 | 吉岡雄二(33) | ||
内 | 高須洋介(28) | ||
内 | 前田忠節(27) | ||
内 | 山下勝己(27) | ||
内 | 坂克彦(19) | ||
内 | 星野おさむ(34) | ||
外 | 森谷昭人(25) | ||
外 | 益田大介(31) | ||
外 | 礒部公一(30) | ||
外 | 鷹野史寿(31) | ||
外 | 川口憲史(28) | ||
外 | 牧田明久(22) |
キーナートGM、広野功編成部長は9日、明大野球部を訪れ、自由枠入りが内定した一場投手に指名の挨拶をする。田尾監督は17日のドラフト会議でも「即戦力投手を選ぶ」。この日決定した17人と一場投手を加え、投手陣は最終的に「26、27人になる」と見通しを語った。キーナートGMはまた、9日のトライアウトに不参加の選手の中から、数人が楽天に入ることを示唆した。
楽天首脳陣の間では「エースと4番は外国人」で一致している。構想では投手3人、野手3人を獲得する方針だが、補強費は3−4億円程度。来季開幕ぎりぎりまで、中南米を含めたあらゆる選手をリストアップする構え。先週の編成会議では、海外から取り寄せたビデオテープで20人の外国人をチェック。国内では阪神を退団したマイク・キンケード外野手らが候補。
13−20日に藤井寺球場で行う。大島、吉岡らベテラン勢の参加は未定だが、改修する県営宮城球場に代わり、かつての近鉄の本拠地球場での始動となる。全選手参加による結団式は11日に仙台市内で開かれる。
中日・紀藤真琴投手が無償トレードで楽天に移籍することが8日、分かった。今季は0勝1敗、防御率8.20。井手編成担当は「球団が(トレードで)得をしようとは思っていない。まだ働けるだけに何とか働き場所を、と考えている」と移籍先を模索していた。楽天へのトレード移籍は横浜・中村武志捕手に続き2人目となる。
オリックスと近鉄の合併球団「オリックス・バファローズ」と新規参入する「東北楽天ゴールデンイーグルス」の分配ドラフトが8日、大阪市内のホテルで行われた。楽天は金田政彦投手、川尻哲郎投手ら投手を中心に40人を指名し、マーティ・キーナートGMは満点補強を強調。一方のオリックス・仰木彬監督はトレード志願している岩隈久志投手の説得に直接出馬する考えを示した。
キーナートGMが無数のフラッシュに満開の笑顔で応える。2日の新規参入決定から6日。「楽天イーグルス」に40選手の息吹が吹き込まれた。
キーナートGM、田尾監督、広野編成部長、米田準備室担当部長が分配ドラフトの席に着いた。控室には松井2軍監督、そして今季まで近鉄でコーチを務めた小野投手コーチ、山下バッテリーコーチが待機して万全の態勢で臨んだ。ニッポン放送のラジオ生出演のため田尾監督は途中退席したが「希望通り獲れた」と事前のシミュレーション通りの結果に満足げにうなずいた。
「投手中心の即戦力という観点から選んだ。それ以外にもレギュラーを張れる選手を何人も獲れた。ワクワクします。早く試合がやりたい」。キーナートGMも満足げに話したが、獲得した17投手の今季1軍勝利数はわずか25勝。野手も今季100試合出場は礒部、斉藤の2人だけと不安は拭えない。それでも牧田部長とキーナートGMが個々の選手に電話連絡した際に「新しい球団でフレッシュにスタートを切る」「110%頑張る」という言葉が相次いだという。選手の奮起と共に、今後の補強ポイントが明確になったことが最大の収穫だった。
40人の総年俸は約11億3000万円。当初予算として組んだ選手獲得費用27億円のうち15億7000万円が浮いている。「先発ローテーション投手を補強したい。FA、ドラフト、トレード全てで強化する」とキーナートGMは言い切った。田尾監督も「お荷物にならないようにしたい」と話した。40人の戦士は11日に県営宮城球場で“結団式”を行い、13日から藤井寺球場で秋季練習をスタートさせる。
今後の補強を経て、これからどんなチームが完成するのか。イヌワシ軍団の動向から目が離せなくなった。
プロ野球史上初の分配ドラフトが8日、大阪市内のホテルで行われ、合併新球団「オリックス・バファローズ」と新規参入球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」の陣容が固まった。オリックスはプロテクト25選手を含む67選手(投手29、野手38)を確保、楽天は40選手(投手17、野手23)を獲得した。楽天への移籍希望を掲げていた近鉄・岩隈久志投手はオリックス入りへ軟化し、またオリックス入りを拒絶した近鉄・礒部公一外野手は楽天入りが決まった。
ドラフト後に行われた会見で、両球団首脳は対照的な表情をのぞかせた。川尻、高村、金田らベテラン投手に、礒部、吉岡、川口らパンチ力ある打者を手に入れた楽天のマーティ・キーナートGMは「即戦力と(ポジションの)バランスを考えて、いいスタッフを選べた。100点満点」と白い歯。一方、礒部だけでなく近鉄・藤井、福盛にも入団を拒否され、手放したオリックス・中村勝広GMは「一言で言い表すなら断腸の思い」とポツリ。
50年ぶりの新規参入として産声を上げた楽天は、40人のプレーヤーを得て名実ともにプロ野球球団となった。ラジオ出演のため会議を中座した楽天・田尾安志監督も「かなり希望通り獲れた気がします」と手応えをつかんでいた。
楽天三木谷浩史オーナーが分配ドラフトに怒りの抗議をした。選手確定を受け8日夜、東京・六本木の楽天本社で会見。冒頭で「入っていただける選手は心から歓迎する」としながらも「25人プロテクトで、片方だけが有利になった。(旧態依然とした)日本プロ野球の縮図が出た」と強い口調で話した。楽天移籍の希望が叶わなかった岩隈についても「本人の意思ははっきりしてるんでしょ。やだ、と言う選手をそこに入れるのか」と無念そうだった。
以前から提案していたエキスパンションドラフトの必要性もあらためて主張。「今までは立場上言えないこともあったが、これからはしっかり考えたことを伝える。オーナー会議などですぐにでもお願いしたい」と話した。「やってやったんだからありがたく思え、と言われても、そうは思えない」。表情は厳しかった。
楽天田尾監督は、分配ドラフトに満足感を漂わせた。パーソナリティーを務めるラジオ番組に出演するため、一足先に会場を離れた。都内のラジオ局前で取材に応じ「いいドラフトができた」と笑顔で語った。35歳の川尻、金田、小池らベテランが多くなったことについては「まだ燃え尽きていないだろうし、実績ある選手は、やる気を持ってやれば結果を出せる。環境が変わることによって変わることがある」と、ベテランの底力に期待を寄せた。
架空だったチームが、ようやく実体を見せ始めた。この40人を基盤として、さらなる補強が始まる。9日の合同トライアウト、17日のドラフト会議。田尾監督は「それぞれが大きいが、やはり外国人選手が大きいと思う。予算の都合もあるが投手3人、野手3人は取りたい」と語った。目指すチームについては「投手の投球間隔を含め、スピードにこだわりたい。間延びした野球は見せたくない」と語った。
今日はキーナートGMらが、明大の一場靖弘投手(4年)の元を訪れ、条件面などの交渉を行う。田尾監督はトライアウトのため同席できないが「もちろん即戦力。ローテーションに入ってもらいたい」。グラウンドでの戦いが、ようやくスタートした。
楽天の田尾監督は8日、加入する40人のリストを確認し「かなり希望通りに取れた」と明るい表情を見せた。ただ、新規参入球団として「(リーグの)お荷物にならないように、戦力の補強をしないと」と話した。この日、自由獲得枠で即戦力の期待が高い明大・一場の入団が内定したが「1番難しい」という先発投手陣の整備が今後の課題となる。チームの基盤は見えてきた。9日は合同トライアウトにも足を運び、埋もれていた好素材を見つけにいく。忙しいオフが始まった。
分配ドラフトで40選手を獲得した楽天が、13日から20日まで藤井寺球場で秋季練習を行うことになった。米田純球団代表が8日、明らかにした。大島、吉岡らベテラン勢の参加は未定だが、改修する県営宮城球場に代わり、かつての近鉄の本拠地球場での始動となる。またこれに先立ち、この日確定した全選手参加による結団式が11日に仙台市内で開かれることも分かった。
近鉄・岩隈が8日、合併球団入りに柔軟な姿勢を見せた。この日、9日の日米野球第4戦(福岡ドーム)に備えて福岡入り。市内のホテルで会見し、オリックス側の説得交渉に応じる構えを見せた。
プロテクトという現実を突きつけられた最多勝右腕は言葉を選びながら「話を聞いてから考えたい。合併球団でのプレー?可能性はあります。話し合ってから」と話した。前日(7日)までオリックス入り拒否、楽天への移籍要望を掲げた強気な姿勢は、かすんでいた。
軟化しているのは確かだ。1日に足高圭亮球団代表と面談し、条件提示を受けた。今季の6500万円から自身が想定した1億5000万円に大幅アップにグラリと揺れた。「今は自分の我儘を言ってるだけですから」プロテクト拒否を貫いた礒部とは対照的に、冷静な自己分析もできている。
日米野球終了後には、オリックスと再度話し合いの席に着く。「近鉄でやってきた愛着と誇りがある。それをもってオリックスでやる気になれない」とも付け加えた合併球団の目玉となるはずのエースは、どちらの結論にたどり着くのか。
オリックスの仰木彬新監督が、合併球団入りへ難色を示している近鉄・岩隈久志投手の説得に乗り出すことになった。この日、分配ドラフトを終えた同監督は「岩隈はエースとして勝てるピッチャー。説得?色んな機会を見てやりたい」と発言。軟化の兆しを見せてきたとはいえ、まだ予断を許さない状況から、10日に行われる結団式で直接、慰留に当たる意向だ。
合併球団オリックス・バファローズに所属する選手の陣容が決定した。ポスティングシステム(入札制度)による大リーグ移籍を目指す近鉄・中村紀洋内野手や、オリックスの主力・谷佳知外野手はプロテクト(優先保有)で合併球団入り。トレード志願していた近鉄・岩隈久志投手は分配ドラフトで合併球団に入った。
楽天入りの希望が叶わなかった岩隈は、「まだ球団と話し合っていないし、これからという感じ」と落胆する気持ちを抑えながら話した。午後6時ごろ、近鉄・藤瀬管理部長から連絡を受けた。「プロテクト(優先保有)してあると聞いていた。できれば外して欲しいと思っていたけど、無理だろうなとも思った」と複雑な心境で運命の1日を待ったという。「ずっと近鉄でやってきて、愛着と誇りがある。それを(合併球団に)持っていけない。みんなで野球ができないのが辛い」と胸の内を吐露した。
合併球団の仰木監督は「(近鉄とオリックスを足して)2つに割ったので60対40というところ。100になるように埋めていかなければ」と早くも勝負師の顔。補強のポイントは投手陣の整備と外国人の長距離砲獲得。今季最多勝の岩隈については「色んな機会をとらえて、できるだけ声を掛けたい」。中村についても「メジャー指向はあると思うが希望は捨てていない」と、あくまで前向きだった。
楽天への移籍を志願している岩隈に対し、仰木監督自ら直接出馬を明言した。合併球団にとって運命の分配ドラフト。長い会議を終え、球界最年長の指揮官は居ても立ってもいられなかった。
「彼は新しい我々の球団の超エース。色んな機会をとらえて話すつもりです」。近鉄に強い愛着を抱く岩隈は、オリックスのプロテクト枠に入ったことが明らかになった4日、即座に強く反発。「僕は近鉄に育てられた人間なので、合併球団では、やるのは気持ち的に難しい。楽天で新たな気持ちでやる方がいい」と移籍を志願した。この発言を受けてオリックスでは対応に苦慮した。
この日午後6時すぎに近鉄・藤瀬管理部次長から、正式にプロテクトされたことを通達された岩隈は返答は保留。「できればプロテクトされたくなかったのが本音。オリックスではやりたくありませんから。楽天は新しいチームなので魅力を感じている」と今まで通りかたくなな態度を貫いた。
このため仰木監督は“残留”の説得に直接出馬を決意。既に7日に水面下で岩隈と連絡を取っており、10日にも大阪市内で直接会談を行いたい意向を伝えている。同日は新球団の結団式が予定されており、岩隈の参加は流動的なものの、大阪ドームで日米野球が行われるため、全日本のメンバーに入っている岩隈は大阪に滞在。ここで誠意を持って説得する。
「説得というか、みんなで新しい気持ちで出発したい。新チームとして今1番必要なのは一致団結、一体感」と仰木監督。リーグ最多の15勝を挙げた岩隈の慰留が、そのまま新チームの浮沈に直結するだけに、早くも“仰木マジック”の成否が問われることになる。
自我を押し通した。オリックスの入団要請を徹底拒否した近鉄・礒部の楽天入りが、正式に決まった。午後6時すぎ、楽天のマティー・キーナートGMから指名の連絡を受けた後、大阪・難波の球団事務所で会見に臨んだ。
「楽天は今までのプロ野球を変える上で1番いいと思う。力を合わせて、プレーオフ進出を目指したい」6月13日の合併合意発表から約4ヶ月。スト、プロテクト問題とグラウンド外で戦い続けてきた選手会長が、やっと表情を崩した。
プロテクトされた場合、オリックスからのトレード要求をぶち上げるなど、強硬な姿勢でつかんだ仙台行き。その一方で岩隈を筆頭に、礒部と同じ思いを持ちながらオリックスに行く選手もいる。「非常に複雑な気持ち。他の選手についてのコメントは差し控えたい」と口を閉ざした。
分配ドラフトで楽天入団が決まった礒部公一外野手は8日、大阪市内の近鉄球団事務所で会見した。
オリックスと近鉄の合併球団入りに難色を示していた礒部は「わだかまりのある中で、合併球団でプレーはしたくなかった。1からのスタート。新しい球団で野球ができるのはありがたい。現状の結果がベスト」と心境を口にした。岩隈ら近鉄の他の選手の所属先について問われると「コメントを控えたい」と厳しい表情を見せ、近鉄ファンには「(近鉄)バファローズの選手を個人的にでも応援して欲しい」と願った。
本拠地である仙台の印象はまだ分からないという。「楽天はこれからのプロ野球を変える上で、1番いい球団だと思う。みんなで力を合わせて、プレーオフ進出を目指したい」と力強く抱負を話した。
新規参入の楽天が2軍本拠地を仙台市に置く意向を表明したことについて、誘致に名乗りを上げていた山形県の高橋和雄知事は8日の記者会見で「山形にも、と重ねて申し上げたい」と話し、あらためて誘致する考えを表明した。11日にも金森義弘副知事が東京の楽天本社を訪問し、三木谷浩史社長に直接アピールする。
会見に同席した金森副知事は「(2軍施設の候補とみられる仙台市の)JT球場は一括売却を希望しているようで、多額の資金がかかる。上京して山形の優位性を話し、積極的な(誘致)活動をしたい」と話した。
楽天が清原獲りへ、補強費増額を検討することになった。分配ドラフトを終えたマーティ・キーナートGMは今後の補強について合同トライアウト、新人ドラフト、外国人、FA選手のほか、金銭トレードも視野に入れていることを認め、他球団移籍の可能性が出てきた巨人・清原について「野球協約のもとで、入る方法があればね。大物ならオーナーに予算の増額を求めることもある」と話した。
楽天は早期黒字化を目指すため、選手年俸は低予算を組んでいる。年間の補強費はわずか5億円。この日の分配ドラフトで、ようやく球団の体を成したが、これだけでは勝てない。明大・一場靖弘投手を自由獲得枠での指名を決め、エース候補は決まったが、客の呼べる4番候補選びは難航しており、補強費増額は避けられない状況だ。
田尾安志監督は今後の補強について「他球団で力はあるがチャンスが与えられない人達に、楽天の戦力になっていただきたい」と話し、帰京して出演したニッポン放送ラジオのレギュラー番組で「清原は僕としてはまだやれる選手だと思う。チャンスがあれば結果を残せる」と強い関心を示した。
球団に対して、既に低予算で運営するよう通達している三木谷浩史オーナーだが「華のあるスーパースターが1人は欲しい」という考えもあり、清原クラスなら「キャッシュで300億円」とされる私財を投げ打ってでも、獲得に乗り出す可能性もある。
ヤクルト・飯田哲也外野手の楽天移籍が8日、確実となった。ここ数年、出場機会が激減していた飯田は戦力外通告されたが、現役続行を強く希望し、球団側はトレード要員に切り替えて移籍先を模索。この日までに全国区の知名度に加えて守備力を評価する楽天側と合意した。
92年に盗塁王、ベストナインに輝いた飯田は、91年から7年連続ゴールデングラブ賞を獲得するなど、野村ID野球の申し子的な存在。今季は左手首骨折のために1軍出場はわずか3試合だった。神宮外苑で秋季練習を行っている飯田は「僕は待つ身。それしかできないですから」と話すにとどまったが、ケガは完治。十分に動ける手応えはつかんでいる。横浜から楽天へ移籍が決まった中村武志捕手と同じ無償トレードとなる方向だ。
楽天は、中日・関川浩一外野手も無償トレードで獲得する方針。さらに、オリックスを戦力外となった山崎武司内野手の獲得も濃厚となっており、いずれも優勝経験があるベテラン勢だけに新チームには大きな財産となりそうだ。
金銭授受問題で明大野球部を退部した一場靖弘投手が9日、記者会見し自由獲得枠での楽天入りを表明する。午前中に楽天・キーナートGM、広野編成部長が東京・調布市の明大合宿所を訪問し、その場で契約締結内定書にサインする予定。別府元総監督は「評価の1番高いところでやるのがいい。楽天に決まって本人もホッとしているようだ」と話した。
巨人、横浜、阪神からの金銭授受が発覚した明大・一場靖弘投手が9日、東京・調布市の明大合宿所で楽天入り表明の会見を行う。当日は午前中に楽天・広野功編成部長が明大合宿所を訪れ、条件面について交渉。その後、一場本人が自由獲得枠契約締結内定書にサインして、そのまま会見を行う。
一場の後見人となる別府隆彦・明大前総監督は「自由獲得枠ということで、価値を認めていただいた。ありがたいこと。一場も新しいところでやれると、前向きになっている」と話した。球界を動かした“一場騒動”は“楽天・一場”の誕生で一件落着となりそうだ。
金銭授受問題で明治大学野球部を退部していた一場靖弘投手が、自由獲得枠で楽天球団入りすることが内定した。同大野球部の別府隆彦元総監督が8日、明らかにした。同投手は既に楽天に入団の意向を伝えており、9日にコミッショナー事務局に手続き文書を届け出て、契約締結内定選手となる。一場投手は、来季からパ・リーグに新規参入する楽天に入団が内定した最初の選手となった。
楽天の米田純代表は「獲得の最大の決め手は、彼が即戦力ということ。嬉しいことです」と述べた。別府元総監督は「最高の評価をしてもらった。お騒がせしたが、進路が決まってよかった」と話した。
同投手は大学球界ナンバーワン右腕の評価を受けていたが、巨人、横浜、阪神のスカウトから金銭を受け取ったことを認め、明大野球部を退部していた。一場には複数の球団が興味を示していたが、自由獲得枠での獲得を名乗り出ていたのは楽天だけだった。
ダイエー球団の買収を表明しているソフトバンクの孫社長が、あらためて「ダイエー1本」を強調した。この日、都内で報道陣に対応した孫社長は「早くから思いを寄せてきた。あくまでホークスで頑張る」と明言。西武球団買収の可能性については「もし(ダイエー買収が)100%遮断されれば、その時に考える」と含みこそもたせたが「あくまでホークスで」と繰り返した。ダイエー買収の今後については「1歩1歩前進しているのではないか。何が何でも来季に間に合わせたい」と語った。
球団売却の方針を固めた西武の買い取りにブロードバンド通信大手の「有線ブロードネットワークス」(本社・東京都千代田区)が8日、名乗りを上げた。同社に近い関係者がこの日、証券会社を通じて西武買収の打診を受けたことを明らかにした上で、200億円から250億円の買収額を希望する西武側との交渉が条件面で折り合えば、買収に乗り出す考えを表明。同社はダイエー買収にも積極的に乗り出しており、球界参入への意思を明確にしたことになる。
日本一軍団の買収に前向きな姿勢を見せる企業が現れた。ダイエー買収に興味を示している「有線ブロードネットワークス」が、条件つきながらライオンズ買収に手を挙げた。
「有線−」に近い関係者によると、西武がライブドアに売却を打診したとされる10月中に、証券会社を通じて打診があったことを認めた。さらにこれに対する西武側への回答を現在のところ、保留していることを明らかにした。
ネックになっているのは西武側が希望しているといわれる200億円から250億円の高額な買収額。関係者は、その価格が下げられた場合という前提で買収の可能性について言及した。今後、金額などの条件面で折り合いがつけば、実際に買収に乗り出す構えだという。同社を知る関係者によると、現在は球団の財務内容、さらに西武サイドが実際に条件の変更をしてくるかどうかなどを詳細に分析している最中で、近く正式に回答するものとみられる。
「有線−」は10月にダイエーの身売りが取り沙汰された時にも、買収に強い意欲を見せていた。当時は「プロ野球にコンテンツ(情報の内容)として大いに関心を持っているが、ホークスについて現時点では明確な方針を決定していない」とコメントを発表。同社は続けて「今後、プロ野球とのかかわりについては、プロ野球ファンと各方面の影響に十分配慮し、長期的、かつ極めて慎重にその可能性を検討していく」という姿勢を打ち出していた。
同社は放送、カラオケ業を主な業種とする企業で、昨年の売上高は1219億円余り。さらなる知名度アップを図るため、球団を所有することには積極的で、球界参入の方策についてかなり具体的にシミュレーションを繰り返しているとされている。
「新規参入を含めて、球界参入には強い意欲を持っている」と近い関係者も証言する。今後、西武が売却額を下げるか、本拠地をどこに置くのか、などが交渉の焦点になる。西武との買収交渉に本格的に乗り出すのか、あるいは1年後の新規参入を目指すのか。近日中に出される結論に注目が集まりそうだ。
西武がライブドアなどに対し球団売却を申し入れたことに関して、パ・リーグの小池唯夫会長は8日、「真相が分からない」と慎重な姿勢を示した。ライブドアは、楽天と共に新規参入を申請した際に日本プロ野球組織(NPB)の審査を受けているが、実行委員会は今後の参入に関しては白紙であると判断。同会長も「西武から話があれば、実行委やオーナー会議で話はするだろう」と話し、正式に買収が決まった場合、審査の必要性を話し合う方針を示した。また、一連の球団売却への動きについては「情勢を見守りたい」と静観する考えだ。
プロ野球の根来泰周コミッショナーは8日、西武の売却報道に関して「何も分からん。新聞報道しか知らない」と話した。同コミッショナーは「オーナー会議の議長というのは、議事を整理するだけ。代表という立場でもない。何か起きた時に相談にいけるような立場を作ることも必要では」との考えも示したが、ダイエー、西武と相次ぐ売却騒動にうんざりした様子だった。
西武ライオンズの親会社であるコクドは8日、三上豊社長のコメントを発表。一連の球団売却騒動の沈静化を狙ったものだが、複数の企業に打診した交渉は高額の提示額もあって難航。一時的に売却を“凍結”せざるを得ない状況になったといえる。しかし、三上社長は赤字の増大に加え、球団の地位がグループ内で低下していることを指摘。今後も水面下で売却の方向性を探るのは確実な情勢だ。
この日午後、広報部を通じて「コクドとしては西武ライオンズを売却するつもりはございません」との談話を発表した三上社長。9時すぎに埼玉県内の自宅に帰宅した際も「そこ(ライブドア)の社長も知らない。売る売らないというのは現時点では一切ない。よそに打診もしていない」と売却の動きを否定した。一時的な凍結。交渉の難航により、ひとまず事態の沈静化を図らざるを得なくなったのが実情だ。
これまでコクドは複数の企業に売却を打診してきたが、提示額は200〜250億円と高額。さらに西武ドームを本拠地とする条件も加えたことで、企業側は難色を示したとされる。そんな状況で売却話を進めるのは不利との判断がはたらいたが、だからといって、全てが丸く収まる訳ではない。三上社長は「会社は9年前から赤字。その時から選択肢の中で“野球はどうしようか”とは考えている」と苦しい球団経営に言及。さらに「銀行は甘くない。リストラ?球団は買ってくれるところがあれば選手はプレーできる。社員よりもかわいそうじゃない」と話し、近い将来の売却の可能性に含みを持たせた。
グループ内で球団の地位が低下している点も大きい。三上社長は観客動員の低迷を指摘した上で「今は社員が一生懸命に応援しているのはアイスホッケー」と明言。「昔は新潟など、営業所のあるところで子供にバッジを配って“20年後のファンになってもらうため”と考えたけど今は(コクドの)熱意が違う」。グループ内での球団経営の熱意は大きく低下しており、そこに有価証券報告書への虚偽記載問題、西武鉄道の株価急落などが追い打ちをかけている。
現状ではコクドを中心としたグループの抜本的なリストラは不可避。今後は引き続き水面下で球団売却の道を探る方針とみられ“再燃”も含め日本一球団の先行きは依然不透明だ。
西武球団の親会社、コクドの三上豊社長が8日、現時点で球団売却の意思はないと明言。売却を打診したことも否定した。「売りません。(売却の)打診もしていません。打診してきたという外資の証券会社がどこなのか、教えて欲しいくらいです。ライブドア?全然、知りません」と語った。
ただし、西武グループが1兆2000億円ともされる有利子負債を抱えていることで「銀行が(売却を)言ってくる可能性はある。社員をリストラするよりもかわいそうではないから。選手はどこかが買ってくれたらプレーできますし」と、将来的な売却の可能性は否定しなかった。
コクドは西武鉄道株の虚偽記載問題が発覚する前後から、複数の企業に球団売却を打診してきたことが、複数の企業の証言によって発覚。しかし、200億円以上という提示額が障害となって交渉は難航。また、これが表沙汰になったことから当面、交渉を凍結した方が得策と判断したとみられる。
西武・星野好男球団代表は所沢市内の球団事務所で「売却という話は、親会社(コクド)も承知していないということでした。球団としても来年も通常通り運営していくので、しっかりと仕事をしてください」と職員に訓示。午後には秋季キャンプ中の宮崎・南郷町で、伊東監督や選手に同様の説明を行った。また、西武の球団事務所にはファンからの電話が約20件。広報担当によれば「本当に売却?「売らないで!との内容が大半で「26年間応援しているんです」と泣いている人もいたという。
西武から売却を打診されていたインターネット関連のライブドアは「現時点で西武球団を買収する意向は全くない」との談話を発表。ただ、200億円以上の売却金額を「100億円未満」と“設定”するなど、一定の条件が揃えば検討する余地があることを示唆。先月に日本プロ野球組織による資格審査を受けたため、コクドとの間で合意ができれば、審査なしの無条件で参入できることも、買収の前提としている。また、奥田碩・日本経団連会長も西武球団の売却問題について「200億円は高すぎる」との見解を示した。
根来泰周コミッショナーは8日、東京・内幸町のコミッショナー事務局でダイエー、西武と続く親会社の経営悪化に端を発する球団売却問題について「今はそうなった(球団経営ができなくなった)場合に相談に行く窓口がない。そういうものを作らないといかんね」と緊急時の“対策室”の必要性を唱えた。「オーナー会議の議長も議事を進めるだけだし、現状では誰に相談に行けばいいか分からないよね」と組織の見直しを含め、対応に当たる構えだ。ただ、西武の売却話そのものに関しては「全く聞いてないし、知らない」と口を閉ざした。
西武球団首脳は8日、売却問題の沈静化に努めた。星野好男球団代表は、球団職員に対し「球団としてはこの形で運営していくので、今まで通り仕事をするように」と指示。事態の収拾を図った。
同代表は午後、キャンプ地の宮崎・南郷へ赴き、伊東監督以下、コーチ、選手らに対し「親会社(コクド)の方から売る意思がないと明確に発表がある」と説明。「日本一のチームに申し訳ない。来季に向かって頑張って練習してください」と要請した。「来季以降も西武?そういうことです」と球団売却の可能性を完全否定した同代表。12月15日からの優勝旅行(ハワイ)、来春の南郷キャンプの変更もない。
また、親会社のコクド・三上豊社長はこの日、「球団を売却する考えはありません」とのコメントを発表。その上で「具体的に話が進めば、私のところに来ると思いますが。継続保有?そのままということです。もちろん金融筋から(売却するよう)言ってきたら分かりませんが」として自らの意思で売却する可能性を強く否定した。
西武の親会社コクド(東京・渋谷)の三上豊社長が、球団売却の意思がないことを公式に明らかにした。8日、球団を通じ「西武ライオンズ売却の報道の件について、あらためて報告させていただきます。コクドとしては、西武ライオンズを売却するつもりはございません」とコメントした。IT関連企業「ライブドア」など複数企業に売却を打診していた報道を、否定する形となった。
同日、星野好男球団代表は事情説明に追われた。午前中に埼玉・所沢市の球団事務所で職員に「親会社のコクドは(売却は)承知していないと言っているし、来季も今まで通り仕事をしてください」と説明。午後には秋季キャンプ中の宮崎・南郷に入り、宿舎の日南海岸南郷プリンスホテルで首脳陣、選手に「日本一のチームだから誇りを持って、力を磨いてください」と直接、伝えた。質問は出なかったという。
同代表は他企業に球団売却を打診していた点についても「ないと認識しています」。来季以降も西武ライオンズとして継続していくことに「そういうことですね」と断言していた。
IT関連の「ライブドア」(堀江貴文社長)はこの日、「現時点で西武球団を買収する意向はまったくない」との談話を発表した。ただ「(球界に)興味がない訳ではない」とし、コクドが提示したとみられる200億円以上の売却額が100億円未満に下がるなど、一定の条件が揃えば検討する余地があることも示唆した。また先月には日本プロ野球組織による資格審査で“落選”しており、コクドとの間で合意ができれば審査なしの無条件で参入できることも買収の前提としている。堀江社長は前日も西武買収の前提として「審査撤回」を要求していた。
ライブドアの西武買収話に、パ・リーグ小池会長は「西武から何か言ってくれば、パでも実行委でも話し合うが、何もきていないからねえ」と戸惑いを隠せなかった。現時点では西武から連絡はなく、事態を見守っている段階だという。もし、買収が実現するようなら、新規参入を決める際の審査小委員会で落選した会社がチームを持つことになる。同会長は「過程の話だからねえ。どういう動きになるか分からないし、一般論だが、事態の進展いかんでしょう」と話すにとどめた。
根来泰周コミッショナーは8日、西武の球団売却問題に触れて、日本プロ野球組織(NPB)にオーナーレベルによる、球団参加問題の窓口をつくるべき、との見解を示した。同コミッショナーは今回の件を「全然聞いてない。権限がない」とした上で「こういうことを相談にいく窓口がない。オーナー会議みたいな、きちっとしたものをつくらないといけない。オーナー会議の議長だって(野球協約には)代表するのでなく議事を整理するとしか書いていない。おかしいと思う」と現状の不備を指摘。何らかの改善を促していた。
セ・リーグは8日、都内で理事会を開き、来季から実施される交流試合に向けてパ・リーグとのルール統一などについて検討した。両リーグには個々の申し合わせ事項があるため、野崎理事長(阪神球団社長)は「統一できるところは統一すべく検討していく」と話した。今回はセ事務局が危険球、サスペンデッドゲーム、15秒ルール、ユニホームに着ける宣伝ロゴなど、検討が必要と思われる約20項目の叩き台を配布。各球団が持ち帰り、問題点などを検討することになった。野崎理事長は「1月中には決めたい」と話した。
統一事項が定まった場合は交流試合だけでなく、オールスター、日本シリーズといった両リーグが対戦する試合で適用する予定。これを機に公式戦でも統一していくことについても、同理事長は「まだ、そこまで突っ込んだ話はしていないが、そういうこともあるかもしれない」と話した。
プロ野球の公式戦使用球が統一される可能性が出てきた。12球団が来季からの公式戦使用球の抜本的な見直しを検討していることが8日、分かった。既にコミッショナー事務局を中心に、現在使用されているボールの素材、工法などに関するリポートが各球団に配布され、15日に開かれる実行委員会で話し合われることが決まっている。
公式戦使用球についてはミズノ社製のボールを使用している巨人、横浜などのホームラン数が増えたことから、メーカーによる飛距離の違いが取り上げられ、現場中心に公式球の統一を求める声が上がっている。現在、パ・リーグは6球団がミズノ社製を使用。セ・リーグは6社のボールを球団裁量で使用している。
15日の実行委では、使用球統一を含めた議論を行う予定。球団とメーカーとの長年の取引関係も考慮し、1社統一が難しい場合は各メーカーに同じ素材、工程でのボール製作を義務づける案など、新たな基準を設けることも検討されている。
セ・リーグ理事会が8日、東京・銀座の事務所で行われ、来季から導入される交流試合などについて意見調整した。セは指名打者制、予告先発などを実施しておらず、危険投球の解釈などにもパ・リーグと違いがある。統一したルール作りのためセ事務局が整理した資料を各球団が持ち帰って、それぞれ検討することになった。理事長の阪神・野崎球団社長は「統一できるところは統一しようということになった。1月中には決めてしまいたい。最終的に決めるのは実行委員会」と話した。
セ・リーグの理事会が8日、東京・銀座の連盟会議室で開かれた。来季から導入されるセ、パの交流試合について、現在、両リーグ間で異なるルールを統一し、運営していくことを確認した。両リーグはそれぞれアグリーメント(申し合わせ事項)を基にペナントレースを戦っているが、DH制度や危険球の扱いなど、異なる部分がある。今回、セ側は20項目を叩き台として列挙。今後、両リーグの事務局で細部を詰めていく。「統一できることは統一しようということ」と野崎勝義セ理事長(阪神球団社長)は説明。現場の意見も聞きながら、来年1月中には決定したい意向だ。統一された場合は、オールスター戦や日本シリーズなどでも適用される可能性もある。
セ・リーグ理事会が8日、東京・銀座の事務所で行われ、来季から導入される交流試合などについての意見調整をした。セは指名打者制、予告先発などがなく、危険投球の解釈などにもパ・リーグと違いがある。統一したルール作りのためセ事務局が整理した資料を各球団が持ち帰って検討することになった。理事長の阪神の野崎球団社長は「統一できるところは統一しようということになった。1月中くらいには決めてしまいたい。最終的に決めるのは実行委員会」と話した。