ロッテのバレンタイン監督が、トライアウトを直接視察した。終了後には宮田編成部長代行らと約30分間にわたり即席の編成会議を行った。同監督は「6人くらいに興味を持った。そのうち2人くらいと交渉するんじゃないか」。宮田編成部長代行は「年俸やチームの人数枠の問題もある。他球団が動くかもしれないので帰ってから決めたい」と話すにとどめた。
全米が力の差を見せつけた。1回、クロフォードが失策で出塁。盗塁と城島の悪送球で無死三塁。続くブラロックの先制打など4連打を含む5長短打で4点。これで試合の流れをつかんだ。先発ピーピはチェンジアップを駆使し5回2失点。継投も決まり全日本の攻撃を封じた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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全日本 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
全米 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | x | 7 |
経営再建中の大手スーパー、ダイエーが保有する「福岡ダイエーホークス」の全株式を、通信大手のソフトバンクに売却し、プロ野球界から“完全撤退”することが9日、明らかになった。産業再生機構の活用を決めたダイエー本社は、本業の立て直しに集中するため、球団株の売却を決断。売却額は福岡ドームなどを運営するコロニー・キャピタル社と交わした契約に基づき、約50億円程度の額となる。今週中にも日本プロ野球組織(NPB)などと協議に入る。ソフトバンクも来季の参入に積極的で、今月内の決着を図る。パ・リーグの雄が来季、新たなスタートを切る。
くすぶり続けてきた球団売却が、ついに現実のものとなった。この日午後、東京から福岡に戻った佐々木博茂球団会長が、ダイエー本社が球団売却の方針を固めたことを明かした。「ソフトバンク?(売却先の)候補の1つであることは違いない。今は売却するかというのを検討しているところ。球団に初めて、そういう話(売却話)が下りてきた」。佐々木球団会長はダイエー本社の取締役を兼ねており、前日8日に同社の蓮見社長、高木会長、清野専務、土谷常務取締役らダイエー本社幹部との緊急会談を終えたばかり。「(結論までに)あまり時間はかからない」とも語り、球団買収に名乗りを上げているソフトバンクへの身売りの、近日中の完了も示唆した。
ダイエー本社は10月中旬に産業再生機構の活用を決断。これまで「単独継続保有」を主張し続けてきた方針を大きく転換した。現在保有している98%(残り2%は中内オーナー保有)の球団株の全株式を手放し、ダイエー本社は経営立て直しのため、本業に集中し、プロ野球部門から完全撤退する。
球団売却額は低額だ。ダイエー本社が、福岡ドームや隣接するホテルを持つ米投資会社コロニー・キャピタルに球団売却先の「推薦権」を与え、売却額を50億円程度に設定する契約を交わしている。そのため売却額は約50億円になる見込み。コロニーとは、今後30年間、主催試合8割の福岡ドーム開催や、事前了承なしに球団を売却すれば多額の違約金(約900億円規模)が発生するなどの契約も結んでいる。今回の売却決定は、こうした契約をクリアできる見通しが立ち、コロニーがソフトバンクを売却候補として推薦したためと見られる。
球界再編問題の真っただ中だった今夏、ロッテから球団買収を打診された際に、球団の価値は約200億円ともいわれていた。最近の西武ライオンズの売却問題でも200億円ともいわれた。リーグ唯一300万人超の観客を動員する人気チームからすれば破格の「安値」での身売りとなるようだ。88年オフ、ダイエーは南海から球団を買収した。16年の歴史の中で、名実ともに球界屈指の球団に成長しているだけに「大安売り」の感は否めない。
10日以降、ダイエー本社は産業再生機構やNPBなど関係先との最終調整に入る。ソフトバンクの孫社長は先月18日に球団買収を表明した際、球団名に「福岡」と「ホークス」を残すことを示唆した。オリックス、近鉄の球団合併を発端にした球界再編の激動は、ダイエー身売りで新たな局面を迎える。
球団買収を表明しているソフトバンクが、あらためて来季からの球界参入に強い意欲をみせた。この日、ソフトバンク広報室は、ダイエー本社から球団売却の正式打診はないとしながらも「球団を買収する用意はあり、全力投球をしているところ。(社長の)孫も『今はダイエーホークスの買収に向けて全力を注いでいる』と言っているので、当社としては福岡で球団を運営したいという気持ちに何も変わりはありません」とコメントした。球界では西武も球団売却問題が浮上しているが、同社広報室は「福岡でホークス1本です」と、あくまでダイエー買収に意欲的だ。
まず15日に予定される実行委員会で話し合われ、その後パ・リーグ理事会、臨時実行委員会などで継続審議されることになる。野球協約では11月30日までにオーナー会議の承認が必要。ただ、特別な事情がある場合は期限延期できる。横浜の筆頭株主がTBSに代わる際のオーナー会議は年明けの02年1月下旬に開催、最終承認は開幕直前の3月だった。9月8日のオーナー会議で、議長を務める巨人滝鼻オーナーは「万が一球団が消滅するとか、その他動きが出たときはオーナー会議が機動的に審議していく」という確認事項をしている。審議過程で、協約の参加資格で規定のある外資企業のかかわりなどが重要議題となる可能性がある。なお、これまで参入の障壁となっていた参加料30億円は撤廃。協約を改正し「預かり保証金」として25億円、「協力金」として5億円を納める制度に変わった。
88年9月、ダイエー(中内功社長)が南海ホークスに球団譲渡を申し入れ、買収が決まった。当時の南海は11年連続Bクラスに低迷、親会社の南海電鉄は関西新空港開業に合わせて大阪球場を含む難波再開発計画に取り組む必要に迫られていた。吉村茂夫オーナー(南海電鉄社長)は、ホークスの名前を残すなど3条件を出してダイエーと協議。本拠地の福岡移転を含めて中内社長と合意し、同年10月1日の実行委員会、オーナー会議で「福岡ダイエーホークス」が承認された。買収額は南海電鉄が球団に選手補強費などの名目で貸し付けていた20億円を相殺できるレベルを最低条件とし、名門ホークスの「暖簾代」などを加えた推定20〜30億円とされる。
産業再生機構は9日、ダイエーが福岡ダイエーホークスをソフトバンクに売却する方針を固めたことで、今後、譲渡額や買収先が適正かどうかを厳しく調査し、本体の資産価値の変動がどの程度になるかを見極める意向を示した。
ダイエーは経営の立て直しに向け再生機構に支援要請したが、現在は支援決定前のため、再生機構は球団株式の売却を阻止する強制力はない。しかし「売却額が過少であれば企業価値を損ねる」(幹部)と懸念、売却価格など情報開示をダイエー側に求めた。売却条件次第では支援決定後に経営陣の責任追及を検討する構えも見せている。
球団は、優勝セールなどで収益面の相乗効果が高いとされる。再生機構もこうした相乗効果については重視し、来月の入札などを経て選定する支援企業の意見も尊重した上で、球団のあり方を検討するとしていた。しかし、球団が切り離された場合、ダイエーの企業価値が低下することを警戒している。村上誠一郎産業再生担当相もこの日、査定中の売却について「事業に重大な影響を与える行為があるとしたら好ましくない。仮に売却するなら当事者(ダイエー)からきちっと説明がなされて然るべきダ」と注文をつけた。
再生機構のある幹部は、売却方針が明確になったことについて「ダイエーにはもう自由裁量権がない」と指摘、球団の推薦権を持つコロニー・キャピタルの強い影響力が反映しているとの見方を示している。
福岡ドームを保有する米投資会社コロニー・キャピタルの増井利夫駐日代表は、ダイエーのソフトバンクへの球団売却に理解を示した。ソフトバンクの孫社長が球団買収を表明後、会談した事実を明かし「経済面で(球団を)強く支えていこうというのを感じた。そこが球団には1番大切なんじゃないかな。(ソフトバンクは)球団にお金を入れてしっかりやろうというほかの企業と違うイメージでとらえている」と話した。
新規参入の審査小委員会のメンバーでもあった巨人清武球団代表はこの日、ダイエー球団がソフトバンクへの売却が有力となったことについて審査の必要性を主張。「報道でしか知らないし、仮定の話はできない」とした上で、「審査のテーブルには上げなくてはいけないでしょう。審査小委みたいなものは必要ないでしょうが」と今後の見通しについて語った。
今月中にソフトバンクへの球団売却が決定的となった9日、ダイエー王貞治監督は、くしくも本拠地・福岡ドームでの開催となった日米野球第4戦の指揮を執った。全米主催ゲームでビジター用ユニホームだったが、ダイエー指揮官として本拠地に立つのは最後になる可能性が高い。「できればこのユニホームで来年も」としながらも、ソフトバンクの資金力による戦力補強を歓迎した。王監督は「来年もやる」と明言。球団名が変わっても福岡の地で、日本一奪回を目指す決意だ。
会社が変わろうと、ダイエー王監督の夢は終わらない。「オレは来年もやると決めている。自分の気持ちの中で決めている」。再編問題、球団売却と球界は“変革期”に突入した。誰よりも球界の発展を願い、責任感の強い王監督だからこそ、投げ出すように自分から身を引く訳にはいかない。今季連覇に失敗したチームを再び頂点に導く決意に、何ら変わりはない。
ソフトバンクへの球団売却が決定的となった。もちろん、自分を招聘してくれたダイエーへの恩義は忘れていない。10年間、着続けた「FDH」のユニホームにも愛着はある。くしくも、この日は本拠地・福岡ドームで日米野球第4戦。午後4時すぎにグラウンドへ姿を現した王監督の表情は硬かった。「この(ダイエーの)ユニホームで来年もできれば本当はいいが(球団売却などは)我々とは関係のないところでやっているものだから…」。全米の主催ゲームのため、黒いビジター用ユニホームに袖を通した。「ホーム用じゃないんだよね」と語る89番の背中は寂しげだった。その「FDH」ユニホームでの本拠地ラストゲームが濃厚な状況で、試合は黒星を喫した。「最初に勢いをつけたかったが、先に点を取られると苦しい」。試合後は、連敗を止められなかった悔しさが口をついた。
複雑な思いは封印し、前に進まなければいけない。ここ数年はダイエー本社の経営難もあり、大型補強に乗り出せなかった。昨オフの小久保無償トレードに続き、今度は井口もチームを去る。総資産2兆円近くといわれるソフトバンクが経営母体となれば、状況は一変する。「現状より補強費が出る?それは大歓迎だね。(今まで手が出なかった外国人など)調べる選手の範囲も広がる。戦力がないと戦えない。戦力補強が重要」。ファンへの最高のサービスは勝利だ。そのために不可欠な戦力補強に話が及んだ時は、笑みを浮かべながら明るく、振る舞った。「福岡で野球をやれることが大事。福岡はファンとのつながりもしっかりしている」。年間300万人を超える熱烈なファンの期待に応えるためにも、来季V奪回しか、王監督の脳裏にはない。
1938年、南海電鉄を経営母体に誕生した南海が前身。春秋制の38年秋からリーグに参加して8位。44年に近畿日本、46年に近畿グレートリングと改称し、47年から南海ホークスに。1リーグ時代に2度優勝し、鶴岡、野村両監督の下で10度のパ・リーグ制覇。59年に巨人を破り、初の日本一に輝いた。73年の優勝を最後に低迷が続き、88年オフにダイエーが買収、本拠地を大阪球場から福岡の平和台球場に移した。93年に福岡ドームが完成。95年から王監督を迎え、99年にダイエーとして初のリーグ優勝と日本一に。00年はリーグ連覇を達成し、長嶋巨人との「ONシリーズ」を実現。03年は全球団に勝ち越す「完全優勝」でリーグ制覇。阪神を下し、4年ぶりの日本一に返り咲いた。今季はレギュラーシーズンこそ1位で通過したが、プレーオフで西武に敗退した。球団事務所は福岡市中央区地行浜2の2の2。中内正オーナー、佐々木球団会長、高橋球団社長。
産業再生機構に支援要請し、経営再建中のダイエー本社が、福岡ダイエーホークス球団を、情報通信大手のソフトバンクに売却する方針を固めたことが9日、分かった。既に話し合いは最終段階を迎えており、今週中にも売却が正式発表される。両社は11月中のプロ野球オーナー会議の承認を目指し、最終調整に入る。
混沌としていたダイエーの球団売却問題がついに最終局面を迎えた。産業再生機構に支援要請をしているダイエー本社が、球団をソフトバンクに売却する方向で最終調整に入ったのだ。
産業再生機構の活用を決めた後も球団の『単独保有』を強調していたダイエー本社だが、ここに来て支援決定後の球団売却が不可避となっていた。どうせ売るのなら主体的に、ということで今月に入って売却へと方針転換。現在資産査定中だが、早くても12月になる支援正式決定の前なら、法的にも問題はない。
ダイエー・佐々木博茂球団会長はこの日、本社の意向を確認した上で「売却の可否も含めて検討している。売却の可能性?フィフティー・フィフティー」と、初めて売却について言及。判断する時期についても「それほど延ばせない。それほど時間はかからないだろう」と早期決着の見通しを示した。
売却先としては、既にソフトバンクの孫正義社長が、10月18日に球団買収の意向を表明。その後、福岡ドーム球場を保有する米投資会社コロニー・キャピタルの増井利夫駐日代表にも直談判していた。
ダイエーとの契約で売却先の推薦権を保有しているコロニーの増井代表はこの日、サンケイスポーツの取材に答え「球団への熱意を感じた。宣伝効果だけではなく、チームをしっかり運営することを念頭においている。それが1番大事」と、同社の球団本位の姿勢を高く評価。
さらにソフトバンク以外にも数社が買収に名乗りを上げていることを明かした上で「(ダイエー)球団を他の企業とは違った意味でとらえている」と、現時点でソフトバンクが最有力候補であることを示唆した。
今後、ダイエー本社は球団株の約8割をソフトバンクに売却、残り2割を継続保有して、優勝セールなど本業との相乗効果につなげる方向。野球協約で球団売却は11月30日までにプロ野球オーナー会議の承認が必要となるため、大筋で合意すれば今週中にもソフトバンクへの売却方針を発表するとみられる。
ダイエーの中内正オーナーも9日夜、ダイエー本社から呼び出しを受けたことを認め「16年間、続いてきたダイエーホークスが終わるということ」と球団売却の流れについて明言。混迷を極めたダイエー問題は、決着に向けて一気に加速しそうだ。
ダイエーが産業再生機構に支援要請したことで福岡ダイエーホークスの扱いが問題化。年間300万人を動員するパ・リーグ1の人気球団で、ダイエーは優勝セールなどを通じて営業上の貢献度も高いとして継続保有を希望していたが、公的支援を受けての再建の性格上、本業の小売事業への集中が不可避な状況で、球団経営の継続は困難と判断、売却方針を固めた。ソフトバンクは10月、買収の意向を正式に表明していた。
球団買収の方向で最終調整に入るソフトバンクは広報担当が取材に対して「既に球団買収の意向は示していて、各方面とも話をしている段階。具体的には決まっていない」と話すにとどまった。10日には、都内でソフトバンクの決算発表が行われ、孫社長が記者会見する予定。球団買収についても言及する可能性が高い。
楽天とライブドアの新規参入申請でNPBの審査小委員会委員を務めた巨人・清武球団代表は、ダイエーを買収するソフトバンクに対しても審査の必要性を示した。「仮定の段階」と前置きしつつ「審査のテーブルには上げないといけない。小委員会は必要ないかもしれないが」と話した。野球協約32条では球団保有者の変更の場合にも、実行委員会およびオーナー会議は「厳正に審議」することが定められている。
ライブドアの堀江貴文社長は9日、西武球団の買収問題について「現時点では考えていない」と述べ、現状では買収の可能性が低いとの見解を示した。同社長は「証券会社を通じて買収の話はあった」と認めた上で「(提示の)200億円は高過ぎる。今現在は検討もしていない」と話し、他社との共同保有も「1社で持たないと意味がない」と否定した。価格が下がれば再検討するが「50億円程度になれば分からないが、そんなことはないでしょう」と否定的だった。
「ソフトバンク・ホークス」が、早ければ今週中にも誕生する。本社の取締役も兼ねるダイエー・佐々木博茂球団会長は9日、福岡ドーム内の球団事務所で、ブロードバンド(高速大容量)通信大手のソフトバンク(孫正義社長)への球団株売却プランを明言。「(売却の可否が決まるまで)あまり時間はかからないと思う」と、本拠地の福岡ドームなどを保有し、球団売却先の推薦権を持つ米投資会社のコロニー・キャピタルなど、各方面との調整が急ピッチで進んでいることを示唆。来季からの参加期限となる30日までの身売りは決定的となった。
今まで沈黙していた佐々木球団会長が、初めて身売り問題で、踏み込んだ発言をした。8日にダイエー本社・蓮見敏男社長と会談。「今まではホークスの方にまで、話はおりてこなかった。どういう状況か私が確認してきた」とし、今週中に決着の可能性もある状況を明らかにした。
ダイエーは現在、98%保有する球団株式のうち、80%弱を売却し、優勝セールを行うため、20%程度を引き続き保有したい考えで、売却先となるソフトバンクに関して、同球団会長は「買収したい意向は聞いているので、ダイエー側が検討している段階」と、交渉が最終段階に進んでいることを強調した。
ソフトバンクへの早期売却には、経営再建中の本社の支援要請を受け、現在、資産査定中の産業再生機構への理解と、コロニーとの意見調整。さらに日本プロ野球組織(NPB)の承認を得ることが必要。だが、再生機構側は「我々は株主でもないので、何かをさせたり、辞めさせたりはできない」と、水面下で一気に、ソフトバンクとの交渉を進めたダイエーの動きを、静観する姿勢を示唆。売却価格など条件について、説明は求める方針だが、支援決定前に、売却を阻止する権限はなく、この問題への関与は、限定的になる見通しだ。
球団を売却する場合の価格を50億円とするなど、ダイエーと秘密契約を結んでいたコロニーの増井利夫・駐日代表も「ソフトバンクのほか、まだほかの企業が名乗りを上げるのでは」との見方を示す一方で「(ソフトバンクは)経済面で球団をしっかり支える熱意を感じた。最大のテナント事業となるので、決まっているなら、早急に意向を確かめたい」と、前向きな姿勢を見せた。
NPBも、パ・リーグの小池唯夫会長は「佐々木会長から逐次、そういう方向で進んでいるということは聞いている。やるなら来季からと、ソフトバンクもそういう意向を持っているようですから」と発言。来季からの参入に関しては「野球協約通り、実行委員会、オーナー会議で審査、承認することになる。4分の3以上の承諾が必要」と、コロニーとの“グレーな契約”があるものの、あくまで協約に従って行動する見解を示した。
ダイエーは近日中にNPBの承認を得ることを目指し、同組織と実質的な協議に入った。「今週中に決定?早く決断してくれればいい」と結んだ佐々木会長。ソフトバンク・ホークス誕生は、秒読み段階となった。
ダイエーが情報通信大手のソフトバンクに球団を売却する方針を固め、今週中にも最終調整に入ることが9日、分かった。佐々木博茂球団会長が本社の売却方針を認めたもので、球団株式保有比率を98%から20%に下げ、残りをソフトバンクに売却する。球団売却先の推薦権を持つ米投資会社、コロニー・キャピタルも了承している模様で、王貞治監督も買収を“歓迎”する意向を表明。今月中にも「ソフトバンク・ホークス」が誕生する。
福岡ダイエーホークス売却が秒読みに入った。佐々木球団会長は福岡市内の球団事務所で8日にダイエー本社の蓮見敏男社長に確認したことを明かした上で「球団売却を含め検討している段階。ソフトバンク?候補の1つであることは間違いない」と説明。球団首脳が売却方針を認めたのは初めてだ。
ダイエー本社は産業再生機構に支援要請を決定した後も球団の単独保有を主張してきた。しかし、再生機構に球団の全面売却を含め抜本的な事業の見直しを迫られる可能性が高いと判断。早期に売却することで主体的に売却交渉に当たることができるとし、株の過半数を手放しても影響力を残す道を選んだ。佐々木会長は売却検討時期について「10月末だと思う」と話した。ダイエーはソフトバンクに球団株式の約80%を売却、残り20%は保有し続けることで、優勝セールなどで収益面の相乗効果が高い球団に影響力を残す考えだ。
ダイエー本社は福岡ドームを所有するコロニーとの間で球団売却時にコロニーの意向を尊重する契約を結んでいるが、佐々木会長は「一緒に事業をしている仲で、相談はしていると思う」と言及。コロニーの増井利夫駐日代表はソフトバンクから10月末に球団買収の説明を受けたことをダイエーにも伝えており、「商業ベースでなく、強いチームをつくろうという熱意がある」とソフトバンクを評価した。ダイエーはコロニーの了承を得た上で調整作業に入っている模様だ。
また、ダイエー本社とコロニーの間には球団売却価格を50億円以上とする秘密契約が結ばれている。01年オフにTBSがマルハから横浜ベイスターズの54%に当たる球団株を買収した際には約140億円、今月に入って売却方針が明らかになった西武の売却希望額は200億円以上。興行権がコロニーにあることなどが理由と見られるが、数字を比べる限りは安価な価格設定といえる。
野球協約上、来季からの参入には11月30日までにオーナー会議の承認を得る必要があるが、佐々木会長は「それほど時間はかからないと思う。結論は先延ばしにできない」と話した。紆余曲折を経て、ダイエー球団は今月中に“IT企業の雄”にバトンを手渡すことになる。
ソフトバンクへの球団売却が決定的になったことで、王監督にとってダイエーのユニホームを着て本拠地・福岡ドームで采配を振るのはこの日の日米野球が“最後”となる可能性が高まった。
10年間着慣れたユニホームを脱ぐことに寂しさを感じながらも、現実を受け入れる覚悟を口にした指揮官。それだけに早くも“新生ホークス”として迎える来季に視線を移した。既にソフトバンクの孫社長が10月18日に「王監督は僕にとっても憧れのスター。ぜひとも監督を続けて頂きたい」と続投を希望しており、王監督も「直接は聞いていないが、自分としてはクビと言われない限りやるつもり」と前向きに話した。
来季の戦力補強についても今年3月期の売上高が約5174億円を誇るソフトバンクなら補強費の増額が望めるだけに、王監督は「そういう意味では大歓迎だね。勝敗には監督の能力もあるが、まず基本的な戦力がないことにはどうしようもない。小久保、井口が抜けて、ホークスももう1回チームを立て直す時期に来ている」と続けた。
日米野球は第4戦も敗れて4戦全敗。“有終の美”は飾れなかったが“世界の王”は日本一を目指し、福岡でその雄姿をファンに刻み続ける。
ダイエー・王貞治監督はこの日、本拠地・福岡ドームでの日米野球第4戦の前、佐々木球団会長から、球団売却問題の説明を受けた。
既に新たな戦闘服を着る覚悟は、できているようだ。「俺が欲しいのは途中経過でない。最終的な結果だ。11月30日までが期限なんだし、そんなにゆっくりしていられない。できれば、このユニホームで来季もやりたいが、我々の知らないところで話が進んでいる」と、10年間、袖を通したダイエーのユニホームに愛着を示しながらも、売却が避けられないなら、できるだけ早い決着を願った。
含み資産2兆円のソフトバンクに親会社が変われば、財政面の不安は、一気に解消される。「順位とか成績は監督に責任と言われるけど、それは違う。基本的な戦力がないと勝てない」と、早くも大きなバックアップを受けることを、熱望していた。
産業再生機構に支援要請し、経営再建中のダイエー本社が、福岡ダイエーホークス球団を、情報通信大手のソフトバンクに売却する方針を固めたことが9日、分かった。既に話し合いは最終段階を迎えており、今週中にも売却が正式発表される。両社は11月中のプロ野球オーナー会議の承認を目指し、最終調整に入る。またダイエー・王貞治監督は親会社の安定化、補強費の増大などの面でソフトバンクへの売却は「大歓迎」との意向を示した。
球団が売却されようとも王監督のスタイルは変わらない。日米野球第4戦の試合後、いつも通りのコーヒーを手にして話し始めた。「新垣が、ああいう形で(点を)取られてはねえ」。本拠地での日米野球。試合前には、佐々木球団会長から球団の売却方針を説明されていた。それでも、王監督は動揺していなかった。「30日が(野球協約上の)期限なんでしょ。できればこのユニホームで来年もやりたいが、我々の関係ないところで動いているから」。これまでも球団の危機が伝えられるたび「我々がやるべきことは変わらない」と野球に集中することを唱えてきた。今回もそれは同じだ。
自身の去就も「自分から辞めることはない」に変化はない。ポスト王を確立するため、秋山幸二氏を後継者に指名。来季から2軍監督で鍛えようとしている。そんな王監督に対してソフトバンクの孫社長も、買収計画を表明した際に続投を明言していた。経営が安定することは王監督にとってもメリットが大きい。
「補強費増?大歓迎です。(チームの)順位は監督の力が評価されるが、それは違う。基本的な戦力がないとね」。王監督の目は既に戦力整備に向いている。「福岡でやることが大事。ファンとのいい関係を保てればいい」との思いで、決着の日を待つ。
パ・リーグの小池唯夫会長は、ダイエーがソフトバンクに球団を売却する方針を固めたことについて、「ダイエーが水面下で産業再生機構とコロニーに調整しているようで、佐々木球団会長から最近聞いた」と明かした。来季からの参入には11月30日までにオーナー会議などの承認を得なければならないが、小池会長は「話し合いの展開次第」と判断を避けた。またソフトバンクに対する審査は「(譲渡の)申請書に基づいて今後の実行委員会で審議する」と見通しを語った。
村上誠一郎産業再生担当相は9日の閣議後の会見で、ダイエーが球団を売却する方針を固めたことについて「(ダイエーの)資産査定をやっているので、事業に重大な影響を与える行為があるとしたら好ましくない」と不快感を示した。その上で「仮に売却するなら当事者(ダイエー)からきちんとした説明がなされて然るべきだ」と述べた。
福岡市の山崎広太郎市長は定例会見でホークスの売却問題について言及し「もしダイエーが諦めざるを得ないなら、非常に残念だと思う」と語った。山崎市長は「ダイエーの替わりに、しっかりした企業に球団経営をしてもらわなければならない」と続け「福岡に残ることが当然の大前提」と述べた。
横浜でも買収計画が発覚−。IT関連企業「有線ブロードネットワークス」が、横浜ベイスターズの親会社「東京放送」(TBS、井上弘社長)から球団を買収する計画を持っていることが9日、サンケイスポーツの取材で分かった。「有線ブロード−」に近い関係者が明かしたもので、既に両社の幹部が水面下で交渉しているという。ただ株の譲渡額で双方に約50億円の開きがあるため、合意に至るかは予断を許さない状況。その場合、TBSでは株の部分譲渡を含めて、再来年以降をにらみ、新たな譲渡先を探す可能性も浮上している。
ダイエー本社が球団をソフトバンクに売却する方針が明らかになったこの日、新たな波が再び球界を襲っていた。震源はセ・リーグ、横浜だ。 球界を席巻するIT関連企業のうち「有線ブロードネットワークス」が横浜球団の親会社TBSと、球団買収を前提として話し合いをしていたことがサンケイスポーツの取材で発覚した。
有線ブロードに近い関係者によると、10月頃から有線ブロード、TBS幹部が水面下で球団譲渡に関する交渉を始めたという。有線ブロードは10月21日にダイエーの買収に興味を示していると報じられたが、含み資産2兆円を誇る通信大手のソフトバンクがいち早くダイエー買収に乗り出したこともあり、TBSとの交渉を本格的に進めることになった。
両者の話し合いは球団株の譲渡額が焦点となった。横浜ベイスターズの全130万株のうち、関連会社「ビーエス・アイ」と合わせて90万株を保有するTBSは、平成14年に筆頭株主のマルハの70万株分を当時約140億円で取得した。その経緯から、交渉では「150億円以上」を提示。これに対して、有線ブロードは「100億円が上限」とし、最低でも50億円の開きが出ている。
関係者は「時間的に来季参入は難しい」ともしているが、有線ブロードの参入の狙いは『インターネット野球中継』。新規参入の楽天とは有料配信サイト「ショウタイム」を共同運営しており、宇野康秀社長は球団を保有した場合「(野球中継で)ブロードバンド通信や、エンターテインメント情報配信の仕方を変えていくのも役割」と話している。
有線ブロードは、西武に対しても、100億円を上限に買収交渉に応じる姿勢を見せている。関係者によると今後、本拠地の立地条件、セ・リーグという点を考慮し、TBSに提示額を上乗せする可能性もある。その場合は、06年からの球界参入を目指すという。
また今回の交渉が不調に終わった場合は、球界参入へ興味を持つ別の企業が横浜への買収に乗り出す可能性もある。球界関係者の話では、TBSが出資し、パ・リーグの全試合を放送している通信衛星(CS)放送のスカイパーフェクト・コミュニケーションズが有力。ほかに新規参入を阻まれたライブドア、日産自動車などが候補になるとみられる。セ・リーグにも飛び火したIT企業の球界参入。球界再編は、再び新展開を迎える。
球界参入または参入が予想される企業の比較 | |||||
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会社 | 楽天 | ライブドア | スカイパーフェクト・コミュニケーションズ | 有線ブロードネットワークス | ソフトバンク |
所在地 | 東京都港区 | 東京都新宿区 | 東京都渋谷区 | 東京都千代田区 | 東京都中央区 |
代表者 | 三木谷浩史(39) | 堀江貴文(32) | 重村一(59) | 宇野康秀(41) | 孫正義(47) |
資本金 | 398億2500万円 | 239億6400万円 | 500億1400万円 | 204億6425万円 | 1623億356万円 |
売上高 | 206億2300万円 (180億8285万円) | 308億円 (108億2400万円) | 371億4600万円 (356億1000万円) | 1250億1300万円 (938億9200万円) | 5173億9300万円 (4068億) |
業種 | IT関連全般 | IT関連全般 | CS放送事業 | 放送、カラオケ事業など | IT関連全般 |
[注]かっこ内は前年の売上高。いずれも各社ホームページ参照
横浜球団の株主構成 | ||
---|---|---|
社名 | 取得株式数 | 所有割合 |
東京放送 | 67万株 | 51.54% |
ビーエス・アイ | 23万株 | 17.69% |
ニッポン放送 | 40万株 | 30.77% |
合計 | 130万株 | 100.00% |
平成13年11月、横浜球団の全株式の53.8%を所有していた「マルハ」が、リストラ計画の一環として、30.77%40万株を保有する「ニッポン放送」に譲渡を決定。しかし、同じフジサンケイグループの「フジテレビ」が、ヤクルト球団の株を保有していたため、いったん白紙撤回された。「マルハ」は既に15.38%に相当する20万株を所有していたTBSに株譲渡を申し込み、TBSグループは総額140億円での買収を決定。うち47万株94億円を「TBS」、23万株46億円を「ビーエス・アイ」が譲り受けることで合意。買収は14年1月のオーナー会議で承認された。
TBSの井上弘社長はプロ野球の視聴率が低下していることを悲観。周囲に「巨人戦のレーティング(視聴率)の悪さには弱っている。来季の野球(番組)編成については何ともいえない」との認識を示している。またチームも親会社となってから3年連続最下位で低迷しており、来季の牛島新監督で順位が上がらなければ、球団経営をするメリットはないとの指摘もある
ライブドアは9日、今後の条件次第では西武ライオンズの買収に乗り出す可能性があることを明かした。ライブドアベースボールの中野正幾取締役はスポーツ報知の取材に対し「NPB側に落選理由をクリアにしてもらわないといけないが、我々の球界参入の意志は非常に強い。(買収も含め)可能性は今後ゼロじゃない」と語った。
2日の新規参入の審査では「財務面での体力が劣る」との理由で楽天に敗れた。だが、中野取締役は「単なる楽天との比較ではなく、ライブドア社自体が参入できる体力があるかないかを判断してもらいたい。仮に楽天が立候補せずに、ウチだけだったらどういう結果だったのか」と審査に疑問を投げかけた。「仮に現状で買収を検討しても、またNPBからはじかれたらムダ足になる」と慎重な構えを見せた。
だが、同取締役は「問題がクリアになり、値段も下がれば(買収の)可能性はある」とも述べた。200億円とされる西武球団の価格については「高すぎる。ダイエーが100億とすれば、絶対にそれ以下でしょ。日本一になったからって、こんなにプレミアムつけていいの?200億じゃ誰も買わないよ」と一蹴。さらに「今後は現実的な値段に下がるでしょう。売り手と買い手の市場メカニズムですよ」と自信すら見せた。
8日夜には「金額次第で買収の意向」という一部報道をあっさりと否定したライブドアだが、一夜明けて改めて買収への強い意欲を示した。仙台での新規参入はならなかったが、“IT界のフェニックス”は今後も球界の扉をノックし続ける。
ライブドア・堀江貴文社長は9日、西武球団の買収について「現時点では考えていない」と話した。「証券会社を通じて買収の話はあった」と認めた上で「(提示の)200億円は高過ぎる。今現在は検討もしていない」と話した。他社との共同保有も「1社で持たないと意味がない」と否定。価格が下がれば再検討するが「売却額が50億円程度になれば分からないが、そんなことはないでしょう」と中野取締役とは対照的に否定的な見通しを述べた。
有線ブロードネットワークスが9日、金額面など条件次第で西武球団買収を検討することを明らかにした。有線ブロードに対し証券会社を通じて西武買収の打診があったが、回答は留保したという。有線ブロードは球界参入について前向きに検討しているが、対象は西武に限定しておらず、ダイエーホークス買収などの可能性も探っている、という。西武については200億円以上とされる売却額に対し、100億円を上限としている。金額の問題とともに、親会社のコクドが売却交渉を凍結したこともあり、実現するかは不透明だ。
ライブドアの堀江貴文社長は9日記者会見し、西武の買収問題について「現時点では西武球団の買収は考えていない」と述べ、今のままの状況では買収の可能性が低いとの見解を示した。堀江社長は「証券会社を通じて買収の話はあった」と認めた上で「(提示の)200億円は高過ぎる。今現在は検討もしていない」と話した。他社との共同保有も「1社で持たないと意味がない」と否定した。価格が下がれば再検討するが「売却額が50億円程度になれば分からないが、そんなことはないでしょう」と否定的な見通しを述べた。
パ・リーグ小池会長が、西武から売却の意思がないという報告を受けた。同会長は都内の事務局で「昨日、(オーナー代行の)山口さんから電話をもらいました。西武としては売却する考えはないと、はっきりおっしゃっていました」と語った。
前日の分配ドラフトで移籍先が決まった近鉄選手、スタッフが9日、藤井寺球場で最後のミーティングを行った。午前10時にグラウンドに集合。藤瀬管理部長からオリックス、楽天の今後のスケジュールが説明された。ミーティング後には早速、楽天入りする選手に対しトレード通告と査定の説明が行われた。足高代表は「正式な契約は楽天さんに行ってから交わすことになるが、今季の成績を踏まえた数字を伝えた」と話した。この日は山下、長坂ら若手10選手が終了。今後は礒部ら主力、さらにオリックス入りする選手らにも同様の通達がされる。
分配ドラフトでオリックス入りが決まった近鉄岩隈が、10日の合併新球団の結団式に強行軍で出席する。日米野球の全日本の一員として福岡から早朝の新幹線で大阪に移動し出席する。この日も「(トレード志願の)気持ちは変わっていませんが嫌だ、嫌だと言ってばかりでも始まらない。話し合ってからです」とやや軟化と受け取れる発言。
近鉄が9日、藤井寺球場で最終ミーティングを開いた。選手、スタッフが藤瀬管理部長から今後の予定について説明を受け、その後8日の分配ドラフトで合併球団のオリックス・バファローズに所属が決まった選手達はロッカーの片付けなどに取りかかった。
合併球団にいく水口は「気持ちは前向きに、色々な歴史をつくれたらいい」と話し、楽天入りする高村は「気持ち的にはすっきりした。決まった以上は優勝したい」と、新天地での意気込みを口にしていた。
近鉄と合併するオリックスは9日、仰木彬監督体制の来季コーチ陣を発表した。1軍打撃コーチには元本塁打王、近鉄OBのラルフ・ブライアント氏が就任。今季のオリックスのコーチから加藤英司2軍監督ら9人が残り、うち8人が2軍を担当する。今季限りで現役を退いた赤堀元之投手、三輪隆捕手が、それぞれ1軍の投手コーチ、バッテリーコーチに就いた。
「仰木ファミリー内閣」が正式に誕生した。合併新球団の「オリックス・バファローズ」は9日、新体制元年となる来季のコーチングスタッフを発表した。目玉となるのは元近鉄のブライアント氏の打撃コーチ就任。今回の組閣には仰木監督との“師弟関係”が重視され、チーフ兼打撃コーチにはオリックス監督時代にコーチ、2軍監督を務めた前ダイエー・新井打撃コーチを招聘。同じように前阪神・松山2軍守備走塁コーチ、近鉄監督時代に現役選手だった前近鉄・真喜志1軍守備走塁コーチ、今季限りで引退した赤堀氏が入閣と、仰木監督による意向が色濃く反映された。ナインの現状をよく知る旧オリックス、近鉄の1軍首脳のうち、引き続き合併球団の1軍スタッフに加わったのは真喜志、安田、赤川のわずか3コーチだけ。オリックス・中村勝広GMは「監督の強い意向もあった。(組閣に反映させたのは)難しいかじ取りになるから」と説明した。
楽天が15日の実行委員会で「エキスパンションドラフト(拡張ドラフト)」を提案することになった。9日、キーナートGM、広野編成部長が都内のパ・リーグ連盟を訪れ、前日8日の分配ドラフトについて報告した。この席でキーナートGMが、小池会長らに同ドラフトの必要性を説いた。村田事務局長は「具体的な案を聞きました。ただ、連盟で決めることではないので、実行委員会で提案して議論してもらうよう助言しました」。キーナートGMは「15日に提案したい」と話した。
緊急提案は田尾監督の希望でもあった。トライアウト出席後、同ドラフトについて触れると、「各球団から1人ずつでいいので、チャンスが与えられていない力のある選手を譲って欲しい。球界が盛り上がる方向に持っていくのが大切だと思う」と、このオフの実現を訴えている。
楽天の本拠地として使用する仙台市内の県営宮城球場で9日、12月に開始予定の改修工事に備えた安全確保のフェンス用資材などが運び込まれた。建設会社によると、1週間かけ、約2メートルの鉄板で球場を囲い、立ち入り禁止にする。11月中をめどに観客席の取り外しやブルペン新設予定地である球場外側の地面を掘り、埋設物を確認する。
12球団合同トライアウトが9日、西武ドームで行われ投手32人、野手19人の51選手が参加。新規参入の楽天をはじめメジャー、台湾球界関係者が見守る中、約5時間にわたってプレーを披露した。楽天は球団代表に就任予定の米田準備室担当部長、田尾監督以下12球団最多となる首脳陣9人が選手の動きを細かくチェック。田尾監督は「かなり魅力的な選手が何人かいた。ピッチャー3人、バッター2人が目につきました。三拍子揃った選手は難しいけど打撃や守備では1軍レベルに達していた」と話し、具体名こそ明かさなかったが収穫を強調した。
既にヤクルト・飯田、オリックス・山崎らベテランのトレードによる補強を決めている楽天が目をつけたのは横浜・七野だ。1メートル80、90キロの大型野手で5年目の今オフ戦力外通告を受けたが、2軍では2年連続2ケタ本塁打を放つなどパンチ力は十分。動きを確認した上で野手のトップとしてリストアップした。田尾監督は「(どの選手も)獲得は全体的な人数を決めてから」と慎重な姿勢で、合同トライアウトは24日にも福岡ドームで行われるが、この日リストアップした選手とは早ければ10日にも交渉に入る。
巨人を戦力外になった野村がシート打撃で2打席連続のサク越え。第1打席から続けて左翼席へ叩き込んだ。その後4打席は凡退したが、打力をアピールし「精一杯やれました。でき過ぎです」と満足げ。父のシダックス・野村監督が「合格を出してくれるチームがあることを祈ります」と期待していた中で力を発揮し、あとは吉報を待つだけとなった。
オリックス、近鉄を戦力外となった吉井と加藤の39歳コンビが力投した。シート打撃でともに打者4人を無安打。中でも吉井はオール直球で3連続三振を奪い「スカウトが何を見たいか意識した。肩とひじは問題ない」と強調した。加藤も「もう1年現役にこだわりたい」と訴えていた。
「楽天一場」が夢の最速160キロを目指す。明大・一場靖弘投手(22)の、自由獲得枠での楽天入りが9日、正式に決まった。この日、東京・調布の明大野球部寮で楽天のキーナートGM、広野編成部長同席のもと、契約締結内定書にサイン。15勝と新人王を目標に掲げ、背番号も慣れ親しんでいる明大のエースナンバー「11」を希望した。また田尾監督ら現場スタッフはこの日、西武ドームで行われた12球団合同トライアウト(入団テスト)を視察。新生球団が戦力補強を着々と進める。
感謝の念と、固い意志。記者会見で発した一場の言葉に、そんな気持ちが濃縮されていた。
不祥事の責任を背負いプロらしく結果を残す。そんな決意に満ちていた。
「15勝して新人王を取りたい」。1から出直す覚悟のほどが、あえて設定した高い目標に表れていた。戦力不足が明らかな新球団で、エースを張る自覚もある。「中5日で投げて欲しいと言われました」と話すように開幕ローテーション入りは確実。それどころかキーナートGMは「開幕投手?もちろん候補です」と大役の可能性も、ほのめかした。背番号は「馴染みのある11番」を希望。中日川上から受け継いだ明大エースナンバーにこだわった。
契約の席で、明大の別府総監督は「使い減りしないタイプだから、毎試合ベンチに置いて先発、中継ぎ、抑えに使ってください」と鉄腕ぶりを楽天サイドに伝えた。シーズンでもフル回転する肩のスタミナが、楽天投手陣を支える。
最大の魅力は、154キロの速球。「プロでは160キロを出したい。西武カブレラ選手と対戦したいです」と、日本最速に思いをはせ目を輝かせた。広野編成部長も「みんなが憧れの150キロを軽々と投げる。即戦力だがまだ発展途上。可能性は無限大にある」と伸びしろにも期待した。夢の160キロ台到達も一場なら夢ではない。
注目右腕の進路は二転三転の末、仙台に決まった。産声を上げた新球団と、自らの胸の内がピタリと重なる。「新しい気持ちで原点に戻って1からスタートできそうです」。野球部退部から約3ヶ月経ち、体重は6キロも落ちた。それでも即戦力として、地元ファンの期待に応える意気込みは、漲るばかりだ。
巨人、横浜、阪神との金銭授受が発覚した明大・一場靖弘投手(22)の自由獲得枠での楽天入りが9日、正式に決まった。東京・調布市の明大合宿所を訪れた楽天のマーティ・キーナートGM、広野功編成部長と会談。契約締結を内定する書類にサインした。
キーナートGMとがっちり握手した一場。右手人差し指で書類に印を押した。また通常、所属チームの監督もサインするが、一場は既に金銭受け取りの責任を取って退部していることから、野球部長を務める明大・沢内隆志教授がサイン、押印した。
会見した一場は「今は野球ができる喜びを感じています。ここに来るまでたくさんの方に迷惑をかけました。恩返しするために戦い、またボランティアもしたい。恵まれない子供達への寄付もやりたいです」と神妙な面持ち。今後は新潟県中越地震の被災者を含め、社会貢献活動にも取り組むことを明かした。目標は新人王と15勝。投げ合いたい投手に西武・松坂を挙げた。背番号は「11」が有力だ。
フル稼働が期待される。キーナートGMは「頑丈な体で(投球回)200イニングも出るのでは。完全に先発ローテーションに入る」と太鼓判。会談で「中5日」での先発登板など具体的な起用法まで言及したという。さらに開幕投手の可能性についても「十分考えられる」と同GM。MAX154キロ右腕も「そうなったらプレッシャーがかかりますね」と満更でもない様子だった。
開幕投手をつかみ取れ!巨人、横浜、阪神からの金銭授受問題で明大野球部を退部していた一場靖弘投手が、ドラフト自由枠で楽天に入団することが9日、正式決定した。「15勝と新人王が目標」という同投手だが、楽天の田尾安志監督は「自力で開幕投手の座をつかみ取って欲しい」とゲキ。新球団の記念すべき開幕マウンドを黄金ルーキーに託すプランも明かした。
これ以上ない歓迎の言葉だった。新球団・楽天の門を叩いた一場に向けて、田尾監督がありったけの思いを込めた。「一場投手の入団が正式に決まって本当に嬉しい。色々あっただろうが、彼だけに責任を背負わせるのは酷。プロは実力の世界なので、開幕投手の座を自分でつかんで欲しいという気持ちでいます」。一場の入団正式決定を受けて、都内で思わず口をついた熱きメッセージだった。
この日午前、東京・調布市の明大合宿所で楽天のマーティ・キーナートGM(と広野功編成部長を迎えた一場。大安のこの日を選んで、契約締結内定書にサインした。「野球を奪われる覚悟でいた。野球ができる喜びでいっぱい」と胸中を吐露した。
金銭授受の事実が発覚後、一時はプロ入りが危ぶまれたが、晴れて楽天入団が決定した。眠れない夜。気遣いから、群馬に住む両親に連絡できない日々も続いた。それだけに全てをリセットして新天地に飛び込むだけに、若きゴールデンイーグルの決意は固い。
「たくさんの方に迷惑をかけたので、その恩返しをしてプロで活躍することを誓いたいです。新人王を狙い、15勝を目標にしたいです」。傷ついた羽は自力で癒す。栄えある楽天第1期の開幕投手を目指すべく、一場が新たな旅立ちの時を迎えた。
スカウトからの金銭授受問題で明大野球部を退部した一場靖弘投手(22=桐生一)が9日、東京・調布市の明大野球部合宿所で楽天のマーティ・キーナートGMらと交渉。契約金1億円(出来高5000万円)、年俸1500万円で自由獲得枠での入団に合意し、契約締結内定書にサインした。楽天の首脳陣は新球団の“新人第1号”となった一場を開幕投手候補に挙げ、1からの出直しを誓う一場も新人王を目標に掲げた。
8月13日に巨人からの金銭授受問題が発覚してから89日。傷心のどん底にいた大学NO.1右腕の一場に笑顔が戻った。「今は好きな野球ができる喜びがある。原点に戻って頑張ります。(楽天は)自分が活躍できる場所だと思います」。
報道陣約50人が駆けつけた明大合宿所で一場は真っすぐに前を向いて会見。同席した広野編成部長と頼もしそうに見つめたキーナートGMは「彼の頑丈さを買っている。完全にローテーションに入ってくる」と高く評価。その上で「開幕投手?十分考えられるでしょう」と、来年3月26日のロッテとの記念すべき開幕戦(千葉マリン)での先発の可能性も示した。
今回の騒動で体重が6キロも減った一場は開幕投手について「そうなったら、プレッシャーですね」と苦笑いしたが、自信はある。だから早くも3・26開幕を見据えて「練習できていないので筋肉が落ちた。早く体を戻さないといけない」と言った。11日に明大・納谷広美学長へ一連の問題について謝罪してから、本格的なトレーニングを再開する予定だ。
交渉の場では印鑑を忘れ、代わりに母印を押した一場。それでも野球ができることへの感謝は忘れない。「今回の(金銭授受の)件は終わったとは思っていない。多くの人に迷惑をかけた。社会に貢献して恩返ししたい」と話し、契約金の一部を新潟県中越地震の義援金や恵まれない子供達への寄付、さらにその子供達を球場に招待する“一場シート”も計画している。
背番号は大学時代の「11」を希望し球団側も了承。「大きく言ったら15勝、新人王を獲りたい。松坂さんと投げ合いたい」と憧れの人との対決へ思いをはせた。田尾監督からは「15勝が目標?20勝でもいいんじゃないか」と期待も寄せられた一場。神宮の杜から杜の都へ、夢は大きく広がっていく。